JP3273859B2 - 歯科診療装置 - Google Patents

歯科診療装置

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JP3273859B2
JP3273859B2 JP09512394A JP9512394A JP3273859B2 JP 3273859 B2 JP3273859 B2 JP 3273859B2 JP 09512394 A JP09512394 A JP 09512394A JP 9512394 A JP9512394 A JP 9512394A JP 3273859 B2 JP3273859 B2 JP 3273859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科診療装置に関し、
もっと詳しくは、ハンドピース、シリンジ、ベースンと
呼ばれる排唾鉢およびバキュームタンクなどに酸性イオ
ン水を供給するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科診療において、エアタービンハンド
ピースは、圧縮空気によって回転されるエアタービンに
よって、切削具を高速度で回転して歯牙を切削するため
に用いられ、この切削時に切削個所が摩擦熱で高温度に
なるのを防ぐために、水または水と空気の混合流体を噴
射して冷却している。シリンジは、歯科診療後の口腔内
を清掃するために、口腔内に水、空気または水と空気の
混合流体を噴射するために用いられる。排唾鉢は、歯科
診療後に患者が口腔内をうがいなどしたときの口腔内の
歯牙の削りくずや血液を排出するためなどに用いられ
る。
【0003】エアタービンハンドピースを用いて歯牙を
切削などしたとき、患者の血液、唾液および歯牙の切削
片などがハンドピース、シリンジおよび排唾鉢などに付
着し易い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、歯科
診療機械器具の殺菌性能を向上させることができるよう
にした歯科診療装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、歯科診療のた
めに用いられる歯科診療手段と、電解イオン水を生成す
る手段と、電解イオン水生成手段に水を供給する水供給
源と、水供給源からの水と、電解イオン水生成手段から
の酸性イオン水とを、切換えて歯科診療手段に導く切換
え手段とを含むことを特徴とする歯科診療装置である。
【0006】また本発明は、電解イオン水生成手段に
は、水溶性中性塩を供給する中性塩供給源を備えること
を特徴とする。
【0007】また本発明は、酸性イオン水の酸化還元電
位は、900mV以上であることを特徴とする。
【0008】また本発明は、電解イオン水生成手段は、
水供給源からの水が供給される電解槽と、電解槽内に設
けられる第1の電極と、電解槽内に、第1の電極と間隔
をあけて設けられる第2の電極と、第1および第2の電
極に、極性を反転して電圧を与える直流電源と、陽極と
なる第1または第2の電極付近の酸性イオン水を切換え
て導く弁とを備えることを特徴とする。
【0009】また本発明は、操作スイッチと、操作スイ
ッチの出力に応答して、少なくとも歯科診療手段内に酸
性イオン水が流過するに充分な予め定める時間の刻時動
作をするタイマとを含み、前記切換え手段は、タイマの
出力に応答し、前記予め定める時間だけ、酸性イオン水
生成手段からの酸性イオン水を歯科診療手段に供給し、
その後、水供給源からの水を供給して、歯科診療手段内
に酸性イオン水が残留しないようにすることを特徴とす
る。
【0010】また本発明は、歯科診療手段は、排唾鉢
と、排唾鉢内に排唾鉢の洗浄のための水を供給するノズ
ルとを含み、このノズルに切換え手段からの水が供給さ
れることを特徴とする。
【0011】また本発明は、歯科診療されるべき患者が
着座する診療台を含み、歯科診療手段は、この診療台に
関連して設けられ、電解イオン水生成手段は、診療台ま
たはその付近の固定位置に設けられ、さらに、診療台ま
たはその付近の固定位置に設けられ、電解イオン水生成
手段からの酸性イオン水が供給される一方の管継手と、
前記一方の管継手に着脱可能である他方の管継手が取付
けられる可撓性管路とを含むことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に従えば、エアタービンハンドピース、
シリンジ、排唾鉢、およびその他の歯科診療のために用
いられる歯科診療手段に、電解イオン水生成手段からの
酸性イオン水を供給し、その酸性イオン水の性質として
低PH、高酸化還元電位および溶存塩素を有していると
いう性質を利用し、これらの相乗効果によって、細菌の
増殖を抑制し、殺菌を行うことができる。酸性イオン水
は、歯科診療手段およびそれに水を導く管路などの金属
製構成要素を腐食させて錆を発生するおそれがあり、し
たがって酸性イオン水の使用後には、電解イオン水生成
手段からの酸性イオン水に代えて、水供給源からのイオ
ン化されていない水を供給し、一方管路内に残留する酸
性イオン水を水で押出すようにして排出し、これによっ
て歯科診療手段およびそれに水を導く管路などの内部に
酸性イオン水が残留しないようにする。
【0013】電解イオン水生成手段から得られる酸性イ
オン水の酸化還元電位は、900mV以上、好ましくは
1100mV以上に選び、これによって殺菌効果を強力
に向上することができ、殺菌効果を得ることができる。
【0014】電解イオン水生成手段に水供給源から供給
される水には、NaClまたはKClなどのような水溶
性中性塩を添加して供給し、これによって電解イオン水
生成手段における酸性イオン水のPHを充分に低くし、
たとえばpH2.7程度以下にし、殺菌効果をさらに向
上することができる。
【0015】さらに本発明に従えば、電解イオン水生成
手段における第1および第2の対を成す電極の直流電源
から供給する電圧の極性を反転して与え、これによって
陰極となっている電極に、ミネラル分、たとえばN
+,Ca2+,Mg2+などによって固形物が付着するこ
とを防ぐことができる。したがって長期間にわたって、
たとえば1000時間にわたり、連続運転をすることが
できるようになり、電極の機能の劣化を防ぐことができ
る。
【0016】このような第1および第2の電極の極性が
反転されても、歯科診療手段に酸性イオン水が供給され
ることを可能にするために、その極性の反転に応じて、
陽極となる第1または第2の電極付近から酸性イオン水
を自動切換弁によって切換えて供給する。
【0017】さらに本発明に従えば、操作スイッチを操
作することによって、電解イオン水生成手段からの酸性
イオン水が、歯科診療手段内に流過するに充分な予め定
める時間、たとえば15分程度の刻時動作をタイマによ
って行わせ、少なくともそのような予め定める時間だ
け、酸性イオン水を歯科診療手段に供給して、殺菌を行
う。この予め定める時間の経過後には、水供給源からの
水を供給して歯科診療手段内に殺菌イオン水が残留しな
いようにして、歯科診療手段の金属製構成要素が腐食な
どすることを防ぎ、また酸性イオン水が患者の口腔内に
導かれて悪影響が生じないようにすることができる。
【0018】特に排唾鉢は細菌などによって汚染されや
すいので、その洗浄のために酸性イオン水が用いられ
る。
【0019】さらに本発明に従えば、前述のように歯科
診療手段には、診療時、切換え手段によって水道水を供
給し、非診療時には殺菌性能の高い酸性イオン水を切換
えて供給することができるという優れた効果が達成さ
れ、しかも特に本発明では、電解イオン水生成手段を、
歯科診療されるべき患者が着座し、または寝ることがで
きる診療台、またはその付近の固定位置に設け、この電
解イオン水生成手段からの酸性イオン水を歯科診療手段
に供給するだけでなく、その診療台またはその付近の固
定位置に一方の管継手を取付けて、電解イオン水生成手
段からの酸性イオン水を前記一方の管継手に着脱可能な
他方の管継手を経て可撓性管路から希望する場所に導
き、殺菌などのためにその酸性イオン水を用いることが
できる。
【0020】
【実施例】図1は本発明の一実施例の歯科診療装置の全
体の構成を示す系統図であり、図2はその歯科診療装置
の簡略化した斜視図である。これらの図面を参照して、
歯科診療されるべき患者が着座し、さらに寝ることがで
きる診療台1の下部のハウジング2内には、電解イオン
水生成手段3および酸性イオン水供給手段4、さらには
食塩水供給手段5などが設けられ、その診療台1には歯
科医師用の3ウエイシリンジ6、マイクロモータハンド
ピース7、超音波スケーラ8およびエアタービンハンド
ピース9,10が設けられ、また介助者用の3ウエイシ
リンジ11およびバキュームシリンジ12が備えられ
る。また歯科医師が単独で治療を行うときに用いられる
サライバエジェクタ13が備えられる。さらに排唾鉢1
4が設けられ、ここにはその排唾鉢14内を洗浄するた
めに水を噴出するノズル15が設けられ、また患者のう
がいのためにコップに水を供給するうがい水供給ノズル
16が排唾鉢14に関連して設けられる。3ウエイシリ
ンジ6,11は、水と圧縮空気とを切換えて噴射し、ま
たは水と空気との混合流体を噴射することができる。
【0021】マイクロモータハンドピース7は、小形電
動機によって先端に装着された切削具によって歯牙を切
削することができ、その摩擦熱で高温になることを防ぐ
ために、水が噴射される。超音波スケーラは、歯石を除
去したり根管を拡大するために用いられる。エアタービ
ンハンドピース9,10は、圧縮空気によって高速度で
回転駆動される切削具によって歯牙を切削するために用
いられる。バキュームシリンジ12は、介助者が患者の
口腔内の液体または固形物などの物質の真空吸引のため
に用いられる。サライバエジェクタ13は、歯科医師が
一人で治療を行う際などに、患者の口腔内の唾液などを
真空吸引するために用いられる。管路17からの水は、
シリンジ6,11,12、ハンドピース7,9,10、
超音波スケーラ8、サライバエジェクタ13および排唾
鉢14に設けられるノズル15,16などの歯科治療手
段に導かれる。
【0022】マイクロモータハンドピース7には管路1
7との間にパイロット作動形2ポート2位置切換え弁1
8が設けられ、この切換え弁18には空気圧源19から
開閉弁20を経てパイロット圧である圧縮空気が供給さ
れる。歯科医師または介助者などの歯科医療従事者は、
操作回路21における開閉弁20を開閉操作するために
フットスイッチ22を足踏み操作し、これによって開閉
弁20の開閉動作を制御する。エアタービンハンドピー
ス9,10に関連して設けられる切換え弁23,24お
よび操作回路25,26もまた同様な構成となってい
る。超音波スケーラ8は、2ポート2位置電磁切換え弁
27の開閉動作によって管路17からの水が供給/遮断
され、その電磁弁27は操作スイッチ28によって制御
される。
【0023】排唾鉢14に設けられているノズル15,
16に接続される管路29,30には、2ポート2位置
電磁切換え弁31,32が管路17との間に介在され、
操作スイッチ33,34によって開閉制御される。電磁
弁32には並列に、開閉弁35が設けられる。
【0024】バキュームシリンジ12は、開閉弁36を
介して、排唾鉢のノズル15,16からの排水路92と
合流して吸引管路37に接続され、またこの管路37に
はサライバエジェクタ13が接続される。管路37は、
気液分離をするバキュームタンク38に接続される。バ
キュームタンク38の上部は管路39および操作スイッ
チ40によって開閉制御される2ポート2位置電磁切換
え弁41を介して、吸引のための真空ポンプ42に接続
される。水供給源である水道水は、管路43から開閉弁
44を経て、また管路45を経て3ポート2位置電磁切
換え弁46から管路17に水道水を供給することができ
る。この電磁切換え弁46は、操作スイッチ47によっ
て管路45からの水道水と、管路48からの酸性イオン
水とを切換えて管路17に供給することができる。
【0025】図3は、電解イオン水生成手段3の構成を
示す断面図である。図1に示される管路43を介する水
道水は、図3に示される管路49を経て、電解槽50に
供給される。電解槽50内には、たとえば多孔質の壁5
1を介して間隔をあけて第1の電極52と第2の電極5
3とが配置され、これらの電極52,53が管路49か
らの水に浸漬される。直流電源54から極性反転スイッ
チ55を介してライン56,57から電極52,53に
直流電圧が供給される。
【0026】電極53が陽極とされ、かつ電極52が陰
極とされることによって、水が電気分解され、電極53
からは酸性イオン水が切換え弁58を経て管路59に導
かれ、また管路60にはもう1つの電極52付近のアル
カリ性イオン水が供給される。陰極となっている電極5
2または53にミネラル分であるCa,K,Mgなどの
陽イオンが移動して固形物が付着して電極52の機能が
劣化することを防ぐために、制御回路61は、反転スイ
ッチ55によって電極52,53の極性を、予め定める
一定時間毎に判定し、これと同時に切換え弁58を操作
し、こうして電極52(または53)が陽極になったと
きにはその電極52(または53)付近の酸性イオン水
が管路59に導かれ、陰極となっている電極53(また
は52)付近のアルカリ性イオン水が管路60に供給さ
れるように制御する。
【0027】図1に示されるように、食塩水供給手段5
は、食塩水を貯留するタンク63から、ポンプ64を経
て、管路65から開閉弁66を経て、管路49に、食塩
水が間欠的に、または連続的に、供給される。タンク6
3内の食塩水は、たとえば水2リットル中に食塩200
gが溶解または混合されたものであって、食塩水濃度1
0%である。このような食塩水を、管路65から管路4
9に供給することによって、電解イオン水生成手段3に
おける水が電気分解されるとき、陽極となっている電
極、たとえば53において得られる酸性イオン水は、た
とえばpH2.7以下として強酸性とすることができ
る。これによって管路59から供給される酸性イオン水
の残留塩素濃度が、たとえば30ppm未満であって
も、細菌の殺菌作用を充分に達成することができる。
【0028】さらに本発明によれば、電極52,53に
印加される直流電圧によって、酸性イオン水の酸化還元
電位を図4から明らかなように900mV以上、好まし
くは1100mV以上とし、これによって大腸菌等の殺
菌作用を充分に達成することができる。
【0029】前述の食塩水に代えて、粉末状の食塩であ
ってもよく、あるいはその他の物質、たとえばKClな
どであってもよく、このように本発明では水溶性中性塩
またはその水溶液が用いられる。
【0030】電解イオン水生成手段3から管路59を経
て供給される酸性イオン水は、図1に示される酸性イオ
ン水供給手段4におけるタンク67に貯留され、ポンプ
68を経て管路48に供給される。管路69は、管路4
8の圧力が上昇したときその圧力によって弁70が開
き、タンク67に水が戻って循環され、こうして管路4
8が異常な高圧力になることが防がれる。
【0031】酸性イオン水による金属製構成要素の腐食
を防ぐために、管路59およびそれよりも下流側の構成
要素6〜17,48,67,68などは、耐食性に優れ
たステンレス鋼SUS316製あるいはまた金属以外の
材料、たとえば塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレートPET、ABS樹脂およびテフロン
(商品名)などのふっ素樹脂などであってもよい。
【0032】参照符6〜16で示される歯科診療手段の
殺菌を行うためにスイッチ47を操作して電磁切換え弁
46を制御して酸性イオン水を管路48から管路17を
経て、供給する。こうして殺菌を行った後には、電磁切
換弁46を操作し、管路45からの水道水を供給して、
それらの歯科診療手段6〜16内にある酸性イオン水を
排出しておく。これによってそれらの歯科診療手段6〜
16が金属製構成要素を含むときに、その腐食を防ぐこ
とができるとともに、酸性イオン水が患者の口に入るこ
となどを防いで、患者への悪影響を防ぐことができる。
【0033】図5は、本発明の他の実施例の全体の構成
を示す系統図である。この実施例では酸性イオン水を供
給する管路48と、歯科診療手段6〜16に接続される
管路17との間に2ポート2位置電磁切換え弁72が介
在される。また水道水は管路45から2ポート2位置電
磁切換え弁73を経て管路74から、歯科診療手段6〜
16に水道水が供給される。こうして管路17,74は
並列に接続され、それらの歯科診療手段6〜16の近傍
で共通に接続されている。その他の構成は、図1〜図4
に示される実施例と同様である。
【0034】このような図5に示される実施例によれ
ば、酸性イオン水を供給/遮断する電磁切換え弁72を
遮断状態としたままで、電磁切換え弁73を開いて水道
水を供給し、殺菌のために歯科診療手段6〜16内に流
過していた酸性イオン水を充分に排出することができ
る。
【0035】電磁切換え弁72,73に関連してタイマ
75が設けられ、このタイマ75は操作スイッチ76に
よって動作される。図6を参照して、図6(1)に示さ
れるように操作スイッチ76を操作すると、タイマ75
は電磁切換え弁72を、図6(2)に示されるように予
め定められる時間W1だけ開き、これによって歯科診療
手段6〜16の全てには酸性イオン水が流過される。し
たがってこれらの歯科診療手段6〜16の細菌の殺菌を
行うことができる。時間W1は、たとえば15分であっ
てもよい。
【0036】この時間W1のタイマ75による刻時動作
が完了すると、電磁切換え弁72が遮断され、次に電磁
切換え弁73が図6(3)に示されるように開いて、水
道水が歯科診療手段6〜16に供給される。こうして歯
科診療手段6〜16に水道水が供給されて排出され、酸
性イオン水が残留することがなくなる。こうして酸性イ
オン水が残留することがないので、金属製構成要素が腐
食することはなく、また患者の口内に酸性イオン水が入
り込むことを防ぐことができる。
【0037】図7は、本発明の他の実施例の全体の構成
を示す系統図である。この実施例は前述の実施例に類似
するけれども、特にこの実施例では、バキュームタンク
38が細菌によって汚損されやすいことに鑑み、管路4
8からの酸性イオン水は、電磁切換え弁46から管路3
7aを経てバキュームタンク38に供給されるように構
成され、こうしてバキュームタンク38は操作スイッチ
47の操作により切換弁46を切替えることで酸性イオ
ン水で殺菌する。このようにしてバキュームタンク38
内の清掃、洗浄を行うことができる。また開閉弁77を
介して酸性イオン水または水道水を排唾鉢14のノズル
15,16に供給する。開閉弁77は、操作スイッチに
よって開閉制御されるようにしてもよく、あるいは操作
スイッチの操作によってタイマが動作し、そのタイマが
刻時動作する予め定めた時間だけ、酸性イオン水を供給
するようにしてもよい。
【0038】図8は、本発明のさらに他の実施例の全体
の構成を示す系統図である。この実施例は図7の実施例
に類似するけれども、注目すべきは管路37aに2ポー
ト2位置電磁切換え弁78が設けられ、操作スイッチ7
9の操作によって、酸性水をバキュームタンク38に供
給することができる。その他の構成は、前述の図7の実
施例と同様である。
【0039】図9は、本発明のさらに他の実施例の全体
の構成を示す系統図である。この実施例では、管路17
に開閉弁80を設け、管路48からの酸性イオン水を供
給/遮断するように構成される。その他の構成は前述の
実施例と同様である。
【0040】図10は、本発明のさらに他の実施例の全
体の構成を示すブロック図である。この実施例では、管
路17に開閉弁80が設けられ、管路48からの酸性イ
オン水は、排唾鉢14のノズル15,16に供給される
とともに、それと同時にバキュームタンク38にもまた
供給される。
【0041】図11は、本発明のさらに他の実施例の全
体の構成を示す系統図である。この実施例では、歯科診
療手段6〜16を酸性イオン水で滅菌、殺菌するだけで
なく、図12に示されるように、診療台1の下部や側部
または後部の固定位置に、図12に示されるように一方
の管継手82を取付ける。この管継手82は、診療台1
に固定されていてもよく、あるいはまたハウジング2に
固定されていてもよい。
【0042】図13は、管継手82付近の構成を示す断
面図である。一方の管継手82には管路83を経て酸性
イオン水が供給され、この管継手82には他方の管継手
84が着脱可能に接続されることができる。管継手84
には可撓性管路85が取付けられている。管継手82
は、管継手84が接続された状態で、管路83から酸性
イオン水を可撓性の管路85に導き、またこれらの管継
手82,84が離脱されたときには、管継手82が遮断
し、したがって管路83からの酸性イオン水が漏洩する
ことはない。
【0043】管路85の管継手84とは他方の端部86
は、開放端となっており、たとえば図14に示されるよ
うに、槽87に酸性イオン水88を貯留して歯科医療従
事者の手などの洗浄のために酸性イオン水を貯留して用
いることができる。
【0044】さらにこの可撓性管路85の端部86に管
継手を接続し、図15に示されるように診療台1の側方
に設けられたキャビネット89の管継手90に着脱可能
に接続し、そのキャビネット89に設けられた流し槽9
1に酸性イオン水を貯留して洗浄のために用いることが
でき、あるいはまたそのキャビネット89に設けられた
その他の歯科診療手段に酸性イオン水を供給することも
またできる。
【0045】
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、診療時、
電解イオン水生成手段からの酸性イオン水を歯科診療手
段に導いて細菌の殺菌を行うことができる。この酸性イ
オン水による細菌の殺菌を行った診療後の非診療時に
は、切換え手段によって、水供給源からのイオン化され
ていない水を供給し、歯科診療手段内に酸性イオン水が
残留しないようにし、これによって歯科診療手段などが
腐食することを防ぎ、また酸性イオン水が患者の口腔内
に入り込んで悪影響が生じることを防ぐことができる。
【0047】さらに本発明によれば、酸性イオン水生成
手段には、NaCl,KClなどの水溶性中性塩を供給
して、酸性イオン水のpHを低くし、たとえば2.7以
下にし、これによって殺菌を確実にすることができる。
また酸性イオン水の酸化還元電位を900mV以上、好
ましくは1100mV以上として、殺菌効果を一層高め
ることができる。
【0048】さらに本発明によれば、電解イオン水生成
手段に設けられる一対の第1および第2の電極の極性を
反転して、陰極となっている電極にNa+,Ca2+など
のイオンによる電極機能の劣化を防ぎ、長期間にわたっ
て連続運転を可能にすることができる。
【0049】さらに本発明によれば、操作スイッチを操
作することによって酸性イオン水が、歯科診療手段内
に、少なくとも流過するに充分な予め定める時間だけ流
過され、これによって歯科診療手段内の滅菌または殺菌
が行われ、その予め定める時間の経過後には、水供給源
からの水を供給し、歯科診療手段内に酸性イオン水が残
留しないようにし、これによって酸性イオン水による歯
科診療手段の金属製構成要素の腐食などを防ぐことがで
きる。
【0050】さらに本発明では、前述のように歯科診療
手段の診療時には水道水を使用し、非診療時には殺菌性
能の高い酸性イオン水を切換えて使用することができ、
しかも本発明ではさらに、特に汚損されやすい排唾鉢に
酸性イオン水を供給して殺菌を確実に行う。さらに本発
明によれば、診療台またはその付近に電解イオン水生成
手段と一方の管継手を設け、電解イオン水からの酸性イ
オン水を歯科診療手段に供給するとともに、前記一方の
管継手に供給し、この一方の管継手に他方の管継手を着
脱可能に接続して可撓性管路を経て酸性イオン水を歯科
診療手段以外の用途、たとえば歯科診療従事者が手を洗
ったり、また歯科診療のために用いた器具の洗浄を行っ
たりするためなどに酸性イオン水を広範囲に利用するこ
とができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の構成を示す系統図で
ある。
【図2】その歯科診療装置の簡略化した斜視図である。
【図3】電解イオン水生成手段3の構成を簡略化して示
す断面図である。
【図4】酸性イオン水の酸化還元電位に対応する大腸菌
に対する殺菌の効果を示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施例の全体の構成を示す系統図
である。
【図6】タイマ75の働きを説明するための図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例の全体の構成を示す
系統図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例の全体の構成を示す
系統図である。
【図9】本発明の他の実施例の全体の構成を示す系統図
である。
【図10】本発明のさらに他の実施例の全体の構成を示
す系統図である。
【図11】本発明の他の実施例の全体の構成を示す系統
図である。
【図12】診療台1およびハウジング2の簡略化した断
面図である。
【図13】管継手82,84を示す図である。
【図14】管継手82,84が接続された状態で可撓性
管路85を介して槽87に酸性イオン水を供給して利用
する状態を示す簡略化した断面図である。
【図15】可撓性管路85を用いてキャビネット89に
酸性イオン水を供給する状態を示す簡略化した平面図で
ある。
【符号の説明】
1 診療台 3 電解イオン水生成手段 4 酸性イオン水供給手段 5 食塩水供給手段 6,11 3ウエイシリンジ 7 マイクロモータハンドピース 8 超音波スケーラ 9,10 高速度エアタービンハンドピース 12 バキュームシリンジ 13 サライバエジェクタ 14 排唾鉢 15,16 ノズル 50 電解槽 51 壁 52 第1の電極 53 第2の電極 54 直流電源 55 極性反転スイッチ 72,73 電磁切換え弁スイッチ 75 タイマ 76 操作スイッチ 82 一方の管継手 84 他方の管継手 85 可撓性管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61C 19/00 C (56)参考文献 特開 平3−12154(JP,A) 特開 平5−317341(JP,A) 特開 平5−237478(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61C 19/00 A61C 17/00 A61L 2/02 A61L 2/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科診療のために用いられる歯科診療手
    段と、 電解イオン水を生成する手段と、 電解イオン水生成手段に水を供給する水供給源と、 水供給源からの水と、電解イオン水生成手段からの酸性
    イオン水とを、切換えて歯科診療手段に導く切換え手段
    とを含むことを特徴とする歯科診療装置。
  2. 【請求項2】 電解イオン水生成手段には、水溶性中性
    塩を供給する中性塩供給源を備えることを特徴とする請
    求項1記載の歯科診療装置。
  3. 【請求項3】 酸性イオン水の酸化還元電位は、900
    mV以上であることを特徴とする請求項1記載の歯科診
    療装置。
  4. 【請求項4】 電解イオン水生成手段は、 水供給源からの水が供給される電解槽と、 電解槽内に設けられる第1の電極と、 電解槽内に、第1の電極と間隔をあけて設けられる第2
    の電極と、 第1および第2の電極に、極性を反転して電圧を与える
    直流電源と、 陽極となる第1または第2の電極付近の酸性イオン水を
    切換えて導く弁とを備えることを特徴とする請求項1記
    載の歯科診療装置。
  5. 【請求項5】 操作スイッチと、 操作スイッチの出力に応答して、少なくとも歯科診療手
    段内に酸性イオン水が流過するに充分な予め定める時間
    の刻時動作をするタイマとを含み、 前記切換え手段は、タイマの出力に応答し、前記予め定
    める時間だけ、酸性イオン水生成手段からの酸性イオン
    水を歯科診療手段に供給し、その後、水供給源からの水
    を供給して、歯科診療手段内に酸性イオン水が残留しな
    いようにすることを特徴とする請求項1記載の歯科診療
    装置。
  6. 【請求項6】 歯科診療手段は、 排唾鉢と、 排唾鉢内に排唾鉢の洗浄のための水を供給するノズルと
    を含み、 このノズルに切換え手段からの水が供給されることを特
    徴とする請求項1記載の歯科診療装置。
  7. 【請求項7】 歯科診療されるべき患者が着座する診療
    台を含み、 歯科診療手段は、この診療台に関連して設けられ、 電解イオン水生成手段は、診療台またはその付近の固定
    位置に設けられ、さらに、 診療台またはその付近の固定位置に設けられ、電解イオ
    ン水生成手段からの酸性イオン水が供給される一方の管
    継手と、 前記一方の管継手に着脱可能である他方の管継手が取付
    けられる可撓性管路とを含むことを特徴とする請求項1
    記載の歯科診療装置。
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