JP3273596B2 - 肉類用発色剤 - Google Patents

肉類用発色剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は肉類用発色剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、畜肉や魚肉またはそれらの加工品
の色を鮮やかな赤色に仕上げるために発色させた色素を
固定化する方法として、硝酸ナトリウム、硝酸カリウ
ム、亜硝酸ナトリウム等の硝酸塩、亜硝酸塩が用いられ
てきた。これらの塩類は肉類のヘモグロビン、ミオグロ
ビンをニトロソヘモグロビン、ニトロソミオグロビンと
して鮮紅色に固定化する力がある。しかし、ニトロソ基
は食品中の第二級アミン類と反応、結合して、発ガン性
を有するニトロソジメチルアミン等のニトロソアミン類
を生成することが知られており、これらの発色剤の使用
は一般消費者からも敬遠されている。
【0003】硝酸塩、亜硝酸塩に代わる畜肉用発色剤と
しては、特開昭56−18569号公報に酵母菌体、酵
母菌体自己消化物、酵母菌体のリボ核酸分解酵素による
分解物、酵母菌体自己消化物のリボ核酸分解酵素による
分解物、酵母菌体の蛋白分解酵素による分解物、酵母菌
体自己消化物の蛋白分解酵素による分解物より選ばれた
1種もしくは2種以上を有効成分とする畜肉用発色剤が
開示されている。この発色剤を使用することにより、硝
酸塩、亜硝酸塩を全く使用せずに畜肉を発色させ、かつ
加熱によっても退色しない発色剤であると記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記発明におけ
る酵母エキスよりなる肉類用発色剤は発色効果が小さ
く、十分な発色効果を得るには多量の酵母エキスを肉類
へ塗布することが必要となる。そうすると、酵母エキス
特有の臭いが、強く肉類に残存することになり著しくそ
の利用が制限される。従って、本発明の目的は酵母エキ
スの中に含まれる発色成分を効率的に濃縮して、少量の
塗布で十分な発色効果を有する肉類用発色剤を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、酵母
エキスの中の発色成分を効率的に濃縮する方法を鋭意検
討を重ねた結果、前記限外濾過膜により分画できる成分
の分子量が10000より小さいところにある限外濾過
膜を選択的に使って酵母エキスを濾過し、濾液を濃縮す
ることにより、発色成分が濃縮され、発色効果が増強さ
れることをみいだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は分画できる成分の分子
量が10000より小さいところにある限外濾過膜を用
いて酵母エキスを濾過することにより得られた濾液を濃
縮して得られたものであることを特徴とする肉類用発色
剤に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に使用できる酵母菌体とし
ては特に限定はなく、アルコール発酵酵母、ビール酵
母、パン酵母、清酒酵母等通常の食品工業に用いられて
いるサッカロマイセス属の酵母や、トルラ酵母を使用で
きる。特にサッカロマイセス・セレビシエは、得られる
酵母エキスが発色成分を多く含んでいるので、好適であ
る。
【0008】酵母から酵母エキスを得る方法としては、
自己消化法、蛋白分解酵素やリボ核酸酵素を用いる酵素
分解法、酸加水分解法、或いは超音波、ボールミル、高
圧噴射などによる物理的破砕法といった常法を用いれば
よい。また、酵母の種類に応じて、それらの方法のうち
2種以上を組み合わせて、または単独で用いることもで
きる。
【0009】次いで、前記の方法で得られた酵母エキス
を限外濾過膜を使って分子篩にかけ、分画して得た濾液
を濃縮することにより、発色効果の優れた肉類用発色剤
が得られる。本発明では、限外濾過膜により分画できる
成分の分子量が10000より小さい限外濾過膜を使用
するが、分画できる分子量が好ましくは5000以下、
さらに好ましくは3000以下(最低分子量は500で
ある)の限外濾過膜を選択して使用するのが好適であ
る。得られた濾液は噴霧乾燥、減圧濃縮などの常法によ
り濃縮することができる。
【0010】本発明の発色剤により畜肉や魚肉を発色さ
せるには、本発明の発色剤を常法により、塩漬液に溶解
ないし分散させた液に畜肉や魚肉を一定期間塩漬けする
か、ブロック肉の内部に注射するか、あるいは細切肉ま
たはミンチ肉に混合してもよい。本発明の発色剤は肉類
に対して0.05〜2.0重量%、好ましくは0.1〜
1.0重量%使用するのがよい。
【0011】
【発明の効果】従来、酵母エキスを肉類用発色剤として
利用する技術はあったが、効果が小さく、十分な発色効
果を得るには多量の酵母エキスの肉類への塗布が必要と
なり、酵母エキスの色や臭いが強く肉類に残存すること
になり著しくその利用が制限されることが問題となって
いた。本発明は酵母エキスの中に含まれる発色成分を限
外濾過膜法により効率的に濃縮して、少量の塗布で十分
な発色効果を有する肉類用発色剤に関するものであり、
今後酵母エキスが肉類用発色剤として大いに利用される
ことが期待できる。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるもので
はない。
【0013】比較例 酵母エキスの発色効果 (a)供試酵母エキスの種類 ミーストP1G〔アサヒビール食品(株)〕 スーパーミーストパウダーA−001〔アサヒビール
食品(株)〕 A社品 B社品 (b)発色効果確認試験 豚ひき肉50gに対し、前記4種の各酵母エキスを0、
1、2、4重量%、アスコルビン酸0.01重量%、食
塩を3.0重量%混合した。これを0〜7日間冷蔵庫
(5℃)に保管した後、透明な袋(Ny/CPP、15
0×100mm)に詰め真空包装し、70℃で1時間加
熱後、発色の程度を観察し、その効果を5段階評価し
た。結果を表1に示す。アサヒビール食品社の2品にの
み発色効果が確認された。また、4重量%の添加区にお
いて、亜硝酸ナトリウム0.01重量%添加と同等の効
果が得られることを確認した。しかしながら、その効果
を発現するまでには、5〜7日間の時間を要した。
【0014】
【表1】 *1)表中の発色効果は、亜硝酸ナトリウムによる発色を対照として以下の基準 で評価した。 − :発色を認めない + :わずかに発色を認める ++ :発色を認める +++ :かなりの発色を認める ++++ :鮮やかな発色を認める
【0015】実施例1 分画分子量1000の限外濾過膜を用いた肉類用発色剤
の調製と発色効果 (a)調製方法 ミーストP1Gを蒸留水に溶解し、乾燥物換算1重量%
に調製した。これを0.45μmのフィルターで濾過
後、限外濾過膜(分画分子量1,000、アミコン社
「ダイアフローメンブレンYM」)を用いて濾過し、透
過液をエバポレーターにより濃縮して肉類用発色剤を得
た。 (b)発色効果の確認 豚薄切り肉約40gに対し、試作酵母エキス、食塩、ア
スコルビン酸、亜硝酸ナトリウムを表2の各濃度に設定
した塩漬液に浸漬し、5℃で7日間塩漬した。塩漬後の
豚肉を、蒸し器中で30分間加熱した後、色を観察し
た。結果を表2に示す。本実施例で得た発色剤は0.1
重量%の添加で亜硝酸ナトリウム0.01重量%添加と
同等の発色効果を有することがわかる。
【0016】
【表2】 注:単位は全て重量%。酵母エキスは、乾燥物重量%に換算。 − :発色を認めない + :わずかに発色を認める ++ :発色を認める +++ :かなりの発色を認める ++++ :鮮やかな発色を認める
【0017】実施例2 分画分子量3000の限外濾過膜を用いた肉類用発色剤
の調製と発色効果 (a)調製方法 ミーストP1Gを蒸留水に溶解し、乾燥物換算3重量%
に調製した。これを限外濾過膜(分画分子量3,00
0、旭化成社「ラボモジュール SEP−1013」)
を用いて濾過し、透過液をエバポレーターにより濃縮し
て肉類用発色剤を得た。 (b)発色効果の確認 豚薄切り肉約40gに対し、試作酵母エキス、食塩、ア
スコルビン酸、亜硝酸ナトリウムを表3の各濃度に設定
した塩漬液に浸漬し、5℃で7日間塩漬した。塩漬後の
豚肉を、蒸し器中で30分間加熱した後、色を観察し
た。結果を表3に示す。実施例1の発色剤とほぼ同等の
発色効果を有することがわかった。
【0018】
【表3】 注:単位は全て重量%。酵母エキスは、乾燥物重量%に換算。 − :発色を認めない + :わずかに発色を認める ++ :発色を認める +++ :かなりの発色を認める ++++ :鮮やかな発色を認める
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/27 - 1/28 A23L 1/31

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分画できる成分の分子量が10000よ
    り小さいところにある限外濾過膜を用いて酵母エキスを
    濾過することにより得られた濾液を濃縮して得られたも
    のであることを特徴とする肉類用発色剤。
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