JP3273522B2 - スロットルバルブ制御装置 - Google Patents

スロットルバルブ制御装置

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JP3273522B2
JP3273522B2 JP02027493A JP2027493A JP3273522B2 JP 3273522 B2 JP3273522 B2 JP 3273522B2 JP 02027493 A JP02027493 A JP 02027493A JP 2027493 A JP2027493 A JP 2027493A JP 3273522 B2 JP3273522 B2 JP 3273522B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクチュエータを用い
てスロットルバルブの開度を制御するようにした内燃機
関の、いわゆる電子スロットル制御方式のスロットルバ
ルブシステムに係り、特に自動車用の内燃機関に好適な
スロットルバルブ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる電子スロットル制御方式のスロ
ットルバルブ制御装置では、開度制御用のアクチュエー
タからスロットルバルブに駆動力を与える経路にクラッ
チを設けると共に、スロットルバルブには全閉位置に向
かう方向の戻し力が働くようにしてある。そこで、従来
の装置では、例えば特開昭63−208632号公報に
記載のように、戻し力発生手段には機械的なリターンス
プリングが用いられている。また、電磁クラッチとモー
タを組み合わせたスロットルアクチュエータとしては、
特開昭59−226244号公報に記載のように、電磁
クラッチは電磁クラッチ用のコイルを別に設けると共
に、クラッチがオンするときはモータのロータ側が軸方
向に動いてスロットルバルブにトルクを伝えるようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
リターンスプリングを用いた従来技術では、スロットル
バルブの開閉制御時に、リターンスプリングの戻し力よ
りも大きい駆動力が必要である点について配慮がされて
おらず、スロットルバルブ開度制御用のアクチュエータ
に大きな駆動力が必要になるという問題があった。ま
た、リターンスプリングの大きさは、安全性の面から決
定されているため、小型化に制約があり、大型になりや
すいという問題があった。さらに、リターンスプリング
は機械的に動作するため、必然的に摺動部分を持ち、そ
の摩耗による引っかかりや、材料の疲労による折損など
の問題があった。
【0004】次に、上記従来技術の内で、電磁クラッチ
とモータを組み合わせたスロットルアクチュエータの従
来技術では、独立した電磁クラッチを必要とするため、
モータと電磁クラッチの小型化が阻害されるという問題
があった。また、モータと電磁クラッチの各々を制御す
る必要があることから、制御回路が複雑になり、この面
でも小型化が阻害されるという問題があった。
【0005】本発明は、スロットルバルブ開閉駆動用の
アクチュエータの小型化を目的としたものであり、さら
にスロットルボディーも含めて、全体が容易に小型化す
ることができるスロットルバルブ制御装置を提供するこ
とを目的とする。また、本発明の他の目的は、摺動部分
を持つ機械的なスプリングを使用しないで済むスロット
ルバルブ制御装置を提供することにある。
【0006】さらに、本発明の他の目的は、アクチュエ
ータと電磁クラッチの一体化による小型化が可能なスロ
ットルバルブ制御装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、モータによ
ってスロットルバルブを開閉駆動するものであって、前
記モータはインバータを介して電力が供給され、さらに
前記スロットルバルブに閉方向の駆動力を与える電磁コ
イルと永久磁石からなる電磁機構を備えたものにおい
て、前記インバータと前記電磁コイルバッテリ電源に
対して直列に接続されているようにして達成される。こ
のとき、前記電磁コイルに通電される電流値を前記モー
タによる駆動力に応じて制御するようにしてもよい。同
じく、上記目的は、モータによってスロットルバルブを
開閉駆動するものであって、前記モータはインバータを
介して電力が供給され、さらに前記スロットルバルブに
閉方向の駆動力を与える電磁コイルと永久磁石からなる
電磁機構を備えたものにおいて、前記モータに流れる電
流を検出し、当該検出された電流に基づいて前記電磁コ
イルに供給される電流を制御することによっても達成さ
れる。このとき、前記電磁機構は、前記スロットルバル
ブのシャフトに対して直結されているようにしてもよ
い。
【0008】
【作用】電磁駆動手段は、それによる戻し力の大きさを
任意に制御することができるから、アクチュエータによ
りスロットルバルブを開閉制御するとき、この開閉制御
に応じて戻し力を小さくするように制御できる。従っ
て、アクチュエータに掛る負荷を少なくできるので、ア
クチュエータを小さくすることができる。
【0009】また、直流電動機の界磁磁界によりクラッ
チを動作させることにより、クラッチが小型化され、且
つ、直流電動機の界磁電流の制御により、このクラッチ
の制御も同時に得られるので、制御回路も単純化され
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明によるスロットルバルブ制御装
置について、図示の実施例により詳細に説明する。図1
は、本発明の一実施例で、この図において、まず1はス
ロットルボディーで、この中にはエンジンの吸入空気流
量を制御するためのスロットルバルブ(絞り弁)2がシャ
フト3により回動自在に配置されている。そして、この
シャフト3の一方の端部(この図では、左端)には、スロ
ットルバルブ2を全閉位置(図示の状態)に常に復帰させ
ようとするための戻し力を与える電磁バネ4が配置され
ており、その他端(この図では右端で、電磁バネ4とは
反対側)には、平面形状が扇型のギア(歯車)5が取付け
てある。なお、この電磁バネ4の詳細については後述す
る。
【0011】次に6は直流モータ(界磁巻線励磁型直流
電動機)で、ロータ(回転子)60と回転子コイル61、
固定子磁極(界磁磁極)62、それに固定子コイル(界磁
コイル)63などで構成され、スロットルバルブ2を開
閉制御するためのアクチュエータとして機能する。
【0012】また、7は固定クラッチ板で、8は可動ク
ラッチ板、9はバネ、そして10はスライドベアリング
であり、全体として電磁作動型の摩擦クラッチを構成し
ている。そして、このため、固定クラッチ板7は軟鉄
(軟鋼)などの磁性材料から作られた円板状の部材で、直
流モータ6のシャフトに取付けられ、可動クラッチ板8
は、同じく軟鋼などの磁性材料から作られた円板状の部
材で、直流モータ6のシャフトに摺動可能に嵌合されて
いるスリーブ状のスライドベアリング10に取付けられ
ている。そして、これら固定クラッチ板7と可動クラッ
チ板8の相対向する面には、粗面加工を施したり、摩擦
係数の大きな材料からなる薄板状の部材を貼り付けられ
たりして、接触係合したとき大きな摩擦力(係合力)が得
られるようにしてある。
【0013】そして、バネ9はヘリカルスプリング(つ
る巻バネ)で、固定クラッチ板7と可動クラッチ板8の
間に設けられ、固定クラッチ板7から可動クラッチ板8
が離される方向に、この可動クラッチ板8に弾性力が与
えられるようになっている。
【0014】他方、スライドベアリング10には、さら
にギア11が取付けてあり、このギア11は、ギア12
に噛み合っている。そして、このギア12は、スロット
ルバルブ2のシャフト3に取付けてあるギア5に噛み合
っており、従って、スライドベアリング10に取付けて
あるギア11が、後述するようにして直流モータ6によ
り回転させられると、所定の減速比でシャフト3が可動
駆動されるので、スロットルバルブ2の開度が変わり、
この結果、スロットルバルブ2を直流モータ6により開
閉制御することができるようになる。なお、13は開度
センサで、スロットルバルブ2のシャフト3のギア5か
ら外側に延長された位置に設けられ、スロットルバルブ
2の開度を検出して所定の検出信号を発生する働きをす
るものである。
【0015】次に、固定クラッチ板7、可動クラッチ板
8、バネ9、それにスライドベアリング10からなる摩
擦クラッチの動作について説明する。いま、直流モータ
6の固定子コイル63に所定の方向に電流が供給された
とすると、図2に示すように、固定子磁極62にN極と
S極の磁極が現われ、破線で示すように、磁気回路(磁
束の流路)が形成される。なお、この図2において、上
の図は、図1の一部を取り出して示したもので、下の図
は、直流モータ6の軸方向から見た断面である。
【0016】これらの図から明らかなように、固定子磁
極62に巻かれている固定子コイル63による磁束は、
上側の固定子磁極62からロータ60を通って下側の固
定子磁極62に入り、界磁のヨークを通って元の固定子
磁極62に戻るようになり、従って、破線で示す磁気回
路が形成されることになる。なお、この破線の矢印方向
が磁界の方向になる。
【0017】一方、このとき、図示のように、固定クラ
ッチ板7と可動クラッチ板8も、ロータ60と同様に、
固定子磁極62の内部に配置されており、且つ、これら
は、上記したように、何れも磁性材料で作られているの
で、やはりロータ60と同様に、内部に磁束が通り、こ
の結果、これら固定クラッチ板7と可動クラッチ板8の
間に吸引力が発生する。
【0018】これを、図3により、さらに詳細に説明す
ると、この図3(A)は固定子コイル63に電流が流され
ていない状態を示し、同図(B)は電流を流した状態を示
したもので、固定子コイル63に電流が流されていない
ときには、図(A)に示すように、固定クラッチ板7と可
動クラッチ板8には磁束が全く通っていないから、これ
らの間にには何らの力も働かない。従って、これらはバ
ネ9の弾性力により離されており、図示のように、開放
状態にある。
【0019】このとき、固定クラッチ板7は直流モータ
6のシャフトに固定されているが、可動クラッチ板8は
スライドベアリング10によりシャフトに対して回転自
在に保持されているので、結局、このときには、直流モ
ータ6のシャフトの回転・停止と、ギア11の回転・停
止とは、相互に無関係になり、従って、このときは、固
定クラッチ板7と可動クラッチ板8、バネ9、そしてス
ライドベアリング10からなる電磁作動型の摩擦クラッ
チは開放状態になることになる。
【0020】次に、固定子コイル63に電流が供給され
たとすると、図(B)に破線で示すように、固定子磁極6
2から固定クラッチ板7と可動クラッチ板8に磁束が通
り、この結果、これらの間に電磁的な吸引力が働く。こ
のとき、固定クラッチ板7は直流モータ6のシャフトに
固定されているが、可動クラッチ板8はスライドベアリ
ング10によりシャフトの軸方向に自由に動くことがで
きるので、これらの間に吸引力が働くと、可動クラッチ
板8は、固定クラッチ板7との間に配置されるバネ9を
押し縮めて固定クラッチ板7に吸着される。
【0021】この結果、これら固定クラッチ板7と可動
クラッチ板8とは摩擦結合状態にされ、一方から他方へ
のトルク伝達が可能な状態になり、従って、このとき
は、固定クラッチ板7と可動クラッチ板8、バネ9、そ
してスライドベアリング10からなる電磁作動型の摩擦
クラッチは結合状態になることになる。
【0022】従って、この実施例によれば、スロットル
バルブ2の開度制御用アクチュエータである直流モータ
6の固定子コイル63に対する通電をオン・オフするこ
とにより、固定クラッチ板7と可動クラッチ板8、バネ
9、それにスライドベアリング10からなる電磁作動型
の摩擦クラッチの係合(結合)と開放の制御が得られるこ
とになり、クラッチ用の独立した電磁石装置が不要にな
るので、構造が簡単になり、小型、軽量化が充分に得ら
れることになる。
【0023】そして、このとき、固定クラッチ板7と可
動クラッチ板8間での吸引力の大きさは、固定子磁極6
2とクラッチ板までの距離(間隙寸法)の選択により変え
ることができる。
【0024】一方、界磁巻線を持つ直流モータでは、固
定子磁極62表面の磁束密度を、永久磁石を界磁に用い
たモータのに比して2〜3倍高くすることができ、従っ
て、この実施例によれば、アクチュエータ用のモータが
小型化でき、さらに装置全体の軽量、小型化が得られる
ことになる。
【0025】すなわち、スロットルバルブ開度制御用ア
クチュエータなどに使用される小型の直流モータとして
は、界磁に永久磁石を用いたものが多く使用されてい
る。これは、別途、界磁をコントロールする制御回路が
省略でき、構造を簡単化できるからである。
【0026】しかしながら、この場合、フェライトなど
の安価な永久磁石を用いたのでは、磁石表面の磁束密度
が3000〜4000ガウス程度であるため、モータを
小型化できない。また、従来技術のように、独立した電
磁クラッチを用いたのではクラッチ用の巻線が必要とな
り、構造が複雑となってしまう。
【0027】しかるに、この実施例では、上記したよう
に、クラッチ板7、8の電磁吸引動作を、直流モータ6
の固定子磁極62による界磁磁束を用いて行えるように
したので、これも上記したように、小型、軽量化が容易
に得られることになっているのである。
【0028】次に、電磁バネ4の内部構造について、図
4により詳細に説明する。図4において、40は回転子
ヨーク、41は固定子ヨーク、42は永久磁石、そして
43はコイルである。回転子ヨーク40は、スロットル
バルブ2のシャフト3の端部に取付けられた軟鉄(軟鋼)
などの磁性材料からなる部材で、スロットルバルブ2の
シャフト3を中心とする円弧状に作られている。そし
て、このときのシャフト3に対する取付位置は、スロッ
トルバルブ2の開度位置に対して、図では左側である
が、どこの位置に配置してもよい。
【0029】固定子ヨーク41は、回転子ヨーク40の
外側に設けられた軟鉄などの磁性材料からなる部材で、
スロットルバルブ2のシャフト3を中心とするリング状
に作られている。永久磁石42は、固定子ヨーク41の
内側に取付けられた所定の磁気特性を有する永久磁石材
料からなり、スロットルバルブ2のシャフト3を中心と
する円弧状に作られ、図示のように、つまり円弧の厚み
方向に着磁されている。なお、図では、外側がS極で内
側がN極になるようにしてある。そして、このとき、そ
の内側の円弧面と回転子ヨーク40の外側の円弧面との
間に所定の寸法のギャップ(間隙)が形成されるように、
各部の寸法が選択されている。
【0030】コイル(電磁コイル)43は、円弧状をなし
ている永久磁石42の厚み方向と直角な端面に巻き付け
られおり、それに通電されることにより、通電された電
流の方向と電流値に応じて永久磁石42による磁界の強
さを制御する働きをする。
【0031】次に、この電磁バネ4の動作について説明
する。上記したように、回転子ヨーク40は磁性材料で
作られているから、永久磁石42との間に磁気吸引力が
働く。そして、このとき、回転子ヨーク40と永久磁石
42との位置関係は、図4の(A)に示すスロットルバル
ブ2が全閉位置にあるとき、回転子ヨーク40の外側の
円弧面が永久磁石42の内側の円弧面に対して対称的に
向い合うように作られているから、上記した吸引力は、
この図4の(A)に示すスロットルバルブ2が全閉位置に
あるときを除き、シャフト3回りに現われるトルクとし
て作用し、その方向は、図4の(A)に示す状態からシャ
フト3が回動させられたとき、それを図4の(A)の状態
に戻す方向となる。
【0032】そこで、いま、シャフト3によるスロット
ルバルブ2の動きがフリーにされていたとすると、スロ
ットルバルブ2は、この電磁バネ4の働きにより、図4
の(A)に示すように、常に全閉位置に戻されている。
【0033】次に、スロットルバルブ2が全閉位置から
開かれたとすると、永久磁石42と回転子ヨーク40の
位置関係は、図4の(B)に示すような位置関係になる。
しかして、この結果、回転子ヨーク40と永久磁石42
間には磁束が出入りしているから、それによる磁気抵抗
が小さくなるような位置関係になるように磁気吸引力が
働き、図4の(A)に示した位置関係になろうとするトル
クが作用する。
【0034】そこで、このトルクによる作用は、通常の
スロットルバルブに設けられているリターンスプリング
(戻しバネ)と同じく、戻し力(復帰力)を与える動作とな
るので、ここでは、電磁バネと呼んでいるのであり、従
って、この電磁バネ4は、スロットルバルブに全閉方向
の駆動力を与える電磁駆動手段を構成していることにな
る。
【0035】なお、図1及び図4では省略してあるが、
スロットルバルブ2には、周知のように過回動防止用の
ストッパが設けてあり、スロットルバルブ2は、図4
(A)に示す全閉位置から90度(実際には90度未満)以
上は開かないように構成されていることは言うまでもな
い。
【0036】従って、この実施例によれば、図1に示し
た固定子コイル63に対する通電電流がゼロにされ、固
定クラッチ板7と可動クラッチ板8、バネ9、そしてス
ライドベアリング10からなる電磁作動型の摩擦クラッ
チが係合を解かれ、開放状態にされたときには、この電
磁バネ4による復帰力により、常に確実にスロットルバ
ルブ2を全閉位置に復帰させることができる。
【0037】次に、コイル43による動作について説明
する。上記したように、永久磁石42の外周に巻かれた
コイル43は、それに流す電流の通電方向と電流値によ
って、永久磁石42による磁界を強めたり弱めたりする
こができ、従って、永久磁石42と回転子ヨーク40と
の間に働く吸引力を増減することができる。つまり、こ
の実施例による電磁バネ4によれば、スロットルバルブ
2に働く復帰力を任意に制御できることになる。
【0038】そこで、直流モータ6を動作させてスロッ
トルバルブ2の開度を制御するときには、このコイル4
3にも電流を流し、電磁バネ4による復帰力を弱めた
り、あるいはゼロにしてやれば、この復帰力により直流
モータ6に働いている反力を弱めたり、ほとんどゼロに
することができ、従って、直流モータ6の出力はスロッ
トルバルブ2の開度制御にだけ有効に利用でき、この直
流モータ6に必要な出力を最小限に抑えることができ
る。
【0039】図5は、電磁バネ4によるトルクと、通常
の機械式のバネ(リターンスプリング)によるトルク(復
帰力)を示したもので、リターンスプリングを用いた従
来技術の場合には、スロットルバルブの開度とバネトル
クの関係は角度に比例して大きく変化するが、本発明に
よる電磁バネの場合には、通常は、図の破線で示すよう
に、機械式バネと同じような復帰力を与えることができ
ると共に、アクチュエータによりスロットルバルブを開
くときには、コイル43に、永久磁石42の磁束を減磁
する方向に電流を流すことにより、図の実線で示すよう
に、バネトルクを減少させることができるため、アクチ
ュエータである直流モータ6を小型化できる。
【0040】なお、コイル43に電流を流さなければ、
図示の破線のように、通常の機械式バネと同じバネトル
クを出すことができるため、特性上なんら問題はない。
【0041】従って、この実施例によれば、電子スロッ
トル用のモータを、従来のものに比べて小型化すること
ができる。
【0042】ところで、上記実施例では、可動側が磁性
材料からなる回転子ヨーク40で構成され、固定側に永
久磁石42を用いた構成になっているが、本発明の実施
例としては、これらを入れ替えて、可動側に永久磁石
を、そして固定側にヨークを設けるようにしてもよい。
【0043】また、他の実施例としては、このコイル4
3に、永久磁石42による磁界と逆方向の磁界が回転子
ヨーク40に発生する方向の電流を流してやれば、これ
ら回転子ヨーク40と永久磁石42の間には磁気反発力
が発生し、上記した復帰力だけではなく、それとは反対
の方向のトルクをも発生させることができ、従って、こ
の実施例の場合には、電磁バネ4を、スロットルバルブ
駆動用の第2のアクチュエータとしても機能させること
ができるようになる。
【0044】そこで、このコイル43を用いた他の実施
例では、直流モータ6によるスロットルバルブ2の開度
制御時、それと同方向のトルクが発生するようにコイル
43の電流を制御してやることにより、第1のアクチュ
エータである直流モータ6によるトルクを増加させるよ
うに働かせることができ、その分、直流モータ6を小出
力化できるので、さらに小型、軽量化を図ることができ
る。
【0045】次に、電磁バネ4のコイル43の制御につ
いて説明する。図6は、このコイル43の制御方法の一
実施例で、図において、14は直流モータ6の回転方向
と回転数を制御するための電流方向切換回路及びチョッ
パ制御回路となるインバータ回路であり、Vは自動車の
バッテリなどからなる電源である。そして、コイル43
は、この電源Vとインバータ回路14の間に直列に接続
してある。
【0046】インバータ回路14は、4個のトランジス
タなどからなるスイッチング素子14a〜14dで構成
されており、スイッチング素子14a、14bをオン制
御、或いはオン・オフを所定の周期で繰り返すチョッパ
制御してやることにより、例えばスロットルバルブ2の
開度が増加する方向に直流モータ6を回転制御すること
ができ、他方、スイッチング素子14b、14cを、同
じくオン制御、或いはチョッパ制御することにより、例
えばスロットルバルブ2が閉じる方向に直流モータ6を
回転制御することができるようになっている。そして、
チョッパ制御したときには、さらに、そのデューティの
制御により直流モータ6の回転数を制御することができ
る。
【0047】しかして、コイル43は、インバータ回路
14と直列に接続してあるので、インバータ回路14に
より直流モータ6に電流が供給されると、それと同じ値
の電流が流れ、しかも、このとき、このコイル43は、
インバータ回路14の入力側に接続してあるので、直流
モータ6に流れる電流の方向と無関係に、このコイル4
3には常に同じ方向の電流が流れる。そこで、この直流
モータ6に電流が流れたときに、永久磁石42による磁
界が弱められる方向に、コイル43を予め接続しておい
てやれば、直流モータ6によりスロットルバルブ2の開
度を制御するときには、自動的にコイル43に電流が流
れ、図5に示すように、電磁バネ4によるトルクが低減
され、直流モータ6に掛る負荷を最小限に抑えることが
できる。
【0048】次に、図7は、電磁バネ4の電流を制御す
る方法の他の一実施例で、図において、15はモータ駆
動回路、16は電磁バネ制御回路、そして17は電流検
出器である。
【0049】モータ制御回路15は、図示してないエン
ジン制御装置などからのスロットルバルブ開度制御信号
に応じて所定の電流を直流モータ6に供給し、スロット
ルバルブ2の開度を制御する働きをする。電磁バネ制御
回路16は、電流検出器17による検出出力に応じて電
磁バネ4に供給すべき電流を制御する働きをする。そし
て、電流検出器17は、直流モータ6に流れる電流を検
出し、その電流値に応じた検出出力を発生し、電磁バネ
制御回路16に入力する働きをする。
【0050】次に、この実施例の動作について説明す
る。上記したように、直流モータ6はスロットルバルブ
2の開度を制御するためのものであり、モータ駆動回路
15により駆動制御される。このとき、直流モータ6に
電流が供給されていない状態では、電流検出器17では
モータ電流が検出されてこない。従って、このときに
は、電磁バネ制御回路16では、電磁バネ4に電流を供
給してバネトルクを減少させる必要がないことが判る。
【0051】次に、図示していないエンジン制御回路な
どからの信号により、スロットルバルブ2を或る開度に
開きたい場合には、直流モータ6を駆動して、その開度
に位置決めを行なう必要がある。そうすると、このとき
には、電流検出器17からモータ電流に比例した電流が
検出されてくる。そして、この位置決め状態では、直流
モータ6の負荷は、ほとんど電磁バネ4によるバネトル
クだけとなっている筈である。
【0052】そこで、電流検出器17の検出信号から、
モータ電流が多く流れているときには、電磁バネ4によ
るバネトルクが不必要に大きいことが判るので、このと
きには、電磁バネ制御回路16は、電磁バネ4流れる電
流を増加させ、バネトルクを減少させて行き、直流モー
タ6の電流が予め設定してある所定値より小さくなるま
で、電磁バネ4に供給されている電流を増加させてやる
のである。
【0053】このようにして、電磁バネ4の電流値を、
直流モータ6の電流値が或る値以下に収まるように制御
してやれば、直流モータ6の応答スピードを上げること
ができ、従って、この実施例によれば、スロットルバル
ブ2の開度制御の応答性が改善され、自動車エンジンな
どで要求されているリーンバーン制御に適用して大きな
特性改善を得ることができる。そして、また、このよう
に電磁バネ4によるトルクを小さく制御した結果、この
実施例によれば、直流モータ6を小型化できるという効
果もある。
【0054】なお、以上の実施例では、本発明による電
磁バネ4を、アクチュエータを備えた電子スロットル方
式のスロットルバルブ装置に適用した場合について説明
したが、本発明による電磁バネは、アクセルペダルよ
り、リンク機構或いはワイヤ機構により開度制御操作さ
れる通常のスロットルバルブ装置のリターンスプリング
に代えて使用しても良いことは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、機械的なリターンスプ
リング代えて、電磁バネを用いているので、摩耗による
引っかかりや、材料の疲労による折損などの虞れがな
く、しかも復帰力が制御可能で、スロットルバルブの開
度を制御するためのアクチュエータの負荷が軽減され、
従って、軽量小型のスロットルバルブ制御装置を容易に
提供することができる。
【0056】また、本発明によれば、電磁バネのコイル
を、直流電源と、スロットルバルブ開度制御用のアクチ
ュエータとなるモータと間に直列に接続することによ
り、電磁バネ専用の駆動回路を省略できるので、システ
ムを更に小型化することができる。
【0057】次に、また、本発明によれば、スロットル
バルブを駆動する直流モータの内部に電磁クラッチを配
置できるので、アクチュエータを小型化することができ
る。さらに本発明によれば、クラッチ専用の電磁機構が
省略できるので、この点でも小型化ができ、且つ、クラ
ッチ駆動回路を省略できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスロットルバルブ制御装置の一実
施例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例の要部を示した構成図であ
る。
【図3】本発明の一実施例におけるクラッチ板の動作を
示す説明図である。
【図4】本発明による電磁バネの一実施例を示す構造図
である。
【図5】本発明による電磁バネの特性を通常の機械式バ
ネと比較して示した特性図である。
【図6】本発明による電磁バネ駆動回路の一実施例を示
す回路図である。
【図7】本発明による電磁バネ駆動回路の他の一実施例
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 スロットルボディー 2 スロットルバルブ 3 スロットルバルブのシャフト 4 電磁バネ 40回転子ヨーク 41 固定子ヨーク 42 永久磁石 43 コイル 5、11、12 ギア 6 直流モータ 60 ロータ 61 回転子コイル 62 固定子磁極 63 固定子コイル 7 可動クラッチ板 8 固定クラッチ板 9 バネ 10 スライドベアリング 12 開度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 龍也 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (56)参考文献 特開 昭63−223338(JP,A) 実開 昭63−202744(JP,U) 実開 平3−89945(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 9/02 351 F02D 11/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータによってスロットルバルブを開閉
    駆動するものであって、前記モータはインバータを介し
    て電力が供給され、さらに前記スロットルバルブに閉方
    向の駆動力を与える電磁コイルと永久磁石からなる電磁
    機構を備えたものにおいて、 前記インバータと前記電磁コイルバッテリ電源に対し
    て直列に接続されているスロットルバルブ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、 前記電磁コイルに通電される電流値を前記モータによる
    駆動力に応じて制御するように構成したことを特徴とす
    るスロットルバルブ制御装置。
  3. 【請求項3】 モータによってスロットルバルブを開閉
    駆動するものであって、前記モータはインバータを介し
    て電力が供給され、さらに前記スロットルバルブに閉方
    向の駆動力を与える電磁コイルと永久磁石からなる電磁
    機構を備えたものにおいて、 前記モータに流れる電流を検出し、当該検出された電流
    に基づいて前記電磁コイルに供給される電流を制御する
    スロットルバルブ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の発明において、 前記電磁機構は、前記スロットルバルブのシャフトに対
    して直結されていることを特徴とするスロットルバルブ
    制御装置。
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