JP3272747B2 - カラー受像管 - Google Patents
カラー受像管Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管に係
り、特に電子銃に磁性体を取付け、この磁性体をネック
外から着磁することにより、電子ビームの軌道を補正す
るようにしたカラー受像管に関する。
り、特に電子銃に磁性体を取付け、この磁性体をネック
外から着磁することにより、電子ビームの軌道を補正す
るようにしたカラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、図5に示すよう
に、パネル1およびこのパネル1に一体に接合されたフ
ァンネル2からなる外囲器を有し、そのファンネル2の
ネック3内に配設された電子銃4から放出される3電子
ビーム5B,5G,5Rをファンネル2の外側に装着された偏
向ヨーク6の発生する磁界により偏向し、上記パネル1
の内側に配置されたシャドウマスク7を介して、上記パ
ネル1の内面に形成された蛍光体スクリーン8を水平、
垂直走査することにより、この蛍光体スクリーン8上に
カラー画像を表示する構造に形成されている。
に、パネル1およびこのパネル1に一体に接合されたフ
ァンネル2からなる外囲器を有し、そのファンネル2の
ネック3内に配設された電子銃4から放出される3電子
ビーム5B,5G,5Rをファンネル2の外側に装着された偏
向ヨーク6の発生する磁界により偏向し、上記パネル1
の内側に配置されたシャドウマスク7を介して、上記パ
ネル1の内面に形成された蛍光体スクリーン8を水平、
垂直走査することにより、この蛍光体スクリーン8上に
カラー画像を表示する構造に形成されている。
【0003】上記蛍光体スクリーン8上に描かれるカラ
ー画像の品位を良好にするためには、電子銃4から放出
される3電子ビーム5B,5G,5Rを蛍光体スクリーン8上
の一点に集中(静コンバーゼンス)させ、かつ3電子ビ
ーム5B,5G,5Rがそれぞれ蛍光体スクリーン8を構成す
る3色蛍光体層を正しくランディングして所望の色純度
が得られるようにすることが必要である。しかし実際に
製造されるカラー受像管は、電子銃4の組立て誤差やカ
ラー受像管自体の組立て誤差のため、3電子ビーム5B,
5G,5Rの集中や3色蛍光体層に対するランディングがず
れ、画面品位が劣化する。
ー画像の品位を良好にするためには、電子銃4から放出
される3電子ビーム5B,5G,5Rを蛍光体スクリーン8上
の一点に集中(静コンバーゼンス)させ、かつ3電子ビ
ーム5B,5G,5Rがそれぞれ蛍光体スクリーン8を構成す
る3色蛍光体層を正しくランディングして所望の色純度
が得られるようにすることが必要である。しかし実際に
製造されるカラー受像管は、電子銃4の組立て誤差やカ
ラー受像管自体の組立て誤差のため、3電子ビーム5B,
5G,5Rの集中や3色蛍光体層に対するランディングがず
れ、画面品位が劣化する。
【0004】そのため、通常のカラー受像管には、図5
に示したように、静コンバーゼンスやランディングずれ
を補正するための磁石9がネック3の外側に装着されて
いる。通常この磁石9は、板厚の薄い円環状の磁性体の
周縁に沿って2極、4極および6極を形成した2枚の磁
石を1組とする3組の永久磁石から構成され、各1組の
2枚の磁石を回転してその磁極を適宜円周方向にずらす
ことにより電子ビームの軌道を補正して、静コンバーゼ
ンスや色純度を調整するものとなっている。
に示したように、静コンバーゼンスやランディングずれ
を補正するための磁石9がネック3の外側に装着されて
いる。通常この磁石9は、板厚の薄い円環状の磁性体の
周縁に沿って2極、4極および6極を形成した2枚の磁
石を1組とする3組の永久磁石から構成され、各1組の
2枚の磁石を回転してその磁極を適宜円周方向にずらす
ことにより電子ビームの軌道を補正して、静コンバーゼ
ンスや色純度を調整するものとなっている。
【0005】しかし、この2枚の磁石を1組とする3組
の永久磁石による静コンバーゼンスおよび色純度の調整
は、熟練を要しかつ調整にかなりの時間を要するばかり
でなく、調整作業が経験的なものであるため、正確かつ
十分に調整することが困難である。
の永久磁石による静コンバーゼンスおよび色純度の調整
は、熟練を要しかつ調整にかなりの時間を要するばかり
でなく、調整作業が経験的なものであるため、正確かつ
十分に調整することが困難である。
【0006】この外部磁石による問題点を補うものとし
て、特開昭52−117512号公報、特開昭55−1
8235号公報には、ネックと電子銃との間に1個以上
の磁化可能な円環状の磁性体を取付け、ネックの外側か
らこの磁性体を2極、4極、6極、8極、12極などに分
極着磁して、同様に電子ビームの軌道を補正して、静コ
ンバーゼンスや色純度を調整するカラー受像管が示され
ている。しかしこの磁性体は、管軸に沿った方向の長さ
が短く、したがって同一平面上に多極の磁極を形成する
ことになり、各磁極を他の磁極に影響を与えることなく
所定の磁化量に着磁することが困難である。そのため、
静コンバーゼンスや色純度を正確かつ十分に補正するこ
とが困難である。
て、特開昭52−117512号公報、特開昭55−1
8235号公報には、ネックと電子銃との間に1個以上
の磁化可能な円環状の磁性体を取付け、ネックの外側か
らこの磁性体を2極、4極、6極、8極、12極などに分
極着磁して、同様に電子ビームの軌道を補正して、静コ
ンバーゼンスや色純度を調整するカラー受像管が示され
ている。しかしこの磁性体は、管軸に沿った方向の長さ
が短く、したがって同一平面上に多極の磁極を形成する
ことになり、各磁極を他の磁極に影響を与えることなく
所定の磁化量に着磁することが困難である。そのため、
静コンバーゼンスや色純度を正確かつ十分に補正するこ
とが困難である。
【0007】また、ネック内側の電子銃の近傍に2個以
上の磁性体を配置して、それぞれに異なる作用をもた
せ、電子ビームの軌道を補正するようにしたカラー受像
管がある。
上の磁性体を配置して、それぞれに異なる作用をもた
せ、電子ビームの軌道を補正するようにしたカラー受像
管がある。
【0008】この種のカラー受像管として、たとえば特
公平1−38343号公報には、電子銃の電子ビーム放
出端に配置されるコンバーゼンス・カップの底部に第1
の磁性体、開口部に第2の磁性体を配置して、第1の磁
性体で色純度を、第2の磁性体で静コンバーゼンスを補
正するようにしたカラー受像管が示されている。また、
特開昭50−138734号公報には、管軸(または電
子ビームの軸)から逸れた電子ビームを管軸上に戻すた
めに、管軸に沿った方向に2個の磁性体を離間して設
け、その第1の磁性体で管軸から逸れた電子ビームを管
軸方向に曲げ、電子ビームが管軸に達したところで、第
2の磁性体で管軸に沿うように曲げるものが示されてい
る。
公平1−38343号公報には、電子銃の電子ビーム放
出端に配置されるコンバーゼンス・カップの底部に第1
の磁性体、開口部に第2の磁性体を配置して、第1の磁
性体で色純度を、第2の磁性体で静コンバーゼンスを補
正するようにしたカラー受像管が示されている。また、
特開昭50−138734号公報には、管軸(または電
子ビームの軸)から逸れた電子ビームを管軸上に戻すた
めに、管軸に沿った方向に2個の磁性体を離間して設
け、その第1の磁性体で管軸から逸れた電子ビームを管
軸方向に曲げ、電子ビームが管軸に達したところで、第
2の磁性体で管軸に沿うように曲げるものが示されてい
る。
【0009】しかし、このように2個の磁性体を離間し
て設けることは、製造コストが高くなり、不利である。
特に後者(特開昭50−138734号公報)の場合、
電子銃の種類によって第1の磁性体と第2の磁性体との
配置位置が決まってしまうため、第1の磁性体により電
子ビームを管軸方向に曲げても、それが第2の磁性体と
の配置位置で管軸と一致するように調整することが困難
である。
て設けることは、製造コストが高くなり、不利である。
特に後者(特開昭50−138734号公報)の場合、
電子銃の種類によって第1の磁性体と第2の磁性体との
配置位置が決まってしまうため、第1の磁性体により電
子ビームを管軸方向に曲げても、それが第2の磁性体と
の配置位置で管軸と一致するように調整することが困難
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
りカラー受像管の静コンバーゼンスや色純度を調整する
ために、電子銃の電極の外側に1個以上の磁化可能な円
環状の磁性体を取付け、この磁性体をネック外側から着
磁して所定の磁極を形成するようにしたカラー受像管が
ある。しかしこの磁性体は、管軸に沿った方向の長さが
短く、同一平面上に多極の磁極を形成することになり、
各磁極を他の磁極に影響を与えることなく所定の磁化量
に着磁することが困難であり、静コンバーゼンスや色純
度を正確かつ十分に補正することができないという問題
がある。
りカラー受像管の静コンバーゼンスや色純度を調整する
ために、電子銃の電極の外側に1個以上の磁化可能な円
環状の磁性体を取付け、この磁性体をネック外側から着
磁して所定の磁極を形成するようにしたカラー受像管が
ある。しかしこの磁性体は、管軸に沿った方向の長さが
短く、同一平面上に多極の磁極を形成することになり、
各磁極を他の磁極に影響を与えることなく所定の磁化量
に着磁することが困難であり、静コンバーゼンスや色純
度を正確かつ十分に補正することができないという問題
がある。
【0011】また、管軸に沿った方向に2個以上の磁性
体を離間して設け、管軸から逸れた電子ビームを第1の
磁性体で管軸方向に曲げ、管軸に達したところで第2の
磁性体により管軸に沿うように曲げるものがあるが、こ
のように2個の磁性体を離間して設けると、第1の磁性
体により電子ビームを管軸方向に曲げても、それが第2
の磁性体の配置位置で管軸と一致するように調整するこ
とが困難であるという問題がある。
体を離間して設け、管軸から逸れた電子ビームを第1の
磁性体で管軸方向に曲げ、管軸に達したところで第2の
磁性体により管軸に沿うように曲げるものがあるが、こ
のように2個の磁性体を離間して設けると、第1の磁性
体により電子ビームを管軸方向に曲げても、それが第2
の磁性体の配置位置で管軸と一致するように調整するこ
とが困難であるという問題がある。
【0012】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、電子銃に磁化可能な磁性体を取付け、この
磁性体をネック外から着磁して、電子ビームの軌道を補
正するカラー受像管において、その磁性体に所定の磁極
を容易に形成して、電子ビームの軌道を正確かつ十分に
補正しうるようにすることを目的とする。
ものであり、電子銃に磁化可能な磁性体を取付け、この
磁性体をネック外から着磁して、電子ビームの軌道を補
正するカラー受像管において、その磁性体に所定の磁極
を容易に形成して、電子ビームの軌道を正確かつ十分に
補正しうるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】ネック内にカソードおよ
びこのカソードに順次隣接して配列された複数個の電極
からなる電子銃が配設され、この電子銃に少なくとも1
個の磁化可能な磁性体が取付けられ、この磁性体を着磁
して上記電子銃から放出される電子ビームの軌道を補正
するカラー受像管において、その磁性体を電子ビーム進
行方向に沿って筒状に延在して形成され、この筒状に形
成された磁性体の電子ビーム進行方向に2つ以上の独立
した電子ビーム軌道を変更する磁界領域を形成した。
びこのカソードに順次隣接して配列された複数個の電極
からなる電子銃が配設され、この電子銃に少なくとも1
個の磁化可能な磁性体が取付けられ、この磁性体を着磁
して上記電子銃から放出される電子ビームの軌道を補正
するカラー受像管において、その磁性体を電子ビーム進
行方向に沿って筒状に延在して形成され、この筒状に形
成された磁性体の電子ビーム進行方向に2つ以上の独立
した電子ビーム軌道を変更する磁界領域を形成した。
【0014】
【作用】上記のように、電子銃に管軸に沿った方向に複
数種の磁界を発生しうる長さの筒状に形成された磁性体
を配置すると、電子ビームの軌道を補正する上に必要な
複数種の磁界を管軸に沿った方向に容易に区分して形成
することができる。
数種の磁界を発生しうる長さの筒状に形成された磁性体
を配置すると、電子ビームの軌道を補正する上に必要な
複数種の磁界を管軸に沿った方向に容易に区分して形成
することができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0016】図1にその一実施例であるカラー受像管を
示す。このカラー受像管は、パネル1およびこのパネル
1に一体に接合されたファンネル2からなる外囲器を有
し、そのパネル1の内面に、青、緑、赤に発光する3色
蛍光体層からなる蛍光体スクリーン8が形成され、この
蛍光体スクリーン8に対向して、その内側に多数の電子
ビーム通過孔の形成されたシャドウマスク7が配置され
ている。またファンネル2のネック3内に、3電子ビー
ム5B,5G,5Rを放出する電子銃4が配設されている。な
お、6は電子銃4から放出される3電子ビーム5B,5G,
5Rを偏向する磁界を発生する偏向ヨークである。
示す。このカラー受像管は、パネル1およびこのパネル
1に一体に接合されたファンネル2からなる外囲器を有
し、そのパネル1の内面に、青、緑、赤に発光する3色
蛍光体層からなる蛍光体スクリーン8が形成され、この
蛍光体スクリーン8に対向して、その内側に多数の電子
ビーム通過孔の形成されたシャドウマスク7が配置され
ている。またファンネル2のネック3内に、3電子ビー
ム5B,5G,5Rを放出する電子銃4が配設されている。な
お、6は電子銃4から放出される3電子ビーム5B,5G,
5Rを偏向する磁界を発生する偏向ヨークである。
【0017】上記電子銃4は、図2に示すように、3個
のカソードK(1個のみ図示)、これらカソードKを各
別に加熱するヒータHおよび上記カソードK上に蛍光体
スクリーン方向に順次隣接して配置された複数の電極
(図示例では、第1ないし第5グリッドG1〜G5)が一対
の絶縁支持体11により一体に固定され、その最終電極で
ある第5グリッドG5にコンバーゼンス・カップCが取付
けられている。この電子銃4では、カソードKおよび第
1ないし第3グリッドG1〜G3がカソードKからの電子放
出を制御しかつ放出された電子を集束して電子ビームを
形成する電子ビーム形成部を構成し、第3および第5グ
リッドG3〜G5が最終的に電子ビームを蛍光体スクリーン
に向かって加速集束する主レンズ部を構成し、第4グリ
ッドG4がその集束電極となっている。
のカソードK(1個のみ図示)、これらカソードKを各
別に加熱するヒータHおよび上記カソードK上に蛍光体
スクリーン方向に順次隣接して配置された複数の電極
(図示例では、第1ないし第5グリッドG1〜G5)が一対
の絶縁支持体11により一体に固定され、その最終電極で
ある第5グリッドG5にコンバーゼンス・カップCが取付
けられている。この電子銃4では、カソードKおよび第
1ないし第3グリッドG1〜G3がカソードKからの電子放
出を制御しかつ放出された電子を集束して電子ビームを
形成する電子ビーム形成部を構成し、第3および第5グ
リッドG3〜G5が最終的に電子ビームを蛍光体スクリーン
に向かって加速集束する主レンズ部を構成し、第4グリ
ッドG4がその集束電極となっている。
【0018】そしてこのカラー受像管においては、その
第4グリッドG4の外側に、後述するように管軸(または
電子銃軸)に沿って所定の長さをもつ1個の筒状磁性体
12が配置されている。この磁性体12は、図示例では、一
対の絶縁支持体11の内側に配置されているが、第4グリ
ッドG4とともに一対の絶縁支持体11を取巻くようにネッ
ク内に配置してもよい。
第4グリッドG4の外側に、後述するように管軸(または
電子銃軸)に沿って所定の長さをもつ1個の筒状磁性体
12が配置されている。この磁性体12は、図示例では、一
対の絶縁支持体11の内側に配置されているが、第4グリ
ッドG4とともに一対の絶縁支持体11を取巻くようにネッ
ク内に配置してもよい。
【0019】この磁性体12は、電子銃4を組立てると
き、第4グリッドG4と同軸に取付けておき、この磁性体
12の取付けられた電子銃4をパネル1とファンネル2と
を一体に接合(封着)して得られる外囲器のネック3内
に封止し、排気してカラー受像管を製造したのち、ネッ
ク3外に電子銃4に取付けられた磁性体12に対応して着
磁装置を配置して着磁することにより、電子銃4および
カラー受像管の組立時の組立誤差に基づく電子ビーム5
B,5G,5Rの軌道の補正に用いられる。
き、第4グリッドG4と同軸に取付けておき、この磁性体
12の取付けられた電子銃4をパネル1とファンネル2と
を一体に接合(封着)して得られる外囲器のネック3内
に封止し、排気してカラー受像管を製造したのち、ネッ
ク3外に電子銃4に取付けられた磁性体12に対応して着
磁装置を配置して着磁することにより、電子銃4および
カラー受像管の組立時の組立誤差に基づく電子ビーム5
B,5G,5Rの軌道の補正に用いられる。
【0020】この磁性体12による電子ビーム5B,5G,5R
の軌道補正は、図3(a)に示すように、磁性体12に管
軸(Z軸)に沿った方向に2つの磁界領域14a ,14b を
区分して設け、たとえば同(b)に示すように、管軸か
ら逸れた電子ビーム5aを、カソード側の第1の磁界領域
14a で管軸方向に曲げ、この曲げられた電子ビーム5bを
蛍光体スクリーン側の第2の磁界領域14b で管軸に沿う
ように曲げることによりおこなわれる。
の軌道補正は、図3(a)に示すように、磁性体12に管
軸(Z軸)に沿った方向に2つの磁界領域14a ,14b を
区分して設け、たとえば同(b)に示すように、管軸か
ら逸れた電子ビーム5aを、カソード側の第1の磁界領域
14a で管軸方向に曲げ、この曲げられた電子ビーム5bを
蛍光体スクリーン側の第2の磁界領域14b で管軸に沿う
ように曲げることによりおこなわれる。
【0021】このような補正方法は、前記特開昭50−
138734号公報に示されている方法と同じである
が、この例のカラー受像管での補正方法は、1個の磁性
体12に2つの磁界領域14a ,14b を設けている点が相違
する。
138734号公報に示されている方法と同じである
が、この例のカラー受像管での補正方法は、1個の磁性
体12に2つの磁界領域14a ,14b を設けている点が相違
する。
【0022】すなわち、従来の特開昭50−13873
4号公報の場合は、管軸に沿って2個の磁性体を離間し
て設け、第1の磁性体で管軸から逸れた電子ビームを管
軸方向に曲げ、この曲げられた電子ビームが管軸に達し
たところで、管軸に沿うように第2の磁性体で曲げる方
法であるが、電子銃に対して2個の磁性体の位置が決ま
っているため、管軸から逸れた電子ビームを第1の磁性
体で管軸方向に曲げても、曲げられた電子ビームが第2
の磁性体の配置された位置で管軸と一致するとは限ら
ず、電子ビームが第2の磁性体の配置された位置で管軸
と一致するように第1の磁性体を着磁することが難し
い。
4号公報の場合は、管軸に沿って2個の磁性体を離間し
て設け、第1の磁性体で管軸から逸れた電子ビームを管
軸方向に曲げ、この曲げられた電子ビームが管軸に達し
たところで、管軸に沿うように第2の磁性体で曲げる方
法であるが、電子銃に対して2個の磁性体の位置が決ま
っているため、管軸から逸れた電子ビームを第1の磁性
体で管軸方向に曲げても、曲げられた電子ビームが第2
の磁性体の配置された位置で管軸と一致するとは限ら
ず、電子ビームが第2の磁性体の配置された位置で管軸
と一致するように第1の磁性体を着磁することが難し
い。
【0023】これに対して、この例のカラー受像管のよ
うに磁性体12の管軸に沿った方向の長さを長くして、1
個の磁性体12に2つの磁界領域14a,14bを設けると、第
1の磁性体で管軸から逸れた電子ビーム5aを管軸方向に
曲げ、その後、カラー受像管を動作させて、その曲げら
れた電子ビーム5bが蛍光体スクリーン8に達する点を測
定し、その測定結果からこの電子ビーム5bが管軸と交差
する点を算出して第2の磁界領域14bを決めることがで
きる。したがって上記従来のように磁性体の位置が決ま
っているためにおこる問題点を解消することができる。
つまり、1個の筒状に形成された磁性体12を管軸に沿っ
た方向、すなわち電子ビーム進行方向に2つ以上の独立
した電子ビーム軌道を変更する磁界領域を区分して形成
しうる長さ、例えば3電子ビームのビーム間隔程度の長
さとし、これを電子銃4の外側に配置すると、容易に電
子ビームの軌道を補正する磁極を形成することができ
る。
うに磁性体12の管軸に沿った方向の長さを長くして、1
個の磁性体12に2つの磁界領域14a,14bを設けると、第
1の磁性体で管軸から逸れた電子ビーム5aを管軸方向に
曲げ、その後、カラー受像管を動作させて、その曲げら
れた電子ビーム5bが蛍光体スクリーン8に達する点を測
定し、その測定結果からこの電子ビーム5bが管軸と交差
する点を算出して第2の磁界領域14bを決めることがで
きる。したがって上記従来のように磁性体の位置が決ま
っているためにおこる問題点を解消することができる。
つまり、1個の筒状に形成された磁性体12を管軸に沿っ
た方向、すなわち電子ビーム進行方向に2つ以上の独立
した電子ビーム軌道を変更する磁界領域を区分して形成
しうる長さ、例えば3電子ビームのビーム間隔程度の長
さとし、これを電子銃4の外側に配置すると、容易に電
子ビームの軌道を補正する磁極を形成することができ
る。
【0024】なお、この例では、説明を簡単にするた
め、単電子ビームについて、その補正方法を説明した
が、3電子ビームの補正についも同様に補正されること
はいうまでもない。
め、単電子ビームについて、その補正方法を説明した
が、3電子ビームの補正についも同様に補正されること
はいうまでもない。
【0025】つぎに、他の実施例について説明する。
【0026】図4は、3電子ビーム5B,5G,5Rを放出す
るカラー受像管の静コンバーゼンスおよび色純度を調整
するために、1個の筒状磁性体12に2極、4極、6極の
磁極を着磁する場合である。この静コンバーゼンスおよ
び色純度の調整については、従来の方法では、1個の磁
性体に2極、4極、6極の磁極の総合磁界として、8極
または12極の磁極を形成している。しかし従来の磁性
体は、管軸に沿った方向に長さが短いために、8極また
は12極の磁極を形成して、その総合磁界を調整しよう
とすると、静コンバーゼンスおよび色純度の調整に必要
な2極、4極、6極の磁極を相互に影響を与えることな
く独立に着磁することが難しく、静コンバーゼンスおよ
び色純度を正確かつ十分に調整する磁極を形成すること
が困難であった。
るカラー受像管の静コンバーゼンスおよび色純度を調整
するために、1個の筒状磁性体12に2極、4極、6極の
磁極を着磁する場合である。この静コンバーゼンスおよ
び色純度の調整については、従来の方法では、1個の磁
性体に2極、4極、6極の磁極の総合磁界として、8極
または12極の磁極を形成している。しかし従来の磁性
体は、管軸に沿った方向に長さが短いために、8極また
は12極の磁極を形成して、その総合磁界を調整しよう
とすると、静コンバーゼンスおよび色純度の調整に必要
な2極、4極、6極の磁極を相互に影響を与えることな
く独立に着磁することが難しく、静コンバーゼンスおよ
び色純度を正確かつ十分に調整する磁極を形成すること
が困難であった。
【0027】しかしこの例の磁性体12は、管軸に沿った
方向に長く、したがって管軸に沿った方向に第1ないし
第3の3つの磁界領域14a ,14b ,14c を区分して形成
し、それぞれに2極、4極、6極の磁極を形成する。こ
の場合、磁性体12を着磁する前に、その磁極を形成しよ
うとする位置にあらかじめネック外からレーザを照射し
て、磁気変態点以下または自発磁化が消滅する程度に局
部的に加熱し、その後、着磁装置によりその位置を着磁
するとよい。それにより、各磁極を相互に影響を与える
ことなく独立に着磁することができ、容易に静コンバー
ゼンスおよび色純度を正確かつ十分に調整する磁極を形
成することができる。
方向に長く、したがって管軸に沿った方向に第1ないし
第3の3つの磁界領域14a ,14b ,14c を区分して形成
し、それぞれに2極、4極、6極の磁極を形成する。こ
の場合、磁性体12を着磁する前に、その磁極を形成しよ
うとする位置にあらかじめネック外からレーザを照射し
て、磁気変態点以下または自発磁化が消滅する程度に局
部的に加熱し、その後、着磁装置によりその位置を着磁
するとよい。それにより、各磁極を相互に影響を与える
ことなく独立に着磁することができ、容易に静コンバー
ゼンスおよび色純度を正確かつ十分に調整する磁極を形
成することができる。
【0028】なお、上記第2の実施例では、着磁する前
に、磁極を形成しようとする位置にレーザを照射して磁
気変態点以下または自発磁化が消滅する程度に局部的に
加熱し、その後、着磁装置により着磁して磁極を形成し
たが、この磁性体の磁化方法は、それに限定されるもの
ではなく、他の磁化方法で磁極を形成してもよい。
に、磁極を形成しようとする位置にレーザを照射して磁
気変態点以下または自発磁化が消滅する程度に局部的に
加熱し、その後、着磁装置により着磁して磁極を形成し
たが、この磁性体の磁化方法は、それに限定されるもの
ではなく、他の磁化方法で磁極を形成してもよい。
【0029】また、上記第2の実施例では、カラー受像
管の静コンバーゼンスおよび色純度を調整するために、
1個の磁性体に管軸に沿って3つの磁界領域を区分して
形成したが、静コンバーゼンスおよび色純度を調整する
ための磁極は、2つの磁界領域に形成することもでき
る。たとえばカソード側の第1の磁界領域に主として色
純度を調整するための2極の磁極を形成し、蛍光体スク
リーン側の第2の磁界領域に主として静コンバーゼンス
を調整するための8極の磁極を形成すると、静コンバー
ゼンスおよび色純度調整に必要な磁極をきわめて迅速に
形成することができる。
管の静コンバーゼンスおよび色純度を調整するために、
1個の磁性体に管軸に沿って3つの磁界領域を区分して
形成したが、静コンバーゼンスおよび色純度を調整する
ための磁極は、2つの磁界領域に形成することもでき
る。たとえばカソード側の第1の磁界領域に主として色
純度を調整するための2極の磁極を形成し、蛍光体スク
リーン側の第2の磁界領域に主として静コンバーゼンス
を調整するための8極の磁極を形成すると、静コンバー
ゼンスおよび色純度調整に必要な磁極をきわめて迅速に
形成することができる。
【0030】なお、磁性体の形状、配置位置について
は、上記各実施例に限定されるものではない。
は、上記各実施例に限定されるものではない。
【0031】また、上記各実施例では、1個の磁性体を
配置した場合について説明したが、この1個の磁性体の
かわりに、2個以上の磁性体を密接して配置しても、1
個の磁性体の場合と同様の効果が得られる。
配置した場合について説明したが、この1個の磁性体の
かわりに、2個以上の磁性体を密接して配置しても、1
個の磁性体の場合と同様の効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】電子銃に取付けられる磁性体を管軸に沿
った方向に複数種の磁界を形成しうる長さの筒状とする
と、カラー受像管の静コンバーゼンスおよび色純度の補
正、あるいは電子ビームの軌道を補正する上に必要な複
数種の磁界を管軸に沿った方向に容易に区分して形成す
ることができる。
った方向に複数種の磁界を形成しうる長さの筒状とする
と、カラー受像管の静コンバーゼンスおよび色純度の補
正、あるいは電子ビームの軌道を補正する上に必要な複
数種の磁界を管軸に沿った方向に容易に区分して形成す
ることができる。
【図1】この発明の一実施例であるカラー受像管の構成
を示す図である。
を示す図である。
【図2】その電子銃に対する磁性体の配置を示す図であ
る。
る。
【図3】図3(a)は電子ビームの軌道を調整する場合
に、その磁性体に形成される磁界領域の配置を示す図、
図3(b)はその磁界領域の形成方法を説明するための
図である。
に、その磁性体に形成される磁界領域の配置を示す図、
図3(b)はその磁界領域の形成方法を説明するための
図である。
【図4】カラー受像管の静コンバーゼンスおよび色純度
を調整するための磁界領域の配置を示す図である。
を調整するための磁界領域の配置を示す図である。
【図5】従来のカラー受像管の構成を示す図である。
3…ネック 4…電子銃 5B,5G,5R…3電子ビーム 8…蛍光体スクリーン 11…絶縁支持体 12…磁性体 14a …第1の磁界領域 14b …第2の磁界領域 C…コンバーゼンス・カップ G1…第1グリッド G2…第2グリッド G3…第3グリッド G4…第4グリッド G5…第5グリッド K…カソード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−82947(JP,A) 特開 平1−274344(JP,A) 特開 平2−37650(JP,A) 特開 昭55−137649(JP,A) 特開 昭58−30046(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/50
Claims (1)
- 【請求項1】 ネック内にカソードおよびこのカソード
に順次隣接して配列された複数個の電極からなる電子銃
が配設され、この電子銃に少なくとも1個の磁化可能な
磁性体が取付けられ、この磁性体を着磁して上記電子銃
から放出される電子ビームの軌道を補正するカラー受像
管において、 上記磁性体は電子ビーム進行方向に沿って筒状に延在し
て形成され、上記筒状に形成された磁性体の電子ビーム
進行方向に2つ以上の独立した電子ビーム軌道を変更す
る磁界領域を形成していることを特徴とするカラー受像
管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23671491A JP3272747B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | カラー受像管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23671491A JP3272747B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | カラー受像管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0574368A JPH0574368A (ja) | 1993-03-26 |
JP3272747B2 true JP3272747B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=17004686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23671491A Expired - Fee Related JP3272747B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | カラー受像管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3272747B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-18 JP JP23671491A patent/JP3272747B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0574368A (ja) | 1993-03-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |