JP3270111B2 - 多足歩行ロボット - Google Patents

多足歩行ロボット

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JP3270111B2
JP3270111B2 JP14458092A JP14458092A JP3270111B2 JP 3270111 B2 JP3270111 B2 JP 3270111B2 JP 14458092 A JP14458092 A JP 14458092A JP 14458092 A JP14458092 A JP 14458092A JP 3270111 B2 JP3270111 B2 JP 3270111B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルブ装置によって制
御される複数の流体圧駆動アクチュエータを脚部に用い
た多足歩行ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】バルブ装置のなかには流体の圧力制御を
行えるものがある。このようなバルブ装置としては、ア
ナログ信号で制御される電空比例弁(サーボ弁)や、計
算機からの指令に基いてPWM制御で開閉される電磁弁
などが知られている。したがって、これらのバルブ装置
を高圧流体供給源と流体圧で駆動される制御対象との間
に介在させることによって、制御対象の駆動流体圧を自
由に設定できる。
【0003】ところで、制御対象のなかには、数個ある
いは数10個の圧力室を備え、これらの圧力室の全てに
ついて圧力制御の要求されるものがある。このような制
御対象の代表的なものとして、特開平1−247809
号公報に示されている流体圧駆動アクチュエータをあげ
ることができる。
【0004】この流体圧駆動アクチュエータは、軸方向
に延設された隔壁によって内部が3つの圧力室に分離さ
れた筒状弾性体を備えており、3つの圧力室の圧力を調
整することによって筒状弾性体を任意の方向へ自由に湾
曲させることができる。したがって、この流体圧駆動ア
クチュエータを脚部に見立て、4個あるいは6個組合せ
ることによって4足歩行ロボットや6足歩行ロボットを
実現できる。
【0005】上述した流体圧駆動アクチュエータを組合
せて多足歩行ロボット、たとえば6足歩行ロボットを構
成する場合、1つの流体圧駆動アクチュエータについて
3つの圧力室の流体圧を制御する必要があるので、合計
18の圧力室について流体圧を制御する必要がある。し
たがって、基本的には18個の圧力制御用バルブ装置を
必要とする。なお、6足歩行の最も基本的な歩行パター
ンを採用して任意方向への移動と旋回動作を行わせるも
のとし、同一の動作を行う圧力室をそれぞれまとめても
12個の圧力制御用バルブ装置を必要とし、また前後方
向にのみ移動を行わせるものとし、同一の動作を行う圧
力室をそれぞれまとめたとしても4個の圧力制御用バル
ブ装置を必要とする。このように、制御対象が多数の被
制御圧力室を備えている場合には、それに対応した数の
圧力制御用バルブ装置を必要とする。
【0006】しかしながら、圧力制御が可能な従来のバ
ルブ装置では、バルブ本体を動作させるために計算機,
出力ボードおよびボードを格納するための拡張ユニッ
ト,アンプなどの電気的制御系を必要とするため、上述
のように多数の被制御圧力室を備えた制御対象を動作さ
せようとした場合には圧力制御系全体の複雑化および大
掛り化を招く問題があった。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】上述の如く、流体の圧
力制御が可能な従来のバルブ装置にあっては、圧力制御
を実現するために複雑な電気的制御系を必要とする。こ
のため、たとえば前述した流体圧駆動アクチュエータを
複数組合せた制御対象の駆動流体圧をそれぞれ制御する
ような場合には、圧力制御系全体の複雑化を招く問題が
あった。
【0008】そこで本発明は、計算機などの複雑な電気
的制御系を必要としない簡単、かつコンパクトな構成
で、複数の圧力室を備えた複数の流体圧駆動アクチュエ
ータの各圧力室の流体圧を制御できる多足歩行ロボット
を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は軸方向に延設された隔壁によって内部が
3つの圧力室に分離された筒状弾性体と、該筒状弾性体
に一端が接続され、該3つの圧力室に外部から作動流体
を送り込むための3本のチューブとを有する複数の流体
圧駆動アクチュエータと、前記アクチュエータの前記各
チューブの他端に接続されたバルブ装置とを備え、前記
アクチュエータを脚部とする多足歩行ロボットにおい
て、前記バルブ装置は、ステータと、このステータに対
して嵌合状態に、かつ回転自在に設けられたロータと、
このロータを回転させる手段と、一方の開口端を前記ロ
ータに対向させて前記ステータに設けられるとともに他
方の開口端が流体供給源に接続される第1の流体通路
と、一方の開口端を前記ロータに対向させて前記ステー
タに設けられるとともに他方の開口端が前記チューブの
他端にそれぞれ接続される3本の第2の流体通路と、前
記ステータまたは前記ロータに設けられて大気圧雰囲気
に通じた流体排出路と、前記ロータに設けられ、上記ロ
ータの回転角に応じて前記第2の流体通路を前記第1の
流体通路と前記流体排出路とに切換接続する連絡通路と
を有することを特徴とする
【0010】
【作用】ロータを、たとえばモータで回転させると、ス
テータとロータとの周方向相対位置が変化する。そし
て、ロータがある位置まで回転すると、ロータに設けら
れた連絡通路を介して、たとえば第1の流体通路と第2
の流体通路とが接続され、制御対象である流体圧駆動ア
クチュエータへの駆動流体圧が流体供給源の圧力レベル
まで上昇する。また、ロータが別の位置まで回転する
と、ロータに設けられた連絡通路を介して第2の流体通
路と流体排出路とが接続される。この結果、 体圧駆動
アクチュエータへの駆動流体圧が大気圧レベルへと低下
する。一方、ロータとステータとの間には隙間が存在し
ており、この隙間を通して流体の漏れが生じる。このた
め、第1の流体通路と第2の流体通路とを不十分な接続
状態にするロータの回転角範囲および第2の流体通路と
流体排出路とを不十分な接続状態にするロータの回転角
範囲では、流体圧駆動アクチュエータへの駆動流体圧は
流体供給源の圧力より低いレベルで、かつその回転角範
囲内のロータ位置に対応したレベルとなる。
【0011】したがって、ロータの回転角に対応させて
流体圧駆動アクチュエータへの駆動流体圧を自由に設定
できる。特に流体圧駆動アクチュエータに一定の周期
で、同じパターンに変化する駆動流体圧を印加して動作
させる場合には、電気的制御系等を必要とせずに、単に
ロータを一定速度で回転させるだけで実現できる。ま
た、流体圧駆動アクチュエータが一定の周期で、同じパ
ターンに変化する複数通りの駆動流体圧を必要とする場
合であっても、これらパターンの位相差等を考慮に入れ
て連絡通路と第2の流体通路とを設けることによって容
易に対応できる。さらに、ロータの回転角を制御するこ
とにより、流体圧駆動アクチュエータへの駆動流体圧を
任意に設定することも可能である。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1には本発明の第1の実施例に係るバルブ装置1
を使って1つの流体圧駆動アクチュエータ2を駆動して
いる例が示されている。流体圧駆動アクチュエータ2
は、特開平1−247809号公報に示されているもの
と同様に構成されたものである。ここでは、まず図8乃
至図10を参照しながら流体圧駆動アクチュエータ2の
構成を説明し、次にバルブ装置1の構成を説明すること
にする。
【0013】流体圧駆動アクチュエータ2は、図9に示
すように、外壁を形成する筒状弾性体11と、先端封止
部材12と、根元封止部材13と、チューブ14a,1
4b,14cと、先端部材15とから構成されている。
【0014】筒状弾性体11は、図10にも示すよう
に、同一形状の3つの単位筒状弾性体16a,16b,
16cを、その軸方向に並列に接着して成形されてい
る。このため、接着された部位に筒状弾性体11の軸方
向に延びる弾性隔壁17,18,19が存在し、これら
弾性隔壁17,18,19によって3つの圧力室20,
21,22が形成される。単位筒状弾性体16a,16
b,16cは、図9および図10に示すように、それぞ
れ間隔を密にして螺旋状に巻装された繊維23を弾性材
料であるシリコーンゴムで被覆して形成されている。な
お、接着された3つの単位筒状弾性体16a,16b,
16cは、さらに図示しないシリコーンゴムで被覆され
ている。図では繊維23を巻装した単位筒状弾性体16
a,16b,16cを接着し、これにシリコーンゴムの
被覆層を施した筒状弾性体11が示されているが、繊維
を巻装していない単位筒状弾性体を接着してからその外
周に全体的に繊維を巻装し、その上にシリコーンゴムの
被覆層を施した筒状弾性体を用いることもできる。
【0015】このように、筒状弾性体11は、繊維23
とゴムとの複合による異方性弾性材料によって形成され
ており、この構成によって筒状弾性体11の軸方向24
と略一致する方向には縦弾性係数が小さく、この方向に
は伸び易くなっている。また、軸方向24と直交する図
中実線矢印25で示す方向には、繊維23の存在によっ
て縦弾性係数が大きく、この方向には伸び難くなってい
る。
【0016】先端封止部材12は、金属などで形成さ
れ、単位筒状弾性体16a,16b,16cの先端側開
口を封止するように挿入接着された扇形状の蓋体26
a,26b,26cによって構成されている。根元封止
部材13は、先端封止部材12と同様に、単位筒状弾性
体16a,16b,16cの基端側開口を封止するよう
に挿入接着された扇形状の蓋体27a,27b,27c
によって構成されている。なお、これらの蓋体はシリコ
ーンゴム等によって構成されることもある。
【0017】蓋体27a,27b,27cには、軸方向
に貫通する孔28a,28b,28cがそれぞれ設けら
れている。そして、これらの孔28a,28b,28c
に前述したチューブ14a,14b,14cの一端側が
気密に接続されている。
【0018】このように構成された流体圧駆動アクチュ
エータ2では、たとえばチューブ14aから作動流体を
送り込んで圧力室20の圧力を高めると、図8に示すよ
うに、圧力室20が軸方向に伸び、筒状弾性体11が図
中実線矢印Xで示す方向に湾曲し、破線で示した状態に
なる。この状態でさらにチューブ14cを介して圧力室
21の圧力を高めると、筒状弾性体11が図中実線矢印
Yで示す方向に湾曲することになる。したがって、3つ
の圧力室20,21,22に与える圧力の組み合わせに
より、筒状弾性体11を任意の方向へ湾曲させることが
できる。また、3つの圧力室20,21,22の圧力を
等しく高めれば、筒状弾性体11を軸方向24と同方向
に伸ばすことができる。
【0019】このように、この流体圧駆動アクチュエー
タ2は、異方性弾性材料の特性を利用し、3つの圧力室
20,21,22の圧力を制御することによって、筒状
弾性体11に湾曲と伸縮の動作を同時に行わせてアクチ
ュエータとしての機能を発揮できるようになっている。
【0020】バルブ装置1は、図2に示すように大きく
分けて、円筒状に形成されたステータ31と、このステ
ータ31内に僅かの隙間を設けて回転自在に配置された
ロータ32と、このロータ32をカップリング33を介
して回転駆動する直流のモータ34と、一方の開口端3
5をロータ32の外周面に対向させてステータ31に設
けられるとともに他方の開口端36が図示しない高圧流
体供給源に接続される流体通路37と、一方の開口端3
8,39,40をそれぞれロータ32の外周面に対向さ
せてステータ31に設けられた3つの流体通路41,4
2,43と、ロータ32に設けられ、ロータ32の回転
角に応じて流体通路37を流体通路41,42,43に
接続する連絡通路44と、一端側が常に大気に解放され
るようにロータ32に軸心線を中心にして対称に設けら
れた流体排出路45,46と、ロータ32に設けられ、
ロータ32の回転角に応じて流体通路41,42,43
を流体排出路45,46に接続する連絡通路47,4
8,49,50,51,52とで構成されている。
【0021】流体通路37,41,42,43は、軸心
線に沿って等間隔に、かつステータ31の周壁を半径方
向に貫通するように設けられた孔によって構成されてい
る。これら孔はロータ32側が小径に形成されている。
そして、各孔の大径側の内面にはアダプタを装着し易く
するためのネジ山が設けられている。
【0022】連絡通路44は、図3に示すようにロータ
32の外周面で流体通路37の一方の開口端35に対向
し得る部分に形成された環状溝61と、図2および図3
に示すようにロータ32の軸心部で流体通路37の設け
られている位置から流体通路43の設けられている位置
近傍までの範囲に設けられた通路62と、図3に示すよ
うに環状溝61と通路62とを通じさせるように周方向
に等間隔に4本設けられた通路63と、図4に示すよう
に一端側がそれぞれ通路62に通じるとともに他端側が
180度位相を異ならせて半径方向外側に延びる関係に
設けられた通路64a,64bと、図4に示すようにロ
ータ32の外周面で流体通路41の一方の開口端38に
対向し得る部分に形成されるとともに通路64a,64
bに通じた溝65a,65bと、図5に示すように一端
側がそれぞれ通路62に通じるとともに他端側が180
度位相を異ならせて半径方向外側に向けて延びる関係に
設けられた2組の通路66a,66b(67a,67
b)と、図5に示すようにロータ32の外周面で流体通
路42の一方の開口端39に対向し得る部分に形成され
るとともに通路66a,66bに通じた円弧溝68a,
68bと、図5に示すようにロータ32の外周面で流体
通路43の一方の開口端40に対向し得る部分に形成さ
れるとともに通路67a,67bに通じた円弧溝69
a,69bとで構成されている。
【0023】一方、連絡通路47,48は、図4に示す
ように、ロータ32の外周面で流体通路41の一方の開
口端38に対向し得る部分にそれぞれの一方の開口部を
周方向に180度ずらせて位置させ、それぞれの他方の
開口部を流体排出路45,46に通じさせるように設け
られている。また、連絡通路49,50は、図5に示す
ように、ロータ32の外周面で流体通路42の一方の開
口端39に対向し得る部分にそれぞれの一方の開口部を
周方向に180度ずらせて位置させ、それぞれの他方の
開口部を流体排出路45,46に通じさせるように設け
られている。同様に、連絡通路51,52は、図5に示
すように、ロータ32の外周面で流体通路43の一方の
開口端40に対向し得る部分にそれぞれの一方の開口部
を周方向に180度ずらせて位置させ、それぞれの他方
の開口部を流体排出路45,46に通じさせるように
けられている。
【0024】なお、図2中、70はロータ32の一端側
を支持するための軸受を示し、71はステータ31とモ
ータ34のフレームとを連結するための連結筒を示して
いる。
【0025】このように構成されたバルブ装置1は、図
1に示すように、流体通路37の他方の開口端36がチ
ューブ73を介して図示しない高圧流体供給源に接続さ
れ、また流体通路41の他方の開口端がチューブ14a
を介して圧力室20に接続され、流体通路42の他方の
開口端がチューブ14bを介して圧力室21に接続さ
れ、流体通路43の他方の開口端がチューブ14cを介
して圧力室22に接続されて使用に供される。なお、図
1中、74は流体圧駆動アクチュエータ2における筒状
弾性体11の基端部を支持するための基板を示してい
る。
【0026】ここで、バルブ装置1に設けられて流体通
路37と流体通路41,42,43との接続に供される
溝65a,65bおよび円弧溝68a,68b,69
a,69bと、流体通路41,42,43と流体排出路
45,46との接続に供される連絡通路47,48,4
9,50,51,52との位置および位相関係について
説明する。
【0027】図1に示す例では流体圧駆動アクチュエー
タ2を4足歩行ロボットの脚部に見立て、この流体圧駆
動アクチュエータ2に図1中実線矢印75で示す方向の
歩行サイクル動作を行せようとしている。流体圧駆動ア
クチュエータ2を脚部として歩行サイクルを実現するに
は、流体圧駆動アクチュエータ2の先端部を図7(a)に
示す動作パターンで動かす必要がある。この動作パター
ンを実現するには、圧力室20,21,22内の流体圧
を、たとえば図7(b) に示すパターンで変化させる必要
がある。この図7(b) において、AからBまでの間に脚
を蹴る行程である立脚相が実現され、BからCの間に脚
を浮かせて前に戻す行程である遊脚相が実現される。こ
れに類似した動作は、必ずしも図7(b) に示すパターン
で各圧力室20,21,22の圧力を変化させなくて
も、たとえば図7(c) に示すパターンで各圧力室20,
21,22の圧力を変化させても実現できる。図7(c)
ではDからEの間が立脚相を実現し、EからFの間が遊
脚相を実現する。図1に示す例では、バルブ装置1で図
7(c) に示す圧力パターンを作り出せるように前述した
各部の位置および位相関係が図2乃至図5に示す関係に
設定されている。
【0028】次に、上記のように構成されたバルブ装置
1の動作を説明する。
【0029】まず、チューブ73を高圧流体供給源に接
続する。これによって高圧流体が流体通路37を介して
連絡通路44に供給される。このとき、環状溝61に入
り込んだ高圧流体は、ロータ32とステータ31との間
の潤滑を行うとともに流体軸受を構成する。また、環状
溝61と軸心部に形成された通路62とを通じさせる溝
63は、ロータ32の円周上に均等に4つ設けられてい
るので、ロータ32の半径方向の力バランスを保つのに
寄与する。
【0030】今、ステータ31とロータ32との相対位
置が図2乃至図5に示す状態にあるものとすると、この
状態では3つの流体通路41,42,43の全てが連絡
通路47,49,51を介して大気に解放された流体排
出路45に通じている。したがって、流体圧駆動アクチ
ュエータ2の圧力室20,21,22の圧力は大気圧に
保たれている。
【0031】この状態でモータ34を付勢し、ロータ3
2を右回転(図3乃至図5では左回転)させると、図4
および図5に示す位置関係から明らかなように、流体通
路41,42,43と連絡通路47,49,51との、
いわゆる接続度が徐々に減少し、ついには遮断状態とな
る。
【0032】ロータ32がさらに回転すると、溝65b
と流体通路41との接続度が徐々に増加し、若干の時間
差をおいて環状溝68b,69bと流体通路42,43
との接続度が徐々に増加する。したがって、圧力室20
内の圧力が徐々に上昇し、続いて圧力室21,22内の
圧力が徐々に上昇する。ロータ32がさらに回転する
と、溝65bと流体通路41との接続度が最大値まで増
加し、同様に環状溝68b,69bと流体通路42,4
3との接続度も最大値まで増加するので、圧力室20,
21,22内の圧力は高圧流体供給源の供給圧レベルま
で上昇する。
【0033】ロータ32がさらに回転すると、図4から
判るように、溝65bと流体通路41との接続度が徐々
に減少し、ついには遮断状態となる。したがって、圧力
室20内に流体が閉込められた状態になる。しかし、ス
テータ31とロータ32との間には僅かの隙間が存在し
ているので、この隙間を通して漏洩する。したがって、
圧力室20内の圧力はほぼ一定の勾配で徐々に低下す
る。このとき、環状溝68b,69bと流体通路42,
43とは接続状態にあるので、圧力室21,22内の圧
力は高圧流体供給源の供給圧レベルに保持される。
【0034】ロータ32が半回転する直前に至ると、図
5から判るように、環状溝68b,69bと流体通路4
2,43との接続度が減少し、ついには遮断状態とな
る。そして、ロータ32が半回転すると、流体通路4
1,42,43の全てが連絡通路47,49,51を介
して大気に解放された流体排出路45に通じる。したが
って、圧力室20,21,22内の圧力は再び大気圧レ
ベルに低下し、結局、ロータ32が半回転する間に圧力
室20,21,22内の圧力が図7(c) に示すパターン
に制御されることになる。
【0035】このように、1つのバルブ装置1で、しか
もロータ32を回転させるだけで3つの圧力室20,2
1,22内の圧力を所望パターンに制御することができ
る。したがって、圧力制御が可能な従来のバルブ装置を
用いて圧力制御系を構成する場合に較べて、圧力制御系
全体の単純化およびコンパクト化を実現できる。
【0036】なお、圧力室21,22内は同一位相で同
一パターンに圧力制御される。したがって、図6に示す
ように軸心線を中心にして流体通路42とは対称的な位
置に流体通路43を設けることによって、流量を減少さ
せることなくバルブ装置を一層コンパクトにできる。ま
た、流体通路42を共通に圧力室21,22に接続する
ようにしても同様な効果を得ることができる。また、実
施例のように、ロータ32の中心軸を境にして両側に同
じ形状の溝と流体通路とを対称的に配置した構成である
と、圧力によってロータ32に加わるラジアル荷重をキ
ャンセルすることができるので、ロータ32を滑らかに
回転させることができる。図11には本発明の第2の実
施例に係るバルブ装置1aを用いて4足歩行ロボット
0を駆動している例が示されている。
【0037】4足歩行ロボット80は、図8乃至図10
に示したものと同様に構成された4個の流体圧駆動アク
チュエータ2a,2b,2c,2dを脚部として基板8
1に図示の如く取付けた構造となっている。
【0038】バルブ装置1aは、流体圧駆動アクチュエ
ータ2a,2cを同位相に、流体圧駆動アクチュエータ
2b,2dを同位相に,かつこれらの間に1/2の位相
差を持たせて動作させ、トロット歩容に基づく歩行パタ
ーンで4足歩行ロボット80を図中実線太矢印82で示
す方向へ歩行させる。
【0039】この歩行を実現するために、バルブ装置1
aは図11乃至図13に示すように構成されている。な
お、これらの図では図1乃至図10と同一要素部分が同
一符号で示されている。したがって、重複する部分の詳
しい説明は省略する。
【0040】流体通路37の設けられている位置より所
定だけ軸方向にずれた位置には、図12に示すように、
ステータ31の周壁を貫通させ、かつ一方の開口端9
1,92,93,94をそれぞれロータ32の外周面に
対向させた4つの流体通路95,96,97,98が周
方向に等間隔に設けられている。そして、ロータ32の
外周面で開口端91,92,93,94に対向する部分
には4つの円弧溝99,100,101,102が周方
向に等間隔に設けられている。これら円弧溝のうち軸心
線を挟んで対向する円弧溝99,101はそれぞれ流体
排出路45,46に通じている。また残りの対向する円
弧溝100,102は通路62に通じている。
【0041】一方、流体通路95,96,97,98の
設けられている位置より軸方向へ所定だけずれた位置お
よびこの位置より軸方向へ所定だけずれた位置には、図
13に示すように、ステータ31の周壁を貫通させ、か
つ一方の開口端103,104,105,106(10
7,108,109,110)をそれぞれロータ32の
外周面に対向させた4つの流体通路111,112,1
13,114(115,116,117,118)が周
方向に等間隔に設けられている。そして、ロータ32の
外周面で開口端103,104,105,106(10
7,108,109,110)に対向する部分にはそれ
ぞれ4つの円弧溝119,120,121,122(1
23,124,125,126)が周方向に等間隔に、
かつ前述した円弧溝99,100,101,102に対
して周方向に1/2、すなわち90度の位相差を持たせ
て設けられている。これら円弧溝119,120,12
1,122(123,124,125,126)のうち
軸心線を挟んで対向する円弧溝119,121(12
3,125)はそれぞれ流体排出路45,46に通じて
いる。また残りの対向する円弧溝120,122(12
4,126)は通路62に通じている。
【0042】このように構成されたバルブ装置1aは、
流体通路37がチューブ73を介して図示しない高圧流
体供給源に接続され、流体通路95がチューブ14aを
介して流体圧駆動アクチュエータ2aの圧力室20aに
接続され、以下同様に流体通路96が圧力室20bに、
流体通路97が圧力室20cに、流体通路98が圧力室
20dに、流体通路111,115が圧力室21a,2
2aに、流体通路112,116が圧力室21b,22
bに、流体通路113,117が圧力室21c,22c
に、流体通路114,118が圧力室21d,22dに
それぞれ接続されて使用に供される。
【0043】このような構成であると、モータ34を付
勢し、ロータ32を右回転(図12乃至図13では左回
転)させると、たとえば流体圧駆動アクチュエータ2a
については円弧溝100(102)が流体通路95に通
じている期間に立脚相が実現され、円弧溝120,12
4(122,126)が流体通路111,115に通じ
て中間点を通過した時点から非通状態になるまでの期
間に遊脚相が実現されることになる。そして、流体圧駆
動アクチュエータ2a,2cが同位相に、流体圧駆動ア
クチュエータ2b,2dが同位相に,かつこれらは1/
2の位相差を持って動作することになる。したがって、
トロット歩容に基づく歩行パターンで4足歩行ロボット
80を図中実線太矢印82で示す方向へ歩行させること
ができる。 このように、この実施例に係るバルブ装置
1aにおいても前記実施例と同様に極めて簡単な構成で
複数の流体圧駆動アクチュエータの圧力を所望パターン
に制御することができる。
【0044】なお、この実施例に場合、立脚相と遊脚相
とが丁度対称の動きとなっているので、モータ34の回
転方向を逆転することで、逆方向への移動、すなわち後
進移動を行わせることができる。また、圧力室20aと
20c、圧力室20bと20d、圧力室21aと22a
と21cと22c、圧力室21bと22bと21dと2
2dの圧力パターンはそれぞれ同一であり、円弧溝に位
相差が存在しているだけなので、同一圧力パターンの圧
力室を共通に接続すれば制御用の流体通路の数を4個に
減らすこともできる。
【0045】図14には本発明の第3の実施例に係るバ
ルブ装置1bを用いて6足歩行ロボット140を駆動し
ている例が示されている。
【0046】6足歩行ロボット140は、図8乃至図1
0に示したものと同様に構成された6個の流体圧駆動ア
クチュエータ2a,2b,2c,2d,2e,2fを脚
部として基板141に図示の如く取付けた構造となって
いる。
【0047】バルブ装置1bは、6個の流体圧駆動アク
チュエータを、流体圧駆動アクチュエータ2a,2c,
2eの組と流体圧駆動アクチュエータ2b,2d,2f
の組とに分けて動作させる、3脚歩容と呼ばれる6足歩
行の最も基本的な歩容パターンを採用して6足歩行ロボ
ット140を図中実線太矢印142で示すように前後方
向に歩行させる。
【0048】図14に示す構成の6足歩行ロボット14
0に3脚歩容を行わせるときには、圧力室20a,20
c,20eの圧力パターンを同一で同位相に、圧力室2
0b,20d,20fの圧力パターンを同一で同位相
に、圧力室21a,22a,21c,22c,21e,
22eの圧力パターンを同一で同位相に、圧力室21
b,22b,21d,22d,21f,22fの圧力パ
ターンを同一で同位相にする必要がある。
【0049】また、一例として6足歩行ロボット140
を図中実線太矢印142の前方、すなわち図中右上方に
向けて移動させるように、たとえば流体圧駆動アクチュ
エータ2a(2c,2e)を動作させる場合には、図1
6に示すように、圧力室21a,22aを図中143で
示す圧力パターンに、圧力室20aを図中144で示す
圧力パターン設定するとよい。この結果、図16中の
GからHの間に脚を蹴る行程である立脚相、HからI
の間に脚を浮かせて前に戻す行程である遊脚相が実現す
る。また、圧力室21a,22a,21c,22c,2
1e,22eと圧力室21b,22b,21d,22
d,21f,22fおよび圧力室20a,20c,20
eと圧力室20b,20d,20fの圧力パターンの位
相差を1/2に、圧力室21a,22a,21c,22
c,21e,22eと圧力室20a,20c,20eお
よび圧力室21b,22b,21d,22d,21f,
22fと圧力室20b,20d,20fの圧力パターン
の位相差を1/4に設定するとよい。 すなわち、圧力室
21a,22a,21c,22c,21e,22eに図
16の143で示す圧力パターンを与える場合を例にと
ると、圧力室20a、20c、20eには同図中の圧力
パターン144を、圧力室21b,22b,21d,2
2d,21f,22fには同図中の圧力パターン14
3′を、圧力室20b,20d,20fには同図中の圧
力パターン144′を与えるとよい。このような圧力パ
ターンの生成を実現するために、バルブ装置1bは図1
4および図15に示すように構成されている。なお、こ
れらの図では図1乃至図10と同一要素部分が同一符号
で示されている。したがって、重複する部分の詳しい説
明は省略する。
【0050】流体通路37の設けられている位置より所
定だけ軸方向にずれた位置には、図15に示すように、
ステータ31の周壁を貫通させ、かつ一方の開口端15
1、152、153、154をそれぞれロータ32の外
周面に対向させた4つの流体通路155、156、15
7、158が周方向に1/4の位相差を持つように45
度の間隔をあけて設けられている。そして、ロータ32
の外周面で開口端151、152、153、154に対
向する部分には、これらの開口端より周方向の幅が所定
だけ広い4つの溝159,160,161,162が周
方向に等間隔に設けられている。これら溝のうち軸心線
を挟んで対向する溝159,161はそれぞれ流体排出
路45,46に通じている。また残りの対向する溝16
0,162は通路62に通じている。
【0051】このように構成されたバルブ装置1bは、
流体通路37がチューブ73を介して図示しない高圧流
体供給源に接続され、流体通路156がチューブ14a
を介して圧力室20a,20c,20eに接続され、以
下同様に流体通路158が圧力室20b,20d,20
fに、流体通路155が圧力室21b,22b,21
d,22d,21f,22fに、流体通路157が圧力
室21a,22a,21c,22c,21e,22eに
それぞれ接続されて使用に供される。
【0052】このような構成であると、モータ34を付
勢し、ロータ32を右回転(図15では左回転)させる
と、溝159の進行方向終端から溝160の進行方向終
端が開口端151を通過する期間および溝161の進行
方向終端から溝162の進行方向終端が開口端151を
通過する期間が立脚相、溝160の進行方向終端から溝
161の進行方向終端が開口端151を通過する期間お
よび溝162の進行方向終端から溝159の進行方向終
端が開口端151を通過する期間が遊脚相となるパター
ンで6個の流体圧駆動アクチュエータ2a,2b,2
c,2d,2e,2fを動作させることができ、6足歩
行ロボット140に前進移動、すなわち図14中の実線
太矢印142で示される図中右上方への移動を行わせる
ことができる。なお、この実施例に場合においても、立
脚相と遊脚相とが丁度対称の動きとなっているので、モ
ータ34の回転方向を逆転することで、後進移動、すな
わち図14中の実線太矢印142で示される図中左下方
への移動を行わせることができる。
【0053】このように、この実施例に係るバルブ装置
1bにおいても前記実施例と同様に極めて簡単な構成で
複数の流体圧駆動アクチュエータの圧力を所望パターン
に制御することができる。
【0054】図17には本発明の第4の実施例に係るバ
ルブ装置1cを用いて6足歩行ロボット170を駆動し
ている例が示されている。
【0055】6足歩行ロボット170は、図14に示し
た例とは異なり、図8乃至図10に示したものと同様に
構成された6個の流体圧駆動アクチュエータ2a,2
b,2c,2d,2e,2fで脚部を構成し、これらを
基板171の両側部から斜め下方に向けて延びるように
図示の如く取付けた構造となっている。
【0056】バルブ装置1cは、6個の流体圧駆動アク
チュエータを、流体圧駆動アクチュエータ2a,2c,
2eの組と流体圧駆動アクチュエータ2b,2d,2f
の組とに分けて動作させる、3脚歩容パターンを採用し
て6足歩行ロボット170を図中実線太矢印172で示
すように前後方向に歩行させる。この歩行は、各流体圧
駆動アクチュエータを2a,2c,2e,2b,2d,
2fの先端部を図中実線矢印173で示すように軸回り
に公転運動させることによって行わせる。
【0057】この例において、6足歩行ロボット170
に3脚歩容を行わせるには、圧力室20a,20c,2
0eの圧力パターンを同一で同位相に、圧力室20b,
20d,20fの圧力パターンを同一で同位相に、圧力
室21a,21c,21eの圧力パターンを同一で同位
相に、圧力室22a,22c,22eの圧力パターンを
同一で同位相に、圧力室21b,21d,21fの圧力
パターンを同一で同位相に、圧力室22b,22d,2
2fの圧力パターンを同一で同位相にする必要がある。
【0058】また、公転運動をさせるには、たとえば流
体圧駆動アクチュエータ2aを例にとると、一般的には
図20の(a) に示すように、圧力室20aを図中174
で示す圧力パターンに、圧力室21aを図中175で示
す圧力パターンに、圧力室22aを図中176で示す圧
力パターンに設定するとよい。実際には、このような矩
形のパターンにする必要はなく、図20の(b) に′を付
けて示す圧力パターンに設定することによって公転運動
を行わせることができる。このような圧力パターンの設
定によって、図20(b) 中、からの間に脚を蹴る行
程である立脚相が実現され、からの間に脚を浮かせ
て前に戻す遊脚相が実現される。
【0059】また、一例として、圧力室20a,20
c,20eの圧力パターンと圧力室20b,20d,2
0fの圧力パターンの間、圧力室21a,21c,21
eの圧力パターンと圧力室21b,21d,21fの圧
力パターンとの間、圧力室22a,22c,22eの圧
力パターンと圧力室22b,22d,22fの圧力パタ
ーンとの間にそれぞれ1/2の位相差を設ける。さら
に、圧力室20a,20c,20eの圧力パターンと圧
力室21a,21c,21eの圧力パターンおよび圧力
室22a,22c,22eの圧力パターンとの間、圧力
室20b,20d,20fの圧力パターンと圧力室21
b,21d,21fの圧力パターンおよび圧力室22
b,22d,22fの圧力パターンとの間にそれぞれ1
/3の位相差を設ける。このような圧力パターンの生成
を実現するために、バルブ装置1cは図17乃至図19
に示すように構成されている。なお、これらの図では図
1乃至図10と同一要素部分が同一符号で示されてい
る。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略す
る。
【0060】このバルブ装置1cではロータ32を回転
させる駆動源として空気モータ180を用いている。
【0061】一方、流体通路37の設けられている位置
より所定だけ軸方向にずれた位置には、図18および図
19に示すように、ステータ31の周壁を貫通させ、か
つ一方の開口端181、182、183、184,18
5,186をそれぞれロータ32の外周面に対向させた
6つの流体通路187,188,189,190,19
1,192が設けられている。ここで、開口端181の
設けられている位置を基準にすると、開口端182は開
口端181より図19中、時計回り方向に60度ずれた
位置に設けてあり、開口端183は開口端182より時
計回り方向に60度ずれた位置に設けてあり、開口端1
84は開口端183より時計回り方向に30度ずれた位
置に設けてある。また、開口端186は開口端181よ
り反時計回り方向に90度ずれた位置に設けてあり、開
口端185は開口端186より反時計回り方向に60度
ずれた位置に設けてある。ロータ32の外周面で、開口
端181、182、183、184,185,186に
対向する部分には、これらの開口端より周方向の幅が所
定だけ広い4つの溝193,194,195,196が
周方向に等間隔に設けられている。これら溝のうち軸心
線を挟んで対向する溝193,195はそれぞれ流体排
出路45,46に通じている。また残りの対向する溝1
94,196は通路62に通じている。
【0062】このように構成されたバルブ装置1cは、
流体通路37がチューブ73を介して図示しない高圧流
体供給源に接続され、流体通路187がチューブ14a
を介して圧力室20a,20c,20eに接続され、以
下同様に流体通路188が圧力室22a,22c,22
eに、流体通路189が圧力室21a,21c,21e
に、流体通路190が圧力室22b,22d,22f
に、流体通路191が圧力室21b,21d,21f
に、流体通路192が圧力室20b,20d,20fに
それぞれ接続されて使用に供される。
【0063】このような構成であると、空気モータ18
0を付勢し、ロータ32を右回転(図19では左回転)
させると、おおよそロータ32の外面で溝194を中心
とする90度範囲および溝196を中心とする90度範
囲に開口端181が対向したときに立脚相が実現され、
また溝193を中心とする90度範囲および溝195
中心とする90度範囲に開口端181が対向したときに
遊脚相が実現されるパターンで6個の流体圧駆動アクチ
ュエータ2a,2b,2c,2d,2e,2fに軸回り
の公転運動を行わせることができ、これによって6足歩
行ロボット170に前進移動、すなわち図17中の実線
太矢印172で示される図中右上方への移動を行わせる
ことができる。なお、立脚相と遊脚相とが丁度対称の動
きとなっているので、空気モータ180の回転方向を逆
転することで後進移動、すなわち図17中の実線太矢印
172で示される図中左下方への移動も行わせることが
できる。
【0064】このように、この実施例に係るバルブ装置
1cにおいても前記実施例と同様に極めて簡単な構成で
複数の流体圧駆動アクチュエータの圧力を所望パターン
に制御することができる。
【0065】また、この実施例ではロータ32を回転さ
せるための駆動源として空気モータ180を用いてい
る。空気モータ180の使用によって、このバルブ装置
1cの駆動源は空気となり、流体圧駆動アクチュエータ
を制御する流体にも空気を用いれば、電気を全く必要と
せずに高圧空気だけで流体圧駆動アクチュエータを制御
可能なシステムを構築できる。図ではバルブ装置1cが
6足歩行ロボット170と同程度の大きさに描かれてい
るが、実際にはバルブ装置1cを6足歩行ロボット17
0よりはるかに小さく構成でき、6足歩行ロボット17
0にバルブ装置1cを搭載することができる。しかも
空気モータ180の使用によって電気ケーブルを引き回
す必要がなく、空気源からの配管チューブ1本のみを引
き回せばよいので、全体をコンパクトにできると同時に
単純化できる。さらに、小型の圧力源をバルブ装置1c
と一緒に6足歩行ロボット170に搭載することによっ
てロボットの自立化に寄与できる。
【0066】なお、図17に示した実施例において、製
作のし易さやロータの安定性を考慮して6個の流体通路
を図19に示す位置に設けているが、流体通路187,
188,189190,191,192はそれぞれ
80度反対側に設けてもよい。
【0067】図21には本発明の第5の実施例に係るバ
ルブ装置1dが示されており、図22には図21におけ
るJ−J線切断断面図が示されている。これらの図で
は、図1乃至図10と同一要素部分が同一符号で示され
ている。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略
する。
【0068】このバルブ装置1dは、アナログのサーボ
弁としての機能を発揮できるように構成されている。
【0069】すなわち、このバルブ装置1dにはロータ
32の回転駆動に供される直流のモータ34の回転角を
検出するためのエンコーダ200が装着されている。
【0070】一方、流体通路37の設けられている位置
より所定だけ軸方向にずれた位置には、図22に示すよ
うに、ステータ31の周壁を貫通させ、かつ一方の開口
端201をロータ32の外周面に対向させた流体通路2
02が設けられている。また、ロータ32の外周面で、
開口端201に対向する部分には、常に流体通路202
に通じる環状溝203が形成されている。環状溝203
の底壁には4つの溝204,205,206,207が
周方向に等間隔に設けられている。これらの溝のうち軸
心線を挟んで対向する溝204,206はそれぞれ流体
排出路45,46に通じている。また残りの対向する溝
205,207は通路62に通じている。
【0071】このように構成されたバルブ装置1dは、
流体通路37が図示しない高圧流体供給源に接続され、
流体通路202が図示しない制御対象である流体圧駆動
アクチュエータに接続される。そして、エンコーダ20
0の出力端は図示しない回転角制御器に接続される。こ
の回転角制御器は、エンコーダ200の出力信号を流体
圧駆動アクチュエータの供給圧信号として導入し、目標
圧信号と供給圧信号との偏差を零にするようにモータ3
4の回転角を制御するように構成されている。
【0072】このように構成されたバルブ装置1dは次
のように動作する。
【0073】今、高圧流体供給源の供給圧が一定である
とする。高圧流体供給源から供給された流体は、流体通
路37,環状溝61,通路62,溝205,207を通
って環状溝203へと流れる。環状溝203に流れ込ん
だ流体は溝204,206を介して流体排出路45,4
6へと流れる。したがって、環状溝203内の圧力は、
溝205,207の部分では高圧流体供給源の供給圧レ
ベルに、溝204,206の部分では大気圧レベルに、
これらの中間位置では高圧流体供給源の供給圧レベルの
1/2のレベルに保たれる。
【0074】このため、流体圧駆動アクチュエータの圧
力は、ロータ32が丁度、図22に示す位置にあるとき
には大気圧レベルに、ロータ32が図22に示す位置よ
り45度回転した位置にあるときには高圧流体供給源の
供給圧レベルの1/2のレベルに、またロータ32が図
22に示す位置より90度回転した位置にあるときには
高圧流体供給源の供給圧レベルに制御されることにな
る。
【0075】このように、ロータ32の回転角に対応さ
せて流体圧駆動アクチュエータの圧力を大気圧から高圧
流体供給源の供給圧レベルまでの範囲内で自由に可変で
きる。この可変制御を実行するにはロータ32の位置を
知る必要があり、そのためにエンコーダ200が設けら
れているのである。したがって、エンコーダ200でモ
ータ43の回転角を検出し、この回転角度を制御すれ
ば、このバルブ装置1dをアナログのサーボ弁として使
用することができる。
【0076】なお、この場合、ロータ32の回転範囲を
360度フルにとる必要はない。要は、圧力勾配を持っ
た流路と開口端201との接続位置を可変できる構成で
あればよい。したがって、モータ34に代えてある一定
の角度範囲を揺動するタイプのアクチュエータを用いて
もよい。
【0077】また、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。すなわち、各実施例では流体排出路
をロータ側に設けているが、ステータ側に設け、必要な
期間にこれに接続される連絡通路をロータ側に設けるよ
うにしてもよい。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、計算機
などの複雑な電気的制御系を必要としない簡単、かつコ
ンパクトな構成で、圧力室を複数備えた脚部として機能
する流体圧駆動アクチュエータの各圧力室の流体圧を制
御することが可能な多足歩行ロボットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係バルブ装置で1つ
の流体圧駆動アクチュエータを制御している例を示す斜
視図
【図2】同バルブ装置の縦断面図
【図3】同バルブ装置を図2におけるA−A線に沿って
切断し矢印方向に見た図
【図4】同バルブ装置を図2におけるB−B線に沿って
切断し矢印方向に見た図
【図5】同バルブ装置を図2におけるC−C線に沿って
切断し矢印方向に見た図
【図6】図5に示される部分の変形例を示す断面図
【図7】同バルブ装置によって制御される流体圧駆動ア
クチェータに歩行サイクルを行わせる場合の動作パター
ンを示す図
【図8】同流体圧駆動アクチェータだけを取出して示す
斜視図
【図9】同流体圧駆動アクチェータの分解斜視図
【図10】同流体圧駆動アクチェータを図8におけるK
−K線に沿って切断し矢印方向に見た図
【図11】本発明の第2の実施例に係るバルブ装置で4
足歩行ロボットを制御している例の斜視図
【図12】同バルブ装置を図11におけるE−E線に沿
って切断し矢印方向に見た図
【図13】同バルブ装置を図11におけるF−F線に沿
って切断し矢印方向に見た図
【図14】本発明の第3の実施例に係るバルブ装置で6
足歩行ロボットを制御している例を示す斜視図
【図15】同バルブ装置を図14におけるG−G線に沿
って切断し矢印方向に見た図
【図16】同6足歩行ロボットに歩行動作を行わせる場
合の各圧力室の内圧パターンを示す図
【図17】本発明の第4の実施例に係るバルブ装置で6
足歩行ロボットを制御している例を示す斜視図
【図18】同バルブ装置を局部的に切欠して示す側面図
【図19】同バルブ装置を図18におけるH−H線に沿
って切断し矢印方向に見た図
【図20】同6足歩行ロボットに歩行動作を行わせる場
合の各圧力室の内圧パターンを示す図
【図21】本発明の第5の実施例に係るバルブ装置を局
部的に切欠して示す側面図
【図22】同バルブ装置を図21におけるJ−J線に沿
って切断し矢印方向に見た図
【符号の説明】
1〜1d…バルブ装置 2,2a〜2f…流体圧駆動アクチュエータ 11…筒状弾性体 14a,14b,14c…チューブ 20,21,22,20a〜20f,21a〜21f,
22a〜22f…圧力室 31…ステータ 32…ロータ 34…モータ 37,41〜43,95〜98,111〜114,11
5〜118,155〜158,187〜192,202
…流体通路 44,47〜52…連絡通路 45,46…流体排出路 61…環状溝 62…通路 80…4足歩行ロボット 140,170…6足歩行ロボット 180…空気モータ 200…エンコーダ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−58278(JP,A) 特開 平4−122587(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 B25J 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に延設された隔壁によって内部が3
    つの圧力室に分離された筒状弾性体と、該筒状弾性体に
    一端が接続され、該3つの圧力室に外部から作動流体を
    送り込むための3本のチューブとを有する複数の流体圧
    駆動アクチュエータと、前記アクチュエータの前記各チ
    ューブの他端に接続されたバルブ装置とを備え、前記ア
    クチュエータを脚部とする多足歩行ロボットにおいて、 前記バルブ装置は、 ステータと、このステータに対して
    嵌合状態に、かつ回転自在に設けられたロータと、この
    ロータを回転させる手段と、一方の開口端を前記ロータ
    に対向させて前記ステータに設けられるとともに他方の
    開口端が流体供給源に接続される第1の流体通路と、一
    方の開口端を前記ロータに対向させて前記ステータに設
    けられるとともに他方の開口端が前記チューブの他端に
    それぞれ接続される3本の第2の流体通路と、前記ステ
    ータまたは前記ロータに設けられて大気圧雰囲気に通じ
    た流体排出路と、前記ロータに設けられ、上記ロータの
    回転角に応じて前記第2の流体通路を前記第1の流体通
    路と前記流体排出路とに切換接続する連絡通路とを有す
    ることを特徴とする多足歩行ロボット
  2. 【請求項2】軸方向に延設された隔壁によって内部が3
    つの圧力室に分離された筒状弾性体と、該筒状弾性体に
    一端が接続され、該3つの圧力室に外部から作動流体を
    送り込むための3本のチューブとを有する複数の流体圧
    駆動アクチュエータと、前記アクチュエータの前記各チ
    ューブの他端に接続されたバルブ装置とを備え、前記ア
    クチュエータを脚部とする多足歩行ロボットにおいて、 前記バルブ装置は、 ステータと、このステータと嵌合状
    態に、かつ回転自在に設けられたロータと、このロータ
    を駆動する手段と、一方の開口端を前記ロータに対向さ
    せて前記ステータに設けられるとともに他方の開口端が
    流体供給源に接続される第1の流体通路と、一方の開口
    端を前記ロータに対向させて前記ステータに設けられる
    とともに他方の開口端が前記チューブの他端にそれぞれ
    接続される3本の第2の流体通路と、前記ステータまた
    は前記ロータに設けられて大気圧雰囲気に通じた流体排
    出路と、前記ロータに設けられ、常時前記第1の流体通
    路と前記流体排出路とを通じさせる圧力勾配を持った流
    路を構成するとともに上記ロータの回転角に応じて前記
    第2の流体通路の上記流路への接続位置を可変する連絡
    通路とを有することを特徴とする多足歩行ロボット
  3. 【請求項3】前記第2の流体通路は前記一方の開口端
    が前記ロータの軸心線を中心とする対称的な位置に配置
    された少なくとも一対の流体通路を含み、前記連絡通路
    、前記一対の流体通路に対応させて前記ロータの軸心
    線を中心とする対称的な位置に配置された流体通路を含
    んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の
    足歩行ロボット
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