JP3269317B2 - 糸の巻取方法 - Google Patents

糸の巻取方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワインド数一定の巻取
とトラバースジャンプを組み合わせて所定綾角内で糸を
巻き取り、さらに糸の巻き形状改善のため綾角を大きく
変化させる糸の巻取方法において、その際の巻取テンシ
ョンの変化を防止できる糸の巻取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】糸を高速でボビンホルダに巻き取る過程
においては、糸の綾角を所定内とする巻取方法が採用さ
れる。この綾角所定内の巻取方法では、ワインド数(糸
が巻き幅を進む間のボビンの回転数)がある値(代表値
として整数がある)になると、巻かれる糸が同じ場所を
通って重なるリボンが発生する。このリボンは、タッチ
ローラの振動を誘発したり、糸の解舒時に重なった糸が
塊となって抜け出すという不具合を生じさせる。
【0003】そこで、出願人は、リボンを回避したワイ
ンド数一定の巻取とトラバースジャンプを組み合わせて
所定綾角内で糸を巻き取る方法(以下トラバースコント
ロール方式という)を提案している(特公平5−663
07号公報参照)。この糸の巻取方法によれば、ワイン
ド数一定の巻取時にはリボンが発生せず、綾角が小さく
なりすぎるとトラバースジャンプするので、トラバース
ジャンプして新たなワインド数とする時のみリボン発生
を回避すればよい。そして、リボン発生の条件は、あら
ゆる巻取について理論的に解明され、ワインド数の小数
部分を比較するだけで実用上問題にならないところまで
の全てのリボン発生の回避ができるようになっている。
そして、さらに前記所定綾角内としての通常綾角と最低
綾角を、巻き始めと巻き終わりで略等しく、中程で大き
くなるように設定すると、パッケージの中程で糸が膨出
するいわゆるバルジ現象を解消することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしがら、上述のよ
うに、バルジ現象を解消するように所定綾角を設定する
ためには、綾角を大きく変化させる必要があり、このよ
うに綾角を大きく変化させると、それに伴い巻取テンシ
ョンも大きく変化するため、実際に選択できる条件幅が
制限され、上記トラバースコントロール方式の効果を有
効に発揮できないという問題点があった。
【0005】すなわち、図6に示すように、糸の巻取速
度(タッチローラ周速)をvw(m/min)、綾角を
WA(°)とすると、実際の糸速度V(m/min)
は、トラバース速度vt(m/min)と巻取速度vw
とのベクトル合成速度となり、 V=vw/cos WA となる。この場合、上記トラバースコントロール方式で
は図示するようにトラバース速度を変化させて綾角を変
化させている。従って、綾角をWAからWA′まで変化
させると、糸速度の変化ΔVは、 ΔV=((1/cos WA′)−(1/cos WA))×v となる。下表に延伸後の糸であるPOY(Partia
l Priented Yarn)150d(POY
de 220〜230d)、3000m/minの条件
で綾角が5°から8°まで変化する場合を例に糸速度変
化と予想されるテンション変化を示す。
【0006】
【数1】 表によれば、通常GR有りでPOYの場合、1m/mi
nの糸速度変化により、0.005gr/de程のテン
ション変化となる。綾角3°の増加(5°→8°)で巻
取テンションは18gr増加してしまい、通常の適正テ
ンション(15〜20gr)の約2倍のテンションとな
り、糸の物性変化、糸寄り、バルジ巻等の不具合の発生
が予想される。さらにFDY(Full Draw Y
arn)においては、糸速度変化のテンション変化に対
する影響は大きいので、より重要な問題となる。
【0007】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、トラバースコントロール方式において、綾角を
大きく変化させても巻取テンションを相殺できる糸の巻
取方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明における糸の巻取方法は、ワインド数一定の
巻取とトラバースジャンプを組み合わせて所定綾角内で
糸を巻き取り、前記所定綾角を巻径の増大に伴って変化
させる糸の巻取方法において、前記綾角が、巻取速度と
これと直角方向のトラバース方向のトラバース速度との
合成ベクトル速度である糸速度と、前記巻取速度とのな
す角度であり、前記トラバース速度の変化による前記綾
角の変化に伴い前記糸速度の大きさが変化しないよう
に、前記巻取速度の大きさを前記綾角の変化に追従させ
るものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【作用】上記構成によれば、糸の巻取速度を変化させて
綾角変化による巻取テンションの変化を相殺する。従っ
て、綾角を大きく変化させることができる。
【0012】また、巻取テンションは糸速度に比例して
増減するので、巻取テンションを一定に維持するには糸
速度を一定に維持する必要がある。また、糸の速度は、
巻取速度とトラバース速度とのベクトル合成速度であ
る。そこで、綾角が増加又は減少すると、糸の巻取速度
を減少又は増加させるものとすると、綾角を増加させる
にはトラバース速度を増加させるので、巻取速度を減少
させることにより糸速度を一定に維持することができ
る。逆に綾角を減少させるにはトラバース速度を減少さ
せるので、巻取速度を増加させることにより糸速度を一
定に維持することができる。
【0013】
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。図1は本発明方法を適用した糸の巻取装
置の全体構成を示すブロック図、図2は巻取速度及びト
ラバース速度の決定方法を示すベクトル図、図3は本発
明の巻取方法を示すグラフ図、図4は巻取スタートの手
順を示すフローチャート図、図5はトラバースジャンプ
の手順を示すフローチャート図である。
【0015】図1において、ボビンホルダ1にはボビン
2が装着されている。このボビン2はボビンホルダ1と
一体となって回転し、ボビン2上に糸を巻き取ってい
く。ボビン2の外周上には、タッチローラ3が所定の面
圧で当接しながら回転している。タッチローラ3の反対
側にはトラバースカム4が配置されており、このトラバ
ースカム4の回転によってトラバースガイド5が往復動
して、糸を綾振りさせる。ボビンホルダ1は、スピンド
ルモータ7に連結されており、インバータ8の出力に応
じたスピンドルモータ7の回転によって駆動される。タ
ッチローラ3の軸端には、タッチローラ3の回転数を検
出するパルス発生器9が設けられている。このタッチロ
ーラ3の回転数は、コントロールボックス10にフィー
ドバックされて、糸速度に応じたスピンドルモータ7の
回転となるよう制御されている。このボビンホルダ1の
回転数とトラバースカム4の回転数を制御することによ
って、糸速度を一定に維持しつつ所定綾角内の巻取を行
う。トラバースカム4の軸端には、トラバースカム4の
回転数を検出するパルス発生器11が、ボビンホルダ1
の軸端には、ボビンホルダ1の回転数を検出するパルス
発生器12が設けられている。これらのトラバースカム
4の回転数とボビンホルダ1の回転数は、ホストコンピ
ュータ13の入力ポートP1 にトラバースカム回転信号
1 及びボビンホルダ回転信号f2 として入力される。
ホストコンピュータ13の出力ポートP3 からインバー
タ15(トラバースカム4を駆動するインダクションモ
ータ14の周波数を制御する)へトラバースカム回転指
令信号f3 が出力されている。ホストコンピュータ13
は、トラバースカム回転信号f1 、ボビンホルダ回転信
号f2 及び記憶されているデータに基づいて所定のプロ
グラムに従って処理を行い、トラバースカム回転指令信
号f3 を出力するようになっている。また、ホストコン
ピュータ13の入力ポートP2 には必要な入力データが
キーボード等によって入力される。なお、糸速度に応じ
た巻取速度を制御するコントールボックス10とホスト
コンピュータ13は別機器とせず、全てホストコンピュ
ータ13で処理することもできる。さらに、ボビンホル
ダ1を駆動するスピンドルモータ7によって正確に巻取
速度を制御するスピンドルドライブタイプの巻取装置に
限らず、フリクションローラが正確に一定巻取速度を維
持するフリクションドライブタイプの巻取装置であって
もよい。
【0016】次に、図2により、糸速度を一定に維持す
る方法を説明する。図2において、糸速度Vは、巻き取
られる糸の太さが変化しないように、前段の例えばゴデ
ットローラー等から送出される糸の速度に対応して設定
される。そして、従来の技術でも説明したように、糸速
度Vは、巻取速度vwとトラバース速度vtとのベクト
ル合成速度であり、 vw=Vcos WA、vt=Vsin WA、V2 =vw2 +vt2 ……(1) となる。従って、綾角を例えばWAからWA′に減少さ
せる場合は(方向)、巻取速度をvw=Vcos WAか
らvw′=Vcos WA′に増加させ(方向)、トラバ
ース速度をvt=Vsin WAからvt′=Vsin WA′
へと減少させる(方向)ようにし、逆に綾角を例えば
WA′からWAに増加させる場合は(方向)、巻取速
度をvw′=Vcos WA′からvw=Vcos WAに減少
させ(方向)、トラバース速度をvt′=Vsin W
A′からvt=Vsin WAへと増加させる(方向)よ
うにする。即ち、綾角WAの変化に伴い、糸速度ベクト
ルVが円形の軌跡21を描くように巻取速度vw、トラ
バース速度vtを追従させる。
【0017】次に、リボン発生条件とこれを回避する考
え方を説明する。Dを巻径(ボビンの直径)、2×Sを
ストローク、WAを綾角とすると、糸がボビンを一回転
する間に進む距離はπDtan WAとなる。ストローク2
×Sの間で糸が何回折り返すかを表すワインド数WNを
用いると、 WN=(2×S)/(πDtan WA)……(2) となる。例えば、WN=4の場合、トラバースガイドが
1往復する間にボビンが4回転すること意味している。
このWNが整数値Xになると、リボンが発生するが、一
往復して重なる場合のみならず、二往復、三往復、四往
復、・・・毎に重なる場合もある。このような場合は、
X/1(一往復)、X/2(二往復)、X/3、X/
4、X/5、X/6・・・X/nと無限に存在するが、
n=10までを検討すれば、実用上ぼぼ問題なくなる。
そして、このようなリボンが発生するワインド数WN
(危険ワインド数小数値WNA)は、例えば、X/1で
はワインド数WNの小数部分が .0になり、X/2で
はワインド数WNの小数部分が.5になる。以下同様に
して、X/10までのワインド数WNの小数部分が危険
ワインド数小数値WNAとして全てリストアップされて
いる。そして、ある巻取状態におけるワインド数WNを
演算して、その小数部分に着目して、危険ワインド数小
数値WNAに該当するかどうかを比較して、実用上問題
になる範囲の全てのリボン発生を予測する。
【0018】次に、糸速度Vを一定に維持しつつ、危険
ワインド数小数値WNAを回避したワインド数WNによ
って、ボビンホルダ1及びトラバースカム4をどのよう
に制御するかについて説明する。トラバースカム回転数
Tは、 T=(vw×tan WA)×(CW×2)/(2×S)……(3) ここで、vw:巻取速度、CW:トラバースカムの機械
定数、である。また、ボビンホルダ回転数をBとすると
巻径Dは、 D=vw/π×B……(4) である。そして、式を変形するとボビンホルダ回転数
Bは、 B=vw/π×D……(5) となる。そして、式からvw=(V2 −vt2 1/2
を計算し、式からvt=vw×tan WAを計算して、
各々を式に代入すると、 B=(V×WN)/(2S×(1+(πD/2S)2 WN2 1/2 )…(6) となる。また、式と式からvwを計算し、式から
tan WAを計算し、各々を式に代入すると、 T=(CW×2)/(2S×(1+(πD/2S)2 WN2 1/2 )…(7) となる。従って、巻径Dとワインド数WNが判ると、ボ
ビンホルダ回転数Bとトラバースカム回転数Tが決まる
(図1のコントロールボックス10と、トラバースカム
回転指令信号f3 とトラバースカム回転信号f2 のフィ
ードバック回路で制御できる)。即ち、巻径Dとワイン
ド数WNにより制御可能となるので、ワインド数WNに
着目してリボン発生を回避するようにワインド数を設定
するとともに、設定されたワインド数に対し巻径Dの変
化に対応して綾角を変化させる際に、糸速度Vが一定に
維持されるように、ボビンホルダ回転数Bとトラバース
カム回転数Tを決定すればよい。
【0019】次に、ホストコンピュータ13にプログラ
ムされている巻取方法の具体的な手順について説明す
る。図3は、巻径Dに対し変化する通常綾角WANと最
低綾角WALの間で、ワインド数一定の巻取とトラバー
スジャンブを組み合わせた巻取方法を示すグラフ図であ
る。図3の例では、通常綾角WANと最小綾角WALの
各々を六点で区画し、その間を一次関数で近似させたも
のである。そして、その関数は巻き始めと巻き終わりの
綾角を略等しくし、中程で綾角を大きくしてある。な
お、図では判り易くするため、トラバースジャンプによ
る綾角変化を大きく、巻径Dに対する通常綾角WAN及
び最低綾角WALの綾角変化を小さく誇張してある。実
際の綾角変化は、前者が0・5°程度、後者が3°程度
である。
【0020】まず、スタートに先立って、巻径D0 と通
常綾角WANの交点が危険ワインド数小数値WNAに該
当するかどうかをチェックする。その手順は図4のフロ
ーチャートに示されている。ステップ♯1で、必要な初
期条件を入力する。なお、危険ワインド数小数値WNA
は、変更を要しない初期条件値としてホストコンピュー
タ13に入力され記憶されている。ステップ♯2では、
ステップ♯1で入力された初期条件からワインド数WN
を演算する。演算式は前記式によって行う。ステップ
3では、ワインド数WNの小数部分WN′について、危
険ワインド数WNA小数値内かどうかを判定する。一定
範囲α内であると、ステップ♯4でワインド数WNから
一定値αを引いたものを新たなワインド数WNに置き換
えて、ステップ♯3で再判定し、危険ワインド数小数値
WNA外となるまで繰り返す。ステップ♯5で、危険ワ
インド数小数値WNA外となったワインド数WNから、
最初のトラバースカム回転数T1 及びボビン回転数B1
が演算される。演算式は前記及び式によって行う。
そして、この最初のトラバースカム回転数T1 及びボビ
ン回転数B1 で一定ワインド数WNの巻取が始まる。ス
タートはホストコンピュータ13とコントロールボック
ス10の連動によりおこなわれ、ボビンホルダ1の回転
とトラバースカム4の回転の時間遅れに対しては必要な
PID制御機器を付加してもよい。
【0021】次に、一定ワインド数の巻取を図3のスタ
ート点35からのライン36を例にとり説明する。巻取
がスタートとすると、巻径Dが増加し、これに伴い綾角
WAは減少する。ホストコンピュータ13は引き続き前
記及び式によりトラバースカム回転数T及びボビン
回転数Bを演算してこれらを制御する。これは図2の
方向に相当し、トラバースカム回転数T(vtに対応)
が減少、ボビン回転数B(vwに対応)が増加させられ
て糸速度Vが一定に維持される。
【0022】次に、トラバースジャンプの具体的な手順
を、図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0023】ステップ♯6で、巻取中のボビンホルダ回
転数Bを順次読み込む。ステップ♯7で、この読み込ま
れたボビンホルダ回転数Bからまずその時の綾角WA
n-1 を演算する。この演算式は、式のDに式のDを
代入して求められる下式による。 tan-1WAn-1 =(2×S×B)/(WNn-1 ×vw)……(8) 次に、最低綾角WALを演算する。演算は式による巻
径Dを下式に代入することにより行う。 WAL=f2(D ) ……(9) 次にステップ♯8で、この綾角WAn-1 が最低綾角WA
Lまで小さくなったかどうかを判定する。判定値βは極
く小さい値が選定される。この最低綾角WALに至るま
で、一定ワインド数WAn-1 の巻取が続く。次に、ステ
ップ♯9において、通常綾角が演算される。この通常綾
角の演算は式による巻径Dを下式に代入することによ
り行う。 WAN=f1(D ) ……(10) 次に、最低綾角WALに至ると、次のステップ♯10に
進む。ステップ♯10では、トラバースジャンプした後
の新たなワインド数WNn を演算する。この演算式は、
式のDを式に代入して求められる下式による。 WNn =(2×S×B)/(tan WAN×vw)……(11) ステップ♯11では、ワインド数WNn の小数部分WN
n ′について、危険ワインド数小数値WNA内かどうか
を判定する。一定範囲α内であると、ステップ♯12で
ワインド数WNn から一定値αを引いたものを新たなワ
インド数WNnに置き換えて、ステップ♯11で再判定
し、危険ワインド数小数値WNA外となるまで繰り返
す。このα値としては、例えば、WAN=6.5°、W
AL=6.4°の場合で0.01が選定される。ステッ
プ♯13で、危険ワインド数小数値WNA外となったワ
インド数WNn から、次のトラバースカム回転数Tn
びボビンホルダ回転数Bn が演算される。演算式は前記
、式によって行う。このトラバースジャンプは図2
の方向に相当し、トラバースカム回転数Tが増加、ボ
ビン回転数Bが減少させられて、この際にも糸速度Vが
一定に維持される。
【0024】そして、この次のトラバースカム回転数T
n 及びボビンホルダ回転数Bn で一定ワインド数WNn
の巻取が始まり、ステップ♯14のトラバースジャンプ
が行われる。このトラバースジャンプは、ステップ♯1
5における巻径Dn と最大巻径Dmax の比較判定によっ
て、何回も繰り返される。即ち、ステップ♯16のデー
タ更新を繰り返す。巻径Dn が最大巻径Dmax に至ると
巻取は終了する。図3で、このトラバースジャンプの軌
跡を説明する。一定ワインド数の巻取が進むと、綾角は
徐々に最低綾角WALに近づき、点47で最低綾角WA
Lに至る。この点47から危険ワインド数小数値を回避
した新たなワインド数での巻取点48までジャンプす
る。次に点48から点49に至る新たなワインド数での
一定ワインド数巻取が始まる。この繰り返しによって、
通常綾角WANと最小綾角WAL間でジグザグの軌跡を
描く。トラバースジャンプ後の点(例えば、点48)が
通常綾角WANから少しづづはみででいるのは、危険ワ
インド数小数値WNAを回避するためにずらされてお
り、その程度は均一ではないからである。
【0025】このように、本実施例では、綾角の変化に
伴い糸速度Vを一定に維持するようにボビンホルダ回転
数B、トラバース回転数Tを追従させるので、糸のテン
ション変化が相殺される。このため、綾角WAを例えば
図3の点22から点23まで大きく変化させることがで
きる。これにより、パッケージの中程で糸が膨出する所
謂バルジ現象を解消させることができる。
【0026】なお、図3において、巻径の中程で綾角を
大きくするものに限らず、要求される糸の巻取形状に応
じて、逆のものも採用することできる。また、関数は一
次関数に限らず、一般式による通常綾角WAN=f1(D
)、最低綾角WAL=f2(D)の高次の関数で近似する
こともできる。
【0027】
【発明の効果】本発明の糸の巻取方法は上述のように、
ワインド数一定の巻取とトラバースジャンプを組み合わ
せて所定綾角内で糸を巻き取り、前記所定綾角を巻径の
増大に伴って変化させる糸の巻取方法において、前記綾
角が、巻取速度とこれと直角方向のトラバース方向のト
ラバース速度との合成ベクトル速度である糸速度と、前
記巻取速度とのなす角であり、前記トラバース速度の変
化による前記綾角の変化に伴い前記糸速度の大きさが変
化しないように、前記巻取速度の大きさを前記綾角の変
化に追従させるものであるので、巻径毎の綾角設定を利
用して大きく綾角を変化させても巻取テンションの変化
がない。この結果、バルジ巻を防止することができ、ト
ラバースコントロール方式の効果を最大限に発揮させる
ことが可能となる。
【0028】
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用した糸の巻取装置の全体構成
を示すブロック図である。
【図2】巻取速度及びトラバース速度の決定方法を示す
ベクトル図である。
【図3】本発明の巻取方法を示すグラフ図である。
【図4】巻取スタートの手順を示すフローチャート図で
ある。
【図5】トラバースジャンプの手順を示すフローチャー
ト図である。
【図6】糸速度と巻取速度及びトラバース速度との関係
示すベクトル図である。
【符号の説明】
B ボビンホルダ回転数(巻取速度に相当) D 巻径 T トラバースカム回転数(トラバース速度に相当) V 糸速度 vw 巻取速度 vt トラバース速度 WN ワインド数 WA 綾角

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワインド数一定の巻取とトラバースジャ
    ンプを組み合わせて所定綾角内で糸を巻き取り、前記所
    定綾角を巻径の増大に伴って変化させる糸の巻取方法に
    おいて、前記綾角が、巻取速度とこれと直角方向のトラ
    バース方向のトラバース速度との合成ベクトル速度であ
    る糸速度と、前記巻取速度とのなす角度であり、前記ト
    ラバース速度の変化による前記綾角の変化に伴い前記糸
    速度の大きさが変化しないように、前記巻取速度の大き
    さを前記綾角の変化に追従させることを特徴とする糸の
    巻取方法。
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