JP3268490B2 - 空気調和機のキャビネットの製造方法 - Google Patents

空気調和機のキャビネットの製造方法

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JP3268490B2 JP24540497A JP24540497A JP3268490B2 JP 3268490 B2 JP3268490 B2 JP 3268490B2 JP 24540497 A JP24540497 A JP 24540497A JP 24540497 A JP24540497 A JP 24540497A JP 3268490 B2 JP3268490 B2 JP 3268490B2
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金悟 森山
克之 山崎
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良樹 畑
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  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、吐出空気に
よる結露を防止するのに好適な空気調和機のキャビネッ
トの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、天井埋込型の空気調和機にお
いては、天井内に空気調和機の本体を据え付けるため、
通常、火災防止などの目的から金属製のケースが用いら
れ、このケースの結露を防止するため、その表面を断熱
材で覆いキャビネットを構成している。
【0003】このようなキャビネットを備えた空気調和
機として、たとえば、特開平6−66431号公報に開
示された空気調和機が提案されている。この空気調和機
に用いられるキャビネットは、板金で形成されたケース
の外側に、発泡ポリエチレン等で成形された第1の断熱
材を貼付け、前記ケースの内側に、発泡ポリエチレン等
で天井部と側面とが一体に成形された第2の断熱材を、
ウレタン系のシール材を介して貼付け、ケースの内側と
第2の断熱材の間に空気層を形成したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなキャビネッ
トにおいては、第1の断熱材やシール材をケースに貼付
ける際に、断熱材やシール材を所要の寸法に切断した
り、接着剤を塗布(あるいは予め接着剤が塗布されてい
るばあいには接着剤保護紙を剥離)することが必要にな
り、さらに、第2の断熱材を貼付けるにも同様の作業が
必要になるため、作業が煩雑になり加工費が高くなり、
空気調和機の製造コストを押し上げる要因になってい
る。
【0005】また、空気調和機の冷凍サイクルに、地球
環境上問題になっている冷媒R22に代わる冷媒R40
7Cを採用した場合、一般には熱交換器における熱交換
効率が低下するため、送風量を増加させて熱交換効率の
改善を図ることが必要になる。このため、空気調和機の
運転音が大きくなるが、発泡スチロールでは、送風ファ
ンの風切り音や熱交換器の通風音等の4kHZ 程度ある
いはそれ以下の騒音を低減させることができない。
【0006】上記の事情に鑑み、本発明の目的は、製造
が容易で空気調和機の原価を低減することができ、しか
も、運転音を低減させることができる空気調和機のキャ
ビネットの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、熱交換器や送風機を収納する金属製の
ケースの表面に断熱材を覆設してキャビネットを成形す
る空気調和機のキャビネットの製造方法において、以下
の如く行う。
【0008】 先ず、外面発泡用金型の本体が固定された
ベースに対して回転可能な前記外面発泡用金型の分割部
を所定の角度だけ傾倒させ、かかる状態でベースに摺動
可能に設けた押し上げピンを本体に貫通するよう上昇さ
せる。
【0009】 続いて、ケースに設けた吊り金具固定用ボ
ルトを本体に形成された穴に挿入し、且つ分割部を起立
させて、ケースを外面発泡用金型に保持する。
【0010】 次に、電磁石を具備する内面発泡用金型を
外面発泡用金型に当接するまで下降させ、その電磁石を
作動させてケースを吸着した後、押し上げピンを下降さ
せる。
【0011】 次に、外面発泡用金型の本体に形成された
第一注入口と前記内面発泡用金型に形成された第二注入
口からポリウレタンの発泡原液を注入する。
【0012】 そして、発泡が終了した後、電磁石への通
電を遮断して内面発泡用金型を上昇させ、分割部を傾倒
させた後、成形されたキャビネットを取り出す。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した天井埋
設型空気調和機の縦断面図である。
【0014】同図において、1は金属板で形成されたケ
ースで、予め吊り金具固定用のボルト1aが取り付けら
れている。2は内面断熱材、3は外面断熱材で、それぞ
れ発泡ポリウレタンをケース1の表面で直接発泡させて
成形したものである。そして、ケース1、内面断熱材2
および外面断熱材3でキャビネット4を構成している。
【0015】5はファンモータで、キャビネット4の天
板に固定されている。6は遠心型ファンで、合成樹脂で
形成され、ファンモータ5に支持されている。そして、
ファンモータ5と遠心型ファン6で送風機を形成してい
る。
【0016】7は熱交換器で、環状に形成され、遠心型
ファン6を囲うように配置されている。8はドレンパン
で、環状に形成され、熱交換器7の下端を覆うように配
置されている。9はパネルで、その中央部には吸込グリ
ル10が形成され、外周部の4辺には吹出口11が形成
されている。12は吊り金具で、ボルト1aでキャビネ
ット4に固定され、吊りボルト13で据付け位置に固定
される。14は空気調和機を取り付ける部屋の天井面で
ある。
【0017】このような構成で、熱交換器7に冷媒を循
環させ、ファンモータ5を作動させてファン6を回転さ
せると、吸込グリル10から吸い込まれた空気は、ファ
ン6の中心部から吸入され、熱交換器7に向けて吐出さ
れる。熱交換器7を通り冷却もしくは加熱された空気
は、吹出口11から室内に向けて吹き出される。
【0018】このとき、モータ5の回転音、ファン6の
風切り音、熱交換器7における通風音など、振動数が4
kHZ 以下で、音量レベルの高い騒音を発生するが、内
面断熱材2により吸音して、空気調和機の外に漏れる騒
音を大幅に低減させることができる。
【0019】たとえば、内面断熱材2として、厚さ10
mmの半硬質ポリウレタン発泡材を用いることにより、
振動数0.5〜4kHZ の騒音の50〜90%以上を吸
収し、空気調和機外に放出される騒音を大幅に緩和する
ことができる。
【0020】図2ないし図5は、図1に示すキャビネッ
ト4の製造工程を示すものである。同図において、1は
金属製のケースで、所定の位置に吊り金具固定用のボル
ト1aが固定されている。
【0021】20はベース。21は外面発泡用金型の本
体で、所定の位置に前記ボルト1aが挿入される穴21
aと、ポリウレタン発泡原液を注入する注入口22が形
成され、ベース20に固定されている。23は一対の軸
受で、ベース20に所定の間隔で摺動可能に支持されて
いる。
【0022】24は軸で、軸受23に回転可能に支持さ
れている。25は外面発泡用金型の分割部で、所定の位
置に前記ボルト1aが挿入される穴25aと、ポリウレ
タン発泡原液を注入する注入口22が形成され、軸24
に固定支持されている。そして、前記本体21と分割部
25で外面発泡用金型が形成される。
【0023】なお、軸受23は図示しないシリンダ等の
駆動手段によって、本体21に近接、離間する方向に移
動され、分割部25は、図示しないシリンダ等の駆動手
段によって倒立させられる。
【0024】26は押し上げピンで、その一端が前記本
体21を摺動可能に貫通するように前記ベース20に摺
動可能に嵌合している。そして、図示しないシリンダ等
の駆動手段によって軸方向に駆動される。
【0025】27は内面発泡用金型で、所定の位置にポ
リウレタン発泡原液を注入する注入口28が形成され、
図示しない昇降手段に支持されている。29は電磁石
で、内面発泡用金型27に固定されている。
【0026】このような構成で、図2に示すように、軸
受23を所定の待機位置(たとえば、本体21と分割部
25の間にケース1を配置することができる距離だけ離
れた位置)へ移動させ、分割部25を所定の角度だけ倒
した状態で、押し上げピン26を上昇させる。
【0027】図3に示すように、本体21の側面(分割
25が離れた側面)の開口部よりケース1を本体21
内に、ボルト1aが穴21a嵌合するように所定の位置
まで挿入する。
【0028】図4に示すように、分割部25を立て、軸
受23を本体21側へ移動させ、ボルト1aを穴25a
嵌合させながら分割部25を本体21に密着させ、所定
の加圧力を加えた状態で保持する。
【0029】図5に示すように、ケース1の上方から外
面発泡用金型に接するまで内面発泡用金型27を下降さ
せる。そして、電磁石29を作動させ、ケース1を吸着
保持し、押し上げピン26を下降させる。この状態で、
ケース1と外面発泡用金型の間、およびケース1と内面
発泡用金型27の間にそれぞれ断熱材成形用の空間が形
成される。
【0030】そして、各注入口22、28より前記空間
にポリウレタンの発泡原液を注入することにより、注入
されたポリウレタンの発泡原液をケース1の面上で直接
発泡させることができ、発泡により成形された断熱材は
ケース1に付着し図1におけるキャビネット4となる。
【0031】ポリウレタンの発泡が終了したら、電磁石
29への通電を遮断しキャビネットを開放し、内面発泡
用金型27を所定の待機位置まで上昇させる。ついで、
軸受23を所定の待機位置まで移動させ、分割部25を
本体21およびキャビネットから離間させ分割部を倒
す。そして成形されたキャビネットを本体21から取り
出す。
【0032】上記のように、ケース1に断熱材を直接発
泡成形することにより、断熱材の切断、貼付けなどの作
業を不要とし、空気調和機の製造工数を低減して原価を
低減させることができる。
【0033】また、このようにして形成された断熱材
は、ごく薄い表皮層の内部に連続した気泡を含む軟質も
しくは半硬質のポリウレタンで形成されるため、断熱効
果のほかに、優れた吸音特性を得ることができる。した
がって、空気調和機に使用する冷媒をR22からR40
7Cに替えその風量を増加させても、風量の増加による
騒音をキャビネット内周面の断熱材で吸収し運転音を低
減することができる。
【0034】なお、外面発泡用金型とケース1の間に注
入するポリウレタンの発泡原液を高反応性原液とし高圧
注入(ポリウレタンインテグラルスキンフォーム)する
ことにより、キャビネットの外側の断熱材の表皮層を厚
くして断熱材の表面強度を向上させ、輸送や据付け工事
などの際の衝撃による断熱材の損傷を防止し、損傷部か
らの水分吸収による断熱性能の低下を防止することがで
きる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、製
造が容易で空気調和機の原価を低減することができ、し
かも、冷媒R407Cを使用した場合にも、空気調和機
から発生する運転音を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した天井埋込型空気調和機の縦断
面図。
【図2】図1におけるキャビネットの製造過程を示す工
程図。
【図3】図1におけるキャビネットの製造過程を示す工
程図。
【図4】図1におけるキャビネットの製造過程を示す工
程図。
【図5】図1におけるキャビネットの製造過程を示す工
程図。
【符号の説明】
1…ケース、2、3…断熱材、4…キャビネット、5…
ファンモータ、6…遠心ファン送風機、7…熱交換器、
21…本体、23…分割部、27…内面発泡用金型。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑 良樹 静岡県清水市村松390番地 株式会社 日立製作所 空調システム事業部 内 (72)発明者 国方 優 静岡県清水市村松390番地 株式会社 日立製作所 空調システム事業部 内 (56)参考文献 特開 昭58−141917(JP,A) 特開 平9−145097(JP,A) 実開 平4−103515(JP,U) 実開 昭56−99313(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 1/00 401 F24F 1/00 361

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器や送風機を収納する金属製のケ
    ースの表面に断熱材を覆設してキャビネットを成形する
    空気調和機のキャビネットの製造方法であって、 外面発泡用金型の本体が固定されたベースに対して回転
    可能な前記外面発泡用金型の分割部を所定の角度だけ傾
    倒させた状態で、前記ベースに摺動可能に設けた押し上
    げピンを前記本体に貫通するよう上昇させ、 前記ケースに設けた吊り金具固定用ボルトを前記本体に
    形成された穴に挿入し且つ前記分割部を起立させて、前
    記ケースを前記外面発泡用金型に保持し、 電磁石を具備する内面発泡用金型を前記外面発泡用金型
    に当接するまで下降させ、前記電磁石を作動させて前記
    ケースを吸着した後、前記押し上げピンを下降させ、 前記外面発泡用金型の本体に形成された第一注入口と前
    記内面発泡用金型に形成された第二注入口からポリウレ
    タンの発泡原液を注入し、 発泡が終了した後、前記電磁石への通電を遮断して前記
    内面発泡用金型を上昇させ、前記分割部を傾倒させた
    後、成形されたキャビネットを取出することを特徴とす
    る空気調和機のキャビネットの製造方法。
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