JP3268131B2 - エア釘打機のヘッドバルブ - Google Patents

エア釘打機のヘッドバルブ

Info

Publication number
JP3268131B2
JP3268131B2 JP17444094A JP17444094A JP3268131B2 JP 3268131 B2 JP3268131 B2 JP 3268131B2 JP 17444094 A JP17444094 A JP 17444094A JP 17444094 A JP17444094 A JP 17444094A JP 3268131 B2 JP3268131 B2 JP 3268131B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
head valve
chamber
valve
upper chamber
compressed air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP17444094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0839453A (ja
Inventor
兼司 向山
典明 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makita Corp
Original Assignee
Makita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Makita Corp filed Critical Makita Corp
Priority to JP17444094A priority Critical patent/JP3268131B2/ja
Publication of JPH0839453A publication Critical patent/JPH0839453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3268131B2 publication Critical patent/JP3268131B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Portable Nailing Machines And Staplers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧縮エアを駆動源と
するエア釘打機において、打撃ピストン上室を開閉する
ためのヘッドバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、通常この種のエア釘打機にお
けるヘッドバルブは、例えば実公昭57-1099 号公報ある
いは実公昭61-25987号公報に開示されているようにヘッ
ドバルブ上室を大気開放し、または圧縮エア供給状態と
することにより打撃ピストン上室を開閉する構成となっ
ており、このためにヘッドバルブ上室は連通路を経てト
リガバルブの変圧室に連通され、この変圧室がトリガバ
ルブステムの移動すなわちトリガおよびコンタクトアー
ムの操作によって大気に連通され、またアキュムレータ
室に連通されるようになっている。
【0003】すなわち、トリガを引き操作し、かつコン
タクトアームを押し操作するとトリガバルブステムが後
退して変圧室が大気開放されるとともにアキュムレータ
室から遮断され、これによりヘッドバルブ上室が大気開
放されてヘッドバルブが上動し、従って打撃ピストン上
室がアキュムレータ室に連通され、ひいては打撃ピスト
ンによる釘打ちがなされる。一方、釘打ち完了後、トリ
ガおよびコンタクトアームを戻すと、トリガバルブステ
ムがスプリング等により前方に戻されて変圧室が大気か
ら遮断されるとともにアキュムレータ室に連通され、こ
れによりヘッドバルブ上室に圧縮エアが供給されてヘッ
ドバルブが下動し、従って打撃ピストン上室がアキュム
レータ室から遮断されるとともに大気開放され、下死点
に至った打撃ピストンがリターンエア室から供給される
圧縮エアによって上死点に戻される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のエア
釘打機にあっては次のような問題があった。以下、例え
ばコンタクトアームの押し操作量が不十分な状態でトリ
ガを引き操作した場合、あるいはトリガを引き操作した
状態でコンタクトアームの押し操作量が不十分(いわゆ
るチョン打ち)である場合、さらにはコンタクトアーム
の押し操作またはトリガの引き操作をきわめてゆっくり
と行った場合を考える。
【0005】また、従来より種々態様のエア釘打機があ
るが、以下の説明においては、打撃ピストンがヘッドバ
ルブに衝突してその上死点に戻されるタイプであり、従
ってヘッドバルブ自体に、打撃ピストンの上死点への戻
りの際の衝撃を受けるためのクッション機能を持たせ、
あるいは打撃ピストンに衝撃吸収用のクッションが取付
けられた構成のエア釘打機を対象とする。
【0006】さて、この場合にはトリガバルブにおける
変圧室の大気開放が短時間のうちには十分になされず、
従ってヘッドバルブ上室はゆっくりと大気開放される。
ヘッドバルブ上室の圧縮エアがわずかに抜けた状態すな
わち未だ低圧を保持したままヘッドバルブがわずかづつ
上動する。ヘッドバルブがわずかに上動して打撃ピスト
ン上室が開かれると、同打撃ピストン上室にはアキュム
レータ室から圧縮エアが供給され、従って打撃ピストン
が下動して釘が打ち出される。以上の動作が、ヘッドバ
ルブ上室の圧力が完全に抜けない状態(圧縮エアが徐々
に抜けつつある状態すなわちヘッドバルブの上動過程)
においてなされる。
【0007】このようにヘッドバルブの上動過程におい
て釘が打ち出されると、その反動によって釘打機本体が
浮き上がり、これによってコンタクトアームの押し操作
が解除されてしまうことがある。こうしてコンタクトア
ームがオフで、トリガがオンである状態となると、トリ
ガバルブの変圧室は大気およびアキュムレータ室のいず
れにも連通されない密閉状態となり、従って当該ヘッド
バルブは上死点に至ることなく上動過程途中の位置で保
持されてしまう。
【0008】一方、ヘッドバルブがわずかに上動して打
撃ピストン上室が開かれた時点で上記のように圧縮エア
が打撃ピストン上室に供給されると、ヘッドバルブ下面
付近においては、打撃ピストンに向けて下方へ流入する
圧縮エアの流れにより、一時的に低圧の状態となる。す
ると、上記の如くヘッドバルブが上動途中の位置で保持
されていることとも相まって、当該ヘッドバルブは上面
側(ヘッドバルブ上室側)と上記下面側(打撃ピストン
上室側)との圧力差により下動して、打撃ピストン上室
がアキュムレータ室から遮断されるとともに大気開放さ
れる。打撃ピストン上室が大気開放されると、打撃ピス
トンはリターンエア室の圧縮エアによって上死点に戻さ
れ、ヘッドバルブを打撃する。ここで、上記したように
ヘッドバルブ上室は低圧状態に保持されているため、ヘ
ッドバルブは上記打撃ピストンによる打撃によって上動
してしまい、従って再度打撃ピストン上室が開かれて釘
の二度打ちがなされてしまう。
【0009】このように特殊な状況ではあるが、トリガ
あるいはコンタクトアームの操作次第ではヘッドバルブ
の動作が不確実な状態(中途半端な状態)において釘打
ちがなされ、ひいては釘の二度打ちがなされてしまうと
いう問題があった。
【0010】また、釘打ち完了後、トリガあるいはコン
タクトアームをきわめてゆっくりと戻すと、次のような
問題が発生する。すなわち、この場合には、変圧室にわ
ずかずつ圧縮エアが供給されるのでヘッドバルブ上室に
はきわめてゆっくりと圧縮エアが供給され、従ってヘッ
ドバルブはゆっくりと下動する。これによれば、ヘッド
バルブの下動過程において、打撃ピストン上室がアキュ
ムレータ室および大気の双方に連通された状態が発生
し、このためアキュムレータ室の圧縮エアが大気に洩れ
てエアロスを生ずるという問題があった。特に、例えば
上記した実公昭57-1099 号公報等に開示された従来の技
術によれば、トリガをある途中の位置で止めた場合には
ヘッドバルブの上面側(ヘッドバルブ上室側)が受ける
圧力と下面側(打撃ピストン上室側)が受ける圧力とが
一致し、この結果ヘッドバルブが途中の位置で保持さ
れ、ひいてはアキュムレータ室の圧縮エアが洩れっぱな
しの状態となる事態が発生する。
【0011】本発明はかかる従来の問題に鑑みなされた
もので、トリガあるいはコンタクトアームのいかなる操
作状況においてもヘッドバルブの確実な動作を得られ、
ひいては釘の二度打ちを防止し、また上記エアロスとい
ったトラブルのないエア釘打機のヘッドバルブを提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の発明は、ヘッドバルブ上室を圧縮エア供給状態または
大気連通状態に切換えてヘッドバルブを下動または上動
させ、これにより打撃ピストン上室をアキュムレータ室
に対して開閉するエア釘打機において、前記ヘッドバル
ブ若しくは該ヘッドバルブが摺接する周壁に、該ヘッド
バルブが上死点において前記ヘッドバルブ上室とアキュ
ムレータ室とを遮断し、前記ヘッドバルブが下死点にお
いて前記ヘッドバルブ上室とアキュムレータ室とを連通
するバイパス通路を形成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1記載の構成によれば、ヘッドバルブが
下死点に到って打撃ピストン上室を閉じた状態となると
ヘッドバルブ上室とアキュムレータ室がバイパス通路に
より連通されるので、ヘッドバルブ上室にはアキュムレ
ータ室から圧縮エアが供給される。このことから、トリ
ガバルブにおける変圧室が大気およびアキュムレータ室
のいずれにも連通されていない密閉状態、従って当該変
圧室を経てはヘッドバルブ上室に圧縮エアが供給されな
い状態において、ヘッドバルブが下死点に到った場合で
あってもヘッドバルブ上室にバイパス通路を経て十分に
圧縮エアが供給されるので、当該ヘッドバルブ上室は十
分に高圧になり、よってヘッドバルブは上死点に戻され
た打撃ピストンの衝撃によっては上動せず、従って二度
打ちは確実に防止される。
【0014】また、トリガバルブの変圧室がアキュムレ
ータ室に連通されることによりヘッドバルブに圧縮エア
が供給されるとヘッドバルブが下動するのであるが、こ
の下動過程においてヘッドバルブが下死点近傍に到る
と、ヘッドバルブ上室とアキュムレータ室がバイパス通
路を経て連通されるので、ヘッドバルブ上室にはこのバ
イパス通路を経てさらに圧縮エアが供給される。このこ
とから、トリガをゆっくりと戻した場合やステムが中途
位置で保持されてしまったような場合であっても、単に
変圧室から供給される圧縮エアのみによる場合よりも短
時間のうちにヘッドバルブが下死点に戻される。従っ
て、ヘッドバルブ上室がアキュムレータ室および大気の
双方に連通された、エア洩れの状態はごく瞬時であるの
でエアロスは従来に比して格段に少なくなる。
【0015】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、例えばコ
ンタクトアームを軽く押し付けた状態で釘打ちを行った
場合であっても従来の二度打ちといった誤動作は確実に
防止される。また、トリガをゆっくりと戻したような場
合であっても、ヘッドバルブの下死点への戻りが従来に
比して短時間のうちになされるのでエアロスが少なくな
る。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を図1ないし図3に基
づいて説明する。図1は、本例のエア釘打機1の本体部
2を示しており、この本体部2の下端から延びるドライ
バガイド、このドライバガイドの中程に付設されて多数
の釘を収容するマガジンおよび本体部2の中程から図示
右方に延びるハンドル部3の先端部は省略されている。
【0017】本体部2のハウジング2aの内部にはその
軸線に沿ってシリンダ4が内蔵されており、このシリン
ダ4の内部には打撃ピストン5が図示上下方向に摺動自
在に密嵌されている。打撃ピストン5の下面中央にはド
ライバ6が軸線に沿って突き出し状に取付けられてお
り、このドライバ6の先端部は上記ドライバガイド内に
臨まれている。このため、打撃ピストン5がシリンダ4
内を移動すると、ドライバ6がドライバガイド内を移動
し、これによりドライバガイド内に供給された釘が先端
から打ち出される。打撃ピストン5の上面には、上死点
に戻った際の衝撃を吸収するためのクッション5aが取
付けられている。
【0018】シリンダ4の周囲とハウジング2aとの間
の空間部は図示上下方向のほぼ中程で気密に区画されて
おり、図示上側はハンドル部3の内部と連通されてアキ
ュムレータ室7とされている。一方、図示下側はリター
ンエア室8とされている。このリターンエア室8は、シ
リンダ4の内部と逆止弁9を経て一方向にのみ連通され
ている。すなわち、シリンダ4内からリターンエア室8
内に向けてのみ圧縮エアが流れ込むようになっている。
シリンダ4内の下端部には打撃ピストン5が下死点に到
った際の衝撃を吸収するためクッション10が取付けら
れている。
【0019】次に、本体部2の上部にはヘッドバルブ1
1が上下方向に摺動可能に内蔵されている。このヘッド
バルブ11は略円環状をなし、その図示下面にはシリン
ダ4の上端面全周にわたって弾性押圧されて打撃ピスト
ン5の上面側(打撃ピストン上室17)とアキュムレー
タ室7を気密に遮断するための円環状のシール部材11
aが装着されている。また、このヘッドバルブ11の周
面(側面)にも円環状のシール部材11bが装着されて
おり、これによりハウジング2aの内周面との間の気密
性が保持されている。但し、後述するようにヘッドバル
ブ11がシリンダ4の上端面に当接されるに到る近傍に
おいて周方向一部の気密性がなくなるようになってい
る。
【0020】このヘッドバルブ11の上面中央には円筒
形状の支持筒部11cが一体に形成されており、この支
持筒部11cはバルブ支持プレート12の内周孔に摺動
可能に挿入されている。バルブ支持プレート12はヘッ
ドバルブ11とほぼ同様の円環状をなし、ハウジング2
aの上面に固定されてヘッドバルブ11に対向した状態
で配置されている。このバルブ支持プレート12とヘッ
ドバルブ11のとの間には圧縮コイルバネ13が介装さ
れており、このためヘッドバルブ11は図示下方すなわ
ちシリンダ4の上端面に押し付けられる方向に付勢され
ている。また、このバルブ支持プレート12とヘッドバ
ルブ11との間の空間部がヘッドバルブ上室14とされ
ており、このヘッドバルブ上室14は連通路15を経て
後述するトリガバルブ30の変圧室31と常時連通され
ている。
【0021】上記ヘッドバルブ11の支持筒部11cの
先端は、当該ヘッドバルブ11が上動されると、ハウジ
ング2aの上端面に取付けられた弾性受け部材16に気
密に当接され(図3参照)、これにより当該支持筒部1
1cの内周側ひいては打撃ピストン上室17が排気通路
18と遮断される。一方、ヘッドバルブ11が下動する
と、図示するようにこの支持筒部11cの先端部は弾性
受け部材16から離れ、従って打撃ピストン上室17が
排気通路18に連通され、これにより打撃ピストン上室
17の圧縮エアが排気通路18を外部に排気される。な
お、図示は省略したが上記排気通路18はハンドル部3
の先端部において大気に開口されている。
【0022】さて、上記したようにヘッドバルブ上室
は、連通路15およびトリガバルブ30の変圧室31
を経てアキュムレータ室7に連通される他、以下説明す
るバイパス通路20によってもアキュムレータ室7に連
通されるようになっている。すなわち、上記したように
ヘッドバルブ11がシリンダ4の上端面に当接された状
態(下死点に到った状態)およびその近傍に到った状態
において、シール部材11bによる当該ヘッドバルブ1
1とハウジング2aとの間の気密性が周方向一部におい
てなくなるようになっている。このため、当該ヘッドバ
ルブ11の周面が摺接されるハウジング2aの内面のう
ち周方向の一箇所(複数箇所でもよい)には、上下方向
(ヘッドバルブ11の移動方向)に沿って溝部が形成さ
れており、この溝部が上記バイパス通路20とされてい
る。但し、このバイパス通路20は、上記したようにヘ
ッドバルブ11がその下動途中から下死点に到る時点ま
での間においてのみ、ヘッドバルブ上室14とアキュム
レータ室7とが連通されるよう、その上端位置が適切に
設定されている。このことから、ヘッドバルブ11の上
動途中から上死点に到る間においてはシール部材11b
はバイパス通路20から外れた状態となってハウジング
2aの内面に摺接され、これにより当該ヘッドバルブ1
1の全周にわたって気密性が回復されて、ヘッドバルブ
上室14とアキュムレータ室7が完全に遮断された状態
となる。
【0023】なお、図2によく示されているようにヘッ
ドバルブ11の周面であって、シール部材11bを除い
た部分と、ハウジング2aの内周面との間には、当該ヘ
ッドバルブ11のスムーズな移動を確保するためわずか
な隙間11dが設定されており、この隙間11dおよび
バイパス通路20を経てアキュムレータ室7の圧縮エア
がヘッドバルブ上室14内に流れ込む。
【0024】次に、トリガバルブ30は、ハンドル部3
の付け根部においてトリガ40に対向して配置されてい
る。このトリガバルブ30は、本発明の実施にあたって
特に変更を要するものではないが、以下簡単に説明す
る。このトリガバルブ30は、上下方向に移動可能に支
持されたステム32を主体とするもので、このステム3
2の先端部(図示下端部)は、トリガ40の背面に回動
可能に設けられたアイドラ41に向けて突き出されてい
る。アイドラ41の回動先端側は、コンタクトアーム4
2の押し操作により図示上方に押されるようになってお
り、これによりステム32が上方に移動すなわち後退さ
れる。しかしながら、トリガ40を引き操作しない状態
においては、コンタクトアーム42の押し操作だけでは
ステム32は十分に後退されず、従って当該トリガバル
ブ30はオンされず、ひいては釘打ちがなされない。コ
ンタクトアーム42を押し操作した状態でトリガ40を
引き操作することによりステム32は十分に後退されて
トリガバルブ30がオンされ、従って釘打ちがなされ
る。
【0025】ステム32には、図示下側(先端側)から
第1〜第3シール部材32a,32b,32cの合計三
つのシール部材が装着されている。一方、ステム32の
周囲には、図示下側から第1、第2受け部材33,34
が配置されている。両受け部材33,34は、ハンドル
部3の付け根部において所定の間隔をおいて配置されて
おり、この第1受け部材33と第2受け部材34との間
に形成される空間部が上記した変圧室31とされてい
る。
【0026】この変圧室31は、前記したように連通路
15を経て常時ヘッドバルブ上室14に連通されている
他、ステム32が前進位置に戻されて第2シール部材3
2bが第2受け部材34の内周孔から外れた状態(図1
に示す状態)においては、この第2受け部材34の内周
側および同第2受け部材34の側部に形成された貫通孔
36を経てアキュムレータ室7に連通されるようになっ
ている。
【0027】一方、この変圧室31は、ステム32が後
退されて第1シール部材32aが第1受け部材33の内
周側から外れた状態(図3に示す状態)となると大気に
も連通される。このように、ステム32の移動によりこ
の変圧室31はアキュムレータ室7に連通された状態と
大気に開放された状態とに切り換えられ、これによりヘ
ッドバルブ上室14内に圧縮エアが供給され、また当該
ヘッドバルブ上室14が大気開放される。
【0028】なお、第2受け部材34の底部とステム3
2との間には圧縮コイルバネ37が介装されているた
め、ステム32は図示下方の前進方向すなわちオフ方向
に付勢されている。また、第2受け部材34の底部上方
には、ステム32の後退を許容するための逃がし孔38
が前記排気通路18に貫通して形成されており、ステム
32の後端部に装着された第3シール部材32cは常時
この逃がし孔38の内周面に摺接されて、変圧室31お
よび貫通孔36側と排気通路18側とが常時良好に遮断
されている。
【0029】次に、以上のように構成された本例のエア
釘打機1の作動について説明する。図3に示すようにコ
ンタクトアーム42を押し操作した上で、トリガ40を
引き操作すると、トリガバルブ30のステム32が後退
する。すると、第1シール部材32aが第1受け部材3
3の内周孔から外れて変圧室31が大気に連通されると
ともに、第2シール部材32bが第2受け部材34の内
周孔を閉塞して当該変圧室31が貫通孔36ひいてはア
キュムレータ室7から遮断される。変圧室31が大気開
放されるので、ヘッドバルブ上室14が連通路15を経
て大気開放される。
【0030】ヘッドバルブ11の下面側周縁(シリンダ
4からはみ出した部分)にはアキュムレータ室7の圧力
が作用しているので、ヘッドバルブ上室14が大気開放
されると、上面側と下面側の圧力差により当該ヘッドバ
ルブ11が圧縮コイルバネ13に抗して上動する。ヘッ
ドバルブ11が上動すると、打撃ピストン上室17がア
キュムレータ室7に連通され、従って打撃ピストン上室
17に圧縮エアが供給される。なお、ヘッドバルブ11
が上動することにより支持筒部11cの先端部が弾性受
け部材16に当接されて打撃ピストン上室17と排気通
路18との間が遮断される。打撃ピストン上室17に圧
縮エアが供給されると、打撃ピストン5が下動されてド
ライバ6がドライバガイド内を突き出し方向に移動し、
これによりドライバガイド内に供給された一本の釘がそ
の先端から打ち出される。
【0031】釘の打ち出しとともに打撃ピストン5がク
ッション10に衝突して下死点に到ると、打撃ピストン
上室17内の圧縮エアが逆止弁9を経てリターンエア室
8内に流入する。リターンエア室8内に流入した圧縮エ
アは図示省略した連通孔を経て打撃ピストン下室側に回
り込み、当該打撃ピストン5を押し上げる方向(復動方
向)に作用する。
【0032】こうして一本の釘が被打込み物に打ち込ま
れた後、トリガ40の引き操作を解除して前方(図示下
方)に戻し、かつコンタクトアーム42の押し操作を解
除して前方に戻すと、トリガバルブ30のステム32が
圧縮コイルバネ37によって前方に戻される。ステム3
2が前方に戻されると、図1に示すように第1シール部
材32aが第1受け部材33の内周孔を閉塞して変圧室
31が大気から遮断され、かつ第2シール部材32bが
第2受け部材34の内周孔から外れて変圧室31が貫通
孔36を経てアキュムレータ室7と連通される。これに
より、変圧室31内には圧縮エアが供給され、この圧縮
エアは連通路15を経てヘッドバルブ上室14に流れ込
む。
【0033】ヘッドバルブ上室14に圧縮エアが供給さ
れると、圧縮コイルバネ13の作用によって当該ヘッド
バルブ11が下動し、これにより打撃ピストン上室17
がアキュムレータ室7から遮断される。また、ヘッドバ
ルブ11が下動すると、その支持筒部11cが弾性受け
部材16から離れて同支持筒部11cの内周側ひいては
打撃ピストン上室17が排気通路18を経て大気開放さ
れる。打撃ピストン上室17側が大気開放される一方、
打撃ピストン下室側には前記したようにリターンエア室
8から圧縮エアが供給されているので、打撃ピストン5
は上動して上死点に戻される。なお打撃ピストン下室側
の圧縮エアは、ドライバ6とハウジング2aとの間の隙
間2bを経て大気に放出される。以上で一回の釘打ちに
伴う各部の作動が終了する。
【0034】ここで、上記したようにトリガバルブ30
の変圧室31に圧縮エアが供給されると、この圧縮エア
が連通路15を経てヘッドバルブ上室14内に流れ込
み、これによりヘッドバルブ11が下動するのである
が、このヘッドバルブ11が下動途中位置に到った時点
において、シール部材11bがバイパス通路20に差し
かかると、ヘッドバルブ上室14がこのバイパス通路2
0を経てアキュムレータ室7に連通される。このため、
ヘッドバルブ上室14内には、変圧室30から圧縮エア
が供給される他、バイパス通路20を経てアキュムレー
タ室7から直接圧縮エアが供給されるようになる。従っ
て、ヘッドバルブ上室14内に供給される単位時間あた
りの圧縮エア量が急激に増大し、よって当該ヘッドバル
ブ11の下動速度が格段に早まり、これによりヘッドバ
ルブ11はより素早く打撃ピストン上室17をアキュム
レータ室7から遮断するとともに、排気通路18を経て
大気に連通させることとなる。
【0035】また、ヘッドバルブ上室14内への単位時
間あたりの圧縮エア供給量が増大するので、同ヘッドバ
ルブ上室14内はより素早く高い圧力に達し、よってよ
り早い段階で強固に打撃ピストン上室17を遮断した状
態すなわちシリンダ4の上端面に押圧された状態とな
る。このため、打撃ピストン5が上死点に戻されて、当
該ヘッドバルブ11に衝突しても当該ヘッドバルブ11
がその反動で上動することはなく、従って再度打撃ピス
トン上室17が開かれて二度打ちがなされることはな
い。
【0036】以上のような作用をなすバイパス通路20
によれば、トリガ40またはコンタクトアーム42の様
々な操作状況に対してもヘッドバルブ11の確実な作動
が得られ、前記従来の種々トラブルを防止できる。すな
わち、例えばコンタクトアーム42の押し操作量が不十
分な状態(被打込み物に軽く押し付けた状態)でトリガ
40を引き操作した場合を考えると、この場合には変圧
室31内の圧縮エアが完全に抜けるのに時間がかかるの
で、ヘッドバルブ上室14は短時間のうちに大気開放さ
れない。このような場合には、ヘッドバルブ11は、ヘ
ッドバルブ上室14の圧縮エアが抜けるのに伴って徐々
に上動し、わずかに上動した時点で打撃ピストン上室1
7へ圧縮エアが供給されはじめる。すると打撃ピストン
5が、ヘッドバルブ11の上動途中の段階で下動して釘
の打込みがなされる。
【0037】こうして釘の打込みがなされた瞬間、その
反動で当該エア釘打機1が浮き上がって、コンタクトア
ーム42の押し操作だけが解除されてしまったとする
と、この場合には打撃ピストン5が下死点に到った瞬間
に、アイドラ41が若干戻されてトリガバルブ30のス
テム32が途中まで戻され、これにより第1シール部材
32aが第1受け部材33の内周孔を閉塞し、かつ第2
シール部材32bが第2受け部材34の内周孔を閉塞す
る状態、すなわち変圧室31が大気およびアキュムレー
タ室7の双方から遮断された密閉状態が発生し、これに
よりヘッドバルブ上室14は低圧状態で密閉されてしま
う。
【0038】ここで、上記したようにヘッドバルブ11
が徐々に上動しつつ、打撃ピストン上室17内に圧縮エ
アが流れ込むと、その流れは打撃ピストン5の下動に伴
い下方に向かうので、ヘッドバルブ11の下面付近は一
時的に低圧状態になる。ヘッドバルブ上室14が低圧状
態で密閉された状態において下面側が低圧状態となる結
果、ヘッドバルブ11は下動して打撃ピストン上室17
が閉じられ、また排気通路18を経て大気に開放され
る。ヘッドバルブ上室17が大気開放されるので、この
瞬間下死点に到っていた打撃ピストン5が上死点に戻さ
れる。打撃ピストン5が上死点に戻されるとヘッドバル
ブ11に衝突する。すると、従来であればヘッドバルブ
上室14に十分な圧縮エアが供給されず低圧状態のまま
であるので、ヘッドバルブ11は上記衝突による反動で
上動してしまい、従って再度打撃ピストン上室17内に
圧縮エアが供給されて釘の二度打ちがなされてしまう。
これに対して、本例のヘッドバルブ11によれば、ヘッ
ドバルブ11が上記低圧作用によりその下死点に戻され
ると、バイパス通路20を経てヘッドバルブ上室14が
アキュムレータ室7に連通され、従ってアキュムレータ
室7から直接ヘッドバルブ上室14内へ圧縮エアが供給
され、この結果、当該ヘッドバルブ上室14が瞬時に高
圧力状態に回復されるので、打撃ピストン5が上死点に
戻されてヘッドバルブ11に衝突しても、当該ヘッドバ
ルブ11がその反動で上動することはなく、従って釘の
二度打ちは確実に防止される。
【0039】このように、コンタクトアーム42の押付
けが軽いために、釘の打込みがなされた瞬間当該エア釘
打機1が浮き上がってコンタクトアーム42の押し操作
が解除されてしまった場合であっても、その瞬間変圧室
31が密閉されてヘッドバルブ11が下死点に戻される
と、バイパス通路20を経てヘッドバルブ上室14に圧
縮エアが供給されるので、ヘッドバルブ11が打撃ピス
トン5の衝突による反動で上動することはなく、よって
釘の二度打ちが確実に防止される。このことから、本例
のヘッドバルブ11によれば、コンタクトアーム42の
操作加減に関係なく、従来の釘の二度打ちといった誤動
作は確実に防止される。
【0040】次に、釘打ち終了後、トリガ40をきわめ
てゆっくりと戻した場合を考えると、この場合には変圧
室31内への圧縮エアの供給がきわめてゆっくりと行わ
れ、従ってヘッドバルブ11はゆっくりと下動する。こ
こで、ヘッドバルブ11がきわめてゆっくりと下動する
と、その下動過程において当該ヘッドバルブ11がシリ
ンダ4の上端面に当接していない状態すなわち打撃ピス
トン上室17が開いた状態と、支持筒部11cが弾性受
け部材16に当接していない状態すなわち打撃ピストン
上室17が排気通路18を経て大気開放された状態とが
併存し、この併存状態が比較的長時間に及ぶ。この併存
状態は、打撃ピストン上室17が一方でアキュムレータ
室7に連通され、他方で大気開放されるのでエア洩れと
同様の状態となり、従ってこの併存状態が長時間に及べ
ばそれだけエアロスが大きくなる。これに対して、ヘッ
ドバルブ11が素早く下動すれば、この併存状態は極め
て短時間であるのでほとんどエアロスがない。
【0041】この点、本例のヘッドバルブ11によれ
ば、下動途中から下死点に到る間、バイパス通路20を
経てヘッドバルブ上室14に圧縮エアが供給されるの
で、変圧室31を経てなされる圧縮エアの供給がきわめ
てゆっくりであってもヘッドバルブ11は素早く下死点
に戻され、従って上記エアロスをほとんどなくすことが
できる。
【0042】なお、本例では、ヘッドバルブ11が摺接
する壁部に溝部を形成してバイパス通路20とした構成
を例示したが、これに限らずバイパス通路はヘッドバル
ブ側に設けてもよく、また溝に限らず孔その他の手段で
あってもよく、要はヘッドバルブ11が上死点に至った
状態においてヘッドバルブ上室14とアキュムレータ室
7が遮断され、ヘッドバルブ11が下死点に至ったとき
あるいはその直前の状態においてヘッドバルブ上室14
とアキュムレータ室7が連通されるように構成されれば
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示し、エア釘打機の本体部の
縦断面図であって、ヘッドバルブの閉じ状態(釘打機の
非使用状態)を示す。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】同じく本発明の実施例を示し、エア釘打機の本
体部の縦断面図であって、ヘッドバルブの開き状態(釘
打ち状態)を示す。
【符号の説明】
1…エア釘打機 2…本体部 5…打撃ピストン 7…アキュムレータ室 8…リターンエア室 11…ヘッドバルブ 14…ヘッドバルブ上室 15…連通路 17…打撃ピストン上室 18…排気通路 20…バイパス通路 31…変圧室 32…ステム 40…トリガ 42…コンタクトアーム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドバルブ上室を圧縮エア供給状態ま
    たは大気連通状態に切換えてヘッドバルブを下動または
    上動させ、これにより打撃ピストン上室をアキュムレー
    タ室に対して開閉するエア釘打機において、前記ヘッド
    バルブ若しくは該ヘッドバルブが摺接する周壁に、該ヘ
    ッドバルブが上死点において前記ヘッドバルブ上室とア
    キュムレータ室とを遮断し、前記ヘッドバルブが下死点
    において前記ヘッドバルブ上室とアキュムレータ室とを
    連通するバイパス通路を形成したことを特徴とするヘッ
    ドバルブ。
JP17444094A 1994-07-26 1994-07-26 エア釘打機のヘッドバルブ Expired - Lifetime JP3268131B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17444094A JP3268131B2 (ja) 1994-07-26 1994-07-26 エア釘打機のヘッドバルブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17444094A JP3268131B2 (ja) 1994-07-26 1994-07-26 エア釘打機のヘッドバルブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0839453A JPH0839453A (ja) 1996-02-13
JP3268131B2 true JP3268131B2 (ja) 2002-03-25

Family

ID=15978561

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17444094A Expired - Lifetime JP3268131B2 (ja) 1994-07-26 1994-07-26 エア釘打機のヘッドバルブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3268131B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6540235B2 (ja) * 2015-05-29 2019-07-10 工機ホールディングス株式会社 打込機

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0839453A (ja) 1996-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5131579A (en) Nailing machine
WO2016002540A1 (ja) 打込機
JPH09324870A (ja) メインバルブ/フレームバルブ付ファスナ駆動装置
JP5716395B2 (ja) 打込機
JPH03208569A (ja) 空気圧式釘打機のヘッドバルブ装置
JP3268131B2 (ja) エア釘打機のヘッドバルブ
JPS5949149B2 (ja) 緩衡装置
JP2728611B2 (ja) 打ち込み機
JP3966080B2 (ja) エアダスタ付き釘打機
JPH0521718B2 (ja)
JPH0727089Y2 (ja) 連打式釘打機の打撃ピストン戻し機構
JPH08276374A (ja) 単発連続打ち切替機構を有する打込機
JPS6236621Y2 (ja)
JP3267469B2 (ja) 空気圧式釘打機における緩衝機構
US7204402B2 (en) Pneumatic tool with as-cast air signal passage
JP2004001137A (ja) 空気釘打機
JPS6125987Y2 (ja)
JP2004001136A (ja) エアダスタ付き釘打機
JPS6240773Y2 (ja)
JP3918364B2 (ja) 打込機
JP3868762B2 (ja) 打ち込み工具のバルブ構造
JP3231946B2 (ja) エア釘打機のトリガバルブ
JPH0641813Y2 (ja) 圧縮空気式釘打機の安全装置
JPS5939000Y2 (ja) 打撃工具における打撃用ドライバの保持装置
JP3654219B2 (ja) 空気圧式釘打機における緩衝機構

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090111

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090111

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100111

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100111

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term