JP3267108B2 - モータの制御装置 - Google Patents

モータの制御装置

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JP3267108B2
JP3267108B2 JP17184495A JP17184495A JP3267108B2 JP 3267108 B2 JP3267108 B2 JP 3267108B2 JP 17184495 A JP17184495 A JP 17184495A JP 17184495 A JP17184495 A JP 17184495A JP 3267108 B2 JP3267108 B2 JP 3267108B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は家電機器,産業機器など
に使用され、マイクロコンピュータにより制御されるモ
ータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、家電機器,産業機器などに搭載さ
れるモータの性能向上が求められ、この制御にマイクロ
コンピュータが用いられることが急速に増えてきてい
る。
【0003】しかし、マイクロコンピュータはラッチア
ップ異常を起こしやすく、モータ制御に使用する際には
この周辺回路設計には十分に注意する必要がある。
【0004】一般的に、モータ制御装置には同制御装置
を過電流破壊から保護するために、過電流状態を検出し
てマイクロコンピュータに知らせる周辺回路が備わって
いるが、このようなモータの制御装置としては従来より
図5に示すようなものがある。
【0005】図5において、1はモータでありその各相
の電機子巻線2a,2b,2cは出力回路3a,3b,
3cのそれぞれの出力端子に接続されている。4は直流
主電源であり一般的にはAC100Vを整流平滑したD
C140V程度あるいは、AC200Vを整流平滑した
DC280V程度の出力電圧を有するものが多い。
【0006】前記直流主電源4は、前記出力回路3a,
3b,3cそれぞれに印加されている。
【0007】10はマイクロコンピュータであり、制御
回路11および周波数電圧設定手段12はその構成要素
である。
【0008】周波数電圧設定手段12には、モータ1に
供給する三相交流電圧波形の基本周波数と実効電圧値が
設定され、この設定情報に基づいて制御回路11は三相
PWM(パルス幅変調)信号を生成し、スイッチング指
令信号13a,13b,13cを出力するように構成さ
れている。
【0009】前記スイッチング指令信号13a,13
b,13cは、前記出力回路3a,3b,3cを制御す
る制御信号として同出力回路3a,3b,3cに出力さ
れている。
【0010】前記出力回路3a,3b,3cは、前記ス
イッチング指令信号13a,13b,13cに基づい
て、前記電機子巻線2a,2b,2cをそれぞれ前記直
流主電源4の正側給電線路側に接続するかまたは負側給
電線路側に接続するかの動作をする半導体スイッチ回路
にて構成されている。
【0011】なお、前記スイッチング指令信号13a,
13b,13cの周波数はPWMキャリア周波数と呼ば
れ、通常モータ1に供給する三相交流電圧波形の基本周
波数の10倍以上の値をとる。一般的に、モータに供給
する三相交流電圧波形の基本周波数が0Hz〜200H
z程度で、PWMキャリア周波数が2kHz〜20kH
z程度のものが多い。
【0012】14はモータ解放信号であり、同信号は前
記制御回路11より前記出力回路3a,3b,3cに出
力されている。
【0013】前記出力回路3a,3b,3cは、前記モ
ータ解放信号14により、前記電機子巻線2a,2b,
2cのすべてを前記直流主電源4の正側給電線路側にも
負側給電線路側にも接続しないように動作するように構
成されている。
【0014】ここで、モータ解放信号14により、電機
子巻線2a,2b,2cのすべてが直流主電源4の正側
給電線路側にも負側給電線路側にも接続されない状態を
フリーラン状態と呼び、過電流異常などのトラブルが発
生した場合においてこの状態とし、モータおよびこの制
御装置を保護するのが一般的である。
【0015】5は直流制御電源であり、この正側給電線
路の電圧は前記直流主電源4の負側給電線路の電圧と等
電圧となるように設けられている。
【0016】6は安定化定電圧源であり、前記直流制御
電源5の出力電圧が印加され、同直流制御電源5よりも
低い安定化定電圧を出力するよう構成されたものであ
り、通常3端子レギュレータにより実現される。
【0017】前記マイクロコンピュータ10の動作電源
電圧端子15,16には、前記安定化定電圧源6の安定
化定電圧出力が印加されている。
【0018】100は過電流検出回路であり、前記出力
回路3a,3b,3cを流れる電流を検出し、その電流
値が過電流状態となった時、過電流信号を前記マイクロ
コンピュータ10の入力端子17に出力するように構成
されている。
【0019】過電流検出回路100の具体的な構成につ
いて以下に説明する。101は検出抵抗であり、前記出
力回路3a,3b,3cを流れる電流を検出するために
前記直流主電源4の負側給電線路に挿入されている。
【0020】前記検出抵抗101の一端は、トランジス
タ102のエミッタ端子が接続され、同トランジスタ1
02のベース端子は抵抗103を介して前記検出抵抗1
01の他端に接続されている。また、前記トランジスタ
102のベース・エミッタ端子間にはコンデンサ104
が接続されている。
【0021】前記トランジスタ102のコレクタ端子は
抵抗105,106を介して、前記マイクロコンピュー
タ10の負側動作電源電圧端子15と等電圧の給電線路
に接続されている。
【0022】前記抵抗105,106の共通接続点は、
コンデンサ108を介して前記マイクロコンピュータ1
0の負側動作電源電圧端子15と等電圧の給電線路に接
続されるとともに、ショットキーバリアダイオード10
7を介して前記マイクロコンピュータ10の正側動作電
源電圧端子16と等電圧の給電線路に接続されており、
同抵抗105,106の共通接続点は、過電流検出回路
100の出力として前記マイクロコンピュータ10の入
力端子17に接続されている。
【0023】以上のような各構成要素101〜108に
より前記過電流検出回路100は構成されている。
【0024】以上のように構成された従来のモータの制
御装置について、以下その動作について説明する。
【0025】通常、モータ解放信号14はフリーラン状
態ではなく、マイクロコンピュータ10の構成要素であ
る周波数電圧設定手段12の設定情報に基づいて生成し
たPWM信号により、2値のスイッチング指令信号13
a,13b,13cが制御回路11より出力され、2値
のスイッチング指令信号13a,13b,13cに応じ
て、出力回路3a,3b,3cは電機子巻線2a,2
b,2cを直流主電源4の正側給電線路側かあるいは負
側給電線路側に接続する。これにより、直流主電源4の
出力電力が電機子巻線2a,2b,2cにそれぞれ供給
されモータ1が駆動される。
【0026】電機子巻線2a,2b,2cへの電力供給
量は、前記電機子巻線2a,2b,2cを直流主電源4
の正側給電線路側に接続する時間と負側給電線路側に接
続する時間との比率を制御することにより加減すること
が可能で、これによりモータ1を自在に制御することが
可能となる。
【0027】この制御は、スイッチング指令信号13
a,13b,13cのパルス幅を変化させることで行う
ことができ、このような制御はPWM(パルス幅変調)
制御と呼ばれ、モータ制御の分野で幅広く利用されてい
る技術である。
【0028】以上のような通常のモータ駆動時におい
て、モータ1が過負荷状態となったなどの何らかの理由
で過大電流が発生し、過電流異常となった場合、モータ
1および半導体スイッチ回路にて構成された出力回路3
a,3b,3cを中心とする制御装置全体を保護する必
要がある。
【0029】このような過電流異常となった場合の保護
動作について説明する。まず、過電流検出回路100は
過電流状態を検出してその異常信号をマイクロコンピュ
ータ10の入力端子17に出力する。
【0030】マイクロコンピュータ10は、入力端子1
7に過電流異常信号が入力されるとモータ解放信号14
をフリーラン状態とする。
【0031】モータ解放信号14がフリーラン状態とな
ると、出力回路3a,3b,3cは電機子巻線2a,2
b,2cのすべてが直流主電源4の正側給電線路側にも
負側給電線路側にも接続しないように動作する。
【0032】その結果、過電流状態は回避され保護動作
が完了する。以上のような過電流保護を行うために必要
な過電流検出回路100の動作について以下に説明す
る。
【0033】図5において、検出抵抗101には出力回
路3a,3b,3cを流れる電流が流れ、上述の過電流
異常となった場合、この電流が過大となり検出抵抗10
1の両端には大きな電圧降下が発生する。
【0034】検出抵抗101の電圧降下がトランジスタ
102のベース・エミッタ間電圧のしきい値である約
0.7Vに達すると、トランジスタ102は導通し始め
このコレクタ電圧が上昇する。
【0035】トランジスタ102のコレクタ端子の上昇
電圧は抵抗105,106により分圧され、この分圧値
が過電流異常信号としてマイクロコンピュータ10の入
力端子17に出力される。
【0036】すなわち、過電流異常が発生すると、過電
流検出回路100は‘H’レベルの信号を過電流異常信
号としてマイクロコンピュータ10の入力端子17に出
力するように動作する。
【0037】ここで、マイクロコンピュータ10の正側
動作電源電圧端子16と入力端子17との間に接続する
ように設けたショットキーバリアダイオード107は、
トランジスタ102が導通状態となり、抵抗105,1
06の分圧電圧が‘H’レベルとなった際に、マイクロ
コンピュータ10の入力端子17に過大な電圧が印加さ
れ、マイクロコンピュータ10がラッチアップ状態とな
るなどの異常動作とならないように保護するために設け
たものである。
【0038】より具体的には、たとえば直流制御電源5
の出力電圧が約18Vの場合、過電流異常発生時のトラ
ンジスタ102のコレクタ端子電圧はおよそ18Vとな
る。
【0039】一方、安定化定電圧源6の出力電圧を5V
とすると、マイクロコンピュータ10の入力端子17へ
は、この正側動作電源電圧端子16の印加電圧である5
Vを大幅に越える電圧を印加しないようにする必要があ
る。
【0040】一般的に、マイクロコンピュータの入力端
子への印加電圧は、この動作電源電圧端子の印加電圧以
内であることが望まれるが、これを越える場合は0.3
V以下に留めなければラッチアップ異常を起こすことは
周知の事実である。
【0041】したがって、入力端子17には5V+0.
3Vを越える電圧を印加しないようにトランジスタ10
2のコレクタ端子電圧(およそ18V)を抵抗105,
106により分圧する必要がある。
【0042】しかし、抵抗105,106の分圧比のバ
ラツキや、直流制御電源5の出力電圧の変動,安定化定
電圧源6の出力電圧バラツキなどにより、抵抗105,
106の分圧比のみの設計で入力端子17への印加電圧
を5V+0.3Vを越えないようにすることは困難であ
る。
【0043】そこで、順方向電圧がシリコンダイオード
よりも低く、通常0.3V程度のショットキーバリアダ
イオード107を設け、入力端子17に5V+0.3V
を越える電圧が印加されないようにしている。
【0044】また、コンデンサ104,108はPWM
制御の際に発生するスイッチングノイズによる過電流検
出回路100の誤動作を防止するために設けられてい
る。
【0045】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、検出抵抗101の電圧降下がトランジスタ
102のベース・エミッタ間電圧のしきい値である約
0.7V(温度依存性は約−2mV/℃)に達すること
により過電流異常を検出するため、過電流異常検出レベ
ルの温度依存性が大きく、たとえば動作周囲温度として
−30℃〜+100℃の変化を想定すると+15%〜−
23%程度、過電流異常検出レベルが変動することにな
る。
【0046】出力回路3a,3b,3cを構成する半導
体スイッチ回路である、たとえばパワートランジスタな
どのパワー素子は過電流異常検出レベルの最大変動値に
耐え得るチップサイズをもったものを選定する必要があ
る。
【0047】したがって、過電流異常検出レベルの変動
幅が大きいと大きなチップサイズのパワー素子が必要に
なり、出力回路3a,3b,3cの大型化とコストアッ
プ要因となってしまう。
【0048】また、しきい値も0.7Vと高いため検出
抵抗101として電力許容損失の大きなものが必要とな
ってしまう。
【0049】電力許容損失の大きな抵抗は形状も大きく
放熱設計も考慮する必要があり、実装スペースやコスト
面において、この採用は現実的でない。
【0050】また、マイクロコンピュータ10の入力端
子17に過大な電圧が印加してラッチアップ異常が発生
しないようにショットキーバリアダイオード107が必
要である。
【0051】ショットキーバリアダイオードは高価であ
るばかりでなく、逆方向電圧が印加された場合の漏れ電
流が大きく、特に高温状態においては50μA程度にま
で達することがある。
【0052】過電流異常状態でない通常のモータ駆動時
には、トランジスタ102はOFFしており入力端子1
7には正常電流状態を意味する‘L’レベルの信号が入
力されるが、上記したショットキーバリアダイオード1
07の漏れ電流が大きくなると、この電流による抵抗1
06の電圧降下により、誤って‘H’レベルの信号が入
力端子17に入力され、過電流異常保護が誤動作する恐
れがある。
【0053】従来のモータの制御装置は、以上のような
問題点を有していた。本発明は上記従来の問題点を解決
するもので、過電流異常検出レベルの温度依存性が極め
て小さく過電流異常検出精度に優れ、必要最小限のチッ
プサイズのパワー素子により出力回路を構成可能とし、
小さな電力許容損失の検出抵抗が使用でき、さらにショ
ットキーバリアダイオードを用いないでマイクロコンピ
ュータの入力端子に接続可能な過電流検出回路を有した
モータの制御装置を提供することを目的とする。
【0054】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のモータの制御装置は、直流主電源と、複数相
の電機子巻線を有するモータと、前記直流主電源の出力
電力を前記モータの各相電機子巻線にそれぞれ供給する
複数の出力回路と、前記出力回路の前記電機子巻線への
電力供給量を制御する制御信号を前記出力回路へ出力す
るマイクロコンピュータと、直流制御電源と、前記直流
制御電源の出力電圧よりも低い電圧を安定して出力する
安定化定電圧源と、前記出力回路を流れる電流が過電流
か否かを検出する過電流検出回路とを備え、前記マイク
ロコンピュータの動作電源電圧端子には前記安定化定電
圧源の出力電圧が印加され、前記過電流検出回路は、前
記出力回路を流れる電流を検出する検出抵抗と、前記検
出抵抗の一端に一端が接続される第1の抵抗と、前記第
1の抵抗の他端にエミッタ端子が接続される第1のトラ
ンジスタと、前記第1のトランジスタとほぼ同一特性を
有し、前記第1のトランジスタのベース端子にベース端
子が接続され、前記検出抵抗の他端にエミッタ端子が接
続される第2のトランジスタと、前記第1のトランジス
タのコレクタ電流を検出する第2の抵抗と、前記マイク
ロコンピュータの動作電源電圧端子への印加電圧と等電
圧がベース端子に印加され、前記第2の抵抗の電圧降下
を少なくとも一つ以上のダイオードでレベルシフトした
電圧がエミッタ端子に印加される第3のトランジスタ
と、前記第3のトランジスタと相補型で、前記第3のト
ランジスタのコレクタ端子にベース端子が接続される第
4のトランジスタにより構成され、前記第4のトランジ
スタのエミッタ端子の出力を前記過電流検出回路の出力
として前記マイクロコンピュータの入力端子に接続する
ように構成している。
【0055】または、直流主電源と、複数相の電機子巻
線を有するモータと、前記直流主電源の出力電力を前記
モータの各相電機子巻線にそれぞれ供給する複数の出力
回路と、前記出力回路の前記電機子巻線への電力供給量
を制御する制御信号を前記出力回路へ出力するマイクロ
コンピュータと、直流制御電源と、前記出力回路を流れ
る電流が過電流か否かを検出する過電流検出回路とを備
え、前記マイクロコンピュータの動作電源電圧端子には
前記直流制御電源の出力電圧が印加され、前記過電流検
出回路は、前記出力回路を流れる電流を前記直流主電源
の正側給電線路側で検出する検出抵抗と、前記検出抵抗
の一端に一端が接続される第1の抵抗と、前記第1の抵
抗の他端にエミッタ端子が接続される第1のトランジス
タと、前記第1のトランジスタとほぼ同一特性を有し、
前記第1のトランジスタのベース端子にベース端子が接
続され、前記検出抵抗の他端にエミッタ端子が接続され
る第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタのコ
レクタ電流を検出する第2の抵抗と、前記マイクロコン
ピュータの動作電源電圧端子への印加電圧と等電圧がベ
ース端子に印加され、前記第2の抵抗の電圧降下を少な
くとも一つ以上のダイオードでレベルシフトした電圧が
エミッタ端子に印加される第3のトランジスタと、前記
第3のトランジスタと相補型で、前記第3のトランジス
タのコレクタ端子にベース端子が接続される第4のトラ
ンジスタにより構成され、前記第4のトランジスタのエ
ミッタ端子の出力を前記過電流検出回路の出力として前
記マイクロコンピュータの入力端子に接続するように構
成している。
【0056】
【作用】この構成によって、過電流異常検出レベルは温
度補償され、極めて温度依存性が小さく過電流異常検出
精度に優れた特性を有し、検出抵抗の過電流異常検出時
の電圧降下を任意に低く設定可能とすることで小さな電
力許容損失の検出抵抗が使用可能となり、さらにマイク
ロコンピュータの動作電源電圧を越えない出力構成とす
ることでショットキーバリアダイオードを用いないでマ
イクロコンピュータの入力端子に接続可能な過電流検出
回路を有したモータの制御装置が実現できるものであ
る。
【0057】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0058】図1は本発明のモータの制御装置の一実施
例を示すものである。図1において、図5に示した従来
のモータの制御装置と同一機能を有する部分については
同一符号を付し、その説明を省略する。
【0059】50aは過電流検出回路であり、この部分
が従来のモータの制御装置と異なる部分である。
【0060】以下に過電流検出回路50aについて説明
する。51aは検出抵抗であり、出力回路3a,3b,
3cを流れる電流を検出するために直流主電源4の負側
給電線路に挿入されている。
【0061】前記検出抵抗51aの一端は、第1の抵抗
52aの一端が接続され、前記第1の抵抗52aの他端
は第1のトランジスタ53aのエミッタ端子が接続され
ている。前記第1のトランジスタ53aのベース端子
は、第2のトランジスタ54aのベース端子と接続さ
れ、前記第2のトランジスタ54aのエミッタ端子は前
記検出抵抗51aの他端に接続されている。
【0062】前記第2のトランジスタ54aのコレクタ
端子は同トランジスタ54aのベース端子と共通で、抵
抗55を介してマイクロコンピュータ10の負側動作電
源電圧端子15と等電圧の給電線路に接続されている。
【0063】前記第1のトランジスタ53aのコレクタ
端子は、ダイオード56,57および第2の抵抗58を
介して前記マイクロコンピュータ10の負側動作電源電
圧端子15と等電圧の給電線路に接続されている。ま
た、コンデンサ59は前記第2の抵抗58に並列に接続
されている。
【0064】第3のトランジスタ60のベース端子は、
前記マイクロコンピュータ10の正側動作電源電圧端子
16と等電圧の給電線路に接続されており、前記第3の
トランジスタ60のエミッタ端子は前記ダイオード56
のアノード端子に接続されている。
【0065】前記第3のトランジスタ60のコレクタ端
子は、第4のトランジスタ61のベース端子に接続さ
れ、前記第4のトランジスタ61のコレクタ端子は前記
マイクロコンピュータ10の正側動作電源電圧端子16
と等電圧の給電線路に接続されている。
【0066】前記第4のトランジスタ61のベース・エ
ミッタ端子間には抵抗62が接続され、前記第4のトラ
ンジスタ61のエミッタ端子は抵抗63とコンデンサ6
4の並列回路を介して、前記マイクロコンピュータ10
の負側動作電源電圧端子15と等電圧の給電線路に接続
されるとともに、前記マイクロコンピュータ10の入力
端子17に接続されている。
【0067】以上のような各構成要素51a〜64によ
り前記過電流検出回路50aは構成されており、前記第
4のトランジスタ61のエミッタ端子が過電流検出回路
50aの出力を成している。
【0068】その他の部分については図5に示した従来
のモータの制御装置と同様であり、その説明を省略す
る。
【0069】以上のように構成されたモータの制御装置
について、以下その動作を説明する。
【0070】通常、モータ解放信号14はフリーラン状
態ではなく、2値のスイッチング指令信号13a,13
b,13cに応じて電機子巻線2a,2b,2cへの電
力供給量を加減し、モータ1を駆動し制御するところは
従来のモータの制御装置と同様である。
【0071】このような通常のモータ駆動時において、
モータ1が過負荷状態となったなどの何らかの理由で過
大電流が発生し過電流異常となった場合、モータ1およ
び半導体スイッチ回路にて構成された出力回路3a,3
b,3cを中心とする制御装置全体を保護する必要があ
る。
【0072】このような過電流異常となった場合、過電
流検出回路50aは過電流状態を検出してこの異常信号
をマイクロコンピュータ10の入力端子17に出力す
る。
【0073】マイクロコンピュータ10は、入力端子1
7に過電流異常信号が入力されるとモータ解放信号14
をフリーラン状態とする。
【0074】モータ解放信号14がフリーラン状態とな
ると、出力回路3a,3b,3cは電機子巻線2a,2
b,2cのすべてが直流主電源4の正側給電線路側にも
負側給電線路側にも接続しないように動作する。
【0075】この結果、過電流状態は回避され保護動作
が完了する。以上のような過電流保護を行うために必要
な過電流検出回路50aの動作について以下に説明す
る。
【0076】図1において、検出抵抗51aには出力回
路3a,3b,3cを流れる電流が流れ上述の過電流異
常となった場合、この電流が過大となり検出抵抗51a
の両端には大きな電圧降下が発生する。
【0077】一方、第1のトランジスタ53aと第2の
トランジスタ54aの特性はよく揃っており、それぞれ
のベース・エミッタ間電圧が等しいとすると、前記検出
抵抗51aの端子間電圧と第1の抵抗52aの端子間電
圧とは等しくなる。
【0078】したがって、第1の抵抗52aを流れる電
流は検出抵抗51aに流れる電流に比例することにな
る。
【0079】第1の抵抗52aを流れる電流は、第1の
トランジスタ53aのエミッタ・コレクタを介して第2
の抵抗58に流れる。
【0080】その結果、第2の抵抗58の端子間には検
出抵抗51aを流れる電流に比例した電圧が発生するこ
とになる。
【0081】すなわち、検出抵抗51aの過電流異常時
の過大電流による電圧降下をVoc,第1の抵抗52a
の値をR52,第2の抵抗58の値をR58とすると、
第2の抵抗58の端子間電圧V58は(数1)で表され
る。
【0082】
【数1】
【0083】(数1)にて表される端子間電圧V58は
ダイオード56,57によりレベルシフトされ、(数
2)で表される電圧Vaが第3のトランジスタ60のエ
ミッタ端子に入力される。
【0084】
【数2】
【0085】(数2)において、Vfはダイオード5
6,57の順方向電圧である。電圧Vaが第3のトラン
ジスタ60のベース端子電圧Vregよりも前記第3の
トランジスタ60のベース・エミッタ間電圧Vbeだけ
高くなると、第3のトランジスタ60が導通し始める。
【0086】第3のトランジスタ60の導通に伴い抵抗
62に電流が流れ、この電圧降下が第4のトランジスタ
61のベース・エミッタ間のしきい値電圧(約0.7
V)となると、第4のトランジスタ61が速やかに導通
を始める。
【0087】第4のトランジスタ61が導通すると、前
記第4のトランジスタ61のエミッタ端子電圧が急速に
上昇し、過電流異常信号として‘H’レベルの信号が過
電流検出回路50aより出力されることになる。
【0088】すなわち、
【0089】
【数3】
【0090】となった時、‘H’レベルの過電流異常信
号が出力される。(数2),(数3)より上記過電流異
常信号が出力される検出抵抗51aの端子間電圧Voc
は、(数4)により表される。
【0091】
【数4】
【0092】(数4)において、第3のトランジスタ6
0のベース・エミッタ間電圧Vbeとダイオード56の
順方向電圧Vfとが等しいとすると、(数4)は(数
5)のように表される。
【0093】
【数5】
【0094】以上の説明から明らかなように、過電流検
出回路50aは検出抵抗51aの電圧降下Vocが(数
5)で示されるしきい値に達することにより過電流異常
を検出し、‘H’レベルの過電流異常信号をマイクロコ
ンピュータ10の入力端子17へ出力するように動作す
るものである。
【0095】(数5)より明らかなように、過電流検出
回路50aの過電流異常検出レベルの温度依存性は、第
1〜第4の各トランジスタ53a,54a,60,61
のベース・エミッタ間電圧には依存しないため極めて小
さいものである。
【0096】なお、(数5)において、ダイオード57
の順方向電圧Vf(約0.7Vでおよそ−2mV/℃の
温度依存性を持つ)が存在するが、これは第3のトラン
ジスタ60のベース端子電圧Vregの温度依存性を補
償するために設けている。
【0097】つまり、第3のトランジスタ60のベース
端子電圧Vregは、マイクロコンピュータ10の正側
動作電源電圧端子16にも入力される安定化定電圧源6
の出力より供給されており、同安定化定電圧源6は一般
的に3端子レギュレータなどの半導体電子回路により構
成されることが多い。
【0098】このような3端子レギュレータとして安価
なものを選定すると、安定化定電圧源6の出力電圧Vr
egは温度依存性を持つことがあり、たとえば−1.3
5mV/℃程度の値を持つ場合がある。
【0099】この場合、Vregの温度依存性をダイオ
ード57の順方向電圧Vfにより温度補償し、(数5)
におけるVocの温度依存性を0.65mV/℃程度に
留めることが可能である。
【0100】本来、安定化定電圧源6の出力電圧が温度
依存性を持っていなければ、ダイオード57の端子間を
ショートし、前記ダイオード57を削除してもよいもの
である。
【0101】過電流検出回路50aの過電流異常検出精
度は、(数5)よりR52,R58,Vregの各値の
精度によりほぼ決定され、動作周囲温度として−30℃
〜+100℃を想定しても±12%程度以下に設計する
ことが可能である。
【0102】また、過電流異常検出時の検出抵抗51a
の電圧降下であるしきい値も(数5)に示すとおり、R
52とR58により任意のレベルに設定することがで
き、たとえばR52=300Ω,R58=4.3kΩ,
Vreg=5V,Vf=0.7Vとすると、上記しきい
値は0.3Vと従来に比べて小さな値とすることができ
る。
【0103】したがって、検出抵抗51aとして電力許
容損失の小さなものが使用可能となる。
【0104】また、過電流検出回路50aの出力となる
第4のトランジスタ61のエミッタ端子電圧は、過電流
異常信号出力時の‘H’レベルを出力する際、マイクロ
コンピュータ10の正側動作電源電圧端子16の電圧を
越えることはない。
【0105】つまり、過電流異常信号が出力される時、
第4のトランジスタ61のエミッタ端子電圧Veは(数
6)で表される。
【0106】
【数6】
【0107】(数6)において、Vregは第3のトラ
ンジスタ60のベース端子電圧,Vceは第3のトラン
ジスタ60のコレクタ・エミッタ間飽和電圧,ΔVbe
は第3のトランジスタ60と第4のトランジスタ61の
ベース・エミッタ間電圧差である。
【0108】ここで、ΔVbeをほぼ零とすると、(数
6)は(数7)となり、VeはVregよりもVceだ
け小さな値となる。
【0109】
【数7】
【0110】第3のトランジスタ60のベース端子電圧
であるVregは、マイクロコンピュータ10の正側動
作電源電圧端子16への印加電圧でもある。
【0111】したがって、(数7)で表される第4のト
ランジスタ61のエミッタ端子電圧Veは、マイクロコ
ンピュータ10の正側動作電源電圧端子16の電圧を越
えることはなく、前記エミッタ端子をマイクロコンピュ
ータ10の入力端子17に接続してもマイクロコンピュ
ータ10はラッチアップ異常することなく動作すること
が可能となる。
【0112】なお、コンデンサ59,64は、PWM制
御の際に発生するスイッチングノイズによる過電流検出
回路50aの誤動作を防止するために設けられたもので
ある。
【0113】以上のように本実施例によれば、過電流検
出回路50aを直流主電源4の負側給電線路側に設けて
出力回路3a,3b,3cを流れる電流を検出する検出
抵抗51aと、前記検出抵抗51aの一端に一端が接続
される第1の抵抗52aと、前記第1の抵抗52aの他
端にエミッタ端子が接続される第1のトランジスタ53
aと、前記第1のトランジスタ53aとほぼ同一特性を
有し、前記第1のトランジスタ53aのベース端子にベ
ース端子が接続され、前記検出抵抗51aの他端にエミ
ッタ端子が接続される第2のトランジスタ54aと、前
記第1のトランジスタ53aのコレクタ電流を検出する
第2の抵抗58とを設けたことにより、(数1)に示し
たように、前記検出抵抗51aの電圧降下Vocを温度
依存性なしに前記第2の抵抗58の電圧降下V58とし
て検出し、ベース端子に安定化定電圧Vregが印加さ
れ、前記第2の抵抗58の電圧降下をダイオード56,
57でレベルシフトした電圧がエミッタ端子に印加され
る第3のトランジスタ60を設けたことにより、ダイオ
ード56の順方向電圧Vfと第3のトランジスタ60の
ベース・エミッタ間電圧Vbeとが温度補償され、ま
た、ダイオード57の順方向電圧Vfと安定化定電圧V
regとが温度補償されるようにし、(数5)に示した
ように、前記検出抵抗51aの電圧降下Vocの過電流
異常検出時のしきい値の温度依存性を無くしている。ま
た、R52とR58の抵抗比により上記しきい値を自在
に設定可能としている。
【0114】さらに、前記第3のトランジスタ60のベ
ース端子電圧はマイクロコンピュータ10の正側動作電
源電圧端子16への印加電圧と等電圧であり、前記第3
のトランジスタ60と相補型で、前記第3のトランジス
タ60のコレクタ端子にベース端子が接続される第4の
トランジスタ61とを設け、前記第4のトランジスタ6
1のエミッタ端子の出力を前記過電流検出回路50aの
出力とすることにより、(数7)に示したように、前記
エミッタ端子の出力が前記マイクロコンピュータ10の
正側動作電源電圧端子16への印加電圧を越えることが
なく、前記エミッタ端子の出力を前記マイクロコンピュ
ータ10の入力端子17に直接接続しても、前記マイク
ロコンピュータ10がラッチアップ異常を起こすことは
ない。
【0115】このように、過電流異常検出レベルの温度
依存性が極めて小さく過電流異常検出精度に優れ、必要
最小限のチップサイズのパワー素子により出力回路を構
成可能とし、検出抵抗の過電流異常検出時の電圧降下を
任意に低く設定することで小さな電力許容損失の検出抵
抗が使用でき、さらにショットキーバリアダイオードを
用いないでマイクロコンピュータの入力端子に接続可能
な過電流検出回路を有したモータの制御装置が実現でき
るものである。
【0116】なお、図1に示した本発明の一実施例にお
いて、直流制御電源5の正側給電線路を直流主電源4の
負側給電線路と共通とした構成を示したが、図2に示す
ように、直流制御電源5の負側給電線路を直流主電源4
の負側給電線路と共通として構成してもよい。
【0117】図2において、過電流検出回路50bとそ
の構成要素である検出抵抗51b,第1の抵抗52b,
第1のトランジスタ53b,第2のトランジスタ54
b,抵抗75は、図1における過電流検出回路50aと
その各構成要素である検出抵抗51a,第1の抵抗52
a,第1のトランジスタ53a,第2のトランジスタ5
4a,抵抗55にそれぞれ対応し、前記第1のトランジ
スタ53bのコレクタ電流を第2の抵抗58に伝達する
ためのダイオード71,トランジスタ73,抵抗72,
74より成る電流ミラー回路を設けた以外は、図1のモ
ータの制御装置と同様の構成であり、図1と同一機能を
有する部分については同一符号を付している。
【0118】図2に示したようにモータの制御装置を構
成しても、図1のモータの制御装置と同様の目的と効果
を実現することができる。
【0119】(実施例2)以下第2の本発明の一実施例
について説明する。
【0120】図3は第2の本発明のモータの制御装置の
一実施例を示すものである。図3において、図1に示し
た第1の本発明の実施例と同一機能を有する部分につい
ては同一符号を付し、その説明を省略する。
【0121】まず、過電流検出回路50cについて説明
する。51cは検出抵抗であり、出力回路3a,3b,
3cを流れる電流を検出するために直流主電源4の正側
給電線路に挿入されている。
【0122】前記検出抵抗51cの一端は、第1の抵抗
52cの一端が接続され、前記第1の抵抗52cの他端
は第1のトランジスタ53cのエミッタ端子が接続され
ている。前記第1のトランジスタ53cのベース端子
は、第2のトランジスタ54cのベース端子と接続さ
れ、前記第2のトランジスタ54cのエミッタ端子は前
記検出抵抗51cの他端に接続されている。
【0123】前記第2のトランジスタ54cのコレクタ
端子は同トランジスタ54cのベース端子と共通で、抵
抗55を介してマイクロコンピュータ10の負側動作電
源電圧端子15と等電圧の給電線路に接続されている。
【0124】前記第1のトランジスタ53cのコレクタ
端子は、ダイオード56,57および第2の抵抗58を
介して前記マイクロコンピュータ10の負側動作電源電
圧端子15と等電圧の給電線路に接続されている。ま
た、コンデンサ59は前記第2の抵抗58に並列に接続
されている。
【0125】第3のトランジスタ60のベース端子は、
前記マイクロコンピュータ10の正側動作電源電圧端子
16と等電圧の給電線路に接続されており、前記第3の
トランジスタ60のエミッタ端子は前記ダイオード56
のアノード端子に接続されている。
【0126】前記第3のトランジスタ60のコレクタ端
子は、第4のトランジスタ61のベース端子に接続さ
れ、前記第4のトランジスタ61のコレクタ端子は前記
マイクロコンピュータ10の正側動作電源電圧端子16
と等電圧の給電線路に接続されている。
【0127】前記第4のトランジスタ61のベース・エ
ミッタ端子間には抵抗62が接続され、前記第4のトラ
ンジスタ61のエミッタ端子は抵抗63とコンデンサ6
4の並列回路を介して前記マイクロコンピュータ10の
負側動作電源電圧端子15と等電圧の給電線路に接続さ
れるとともに、前記マイクロコンピュータ10の入力端
子17に接続されている。
【0128】以上のような各構成要素51c〜64によ
り前記過電流検出回路50cは構成されており、前記第
4のトランジスタ61のエミッタ端子が前記過電流検出
回路50cの出力を成している。
【0129】直流制御電源5は、この負側給電線路を直
流主電源4の負側給電線路と共通とし、前記直流制御電
源5の正側給電線路は前記第3のトランジスタ60のベ
ース端子および前記マイクロコンピュータ10の正側動
作電源端子16に接続されている。
【0130】その他の部分については図1に示したモー
タの制御装置と同様であり、その説明を省略する。
【0131】以上のように構成されたモータの制御装置
について、その動作を説明する。図3のモータの制御装
置における過電流検出回路50cを動作させるために
は、第3のトランジスタ60が導通するのに必要なベー
ス・エミッタ間電圧(約0.7V)および第1のトラン
ジスタ53cが活性領域で動作するために必要なコレク
タ・エミッタ間電圧(一般的には0.5V程度以上)を
十分に確保するように第3のトランジスタ60のベース
端子電圧Vregを設定する必要がある。
【0132】このために、たとえば図1に示したモータ
の制御装置においては、直流制御電源5の出力電圧より
も低い出力電圧を出力する安定化定電圧源6により第3
のトランジスタ60のベース端子電圧Vregを供給し
ている。
【0133】具体的には、たとえば直流制御電源5の出
力電圧を18V,安定化定電圧源6の出力電圧を5Vと
すると、第3のトランジスタ60のベース端子電圧5V
に対して第1のトランジスタ53aのエミッタ電圧はお
よそ18Vであり、これらのトランジスタ53a,60
を動作させるための電圧は十分に確保されている。
【0134】図3に示すモータの制御装置においては、
直流制御電源5よりも十分に高電圧である直流主電源4
の正側給電線路側に検出抵抗51cを設けたことによ
り、上記した第1のトランジスタ53c,第3のトラン
ジスタ60が動作するための電圧を確保することが可能
となる。
【0135】すなわち、たとえば直流制御電源5の出力
電圧を5V,直流主電源4の出力電圧を280Vとする
と、第3のトランジスタ60のベース端子電圧5Vに対
して第1のトランジスタ53cのエミッタ電圧はおよそ
280V近くあり、これらのトランジスタ53c,60
を動作させるための電圧は十分に確保されるものであ
る。
【0136】その他、過電流検出回路50cの動作を含
む制御装置全体の動作は、図1に示したモータの制御装
置と同様であるためその説明を省略する。
【0137】以上のように本実施例によれば、直流制御
電源5よりも十分に高電圧である直流主電源4の正側給
電線路側に検出抵抗51cを設けたことにより、第1の
トランジスタ53c,第3のトランジスタ60が動作す
るための電圧を確保することができ、特に安定化定電圧
源を設ける必要がなく、モータの制御装置としてさらな
る簡素化が実現できる。
【0138】なお、図3に示した第2の本発明の一実施
例において、直流制御電源5の負側給電線路を直流主電
源4の負側給電線路と共通とした構成を示したが、図4
に示すように直流制御電源5の正側給電線路を直流主電
源4の負側給電線路と共通として構成しても、図3に示
した実施例と同様の効果を実現することが可能である。
【0139】
【発明の効果】以上のように本発明は、過電流検出回路
を出力回路を流れる電流を検出する検出抵抗と、前記検
出抵抗の一端に一端が接続される第1の抵抗と、前記第
1の抵抗の他端にエミッタ端子が接続される第1のトラ
ンジスタと、前記第1のトランジスタとほぼ同一特性を
有し、前記第1のトランジスタのベース端子にベース端
子が接続され、前記検出抵抗の他端にエミッタ端子が接
続される第2のトランジスタと、前記第1のトランジス
タのコレクタ電流を検出する第2の抵抗と、ベース端子
に安定化定電圧が印加され、前記第2の抵抗の電圧降下
を少なくとも一つ以上のダイオードでレベルシフトした
電圧がエミッタ端子に印加される第3のトランジスタ
と、前記第3のトランジスタのベース端子電圧はマイク
ロコンピュータの動作電源電圧端子への印加電圧と等電
圧であり、前記第3のトランジスタと相補型で、前記第
3のトランジスタのコレクタ端子にベース端子が接続さ
れる第4のトランジスタとを設け、前記第4のトランジ
スタのエミッタ端子出力を前記過電流検出回路の出力と
して前記マイクロコンピュータの入力端子に接続した構
成とすることにより、過電流異常検出レベルの温度依存
性が極めて小さく過電流異常検出精度に優れ、必要最小
限のチップサイズのパワー素子により出力回路を構成可
能とし、検出抵抗の過電流異常検出時の電圧降下を任意
に低く設定することで小さな電力許容損失の検出抵抗が
使用でき、さらにショットキーバリアダイオードを用い
ないでマイクロコンピュータの入力端子に直接接続可能
な過電流検出回路を実現し、小形で安価なモータの制御
装置の提供が可能となる。
【0140】また、過電流検出回路を出力回路を流れる
電流を直流主電源の正側給電線路側で検出する検出抵抗
と、前記検出抵抗の一端に一端が接続される第1の抵抗
と、前記第1の抵抗の他端にエミッタ端子が接続される
第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタとほぼ
同一特性を有し、前記第1のトランジスタのベース端子
にベース端子が接続され、前記検出抵抗の他端にエミッ
タ端子が接続される第2のトランジスタと、前記第1の
トランジスタのコレクタ電流を検出する第2の抵抗と、
マイクロコンピュータの動作電源電圧端子への印加電圧
と等電圧がベース端子に印加され、前記第2の抵抗の電
圧降下を少なくとも一つ以上のダイオードでレベルシフ
トした電圧がエミッタ端子に印加される第3のトランジ
スタと、前記第3のトランジスタと相補型で、前記第3
のトランジスタのコレクタ端子にベース端子が接続され
る第4のトランジスタにより構成し、前記第4のトラン
ジスタのエミッタ端子の出力を前記過電流検出回路の出
力として前記マイクロコンピュータの入力端子に接続し
た構成とすることにより、安定化定電圧源を設ける必要
がなくモータの制御装置として更なる簡素化が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるモータの制御装
置の構成図
【図2】本発明の第1の実施例における他のモータの制
御装置の構成図
【図3】本発明の第2の実施例におけるモータの制御装
置の構成図
【図4】本発明の第2の実施例における他のモータの制
御装置の構成図
【図5】従来のモータの制御装置の構成図
【符号の説明】 1 モータ 2a,2b,2c 電機子巻線 3a,3b,3c 出力回路 4 直流主電源 5 直流制御電源 6 安定化定電圧源 10 マイクロコンピュータ 11 制御回路 12 周波数電圧設定手段 13a,13b,13c スイッチング指令信号 14 モータ解放信号 15,16 動作電源電圧端子 17 入力端子 50a,50b,50c 過電流検出回路 51a,51b,51c 検出抵抗 52a,52b,52c 第1の抵抗 53a,53b,53c 第1のトランジスタ 54a,54b,54c 第2のトランジスタ 55,62,63,72,74 抵抗 56,57 ダイオード 58 第2の抵抗 59,64 コンデンサ 60 第3のトランジスタ 61 第4のトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 7/085 H02P 5/00 H02P 7/63

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流主電源と、複数相の電機子巻線を有す
    るモータと、前記直流主電源の出力電力を前記モータの
    各相電機子巻線にそれぞれ供給する複数の出力回路と、
    前記出力回路の前記電機子巻線への電力供給量を制御す
    る制御信号を前記出力回路へ出力するマイクロコンピュ
    ータと、直流制御電源と、前記直流制御電源の出力電圧
    よりも低い電圧を安定して出力する安定化定電圧源と、
    前記出力回路を流れる電流が過電流か否かを検出する過
    電流検出回路とを備え、前記マイクロコンピュータの動
    作電源電圧端子には前記安定化定電圧源の出力電圧が印
    加され、前記過電流検出回路は前記出力回路を流れる電
    流を検出する検出抵抗と、前記検出抵抗の一端に一端が
    接続される第1の抵抗と、前記第1の抵抗の他端にエミ
    ッタ端子が接続される第1のトランジスタと、前記第1
    のトランジスタとほぼ同一特性を有し、前記第1のトラ
    ンジスタのベース端子にベース端子が接続され、前記検
    出抵抗の他端にエミッタ端子が接続される第2のトラン
    ジスタと、前記第1のトランジスタのコレクタ電流を検
    出する第2の抵抗と、前記マイクロコンピュータの動作
    電源電圧端子への印加電圧と等電圧がベース端子に印加
    され、前記第2の抵抗の電圧降下を少なくとも一つ以上
    のダイオードでレベルシフトした電圧がエミッタ端子に
    印加される第3のトランジスタと、前記第3のトランジ
    スタと相補型で、前記第3のトランジスタのコレクタ端
    子にベース端子が接続される第4のトランジスタにより
    構成され、前記第4のトランジスタのエミッタ端子の出
    力を前記過電流検出回路の出力として前記マイクロコン
    ピュータの入力端子に接続して成るモータの制御装置。
  2. 【請求項2】直流主電源と、複数相の電機子巻線を有す
    るモータと、前記直流主電源の出力電力を前記モータの
    各相電機子巻線にそれぞれ供給する複数の出力回路と、
    前記出力回路の前記電機子巻線への電力供給量を制御す
    る制御信号を前記出力回路へ出力するマイクロコンピュ
    ータと、直流制御電源と、前記出力回路を流れる電流が
    過電流か否かを検出する過電流検出回路とを備え、前記
    マイクロコンピュータの動作電源電圧端子には前記直流
    制御電源の出力電圧が印加され、前記過電流検出回路は
    前記出力回路を流れる電流を前記直流主電源の正側給電
    線路側で検出する検出抵抗と、前記検出抵抗の一端に一
    端が接続される第1の抵抗と、前記第1の抵抗の他端に
    エミッタ端子が接続される第1のトランジスタと、前記
    第1のトランジスタとほぼ同一特性を有し、前記第1の
    トランジスタのベース端子にベース端子が接続され、前
    記検出抵抗の他端にエミッタ端子が接続される第2のト
    ランジスタと、前記第1のトランジスタのコレクタ電流
    を検出する第2の抵抗と、前記マイクロコンピュータの
    動作電源電圧端子への印加電圧と等電圧がベース端子に
    印加され、前記第2の抵抗の電圧降下を少なくとも一つ
    以上のダイオードでレベルシフトした電圧がエミッタ端
    子に印加される第3のトランジスタと、前記第3のトラ
    ンジスタと相補型で、前記第3のトランジスタのコレク
    タ端子にベース端子が接続される第4のトランジスタに
    より構成され、前記第4のトランジスタのエミッタ端子
    の出力を前記過電流検出回路の出力として前記マイクロ
    コンピュータの入力端子に接続して成るモータの制御装
    置。
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