JP3266825B2 - 多層配線板製造用絶縁層付き金属箔 - Google Patents

多層配線板製造用絶縁層付き金属箔

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JP3266825B2 JP4124297A JP4124297A JP3266825B2 JP 3266825 B2 JP3266825 B2 JP 3266825B2 JP 4124297 A JP4124297 A JP 4124297A JP 4124297 A JP4124297 A JP 4124297A JP 3266825 B2 JP3266825 B2 JP 3266825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルドアップ法に
よる多層配線板の製造に好適に用いられる絶縁層付き金
属箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、絶縁層付き金属箔を用いて多
層配線板を製造することが行われている。絶縁層付き金
属箔Aは図3(a)のように、銅箔等の金属箔4の片面
に絶縁層3を設けて形成されるものであって、絶縁層3
はエポキシ樹脂等の樹脂2を金属箔4に塗布して半硬化
させることによって形成される。この絶縁層付き金属箔
Aを用いて多層配線板を製造するにあたっては、まず表
面に内層回路10を設けた内層材11に絶縁層付き金属
箔Aを重ね合わせ、加熱加圧することにより樹脂2を硬
化させて図3(b)のように内層材11の表面に絶縁層
3を一体化して積層する。
【0003】次に、内層回路10と電気導通を得たい箇
所の金属箔4をエッチング等の化学的な除去により除去
し、次に、図3(c)のように金属箔4を除去した部分
の樹脂2をレーザ等で除去して内層回路10に到達する
孔部12を絶縁層3に形成する。この後、図3(d)の
ように孔部12の内面にめっき13を設けて内層回路1
0と金属箔4を電気導通させる。次に、金属箔4にエッ
チング等の化学的な処理を施して回路14を形成する。
このようにして所定の枚数の絶縁層付き金属箔Aを順次
積層し、最後に、最外に積層された絶縁層付き金属箔A
の表面にソルダーレジスト等を塗布するなどの加工を行
って、図3(e)のような多層配線板を形成することが
できる。
【0004】上記のように、多層配線板を製造する際に
絶縁層付き金属箔Aを用いると、絶縁層3による電気絶
縁性の確保と金属箔4による電気回路用の導体の提供と
を同時に行うことができ、また絶縁層3が樹脂2だけで
形成されているので、レーザ加工を容易に行うことがで
き、さらに孔部12や回路10、14の凹凸を絶縁層3
の樹脂2で容易に充填することができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記絶縁層付き
金属箔Aでは、金属箔4に樹脂2を塗布して半硬化させ
ることによって絶縁層3が形成されているので、塗布し
た樹脂2が半硬化するまでに広がって、70μmを超え
るような厚い絶縁層3を形成しにくいという問題があっ
た。また樹脂2を金属箔4に密着させて強固に保持させ
にくいので、絶縁層3に樹脂2の欠落が生じやすいとい
う問題があった。さらに樹脂2が半硬化あるいは硬化に
よって収縮するので、絶縁層3の寸法安定性が低いとい
う問題があった。また絶縁層3の全体が吸湿率の大きい
樹脂2で形成されているので、絶縁層3の吸湿によって
電気絶縁性が低下する恐れがあった。加えて、製造上、
ガラス転移温度の低い樹脂2を用いなければならないな
どの制約があり、樹脂2の種類の選択の幅が狭いという
問題があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、絶縁層を厚くすることができ、また絶縁層に樹脂
の欠落を生じにくくすることができ、さらに絶縁層の寸
法安定性を高くすることができ、また絶縁層の電気絶縁
性を高くすることができ、加えて樹脂の種類の選択の幅
を広くすることができる、多層配線板製造用の絶縁層付
き金属箔を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、有機基材1に樹脂2を含浸させると共に、こ
れを乾燥させて半硬化状態にした絶縁層3金属箔4の
表面に設けられた多層配線板製造用の絶縁層付き金属箔
であって、上記有機基材1を全芳香族ポリアミド又は全
芳香族ポリエステルで形成して成ることを特徴とするも
のである。
【0008】また本発明の請求項2に記載の発明は、請
求項1の構成に加えて、上記有機基材1として全芳香族
ポリアミド繊維又は全芳香族ポリエステル繊維で形成さ
れる織布あるいは不織布を用いて成ることを特徴とする
ものである。また本発明の請求項3に記載の発明は、請
求項1又は2の構成に加えて、有機基材1に含浸させた
樹脂2を170〜200℃で30〜200秒間加熱して
半硬化させて成ることを特徴とするものである。
【0009】また本発明の請求項4に記載の発明は、請
求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、坪量が30〜
150g/m2 の有機基材1を用いると共に絶縁層3の
樹脂含有率を35〜70重量%に設定して成ることを特
徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。有機基材1としては、全芳香族ポリアミド繊維又
は全芳香族ポリエステル繊維で形成される織布あるいは
不織布を用いることができるが、吸湿率の小さい全芳香
族ポリエステル繊維で形成される織布あるいは不織布を
用いるのが好ましい。また坪量が30〜150g/m2
の有機基材1を使用することができる。坪量が30g/
2 未満であれば、有機基材1による絶縁層3の補強効
果が小さくなる恐れがあり、また坪量が150g/m2
を超えると、絶縁層3が所定の厚みよりも大きくなって
絶縁層3の厚みを調整することができなくなる恐れがあ
る。
【0011】樹脂2としては、エポキシ樹脂を好適に用
いることができ、またポリイミド樹脂やポリフェニレン
オキサイド樹脂なども使用することができる。樹脂2の
種類は特に上記のものに限定されることがなく、ガラス
転移温度が100℃以上のものであってもよい。金属箔
4としては、プリント配線板に汎用されている銅箔等を
好適に用いることができるが、材質や厚みは特に限定さ
れるものではない。金属箔4には、絶縁層3を形成しな
い表面の保護のために、容易に剥離することができるフ
ィルム等を貼り付けておいても良い。また金属箔4の絶
縁層3を形成しない方の表面に別の金属箔を貼り付けて
金属箔4を支持して補強するようにしてもよい。
【0012】上記材料を用いて絶縁層付き金属箔Aを形
成するにあたっては、まず、樹脂2を溶剤に溶解させて
ワニスを調製する。次に、有機基材1にワニスを塗工す
ることによって、あるいはワニスに有機基材1を浸漬す
ることによって、有機基材1に樹脂2を含浸させ、これ
を乾燥させることによって、有機基材1中の樹脂2を半
硬化させたプリプレグを形成する。次に、プリプレグを
金属箔4と離型フィルムで挟んで加圧加熱し、プリプレ
グと金属箔4を一体化することによって、プリプレグが
絶縁層3となった図1に示すような絶縁層付き金属箔A
を形成することができる。
【0013】また材料を用いて絶縁層付き金属箔Aを別
の方法で形成するにあたっては、まず、金属箔4の表面
に有機基材1を載せて重ね合わせる。次に、有機基材1
の上方から樹脂2を溶解させたワニスを塗布することに
よって、有機基材1に樹脂2を含浸させる。次に、これ
を加熱して乾燥させて金属箔4と有機基材1を有機基材
1中の樹脂2で一体化することによって、有機基材1と
半硬化状態の樹脂2で形成される絶縁層3を有する絶縁
層付き金属箔Aを形成することができる。この方法を用
いる場合は、ロール状に巻かれた長尺の有機基材1とロ
ール状に巻かれた長尺の金属箔4を用い、図2に示すよ
うに有機基材1と金属箔4をロール状から解きながら重
ね合わせるようにし、またワニスの塗布及び乾燥を連続
的に行うようにするのが好ましい。このようにすること
で連続的に作業を行うことができ、生産性を向上させる
ことができる。
【0014】上記絶縁層付き金属箔Aにおいて、(樹脂
の重量)/(樹脂の重量+有機基材の重量)×100で
示される絶縁層3の樹脂含有率は、35〜70重量%に
設定することができる。絶縁層3の樹脂含有率が35重
量%未満であれば、有機基材1中の樹脂2の含有量が少
な過ぎて、多層配線板に成形した後に、絶縁層3に空隙
が生じる恐れがある。また絶縁層3の樹脂含有率が70
重量%を超えると、有機基材1中の樹脂2の含有量が多
過ぎて、多層配線板に成形する際に樹脂2が流れ出して
絶縁層3の厚み不良が生じる恐れがある。絶縁層3の樹
脂含有率は、有機基材1に付着した余剰の樹脂2をロー
ル等で掻き取ったり絞り出したりして取り除いて調整す
ることができる。
【0015】また上記絶縁層付き金属箔Aにおいて、絶
縁層3の樹脂2は、170〜200℃の温度で30〜2
00秒間加熱することによって硬化するような半硬化状
態にすることができる。樹脂2が170℃で30秒未満
の加熱で硬化するような半硬化状態であれば、樹脂2の
硬化状態が進み過ぎており、多層配線板を形成する際
に、絶縁層3と内層材11の密着不足が生じたり、ある
いは絶縁層3と他の絶縁層付き金属箔Aの金属箔4の密
着不足が生じたりする恐れがある。また樹脂2が170
℃で200秒を超える加熱で硬化するような半硬化状態
であれば、樹脂2の硬化状態が不十分であって、多層配
線板に成形する際に樹脂2が流れ出して絶縁層3の厚み
不良が生じる恐れがある。
【0016】そして上記絶縁層付き金属箔Aは図3のよ
うに、上記従来例と同様にして多層配線板の製造に用い
られるが、有機基材1に樹脂2を含浸させることによっ
て絶縁層3を形成するので、樹脂2を有機基材1で保持
して流れないようにすることができ、絶縁層3を厚く形
成することができるものであり、しかも有機基材1の厚
みや有機基材1の樹脂含有量を調整することによって、
絶縁層3の厚みを容易に調整することができるものであ
る。また樹脂2を有機基材1で強固に保持(捕捉)する
ことができ、絶縁層3に樹脂2の欠落を生じさせないよ
うにすることができるものである。
【0017】さらに有機基材1で絶縁層3を補強するこ
とができ、絶縁層の寸法安定性を高くすることができる
ものである。また全芳香族ポリエステル繊維などの吸湿
率の小さい繊維で形成される織布や不織布を有機基材1
として用いることによって、絶縁層3の吸湿率を小さく
することができ、多層配線板における絶縁層3の電気絶
縁性を高くすることができるものである。加えて、金属
箔4に樹脂2を直接塗工しないので、ガラス転移温度
(Tg)の低い樹脂2しか用いることができないなどの
制約がなくなり、樹脂2の種類の選択の幅を広くするこ
とができるものである。また有機基材1を用いることに
よって、絶縁層3のレーザ加工を容易に行うことがで
き、ガラス不織布などのガラス基材を用いた場合のよう
に孔部12の不良を発生しないようにすることができ、
勿論、孔部12や回路10、14の凹凸を絶縁層3の樹
脂2で容易に充填することができるものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1)有機基材1として全芳香族ポリアミド繊維
を用いたデュポン製のKevler布(坪量70g/m
2 )を、樹脂2としてテトラブロモビスフェノールA型
エポキシ樹脂(ダウケミカル DER511)とクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成 YDCN7
02)を、金属箔4として古川サーキット製の銅箔(厚
み18μm)をそれぞれ用意した。
【0019】まず、75.9重量部のテトラブロモビス
フェノールA型エポキシ樹脂と、18.9重量部のクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂と、硬化剤として5.
2重量部のフェノールノボラック(荒川化学工業 タマ
ノール752)と、硬化促進剤として0.1重量部の2
−エチル−4−メチルイミダゾールとを、30重量部の
メチルエチルケトンと30重量部のプロピレンセロソル
ブの混合液からなる溶剤に配合して溶解させてワニスを
調製した。
【0020】次に、金属箔4の上に有機基材1を載せた
後、有機基材1の上から上記ワニスを全面に滴下して塗
布すると共にロールで余剰のワニスを除去して有機基材
1へのワニスの付着量を調整し、有機基材1に樹脂2を
含浸させた。次に、これを170℃のオーブンに入れて
加熱乾燥する。このようにして樹脂2を170℃で12
0秒間の加熱で硬化するような半硬化状態にして有機基
材1と樹脂2で絶縁層3を形成すると共に絶縁層3と金
属箔4を一体化することによって、樹脂含有量が50重
量%の絶縁層3を有する絶縁層付き金属箔Aを形成し
た。
【0021】(実施例2)有機基材1としてクラレ製の
全芳香族性ポリエステル繊維(ベクトラン)を用いた不
織布(坪量70g/m2 )を用意した。この有機基材1
を実施例1と同様のワニスに浸漬した後、引き上げてロ
ールで有機基材1へのワニスの付着量を調整し、この
後、乾燥させることによってプリプレグを形成した。次
に、プリプレグの一方の表面に実施例1と同様の金属箔
4を重ねると共に他方の表面に離型フィルムを重ね、こ
れを170℃の温度で10kg/cm2 の圧力で1分間
加圧加熱する。このようにして樹脂2を170℃で12
0秒間の加熱で硬化するような半硬化状態にして有機基
材1と樹脂2とで絶縁層3を形成すると共に絶縁層3と
金属箔4を一体化することによって、樹脂含有量が50
重量%の絶縁層3を有する絶縁層付き金属箔Aを形成し
た。
【0022】(実施例3)有機基材1としてクラレ製の
全芳香族性ポリエステル繊維(ベクトラン)を用いた織
布(坪量70g/m2 )を用意した。また100重量部
のポリイミド樹脂(チバガイギー社製のケルイミド60
1)を50重量部の溶剤(N−メチルピロリドン)に溶
解させてワニスを調製した。次に、このワニスに上記有
機基材1を浸漬した後、引き上げてロールで有機基材1
へのワニスの付着量を調整し、この後、乾燥させること
によってプリプレグを形成した。次に、プリプレグの一
方の表面に実施例1と同様の金属箔4を重ねると共に他
方の表面に離型フィルムを重ね、これを200℃の温度
で10kg/cm2 の圧力で5分間加圧加熱する。この
ようにして樹脂2を170℃で120秒間の加熱で硬化
するような半硬化状態にして有機基材1と樹脂2とで絶
縁層3を形成すると共に絶縁層3と金属箔4を一体化す
ることによって、樹脂含有量が50重量%の絶縁層3を
有する絶縁層付き金属箔Aを形成した。
【0023】(実施例4)有機基材1として全芳香族ポ
リアミド繊維を用いたデュポン製のKevler布(坪
量30g/m2 )を使用した以外は、実施例1と同様に
した。そして170℃で120秒間の加熱で硬化するよ
うな半硬化状態の樹脂2を50重量%含有する絶縁層3
を形成して絶縁層付き金属箔Aを作成した。
【0024】(実施例5)有機基材1として全芳香族ポ
リアミド繊維を用いたデュポン製のKevler布(坪
量30g/m2 )を使用した以外は、実施例1と同様に
した。そして170℃で120秒間の加熱で硬化するよ
うな半硬化状態の樹脂2を60重量%含有する絶縁層3
を形成して絶縁層付き金属箔Aを作成した。
【0025】(実施例6)実施例2と同様にしてプリプ
レグを形成した。このプリプレグの一方の表面に実施例
1と同様の金属箔4を重ねると共に他方の表面に離型フ
ィルムを重ね、これを170℃の温度で10kg/cm
2 の圧力で30秒間加圧加熱する。このようにして樹脂
2を170℃で200秒間の加熱で硬化するような半硬
化状態にして有機基材1と樹脂2とで絶縁層3を形成す
ると共に絶縁層3と金属箔4を一体化することによっ
て、樹脂含有量が60重量%の絶縁層3を有する絶縁層
付き金属箔Aを形成した。
【0026】(実施例7)金属箔4として、三井金属株
式会社製のUTC箔(厚さ9μmの銅箔)にアルミニウ
ム箔(厚さ50μm)を裏打ちしたものを用いた以外
は、実施例2と同様にした。そして170℃で120秒
間の加熱で硬化するような半硬化状態の樹脂2を50重
量%含有する絶縁層3を形成して絶縁層付き金属箔Aを
作成した。
【0027】(比較例) 実施例1のワニスに対してスチレンブタジエン共重合体
を10重量部溶解させた。これを実施例1と同様の金属
箔4の表面に塗布して乾燥させた。そして170℃で1
20秒間の加熱で硬化するような半硬化状態の樹脂2で
厚み70μmに絶縁層3を形成して絶縁層付き金属箔A
を作成した。
【0028】上記実施例1乃至7と比較例について、表
1に示す項目で性能評価を行った。結果を表1に示す。
尚、レーザ加工性は実施例1乃至7と比較例を用いて多
層配線板を形成し、これにレーザで孔開けして孔の状態
を評価したが、実施例、比較例ともに良好となった。ま
た寸法変化率は樹脂2の硬化前の長さ寸法と硬化後の長
さ寸法を測定して求めた。
【0029】
【表1】
【0030】表1のように、実施例1乃至7では有機基
材1で樹脂2を強固に保持しているので絶縁層3から樹
脂2の欠落が生じなかったが、比較例では樹脂2だけで
あるので、樹脂2の欠落が生じた。また実施例1乃至7
では樹脂2のガラス転移温度が高くなったが、比較例で
はワニスを金属箔4に均一に塗布するためにスチレンブ
タジエン共重合体を配合しているので、樹脂2のガラス
転移温度は高くならなかった。また実施例1乃至7では
絶縁層3を有機基材1で補強しているので、寸法変化率
が小さく寸法安定性が高くなったが、比較例では樹脂2
のみで絶縁層3を形成したので、寸法安定性が低かっ
た。また実施例1乃至7を比べて判るように、有機基材
1の樹脂2の含有率を変えることによって、絶縁層3の
厚みを変えることができる。
【0031】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、有機基材に樹脂を含浸させると共に、これを乾
燥させて半硬化状態にした絶縁層金属箔の表面に設け
られた多層配線板製造用の絶縁層付き金属箔であって、
上記有機基材を全芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリエ
ステルで形成したので、樹脂を有機基材で保持して流れ
ないようにすることができ、絶縁層を厚く形成すること
ができるものであり、しかも有機基材の厚みや有機基材
の樹脂含有量を調整することによって、絶縁層の厚みを
容易に調整することができるものである。また樹脂を有
機基材で強固に保持することができ、絶縁層に樹脂の欠
落を生じさせないようにすることができるものである。
さらに有機基材で絶縁層を補強することができ、絶縁層
の寸法安定性を高くすることができるものである。また
全芳香族ポリエステル繊維などの吸湿率の小さい繊維で
形成される織布や不織布を有機基材として用いることに
よって、絶縁層の吸湿率を小さくすることができ、多層
配線板における絶縁層の電気絶縁性を高くすることがで
きるものである。加えて、金属箔に樹脂を直接塗工しな
いので、ガラス転移温度の低い樹脂しか用いることがで
きないなどの制約がなくなり、樹脂の種類の選択の幅を
広くすることができるものである。また有機基材を用い
ることによって、絶縁層のレーザ加工を容易に行うこと
ができ、ガラス不織布などのガラス基材を用いた場合の
ようにレーザ加工時に不良が発生しないようにすること
ができるものである。
【0032】また本発明の請求項2に記載の発明は、上
記有機基材として全芳香族ポリアミド繊維又は全芳香族
ポリエステル繊維で形成される織布あるいは不織布を用
いたので、有機基材に樹脂を保持させやすくすることが
でき、絶縁層を容易に形成することができるものであ
る。また本発明の請求項3に記載の発明は、有機基材に
含浸させた樹脂を170〜200℃で30〜200秒間
加熱して半硬化させたので、多層配線板に成形した後
に、絶縁層に空隙が生じないようにすることができると
共に多層配線板に成形する際に樹脂が流れ出して絶縁層
の厚み不良が生じないようにすることができるものであ
る。
【0033】また本発明の請求項4に記載の発明は、坪
量が30〜150g/m2 の有機基材を用いると共に絶
縁層の樹脂含有率を35〜70重量%に設定したので、
有機基材によって十分に絶縁層を補強することができる
と共に、多層配線板を形成する際に絶縁層の密着不足が
生じたり樹脂が流れ出して絶縁層の厚み不良が生じない
ようにすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】同上の製造方法の一例を示す概略図である。
【図3】(a)乃至(e)は多層配線板の製造方法を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 有機基材 2 樹脂 3 絶縁層 4 金属箔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−125149(JP,A) 特開 平1−295477(JP,A) 特開 平8−224832(JP,A) 特開 昭56−118852(JP,A) 特開 平3−221537(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/00 - 15/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機基材に樹脂を含浸させると共に、こ
    れを乾燥させて半硬化状態にした絶縁層金属箔の表面
    設けられた多層配線板製造用の絶縁層付き金属箔であ
    って、上記有機基材を全芳香族ポリアミド又は全芳香族
    ポリエステルで形成して成ることを特徴とする多層配線
    板製造用絶縁層付き金属箔。
  2. 【請求項2】 上記有機基材として全芳香族ポリアミド
    繊維又は全芳香族ポリエステル繊維で形成される織布あ
    るいは不織布を用いて成ることを特徴とする請求項1に
    記載の多層配線板製造用絶縁層付き金属箔。
  3. 【請求項3】 有機基材に含浸させた樹脂を170〜2
    00℃で30〜200秒間の加熱で硬化する半硬化状態
    にして成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    層配線板製造用絶縁層付き金属箔。
  4. 【請求項4】 坪量が30〜150g/m2の有機基材
    を用いると共に絶縁層の樹脂含有率を35〜70重量%
    に設定して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載の多層配線板製造用絶縁層付き金属箔。
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