JP3266520B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置

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JP3266520B2
JP3266520B2 JP25333696A JP25333696A JP3266520B2 JP 3266520 B2 JP3266520 B2 JP 3266520B2 JP 25333696 A JP25333696 A JP 25333696A JP 25333696 A JP25333696 A JP 25333696A JP 3266520 B2 JP3266520 B2 JP 3266520B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
インストルメントパネルに装着される助手席乗員用のエ
アバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平8−119053
号公報に記載されたエアバッグ装置が知られている。こ
のエアバッグ装置は、自動車の助手席の乗員を保護する
ためにインストルメントパネルなどに装着されるもの
で、ガスを噴射するインフレータと、このガスにより膨
脹展開する袋状のエアバッグと、これらインフレータお
よびエアバッグを収納するリテーナとを備えているとと
もに、エアバッグとインフレータとの間には、ガス挿通
口を形成したミッドリテーナが備えられている。
【0003】そして、自動車の衝突の際などには、イン
フレータから高温高圧のガスが噴射され、このガスがミ
ッドリテーナのガス挿通口を介してエアバッグの内部に
流入し、このエアバッグが膨脹展開して、助手席の乗員
を保護するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成におい
て、エアバッグの開口部の端末部をミッドリテーナに巻
き付け、強固に固定する構成が考えられる。一方、助手
席乗員用のインフレータは、長手方向の一端部からガス
が噴射されるため、ミッドリテーナの一端部に巻き付け
たエアバッグの端末部が高温のガスを正面から受けるこ
とになる。そこで、エアバッグの端末部を巻き付ける部
分の幅寸法は小さくすることが望ましいが、ミッドリテ
ーナは、金属板をプレス加工して形成されており、強度
の関係から所定の幅寸法以下に加工することが困難であ
る問題を有している。
【0005】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、エアバッグを強固に固定できるとともに製造が容
易なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のエアバッ
グ装置は、ガスを噴射するガス噴射部を設けたインフレ
ータと、このインフレータが噴射するガスが流入して膨
脹展開するエアバッグと、前記インフレータおよび前記
エアバッグを収納するリテーナと、前記インフレータと
前記エアバッグとの間に配設され前記リテーナに固定さ
れるミッドリテーナとを具備し、前記ミッドリテーナに
は、ガスが挿通するガス挿通口が開口された本体部と、
この本体部から折り曲げられて少なくとも一部が前記ガ
ス挿通口に接し、ガスの挿通方向にほぼ沿って延びる桟
部と、この桟部と略面一で一体に、前記桟部の反体側に
設けられた係止爪部とが設けられ、前記エアバッグに
は、前記桟部に沿って巻き付けて折り返した上で前記係
止爪部に係止されて固定される端末部が設けられたもの
である。
【0007】そして、この構成では、インフレータとエ
アバッグとの間に配置されるミッドリテーナにより、収
納されたエアバッグが所定の位置に保持される。そし
て、エアバッグは、端末部を桟部に沿って折り返して強
固に固定される。そして、桟部は、少なくとも一部がガ
ス挿通口に接し、ガスの挿通方向にほぼ沿って延びて設
けられており、ミッドリテーナは強度を確保しつつ板材
を加工して容易に形成される。さらに、桟部に沿って折
り返したエアバッグの端末部が受けるガスの衝突面積が
小さくなり、エアバッグが容易に保護されるとともに、
ガスが効率良くエアバッグの内部に供給される。また、
ミッドリテーナには、桟部と略面一に、エアバッグの端
末部を係止する係止爪部が設けられたため、エアバッグ
は、ミッドリテーナの係止爪部に端末部を係止して、容
易に固定されるとともに、展開するエアバッグから桟部
に作用する応力を桟部肉厚方向に受ける事ができる。ま
た、係止爪部は桟部と略面一に設けられ、エアバッグの
端末部が受けるガスの衝突面積の増加が抑制される。
らに、係止爪部は、桟部の反体側に設けたため、エアバ
ッグの端末部を係止する係止爪部について、桟部の反対
側に、かつ、桟部と面一に形成したため、折り返したエ
アバッグが容易かつ強固に係止されるとともに、エアバ
ッグがガスを受ける面積の増加が抑制される。また、桟
部は、本体部から折り曲げて形成したため、高さ方向に
面積を確保して、強度が確保されるとと もに、製造も容
易になる。
【0008】請求項記載のエアバッグ装置は、請求項
記載のエアバッグ装置において、エアバッグの端末部
は、外面より耐熱性が強く形成される内面をガス噴射部
に向けて折り返されて、係止爪部に係止されたものであ
る。
【0009】そして、この構成では、一般に外面より耐
熱性が強く形成される内面をガス噴射部に向けて折り返
すことにより、エアバッグが容易に保護される。
【0010】請求項記載のエアバッグ装置は、請求項
または2記載のエアバッグ装置において、ミッドリテ
ーナの桟部は、リテーナの内面に沿って設けられたもの
である。
【0011】そして、この構成では、エアバッグの展開
時などにおいて、ミッドリテーナの桟部の変形が、リテ
ーナの内面に当接することにより抑制され、エアバッグ
が強固に保持される。
【0012】請求項記載のエアバッグ装置は、請求項
1ないしいずれか記載のエアバッグ装置において、ミ
ッドリテーナの本体部には、桟部の両端部に連結する連
結部が設けられたものである。
【0013】そして、この構成では、簡略な構成で、ガ
スの挿通方向にほぼ沿って延びる桟部が強固に保持され
る。
【0014】請求項記載のエアバッグ装置は、請求項
記載のエアバッグ装置において、ミッドリテーナの桟
部は、ガス噴射部に対向する連結部に対して略90度折
り曲げて形成されたものである。
【0015】そして、この構成では、エアバッグの端末
部がガス噴射部に対向する部分の幅寸法が、ほぼ桟部の
板厚分として、受けるガスが最小限に抑制される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエアバッグ装置の
一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】図2および図3において、11は助手席乗員
用のエアバッグ装置で、このエアバッグ装置11は、自動
車の助手席の前側に位置するインストルメントパネルの
内側に取り付けられている。そして、このエアバッグ装
置11は、リテーナ14と、このリテーナ14にそれぞれ収納
された、インフレータ15、ミッドリテーナ16、およびエ
アバッグ17などを備えている。
【0018】そして、このリテーナ14は、例えば、断面
略U字状をなす側板21と、この側板21の両端部を覆う一
対の端板22とをスポット溶接などして、上側に開口23を
形成したいわゆる深絞り形状に形成されている。
【0019】また、このリテーナ14の側板21には、高さ
方向(深さ方向)の中間位置に、くびれるようにして内
側に向かい凹設された一対の凹設部24が形成され、この
凹設部24間に位置して、連通部25が形成されている。そ
して、この連通部25の上側に、エアバッグ17を収納する
エアバッグ収納室26が形成され、連通部25の下側に、イ
ンフレータ15を収納するインフレータ収納室27が形成さ
れている。
【0020】そして、図2に示すように、この凹設部24
の下面側には、上側すなわちエアバッグ17を収納するエ
アバッグ収納室26に向かって縮径するように傾斜する係
止受部31が前後に相対向して形成されている。また、前
後の係止受部31には、長手方向に沿って所定の間隔で、
それぞれ円孔状あるいは上側に突出部を形成した略鍵孔
状をなすリテーナ側取付孔が複数、本実施の形態ではそ
れぞれ3か所ずつ形成されている。
【0021】また、図2に示すように、リテーナ14の底
部には、ボルト34を固着した取付板35が固着され、自動
車の車体側の部材に固定されるようになっている。そし
て、図3に示すように、リテーナ14の両端板22の下部に
は、それぞれインフレータ取付孔36が形成されている。
さらに、図2に示すように、リテーナ14の側板21の前後
の上端部近傍には、それぞれ断面略C字状をなす係止爪
(マウスプレート)37が固着されている。
【0022】そして、これら係止爪37を用いて、リテー
ナ14の上側に、樹脂製のカバー体41が取り付けられ、上
側の開口23が覆われている。また、図2および図3に示
すように、このカバー体41には、インストルメントパネ
ルとほぼ面一に設けられる上板部42と、この上板部42の
下面側から突設された前後の脚片部43と、取付片部44と
などが一体に形成されている。そして、上板部42の裏面
側には、平面略H字状などをなす肉薄な破断線(テアラ
イン)42a が形成されている。また、前後の脚片部43
は、それぞれリテーナ14の外側に嵌合するとともに、こ
れら脚片部43に形成された通孔45に、リテーナ14の係止
爪37が係止され、カバー体41が固定されている。さら
に、各取付片部44は、インストルメントパネルの裏面側
などに係止されるようになっている。
【0023】また、インフレータ15は、図3に示すよう
に、ボンベ状の本体部47と、この本体部47の一端に設け
られたガス導出部48とを備え、リード線49を介してコン
トローラ(衝撃センサ)から伝えられる信号に基づき、
このガス導出部48の周面に複数開口形成したガス噴射部
48a から高温高圧などのガスを噴射するようになってい
る。なお、このインフレータ15は、本体部47の内側に、
圧縮ガスを充填したガス貯蔵室と、固体のガス発生剤を
充填したガス発生室とが、破断可能な隔壁を介して配置
された、いわゆるハイブリッドインフレータであるが、
内部に点火器および推進薬などを収納したガス発生室の
みを備えた構成とすることもできる。
【0024】また、このインフレータ15には、ガス導出
部48の先端部に、皿状の蓋部48b が固着されているとと
もに、本体部47の底部には、略円筒状のボルト部47b が
形成されている。そこで、このインフレータ15は、ボル
ト部47b を、一方のインフレータ取付孔36の外側から挿
入して、反対側のインフレータ取付孔36から外側に突出
させ、インフレータ取付孔36に蓋部48b を当接した状態
で、ボルト部47b にナット体50を螺合して締め付けるこ
とにより、リテーナ14のインフレータ収納室27に収納し
た状態で固定されるようになっている。
【0025】そして、ミッドリテーナ16は、図1ないし
図7に示すように、平面の外形が略矩形状をなす基板部
51およびこの基板部51の長手方向に沿った前後部が下方
に向かって傾斜して屈曲された一対の係止部52からなる
本体部53と、基板部51の長手方向の両端部に連結する桟
部54とが、例えば板厚1.6mmの1枚の鉄板などの金属
板を打ち抜き屈曲などするいわゆるプレス加工により一
体に形成されている。
【0026】そして、基板部51には、若干の外周の枠状
の部分を残しあるいは幅方向の全体にわたり、長手方向
に所定の間隔でガス挿通口55が複数形成されているとと
もに、これらガス挿通口55同士の間には、ガスの噴射方
向を調整する羽根部56が本体部53に一体に形成されてい
る。すなわち、各羽根部56は、それぞれリテーナ14の一
端側に位置するガス噴射部48a から噴射されるガスの方
向を規制して、エアバッグ17を所定の方向に突出させる
ように傾斜されている。
【0027】また、両端の桟部54は、所定の折曲線Aに
て基板部51に対して略90度下方に屈曲して形成され、
この桟部54の高さ寸法(桟幅)は約4mmに形成されてい
る。さらに、この桟部54の中央部は、両端に位置するガ
ス挿通口55に接して形成されており、この桟部54の長手
方向の両端部近傍に形成された帯状の連結部57により、
基板部51に連結されている。なお、この連結部57のガス
挿通口55に面する縁部は、係止部52側と桟部54側とを滑
らかに連接する曲面状に形成されている。
【0028】さらに、各桟部54の長手方向の中央部の上
側すなわち基板部51に対するインフレータ15の反対側に
は、各桟部54と面一に、上側の幅寸法が大きい略T字状
をなす係止爪部58が垂直状に一体に形成されている。す
なわち、これら桟部54および係止爪部58は、ガス挿通口
55を形成した基板部51に対して垂直状に形成されている
ため、図4などに示すように、平面図における投影面積
は、板厚のみとなるように形成されている。
【0029】また、各係止部52には、リテーナ14の各リ
テーナ側取付孔に対応して、締結部としてのボルト(ウ
ェルドボルト)61が一体的に固着して取り付けられてい
る。すなわち、これらボルト61は、図6などに示すよう
に、ねじ溝を形成したねじ部61b を係止部52に形成した
孔部を介して外側に突出した状態で、円板状の頭部61a
を係止部52の内側面に固着して固定されている。
【0030】さらに、一側の係止部52の下端の縁部から
は、長手方向に所定の間隔を介して、この係止部52と面
一に、先端側の幅寸法が大きい略T字状をなす係止爪52
a が一体に突設されている。
【0031】そして、このミッドリテーナ16は、図2に
示すように、各ボルト61をそれぞれリテーナ14のリテー
ナ側取付孔に挿入し、係止部52を係止受部31に当接して
係止された状態で、補強用のリテーナプレート62を介し
て各ボルト61にナット(M5ナット)63を螺合して締め
付けることにより、リテーナ14内部の連通部25に固定さ
れている。
【0032】一方、エアバッグ17は、図1ないし図3に
示すように、ミッドリテーナ16に嵌合可能な略四角状の
開口部65を有した袋状をなし、例えば、波状に折り畳ま
れたのちに一方向に巻き付けられた状態で、リテーナ14
内側のミッドリテーナ16の上側に位置してエアバッグ収
納室26に収納されている。そして、このエアバッグ17の
開口部65の前後の長辺の近傍は取付片部66となり、この
取付片部66には、リテーナ14の各リテーナ側取付孔に対
応して、エアバッグ側取付孔が複数形成されているとと
もに、この取付片部66の端縁部は、折り返されて袋状に
縫い合わされた上で内側に円柱状のピン(ロット棒)67
が挿入され、あるいは単に端縁部が複数回重ね縫いされ
て、開口部65の長手方向のほぼ全長にわたり、他の部分
より厚さ寸法が大きい膨大部68が形成されている。さら
に、一側の取付片部66には、ミッドリテーナ16の係止爪
52a に対応して、スリット状の係止溝が形成されてい
る。
【0033】また、図1に示すように、このエアバッグ
17の開口部65の両端の短辺の端縁部は、舌片状に延設さ
れ、端末部71が形成されている。そして、これら端末部
71には、それぞれミッドリテーナ16の係止爪部58に対応
して、スリット状の係止溝部72が形成されている。
【0034】さらに、このエアバッグ17は、内面が、シ
リコーンコーティングなどにより耐熱性が強い防炎面と
なっているとともに、両側部には、図示しない一対のガ
ス抜き用の円孔が形成されている。
【0035】そして、このエアバッグ17は、開口部65を
ミッドリテーナ16の上側に被せ、ミッドリテーナ16の各
ボルト61をそれぞれエアバッグ側取付孔に挿通し、取付
片部66の係止溝をミッドリテーナ16の係止爪52a に係止
するとともに、端末部71をミッドリテーナ16のガス挿通
口55に挿入し外側に折り返して係止溝部72を係止爪部58
に係止した状態で、ミッドリテーナ16に係止(締結)さ
れる。この状態で、ミッドリテーナ16を傾斜した状態で
リテーナ14の内側に挿入し、このミッドリテーナ16を回
転させてボルト61をそれぞれリテーナ14のリテーナ側取
付孔に挿入し、各ボルト61にナット63を螺合して締め付
けて固定することにより、取付片部66がリテーナ14の係
止受部31とミッドリテーナ16の係止部52との間に挟持さ
れるとともに、エアバッグ17の膨大部68が係止部52の端
縁部に係止され、取付片部66の係止溝がミッドリテーナ
16の係止爪52a に係止され、さらに、端末部71の係止溝
部72が係止爪部58に係止されて、確実に抜け止めされた
状態で、かつ、エアバッグ17の開口部65がリテーナ14の
連通部25を覆ってガス漏れを最小とした状態で、リテー
ナ14内でインフレータ15から所定の寸法だけ離間した所
定の位置に容易に収納されるようになっている。
【0036】なお、図1における、桟部54とリテーナ14
との間の間隙は、折り畳んだエアバッグ17を収納した状
態では、このエアバッグ17の膨らみにより、塞がれるよ
うになっている。
【0037】そして、このようにして構成されたエアバ
ッグ装置11は、自動車の衝突などの際に、図示しないコ
ントローラがこの衝撃を検出してインフレータ15を作動
させ、このインフレータ15から高温高圧の窒素ガスなど
のガスを噴射させる。すると、このガスは、ミッドリテ
ーナ16のガス挿通口55を介してエアバッグ17を押し上
げ、巻き込まれたエアバッグ17は回転しながらカバー体
41に衝突し、このカバー体41を破断線42a に沿って開裂
させ、エアバッグ17の突出口を形成する。続いてエアバ
ッグ17の内部にガスが吹き込まれると、このエアバッグ
17は、乗員側に向かって、あるいはフロントガラスに沿
って膨脹し、助手席の乗員の前方に展開して、この乗員
を衝撃から保護するようになっている。
【0038】そして、本実施の形態のエアバッグ装置11
によれば、エアバッグ17の開口部65の両端の端末部71を
ミッドリテーナ16の桟部54に沿って巻き付けて折り返し
た上で係止することにより、膨張展開時にもエアバッグ
17を強固に固定することができる。
【0039】そして、このエアバッグ17が巻き付けられ
る桟部54は、ガス挿通口55に接し、ミッドリテーナ16の
基板部51から垂直に、すなわち、ガスの挿通方向にほぼ
沿って延びて形成したため、インフレータ15から噴射さ
れるガスの直撃を受けるエアバッグ17の基布の面積を最
小すなわち桟部54の板厚程度として、エアバッグ17に対
するガスの熱的な影響を抑制して、エアバッグ17を強固
に保持することができる。さらに、エアバッグ17がガス
を受ける部分の面積を小さくできるため、インフレータ
15のガス噴射部48a からエアバッグ17に向かうガス流の
流動エネルギーの損失を軽減でき、ガスを効率良くエア
バッグ17の内部に供給することができる。
【0040】また、桟部54は、基板部51から折り曲げて
形成したため、高さ方向に面積を確保して、強度を確保
できるとともに、製造も容易にすることができる。すな
わち、従来、フラットな鉄板からガス挿通口を有するミ
ッドリテーナをプレス加工する場合、加工のためには、
桟部の幅は、材質により多少の違いはあるが、少なくと
も板厚の2〜3倍以上確保する必要があり、すなわち、
板厚を1.6mmとすると、桟部の幅は3.2mm〜4.8
mm以上確保する必要があり、さらに、プレス加工後の製
品強度の点からも、桟部の幅は4mm程度以上必要となっ
ている。そこで、本実施の形態のように、十分な桟部の
幅を確保した状態で打ち抜いた後に、ガス挿通部55に沿
った折線部Aで直角に折り曲げて桟部54を形成すること
により、製品強度を確保しつつ、桟部54の幅を最小と
し、エアバッグ17が受ける熱の影響を軽減できるミッド
リテーナ16を容易に形成でき、製造コストを低減するこ
とができる。
【0041】そして、エアバッグ17の端末部71を係止す
る係止爪部58についても、桟部54の反対側に、かつ、桟
部54と面一に形成したため、折り返したエアバッグ17を
容易かつ強固に係止できるとともに、エアバッグ17がガ
スを受ける面積の増加を抑制することができる。
【0042】また、桟部54が基板部51と面一に設けられ
た場合にはエアバッグ17展開応力が係止爪部58に掛かっ
た時、桟部54はその係止爪部58位置から湾曲変形しやす
いが、桟部54を基板部51から折り曲げて高さ方向に面積
を確保した場合には、その応力は桟部54肉厚方向に受け
止められ、応力に抵抗する強度が増し、変形量が少なく
なる。
【0043】さらに、エアバッグ17の端末部71は、内面
をガス噴射部48a に向けて桟部54に巻き付けられるた
め、耐熱性が強い防炎面をガス噴射部48a に向けること
ができ、エアバッグ17に対するガスの熱的な影響を抑制
することができる。
【0044】また、ミッドリテーナ16の桟部54は、リテ
ーナ14の端板22の内面に沿ってほぼ平行に配置されるた
め、エアバッグ17の展開時に、桟部54に大きな荷重が加
わった場合にも、変形しようとする桟部54はリテーナ14
に当接して変形が阻止され、エアバッグ17を強固に保持
することができる。
【0045】なお、上記の実施の形態では、エアバッグ
装置11をインストルメントパネルの上面に設けた実施の
形態について説明したが、リテーナ14の開口23を乗員側
に対向して設置してもよく、また、後部座席用のエアバ
ッグ装置、あるいは座席の側方に配置されるエアバッグ
装置などに適用することもできる。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載のエアバッグ装置によれ
ば、端末部を桟部に沿って折り返し、エアバッグを強固
に固定できる。そして、桟部は、少なくとも一部がガス
挿通口に接し、ガスの挿通方向にほぼ沿って延びて設け
たため、ミッドリテーナは強度を確保しつつ板材を加工
して容易に形成でき、製造コストを低減できる。さら
に、桟部に沿って折り返したエアバッグの端末部が受け
るガスの衝突面積を小さくでき、エアバッグを容易に保
護できるとともに、ガスを効率良くエアバッグの内部に
供給することができる。また、ミッドリテーナには、桟
部と略面一に、エアバッグの端末部を係止する係止爪部
が設けられたため、エアバッグは、ミッドリテーナの係
止爪部に端末部を係止して、容易に固定できるとともに
桟部がガス挿通孔と面一に設けられた場合に比べて、エ
アバッグから係止爪部に掛けられる展開応力に抵抗する
桟部の強度が大きく、変形量が少ない。また、係止爪部
を桟部と略面一に設けたため、エアバッグの端末部が受
けるガスの衝突面積の増加を抑制できる。さらに、エア
バッグの端末部を係止する係止爪部について、桟部の反
対側に、かつ、桟部と面一に形成したため、折り返した
エアバッグを容易かつ強固に係止できるとともに、エア
バッグがガスを受ける面積の増加を抑制することができ
る。また、桟部は、本体部から折り曲げて形成したた
め、高さ方向に面積を確保して、強度を確保できるとと
もに、製造も容易にすることができる。
【0047】請求項記載のエアバッグ装置によれば、
請求項記載の効果に加え、一般に外面より耐熱性が強
く形成される内面をガス噴射部に向けて折り返すことに
より、エアバッグを容易に保護することができる。
【0048】請求項記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1または2記載の効果に加え、エアバッグの展開
時などにおける、ミッドリテーナの桟部の変形を、リテ
ーナの内面に当接させることにより抑制でき、エアバッ
グを強固に保持することができる。
【0049】請求項記載のエアバッグ装置によれば、
請求項1ないしいずれか記載の効果に加え、簡略な構
成で、ガスの挿通方向にほぼ沿って延びる桟部を強固に
保持でき、強度を確保しつつ製造コストを低減すること
ができる。
【0050】請求項記載のエアバッグ装置によれば、
請求項記載の効果に加え、エアバッグの端末部がガス
噴射部に対向する部分の幅寸法を、ほぼ桟部の板厚分と
して、エアバッグの端末部が受けるガスを最小限にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示す
一部の断面図である。
【図2】同上エアバッグ装置の断面図である。
【図3】同上エアバッグ装置の断面図である。
【図4】同上エアバッグ装置のミッドリテーナの平面図
である。
【図5】同上エアバッグ装置のミッドリテーナの一部を
切り欠いた正面図である。
【図6】同上エアバッグ装置のミッドリテーナの側面図
である。
【図7】同上エアバッグ装置のミッドリテーナの製造工
程を示す曲げ加工前の平面図である。
【符号の説明】
11 エアバッグ装置 14 リテーナ 15 インフレータ 16 ミッドリテーナ 17 エアバッグ 48a ガス噴射部 53 本体部 54 桟部 55 ガス挿通口 57 連結部 58 係止爪部 71 端末部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスを噴射するガス噴射部を設けたイン
    フレータと、 このインフレータが噴射するガスが流入して膨脹展開す
    るエアバッグと、 前記インフレータおよび前記エアバッグを収納するリテ
    ーナと、 前記インフレータと前記エアバッグとの間に配設され前
    記リテーナに固定されるミッドリテーナとを具備し、 前記ミッドリテーナには、ガスが挿通するガス挿通口が
    開口された本体部と、この本体部から折り曲げられて
    なくとも一部が前記ガス挿通口に接し、ガスの挿通方向
    にほぼ沿って延びる桟部と、この桟部と略面一で一体
    に、前記桟部の反体側に設けられた係止爪部とが設けら
    れ、 前記エアバッグには、前記桟部に沿って巻き付けて折り
    した上で前記係止爪部に係止されて固定される端末部
    が設けられたことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 【請求項2】 エアバッグの端末部は、外面より耐熱性
    が強く形成される内面をガス噴射部に向けて折り返され
    て、係止爪部に係止されたことを特徴とする請求項
    載のエアバッグ装置。
  3. 【請求項3】 ミッドリテーナの桟部は、リテーナの内
    面に沿って設けられたことを特徴とする請求項1または
    記載のエアバッグ装置。
  4. 【請求項4】 ミッドリテーナの本体部には、桟部の両
    端部に連結する連結部が設けられたことを特徴とする請
    求項1ないしいずれか記載のエアバッグ装置。
  5. 【請求項5】 ミッドリテーナの桟部は、ガス噴射部に
    対向する連結部に対して略90度折り曲げて形成された
    ことを特徴とする請求項記載のエアバッグ装置。
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