JP3266302B2 - 回転するシャフトのシール装置 - Google Patents

回転するシャフトのシール装置

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JP3266302B2 JP06138192A JP6138192A JP3266302B2 JP 3266302 B2 JP3266302 B2 JP 3266302B2 JP 06138192 A JP06138192 A JP 06138192A JP 6138192 A JP6138192 A JP 6138192A JP 3266302 B2 JP3266302 B2 JP 3266302B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用時に、汚染を
誘発する海水中に没し、リップパッキンおよび/または
リング状滑りパッキンからなる少なくとも1つのリング
状パッキンと、少なくとも1つのリング状パッキンを支
持するための少なくとも1つの支持リングからなる固定
された支持構造とを備え、支持構造には海水に対して開
口したリング状チャンバが形成され、リング状チャンバ
の開口にはリング状の汚れ除去部材が配置され、汚れ除
去部材は、リップパッキン様に形成され、一方がシャフ
トに結合され、他方が海水に接する最も外側の支持リン
グの前面に接触するように配置され、リング状チャンバ
内部は前記シャフトが回転するとき低圧状態に維持され
るようにした、回転するシャフトのシール装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】リング状チャンバ内が著しく汚れてしま
う前にこれを防止できるようにした従来のシール装置に
おいては、微小な汚れの粒子に対する汚れ防止効果が問
題となる。この場合、汚れの微粒子は、低圧状態とされ
たリング状チャンバ内において、リング状パッキンから
吸引されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、かかる欠点を克服すべく、上述のシール装置を
改良し、汚れの微粒子がリング状パッキンに寄せつけら
れないようにしたシール装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するた
め、本発明は、使用時に、汚染を誘発する海水中に没
し、リップパッキンおよび/またはリング状滑りパッキ
ンからなる少なくとも1つのリング状パッキンと、前記
少なくとも1つのリング状パッキンを支持するための少
なくとも1つの支持リングからなる固定された支持構造
とを備え、前記支持構造には海水に対して開口したリン
グ状チャンバが形成され、前記リング状チャンバの開口
にはリング状の汚れ除去部材が配置され、前記汚れ除去
部材は、前記リップパッキン様に形成され、一方がシャ
フトに結合され、他方が海水に接する最も外側の前記支
持リングの前面に接触するように配置され、前記リング
状チャンバ内部は前記シャフトが回転するとき低圧状態
に維持されるようにした、回転するシャフトのシール装
置において、前記リング状チャンバを形成する海水に接
する最も外側の支持リングの壁に多孔質領域が形成さ
れ、前記多孔質領域は、海水が浸透し得る材料から形成
されているとともに、前記壁の海水に面する外側面から
前記壁の前記リング状チャンバに面する内側面まで広が
り、さらに、前記多孔質領域および前記リング状チャン
バを通って前記汚れ除去部材の方向に向かう海水の一定
の流れを維持するような透水性を有していることを特徴
とするシール装置を構成したものである。
【0005】この場合、外部海水からリング状チャンバ
内の多孔質領域を通ってリング状チャンバ開口に向かう
海水の流れによって、パッキンと反対方向に向かう海水
の循環が一定に維持され、それによって汚れの粒子がパ
ッキンに向かうことが阻止される。
【0006】DE−PS 3205538に記載の回転
するシャフトに対するシール装置においては、リング状
パッキンの前方にシャフトとともに回転するプレートが
配置され、海水の循環とともに作動する排水部材が配置
され、この海水の循環経路内の流れに向かう側に多孔質
層が配置されている。しかしながら、このシール装置で
は、シールすべき媒体が、汚染を誘発する海水である場
合でなく、空気と液体との混合物、特に、内燃機関のク
ランク室内で発生する霧状オイルである場合が問題とな
っている。このため、多孔質層は、汚れ除去手段として
ではなく、むしろ気体と液体との混合物において、液体
相を気体相から分相する手段として機能する。
【0007】特許請求の範囲の引用形式請求項には、本
発明の多くの好ましい実施例が記載されている。請求項
2に記載の実施例では、海水に面する最も外側の支持リ
ングの内部に多孔質層が形成される。これは、軸方向の
スペースが制限されている場合に好ましい構成である。
請求項3に記載の実施例は、スペース上の問題が生じな
い場合に適した構成を有している。
【0008】請求項4に記載の実施例では、リング状チ
ャンバを通じた海水の循環が促進され、これは、汚染さ
れた海水中での長時間にわたるシャフトの駆動の後、多
孔質領域の孔の目詰まりを回避しなければならない場合
に、特に重要である。請求項5に記載の実施例では、と
きどき、多孔質領域の自動的な掃除が確実に行え、長時
間にわたる運転の後の多孔質領域の孔の目詰まりが防止
される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の2つの実施例について説明する。図1および図2に
おいて、番号3は船舶のプロペラシャフトを表してお
り、プロペラシャフト3は、シャフトスリーブ2にこれ
と共に回転可能に取り付けられている。シャフトスリー
ブ2のフランジ2aは、一部分を図示したプロペラ1に
固定されている。
【0010】シャフトスリーブ2上には3つのリップパ
ッキン10a〜10cが、互いに離れて配置されてお
り、そのうちの2つのパッキン10b、10cは、シー
ルすべき外部海水Wに、また残りの1つのパッキン10
aは、(図示はしない)シャフト軸受けの潤滑オイル室
Sにそれぞれ向けられている。
【0011】リップパッキン10a〜10cは、それぞ
れ、2つの支持リング4、5、6、7の間に挟持されて
いる。支持リングは互いに結合し、全体として船舶の船
尾管取り付け部材Nに固定される。図1および図2にお
いて、最も外側に位置する支持リング7内における、外
部海水Wに面する最も外側のリップパッキン10cと外
部海水Wとの間に位置する部分には、外部海水Wに向か
って開口するリング状チャンバ9が形成されている。そ
して、このリング状チャンバ9の開口の前には、リング
状の、実質上U字形状の軸方向断面を有する汚れ除去部
材8が配置されている。この汚れ除去部材8の一方の脚
8aは、シャフトスリーブ2にこれと共に回転可能に固
定され、他方の脚8bは、外部海水Wに面する最も外側
の支持リング7の前面に接触している。
【0012】図1および図2において、前述の他方の脚
8bは支持リング7に面する側に翼12を備えており、
この翼の回転によってリング状チャンバ9内が低圧状態
となる。さらに、リング状チャンバ9を形成する海水に
接する最も外側の支持リング7の壁に多孔質領域7aが
形成されている。多孔質領域7aは、外部海水Wが浸透
し得る材料から形成されているとともに、壁の海水Wに
面する外側面から壁のリング状チャンバ9に面する内側
面まで広がっており、さらに、多孔質領域7aおよびリ
ング状チャンバ9を通って汚れ除去部材8の方向に向か
う海水の一定の流れを維持するような透水性を有してい
る。それによって、汚れの粒子が多孔質領域7aに吸着
され、汚れの粒子を有しない海水だけが、リップパッキ
ン10cに到達する。
【0013】図1の実施例と図2の実施例とは、多孔質
領域の構成が異なっているだけである。すなわち、図1
の実施例では、支持リング7の一部を透水性を有するよ
うに変質させたものとして多孔質領域を形成したのに対
し、図2の実施例では、支持リング7および支持リング
6の間に挟持された、多孔質材料からなる独立な支持リ
ング11によって、多孔質領域を形成したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】3つのリップパッキンおよび請求項2に記載し
た多孔質領域を有するシール装置の側断面図である。
【図2】請求項3に記載した多孔質領域を有する、図1
の装置に類似のシール装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 プロペラ 2 シャフトスリーブ 3 プロペラシャフト 4、5、6、7 支持リング 7a 多孔質領域 8 汚れ除去部材 9 リング状チャンバ 11 多孔質領域(独立な支持リング) 12 翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギュンター ピーチュ ドイツ連邦共和国、2000 ハンブルグ 62、ヴリートカンプ 16 (56)参考文献 特開 昭64−1692(JP,A) 特開 昭64−1693(JP,A) 特開 平2−11969(JP,A) 実開 平1−148171(JP,U) 実開 昭63−49055(JP,U) 実開 昭61−150299(JP,U) 特公 昭50−78(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 15/32 311

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用時に、汚染を誘発する海水中に没
    し、リップパッキンおよび/またはリング状滑りパッキ
    ンからなる少なくとも1つのリング状パッキンと、前記
    少なくとも1つのリング状パッキンを支持するための少
    なくとも1つの支持リングからなる固定された支持構造
    とを備え、前記支持構造には海水に対して開口したリン
    グ状チャンバが形成され、前記リング状チャンバの開口
    にはリング状の汚れ除去部材が配置され、前記汚れ除去
    部材は、前記リップパッキン様に形成され、一方がシャ
    フトに結合され、他方が海水に接する最も外側の前記支
    持リングの前面に接触するように配置され、前記リング
    状チャンバ内部は前記シャフトが回転するとき低圧状態
    に維持されるようにした、回転するシャフトのシール装
    置において、 前記リング状チャンバ(9)を形成する海水に接する最
    も外側の支持リング(7)の壁に多孔質領域(7a、1
    1)が形成され、前記多孔質領域(7a、11)は、海
    水が浸透し得る材料から形成されているとともに、前記
    壁の海水に面する外側面から前記壁の前記リング状チャ
    ンバ(9)に面する内側面まで広がり、さらに、前記多
    孔質領域(7a、11)および前記リング状チャンバ
    (9)を通って前記汚れ除去部材(8)の方向に向かう
    海水の一定の流れを維持するような透水性を有している
    ことを特徴とするシール装置。
  2. 【請求項2】 前記多孔質領域(7a)は、前記支持リ
    ング(7)の前記リング状チャンバ(9)を形成する壁
    の構造を前記透水性を有するように変質させることによ
    って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    シール装置。
  3. 【請求項3】 前記多孔質領域は、前記海水に接する最
    も外側の支持リング(7)とこれに隣接する支持リング
    (6)との間に挟持された、多孔質材料からなる独立の
    支持リング(11)として形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載のシール装置。
  4. 【請求項4】 前記汚れ除去部材が、翼または螺旋状の
    溝のような、動力学的に作用する排水要素(12)を備
    えており、前記排水要素(12)は、前記シャフト
    (2)が回転するときポンプ作用を奏することによっ
    て、海水(W)が前記リング状チャンバ(9)の開口か
    ら外部へ排出されることを特徴とする請求項1〜請求項
    3のいずれか1項に記載のシール装置。
  5. 【請求項5】 前記排水要素(12)は、前記シャフト
    の反転運動の間に、前記多孔質領域(7a、11)を通
    じた海水の流れの方向を反転させるように形成されてい
    ることを特徴とする請求項4に記載のシール装置。
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