JP3265216B2 - 自動販売機の押圧付勢装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、前後方向に並べて
収納された箱型商品等を最前部の商品より順次下方に送
出して販売し、残り商品を後方より前方側に付勢して順
次前方側に送出する押圧付勢装置を備えた自動販売機の
押圧付勢装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、押圧付勢装置は例えば特公昭６３
−６１００７号公報に記載されているものが知られてい
る。

【０００３】以下、図面を参照しながら上記従来の押圧
付勢装置を説明する。図７は従来の押圧付勢装置を備え
た商品収納装置である。図７において、商品収納装置１
は、商品１２を収納する商品収納ケース７と、商品収納
ケース７の内部に商品１２を押圧付勢する押圧付勢装置
６とから構成されている。商品収納ケース７の内側には
レール１９を設け、商品収納ケース７の前端部には押圧
付勢装置６の弾性部材１０前端部支持用の支持片２０を
設けられている。また、押圧付勢装置６は、後向きコの
字状の支持枠２１を備えており、支持枠２１の両側板２
２前方向略中央部には下向きの軸受溝２３が設けられて
いる。

【０００４】以上のように構成された押圧付勢装置を備
えた商品収納装置について、以下その動作を説明する。

【０００５】商品１２が商品収納ケース７に前後方向に
重ねて収納されている場合、商品１２は、押圧付勢装置
６と係合している支持枠２１により、後方から前方へ押
圧付勢されている。そこで、前方の商品１２から取出す
度に、押圧付勢された残りの商品１２が順次前方へ送ら
れる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成は、弾性部材１０が商品収納ケース７の内側に
露出しているため、弾性部材１０を容易に触れることが
できた。そのため、弾性部材１０は、変形しやすく、弾
撥復元力に悪影響を及ぼしていた。更に、商品１２を商
品収納ケース７に収納している時などに弾性部材１０が
切断した場合、弾撥復元力により弾性部材１０が鞭状に
飛出す恐れがあった。

【０００７】本発明は、従来の課題を解決するもので、
渦巻き状の弾性部材１０を商品収納ケース７内に露出す
ることを防ぐ事により手で触れる等がなく、弾性部材１
０を変形させたり傷つける事なく、安定な弾撥復元力を
得ることができる自動販売機の押圧付勢装置を提供する
ことを目的とする。

【０００８】また、上記従来の構成は、押圧付勢装置６
に係合された支持枠２１の商品１２に対する接触面が商
品１２の長手方向に対して平行に立設していたため、商
品１２の形状または商品１２の収納時の傾き等により、
商品１２と支持枠２１の接触部が一定部分に決まらない
ため、押圧付勢装置６の擢動抵抗が安定せず弾撥復元力
にばらつきが生じていた。

【０００９】本発明の他の目的は、従来の課題を解決す
るもので、押圧付勢装置６の前面１８に商品１２と当接
する凸面を備えることにより、押圧付勢装置６の擢動抵
抗を安定させるため、商品１２に安定した弾性部材１０
の弾撥復元力を伝える事ができる自動販売機の押圧付勢
装置を提供することを目的とする。

【００１０】また、上記従来の構成は、押圧付勢装置６
に係合された支持枠２１の商品１２に対する接触面が小
さかったため、商品１２が倒れ易いという問題があっ
た。また、自動販売機に適用しようとすると、残り１個
の商品払出時に、商品が扉片１７による押圧力により回
転し、押圧付勢装置６の商品１２を支持する前面より離
脱して、押圧付勢装置６の下側へ潜り込み、商品払出不
良が生じるという問題があった。

【００１１】本発明の他の目的は、従来の課題を解決す
るもので、押圧付勢装置６の前面に商品１２の倒れを支
持する係止面１４を備えることにより、商品１２が倒れ
ることなくスムーズに順次送ることができる自動販売機
の押圧付勢装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の自動販売機の押圧付勢装置は、請求項１に
関わる発明は、押圧付勢装置の内部空間に形成される軸
と、押圧付勢装置の内部空間に回転自在に軸支された回
転ドラムと、一端が前記軸に回転自在に軸支され、他端
が前記回転ドラムに係止された全体としてＳ字渦巻き状
に形成された弾性部材と、一端が前記回転ドラムに係止
された前記回転ドラム上に巻かれた屈曲自在の帯とを備
えた構成としたものである。

【００１３】これにより、Ｓ字渦巻き状の弾性部材を商
品収納ケース内に露出する事がないので、手で触れる等
が出来ないため、弾性部材を変形させたり、傷付ける事
がなくなり、安定な弾撥復元力を得る事が出来る。

【００１４】また、さらに、請求項２に記載の発明は、
請求項１に記載の発明に、さらに、押圧付勢装置の前面
に商品と当接する凸面と前記凸面に対して平行でかつ落
差を与えた前面とを備えた構成としたものである。

【００１５】これにより、押圧付勢装置が商品と当接す
る部位が一定となり、押圧付勢装置に生じる摺動抵抗が
安定するため、商品に対し弾性部材の安定した弾撥復元
力を伝える事が出来る。

【００１６】また、さらに、請求項３に記載の発明は、
請求項１または２に記載の発明に、さらに、押圧付勢装
置の前面の延長上に突出した係止面を備え、前記押圧付
勢装置の下側へ商品が潜り込むことを防止したことを特
徴としたものである。

【００１７】これにより、前方の商品が払出しまたは取
除かれた場合に、押圧付勢装置により残り商品が前方へ
牽引される時に、商品の傾き等により倒れるのを防ぐ事
が出来る。特に、自動販売機の場合には、残り１個の商
品を払出す時に、商品が扉片による押圧力により、回転
し、押圧付勢装置の商品を支持する前面より離脱して、
押圧付勢装置の下側へ潜り込み、商品払出不良となるの
を防ぐ事が出来る。

【００１８】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、商品を前後方向に重ねて収納する樋状の商品収納ケ
ースと、前記商品収納ケース内を後方より前方側に付勢
する押圧付勢装置と、前記商品収納ケースの最前部に固
定して商品通過可能な間隙を下方に設けた商品係止板
と、商品払出装置を設けた自動販売機の商品収納装置に
おいて、前記押圧付勢装置の内部空間に形成される軸
と、押圧付勢装置に回転自在に軸支された回転ドラム
と、一端が前記軸に回転自在に軸支され、他端が前記回
転ドラムに係止された全体としてＳ字渦巻き状に形成さ
れた弾性部材と、一端が前記回転ドラムに係止された前
記回転ドラム上に巻かれ他端が商品収納装置前端部に固
定された屈曲自在の帯とを備えたものであり、前記商品
が前記商品収納ケースに前後方向に重ねて収納されてい
る場合、前記商品は、前記押圧付勢装置により、後方か
ら前方へ押圧付勢されている。そこで、前方の前記商品
から取出す度に、押圧付勢された残りの前記商品が順次
前方へ送られる構成としたものである。この構成によ
り、渦巻き状の前記弾性部材を前記商品収納ケース内に
露出することなく、安定な弾撥復元力を得ることができ
るという作用を有す。

【００１９】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の発明に、さらに、押圧付勢装置の前面に商品と当接す
る凸面と前記凸面に対して平行でかつ落差を与えた前面
を備えたものであり、前記商品が前記商品収納ケースに
前後方向に重ねて収納されている場合、前記商品は、前
記押圧付勢装置の前面に突出した前記凸面により、後方
から前方へ押圧付勢されている。そこで、前方の前記商
品から取出される度に、押圧付勢された残りの前記商品
が順次前方へ送られる構成としたものである。これによ
り、前記商品に安定した前記弾性部材の弾撥復元力を伝
える事ができるという作用がある。

【００２０】請求項３に記載の発明は、請求項１または
２に記載の発明に、さらに、押圧付勢装置の前面の延長
上に突出した係止面を備え、前記押圧付勢装置の下側へ
商品が潜り込むことを防止したことを特徴としたもので
あり、前記商品が前記商品収納ケースに前後方向に重ね
て収納されている場合、前記商品は、前記押圧付勢装置
により、後方から前方へ押圧付勢されている。そこで、
前方の前記商品から取出す度に、押圧付勢された残りの
前記商品が順次前方へ送られる構成としたものである。
これにより、前記商品が前方のものから取出され、残り
の前記商品が前記押圧付勢装置にて前方に送られる時に
前記商品が倒れることなくスムーズに順次送ることがで
きるという作用がある。

【００２１】以下、本発明による自動販売機の商品検知
装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明す
る。尚、従来と同一構成については、同一符号を付して
詳細な説明を省略する。

【００２２】（実施の形態１）図１は、本発明の実施の
形態１による自動販売機の押圧付勢装置を備えた商品収
納装置の斜視図である。図２は、本発明の実施の形態１
による前記商品収納装置と前記押圧付勢装置と前記商品
収納ケースに充填された前記商品の側面図である。図３
は、本発明の実施の形態１による自動販売機の前記押圧
付勢装置の詳細図である。図４は、本発明の実施の形態
１による前記押圧付勢装置の斜視図である。図５は、自
動販売機の従来の押圧付勢装置による商品搬出不良状態
を示す説明図である。図６は、本発明の実施の形態１に
よる自動販売機の押圧付勢装置による商品搬出状態を示
す説明図である。

【００２３】図１，図２，図３および図４において、１
は商品収納装置であり、商品収納装置１の構成部品であ
る基台２の上面後方に駆動部３と押片４を備えた商品払
出装置５が取り付けられている。さらに、基台２の下面
には押圧付勢装置６が取り付けられている。商品収納装
置１の下部に設けた商品収納ケース７は、上端の吊り下
げフック７ａと基台２の両側面に突起させた吊り下げピ
ン２ａの係合によって、基台２と着脱可能に取り付けら
れている。基台２の下に設けられた押圧付勢装置６は、
基台２の下面に固定した図示されていないレールの内側
で押圧付勢装置６の上部に回転自在に軸支された前後二
列のローラー６ａが、摺動自在に架設されて構成されて
いる。押圧付勢装置６の内部空間には、押圧付勢装置６
の側面に隆起した軸６ｂと押圧付勢装置６の側面に回動
自在の回転ドラム８と、同じく径の異なる回転自在の支
持軸９が構成されている。また、Ｓ字渦巻き状の弾性部
材１０の一端が軸６ｂにより回転自在に支持され、他端
は回転ドラム８に係止されている。また、屈曲自在の帯
１１の一端が回転ドラム８に係止して巻かれており、更
に、支持軸９により帯１１の案内をするよう形成されて
いる。また、帯１１の他端は基台２の前端に固定して取
付けられている。また、押圧付勢装置６の前側には、商
品１２と当接する凸面１３と、商品１２の倒れを支持す
る係止面１４とを備えている。

【００２４】この押圧付勢装置６によって、商品収納ケ
ース７内で押圧付勢装置６前方の前後方向に重ねて収納
されている商品１２は、前記渦巻き状の弾性部材１０の
弾撥復元力が働き、帯１１を巻き取る事で、前方に付勢
された状態で収納されている。

【００２５】商品収納ケース７は、商品１２を前後方向
に重ねて収納する樋状の形状からなり、最前部には、商
品係止板１５を固定し、最前部下方には、商品送出口１
６に扉片１７を備えた構成となっている。この扉片１７
は商品送出口１６の出口端に軸支され、図示されていな
いねじりばねによって閉じる方向に付勢されている。商
品係止板１５は前面から透視して収納された商品１２が
確認できるよう、透光性材料からなり、前面の商品係止
面１５ａと商品係止板左右側面１５ｂによりＵ型断面を
形成している。

【００２６】以上のように構成された自動販売機の商品
検知装置について、以下その動作について図１，図２，
図３，図４，図５および図６を用いて説明する。

【００２７】まず、図１より、販売待機時には、商品収
納ケース７に充填された複数の商品１２が押圧付勢装置
６の前で前記Ｓ字渦巻き状の弾性部材の弾撥復元力によ
って、前方の商品係止板１５に付勢された状態で収納さ
れている。

【００２８】次に、販売信号が入ると、駆動部３と押片
４を備えた商品払出装置５の作動により、押片４が上方
から下方へ移動し、商品収納ケース７の最前部にある商
品１２を下方に押し下げていく。さらに、先端の押片４
によって押し下げられた商品１２によって、商品送出口
１６を閉鎖していた扉片１７が押し開けられ、商品１２
が下方に送出され下方に落下する。商品１２が下方に送
出され下方に落下した後、押片４は下方から上方へ移動
し、待機状態の位置に復帰し、作動を終了する。また，
このとき、最前列の商品１２が送出されて空いた空間に
は、押圧付勢装置６がＳ字渦巻き状の弾性部材１０の弾
撥復元力で、商品収納ケース７内の商品１２を商品係止
板１５の位置まで送り出し、次回の商品販売まで販売待
機状態となる。

【００２９】図３に押圧付勢装置６の詳細斜視図を示
す。Ｓ字渦巻き状の弾性部材１０はＳ字状に巻かれてお
り、一端を軸６ｂにて回転自在に支持されている。ま
た、他端は押圧付勢装置６に回転自在に構成されている
回転ドラム８に係止されている。弾性部材１０は、軸６
ｂの方向に巻き取ろうとする弾撥復元力を有しているた
め、回転ドラム８にトルクを発生させ、そのため、同回
転ドラム８に係止されている帯１１を巻き取る構成にな
っている。したがって、帯１１の他端は基台２の前端に
固定して取付けられているため、押圧付勢装置６に前方
へ移動しようとする力が生じる。この構成により、弾性
部材を直接手で触れる事ができない構成となっている。

【００３０】また、図４において、押圧付勢装置６の前
面１８に商品と当接する凸面１３を備える事により、商
品１２が凸面１３のみに当接し、押圧付勢装置６のロー
ラー６ｂ支持部に対し、一定のモーメントを付加させる
事が出来、押圧付勢装置６の安定した牽引力が得られ
る。

【００３１】また、図４および図６において、押圧付勢
装置６の前面１８に対して、延長上に突出した係止面１
４を備える事により、商品の傾き等により倒れる事なく
スムーズに順次送る事が出来、また、図５，図６に示す
様に、残り１個商品の払出し時に、係止面１４がない場
合は図５に示す様に商品１２が押片４により払出そうと
する時、扉片１７による押圧力により回転し、押圧付勢
装置６の商品１２を支持する前面１８より離脱して押圧
付勢装置６の下側へ潜り込むという搬出不良が生じる恐
れがあったが、係止面１４がある事により、図６に示す
様に、係止面１４が商品の潜り込みを防止するため、こ
の様な搬出不良を防ぐ事が出来る。

【００３２】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、弾性部材
やその他の構成部材がむやみに触れられることないた
め、弾性部材の塑性変形等による押圧付勢装置の牽引力
不良または故障が減少し、また、汚れ等による影響も減
少し、安定した性能が得られる。

【００３３】また、押圧付勢装置と商品との接触面が限
定されるため、商品の外形形状・寸法、収納時の配置ば
らつき等があっても、押圧付勢装置には常に一定のモー
メントが付加され、押圧付勢装置の擢動抵抗のばらつき
が減少し、安定した性能が得られる。

【００３４】またさらに、押圧付勢装置の前面の延長上
に突出した係止面を備える事により、商品の長さ寸法の
大小・外形形状にかかわらず、商品を倒す等なく常に安
定した送り出しが出来、信頼性の向上が図れる。また、
残り１個商品の払出し時に商品が扉片による押圧力によ
り回転し、押圧付勢装置の商品を支持する前面より離脱
して押圧付勢装置の下側へ潜り込む様な搬出不良を防ぐ
事が出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による自動販売機の押圧付勢装置を備え
た商品収納装置の実施の形態１の斜視図

【図２】同実施の形態の自動販売機の商品収納装置の側
面断面図

【図３】同実施の形態の自動販売機の商品収納装置の押
圧付勢装置の要部切り欠き斜視図

【図４】同実施の形態の自動販売機の商品収納装置の押
圧付勢装置を示す斜視図

【図５】同実施の形態の自動販売機の商品収納装置の従
来の押圧付勢装置による商品搬出不良状態を示す断面図

【図６】同実施の形態の自動販売機の商品収納装置の本
発明の押圧付勢装置による商品搬出状態を示す断面図

【図７】従来の押圧付勢装置を備えた商品収納装置を示
す側面断面図

【符号の説明】

５ 商品払出装置 ６ 押圧付勢装置 ６ｂ 軸 ７ 商品収納ケース ８ 回転ドラム １０ 弾性部材 １１ 帯 １２ 商品 １３ 凸面 １４ 係止面 １５ 商品係止板 １８ 前面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−54698（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−43693（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−255154（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G07F 11/42 G07F 11/16

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品を前後方向に重ねて収納する樋状の
   商品収納ケースと、前記商品収納ケース内を後方より前
   方側に付勢する押圧付勢装置と、前記商品収納ケースの
   最前部に固定して商品通過可能な間隙を下方に設けた商
   品係止板と、商品払出装置を設けた自動販売機の商品収
   納装置において、前記押圧付勢装置の内部空間に形成さ
   れる軸と、前記押圧付勢装置の内部空間に回転自在に軸
   支された回転ドラムと、一端が前記軸に回転自在に巻き
   付けられ他端が前記回転ドラムに係止された全体として
   Ｓ字渦巻き状に形成された弾性部材と、一端が前記回転
   ドラムに係止された前記回転ドラム上に巻かれ他端が商
   品収納装置前端部に固定された屈曲自在の帯とを備えた
   自動販売機の押圧付勢装置。
2. 【請求項２】 押圧付勢装置に商品と当接する凸面と前
   記凸面に対して平行でかつ落差を与えた前面を備えた請
   求項１に記載の自動販売機の押圧付勢装置。
3. 【請求項３】 押圧付勢装置の商品と当接する前面の延
   長上に突出した係止面を備え、前記押圧付勢装置の下側
   へ商品が潜り込むことを防止したことを特徴とした請求
   項1または２に記載の自動販売機の押圧付勢装置。