JP3264120B2 - 空調装置 - Google Patents

空調装置

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JP3264120B2
JP3264120B2 JP33589794A JP33589794A JP3264120B2 JP 3264120 B2 JP3264120 B2 JP 3264120B2 JP 33589794 A JP33589794 A JP 33589794A JP 33589794 A JP33589794 A JP 33589794A JP 3264120 B2 JP3264120 B2 JP 3264120B2
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孝 山下
松雄 神谷
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日立プラント建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空調装置に係り、特に、
空調室に供給する空調空気の湿度の調整の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の一般的な空調装置1の構成
を示した図である。所定湿度より高い湿度の空気を冷却
して所定湿度の冷房用空調空気を得る場合、エアフィル
タ2を通過した空気は冷却部3において露点以下に冷却
される。これにより、湿度の高い空気は露点以下に冷却
されることにより凝縮するので除湿される。次に、除湿
のために必要以上に冷却した空気を加熱部4で所定温度
まで加熱する。また、所定湿度より低い湿度の空気を加
熱して暖房用空調空気を得る場合、エアフィルタ2を通
過した空気は冷却部3を素通りして加熱部4に達し、加
熱部4で所定の温度まで加熱される。加熱された空気は
湿度を所定湿度まで上げるために次の加湿部5で加湿さ
れる。そして、こうように温湿度が調整された空調空気
は送風機6により図示しない空調室に供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
空調装置1は、冷却部3で空気を除湿するために露点以
下に冷却するので、加熱部4で所定温度まで加熱しなく
てはならず空調エネルギーの点で得策とは言えない欠点
がある。また、空気中の水蒸気の凝縮による結露を利用
して除湿しているためにドレン水が発生する。そして、
このドレン水が空調装置1内の水溜まりや内壁面に残存
すると、空調装置1内に雑菌が発生し易い。これによ
り、雑菌を含んだ空調空気が供給されるという欠点があ
る。また、加湿部5で空気を加湿する際にも加湿水中の
雑菌の問題が懸念される。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、空調エネルギーを削減し、且つ空調空気の衛生
的品質が悪化しないようにできる空調装置を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明は前記目的を達成す
る為に、所定湿度の冷房用空調空気又は暖房用空調空気
を供給する空調装置に於いて、空調される空気の流れの
上流側に配置された加熱部と、前記空気の流れの下流側
に配置された冷却部と、前記加熱部と前記冷却部との間
に設けられ、水蒸気のみが選択的に透過する膜により前
記空気が流れる通路と該通路に隣接する空間部とに区分
けされた膜装置と、前記空間部を減圧する減圧手段と、
前記空間部に水を給水する給水手段と、を備え、前記所
定湿度より高い湿度の空気を冷却して冷房用空調空気を
得る場合には、膜装置、減圧手段、冷却部を運転すると
共に、所定湿度より低い湿度の空気を加熱して暖房用空
調空気を得る場合には、加熱部、膜装置、給水手段を運
転することを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明によれば、所定湿度より高い湿度の空気
を冷却して冷房用空調空気を得る場合には、空調される
空気は加熱部を素通りして、水蒸気のみが選択的に透過
する膜により前記空気が流れる通路と該通路に隣接する
空間部とに区分けされた膜装置に供給される。そして、
空気が前記通路を流れる一方、前記空間部は減圧手段に
より減圧される。これにより、通路を流れる空気中の水
蒸気のみが水蒸気のまま膜を透過して空間部側に達する
ので、湿度の高い空気中の水蒸気を凝縮させることなく
除湿することができる。次に、除湿された空気は冷却部
で所定温度まで冷却される。この時、空気の湿度が低く
なっているので、冷却する冷熱量を小さくできる。
【0007】また、所定湿度より低い湿度の空気を加熱
して暖房用空調空気を得る場合には、空調される空気は
加熱部で所定温度まで加熱されてから膜装置に供給され
る。この時、膜装置は減圧手段から給水手段に切り換え
ておく。これにより、膜装置の空間部には水が充填され
るので、水の水蒸気が膜を透過して通路を流れる空気に
与えられる。これにより、空気を加湿することができる
と共に、加湿される水蒸気はフィルタとしての機能を持
った膜を通過することで除菌されるので、加湿水中の雑
菌等の問題を解決できる。
【0008】
【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る空調装置
の好ましい実施例について詳説する。図1は本発明の空
調装置の実施例の構成図である。図1に示すように、空
調装置10は、エアフィルタ12、加熱部14、膜ユニ
ット16、冷却部18の順に空気が流れるように構成さ
れる。そして、所定の温度と所定の湿度に調整された空
調空気は送風機20により空調室(図示せず)に供給さ
れる。また、膜ユニット16は、膜装置30、真空ポン
プ32、送水ポンプ34及び膜装置30に対して真空ポ
ンプ32、送水ポンプ34の連結切り換えを行う切換装
置36で構成される。
【0009】膜装置は、図2に示すように、空気がその
内部を流れると共に水蒸気のみを選択的に透過する多数
のチューブ状の中空糸膜22、中空糸膜22の両端をそ
の連通孔24に支持する一対の支持板26、中空糸膜2
2を収納すると共に一方端に空気の入口を有し他方端に
出口を有する筒状のケーシング28とから構成される。
また、ケーシング28の側面には連結口38が形成され
ると共に、バルブ40で開閉可能な空気孔42が形成さ
れる。そして、連結口38は切換装置36を介して真空
ポンプ32と送水ポンプ34に連結される。これによ
り、バルブ40を閉じた状態で切換装置36を真空ポン
プ32側に切り換え、真空ポンプ32を作動するとケー
シング28内が減圧される。また、バルブ40を開成し
た状態で切換装置36を送水ポンプ34側に切り換え、
送水ポンプ34を作動するとケーシング28内に水が充
填される。
【0010】次に、上記の如く構成された本発明の空調
装置10の作用について説明する。先ず、空調装置10
に吸気される夏期の温かく湿った外気を所定湿度の冷房
用空調空気に調整する場合について説明する。この場合
は、エアフィルタ12、膜装置30、真空ポンプ32、
冷却部18を運転する。即ち、エアフィルタ12で除塵
された外気は、加熱部14を素通りして膜装置30に送
られて多数の中空糸膜22の内を流れる。この時、真空
ポンプ32でケーシング28内を減圧することで、中空
糸膜22内を流れる外気中の湿度分である水蒸気が水蒸
気のまま中空糸膜22を透過する。これにより外気の除
湿が行われる。除湿の程度はケーシング28内の減圧度
によって調節することができる。次に、除湿された外気
は冷却部18に送られて所定温度まで冷却される。これ
により、湿度の高い夏期の外気を外気中の水蒸気を凝縮
させることなく除湿することができると共に、湿度が低
減した後に冷却するので、冷却する冷熱量を小さくでき
る。
【0011】次に、空調装置10に吸気される冬期の冷
たく乾いた外気を所定湿度の暖房用空調空気に調整する
場合について説明する。この場合は、エアフィルタ1
2、加熱部14、膜装置30、送水ポンプ34を運転す
る。即ち、エアフィルタで除塵された外気は、加熱部1
4で所定温度まで加熱されてから膜装置30に送られて
多数の中空糸膜22内を流れる。この時、切換装置36
によりケーシング28の連結口は送水ポンプ34に切り
換えられている。そして、送水ポンプ34でケーシング
28内に水を充填することで、充填された水の水蒸気が
中空糸膜22を透過するので、中空糸膜22内を流れる
外気が加湿される。これにより、湿度の低い冬期の外気
を加湿することができると共に、加湿される水蒸気はフ
ィルタとしての機能を持った膜を通過することで除菌さ
れるので、加湿水中の雑菌等の問題を解決できる。
【0012】また、図示しないが、空調室に供給する空
調空気の湿度を検出する湿度センサを設けて、その検出
結果に基づいて切換装置36の切り換えを自動制御する
ようにしてもよい。また、本発明の空調装置は、所定湿
度の冷房用空調空気と暖房用空調空気の両方を得る構成
としたが、所定湿度の冷房用空調空気のみを得るよう
に、エアフィルタ12、膜ユニット16、冷却部18の
順に空気が流れるように構成することもできるし、所定
湿度の暖房用空調空気のみを得るように、エアフィルタ
12、加熱部14、膜ユニット16の順に空気が流れる
ように構成することもできる。
【0013】尚、本実施例では、除湿する膜として、チ
ューブ状の中空糸膜22の例で説明したが、これに限定
されるものではなく、例えば、筒体内を平膜で軸方向に
2つの通路に仕切って、一方に空気を通し、他方を減圧
したり、水を充填したりする構造にしてもよい。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空調装置
によれば、空調される空気の流れの上流側に加熱部を配
置すると共に、下流側に冷却部を配置し、加熱部と冷却
部との間に設けた、水蒸気のみが選択的に透過する膜を
備えた膜装置で除湿・加湿を行うようにした。これによ
り、従来の空調装置のように除湿するために一度空気の
露点温度まで冷却してから所定温度に加熱する必要がな
いので、空調エネルギを削減することができる。
【0015】また、加湿・除湿は膜装置により水蒸気の
状態、即ち気体の状態で行われるので、従来の空調装置
のように結露しない。従って、結露による菌の発生等の
衛生的問題を無くすことができるので、空調空気の衛生
的品質を改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る空調装置の実施例を説明
する構成図
【図2】図2は、膜装置を説明する断面図
【図3】図3は、従来の空調装置の構成図
【符号の説明】
10…空調装置 12…エアフィルタ 14…加熱部 16…膜ユニット 18…冷却部 20…送風機 22…中空糸膜 28…ケーシング 30…膜装置 32…真空ポンプ 34…送水ポンプ 36…切換装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−51651(JP,A) 特開 平6−58571(JP,A) 特開 昭63−315846(JP,A) 特開 昭58−8936(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 3/06 F24F 4/14 F24F 3/044

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定湿度の冷房用空調空気又は暖房用空
    調空気を供給する空調装置に於いて、 空調される空気の流れの上流側に配置された加熱部と、 前記空気の流れの下流側に配置された冷却部と、 前記加熱部と前記冷却部との間に設けられ、水蒸気のみ
    が選択的に透過する膜により前記空気が流れる通路と該
    通路に隣接する空間部とに区分けされた膜装置と、 前記空間部を減圧する減圧手段と、 前記空間部に水を給水する給水手段と、を備え、 前記所定湿度より高い湿度の空気を冷却して冷房用空調
    空気を得る場合には、膜装置、減圧手段、冷却部を運転
    すると共に、所定湿度より低い湿度の空気を加熱して暖
    房用空調空気を得る場合には、加熱部、膜装置、給水手
    段を運転することを特徴とする空調装置。
  2. 【請求項2】 空調された空調空気の湿度を検知する湿
    度センサを設け、この湿度センサの検知結果に基づいて
    減圧手段と給水手段の切り換えを自動制御することを特
    徴とする請求項1の空調装置。
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