JP3263716B2 - 半導体表面に対する洗浄効果評価法 - Google Patents

半導体表面に対する洗浄効果評価法

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JP3263716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスを
製造するプロセスで用いられる洗浄法の評価に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造に使用される半導
体としてはシリコンのほか、ガリウムヒ素やガリウムリ
ンのような化合物半導体が知られている。このような半
導体デバイスの中で大部分を占めているのはシリコンデ
バイスである。LSI や個別半導体のほとんどがシリコン
ウェーハに対してその表面に酸化膜、チッ化膜あるいは
ポリシリコン膜のような膜形成を形成する、フォトレジ
スト膜の微細加工を利用して膜の開口部にエッチング領
域を形成する、あるいは熱拡散やイオン注入により不純
物ドープ領域を形成する、などの加工工程を繰り返して
作られる。このような加工はもちろんクリーンルームの
中で行われるが、電気特性を不良化する重金属やアルカ
リ金属のような元素による化学汚染や、微細加工を損な
う微粒子汚染の機会が多い。従って、加工の各段階にお
いてウェーハの洗浄は繰り返す必要がある。当然洗浄力
の優れた洗浄方法が求められ、洗浄方法を選定するため
にはその洗浄効果を評価する方法が必要である。
【0003】製造の各加工段階で採用される洗浄方法
は、理想的にはその加工段階におけるウェーハの表面状
態に応じて必要かつ十分なものが選ばれるべきである
が、そのような選択は各洗浄方法に応じた洗浄装置を準
備する必要も招き、生産性を低下させるだけでなく、コ
ストの点でも不利である。そこで、いくつかの限られた
洗浄方法及び洗浄装置が全ての洗浄が行われているのが
実情である。
【0004】従来、シリコンウェーハ洗浄の洗浄効果を
評価する方法としては、放射性トレーサー法が知られて
いる。例えば、重金属汚染に対する洗浄法は、ほぼ全工
程においてSC-2洗浄と呼ばれる塩酸−過酸化水素−水の
混合液による洗浄が広く使われている。その洗浄法の開
発者は、この洗浄法の洗浄効果の評価を次のように放射
性トレーサー法で行っている。即ち放射性同位元素 198
Auで標識したAuを含むフッ酸系溶液に、シリコンウェー
ハを浸漬してウェーハ表面全面にこのAuを析出させて汚
染し、汚染したウェーハの放射能をシンチレーション計
数器で計数し(計数値A)、次にSC-2洗浄を行い、洗浄
後のウェーハの放射能を計数し(計数値B)、次式: で示される汚染物残存率が小さいほど洗浄効果が良い評
価した。不良が発生しない程度まで洗浄された表面の金
属不純物濃度は、1980年以前には化学分析的手法では信
頼度の高い測定が難しかったので、このような放射性ト
レーサー法が有効な洗浄評価法であった。
【0005】1980年以降では、ウェーハ表面をフッ酸で
気相分解してその分解物を集めて、フレームレス原子吸
光分法のような高感度分析法で、ウェーハ表面の平均的
金属濃度を定量できる(VPD-AA法)のようになった。こ
の分析法によれば、洗浄後が十分な清浄度であるという
ことを示す109 atoms/cm2 オーダの金属付着量の分析が
可能となった。洗浄効果を定量的に評価するためには、
洗浄前のウェーハ表面の不純物濃度を非破壊でかつさら
に汚染することなく分析する必要があるが、全反射螢光
X線分析法(TRXRF)が開発されたため、Siより重い金属
元素についてはこのような分析が可能になった。そこ
で、現在、半導体ウェーハの洗浄効果の評価は、評価対
象の金属元素でウェーハ表面をほぼ均一に汚染させた
後、TRXRF 分析で汚染濃度を分析し、しかる後に評価対
象の洗浄を行い、洗浄後の残存汚染量はVPD-AAで分析し
て、洗浄後の汚染元素の残存率を求める方法が使われて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、TRXRF は分析
可能な元素がシリコンより重い元素に限られる上、検出
感度は1010atoms/cm2 程度と不十分である。さらに汚染
濃度のむらが極端に高い試料では正確な分析値が得られ
ないといる欠点を有する。ウェーハ上の不純物濃度分布
はある程度得られるが、分解能は10mm位でよくない。ま
た、半導体製造プロセスで洗浄の対象となる表面には、
シリコン表面だけでなく、酸化膜、チッ化膜あるいはポ
リシリコン膜が形成された表面もあるが、TRXRF 法は、
酸化膜、窒化膜又はポリシリコン膜等のパターンが形成
された、凹凸のあるウェーハ表面の分析には本質的に適
しない。
【0007】また、VPD-AAで定量できるのは、前述のよ
うに、ウェーハ表面の平均的な金属濃度であって、ウェ
ーハ内の不純物濃度分布はまったく測定出来ない。しか
も表面汚染に対しては破壊検査なので、これによって分
析した試料に対して洗浄効果を評価する実験を直接行う
ことは出来ない。
【0008】本発明者は、シリコン表面がp型であるか
n型であるかにより、電気伝導度の違いにより、さらに
はイオン注入やリアクティブイオンエッチング等による
結晶欠陥の有無により、CuやAuのような重金属汚染に対
して洗浄効果に差が生じることを見出している。しか
し、上述した従来の方法で製造プロセス各段階における
このような様々な表面に対する洗浄効果を評価しようと
すると、各表面状態に応じた評価用ウェーハ試料を多数
準備し、かつその数だけ洗浄実験ならびに分析を行わね
ばならない。これは大変煩雑な作業である。そのため、
従来、各加工段階での洗浄効果の正確な評価は行われて
おらず、学会等でも各種洗浄法の評価は、やむおえず、
出発材料のシリコンベアウェーハを基準として行われた
ものが発表されているのが実情である。そこで、本発明
の目的は、1回の評価実験で、製造工程中に現れる複数
の表面状態に対する洗浄効果を評価することができる効
率的な洗浄効果評価方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、半導体ウェーハ表面を加工して半導体デ
バイスを製造するプロセスで出現する多様な表面状態の
汚染に対する特定の洗浄方法による洗浄効果を一挙に評
価する方法であって、(A) 複数の表面状態のそれぞれに
対応する複数の加工領域を、評価用半導体ウェーハの表
面に形成し、(B) こうして複数の加工領域が形成された
半導体ウェーハの表面を、放射性同位元素で標識した汚
染物質で汚染させ、(C) 次に、こうして汚染された表面
の放射能強度分布を第一の輝尽性螢光体層に潜像として
記憶させ、(D) 次に、前記の汚染された表面を評価対象
の洗浄方法で洗浄し、(E) こうして洗浄した表面の放射
能強度分布を第二の輝尽性螢光体層に潜像として記憶さ
せ、(F) 次に、第一及び第二の輝尽性螢光体層に記憶さ
れた放射能強度分布を画像として読み出し、解析するこ
とにより、各加工領域における洗浄の前後の放射能強度
を比較する、ことからなる、洗浄効果評価法を提供する
ものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、各工程ごとに本発明の方法
を説明する。説明はシリコンウェーハを例に行うが、本
発明の方法が適用される半導体は、シリコンに限らず、
例えばGaAs、GaP であってもよいことはいうまでもな
い。
【0011】(A) 工程 まず、半導体ウェーハの表面に、半導体デバイス製造プ
ロセスにおいて出現する多様な表面状態の内、評価しよ
うとする複数の表面状態にに対応する複数の加工領域を
独立に形成する。このような表面状態としては、例えば
シリコンウェーハを用いてMOS LSI デバイスを製造する
際に形成される、酸化膜、チッ化膜、あるいはポリシリ
コン膜等の膜が形成された表面、フォトレジスト開口領
域にエッチングで作られるエッチングされた表面、この
開口領域に形成される種々の濃度のドナーあるいはアク
セプターが熱拡散された表面、トレンチ構造形成と類似
条件で反応性イオンエッチング(RIE)を施した表面、及
びこのような膜開口部あるいはレジスト膜の開口部に種
々のドナーあるいはアクセプターのイオン注入を行った
表面等の状態が挙げられる。
【0012】このような加工領域は、通常はフォトリソ
グラフィ技術で作られるので、シリコンウェーハ上にい
かなる形状でも形成することができるが、測定効率を良
くするには、形状は方形あるいは円形が望ましい。ま
た、後述する輝尽性螢光体層(工程(B) )には露光中に
環境放射線により散点状のバックグランドを生じるの
で、洗浄後の残存放射線の検出限界の信頼度を確保する
ためには、加工領域面積は10mm2 以上あることが望まし
い。
【0013】実際のLSI では線幅1μm以下の微細加工
が行われているので、このような方形あるいは円形の加
工領域を微細パターンの膜、不純物ドープ領域あるいは
RIE領域の集合として形成することにより、洗浄効果に
及ぼす微細パターンの影響も同時に評価される。市販さ
れているイメージングプレートの分解能は最小で50μm
程度であるが、上記のような微細パターンでの放射能を
該加工領域全体の平均として測定できるので、十分に洗
浄効果の評価が可能である。
【0014】(B) 工程 上記のように複数の加工領域を形成した半導体ウェーハ
を、次に、放射性同位元素で標識した汚染物質で汚染さ
せる。ここで「汚染物質」とは、従来洗浄の評価対象と
なっている、有害金属、ハロゲン、硫酸、硝酸、リン酸
等の非金属、有機物及び微粒子を意味する。
【0015】本発明で使用される放射性同位元素は、半
導体製造工程の代表的な有害金属、即ちNa、Fe、Cr、N
i、Cu、Au、Zn、Ca等に対して、22Na、59Fe、51Cr、57N
i、64Cu、 197Au、65Zn、43Ca等である。これらの標識
された金属としては、比放射能の高いものの入手にさえ
留意すれば洗浄後において108 atoms/cm2 オーダの残存
が定量できる。例えば半減期の短い64Cuの場合、比放射
能は5TBq/g 以上であることが望ましい。
【0016】本発明の方法ではイメージングプレートの
特徴により、β線が高感度で測定できるので、このよう
な金属汚染だけでなく、最近注目されている非金属イオ
ン汚染に関しても、36Clや35SO4 を使うことにより、ま
た有機物汚染に関しては、14C による標識化合物を用い
ることにより、まったく金属汚染の場合と同様に評価で
きる。さらに微粒子に関しても、99m Tcで標識する装置
が市販されているので、同様にして評価が可能である。
【0017】このような放射性同位元素で標識した汚染
物質で半導体ウェーハを汚染するには、これらの元素を
含む溶液にウェーハを浸漬して吸着させる方法が一般的
である。金属は、その種類に応じ適宜塩化物、酢酸塩、
硝酸塩等の水溶性の塩の状態で用いればよいし、Cl-
SO4 --、PO4 3-- 等の非金属イオンに関してはその酸の
状態のものを使用すればよい有機物は水に溶けるものは
水溶液として、他の場合は溶剤に溶かして用いればよ
い。NaClのように加熱で気化できるものや、加熱で蒸発
できる有機物の場合、気相中で発生された微粒子の場合
には密閉容器内で気相からウェーハへ汚染させることが
できる。
【0018】(C) 工程 次に、汚染物質で汚染した、ウェーハの表面の放射能強
度分布を第一の輝尽性螢光体層に記憶させる。以下の
(C) 〜(F) の工程は、医療用診断技術として既に確立さ
れているコンピューテッドラジオグラフィ(CR)(digita
l radiography by imaging plateともいう)を応用する
ものである。
【0019】「輝尽性螢光体」とは、放射線を当てると
そのエネルギーが蓄積され、その後に可視光を当てると
再度励起され最初に当てた放射線に比例した寿命の短い
輝尽発光(Photostimulated fluorescence, PSF )を生
じる蛍光体である。このような輝尽性螢光体としては、
例えば、Eu+2をドープしたハロゲン化フッ化バリウム
(代表的なものはBaFBr )が知られている。
【0020】該蛍光体にあてる放射線に強度分布がある
とその分布に応じた蛍光体内に潜像(即ち、蓄積エネル
ギーの分布)を生じる。該蛍光体に可視光を当てると再
度励起され最初に当てた放射線に比例した輝尽発光(Ph
otostimulated fluorescence, PSF )を生じるが、この
発光は寿命が短いので、読取装置により、可視光を走査
し、輝尽発光量を光電子増倍管で検量すれば、潜像を画
像化することが出来る。輝尽性螢光体層を例えばポリエ
ステル製の基板上に形成したものがイメージングプレー
ト(IP)として知られ、富士写真フィルム(株)より市
販されている。
【0021】この(C) 工程では、(B) 工程で放射性同位
元素で標識した汚染物質を吸着したウェーハ面にイメー
ジングプレートの輝尽性螢光体層を密着させて露光する
と、ウェーハ表面における放射性同位元素の濃度分布が
輝尽性螢光体層に潜像として記憶される。
【0022】(D) 工程 次に、汚染したウェーハを評価対象である洗浄方法で洗
浄する。洗浄方法は特に制限されず、どのようなウェッ
ト洗浄、ドライ洗浄でも評価することができる。ウェッ
ト洗浄でも、ジェット液流を走査する方法やスクラバー
洗浄等も、装置が放射能管理区域内に設置できる場合は
本発明の方法で評価することができる。正確な評価のた
めには、洗浄条件の明確化が重要である。例えば、薬液
によるウェット洗浄の場合には、薬液の種類、その組
成、洗浄温度、洗浄時間、浸漬洗浄かスプレー洗浄か、
超音波併用の有無等の明確化が必要である。
【0023】(E) 工程 次に洗浄した半導体ウェーハ表面の放射能強度分布を再
度(C) 工程と同様にして別のイメージングプレートを用
いて第二の輝尽性螢光体層に記憶させる。
【0024】(F) 工程 次に、第一及び第二の輝尽性螢光体層に記憶された放射
能強度分布を画像として読み出し、解析することによ
り、各加工領域における洗浄の前後の放射能強度を比較
する。輝尽性螢光体層に記憶されたウェーハ表面の放射
能分布の読み出しは、通常、輝尽性螢光体層表面を赤色
レーザーで走査することにより行う。すると、記憶され
た放射線量(潜像)に比例した青色が発光する(輝尽発
光)ので、この青光を色フィルタで分離して測定するこ
とによりウェーハ表面の放射能分布を知ることができ
る。
【0025】例えば、富士写真フィルム(株)により販
売のイメージングアナライザーBAS2000 を用いると、発
光した青色は電気信号に変えられ一旦磁気ディスクに記
録され、記録されたデータは次にアナライザーのブラウ
ン管面で画像化される。即ち、ウェーハ面上の放射性同
位元素標識汚染物質の濃度分布が画像として得られる。
画像上では放射能強度(BAS2000 ではPSL という相対単
位で示される)を計測する領域を指定することにより、
自動的に解析が行われ、その指定領域内の放射能強度は
バックグランドPSL 値(BGと表示)を差し引いて1mm2
当たりの強度(PSL-BG) として画面上に表示される。同
一の放射性同位元素の既知量を含む標準試料を被検ウェ
ーハと同時に露光し、その標準試料について同様にして
(PSL-BG) 値を求めれば、被検試料の(PSL-BG) 値との
比較で、指定領域の元素濃度を定量することができる。
【0026】本発明では、洗浄前後のウェーハのイメー
ジングプレート露光によるウェーハ画像面のそれぞれに
おいて、加工領域部ではその領域内でできるだけ大きく
計測領域を指定し、また基体領域では同面積かそれ以上
の面積の測定領域を指定して、各領域の元素量を定量
し、洗浄後の元素量の洗浄前のものに対する比率で、洗
浄後残存率を求め、各領域に対する洗浄効果を一挙に知
ることができる。
【0027】
【実施例】次に実施例について詳細に説明するが、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。半導体デバ
イスの製造プロセスで洗浄により金属汚染を除去するの
を妨げる最大の要因は、ウェーハ表面に生じる結晶欠陥
及び形成された酸化膜等の膜の断面が露出して現れるウ
ェーハと膜との界面部分である。汚染元素の中でも、シ
リコン中や界面で拡散速度が最も速いCuがそれらの要因
の影響を最も受けやすい。しかもCuは一般製造プロセス
でウェーハが最も汚染を受ける機会の多い元素の一つで
ある。そこで実施例では除去対象の元素としてCuを用い
て以下の実験を行った。しかし、勿論上記した他の元素
に対しても同様の洗浄効果の評価ができることはいうま
でもない。Cuの放射性同位元素としては、64Cuを用い
た。即ち、当初使用時即ち評価ウェーハ汚染段階で比放
射能が約10TBq/g である、64Cuで標識した酢酸銅を計算
量添加して所定の濃度とした液に、複数の加工領域を設
けたシリコンウェーハを室温で10分浸漬して、被検ウェ
ーハ試料とした。
【0028】実施例1 フッ酸による洗浄とSC−2洗浄とを組み合わせた洗浄
方法の評価 この例では、シリコンウェーハ表面にベアシリコン表
面、酸化膜を形成した表面、シリコンにBを熱拡散させ
た表面、並びにRIE を行った表面のそれぞれからなる加
工領域を形成したのち、ウェーハ表面全体をCuで汚染
し、次にこの汚染ウェーハをSC-2洗浄法により洗浄し
た。各加工領域に対する洗浄効果を同時に評価した。直
径6インチのn型(100)Siウェーハ〔10〜20
Ωcm〕の表面に、図1に示すように、各表面状態を有
する3×3cm寸法の加工領域(1〜5)を形成し、洗
浄効果評価用ウェーハを作成した(正確には、図1は後
述のようにイメージングプレートから得た画像であ
る)。その手順を以下に示す。
【0029】まず、前記シリコンウェーハに標準的な精
密洗浄を施した後、シリコンウェーハを酸化し、ウェー
ハ表面に厚さ1000オングストロームの酸化膜を形成
した。次に、フォトエッチングにより酸化膜を選択的に
除去してシリコン面を露出し、領域1を形成した。次
に、該領域1のシリコン面からBを熱拡散させ、該領域
1をB濃度が1018原子/cm2 のp型にした。
【0030】次に、同様のフォトリソグラフィにより領
域2及び3において酸化膜を選択的に除去してベアシリ
コン面を露出させた。この際、領域1に新たに生じた酸
化膜も同時に除去した。さらに、同様のフォトリソグラ
フィにより、領域4及び5において、酸化膜を除去した
後、フォトレジストをマスクとして残したまま該領域4
及び5にRIEにより深さ1μmのエッチング領域を形
成した。
【0031】なお、各リソグラフィ工程でマスクに用い
たフォトレジスト層は、表層を酸素プラズマ処理で除去
後、残存レジストを硫酸・過酸化水素水溶液で処理し、
さらにRCAのアンモニア・過酸化水素水溶液〔アンモ
ニア/過酸化水素/水(容量比)=1/1/5〕洗浄
(以下、SC−1洗浄という)を行って完全に除去する
ようにした。
【0032】このようにして加工領域1〜5を形成した
洗浄効果評価用ウェーハを、予め室温のフッ酸〔フッ化
水素/水(重量比)=1/100〕に20秒浸漬して各
領域に生じた自然酸化膜を除去した後、1ppmHF含
有純水に64Cuで標識したCuを2ppb加えた溶液に
室温で10分間浸漬した。次いで、該ウェーハを引上
げ、さらに純水で1分間リンスすることにより64Cuで
ウェーハを汚染した。
【0033】次に、汚染したウェーハをスピン乾燥した
後、ウェーハの領域1〜5を形成した面と、イメージン
グプレート〔富士写真フィルム(株)製〕(以下、イメ
ージングプレート1という)の輝尽性螢光体層を有する
面とを30分間密着させ、該イメージングプレートを露
光した。次に、露光したイメージングプレート1に記録
したウェーハの放射能強度分布をイメージングアナライ
ザーBAS2000で読み取った。そのときのイメージ
ングプレート1の画像を図1に示す。
【0034】次に、前記露光時から24時間経過後、ウ
ェーハを、予めフッ酸〔フッ化水素/水(重量比)=1
/50〕に20秒浸漬して領域1〜5に生じた自然酸化
膜を除去し、次いで、70℃の塩酸・過酸化水素水溶液
〔塩酸/過酸化水素/水(容量比)=1/1/6〕から
なる洗浄液(以下、SC−2洗浄液という)に10分間
浸漬した。
【0035】次に、このような洗浄を行ったウェーハを
純水で10分間リンスした後、これをスピン乾燥して直
ちに前記と同様にして別のイメージングプレート(イメ
ージングプレート2という)を露光した。なお、露出時
間は、64Cuの半減期が12.7時間であるため比放射
能が2TBq/g程度低下していること、及び前記の洗
浄による効果で64Cuの濃度が低下していることを予測
し、12時間とした。
【0036】次に、露光したイメージングプレート2に
記録したウェーハの放射能強度分布をイメージングアナ
ライザーBAS2000で読み取った。そのときのイメ
ージングプレート2の画像を図2に示す。また、領域1
〜5並びに該領域以外のウェーハの周辺領域(酸化膜で
構成される)から選定した領域6及び7の洗浄前及び洗
浄後の64Cu濃度をイメージングアナライザーBAS2
000で測定されたPSLをCu濃度既知の標準試料の
PSLと比較して求めた。結果を表1に示す。
【0037】なお、表1において、要約すると、各領域
は次のような加工を経たものである。 領域番号1:Bを熱拡散したシリコン面 領域番号2及び3:ベアシリコン面 領域番号4及び5:RIEを行ったシリコン面 領域番号6及び7:酸化膜面
【0038】
【表1】 表中、*は検出限界以下であったことを示す。
【0039】実施例2 SC−1洗浄液による洗浄方法の評価 直径6インチのn型(100)シリコンウェーハ〔10
〜20Ωcm〕の表面に、図3に示すように、3×3c
mの加工状態を区分する各領域(8〜14)を有する洗
浄効果評価用ウェーハを作成した(正確には、図3は後
述のようにイメージングプレートから得た画像を示
す)。その手順を以下に示す。まず、前記シリコンウェ
ーハに標準的な精密洗浄を施した後、シリコンウェーハ
を酸化し、ウェーハ表面に厚さ100オングストローム
の酸化膜を形成した。
【0040】次に、フォトリソグラフィにより領域8に
おいて選択的に酸化膜面を露出し、レジストをマスクと
して該領域8にBをイオン注入した。イオン注入は、B
2 + イオンを35keVで行い、該領域8のBの濃度
が5×1013原子/cm2 となるように注入した。次
に、同様のフォトリソグラフィにより、領域9及び10
において、さらに高濃度のBのイオン注入を行った。即
ち、該領域ではB濃度が5×1014原子/cm2 となる
ように注入した。
【0041】さらに、同様のフォトリソグラフィによ
り、領域11及び12において、酸化膜を通してAsを
30keVでイオン注入し、As濃度が5×1014原子
/cm2 となるようにした。上で注入したイオンの活性
化のために900℃で30分間アニールを施した。な
お、各リソグラフィの工程で用いたレジスト層は、実施
例1と同様にして除去した。
【0042】このように領域8〜12を形成した洗浄効
果評価用ウェーハをNH4 F緩衝HF水溶液に64Cuで
標識したCuを0.5ppb加えた溶液に室温で10分
間浸漬した後、該ウェーハを引上げ、さらに純水で10
分間リンスすることにより64Cuでウェーハを汚染し
た。
【0043】次に、汚染したウェーハをスピン乾燥した
後、直ちに実施例1と同様にして第一のイメージングプ
レート(イメージングプレート1)を露光した。次に、
露光した第一のイメージングプレートに記録したウェー
ハの放射能強度分布をイメージングアナライザーBAS
2000で読み取った。そのときのイメージングプレー
ト1の画像を図3に示す。
【0044】次に、前記露光時から24時間経過後、ウ
ェーハを、70℃のSC−1洗浄液に10分間浸漬し
た。このような洗浄を行ったウェーハを純水で10分間
リンスした後、これをスピン乾燥して直ちに前記と同様
にして第二のイメージングプレート(イメージングプレ
ート2)を露光した。露光したイメージングプレート2
に記録したウェーハの放射能強度分布をイメージングア
ナライザーBAS2000で読み取った。そのときのイ
メージングプレート2の画像を図4に示す。
【0045】また、領域8〜12並びに該領域以外のウ
ェーハの周辺領域(HFで剥離されたベアシリコン表面
で構成される)から選定した領域13及び14の洗浄前
及び洗浄後の64Cu濃度をイメージングアナライザーB
AS2000で測定した。結果を表2に示す。
【0046】表中、要約すると、各領域は、次のような
加工を経たものである。 領域番号8:Bを5×1013原子/cm2 イオン注入し
たシリコン面 領域番号9及び10:Bを5×1014原子/cm2 イオ
ン注入したシリコン面 領域番号11及び12:Asを5×1014原子/cm2
イオン注入したシリコン面 領域番号13及び14:ベアシリコン面
【0047】
【表2】 表中、*は検出限界以下であったことを示す。
【0048】実施例3 フッ酸・過酸化水素水溶液による洗浄法の評価 直径6インチのp型(100)シリコンウェーハ〔10
〜20Ωcm〕の表面に、図3に示す領域8〜12に対
応する位置に、一領域当りLSIチップが2行2列で配
列するようなフォトマスクを用い、フォトリソグラフィ
とイオン注入の手法により各領域に最小幅が0.6μm
の微細パターンアレイを含むイオン注入パターンを形成
した。なお、微細イオン注入パターンを形成するにあた
り、イオン注入及びアニール処理の条件は実施例2と同
様に行った。このウェーハを用い、SC−1洗浄液に代
え、フッ酸・過酸化水素水溶液〔フッ化水素0.5重量
%、過酸化水素1重量%〕を用い室温で3分間洗浄した
他は実施例と同様にして、洗浄効果の評価を行った。結
果を表3に示す。
【0049】
【表3】 表中、*は検出限界以下であったことを示す。 このように図1と図2及び図3と図4の比較により一見
して、さらに表1〜3からは数値的に洗浄の効果を評価
することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明の洗浄効果評価方法によると、一
つのウェーハを用いるだけで、半導体デバイス製造プロ
セス中にウェーハ表面に現れる多数の表面状態に対する
洗浄効果の評価を簡単に精度よく、しかも一度で行うこ
とができる。また、洗浄効果の評価を洗浄前と洗浄後に
おけるウェーハに含まれる汚染物質の濃度の差として数
値的に把握できる。従って、半導体デバイス形成工程の
全般にわたり、具体的数値に裏付けられた最適な洗浄シ
ステムを容易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の洗浄前のウェーハ表面における放射
能強度分布を明度差で表した図である。
【図2】実施例1の洗浄後のウェーハ表面における放射
能強度分布を明度差で表した図である。
【図3】実施例2の洗浄前のウェーハ表面における放射
能強度分布を明度差で表した図である。
【図4】実施例3の洗浄後のウェーハ表面における放射
能強度分布を明度差で表した図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−100442(JP,A) 特開 平4−280449(JP,A) 特開 平4−144151(JP,A) 特開 平8−191090(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 641 H01L 21/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハ表面を加工して半導体デ
    バイスを製造するプロセスで出現する多様な表面状態の
    汚染に対する特定の洗浄方法による洗浄効果を一挙に評
    価する方法であって、(A) 複数の表面状態のそれぞれに
    対応する複数の加工領域を、評価用半導体ウェーハの表
    面に形成し、(B) こうして複数の加工領域が形成された
    半導体ウェーハの表面を、放射性同位元素で標識した汚
    染物質で汚染させ、(C) 次に、こうして汚染された表面
    の放射能強度分布を第一の輝尽性螢光体層に潜像として
    記憶させ、(D) 次に、前記の汚染された表面を評価対象
    の洗浄方法で洗浄し、(E) こうして洗浄した表面の放射
    能強度分布を第二の輝尽性螢光体層に潜像として記憶さ
    せ、(F) 次に、第一及び第二の輝尽性螢光体層に記憶さ
    れた放射能強度分布を画像として読み出し、解析するこ
    とにより、各加工領域における洗浄の前後の放射能強度
    を比較する、ことからなる、洗浄効果評価法。
  2. 【請求項2】 工程(A) で形成された複数の加工領域
    が、微細パターンの膜を形成された領域、不純物がドー
    プされた領域、及びエッチングされた領域を含んでい
    る、請求項1の洗浄効果評価法。
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