JP3289666B2 - シリコンウエーハバルク中の重金属の高感度検出方法および高感度検出装置 - Google Patents

シリコンウエーハバルク中の重金属の高感度検出方法および高感度検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICやLSI等の
半導体装置を作製するのに使用されるシリコンウエーハ
の重金属分析に関して、特にはウエーハ製造工程や半導
体装置の製造工程でウエーハバルク内に混入する重金属
不純物を高感度に検出することができる検出方法および
検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウエーハ製造工程や半導体装置の製造工
程においては、鉄や銅、ニッケルといった重金属不純物
がウエーハ表面やバルク内に混入することがあり、これ
らの重金属が半導体デバイスの動作領域に存在すると、
半導体装置の電気特性を劣化させ、その動作を阻害する
ことが知られている。ウエーハ表面に存在する重金属不
純物は直接分析可能であり、洗浄によって除去可能であ
るから問題は少ないが、ウエーハのバルク中に混入した
重金属不純物は、直接測定するのが難しい上に、除去も
困難で、デバイス特性にも直接影響するので、バルク中
の重金属を高感度で検出することがきわめて重要であ
る。
【0003】このようなバルク中の重金属不純物を分析
する方法としては、従来化学分析法や二次イオン質量分
析法等が用いられている。これらのうち、化学分析法は
基本的には試料は溶液の場合に限られ、半導体ウエーハ
などの固体試料を評価するには、例えばウエーハ表面を
HF溶液等で化学処理し、その液を回収し、原子吸光分
析やICP(Inductively Coupled
Plasma)発光分析等により元素を特定する方法
が挙げられる。特に、半導体の分野では気相分解/フレ
ームレス原子吸光分析法、あるいは気相分解/誘導結合
プラズマ質量分析法が用いられている。これらの方法は
試料の前処理工程等から入ってくる汚染が分析値の信頼
性に大きく影響を及ぼすという問題がある。そして前処
理工程に時間や手間がかかり、処理を行う者には一定レ
ベル以上の技術が要求される。
【0004】また、シリコンウエーハに熱処理を施し、
バルク内の不純物を表面及び表面近傍に凝集させた後
に、上記のような化学分析によりバルク内不純物の分析
を行う技術も報告されているが、熱処理による汚染の問
題が発生する。
【0005】そして、二次イオン質量分析法は、高感度
な局所元素分析法で、半導体の微量不純物解析に用いら
れている。この方法は、表面に数100eV〜数10k
eVのエネルギーをもつO2 +、Cs+ ,Ga+ 等のイオ
ンビーム(一次イオン)やArなどの中性粒子を照射す
るとスパッタリングにより試料表面の原子は真空中に放
出される。このスパッタリング粒子の中からイオン化し
ているもの(二次イオン)を電場で引き出して磁場や高
周波電場を用いて質量分析することにより、試料表面に
含まれる元素の種類や濃度を評価する方法である。主に
半導体材料中のドーパントプロファイルの測定や不純物
分析の挙動解析など深さ方向の分析に適用されている。
しかし、この装置は高価であり、超真空を必要とする
等、装置のメンテナンス面で取り扱いが複雑で大変であ
る。
【0006】一方、不純物分析には全反射蛍光X線によ
る評価も行われている。全反射蛍光X線分析法は、物質
の“表面”あるいは“表面近傍”に偏在する極微量元素
を非破壊で分析する手法であって、原則としてバルク内
部を検出することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】化学分析によるバルク
内重金属分析は、検出感度は高いが前処理が必要であ
り、この前処理で汚染させてしまう危険がある。その
上、試料を溶解等する破壊検査であり、簡便ではなく時
間もかかる。また、シリコンウエーハに熱処理を施し、
表面又は表面近傍に重金属を凝集した後に分析する方法
は、熱処理に起因した2次的な汚染が生じる可能性があ
り、真の分析値を得るのが困難である。二次イオン質量
分析によるバルク内重金属不純物分析は、元素によって
感度が異なり測定条件設定や調整が容易ではないという
不利が伴う上、この方法も破壊検査である。また、全反
射蛍光X線分析法は、非破壊で簡便にシリコンウエーハ
の重金属分析を行える方法であるが、ウエーハの表面及
び表面近傍を評価する方法であって、バルク内部を評価
することはできない。すなわち全反射蛍光X線で評価可
能な表面近傍深さは約100Åまでであり、通常分析す
るときは20〜30Åの深さで評価される。
【0008】さらに、重金属のうち、特にCuによる汚
染は、何らかの理由でウエーハ表面が汚染されても、バ
ルク内部に拡散し易く、表面及び表面近傍を評価する評
価手段では、汚染があるにもかかわらず検出されなかっ
たり、実際の汚染より過小に評価されることがあった。
このようにCuによる汚染は、通常の表面分析では検出
されにくいため、重金属の検査を行っても、重金属の汚
染を見逃し、その後のデバイス工程等で不良を発生する
可能性がある。
【0009】一般的に、ウエーハ表面を分析する手段で
は、ウエーハ表面に存在する不純物が分析装置の検出下
限以上存在しないと検出できない。つまりバルク内部に
汚染があったとしても表面分析だけでは検出できない。
特にCuの場合、例えばバルク内部に約1015atom
s/cm3 程度の汚染があった場合でも、ウエーハ表面
では検出されないことがある。
【0010】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
もので、熱処理のような二次的な汚染が発生し易い前処
理も不要で、簡便なシリコンウエーハバルク内の重金属
を高感度に検出することができる検出方法および検出装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明記載した発明は、シリコンウエーハの表面
に電界を印加することにより、ウエーハバルク内の重金
属を表面又は表面近傍に凝集させ、次いでこの表面の凝
集層を重金属分析することを特徴とするシリコンウエー
ハバルク中の重金属の高感度検出方法である。
【0012】このように、シリコンウエーハの表面に電
界を印加して、バルク中に混入している重金属を、表面
又は表面近傍に凝集させた上で分析するようにすれば、
二次汚染の心配はほとんど無いし、重金属が凝集した表
面を分析出来るので、簡単で高感度に重金属を検出する
ことができる。
【0013】この場合、ウエーハバルク内の重金属を表
面又は表面近傍に凝集させるための電界を印加する方法
としては、シリコンウエーハの表面をコロナ放電処理し
たりあるいは電極を用いて、接触式あるいは非接触式
でシリコンウエーハの表面に電圧を印加するようにする
ことができる
【0014】このような方法であれば、シリコンウエー
ハを汚染させることなく、極めて簡単に強い電界を印加
することができ、効率よく重金属を表面又は表面近傍に
凝集させることができる。
【0015】また、本発明ではウエーハバルク内の重
金属を表面又は表面近傍に凝集させるための電界を印加
する際に、シリコンウエーハを300℃以下に加熱する
のが好ましい。このように、シリコンウエーハを低温で
加熱しておけば、重金属の拡散が速いので、短時間で表
面又は表面近傍に重金属を凝集させることができる。
【0016】また、本発明では表面の重金属凝集層の
分析を、全反射蛍光X線分析法により分析するのが望ま
しい。全反射蛍光X線分析法であれば非破壊であるし、
簡便かつ精度よく表面又は表面近傍に凝集した重金属を
分析出来るからである。
【0017】そして本発明で分析する重金属として
は、Cuとすることができる。Cuは、シリコン中での
拡散係数が大きく、デバイス特性の劣化の原因ともなる
ので、特にその汚染度を知る必要が大きいからである。
【0018】そして、上記本発明の方法を実施するため
シリコンウエーハバルク中の重金属を分析する装置
を、シリコンウエーハの表面に電界を印加する手段と、
ウエーハ表面層を重金属分析する手段とを具備するもの
とすることができる。このように、シリコンウエーハの
表面に電界を印加する手段と、ウエーハ表面層を重金属
分析する手段とを組み合わせたものとすれば、個々の装
置で夫々処理する場合より、極めて簡単かつ迅速に測定
することができるとともに、ウエーハを搬送、保管等を
する必要がないので、汚染の問題もなく、精度の高い測
定が可能となる。
【0019】この場合、シリコンウエーハの表面に電界
を印加する手段は、シリコンウエーハの表面をコロナ放
電処理するものとすることができるし電極を用いて、
接触式あるいは非接触式でシリコンウエーハの表面に電
圧を印加するものとしてもよいまたシリコンウエー
ハの表面に電界を印加する手段において、ウエーハバル
ク内の重金属を表面又は表面近傍に凝集させるための電
界を印加する際に、シリコンウエーハを300℃以下に
加熱する加熱機構を具備するのが好ましい。一方ウエ
ーハ表面層を重金属分析する手段は、全反射蛍光X線分
析装置によるのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明者等は、従来のウエーハ表面分析手
段では検出できなかったシリコンウエーハバルク中の重
金属不純物、特にその中でも検出が困難であったCuの
高感度検出方法について鋭意研究した結果、これにはウ
エーハの表面に電界を印加すれば、重金属はウエーハ表
面又は表面近傍に凝集し、その凝集領域を重金属分析す
ればよいことを見出し、諸条件を精査して本発明を完成
させたものである。
【0021】すなわち、本発明は、シリコンウエーハの
表面に電界を印加することにより、ウエーハバルク内の
重金属を表面又は表面近傍に凝集させ、次いでこの表面
の凝集層を重金属分析することを特徴とするシリコンウ
エーハバルク中の重金属の高感度検出方法である。
【0022】このように、シリコンウエーハの表面に電
界を印加すれば、バルク中に混入している重金属を、表
面又は表面近傍に凝集させることができるので、凝集し
た表面層を分析するようにすれば、熱処理をする場合の
ような二次汚染が起る心配は無いし、表面を分析出来る
ので、化学分析法、二次イオン質量分析法、全反射蛍光
X線分析法等の表面を分析出来る方法で、簡単で高感度
に重金属を検出することができる。
【0023】シリコンウエーハの表面に電界を印加すれ
ば、バルク中に混入している重金属を、表面又は表面近
傍に凝集させることができる理由の詳細は、未だ解明出
来ていないが、700℃の温度において、P型シリコン
ウエーハ中のCuは正に帯電していることが知られてい
る(D.Gilles,W.Schroter and W.Bergholz,Phys.Rev.B4
1(1990)5770 )。そこで、室温においてもシリコンウエ
ーハ中のCuその他の重金属が、正に帯電しているとす
るならば、ウエーハ表面が負に帯電するような処理を施
すことにより、Cuその他の重金属は、ウエーハ表面又
は表面近傍に引き寄せられ、凝集するのではないかと思
われる。
【0024】例えば、P型シリコンウエーハに負の電界
をかけると、図1に示すようなバンド構造になる。この
とき、表層は蓄積状態となるが、このバンドの曲がりに
よって、バルク中で正の電荷を持つ重金属を表面近傍に
引き寄せることが出来ると考えられる。
【0025】本発明において、ウエーハバルク内の重金
属を表面又は表面近傍に凝集させるための電界を印加す
る方法としては、シリコンウエーハの表面に電界を印加
できる方法であればどのような方法を用いてもよいが、
コロナ放電処理、あるいは電極を用いて、接触式あるい
は非接触式でシリコンウエーハの表面に電圧を印加する
ようにすることができる。この場合、表面に電界が印加
されていさえすれば、重金属はその電界に沿って凝集す
るので、実際にウエーハ表面が負に帯電している必要は
必ずしもなく、コロナ放電処理のように、ウエーハ表面
に負イオンを降り注ぐような方法により表面に負イオン
が存在するようにすることによっても重金属を表面に凝
集することが可能である。
【0026】ここで、コロナ放電処理とは、直径100
ミクロン程度の金属線に6〜10kVの高電圧を印加し
てコロナ放電させ、目的物の誘電体等の表面を処理する
ものであり、電子写真技術等に広く用いられている。
【0027】この方法では、例えば図2にその概念図を
示すようなコロナ放電装置を用いる。すなわち、ステー
ジ1上に例えばP型シリコンウエーハ2を載置し、シリ
コンウエーハ2のほぼ中央部上方に配置された金属線電
極3とステージ1間に、金属線電極3が負極となるよう
にして高電圧を印加し、シリコンウエーハ上でコロナ放
電を生じさせる。すると、正にチャージしたステージ上
のシリコンウエーハ表面には、負イオン4が降り注がれ
ることになる。
【0028】こうして、P型シリコンウエーハに電界が
印加され、正に帯電したウエーハバルク中の重金属が表
面に引き寄せられることになる。この場合、有効に重金
属をウエーハ表面に凝集させるためには、例えば1秒間
に1×1010q/cm2 で、4分以上コロナ放電処理を
する必要がある。
【0029】また、電極を用いて、接触式あるいは非接
触式でシリコンウエーハの表面に電圧を印加する方法
は、例えば図3、図4にその概念図を示したような装置
で行うことができる。
【0030】図3は、電極5を、シリコンウエーハ2の
表面に接触させる場合であり、図4は、電極5を、シリ
コンウエーハ2ほぼ中央部の上方に配置した非接触の場
合である。このような構成において、P型シリコンウエ
ーハ2の裏面側と電極の間に、電極が負極となるように
高電圧を印加することにより、ウエーハバルク中の正に
帯電した重金属を表面に引き寄せることができる。なお
この場合、電極の形状は、どのような形状でも良く、例
えば針状(プローブ)あるいは板状のもの等、種々の形
態のものを用いることができるが、非接触式の方が、ウ
エーハ表面を汚染する可能性が無いのでより好ましい。
【0031】そして、コロナ放電による方法では、1秒
間に降り注ぐ負イオンの量を増加させ、時間を長くする
ことによって、表層に引き寄せられて凝集するCu等の
重金属の量をより増加させることができる。また、電極
を用いる方法では、印加電圧を増加させ、時間を長くす
ることによって、表層に引き寄せられて凝集するCu等
の重金属の量をより増加させることができる。
【0032】このようなコロナ放電処理、あるいは電極
を用いた方法であれば、熱処理による場合のように、シ
リコンウエーハのバルクを重金属で二次的に汚染させる
こともなく、極めて簡単に効率よく重金属を表面又は表
面近傍に凝集させることができる。
【0033】そして、本発明で上記のような、コロナ放
電あるいは電極その他の方法で、ウエーハバルク内の重
金属を表面又は表面近傍に凝集させるための電界を印加
する際には、シリコンウエーハを300℃以下に加熱す
るのが好ましい。このように、シリコンウエーハをわず
かでも加熱しておけば、重金属の拡散が速いので、表面
又は表面近傍に凝集させる効果が大きく、短時間で効率
的に重金属をシリコンウエーハ表面層に引き寄せること
ができるし、降り注ぐイオン量や印加電圧を下げること
も可能である。
【0034】この場合、300℃以下とするのは、これ
以上の高温とすると、シリコンウエーハに新たな熱処理
を行うのと同様に、ウエーハを汚染させてしまう恐れが
あるからである。300℃以下の低温加熱であれば、加
熱源、その他の部材等からの不純物の汚染の心配もほと
んどない。
【0035】このように、シリコンウエーハの表面に電
界を印加する際に、ウエーハを300℃以下に低温加熱
するには、例えば図2のコロナ放電処理装置において、
ステージ1に電熱線等のヒータを内蔵させ、ステージ1
を加熱することにより、その上に載置されたシリコンウ
エーハ2を加熱するようにすれば良い。また、加熱形態
はこのようなものに限られるものではなく、ウエーハを
非接触で加熱することができるランプ加熱、高周波加熱
等によって加熱してもよい。
【0036】そして、電界を印加することにより、表面
に凝集された重金属は、化学分析法、二次イオン質量分
析法、全反射蛍光X線分析法等、シリコンウエーハの表
面の重金属を分析できる方法であればいずれの方法を用
いても高感度で重金属を検出することができる。
【0037】これらの方法のうち、特に、本発明では、
全反射蛍光X線分析法により分析するのが望ましい。こ
れは、全反射蛍光X線分析法であれば非破壊であるし、
簡便かつ精度よく表面又は表面近傍に凝集した重金属を
分析できるし、分析に際し試料を汚染するような心配も
少ないからである。
【0038】次に、上記本発明の方法を実施するには、
電界を印加する装置と、表面分析装置をそれぞれ別に用
意して、電界印加処理、表面分析を個別に行えばよい
が、図5に示すように、電界印加装置6を、表面分析装
置7の前処理装置として組み込んで、シリコンウエーハ
バルク中の重金属の高感度検出装置8を構成してもよ
い。
【0039】すなわち、シリコンウエーハバルク中の重
金属を分析する装置を、シリコンウエーハの表面に電界
を印加する手段と、ウエーハ表面層を重金属分析する手
段とを組み合わせたものとすることができる。このよう
に、シリコンウエーハの表面に電界を印加する手段と、
ウエーハ表面層を重金属分析する手段とを組み合わせた
ものとすれば、個々の装置で夫々処理する場合より、極
めて簡単かつ迅速に測定することができるとともに、ウ
エーハを搬送、保管等をする必要がないので、あらたに
汚染させる危険もほとんどなく、精度の高い測定が可能
となる。
【0040】この場合、シリコンウエーハの表面に電界
を印加する手段は、例えば図2に示したような、シリコ
ンウエーハの表面をコロナ放電処理するものとすること
ができるし、図3、図4に示したような、電極を用い
て、接触式あるいは非接触式でシリコンウエーハの表面
に電圧を印加するものとすることができる。このような
装置であれば、極めて簡単にシリコンウエーハ表面に電
界を印加することができるし、簡単な装置であるから、
分析装置に組み込むのも容易であるからである。
【0041】この場合、シリコンウエーハの表面に電界
を印加する手段において、ウエーハバルク内の重金属を
表面又は表面近傍に凝集させるための電界を印加する際
に、シリコンウエーハを300℃以下に加熱する加熱機
構を具備するようにしてもよい。
【0042】シリコンウエーハの表面に電界を印加する
際に、ウエーハを300℃以下に低温加熱する加熱機構
としては、例えば図2のコロナ放電処理の場合に、ステ
ージ1に電熱線等のヒータを内蔵させ、ステージ1を加
熱することにより、その上に載置されたシリコンウエー
ハ2を加熱する抵抗加熱方式、ウエーハ2を囲むように
配置された輻射ランプにより、ウエーハに向けて赤外線
等の輻射線を放出するランプ加熱方式、コイルに電圧を
印加してうず電流により加熱する高周波加熱方式等を用
いることができる。
【0043】そして、上記のような電界を印加する手段
と組み合わされる、ウエーハ表面層を重金属分析する手
段としては、例えば二次イオン質量分析装置、全反射蛍
光X線分析装置等が挙げられるが、試料を非破壊で分析
できることから、全反射蛍光X線分析装置を用いるのが
好ましい。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)直径150mm、厚さ625ミクロンのP
型単結晶シリコンウエーハ6枚を用意し、これらに以下
の処理を施した後、表面のCu濃度を測定した。測定は
全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製TREX61
0)を用いて行い、X線源はタングステン封入管で、管
電圧30kV、管電流200mAを評価用の条件として
選んだ。
【0045】評価に用いる単結晶シリコンウエーハ6枚
の内、2枚はそのまま非汚染のものとし、別の2枚には
低濃度のCuを含む溶液で汚染を行った後、熱処理によ
りCuをウエーハバルク内部に拡散させたものであり、
残りの2枚は高濃度のCuを含む溶液で汚染を行った
後、熱処理によりCuをウエーハバルク内部に拡散させ
たものとした。
【0046】これら各2枚のうち、1枚はそのまま上記
条件のもと、全反射蛍光X線分析装置で表面Cu濃度を
測定した。一方、各2枚のうち、残りの1枚には、コロ
ナ放電により表面の処理を行った。装置は、図2に示し
たようなものを用い、処理条件は、1秒間に1×1010
q/cm2 で、ウエーハを250℃に加熱保持しつつ、
120分間、コロナ放電処理をした。処理後、上記同様
に、全反射蛍光X線分析装置で表面Cu濃度を測定し
た。
【0047】その結果を図6に示す。この図を見ると、
非汚染のものは当然であるにしても、故意に汚染したシ
リコンウエーハであっても、熱処理によってCuを拡散
させると、表面近傍の汚染は検出下限値以下となり、全
反射蛍光X線分析によって検出できなくなることがわか
る。
【0048】一方、バルク中にCuが拡散され、その表
面では検出できなくなったCuが、本発明のようにコロ
ナ放電により表面処理することによって、検出されるよ
うになることがわかる。すなわち、コロナ放電により表
面に電界を印加したことにより、バルク中に拡散したC
uが表面に引き寄せられて凝集していることがわかる。
【0049】(実施例2)次に、コロナ放電処理により
Cuが表面に凝集されていることをさらに確認するた
め、コロナ放電による処理時間と表面Cu濃度の関係を
測定することにした。直径150mm、厚さ625ミク
ロンのP型単結晶シリコンウエーハを用意し、これを低
濃度のCuを含む溶液で汚染を行った後、熱処理により
Cuをウエーハバルク内部に拡散させた。このウエーハ
表面を全反射蛍光X線分析装置で分析し、表面Cu濃度
が、検出下限以下であることを確認した。
【0050】次に、このウエーハに、コロナ放電により
表面処理を計6時間施し、2時間経過毎に全反射蛍光X
線分析装置によって表面Cu濃度を測定した。コロナ放
電の処理条件は、1秒間に1×1010q/cm2 で、ウ
エーハを20℃に保持しつつ、2時間づつ処理をした。
全反射蛍光X線分析の測定条件は、実施例1と同様に、
全反射蛍光X線分析装置(テクノス社製TREX61
0)を用いて、X線源はタングステン封入管で、管電圧
30kV、管電流200mAを評価用の条件として選ん
だ。
【0051】その結果を図7に示す。この図を見ると、
コロナ放電による処理時間が長くなるのに比例して、表
面で検出されるCuの濃度が増加しており、バルク中に
拡散されたCuがコロナ放電により表面に引き寄せられ
ていることが明らかにされている。
【0052】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0053】例えば、本発明でいうシリコンウエーハの
表面に電界を印加し、その表面に重金属を凝集する場合
の表面とは、シリコンウエーハの表側のみを言っている
のではなく、裏面側に凝集するようにしてもよいし、ウ
エーハの表層全体に凝集するようにしてもよいことは言
うまでもない。
【0054】
【発明の効果】本発明では、シリコンウエーハの表面に
電界を印加して、バルク中に混入している重金属を、表
面又は表面近傍に凝集させた上で分析するので、熱処理
のような二次汚染の心配はほとんど無いし、重金属が凝
集した表面を分析出来るので、簡単で高感度に重金属を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において、P型シリコンウエーハに負の
電界をかけたときのバンド構造を説明するための、説明
図である。
【図2】コロナ放電処理する方法で用いる、コロナ放電
装置の概念図である。
【図3】電極を用いて、接触式でシリコンウエーハの表
面に電圧を印加する装置の概念図である。
【図4】電極を用いて、非接触式でシリコンウエーハの
表面に電圧を印加する装置の概念図である。
【図5】本発明装置の概念図である。
【図6】実施例1の結果図である。
【図7】実施例2の結果図である。
【符号の説明】
1…ステージ、 2…シリコンウエー
ハ、3…金属線電極、 4…負イオン、
5…電極、 6…電界印加装置、
7…表面分析装置、 8…バルク中重金属
検出装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/66 G01N 1/28 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 C30B 33/00 G01N 23/00 G01N 33/00 H01L 21/66 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンウエーハの表面をコロナ放電処
    理することにより電界を印加、ウエーハバルク内の重
    金属を表面又は表面近傍に凝集させ、次いでこの表面の
    凝集層を重金属分析することを特徴とするシリコンウエ
    ーハバルク中の重金属の高感度検出方法。
  2. 【請求項2】 前記ウエーハバルク内の重金属を表面又
    は表面近傍に凝集させるための電界を印加する際に、シ
    リコンウエーハを300℃以下に加熱することを特徴と
    する請求項1に記載のシリコンウエーハバルク中の重金
    属の高感度検出方法。
  3. 【請求項3】 前記表面の重金属凝集層の分析を、全反
    射蛍光X線分析法により分析することを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のシリコンウエーハバルク中
    の重金属の高感度検出方法。
  4. 【請求項4】 分析する重金属を、Cuとすることを特
    徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載
    のシリコンウエーハバルク中のCuの高感度検出方法。
  5. 【請求項5】 シリコンウエーハバルク中の重金属を分
    析する装置であって、ウエーハバルク内の重金属を表面
    又は表面近傍に凝集させるためにシリコンウエーハの表
    面にコロナ放電処理により電界を印加する手段と、ウエ
    ーハ表面層を重金属分析する手段とを具備することを特
    徴とするシリコンウエーハバルク中の重金属の高感度検
    出装置。
  6. 【請求項6】 前記シリコンウエーハの表面に電界を印
    加する手段において、ウエーハバルク内の重金属を表面
    又は表面近傍に凝集させるための電界を印加する際に、
    シリコンウエーハを300℃以下に加熱する加熱機構を
    具備することを特徴とする請求項5に記載のシリコンウ
    エーハバルク中の重金属の高感度検出装置。
  7. 【請求項7】 前記ウエーハ表面層を重金属分析する手
    段が、全反射蛍光X線分析装置によることを特徴とする
    請求項5または請求項6に記載のシリコンウエーハバル
    ク中の重金属の高感度検出装置。
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