JP3263595B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents

冷却貯蔵庫

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JP3263595B2
JP3263595B2 JP11317396A JP11317396A JP3263595B2 JP 3263595 B2 JP3263595 B2 JP 3263595B2 JP 11317396 A JP11317396 A JP 11317396A JP 11317396 A JP11317396 A JP 11317396A JP 3263595 B2 JP3263595 B2 JP 3263595B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は品物を保冷する冷却
貯蔵庫、特にトラックなどに積載されて運搬される冷却
貯蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種冷却貯蔵庫は、生鮮食品
などの低温物品の流通システムにおいて使用され、トラ
ックなどの配送車の荷台に積載されて冷却貯蔵庫ごと輸
送されるものであり、例えば実開平3−83784号公
報(F25D11/00)などに示されている。
【0003】係る冷却貯蔵庫においては、配送車への積
み降ろしを容易とするためにキャスターが取り付けられ
ると共に、給電線を着脱自在に接続し、配送ベースにお
いては交流電源を供給して庫内を冷却して置き、輸送中
は給電線を外して交流電源の供給を断ち、その後は蓄冷
剤などにより保冷する方式が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、係る冷却貯
蔵庫に冷却装置を取り付けるには、安定性を考慮して通
常断熱箱体の下部に構造体を設け、この構造体内に設置
されることになるが、断熱箱体と床面との距離を大きく
取れないため、この構造体の上下寸法は小さくならざる
を得ない。
【0005】そのため、冷却装置の取付作業も狭い空間
にて行わなければならなくなり、極めて煩雑なものとな
っていた。
【0006】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、断熱箱体下面の下部構造
体への冷却装置の取付作業性を改善した冷却貯蔵庫を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の冷却貯蔵庫は、
断熱箱体と、この断熱箱体の下部に設けられた下部構造
体とを備え、この下部構造体内に冷却装置を収納して成
るものであって、下部構造体の一側面に形成された挿入
口と、この挿入口を閉塞するパネルと、制御用の機器が
内蔵されると共に、端部から外側に張り出した取付フラ
ンジを有する電装箱と、下部構造体の他の側面に形成さ
れた挿入口とを備え、冷却装置は下部構造体の一側面に
形成された挿入口より下部構造体内に挿入され、その状
態でパネルは下部構造体と冷却装置の双方に固定される
と共に、電装箱は下部構造体の他の側面に形成された挿
入口より下部構造体内に挿入され、取付フランジが下部
構造体に固定されるものである。
【0008】本発明によれば、断熱箱体の下部に設けら
れた下部構造体の一側面に挿入口を形成し、この挿入口
をパネルにて閉塞すると共に、冷却装置は挿入口より下
部構造体内に挿入し、その状態でパネルを下部構造体と
冷却装置の双方に固定するようにしたので、冷却装置は
パネルを介して下部構造体に固定されることになる。
【0009】従って、冷却装置はパネルと同時に下部構
造体に固定されると共に、固定作業も下部構造体の側方
における外側にて行うことができるようになるので、冷
却装置の挿入から固定に渡る一連に取付作業性が著しく
向上するものである。
【0010】そして、制御用の機器が内蔵され、端部か
ら外側に張り出した取付フランジを有する電装箱を、下
部構造体の他の側面に形成された挿入口より下部構造体
内に挿入すると共に、取付フランジを下部構造体に固定
するようにしたので、下部構造体内の省スペースが図れ
る。また、電装箱の取付作業も下部構造体の側方におけ
る外側から行えると共に、電装箱の着脱の際に一側面の
パネルを取り外す必要が無くなるので、組み立て作業が
極めて容易となるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
形態を詳述する。図1は本発明の冷却貯蔵庫1の斜視
図、図2は冷却貯蔵庫1の正面図、図3は冷却貯蔵庫1
の側面図、図4は冷却貯蔵庫1の断熱箱体2の一側部の
縦断面図である。
【0012】本発明の冷却貯蔵庫1は、例えば生鮮食料
品(品物)を保冷しながら郵送するために用いられるも
のであり、配送ベースにおいて品物が収納された状態
で、冷却貯蔵庫1ごとトラックなどの配送車の荷台に積
載され、輸送される。そして、配送先に到着後、冷却貯
蔵庫1から品物は取り出されて配達される。
【0013】係る冷却貯蔵庫1は、上面に開口する断熱
箱体2と、この断熱箱体2の下面に取り付けられた下部
構造体3とから本体を構成されている。前記断熱箱体2
は、図4に示す如く上面に開口した鋼板(ステンレス)
製の外箱4及び内箱6と、これらの両箱4、6の上端間
を接続する硬質樹脂製の接続用ブレーカ7と、これら両
箱4、6及びブレーカ7とで囲繞される空間内に現場発
泡方式にて充填された発泡ポリウレタン断熱材8とから
構成されている。
【0014】この場合、前記外箱4の上端には内方に直
角に折曲された後、下方に直角に折曲された内向フラン
ジ4Aが形成されており、内箱6の上端には外方に直角
に折曲された後、下方に直角に折曲された外向フランジ
6Aが形成されている。また、ブレーカ7は上面7Aと
内面7Bとを有した断面略L字状を呈しており、内面7
Bの下端内側には上方に開口した係合溝7Cが形成され
ている。
【0015】そして、先ずこのブレーカ7の上面7A及
び内面7B上部を外箱4の内向フランジ4A裏面に当接
させた状態で上面7Aを内向フランジ4A上面に上から
ネジ止めする。その状態で内箱6を上方から外箱4内に
落とし込んで挿入し、外向フランジ6Aの先端をブレー
カ7の係合溝7Cに上方から挿入して係合する。これに
よって、外箱4と内箱6は相互に間隔を存して連結され
る。
【0016】尚、内箱6の側面外箱4側(外側)には冷
却装置Rの冷却器を構成する蒸発パイプ9が金属板或い
はアルミテープなどから成る固定具11にて蛇行状に取
り付けられており、内箱6と熱伝導関係とされる。その
状態で、両箱4、6間に断熱材8を発泡充填し、各部材
を一体化することにより断熱箱体2を完成する。
【0017】この断熱箱体2の内箱6内側が庫内として
の貯蔵室12となると共に、上面開口縁には飾り用の硬
質合成樹脂製ブレーカ13が取り付けられる。このブレ
ーカ13は、上辺13Aと縦辺13Bと下辺13Cから
成るクランク状の断面を呈しており、上辺13Aによっ
て前記ブレーカ7のネジ止め箇所を隠蔽する。
【0018】また、ブレーカ13の縦辺13Bと下辺1
3Cは外箱4の内向フランジ4A及びブレーカ7と内箱
6の外向フランジ6A表面にそれぞれ沿って密着されて
おり、それによって、断熱箱体2の開口縁内側には階段
状に落ち込んだ段落部14が構成される。更に、この段
落部14を構成するブレーカ13の縦辺13Bと下辺1
3Cとがつくる隅角部は比較的大きい曲率の湾曲形状と
されると共に、下辺13Cの先端には斜め内側上方に突
出した軟質ヒレ16が二重押出成形によってブレーカ1
3と一体に成形されている。
【0019】そして、貯蔵室12の上面開口は二枚の断
熱蓋部材17、18によって開閉自在に閉塞される。こ
の断熱蓋部材17、18は何れも同一形状を呈してお
り、鋼板(ステンレス)製の矩形状外面材21及び内面
材22の側面周囲を硬質合成樹脂製枠部材23にて連結
し、内部に断熱材24を充填して構成されている。
【0020】係る断熱蓋部材17、18の外面材21中
央部には把手部26が凹陥して形成されており、また、
枠部材23の周囲には図5に示す如く上部と下部に一カ
所ずつ軟質合成樹脂から成るシール部27、27が二重
押出成形により一体に突出形成されている。
【0021】そして、これら断熱蓋部材17、18の枠
部材23の下縁部を段落部14を構成するブレーカ13
の下辺13C上に並べて着脱自在に載置することによ
り、貯蔵室12の開口を閉塞する。この場合、各断熱蓋
部材17、18の上面はブレーカ13の上辺13Aと略
面一となり、各断熱蓋部材17、18は断熱箱体2の開
口縁内側に落とし込まれるかたちとなる。従って、前述
の如く冷却貯蔵庫1が配送車の荷台などに積載されて輸
送される場合にも、輸送中の振動によって断熱蓋部材1
7、18が跳ねて脱落することがなくなり、安定的に開
口を閉塞することができるようになる。
【0022】また、各断熱蓋部材17、18の側面の枠
部材23には軟質のシール部27、27が形成されてい
るので、各断熱蓋部材17、18間はこれらシール部2
7、27の密着によってシールされる。更に、断熱箱体
2と断熱蓋部材17、18間は枠部材23とブレーカ1
3との当接及び軟質ヒレ16によってシールされるよう
になり、総じて貯蔵室12の開口からの冷気漏洩を防止
し、保冷性能を向上させることができるようになる。
【0023】特に、段落部14の隅角部は前述の如く比
較的大きい所定曲率の湾曲形状とされているので、断熱
蓋部材17、18の下縁部はこの湾曲形状に沿って内方
に案内されることになる。従って、断熱蓋部材17、1
8は各シール部27、27が相互に密着する方向に付勢
されるかたちとなるため、各断熱蓋部材17、18間の
シール性が一段と向上する。
【0024】係る断熱箱体2の貯蔵室12内には蓄冷剤
28が取り付けられる。この蓄冷剤28は樹脂袋内に比
熱の大なるブラインを封入して成り、凍結された状態か
ら融解する際にその潜熱にて周囲を冷却する作用を奏す
るものである。係る蓄冷剤28は先ず、一面に開口した
矩形容器状のケース29内に収納される。このケース2
9はステンレスなどの表面(内面)が滑らかで熱良導性
の部材にて構成されており、隅角部内面は滑らか湾曲形
状とされている。
【0025】係るケース29の最も広い面となる底面に
は断面湾曲形状の突起部29A、29Aが上下に二条間
隔を存して成形され、内方に突出している。また、ケー
ス29の開口周縁には外方に張り出したフランジ29B
が形成されている。このようなケース29内にはサーミ
スタなどから成る温度センサ32が最初に収納され、前
記突起部29A、29A間に配置される。そして、その
上から蓄冷剤28が収納される。
【0026】蓄冷剤28を収納した後、ケース29の開
口はステンレス製のカバー33にて閉塞する。このカバ
ー33は両側に内側に折り返された係合フランジ33
A、33Aを有しており、この係合フランジ33A、3
3Aをケース29のフランジ29Bにスライドして係合
することにより、開口を塞ぐ。尚、温度センサ32のリ
ード線32Aは係合フランジ33A、33Aが係合して
いないフランジ29Bに形成された凹溝29Cから引き
出される。
【0027】そして、温度センサ32及び蓄冷剤28を
収納したケース29をカバー33にて閉塞した状態で、
カバー33を内箱6の側面に密着させ、フランジ29B
と共に係合フランジ33Aを内箱6にネジ止めすること
によってケース29及びカバー33を内箱6側面に固定
する。
【0028】このように、蓄冷剤28を収納するケース
29は隅角部が湾曲した内面滑らかな部材にて構成した
ので、上述の如き輸送中の振動が蓄冷剤28に加わって
もその袋が破裂する不都合を未然に回避することができ
る。
【0029】また、ケース29の最も広い面には断面湾
曲形状を成して内方に突出する突起部29A、29Aを
折曲形成したので、後述する如く蓄冷剤28が凍結固化
した際には蓄冷剤28と突起部29A、29Aとが係合
するかたちとなる。従って、上述の如き輸送中に振動が
加わっても、蓄冷剤28が位置ずれを起こすことが無く
なり、安定的且つ安全に保持されるようになる。
【0030】更に、突起部29A、29A間には温度セ
ンサ32を配置したので、温度センサ32は突起部29
A、29A間において蓄冷剤28とケース29とに挟持
されるかたちとなり、当該温度センサ32の位置ずれや
脱落も未然に防止することができるようになる。
【0031】尚、蓄冷剤28を収納したケース29の内
側にはケース29と間隔を存して内面板36が取り付け
られる。この内面板36はステンレスなどの熱良導性金
属板から成り、実質的に貯蔵室12の側面となると共
に、その周囲は内箱6側に屈曲され、且つ、内箱6との
間に少許隙間を構成している。
【0032】一方、断熱箱体2の前後面にはハンドル4
1がそれぞれ取り付けられている。このハンドル41は
コ字状に屈曲された金属パイプから成り、コの字を下方
に向けた状態で両側を保持板42、42に上下移動自在
に保持されている。また、この保持板42、42の中央
部内側の断熱箱体2には、保持板42、42内に出没自
在とされたストッパー43、43がそれぞれ取り付けら
れている。
【0033】また、断熱箱体2の左右面にはガード44
がそれぞれ取り付けられている。このハンドル44もコ
字状に屈曲された金属パイプから成り、コの字を下方に
向けた状態で両側を保持板46、46に上下移動自在に
保持されている。また、この保持板46、46の中央部
内側の断熱箱体2には、保持板46、46内に出没自在
とされたストッパー47、47がそれぞれ取り付けられ
ている。
【0034】各ハンドル41、41及びガード44、4
4は、図2及び図3の如く押し下げられ、その殆どが各
保持板42、42、46、46内に挿入された状態では
その上辺は断熱箱体2の上面(ブレーカ13の上面)よ
りも下方に位置している。そして、ストッパー43、4
3、或いは、47、47を解除し、図12の如く上方に
引き出された状態で断熱箱体2上方にそれぞれ突出す
る。尚、この引き出された状態はストッパー43、4
3、或いは、47、47を戻す(保持板42、42、或
いは、46、46内に突出させる)ことによって維持さ
れる。
【0035】他方、下部構造体3は比較的厚肉の鋼板な
どから構成されており、全体としては上下方向の寸法の
小さい矩形状を呈している。係る下部構造体3は断熱箱
体2の下面中央部に固定されており、従って、断熱箱体
2はこの下部構造体3より外側に張り出し、下部構造体
3は断熱箱体2より内方に位置している。また、下部構
造体3内には機械室50が構成され、この機械室50は
図9の如く(図9は断熱箱体2を透視した平面図であ
る。)前後及び左右に長方形状の挿入口51、52、5
3、54を有している。
【0036】そして、側面の挿入口53からは前述の冷
却装置Rのコンデンシングユニット56が機械室50内
に挿入される。このコンデンシングユニット56は、ユ
ニットベース57上に据え付けられた圧縮機58、凝縮
器59及び凝縮器用送風機61などから構成されてお
り、挿入口53から挿入されて機械室50底面に位置す
るアングル62、62上に載置される。
【0037】その状態で挿入口53、54は図8の如く
複数のスリット63・・を有したパネル64、66にて
閉塞される。このとき、各パネル64、66の縁部は下
部構造体3とユニットベース57の双方に外側方からネ
ジ止めされ、これによってコンデンシングユニット56
はパネル64、66を介して下部構造体3に固定され
る。
【0038】このように、冷却装置Rのコンデンシング
ユニット56はパネル64、66と同時に下部構造体3
に固定されると共に、固定作業も下部構造体3の側方に
おける外側にて行うことができるので、コンデンシング
ユニット56の挿入から固定に渡る一連の取付作業性が
著しく向上する。
【0039】尚、圧縮機58と凝縮器59は冷媒配管に
て前記蒸発パイプ9と接続され、図示しない減圧装置と
共に周知の冷媒回路を構成する。
【0040】また、前面の挿入口51からは図7に示す
如き電装箱68が機械室50内に挿入される。この電装
箱68は内部に制御用の機器(基板など)が内蔵されて
おり、その前面には給電線のプラグが着脱自在に接続さ
れる給電口69と漏電遮断器71が露出している。ま
た、電装箱68の前端部には外側に張り出した取付フラ
ンジ72が形成されている。
【0041】そして、この電装箱68を機械室50内に
挿入した後、この取付フランジ72を下部構造体3に外
側方からネジ止めする。これによって、機械室50内の
省スペースが図れると共に、電装箱68の取付作業も下
部構造体3の側方における外側から行えるので、極めて
容易となる。尚、前記温度センサ32のリード線32A
は電装箱68内に引き込まれて制御機器に接続される。
また、挿入口52もパネル73にて閉塞される。
【0042】一方、下部構造体3の外方における断熱箱
体2の下面四隅にはキャスター76・・・が取り付けら
れている。このキャスター76は、水平面上で回転自在
とされた支持部材77を下端に有する取付部78と、支
持部材77下端の水平方向の回転軸79に回転自在に取
り付けられた車輪81とから成る。前記取付部78は断
熱箱体2の下面に取り付けられた保持部材82の左右方
向の回動軸83に回動自在に枢支されており、その上端
一隅部は回動軸83を中心とした円弧状とされている。
【0043】また、86、86は操作アームである。こ
の操作アーム86は鋼材を屈曲することにより全体とし
てはコ字状に成形されており、両端部を軸87、87に
て下部構造体3の側面中央上部に回動自在に枢支され、
それぞれ断熱箱体2の下方において、下部構造体3の前
後に沿って差し渡されている。この操作アーム86の左
右辺には長孔88が穿設されており、この長孔88には
左右一対のキャスター76、76の取付部78、78の
下端一隅部に取り付けられた係合突起89がそれぞれ挿
入係合され、これによって、左右のキャスター76、7
6は相互に連結されたかたちとされている。
【0044】更に、下部構造体3の左右側面前後上部に
は、前後方向にスライド自在のストッパー片91・・・
がそれぞれ取り付けられている。
【0045】以上の構成で本発明の冷却貯蔵庫1の操作
を説明する。配送ベース(郵便局など)において生鮮食
品などの品物を貯蔵室12内に収納する場合には、図2
及び図3の如く例えば操作アーム86、86を引き上
げ、ストッパー片91・・・を引き出して操作アーム8
6、86の下側に宛い、保持して置く。この状態では操
作アーム86は図2の如く給電口69より上方に位置し
ている。
【0046】また、キャスター76・・・は前側左右の
ものは図3中時計回りに、また、後側左右のものは反時
計回りに回動軸83を中心として回動され、車輪81を
含むキャスター76全体が下部構造体3下面より上方に
格納される(没する)。従って、この状態では冷却貯蔵
庫1は下部構造体3の下面が床面に設置される。この場
合、前述の如く冷却装置Rのコンデンシングユニット5
6や電装箱68は側方から取り付けられているので、下
部構造体3の下面は平坦となっている。従って、冷却貯
蔵庫1の設置状態は安定している。
【0047】この状態で前記給電口69には図示しない
給電線のプラグが接続され、冷却装置Rに交流電源が供
給される。これによって、冷却装置Rの圧縮機58及び
凝縮器用送風機61が運転され、蒸発パイプ9が冷却作
用を発揮する。これによって、貯蔵室12内は所定の温
度に冷却されると同時に、ケース29内の蓄冷剤28も
冷却して行く。圧縮機58の運転は前記温度センサ32
の感温動作に基づき、電装箱68内の制御機器によって
貯蔵室12内の温度が所定の温度となるように制御され
る。
【0048】係る冷却運転によって貯蔵室12内は所定
温度に冷却され、蓄冷剤28も凍結固化される。この状
態で品物を貯蔵室12内に収納し、断熱蓋部材17、1
8を載置して開口を閉じる。
【0049】そして、配送車に積載する際には、先ず前
記給電線のプラグを給電口69から外し、ストッパー片
91を押し込んで前後の操作アーム86、86を引き下
げる。これによって、キャスター76・・・は前側左右
のものは図3中反時計回りに、また、後側左右のものは
時計回りに回動軸83を中心として回動され、車輪81
・・・は図10及び図11に示す如く下部構造体3下面
より下方に突出する。また、ハンドル41は前述の如く
引き出す。この状態では冷却貯蔵庫1はキャスター76
・・・の車輪81・・・が床面に当接することになるの
で、ハンドル41を持って押すことにより、冷却貯蔵庫
1の配送車への積み降ろしは極めて容易となる。
【0050】また、この状態では、キャスター76・・
・の車輪81の回転軸79は取付部78の回動軸83よ
り軸87側に位置している。また、取付部78の上面は
保持部材82の上端内面に当接して断熱箱体2の荷重を
受けるので、この荷重はキャスター76を回動を阻止す
るように作用する。従って、移動中にキャスター76・
・・の取付部78は回動し難くなる。尚、安全のためス
トッパー片91を再び引き出して操作アーム86、86
の上縁に当接させ、引き下げた状態を保持することは云
うまでもない。
【0051】更に、この状態では操作アーム86は図1
0の如く給電口69の下方に位置しているので、キャス
ター76・・・を突出させた状態でも給電口69には給
電線のプラグを接続可能となる。
【0052】そして、荷台に積載した後は、再び操作ア
ーム86、86を前述同様引き上げ、キャスター76を
格納する(図2、図3)。従って、下部構造体3の下面
が配送車の荷台に当接することになるが、この場合にも
前述の如く下部構造体3の下面は平坦となっているの
で、輸送中の安定性は著しく向上する。
【0053】また、以上の操作のなかで、左右一対のキ
ャスター76、76は操作アーム86によって同時に出
没されるので、操作が極めて容易となると共に、操作途
中における冷却貯蔵庫1の傾斜も最小限に抑えられる。
【0054】尚、輸送中ガード44は引き上げられ、他
の荷物が冷却貯蔵庫1上に落下するのを防止する。ま
た、輸送中は前記蓄冷剤28の融解潜熱によって貯蔵室
12内は保冷される。このとき、貯蔵室12内は内面板
36を介して冷却作用を受けることになる。また、この
内面板36の存在により内部の品物が直接ケース29に
接触しなくなるので、局部的な冷却による凍結事故も防
止される。
【0055】そして、配送先に到着した後は、作業者が
断熱蓋部材17或いは18を取り外して開口を開き、他
方の上に載せた状態で品物を取り出し、再び断熱蓋部材
17或いは18にて塞ぐ作業がなされるものである。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、断熱
箱体の下部に設けられた下部構造体の一側面に挿入口を
形成し、この挿入口をパネルにて閉塞すると共に、冷却
装置は挿入口より下部構造体内に挿入し、その状態でパ
ネルを下部構造体と冷却装置の双方に固定するようにし
たので、冷却装置はパネルを介して下部構造体に固定さ
れることになる。
【0057】従って、冷却装置はパネルと同時に下部構
造体に固定されると共に、固定作業も下部構造体の側方
における外側にて行うことができるようになるので、冷
却装置の挿入から固定に渡る一連に取付作業性が著しく
向上するものである。
【0058】そして、制御用の機器が内蔵され、端部か
ら外側に張り出した取付フランジを有する電装箱を、下
部構造体の他の側面に形成された挿入口より下部構造体
内に挿入すると共に、取付フランジを下部構造体に固定
するようにしたので、下部構造体内の省スペースが図れ
る。また、電装箱の取付作業も下部構造体の側方におけ
る外側から行えると共に、電装箱の着脱の際に一側面の
パネルを取り外す必要が無くなるので、組み立て作業が
極めて容易となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャスターを格納した状態の本発明の冷却貯蔵
庫の斜視図である。
【図2】キャスターを格納した状態の本発明の冷却貯蔵
庫の正面図である。
【図3】キャスターの格納した状態の本発明の冷却貯蔵
庫の側面図である。
【図4】本発明の冷却貯蔵庫の断熱箱体の一側部の縦断
面図である。
【図5】本発明の冷却貯蔵庫の断熱蓋部材の拡大断面図
である。
【図6】本発明の冷却貯蔵庫の蓄冷剤を収納するケース
の斜視図である。
【図7】本発明の冷却貯蔵庫の断熱箱体と下部構造体の
正面図である。
【図8】本発明の冷却貯蔵庫の断熱箱体と下部構造体の
側面図である。
【図9】本発明の冷却貯蔵庫の断熱箱体を透視した下部
構造体の平面図である。
【図10】キャスターを突出させた状態の本発明の冷却
貯蔵庫の正面図である。
【図11】キャスターを突出させた状態の本発明の冷却
貯蔵庫の側面図である。
【図12】ハンドル及びガードを引き出した状態の図1
1の冷却貯蔵庫の側面図である。
【符号の説明】
1 冷却貯蔵庫 2 断熱箱体 3 下部構造体 12 貯蔵室 51、52、53、54 挿入口 53、54 パネル 56 コンデンシングユニット 57 ユニットベース 68 電装箱 72 取付フランジ R 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−260319(JP,A) 特開 昭58−26604(JP,A) 実開 平3−83784(JP,U) 実開 平3−124114(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 19/02 F25D 23/00 303 F25D 29/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱箱体と、この断熱箱体の下部に設け
    られた下部構造体とを備え、この下部構造体内に冷却装
    置を収納して成る冷却貯蔵庫において、 前記下部構造体の一側面に形成された挿入口と、この挿
    入口を閉塞するパネルと、制御用の機器が内蔵されると
    共に、端部から外側に張り出した取付フランジを有する
    電装箱と、前記下部構造体の他の側面に形成された挿入
    口とを備え、前記冷却装置は前記下部構造体の一側面に
    形成された挿入口より前記下部構造体内に挿入され、そ
    の状態で前記パネルは前記下部構造体と冷却装置の双方
    に固定されると共に、前記電装箱は前記下部構造体の他
    の側面に形成された挿入口より下部構造体内に挿入さ
    れ、前記取付フランジが下部構造体に固定されることを
    特徴とする冷却貯蔵庫。
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