JP3263030B2 - パイル圧入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シートパイルを地
中に圧入するパイル圧入装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、地盤にシートパイル（矢板）を圧
入しつつこれに沿ってアースオーガを掘進させて行くこ
とは公知であり、アースオーガの掘進でシートパイルの
圧入が容易化されるので、シートパイルの圧入、すなわ
ち油圧による静荷重の負荷によるシートパイルの建て込
みを比較的硬質の地盤についても行うことができ、有利
である。上記のようなシートパイルの圧入に使用される
パイル圧入装置は、アースオーガのオーガケーシングと
シートパイルとを掴むチャック装置を備えており、この
チャック装置を下降させるとともに、アースオーガのオ
ーガスクリューを回転させることで、シートパイルを地
盤に圧入するようにしている。また、従来、障害物側に
近接させてシートパイルを打ち込むゼロパイラーも知ら
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、岩盤等のよ
うに非常に硬質地盤の場合には、地盤の抵抗力をなるべ
く小さくするため、例えば、図６に示すように、Ｕ形の
シートパイルＰの凹部Ｐ１に対して目一杯の大きさのオ
ーガケーシングＫを使用して掘削量を多くすることが望
ましい。しかしながら、図６のようにオーガケーシング
Ｋを大きくすると、シートパイルＰを単体でチャッキン
グする場合に、シートパイルＰとオーガケーシングＫの
間の隙間が小さくなることとなって、図７に示すような
シートパイルＰを固定するパイル固定爪４０を設けるこ
とが困難となり、シートパイルＰを単体でチャッキング
して動作させることが難しくなるという問題があった。
また、前記ゼロパイラーの場合には、単にシートパイル
を地中に圧入させるだけでは硬い地盤での圧入は困難で
あるため、ジェット工法（例えば、ウオータージェット
工法）による圧入を行うこともあるが、この場合には障
害物側の地盤を崩してしまう恐れがあった。

【０００４】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、ケーシングの大きさに関係なく、単体でシートパイ
ルをチャッキング可能で、且つ硬質地盤においてもゼロ
パイルを圧入可能なパイル圧入装置を提供することを目
的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の発明は、長手方向に長尺で、且つ、
幅方向の両端部にほぼ平らな掴み部を備えたシートパイ
ルを掴むパイルチャック部を備えるとともに、オーガケ
ーシングの内側に挿入したオーガスクリューによる掘削
を利用して地中に前記シートパイルを圧入するパイル圧
入装置であって、前記パイルチャック部は、前記シート
パイルの前記掴み部を掴むものとされ、前記オーガケー
シングを掴むオーガケーシングチャック部と、前記オー
ガケーシングチャック部を単独で上下方向に往復動させ
る往復動手段とを備えたことを特徴としている。

【０００６】請求項１記載の発明によれば、パイル圧入
装置のパイルチャック部によるチャックは、シートパイ
ルの幅方向の両端部に設けられた掴み部を挟むことによ
って行われる。従って、従来のシートパイルとオーガケ
ーシングの間にチャック用の爪部を設けてオーガケーシ
ングをチャックする場合に比べて、シートパイル内側目
一杯の大きさのオーガケーシングを設けることが出来る
こととなって、より大きな掘削孔にしてシートパイルを
打ち込むことが出来て、硬質地盤におけるシートパイル
の圧入が容易となる。

【０００７】また、往復動手段によりオーガケーシング
チャック部が単独で昇降されるので、シートパイルとオ
ーガケーシングとを掴んで、シートパイルとオーガケー
シングとを圧入していく途中、シートパイル圧入の困難
な硬い地盤があれば、シートパイルの圧入を停止し、次
いで、オーガケーシングチャック部によりオーガケーシ
ングを掴むとともに往復動手段によって上下に往復させ
ながら所定量だけ下降させていき、オーガケーシングを
オーガスクリューの掘削に従ってシートパイルに先行さ
せて圧入し、次いで、オーガケーシングを往復動手段に
よって上昇させたうえで、シートパイルとオーガケーシ
ングを一緒に圧入していく。この場合、シートパイルは
オーガスクリューによって既に掘削された地盤に圧入さ
せることが出来ることとなって、シートパイル圧入の困
難な硬い地盤でも、容易にシートパイルを圧入させるこ
とが出来る。また、オーガケーシングを引き上げると同
時にシートパイルを圧入させることにより、オーガケー
シングの引き上げによって生じる反力を利用してシート
パイルを圧入することが出来ることとなって、シートパ
イルを圧入するための圧入力を低減させることが出来
る。

【０００８】請求項２記載の発明は、長手方向に長尺
で、且つ、幅方向の両端部にほぼ平らな掴み部を備えた
シートパイルを掴むパイルチャック部を備えるととも
に、オーガケーシングの内側に挿入したオーガスクリュ
ーによる掘削を利用して地中に前記シートパイルを圧入
するパイル圧入装置であって、前記パイルチャック部
は、前記シートパイルの前記掴み部を掴むものとされ、
前記オーガケーシングを掴むオーガケーシングチャック
部を備え、前記パイルチャック部と前記オーガケーシン
グチャック部とが、前記シートパイルによって仕切られ
る左右のどちらか一方の領域に設けられていることを特
徴としている。

【０００９】請求項２記載の発明によれば、パイル圧入
装置のパイルチャック部によるチャックは、シートパイ
ルの幅方向の両端部に設けられた掴み部を挟むことによ
って行われる。従って、従来のシートパイルとオーガケ
ーシングの間にチャック用の爪部を設けてオーガケーシ
ングをチャックする場合に比べて、シートパイル内側目
一杯の大きさのオーガケーシングを設けることが出来る
こととなって、より大きな掘削孔にしてシートパイルを
打ち込むことが出来て、硬質地盤におけるシートパイル
の圧入が容易となる。

【００１０】また、パイルチャック部とオーガケーシン
グチャック部とが、シートパイルによって仕切られる左
右のどちらか一方の領域に設けられているので、例え
ば、障害物の近くにシートパイルを打ち込む場合、パイ
ルチャック部とオーガケーシングチャック部が設けられ
ていない領域と障害物とが対峙するようにシートパイル
を打ち込むことにより、シートパイルを障害物に可能な
限り近づけて圧入させることが出来るとともに、オーガ
スクリューにより地盤が掘削されるので、従来のジェッ
ト工法のように障害物を破損させることなく硬質地盤に
おいても容易にシートパイルを圧入させることが出来
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明のパ
イル圧入装置の実施の形態の一例について説明する。 ［第１の実施の形態］図１は、本発明に係る第１の実施
の形態のパイル圧入装置の要部であるチャック装置を示
す底面図であり、図２は同正面図である。

【００１２】前記パイル圧入装置１ａは、チャック装置
１を備え、該チャック装置１は、パイル圧入装置１ａに
設けられた油圧シリンダ装置（図示省略）によって昇降
されるようになっている。また、前記チャック装置１内
には、シートパイルＰを単独で掴むパイルチャック部２
と、オーガケーシングＫを単独で掴むオーガケーシング
チャック部３とが設けられている。前記シートパイルＰ
は、長尺なＵ形パイルであって、幅方向の両端部にほぼ
平らな掴み部Ｐ１を備えている。

【００１３】前記パイルチャック部２は、前記オーガケ
ーシングＫを挟んで左右に２対設けられている。そし
て、前記パイルチャック部２は、前記チャック装置１の
下部に設けられた油圧シリンダ装置４と、この油圧シリ
ンダ装置４と対向する位置に設けられたパイル固定爪５
とで構成されており、前記シートパイルＰの前記掴み部
Ｐ１を油圧シリンダ装置４のシリンダ４ａとパイル固定
爪５で挾持して固定するようになっている。従って、前
記シートパイルＰの凹部Ｐ２に目一杯の大きさのオーガ
ケーシングＫを設けることが出来ることとなって、オー
ガスクリュー（図示省略）による掘削量も多くすること
が出来て、より硬質の地盤においても効率的に前記シー
トパイルＰの圧入を行うことが出来る。

【００１４】前記オーガケーシングチャック部３は、オ
ーガケーシングＫの軸方向に長尺なガイドレール６、６
と、チャック本体部７が設けられており、このチャック
本体部７の外周部に突設された突条７ａ、７ａを前記ガ
イドレール６、６に上下に摺動自在に係合することで、
チャック本体部７が上下にスライド自在に設けられてい
る。

【００１５】また、前記チャック装置１内には、前記オ
ーガケーシングチャック部３を上下に往復動させる往復
動手段８が設けられている。すなわち、この往復動手段
８は油圧シリンダ装置８によって構成されており、その
ピストンロッド８ｂを伸縮させることによって、オーガ
ケーシングチャック部３を上下に往復動させるようにな
っている。また、前記オーガケーシングチャック部３に
は、左右および上下にそれぞれ一対の油圧シリンダ装置
９…が設けられている。そして、前記オーガケーシング
Ｋの外周部に設けられた長手方向に延びる一対の突条Ｋ
１、Ｋ１に、前記シリンダ装置９…のピストン９ａの先
端部に設けられた係合溝９ｂ、９ｂを係合させるととも
に、前記シリンダ装置９…によって左右方向に押圧をか
けることにより前記オーガケーシングＫを掴むことが出
来るようになっている。

【００１６】次に、上記構成のチャック装置１をパイル
圧入装置１ａに装着して、シートパイルＰを地盤に圧入
していく方法について説明する。まず、図１および図２
に示すように、シートパイルＰをチャック装置１内に挿
通するとともに、オーガケーシングＫをオーガケーシン
グチャック部３に挿通して前記オーガケーシングチャッ
ク部３の油圧シリンダ装置９…によって掴み、さらに、
前記シートパイルＰを前記パイルチャック部２によって
掴んでおく。次に、前記チャック装置１を油圧シリンダ
装置（図示省略）によって下降させることで、シートパ
イルＰをオーガケーシングＫとともに地盤に圧入してい
く。そして、シートパイルＰとオーガケーシングＫとを
圧入していく途中、シートパイル圧入の困難な硬い地盤
があれば、前記チャック装置１の下降を一時停止するこ
とによって、シートパイルＰの圧入を停止し、次いで、
前記オーガケーシングチャック部３を油圧シリンダ装置
８によって上下に往復させながらオーガスクリュー（図
示省略）の掘削に従って所定量だけ下降させていき、オ
ーガケーシングＫをシートパイルＰに先行させて圧入す
る。

【００１７】次いで、前記オーガケーシングＫを油圧シ
リンダ装置８によって上昇させたうえで、シートパイル
ＰとオーガケーシングＫとを一緒に圧入していく。この
場合、シートパイルＰはオーガスクリュー（図示省略）
によって既に掘削された地盤に圧入させることが出来る
こととなって、シートパイル圧入の困難な硬い地盤で
も、容易にシートパイルＰを圧入することができる。な
お、オーガケーシングＫを圧入していく際においては、
該オーガケーシングＫ内のオーガスクリューを回転さ
せ、その先端部で地盤を掘削し、その土砂をオーガケー
シングＫ内を通して排出口（図示省略）から排出する。

【００１８】前記チャック装置１をその１ストローク分
だけ下降させてシートパイルＰとオーガケーシングＫを
１ピッチだけ圧入したならば、前記パイルチャック部２
とオーガケーシングチャック部３をそれらの掴みを解除
してシートパイルＰとオーガケーシングＫから離したう
えで、チャック装置１をそのストローク分だけ上昇させ
て、その位置で再び、シートパイルＰとオーガケーシン
グＫを掴み、さらに、チャック装置１を下降させてシー
トパイルＰとオーガケーシングＫを圧入していく工程を
所定回数繰り返して行うことによって、シートパイルＰ
とオーガケーシングＫを圧入していく。

【００１９】そして、シートパイルＰを所定深さ圧入し
たならば、前記オーガケーシングチャック部３によるオ
ーガケーシングＫの掴みを維持する一方で、前記パイル
チャック部２によるシートパイルＰの掴みを解除したう
えで、チャック装置１を１ストローク分だけ上昇させる
ことによって、オーガケーシングＫを１ピッチだけ引き
抜き、その後は、チャック装置１を昇降させることを繰
り返すとともに、上昇しているときは、オーガケーシン
グチャック部３によってオーガケーシングＫをつかみ、
下降しているときは、オーガケーシングＫを離すことに
よって、オーガケーシングＫを１ピッチずつ引き抜いて
いく。

【００２０】また、本例のチャック装置１では、オーガ
ケーシングチャック部３を油圧シリンダ装置８によって
上昇させることで、オーガケーシングＫを引き上げる
と、このオーガケーシングＫには、その周面抵抗によっ
て下方に向かう反力が作用する。すると、この反力はオ
ーガケーシングチャック部３を介してチャック装置１に
伝達され、チャック装置１を下方に押し込むように作用
する。一方、前記オーガケーシングＫを引き上げると同
時かあるいは一定時間をおいて、前記シートパイルＰを
掴んでいるチャック装置１を下降させると、該チャック
装置１には、圧入力に、前記反力が加算された力が作用
する。したがって、シートパイルＰを圧入するために必
要な圧入力を前記反力の分だけ軽減することができる。

【００２１】なお、パイル圧入装置１は、上記説明した
オーガケーシングチャック部３が単独に上下に往復動す
るものに限らず、例えば、図３、及び図４に示した構造
のパイル圧入装置にも適用可能である。即ち、図３、及
び図４に示したパイル圧入装置１０は、シートパイルＰ
を掴むパイルチャック部１２とオーガケーシングＫを掴
むオーガケーシングチャック部１３とを有するチャック
装置１１を備えているが、前記パイル圧入装置１ａのよ
うな、前記オーガケーシングチャック部１３を上下方向
に往復動させる往復動手段は設けられていない。従っ
て、本構成のパイル圧入装置１０では、前記チャック装
置１１を上下に昇降させることによりシートパイルＰ及
びオーガケーシングＫを地盤中に圧入させることが出来
るようになっている。この場合においても、前記パイル
チャック部１２は、シートパイルＰの幅方向の端部に設
けられた掴み部Ｐ１を挟持するようになっているので、
前記シートパイルＰの凹部Ｐ２に目一杯の大きさのオー
ガケーシングＫを設けることが出来る。

【００２２】［第２の実施の形態］図５は、本発明に係
る第２の実施の形態のパイル圧入装置を示す底面図であ
る。図５に示す第２の実施の形態のパイル圧入装置３０
は、前記第１の実施の形態のパイル圧入装置１ａ、１０
とほぼ同様の構成となっていて、シートパイルＰを掴む
パイルチャック部３２とオーガケーシングＫを掴むオー
ガケーシングチャック部３３とを有するチャック装置３
１を備えている。

【００２３】前記パイルチャック部３２は、前記オーガ
ケーシングＫを挟んで左右に２対設けられている。そし
て、前記パイルチャック部３２は、前記チャック装置３
１の下部に設けられた油圧シリンダ装置３４と、この油
圧シリンダ装置３４と対向する位置に設けられたパイル
固定爪３５とで構成されており、前記シートパイルＰの
前記掴み部Ｐ１を油圧シリンダ装置３４のシリンダ３４
ａとパイル固定爪３５で挾持して固定するようになって
いる。

【００２４】前記オーガケーシングチャック部３３は、
オーガケーシングＫの軸方向に長尺なガイドレール３
６、３６と、チャック本体部３７が設けられており、こ
のチャック本体部７の外周部に突設された突条３７ａ、
３７ａを前記ガイドレール３６、３６に上下に摺動自在
に係合することで、チャック本体部３７が上下にスライ
ド自在に設けられている。チャック装置３１内には、前
記オーガケーシングチャック部３３を上下に往復動させ
る往復動手段３８としての油圧シリンダ装置３８が設け
られ、そのピストンロッド（図示省略）を伸縮させるこ
とによって、オーガケーシングチャック部３３を上下に
往復動させるようになっている。

【００２５】また、前記オーガケーシングチャック部３
３には、左右および上下にそれぞれ一対の油圧シリンダ
装置３９…が設けられている。そして、前記オーガケー
シングＫの外周部に設けられた長手方向に延びる一対の
突条Ｋ１、Ｋ１に、前記油圧シリンダ装置３９…のピス
トンロッド３９ａの先端部に設けられた係合溝３９ｂに
係合させて、前記シリンダ装置３９…によって左右方向
に押圧をかけることにより前記オーガケーシングＫを掴
むことが出来るようになっている。前記パイルチャック
部３２は、第１の実施の形態のパイル圧入装置１ａ、１
０のパイルチャック部３２と異なり、前記油圧シリンダ
装置３４が、前記オーガケーシングチャック部３３側、
即ち、前記シートパイルＰの凹部Ｐ２側に設けられてい
る。また、前記パイル圧入装置３０の本体部３０ａの外
周部の先端部が、前記シートパイルＰの障害物Ｓ側の先
端部よりも内側に位置している。従って、図５に示した
ように、障害物Ｓに近接させて前記シートパイルＰを圧
入させることが出来る。

【００２６】また、前記パイル圧入装置３０は、オーガ
ケーシングＫ内に挿入したオーガスクリュー（図示省
略）によって地盤を掘削して前記シートパイルＰを地盤
に圧入させることが出来るので、硬質の地盤においても
効率的な作業を行うことが出来る。なお、前記パイル圧
入装置３０のシートパイルＰの圧入動作は、第１の実施
の形態の圧入装置１ａ、１０と同様である。

【００２７】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、パイル圧
入装置のパイルチャック部によるチャックは、シートパ
イルの幅方向の両端部に設けられた掴み部を挟むことに
よって行われる。従って、従来のシートパイルとオーガ
ケーシングの間にチャック用の爪部を設けてオーガケー
シングをチャックする場合に比べて、シートパイル内側
目一杯の大きさのオーガケーシングを設けることが出来
ることとなって、より大きな掘削孔にしてシートパイル
を打ち込むことが出来て、硬質地盤におけるシートパイ
ルの圧入が容易となる。

【００２８】また、往復動手段によりオーガケーシング
チャック部が単独で昇降されるので、シートパイルとオ
ーガケーシングとを掴んで、シートパイルとオーガケー
シングとを圧入していく途中、シートパイル圧入の困難
な硬い地盤があれば、シートパイルの圧入を停止し、次
いで、オーガケーシングチャック部によりオーガケーシ
ングを掴むとともに往復動手段によって上下に往復させ
ながら所定量だけ下降させていき、オーガケーシングを
オーガスクリューの掘削に従ってシートパイルに先行さ
せて圧入し、次いで、オーガケーシングを往復動手段に
よって上昇させたうえで、シートパイルとオーガケーシ
ングを一緒に圧入していく。この場合、シートパイルは
オーガスクリューによって既に掘削された地盤に圧入さ
せることが出来ることとなって、シートパイル圧入の困
難な硬い地盤でも、容易にシートパイルを圧入させるこ
とが出来る。また、オーガケーシングを引き上げると同
時にシートパイルを圧入させることにより、オーガケー
シングの引き上げによって生じる反力を利用してシート
パイルを圧入することが出来ることとなって、シートパ
イルを圧入するための圧入力を低減させることが出来
る。

【００２９】請求項２記載の発明によれば、パイルチャ
ック部とオーガケーシングチャック部とが、シートパイ
ルによって仕切られる左右のどちらか一方の領域に設け
られているので、例えば、障害物の近くにシートパイル
を打ち込む場合、パイルチャック部とオーガケーシング
チャック部が設けられていない領域と障害物とが対峙す
るようにシートパイルを打ち込むことにより、シートパ
イルを障害物に可能な限り近づけて圧入させることが出
来るとともに、オーガスクリューにより地盤が掘削され
るので、従来のジェット工法のように障害物を破損させ
ることなく硬質地盤においても容易にシートパイルを圧
入させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１の実施の形態のパイル圧入装
置の要部であるチャック装置を示す底面図である。

【図２】図１のチャック装置の正面図である。

【図３】図１と異なるチャック装置の底面図である。

【図４】図３のチャック装置の正面図である。

【図５】本発明に係る第２の実施の形態のパイル圧入装
置を示す底面図である。

【図６】シートパイルとオーガケーシングの位置関係を
模式的に示した図である。

【図７】従来のパイル固定爪の位置関係を模式的に示し
た図である。

【符号の説明】

Ｐ シートパイル Ｐ１ 掴み部 Ｋ オーガケーシング １、１１、３１ チャック装置 １ａ、１０、３０ パイル圧入装置 ２、１２、３２ パイルチャック部 ３、１３、３３ オーガケーシングチャック部 ５，３５ パイル固定爪 ８，２８ シリンダ装置

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向に長尺で、且つ、幅方向の両端
   部にほぼ平らな掴み部を備えたシートパイルを掴むパイ
   ルチャック部を備えるとともに、オーガケーシングの内
   側に挿入したオーガスクリューによる掘削を利用して地
   中に前記シートパイルを圧入するパイル圧入装置であっ
   て、 前記パイルチャック部は、前記シートパイルの前記掴み
   部を掴むものとされ、 前記オーガケーシングを掴むオーガケーシングチャック
   部と、前記オーガケーシングチャック部を単独で上下方
   向に往復動させる往復動手段とを備えたことを特徴とす
   るパイル圧入装置。
2. 【請求項２】 長手方向に長尺で、且つ、幅方向の両端
   部にほぼ平らな掴み部を備えたシートパイルを掴むパイ
   ルチャック部を備えるとともに、オーガケーシングの内
   側に挿入したオーガスクリューによる掘削を利用して地
   中に前記シートパイルを圧入するパイル圧入装置であっ
   て、 前記パイルチャック部は、前記シートパイルの前記掴み
   部を掴むものとされ、前記オーガケーシングを掴むオー
   ガケーシングチャック部を備え、 前記パイルチャック部と前記オーガケーシングチャック
   部とが、前記シートパイルによって仕切られる左右のど
   ちらか一方の領域に設けられていることを特徴とするパ
   イル圧入装置。