JP3262746B2 - 研削工具のツルーイング方法及び装置 - Google Patents

研削工具のツルーイング方法及び装置

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JP3262746B2
JP3262746B2 JP22037897A JP22037897A JP3262746B2 JP 3262746 B2 JP3262746 B2 JP 3262746B2 JP 22037897 A JP22037897 A JP 22037897A JP 22037897 A JP22037897 A JP 22037897A JP 3262746 B2 JP3262746 B2 JP 3262746B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジンボンド砥石
やメタルボンド砥石等の研削工具の成形、形状修正を行
うツルーイング方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】研削工具によって変位切り込み方式の研
削加工を行うことによって金型の自由曲面を含む表面を
鏡面仕上するために、半球状に成形した極微粒のダイヤ
モンド砥粒を樹脂または金属の結合材にて結合した砥石
を具備する研削工具が用いられている。砥石は、研削加
工の進捗により、砥粒および結合材(マトリックス)が
漸次除去され変形するので、適宜砥石を精度よくツルー
イング(成形)する必要がある。従来から砥石をツルー
イングするために多くの装置または方法が提案されてい
る。
【0003】例えば、特公昭59−26962号公報は
ドレッサをサーボモータにより互いに直交する2方向に
移動させて砥石を修正する装置を開示している。この装
置は、直交する2方向に移動可能に設けられたロータリ
ドレッサにより円弧部と直線部とを有する砥石のドレッ
シングを行う。特開昭62−130177号公報は成形
ドレッシング装置を備えた数値制御平面研削盤を開示し
ている。この平面研削盤は、複数のシングルポイントド
レッサをテーブル上に配設し、砥石とテーブルとの間で
X、Y、Z方向の相対移動をさせて砥石を所望形状に成
形ドレッシングする。
【0004】更に、特開平2−311266号公報は数
値制御倣い研削盤に取り付けられたドレッシング装置に
よる研削砥石の形状成形方法を開示している。この方法
は、半円形の外周面を有する円盤状回転砥石を、半円形
の外周面を有する円盤状金属ドレッサの前記外周面に接
触させながら、ドレッサの半円形の外周面の中心からド
レッサと砥石の各々の半円形の外周面の半径の和を半径
とする円弧上に沿って砥石を移動させて砥石外周面を成
形するものである。
【0005】また、特開昭64−40274号公報は研
削加工用メタルボンド砥石の放電ツルーイング/ドレッ
シング装置を備えた数値制御ターニングセンタを開示し
ている。この公報の放電ツルーイング/ドレッシング装
置では、円盤状の金属製総形回転ツルアに対して、円盤
状のメタルボンド砥石を回転させながら接触させ、両者
間に所定電圧を印加して放電を生じさせて砥石のツルー
イン/ドレッシングを行うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記公報
には所謂ボール形研削工具、ブルノーズ形研削工具、ス
クエア形研削工具を1つのツルアにてツルーイングする
ことは開示されていない。本発明は、こうした各種研削
工具を1つのツルアにて精度よくツルーイングする方法
および装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、断面におい
て凹形状の円弧部と、前記円弧部に連続する直線部とを
有するツルアの表面に、ツルーイングすべき研削工具を
押接しながらまたは接近、対向させながら相対運動させ
ることにより達成される。
【0008】請求項1に記載の本発明は、研削工具のツ
ルーイング方法において、断面が凹形状の円弧部と前記
円弧部の一端に連続する鉛直部と前記円弧部の他端に連
続する水平部とを有するツルアを用い、前記ツルアの円
弧部の曲率半径以下の半径を有する半球形研削工具、ブ
ルノーズ形研削工具またはスクエア形研削工具を前記ツ
ルアに対向、配置し、前記半球形研削工具またはブルノ
ーズ形研削工具の円弧部と、前記ツルアの凹形状の円弧
部の表面とが共通の接線を有しながら接触するように押
圧させ、前記研削工具の側面及び端面の直線部は前記ツ
ルアの鉛直部または水平部に押圧させ、前記研削工具を
その回転軸を中心として回転させると共に前記研削工具
の形状に応じて前記ツルアの円弧部、鉛直部、または水
平部の表面に沿わせてNC送り手段にて相対運動させる
研削工具のツルーイング方法を要旨とする。
【0009】請求項2に記載の本発明は、研削工具のツ
ルーイング装置において、断面が凹形状の円弧部と前記
円弧部の一端に連続する鉛直部と前記円弧部の他端に連
続する水平部とを有するツルアと、前記ツルアの円弧部
の曲率半径以下の半径を有する半球形研削工具、ブルノ
ーズ形研削工具またはスクエア形研削工具をその回転軸
を中心として回転可能に保持する保持手段と、前記半球
形研削工具またはブルノーズ形研削工具の円弧部と、前
記ツルアの凹形状の円弧部の表面とが共通の接線を有し
ながら接触するように押圧させ、前記研削工具の側面及
び端面の直線部は前記ツルアの鉛直部または水平部に押
圧させ、前記研削工具を回転させつつ前記研削工具の形
状に応じて前記ツルアの円弧部、鉛直部、または水平部
の表面に沿わせて相対運動させるNC送り手段とを具備
した研削工具のツルーイング装置を要旨とする。請求項
3に記載の本発明は、研削工具のツルーイング装置にお
いて、ダイヤモンドやCBN等でなり、断面が凹形状の
円弧部と前記円弧部の一端に連続する鉛直部と前記円弧
部の他端に連続する水平部とを有するツルアと、前記ツ
ルアの円弧部の曲率半径以下の半径を有する半球形研削
工具、ブルノーズ形研削工具またはスクエア形研削工具
をその回転軸を中心として回転可能に保持する保持手段
と、前記半球形研削工具またはブルノーズ形研削工具の
円弧部と、前記ツルアの凹形状の円弧部の表面とが共通
の接線を有しながら接触するように押圧させ、前記研削
工具の側面及び端面の直線部は前記ツルアの鉛直部また
は水平部に押圧させ、前記研削工具を回転させつつ前記
研削工具の形状に応じて前記ツルアの円弧部、鉛直部、
または水平部の表面に沿わせて相対運動させるNC送り
手段とを具備した研削工具のツルーイング装置を要旨と
する。請求項4に記載の本発明は、研削工具のツルーイ
ング装置において、断面が凹形状の円弧部と前記円弧部
の一端に連続する鉛直部と前記円弧部の他端に連続する
水平部とを有するツルアと、前記ツルアの円弧部の曲率
半径以下の半径を有する半球形研削工具、ブルノーズ形
研削工具またはスクエア形研削工具をその回転軸を中心
として回転可能に保持する保持手段と、前記研削工具と
前記ツルアとの間に所定電圧を印加し放電現象を生じし
める電源装置と、前記半球形研削工具またはブルノーズ
形研削工具の円弧部と、前記ツルアの凹形状の円弧部の
表面とが共通の接線を有しながら接触するように押圧さ
せ、前記研削工具の側面及び端面の直線部は前記ツルア
の鉛直部または水平部に押圧させ、前記研削工具を回転
させつつ前記ツルアに接近、対向させ、前記研削工具の
形状に応じて前記ツルアの円弧部、鉛直部、または水平
部の表面に沿わせて相対運動させるNC送り手段とを具
備した研削工具のツルーイング装置を要旨とする。請求
項5に記載の本発明は、研削工具のツルーイング装置に
おいて、断面が凹形状の円弧部と前記円弧部の一端に連
続する鉛直部と前記円弧部の他端に連続する水平部とを
有するツルアと、前記ツルアの円弧部の曲率半径以下の
半径を有する半球形研削工具、ブルノーズ形研削工具ま
たはスクエア形研削工具をその回転軸を中心として回転
可能に保持する保持手段と、前記ツルアと研削工具を遊
離砥粒が分散された研削液中に浸漬し、前記ツルアの表
面に電気泳動現象によって前記遊離砥粒を引き寄せる電
気泳動装置と、前記半球形研削工具またはブルノーズ形
研削工具の円弧部と、前記ツルアの凹形状の円弧部の表
面とが共通の接線を有しながら接触するように押圧さ
せ、前記研削工具の側面及び端面の直線部は前記ツルア
の鉛直部または水平部に押圧させ、前記研削工具を回転
させつつ前記研削工具の形状に応じて前記ツルアの円弧
部、鉛直部、または水平部の表面に沿わせて相対運動さ
せるNC送り手段とを具備した研削工具のツルーイング
装置を要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1を参照して本発明の第1の実
施形態を説明する。本発明実施形態による研削工具のツ
ルーイング装置10(以下、装置10と記載する)は、
基台11の上面に固定されたツルア18を具備してい
る。ツルア18は、断面において所定半径の凹状の円弧
状に形成された円弧部18aと、該円弧部18aに連続
し、かつ、断面において直線状に形成された鉛直部18
bおよび水平部18cとを有している。ツルーイングす
べき研削工具12はツルア18に対向配置される。図1
に示す実施形態では研削工具12は、ツルア18の円弧
部18aの曲率半径以下の半径を有する半球状に形成さ
れたボール形研削工具にて図示されている。
【0011】研削工具12は、ツルア18の鉛直部18
bに平行な回転軸線O1を雄心として回転自在に主軸装
置14の主軸14aの先端部に装着されている。主軸装
置14は、回転軸線O1の方向(以下Z軸方向と記載す
る)および同回転軸線に対して垂直で互いに直交する2
方向(以下X軸方向およびY軸方向と記載する)に移動
可能に構成されており、NC制御装置(図示せず)によ
り研削工具12の先端部をツルア18に対して正確に位
置決めしたり、任意方向の相対運動を行わすことができ
るようになっている。図1に示す実施形態において、研
削工具12は微粒レジンボンド砥石を具備して成り、例
えば、平均粒径4から5μmのアルミナ砥粒をメラミン
樹脂にて結合して形成することができる。またツルア1
8は、ダイヤモンドやCBN(立方晶窒化ほう素)の焼
結体で形成することができる。
【0012】研削工具12は、図2に示すように、半球
状の先端部と円筒状の基端部とを組み合わせた砥石を有
するボール形研削工具12(図2(a))、円筒状の先
端外周部を、その断面において四分円状に成形した砥石
を有するプルノーズ形研削工具12′(図2(b))、
円筒状の砥石を有するスクエア形研削工具12″(図2
(c))もしくは、これらの形状を組み合わせた形状と
することができる。要は、研削工具12の形状は、ツル
ア18の凹状の円弧部18aの曲率半径以下の半径を有
する曲面部分や、ツルア18の鉛直部18bによりツル
ーイングされる円筒面部分またはツルア18の水平部1
8cによりツルーイングされる端面部分を含む形状であ
ればよい。スクエア形研削工具12″には、ボール形研
削工具12やプルノーズ形研削工具12′のように、ツ
ルア18の円弧部18aによりツルーイングされる明確
な曲面部分を有していないが、プルノーズ形研削工具1
2′の曲面部分の曲率半径が極限的に小さくなった形状
と考えることができる。
【0013】以下、ボール形研削工具12をツルーイン
グする場合を一例として第1の実施形態の作用を説明す
る。先ず、ツルーイングすべき研削工具12がNC送り
手段により駆動される主軸装置14の主軸14aの先端
部に装着される。次に、研削工具12の先端に成形しよ
うとするボール部の仮想的な半円形と、ツルア18の凹
状の円弧部18aの表面とが、共通の接線を有しながら
接触するように押圧して、研削工具12を主軸装置14
により回転軸線O1を中心として回転させながら、X
軸、Y軸、Z軸方向に移動させる。これにより、研削工
具12の先端にツルア18の円弧部18aの曲率半径以
下の半径を有する半円形のボール部が成形される。ま
た、研削工具12の円筒部の側面を研削するためには、
研削工具12を回転させながら、ツルア18の鉛直部1
8bに研削工具12の側面を押圧すればよい。
【0014】更に、図2(b)のプルノーズ形研削工具
12′の場合には、円筒状の側面と、断面において四分
円状の湾曲部に加えて、平坦な端面を有している。プル
ノーズ形研削工具12′の側面と湾曲部は上述したボー
ル形研削工具12と同様に成形することができる。つま
り、側面はツルア18の鉛直部18bにより、湾曲部は
ツルア18の凹状の円弧部18aによりツルーイングす
ることができる。プルノーズ形研削工具12′の端面は
ツルア18の水平部18cに押接することによりツルー
イングすることができる。図2(c)のスクエア形研削
工具12″の場合には、研削工具12″の側面をツルア
18の鉛直部18bに押接し、端面を水平部18cに押
接する。
【0015】次に、図3を参照して本発明の第2の実施
形態を説明する。これは前述の第1の実施形態の機械的
なツルーイングに対して、放電ツルーイングの場合を示
している。図3において、図1の実施形態と同様の構成
要素は同じ参照番号を付して指示されている。本実施形
態によるツルーイング装置10は、凹形状の加工槽16
と、該加工槽16内に固定された回転対称形状の回転ツ
ルア18′とを具備している。回転ツルア18′は回転
対称形状をしている点を除いて第1の実施形態のツルア
18と同様に凹状の円弧部と、該円弧部に連続する直線
部としての鉛直部と水平部とを有している。材質は、
銅、グラファイト等でなっている。加工槽16内には、
一般的な放電加工機と同様に、供給管路22を介して加
工液供給源から放電加工液が供給され、回転ツルア1
8′は放電加工液中に浸漬される。加工槽16は、基台
11の上面に固定された駆動モータ20の回転軸20a
に連結されており、鉛直の回転軸線Oを中心として回転
駆動される。
【0016】ツルーイングすべき研削工具12が、加工
槽16内において回転ツルア18′に対設されている。
研削工具12は、第1の実施形態と同様に、NC駆動さ
れる主軸装置14の主軸14a先端に装着されており、
その先端部をNC装置によりX軸、Y軸、Z軸方向に精
密に位置決めしたり任意形状に沿って相対移動すること
ができる。但し、本実施形態において研削工具12は、
ダイヤモンド砥粒を金属結合材にて結合、成形したメタ
ルボンド砥石を具備している。ツルーイングすべき研削
工具として、本実施形態では図1の実施形態と同様にボ
ール形研削工具12が図示されているが、ブルノーズ形
研削工具12′(図2(b))やスクエア形研削工具1
2″(図2(C))でもよいことは言うまでもない。
【0017】主軸装置14の主軸14aは、給電ブラシ
26を介して電源装置24に接続されている。主軸装置
14を電源装置24から電気的に遮断するために、主軸
装置14には絶縁体14bが設けられている。回転ツル
ア18′も同様に給電ブラシ(図示せず)を介して電源
装置24に電気的に接続されている。こうして、電源装
置24により、ツルーイングすべき研削工具12と回転
ツルア18′の間に所望電圧が印加される。
【0018】次に、第2の実施形態の作用を説明する。
供給管路22を介して放電加工液が加工槽16に供給さ
れ、加工槽16内に放電加工液が満たされると、回転ツ
ルア18′が放電加工液中に浸漬される。研削工具12
と回転ツルア18′の間に電圧を印加しながら、研削工
具12を回転ツルア18′の表面に接近、対向すること
により両者間に放電現象が生じる。この状態を維持しつ
つ、研削工具12と回転ツルア18′とを回転させて研
削工具12の先端を第1の実施形態で説明したようにN
C送り手段にてX軸、Y軸、Z軸方向に移動させること
により、放電現象が起こり、結合材としての金属部分が
除去され、研削工具12が所望形状にツルーイングされ
る。
【0019】なお、第2の実施形態では、回転ツルア1
8′は放電加工液中に浸漬されていたが、加工領域、つ
まり、回転ツルア18′と研削工具12の接触部に放電
加工液を噴射してもよい。次に、図4を参照して本発明
の第3の実施形態を説明する。図4を参照すると、本実
施形態による研削工具のツルーイング装置10は、基台
11の上面に中空円筒形状のフレーム30が設けられて
おり、該フレーム30に研削液を貯留するための加工槽
32が取り付けられている。加工槽32内には陽極固定
部材34が回転軸線Oを中心として回転自在にフレーム
30に支持されている。陽極固定部材34はアクリルな
どの電気絶縁材料により凹部34aを有した概ね円筒形
状に形成されており、上端外周部に沿ってフランジ部3
4bを備えている。陽極固定部材34のフランジ部34
bとフレーム30との間にはOリングなどのシール部材
30aが配設されており、フレーム30の内部に研削液
が侵入することを防止している。
【0020】本実施形態において前記研削液はイオン交
換水にカルボキシメチルセルロース(CMC)と、酸化
アルミナ砥粒を分散させた懸濁液から成る。遠心力によ
り研削液が飛散することを防止するため、および、粒径
が比較的大きなアルミナ砥粒を研削液に遊離砥粒として
分散させるために比較的粘度の高い研削液とした。より
具体的には、CMC水溶液に重量比で約5%のアルミナ
砥粒を分散させ、粘度を45から50cPに維持した。
アルミナ砥粒の粒径は1.5から6.7μmとした。研
削液を加工槽32内で循環させるために研削液循環装置
38が設けられている。研削液循環装置38はポンプ3
8aを具備しており、該ポンプ38aは管路38bを介
して加工槽32の底部から研削液を吸い込んで、管路3
8cを介して加工槽32の上方部、詳細には、加工槽3
2内の陽極固定部材34の凹部34aの上方部に研削液
を循環させる。ポンプ38aは、好ましくはチュービン
グポンプとすることができる。
【0021】陽極固定部材34の凹部34a内には、陽
電極としてのツルア18″が陽極固定部材34に対して
回転軸線Oに沿って同心状に固定されている。ツルア1
8″は、例えばステンレス鋼などの耐腐食性の金属材料
により、断面が凹形状の円弧部18″aと、該円弧部1
8″aに連続して設けられた2つの直線部18″b,1
8″cを備えた回転体形状に形成される(図5参照)。
フレーム30の内部において基台11の上面には、陽極
固定部材34を回転軸線Oを中心として回転駆動するた
めの駆動モータ36が固定されており、陽極固定部材3
4は駆動モータ36の回転軸36aに取り付けられてい
る。駆動モータ36は、例えば1500rpm で回転させ
ることができる。こうして、ツルア18″は駆動モータ
36により陽極固定部材34とともに回転軸線Oを中心
として回転駆動される。
【0022】陽極固定部材34の凹部34a内には、更
に、陰電極40が、ツルア18″に対微小間隙δをおい
て対設されている。陰電極40は、例えばグラファイト
でなり、ツルア18″に対して総形に形成されている。
微小間隙δを調節可能に装置10の図示しない固定部に
固定されている。ツルア18″と陰電極40との間に
は、電源装置42により所望の直流電圧が印加される。
【0023】陽極固定部材34の凹部34a内には、更
に、ツルーイングすべき研削工具として研削工具12が
対設されている。研削工具12は、ツルア18″の回転
軸線Oに平行な回転軸線O1 を中心として回転する主軸
装置14の先端部に装着されている。主軸装置14は回
転軸線O1 に沿うZ軸方向および同回転軸線に対して垂
直な2方向、X,Y軸方向に移動可能に構成されてお
り、研削工具12の先端部をツルア18″に対して正確
に位置決めできるようになっている。例えば研削工具1
2は極微粒レジンボンド砥石を具備して成り、平均粒径
4から5μmのダイヤモンド砥粒をメラミン樹脂にて結
合して形成される。研削工具12は、図2に示すよう
に、ボール形研削工具12、ブルノーズ形研削工具1
2′、スクエア形研削工具12″もしくは、これらの形
状を組み合わせた形状とすることができる。要は、研削
工具12の形状は、ツルア18″の凹状の円弧部18″
aの曲率半径以下の半径を有する曲面部分と、ツルア1
8″の直線部分18″bによりツルーイング可能な円筒
面部分と、ツルアの直線部分18″cによりツルーイン
グされる端面部分とを有する形状であればよい。
【0024】以下、本発明実施形態の作用を説明する。
一般的に、CMCを溶解させた水溶液にアルミナ砥粒を
分散させると、CMCの親水基が金属イオンを放出して
負に帯電し、疎水基には砥粒が吸着される。CMC溶液
に砥粒を分散させた懸濁液から成る研削液に、ツルア1
8″と陰電極40との間に電圧を印加して両者間の微小
間隙に電場を形成すると、CMCに疎水吸着した砥粒
が、電気泳動現象によりツルア18″の表面に吸引され
る。そして、ツルア18″の表面に吸引されたCMCお
よび砥粒がツルア18″の表面に疎水吸着して、図5に
おいて一点鎖線で示すように砥粒濃度の高いゲル状の皮
膜44が形成される。
【0025】この状態で、ツルア18″および研削工具
12を相対回転させながら両者を互いに押接して、研削
工具12のツルーイングを行う。より詳細には、研削工
具12のダイヤモンド砥粒の平均粒径と同等もしくはそ
れ以上の平均粒径を有している遊離砥粒を用いることに
より、研削工具12のダイヤモンド砥粒および結合材と
してのメラミン樹脂が除去され、主として研削工具12
のツルーイングが行われる。反対に、研削工具12のダ
イヤモンド砥粒の平均粒径と同等もしくはそれ以下の平
均粒径を有している遊離砥粒を用いることにより、研削
工具12のメラミン樹脂のみが除去され、主として研削
工具12のドレッシングが行われる。
【0026】また、研削工具12およびツルア18″を
相対回転させながら、研削工具12をツルア18″の表
面に強く押接することにより主としてツルーイングが行
われる。研削工具12をツルア18″の表面に形成され
たゲル状の皮膜44に接触させることにより主としてド
レッシングが行われる。つまり、研削工具12をツルア
18″の表面に接触するように押接することにより、研
削工具12のダイヤモンド砥粒および結合材としてのメ
ラミン樹脂の両者が除去され、研削工具12にツルア1
8″との接触面の形状が転写され、研削工具12がツル
ア18″でなく、ツルア18″の表面に形成されたゲル
状の皮膜44に接触するように研削工具12を位置決め
することにより、ゲル状の皮膜がポリッシャとして作用
し、研削工具12のメラミン樹脂のみが除去され研削工
具12がドレッシングされる。
【0027】上記2つの方法、つまり、遊離砥粒の粒径
を適当に選択することと、研削工具12のツルア18″
への押し付け方を適当に選択することにより、研削工具
12のツルーイングとドレッシングとを最適化すること
ができる。すなわち、研削工具12のダイヤモンド砥粒
の平均粒径と同等もしくはそれ以上の平均粒径を有する
遊離砥粒を用いて、研削工具12をツルア18″の表面
に強く押接することにより、効率的にツルーイングを行
うことが可能となり、研削工具12のダイヤモンド砥粒
の平均粒径と同等もしくはそれ以下の平均粒径を有する
遊離砥粒を用いて、研削工具12をツルア18″の表面
に形成された皮膜44に接触させることにより、効率的
にドレッシングを行うことが可能となる。図2の
(a),(b),(c)に示すような各研削工具形状に
応じて、NC送り手段のX,Y,Z軸の送り動作を制御
して、研削工具を所望形状にツルーイングすることがで
きる。第1、第2、第3の実施形態において、主軸装置
14をNC工作機械の主軸装置で代用し、基台11をN
C工作機械のテーブル上の一角に固定して、研削工具1
2でワークを加工中にツルーイングの必要が生じたら、
すぐにテーブル上の一角に設けたツルーイング装置10
でツルーイングし、その後当該工具でワークの研削加工
を続行するように構成しても良い。
【0028】
【発明の効果】凹状の円弧部とその円弧部に続く直線部
とから成る単純形状のツルアを用いるという簡単な構成
で各種形状の研削工具を1つのツルアで能率的に、か
つ、高精度にツルーイングできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるツルーイング装
置の略断面図である。
【図2】研削工具の拡大図であり、(a)はボール形研
削工具、(b)はブルノーズ形研削工具、(c)はスク
エア形研削工具である。
【図3】本発明の第2の実施形態によるツルーイング装
置の略断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態によるツルーイング装
置の略断面図である。
【図5】図4のツルアの部分拡大図であり、ツルアの表
面に形成される皮膜を示す図である。
【符号の説明】
10…ツルーイング装置 11…基台 12,12′,12″…研削工具 14…主軸装置 16,34…加工槽 18,18′,18″…ツルア 20,36…駆動モータ 24,42…電源装置 40…陰電極

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研削工具のツルーイング方法において、 断面が凹形状の円弧部と前記円弧部の一端に連続する鉛
    直部と前記円弧部の他端に連続する水平部とを有するツ
    ルアを用い、前記ツルアの円弧部の曲率半径以下の半径を有する半球
    形研削工具、ブルノーズ形研削工具またはスクエア形
    削工具を前記ツルアに対向、配置し、前記半球形研削工具またはブルノーズ形研削工具の円弧
    部と、前記ツルアの凹形状の円弧部の表面とが共通の接
    線を有しながら接触するように押圧させ、前記研削工具
    の側面及び端面の直線部は前記ツルアの鉛直部または水
    平部に押圧させ、 前記研削工具をその回転軸を中心とし
    て回転させると共に前記研削工具の形状に応じて前記ツ
    ルアの円弧部、鉛直部、または水平部の表面に沿わせて
    NC送り手段にて相対運動させることを特徴とした研削
    工具のツルーイング方法。
  2. 【請求項2】 研削工具のツルーイング装置において、 断面が凹形状の円弧部と前記円弧部の一端に連続する鉛
    直部と前記円弧部の他端に連続する水平部とを有するツ
    ルアと、前記ツルアの円弧部の曲率半径以下の半径を有する半球
    形研削工具、ブルノーズ形研削工具またはスクエア形
    削工具をその回転軸を中心として回転可能に保持する保
    持手段と、前記半球形研削工具またはブルノーズ形研削工具の円弧
    部と、前記ツルアの凹形状の円弧部の表面とが共通の接
    線を有しながら接触するように押圧させ、前記研削工具
    の側面及び端面の直線部は前記ツルアの鉛直部または水
    平部に押圧させ、 前記研削工具を回転させつつ前記研削
    工具の形状に応じて前記ツルアの円弧部、鉛直部、また
    は水平部の表面に沿わせて相対運動させるNC送り手段
    と、 を具備したことを特徴とする研削工具のツルーイング装
    置。
  3. 【請求項3】 研削工具のツルーイング装置において、 ダイヤモンドやCBN等でなり、断面が凹形状の円弧部
    と前記円弧部の一端に連続する鉛直部と前記円弧部の他
    端に連続する水平部とを有するツルアと、前記ツルアの円弧部の曲率半径以下の半径を有する半球
    形研削工具、ブルノーズ形研削工具またはスクエア形
    削工具をその回転軸を中心として回転可能に保持する保
    持手段と、前記半球形研削工具またはブルノーズ形研削工具の円弧
    部と、前記ツルアの凹形状の円弧部の表面とが共通の接
    線を有しながら接触するように押圧させ、前記研削工具
    の側面及び端面の直線部は前記ツルアの鉛直部または水
    平部に押圧させ、 前記研削工具を回転させつつ前記研削
    工具の形状に応じて前記ツルアの円弧部、鉛直部、また
    は水平部の表面に沿わせて相対運動させるNC送り手段
    と、 を具備したことを特徴とする研削工具のツルーイング装
    置。
  4. 【請求項4】 研削工具のツルーイング装置において、 断面が凹形状の円弧部と前記円弧部の一端に連続する鉛
    直部と前記円弧部の他端に連続する水平部とを有するツ
    ルアと、前記ツルアの円弧部の曲率半径以下の半径を有する半球
    形研削工具、ブルノーズ形研削工具またはスクエア形
    削工具をその回転軸を中心として回転可能に保持する保
    持手段と、 前記研削工具と前記ツルアとの間に所定電圧を印加し放
    電現象を生じせしめる電源装置と、前記半球形研削工具またはブルノーズ形研削工具の円弧
    部と、前記ツルアの凹形状の円弧部の表面とが共通の接
    線を有しながら接触するように押圧させ、前記研削工具
    の側面及び端面の直線部は前記ツルアの鉛直部または水
    平部に押圧させ、 前記研削工具を回転させつつ前記ツル
    アに接近、対向させ、前記研削工具の形状に応じて前記
    ツルアの円弧部、鉛直部、または水平部の表面に沿わせ
    て相対運動させるNC送り手段と、 を具備したことを特徴とする研削工具のツルーイング装
    置。
  5. 【請求項5】 研削工具のツルーイング装置において、 断面が凹形状の円弧部と前記円弧部の一端に連続する鉛
    直部と前記円弧部の他端に連続する水平部とを有するツ
    ルアと、前記ツルアの円弧部の曲率半径以下の半径を有する半球
    形研削工具、ブルノーズ形研削工具またはスクエア形
    削工具をその回転軸を中心として回転可能に保持する保
    持手段と、 前記ツルアと研削工具を遊離砥粒が分散された研削液中
    に浸漬し、前記ツルアの表面に電気泳動現象によって前
    記遊離砥粒を引き寄せる電気泳動装置と、前記半球形研削工具またはブルノーズ形研削工具の円弧
    部と、前記ツルアの凹形状の円弧部の表面とが共通の接
    線を有しながら接触するように押圧させ、前記研削工具
    の側面及び端面の直線部は前記ツルアの鉛直部または水
    平部に押圧させ、 前記研削工具を回転させつつ前記研削
    工具の形状に応じて前記ツルアの円弧部、鉛直部、また
    は水平部の表面に沿わせて相対運動させるNC送り手段
    と、 を具備したことを特徴とする研削工具のツルーイング装
    置。
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