JP4141118B2 - 研削工具のドレッシング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は研削工具のドレッシング装置に関し、特に半球状の研削工具を精度よくドレッシングするドレッシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
変位切り込み方式の研削加工を行うことによって金型の自由曲面を鏡面仕上するために、半球状に成形した極微粒のダイヤモンド砥粒を含む砥石または研削工具が用いられている。砥石は、研削加工の進捗により、砥石表面の砥粒間にワーク表面から除去された微粒の切粉が目詰まりするとともに、砥石の砥粒および結合材(マトリックス)が漸次除去され変形する。この場合、高精度な加工面を創成するためには、砥石を精度よくツルーイング(成形)およびドレッシング(目立て)する必要がある。
【0003】
精密な表面研磨法として電気泳動現象を利用した研磨方法は既に公知となっている。例えば、特公昭59−46739号公報には電気泳動によりワーク表面を研削する方法が開示されている。この方法では、遊離砥粒を分散させた懸濁液中において、ワークとポリッシャを対向させた状態で両者間に電圧を印加しながら相対回転運動させ、電気泳動現象を利用してワーク表面を研磨する。
更に、特開平8−257912号公報には、遊離砥粒を分散させた懸濁液中において、ワークを研磨すると同時に砥石の再生を行う電気泳動を利用したインプロセスドレッシング方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
既述したように、高精度の研削加工では精度よくツルーイングおよびドレッシングを行うことが不可欠である。然しながら、上記2つの公報に開示された方法では半球状の研削工具のツルーイングとドレッシングを行なうことができない。
本発明は、電気泳動現象を利用して、研削工具、特に半球状の砥石から成る研削工具を精度よくツルーイングとドレッシングが可能な装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、研削工具と総形陽電極とを研磨液中で対応させて相対回転させながら、総形陽電極と総形陰電極との間に所定の電圧または電流を印加して、電気泳動現象により、総形陽電極に研磨液中の遊離砥粒を吸着して研削工具をドレッシングすることにより達成される。
【0006】
請求項1に記載の本発明は、研削工具のドレッシング装置において、研磨液を貯留した加工槽内に回転可能に支持された半球状の研削工具と、前記加工槽内で前記研削工具に対設され、前記研削工具の回転軸線に平行な回転軸線回りに回転可能に支持され、かつ前記研削工具の半球状部と略等しい半径の円弧を有した回転体形状の総形陽電極と、前記加工槽内で前記総形陽電極に対して総形に形成され、かつ微小間隙をあけて対設、固定された総形陰電極と、前記総形陽電極と前記総形陰電極の間に電界を形成し、両者間に前記研磨液中に分散させた遊離砥粒の電気泳動現象を生じさせる電源装置と、前記研削工具の回転に対して前記総形陽電極をその中心軸線まわりに相対回転させる回転駆動手段と、を具備したことを特徴とする研削工具のドレッシング装置を要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、本発明実施形態による研削工具のドレッシング装置10は、基台12の上面に中空円筒形状のフレーム14が設けられており、該フレーム14に研磨液を貯留するための加工槽16が取り付けられている。加工槽16内には陽極固定部材20が回転軸線Oを中心として回転自在にフレーム14に支持されている。陽極固定部材20はアクリルなどの電気絶縁材料により凹部20aを有した概ね円筒形状に形成されており、上端外周部に沿ってフランジ部20bを備えている。陽極固定部材20のフランジ部20bとフレーム14の間にはOリングなどのシール部材14aが配設されており、フレーム14の内部に研磨液が侵入することを防止している。
【0008】
本実施形態において前記研磨液はイオン交換水にカルボキシメチルセルロース(CMC)と、遊離砥粒として酸化アルミナ砥粒を分散させた懸濁液とから成る。遠心力により研磨液が飛散することを防止するため、および、粒径が比較的大きなアルミナ砥粒を研磨液に分散させるために比較的粘度の高い研磨液とした。より具体的には、CMC水溶液に重量比で約5%のアルミナ砥粒を分散させ、粘度を45から50cPに維持した。アルミナ砥粒の粒径は1.5から6.7μmとした。研磨液を加工槽16内で循環させるために研磨液循環装置24が設けられている。研磨液循環装置24はチュービングポンプ24aを具備しており、該チュービングポンプ24aは管路24bを介して加工槽16の底部から研磨液を吸い込んで、管路24cを介して加工槽16の上方部、詳細には、加工槽16内の陽極固定部材20の凹部20aの上方部に研磨液を循環させる。
【0009】
陽極固定部材20の凹部20a内には、総形陽電極18が陽極固定部材20に対して回転軸線Oに沿って同心状に固定されている。総形陽電極18は、例えばステンレス鋼などの耐腐食性の金属材料により、ツルーイング、ドレッシングを行う研削工具に対して総形に形成される。すなわち、研削工具の半球状部と略等しい半径の円弧を有した図示のような回転体形状に形成される。フレーム14の内部において基台12の上面には、陽極固定部材20を回転軸線Oを中心として回転駆動するための駆動モータ22が固定されており、陽極固定部材20は駆動モータ22の回転軸22aに取り付けられている。駆動モータ22は、例えば1500rpmで回転させることができる。こうして、総形陽電極18は駆動モータ22により陽極固定部材20とともに回転軸線Oを中心として回転駆動される。
【0010】
陽極固定部材20の凹部20a内には、更に、総形陰電極26が、総形陽電極18に対微小間隙δをおいて対設されている。総形陰電極26は、例えばグラファイトで成り、総形陽電極18に対して総形に形成されている。微小間隙δを調節可能にドレッシング装置10の図示しない固定部に固定されている。総形陽電極18と総形陰電極26の間には、電源装置28により所望の直流電圧または直流電流が印加される。総形陽電極18と総形陰電極26の間において研磨液中に電界が形成される。
【0011】
陽極固定部材20の凹部20a内には、更に、ツルーイングまたはドレッシングすべき研削工具としてボール砥石30が対設されている。ボール砥石30は、総形陽電極18の回転軸線Oに平行な回転軸線O1を中心として回転自在に主軸装置32の先端部に装着されている。主軸装置32は回転軸線O1に沿う方向および同回転軸線に対して垂直方向に移動可能に構成されており、ボール砥石30の先端部を総形陽電極18に対して正確に位置決めできようになっている。ボール砥石30は極微粒レジンボンド砥石であり、平均粒径4から5μmのダイヤモンド砥粒をメラミン樹脂にて結合し、円柱と半球とを組み合わせた形状にて形成されている。ボール砥石30は単に半球形状に形成してもよい。
【0012】
以下、本発明実施形態の作用を説明する。
一般的に、CMCを溶解させた水溶液にアルミナ砥粒を分散させると、CMCの親水基が金属イオンを放出して負に帯電し、疎水基には砥粒が吸着される。CMC溶液に砥粒を分散させた懸濁液から成る研磨液に、総形陽電極18と総形陰電極26の間に電圧を印加して両者間の微小間隙に電場を形成すると、CMCに疎水吸着した砥粒が、電気泳動現象により総形陽電極18の表面に吸引される。そして、総形陽電極18の表面に吸引されたCMCおよび砥粒が総形陽電極18の表面に疎水吸着して、図2に示すように砥粒濃度の高いゲル状の皮膜34が形成される。
【0013】
この状態で、総形陽電極18およびボール砥石30を回転させながら両者を互いに押接すると、総形陽電極18の形状がボール砥石30に転写され、ボール砥石30がツルーイング(成形)される。また、ボール砥石30および総形陽電極18を回転させながら、ボール砥石30を総形陽電極18の表面に形成されたゲル状の皮膜34に接触させることによりボール砥石30がドレッシング(目立て)される。つまり、ボール砥石30を総形陽電極18の表面に接触するように押接することにより、ボール砥石30のダイヤモンド砥粒および結合材としてのメラミン樹脂の両者が除去され、ボール砥石30に総形陽電極18の形状が転写される。また、ボール砥石30が総形陽電極18でなく、総形陽電極18の表面に形成されたゲル状の皮膜34に接触するようにボール砥石30を位置決めすることにより、ゲル状の皮膜がポリッシャとして作用し、ボール砥石30のメラミン樹脂のみが除去されボール砥石30がドレッシングされる。
【0014】
実験によれば、1.5μmのアルミナ砥粒を用いてボール砥石30を総形陽極18に15μm接触させて印加電流を1Aとした場合で、約0.8μmの真円度にボール砥石をツルーイングすることができた。また、1.5μmのアルミナ砥粒を用いてボール砥石30と総形陽電極18との間に5μmの隙間を設定して印加電流を1Aとした場合、ボール砥石30から砥粒がほとんど除去されておらず、良好なドレッシングがなされていることが観察された。
なお、本ドレッシング装置は、研削工具を主軸に装着して金型などを加工するマシニングセンタのテーブル上の加工の支障にならない場所に設け、金型加工中に適宜ドレッシングやツルーイングがオンマシンで行えるように構成しても良いし、ドレッシング専用機として構成しても良い。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、遊離砥粒を分散させた研磨液に電界を形成して砥粒を電気泳動させることにより、総形陽電極の表面に砥粒を含むゲル状の皮膜を形成し、この皮膜を用いて、半球状の研削工具と総形陽電極とを相対回転させながら、研削工具を総形陽電極の表面に接触させることにより研削工具のツルーイングを行い、総形陽電極の表面に形成された皮膜にのみ接触させることにより研削工具のドレッシングを行うことが可能となる。よって、半球状の研削工具を精度よく成形及び目立てすることができる。特にドレッシングは、研削工具の砥粒の脱落を極力起こさず、ボンドのみを削るといういわゆるソフトなドレッシングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態によるドレッシング装置の略断面図である。
【図2】総形陽電極の部分拡大図であり、総形陽電極の表面に形成される皮膜を示す図である。
【符号の説明】
10…ドレッシング装置
12…基台
14…フレーム
16…加工槽
18…総形陽電極
24…研磨液循環装置
26…総形陰電極
28…電源装置
30…ボール砥石
Claims (2)
- 研削工具のドレッシング装置において、
研磨液を貯留した加工槽内に回転可能に支持された半球状の研削工具と、
前記加工槽内で前記研削工具に対設され、前記研削工具の回転軸線に平行な回転軸線回りに回転可能に支持され、かつ前記研削工具の半球状部と略等しい半径の円弧を有した回転体形状の総形陽電極と、
前記加工槽内で前記総形陽電極に対して総形に形成され、かつ微小間隙をあけて対設、固定された総形陰電極と、
前記総形陽電極と前記総形陰電極の間に電界を形成し、両者間に前記研磨液中に分散させた遊離砥粒の電気泳動現象を生じさせる電源装置と、
前記研削工具の回転に対して前記総形陽電極をその中心軸線まわりに相対回転させる回転駆動手段と、
を具備したことを特徴とする研削工具のドレッシング装置。 - 前記ドレッシング装置が、前記加工槽内の研磨液を循環させるための研磨液循環装置を更に具備した請求項1に記載のドレッシング装置。
Priority Applications (1)
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JP2001222068A JP4141118B2 (ja) | 2001-07-23 | 2001-07-23 | 研削工具のドレッシング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001222068A JP4141118B2 (ja) | 2001-07-23 | 2001-07-23 | 研削工具のドレッシング装置 |
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Family Applications (1)
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