JPH11320366A - 研削装置 - Google Patents

研削装置

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Publication number
JPH11320366A
JPH11320366A JP12771398A JP12771398A JPH11320366A JP H11320366 A JPH11320366 A JP H11320366A JP 12771398 A JP12771398 A JP 12771398A JP 12771398 A JP12771398 A JP 12771398A JP H11320366 A JPH11320366 A JP H11320366A
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JP
Japan
Prior art keywords
grindstone
polishing liquid
glass material
optical glass
processing tank
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP12771398A
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English (en)
Inventor
Takenori Katagiri
岳典 片桐
Naoyuki Kishida
尚之 岸田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP12771398A priority Critical patent/JPH11320366A/ja
Publication of JPH11320366A publication Critical patent/JPH11320366A/ja
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ガラス素材に対する形状創成と、研削面
の鏡面化とを効率良く行う。 【解決手段】 マイナスに帯電した研磨用微粒子を含む
研磨液2を加工増15に貯留する。電極3をマイナス、
砥石1をプラスとすることにより研磨用微粒子を電気泳
動現象で砥石1に付着させる。砥石保持手段36及びワ
ーク保持手段37を相対的に移動させ、砥石側面1aに
よって光学ガラス素材4に対し形状創成を行う。創成さ
れた面に対し、砥石正面1bに付着している研磨用微粒
子によって鏡面化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラス素材を
所望形状の面に創成する研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は特公平8−5011号公報に開
示された従来の研削装置を示す。この装置は、少なくと
もスパークアウト時に砥石を電解ドレッシングして光学
ガラス素材の研削を行う装置である。被研削物としての
光学ガラス素材100は、ワーク軸本体部110にワー
クホルダ120を介して回転自在に保持されている。砥
石130は導電性を有するボンドによって形成されてお
り、光学ガラス素材100の加工面101に対向するよ
うに、砥石軸140によって回転自在に保持されてい
る。
【0003】砥石130の研削面131と対向するよう
に、電解ドレッシング用電極150がワークホルダ12
0の外周部に配設されている。この電解ドレッシング用
電極150を陰極とすると共に、砥石130を陽極とし
て電圧を印加する電源160が設けられている。又、電
解ドレッシング用電極150と砥石130との間に弱電
性クーラント170を供給する供給装置180が設けら
れている。
【0004】この研削装置では、少なくともスパークア
ウト時に光学ガラス素材100を研削中の砥石130の
研削面131を電解ドレッシングすることにより、研削
面131の目立てを行うと共に、研削面131と光学ガ
ラス素材100の加工面101との間隔を一定とする。
【0005】この従来の研削装置は、光学ガラス素材1
00に対して形状創成を行うものであり、帯電した研磨
材を砥石に電気泳動現象によって付着させて光学ガラス
素材の研削面を鏡面化する鏡面研磨に用いる場合には、
電解ドレッシング用電極150を電気泳動現象を起こす
ための電極とする。又、電極150と砥石130との間
には、弱電性クーラントに代えて、研磨材となるコロイ
ダルシリカ等の微粒子を含む研磨液を供給し、かつ、電
極150と砥石130との間に印加する電圧を電気泳動
に適したものとする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
の従来の研削装置では電解ドレッシングに適した構成で
あり、電気泳動現象を利用して研磨材を付着させる鏡面
加工には適用することができない不便さがある。すなわ
ち、図11に示す従来の研削装置は、公知の球面創成装
置に電解ドレッシングをスパークアウト時に行うための
機能を付加したものであり、砥石130によって光学ガ
ラス素材100に対して切り込みを行った後、その切り
込み位置を保持したまま、すなわち切り込みを与えない
スパークアウト状態で、砥石130の研削面131に電
解ドレッシングして研削面131の目立てを行う。その
ため、切り込みを行った光学ガラス素材100の加工面
101には、別途研削加工を施す必要がある。
【0007】このような従来の研削装置では、砥石13
0の研削面131に電気泳動現象を利用して帯電した微
粒子からなる研磨材を電気的に付着させるためには、集
中的に電界を印加する必要がある。ところが単純に電気
泳動に適するように研磨液や印加する電圧を代えても、
砥石130および砥石軸140を介して、砥石130お
よび砥石軸140を取り付けた研削装置の全体への漏電
により、砥石130に十分に電力を集中させることがで
きない。
【0008】また、従来の研削装置では、弱電性クーラ
ント170を砥石130と電極150との間にかけ流し
ていただけなので、脈流があり、その中に空気を巻き込
み易い。従って、電気泳動現象を行うため、弱電性クー
ラントを研磨材である微粒子を含む研磨液に代えても、
陽極と陰極の間に研磨液が十分に満たされなかったり、
気泡などの介在により効果的に電流が流れることがな
い。このため、十分な研磨材が砥石130に付着するこ
とができず、研磨材による加工を安定的に行うことがで
きないものとなる。
【0009】本発明は、このような従来の問題点を考慮
してなされたものであり、光学ガラス素材に対する形状
創成と、この形状創成と同時に電気泳動現象を利用した
研削面の鏡面化を安定的に効率良く行うことが可能な研
削装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、砥石により光学ガラス素材を所
望形状の面に創成する研削装置において、前記光学ガラ
ス素材を回転自在に支持するワーク支持手段と、前記光
学ガラス素材の外周面から切り込みを行う砥石側面と、
この切り込みによって創成される面を切り込みと同時に
研磨する砥石正面とを備えた導電性の砥石と、この砥石
が取り付けられる導電性の回転軸を回転自在に支持する
砥石保持手段と、この砥石保持手段及び前記ワーク保持
手段を支持するベースと、前記光学ガラス素材を所望形
状の面に創成する創成位置に配置され、内部に前記光学
ガラス素材及び砥石が配置されると共に砥石が研磨液に
浸漬するように研磨液を貯留する加工槽と、この加工槽
の前記研磨液内に配置された電気泳動用電極と、この電
気泳動用電極を陰極とし、前記砥石を陽極として電圧を
印加する電源と、マイナスに帯電した研磨用微粒子を含
む研磨液を前記加工槽からの流出量よりも多い供給量で
供給することにより研磨液が加工槽内で貯留されるよう
に研磨液を加工槽に供給する研磨液供給手段と、前記光
学ガラス素材を所望形状の面の創成するため、前記砥石
又は光学ガラス素材を相対的に移動させる移動手段と、
前記砥石及び砥石を取り付けた前記回転軸と、前記砥石
保持手段又は前記ベースとを絶縁する手段と、を備えて
いることを特徴とする。
【0011】この発明では、移動手段が砥石及び光学ガ
ラス素材を相対的に移動させることにより、砥石側面が
光学ガラス素材に切り込みを行い、光学ガラス素材に所
望形状の面を創成する。電源は電気泳動用電極を陰極、
砥石を陽極として電圧を印加しており、マイナスに帯電
した研磨液内の研磨用微粒子は電気泳動現象によって砥
石に付着する。砥石側面は形状創成のための切り込みを
行うため、付着している微粒子の多くは研削時の大きな
加工力により砥石側面から脱落する。このとき、切り込
みは砥石側面に突出している砥粒によって行うため、切
り込みに何ら問題がない。
【0012】一方、砥石正面に付着した微粒子は砥石正
面が切り込みを行わず、加工力がほとんど作用しないた
め、砥石正面から脱落することがない。この砥石正面が
切り込みによって創成された創成面に倣って移動するこ
とにより、砥石側面による切り込みと、砥石正面に付着
した微粒子による創成面の研磨とが行われるため、創成
面を仕上げ加工でき、創成面の鏡面化を行うことができ
る。なお、この仕上げ加工の後、移動機構が砥石及び光
学ガラス素材を相対的に離反させることにより、光学ガ
ラス素材の創成面と砥石正面との間に隙間を形成し、こ
の隙間に砥石正面に付着した微粒子を成長させることが
できる。これにより微粒子によって創成面への研磨加工
を行うことができる。
【0013】又、研磨液供給手段は供給量が加工槽から
の流出量よりも多くなるように研磨液を加工槽へ供給す
るため、研磨液が途切れることがない。従って、研磨液
内の微粒子が砥石に充分に付着することができるため、
安定して研磨加工を行うことができる。これに加えて、
砥石及び砥石を取り付けた回転軸が砥石保持手段又はベ
ースから絶縁されており、漏電を起こすことなく砥石に
電圧を印加することができる。このため、マイナスに帯
電している微粒子が砥石に充分に付着することができ、
微粒子による研磨加工が安定する。
【0014】請求項2の発明は、光学ガラス素材を保持
するワーク軸に対してスイベル角を有して保持される砥
石により前記光学ガラス素材を所望形状の面に創成する
研削装置において、前記光学ガラス素材を回転自在に支
持するワーク支持手段と、導電性の砥石が取り付けられ
る導電性の回転軸を回転自在に支持する砥石保持手段
と、この砥石保持手段及び前記ワーク保持手段を支持す
るベースと、前記光学ガラス素材を所望形状の面に創成
する創成位置に配置され、内部に前記光学ガラス素材及
び砥石が配置されると共に砥石が研磨液に浸漬するよう
に研磨液を貯留する加工槽と、この加工槽の前記研磨液
内に配置された電気泳動用電極と、この電気泳動用電極
を陰極とし、前記砥石を陽極として電圧を印加する電源
と、マイナスに帯電した研磨用微粒子を含む研磨液を前
記加工槽からの流出量よりも多い供給量で供給すること
により研磨液が加工槽内で貯留されるように研磨液を加
工槽に供給する研磨液供給手段と、前記砥石又は光学ガ
ラス素材を前記回転軸の軸方向に沿って相対的に移動さ
せる移動手段と、前記砥石及び砥石を取り付けた前記回
転軸と、前記砥石保持手段又は前記ベースとを絶縁する
手段と、を備えていることを特徴とする。
【0015】この発明では、光学ガラス素材を保持する
ワーク軸に対し、砥石がスイベル角を有して保持された
カーブジェネレータ方式によって光学ガラス素材を創成
する。この発明においても、電気泳動用電極を陰極、砥
石を陽極として電圧を印加するため、研磨液内の研磨用
微粒子が電気泳動現象によって砥石に付着し、この状態
で砥石が光学ガラス素材に切り込みを行うことにより形
状創成を行うことができる。この切り込みよって砥石に
付着した微粒子の多くが脱落する。
【0016】その後、形状創成が行われたときの砥石及
び光学ガラス素材の位置を保持したまま、スパークアウ
トを行う。このスパークアウトでは、砥石が光学ガラス
素材に切り込みを行わないため、砥石に微粒子が付着す
る。そして、この付着した微粒子によって光学ガラス素
材の創成面を研磨することにより創成面を鏡面化するこ
とができる。
【0017】又、この発明においても、創成面の研磨の
後、移動手段が砥石及び光学ガラス素材を相対的に離反
させることにより、光学ガラス素材の創成面と砥石正面
との間に隙間を形成し、この隙間に砥石正面に付着した
微粒子を成長させることができ、これにより微粒子によ
って創成面への研磨加工を行って創成面の面粗さを小さ
くすることもできる。さらに、加工槽からの流出量より
も多くなるように研磨液を加工槽へ供給する研磨液供給
手段を備えると共に、砥石及び砥石を取り付けた回転軸
を砥石保持手段又はベースから絶縁しているため、微粒
子が砥石に充分に付着することができ、微粒子による研
磨加工が安定する。
【0018】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
発明であって、前記研磨液を貯留する加工槽は前記電気
泳動用電極を兼ねていることを特徴とする。
【0019】この発明では、加工槽が電気泳動用電極を
兼ねているため、部品点数が少なくなり、簡単な構造と
することができる。
【0020】請求項4の発明は、請求項1又は2記載の
発明であって、前記研磨液供給手段から加工槽に供給さ
れる研磨液を加工槽に循環させる循環経路が設けられる
と共に、この循環経路が絶縁処理されていることを特徴
とする。
【0021】循環経路が研磨液を循環させるため、研磨
液の消費量を少なくすることができる。又、この循環経
路は絶縁処理されているため、帯電した研磨用微粒子が
循環経路に付着することがなく研磨用微粒子を安定して
供給することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態により具体的に説明する。なお、各実施の形態にお
いて、同一の要素は同一の符号を付して対応させてあ
る。
【0023】(実施の形態1)図1〜図4は、本発明の
実施の形態1を示し、図1及び図2は研削装置の部分的
に破断した全体の平面図及び部分的に破断した全体の正
面図である。これらの図において、ワーク保持手段37
及び砥石保持手段36がベース13上に載置されてい
る。ワーク保持手段37はワークとしての光学ガラス素
材4を支持し、砥石保持手段36は砥石1を保持するも
のであり、いずれもハウジング16,7を備えている。
【0024】砥石保持手段36側のハウジング7の内部
には、図1に示すように、エンジニアリングプラスティ
ック等などの筒状の絶縁部材14が設けられると共に、
スピンドル6が絶縁部材14の内部を貫通している。こ
のスピンドル6には導電性の回転軸18が貫通すること
により回転自在に支持されている。回転軸18の前端に
はツールである導電性の砥石1が取り付けられており、
後端には絶縁体からなるプーリ12cが取り付けられて
いる。
【0025】又、ハウジング7の側部には砥石軸モータ
12が取り付けられており、砥石軸モータ12の回転は
ベルト12bを介してプーリ12cに伝達される。これ
により砥石1が砥石軸Tを中心に回転することができ
る。砥石1はダイヤモンド砥粒をメタルボンドなどの導
電性ボンドにより成形したカップ形状となっている。こ
のような導電性ボンドによって成形されることにより、
砥石1の全体に導電性が付与されている。
【0026】このように回転軸18が貫通するスピンド
ル6が絶縁部材14内を貫通すると共に、回転軸18に
絶縁性のプーリ12cが取り付けられることにより、砥
石1及び回転軸18はハウジング7や砥石軸モータ12
等の周囲の部材と完全に絶縁されている。又、これによ
り砥石1及び回転軸18はベース13からも絶縁されて
いる。
【0027】砥石1は光学ガラス素材4に切り込みを与
えることにより、形状を創成するための研削を行う砥石
側面1aと、砥石側面1aにより切り込まれることによ
って創成された光学ガラス素材4の表面を研削と同時に
研磨する砥石正面1bとによって形成されている。砥石
正面1bによる研磨は、後述するように砥石正面1bに
付着した研磨用微粒子からなる研磨材により行われるも
のである。
【0028】ワーク保持手段37側のハウジング16先
端には、チャック5が回転自在に取り付けられている。
チャック5の回転はワーク軸モータ11の駆動により行
われ、この回転によってガラス光学素材4をワーク軸W
を中心に回転させる。なお、ワーク軸モータ11はハウ
ジング16に取り付けられている。
【0029】砥石1の近傍には、電気泳動用電極(以下
「電極」と記載する。)3が配置されている。この電極
3は電源9の陰極側に接続されている。電源9の陽極側
はブラシ8を介して回転軸18に接続され、砥石1をプ
ラスに帯電させる。上述したように砥石1及び回転軸1
8が周囲から絶縁されているところから、砥石1に印加
されるプラス電圧は砥石1と回転軸18のみに印加され
る。このため、漏電等が起こることがない。
【0030】砥石保持手段36のハウジング7の砥石1
側の正面には、カバー20が取り付けられている。カバ
ー20は後述する研磨液2の飛散を防止するとともに、
加工槽15からの研磨液2の多量の流出を防止するもの
である。このカバー20の一部は図2に示すように、回
転軸18の下側で開口しており、この開口部位からはオ
イルパン38に研磨液2が流れるようになっている。
【0031】ハウジング7とベース13の間には図示し
ない移動手段の一部が設けられ、回転軸18、スピンド
ル6、ハウジング7、砥石軸モータ12、プーリ12c
を含む砥石保持手段36と、砥石1とを、O点を中心に
して図3の矢印22aおよび矢印22bの方向に移動
(回動)させる機能を有する。O点は光学ガラス素材4
に創成される面30の曲率中心となる球心である。矢印
22aの方向は球心Oを中心に、創成すべき球面30に
沿って砥石1を回動させる方向であり、矢印22bの方
向は砥石1を砥石軸Tに沿って進退自在に移動させる方
向である。
【0032】移動手段の一部は、例えば、旋回機能を有
するスイベルと砥石軸T方向に設けられるスライドテー
ブルとの組み合わせであっても良く、X−Yテーブルで
あっても良い。
【0033】図示しない移動手段の他の部分はワーク保
持手段37側のハウジング16とベース13の間に設け
られ、チャック5、ハウジング16、ワーク軸モータ1
1を含む光学ガラス保持手段37をワーク軸Wに沿って
矢印21方向に進退自在に移動させる機能を有する。こ
の移動手段の他の部分は、例えば、シリンダーやワーク
軸Wに沿って設けられているスライドテーブルにより構
成することができる。なお、砥石軸モータ12やワーク
軸モータ11および図示しない移動手段等は制御装置1
7により回転数、移動方向、移動量等が制御される。
【0034】また、光学ガラス素材4を創成する加工位
置には加工槽15が設けられていると共に、加工槽15
の上部にはノズル10が設けられている。ノズル10か
らはマイナスに帯電したシリカ微粒子(コロイダルシリ
カ)、酸化セリウムなどの研磨用微粒子を含む研磨液2
が砥石1と電極3の間に供給され、供給された研磨液2
は加工槽15に貯留される。
【0035】このノズル10を含む研磨液2の供給及び
排出を行う循環経路は絶縁されている。図4は研磨液2
を循環させるための循環経路を示し、ベース13上には
排出口39を有したオイルパン38が設けられている。
ノズル10から供給された加工槽15内に供給された研
磨液2は排出口39から排出され、セパレータ44を通
過した後、循環槽40に流入する。循環槽40にはポン
プ41が接続されており、循環槽40内に流入した研磨
液2はポンプ41の駆動によってフィルタ42を通過し
て濾過された後、管路43からノズル10に戻され、ノ
ズル10から再び、加工槽15に供給される。この循環
経路を構成する全ての部材の内面には、絶縁塗料が塗布
されるか、絶縁コートが施されることにより、絶縁され
るものである。なお、オイルパン38はベース13と一
体であっても良く、別体であっても良く、別体の場合に
はハウジング7やハウジング16に取り付けることも可
能である。
【0036】加工槽15の側面には、光学ガラス素子4
とチャック5等が挿入される穴が開口され、この開口穴
とチャック5等の隙間からは研磨用微粒子を含む研磨液
2が流出する。ノズル10からはこの流出量よりも研磨
液2を多く供給しており、これにより、研磨液2を加工
槽15に充分に貯留することができる。
【0037】加工槽15の他の側面には、砥石1と回転
軸18等が挿入される穴が開口されている。砥石1は球
心Oを中心に旋回するので、この穴は長穴状となって加
工槽15側面に刳り抜かれている。但し、ハウジング7
に取り付けられたカバー20が砥石1の旋回に伴い、ハ
ウジング7と共に移動して長穴状の穴に挿入されている
砥石等の周りを塞ぐので、この穴から流出する研磨液2
の量は少なくなるように抑えることができる。この部分
から研磨液2が流出しても、上述したように、ノズル1
0からは十分の量の研磨液が供給されるため研磨液2を
加工槽15内に十分貯留することができる。
【0038】次に、この実施の形態の作動を説明する。
図1に示すように、移動手段によって砥石1を回動させ
たとき、砥石正面1bの光学ガラス素材4との接触部の
軌跡が、創成すべき球面形状30の曲率と同じ曲率を有
する円弧となるように、即ち、砥石正面1bにおける光
学ガラス素材4との接触部の回動中心との距離が創成し
たい球面形状の曲率半径Rに一致するように、移動手段
により矢印22bのE方向に移動させて位置決めをす
る。
【0039】次に、光学ガラス素材4をワーク保持手段
37のチャック5にセットし、移動手段により光学ガラ
ス素材4を矢印21のC方向に移動させる。これによ
り、光学ガラス素材4のワーク軸W方向の位置決めを行
い、切り込み量を決定する。
【0040】この砥石1と光学ガラス素材4の位置決め
後、砥石1と光学ガラス素材4とをそれぞれの砥石軸モ
ータ12とワーク軸モータ11とによって回転させると
共に、砥石1と電極3の間にマイナスに帯電したシリカ
微粒子などの研磨用微粒子を含む研磨液2を供給し、加
工槽15内に研磨液2を貯留する。同時に、電源9によ
って電極3に対しマイナス電圧を印加するとともに、ブ
ラシ8、回転軸18を介して砥石1にプラス電圧を印加
する。この印加により、マイナスに帯電している研磨用
微粒子は電気泳動現象によりプラス電圧を印加した砥石
1にまとわりついて、電気的に付着する。このとき、回
転軸18は他の部材と絶縁されているので、砥石1と電
極3との間のみに電界が発生し、研磨用微粒子の砥石1
への付着を促進させることができる。
【0041】このような処理の後、砥石1の砥石側面1
aの先端部(即ち、砥石正面1bの外周縁)が創成すべ
き球面形状の曲率半径Rを描くように、移動手段により
図1及び図3に示す矢印22aのA方向に回動させ、光
学ガラス素材4の外周面4aから砥石1側面1aを加工
面として円弧状の切り込みを開始する。この状態で円弧
状の切り込みをA方向に続け、砥石側面1aの先端縁に
よって球面形状の創成加工を行うと同時に、砥石側面1
aの創成した最終形状の球面に倣うように砥石正面1b
を通過させてクリープフィード研削を行う。
【0042】砥石側面1aには、形状創成のための研削
(余剰部分の除去)を行うように非常に高い研削力が付
加するため、砥石側面1aに付着した研磨用微粒子の多
くは脱落する。しかし、砥石1は多くの砥粒を含む多刃
構造であり、その表面には突出した砥粒が存在するため
砥石側面1aによる形状創成を問題なく行うことができ
る。
【0043】これに対し、加工中における砥石正面1b
には、砥石側面1aよりも研磨用微粒子が付着し易くな
る。砥石正面1bは研削加工を行わないためである。従
って、砥石側面1aが最終形状である球面上を通過する
際、砥石正面1bは付着した研磨用微粒子により最終形
状の研磨による鏡面化を行う。
【0044】A方向に対して、さらに円弧状の切り込み
を続行して図3に示すように、砥石正面1bにおける光
学ガラス素材4との接触部がワーク軸Wに達した時点で
加工を終了する。この終了によって、砥石1は移動手段
によって矢印22aのB方向と矢印22bのF方向に戻
されると共に、光学ガラス素材4も矢印21のD方向に
戻されて、元の位置に戻り加工が終了する。
【0045】この実施の形態において、研磨加工を更に
高精度とするためには、A方向の円弧状の切り込み終了
後、その位置で砥石1を矢印22bのF方向に僅かに移
動させるか若しくは光学ガラス素材4を矢印D方向に僅
かに移動させる。或いはF方向とD方向との移動を同時
に行う。この移動によって砥石正面1bとガラス光学素
材4の創成された球面30との間に隙間が形成される。
この隙間に対しては、砥石正面1bに研磨用微粒子を付
着して成長させることにより、研磨用微粒子により隙間
が埋め尽くされる。この状態で、砥石1とガラス光学素
子4とを回転させることにより、研磨用微粒子による研
磨加工を更に行う。この研磨加工により、創成された球
面30の面粗さをさらに小さくすることができる。
【0046】この実施の形態では、研削加工および研磨
加工は加工槽15内で行われるが、この加工槽15には
ノズル10から研磨用微粒子を含んだ研磨液2が供給さ
れ、この供給によって加工槽15内が研磨液2によって
満たされている。従って、電極3と砥石1の間には研磨
用微粒子が常に介在して通電状態が得られている。特
に、ノズル10からかけ流すだけに比べて、研磨液2の
滞留が常に生じることから、安定した通電状態が得られ
る。従って液切れ等は発生せず、研磨用微粒子による仕
上げ加工を安定して行うことができる。
【0047】又、加工槽15への研磨液2の供給及び排
出を行う循環経路(図4参照)が絶縁されているため、
循環経路に研磨用微粒子が付着することがない。従っ
て、研磨液2を砥石1と電極3との間に安定して供給す
ることができ、研磨用微粒子による研磨加工が阻害され
ることがない。なお、加工槽15は研磨用微粒子を含ん
だ研磨液2によって満たされているため、電気泳動現象
によって研磨用微粒子が砥石1に良好に付着することが
できる。
【0048】この実施の形態では、エンジニアリングプ
ラスティックによりスピンドル6とハウジング7とを絶
縁しているが、ゴムやパルプ材や布材やセラミックスな
どの絶縁材料を用いても絶縁することができる。又、ハ
ウジング7自体をこれらの絶縁材料で作製しても良い。
加工槽15の形状は不問であり、研磨液2を溜めること
ができれば良く、電極3も砥石1の近傍で電気泳動現象
が得られれば良く、配置位置や形状は不問である。
【0049】以上の実施の形態では、光学ガラス素材4
に球面形状30を創成する場合について述べたが、矢印
21の方向と22aの方向とを直交させて砥石1を矢印
22aのA方向に移動させ、光学ガラス素材1に切り込
みを行うことにより形状創成を行い、光学ガラス素材4
に砥石側面1aによる研削及び砥石正面1bによる研磨
加工を行うことも可能である。これにより光学ガラス素
材4に対して鏡面化した平面形状を創成することができ
る。
【0050】このような実施の形態によれば、電気泳動
用電極3と砥石1とに電圧を印加することにより、電気
泳動現象を利用して研磨用微粒子を砥石1に付着させな
がら光学ガラス素材4を研削するため、形状創成と鏡面
化とを同時に行うことができる。又、ハウジング7とス
ピンドル6とを絶縁したり、加工槽15を設けることに
より、電極3と砥石1の間の液切れをなくすことができ
ると共に、電圧の拡散を防ぐことができる。従って、効
率の良い加工を行うことができるばかりでなく、装置の
電食や漏電を防ぐことができ、保守性や安全性も向上す
る。また、研磨液2の供給及び排出を行う循環経路を絶
縁することにより、研磨用微粒子の付着による循環経路
の閉塞等がなくなる。
【0051】(実施の形態2)図5は実施の形態2にお
ける加工が終了した時点の平面図を示す。この実施の形
態では、スピンドル6の内部以外は実施の形態1と同じ
構成となっている。
【0052】この実施の形態2におけるスピンドル6の
内部には、軸受19が設けられている。軸受19はスピ
ンドル6の長さ方向の両端部に配置されており、スピン
ドル6を貫通した回転軸18を回転自在に支持してい
る。かかる軸受19としては滑り軸受或いは転がり軸受
などが使用され、これらがエンジニアリングプラスティ
ックからなる絶縁材によって形成されている。
【0053】軸受19の材料としては、絶縁性能を有す
るものであれば良く、セラミックス、ゴム、布材、パル
プ材などによって形成することができる。又、軸受19
が転がり軸受の場合には、転動体だけが上述した絶縁材
料であっても良く、転がり軸受のハウジングだけが絶縁
材料であっても良い。
【0054】この実施の形態では、実施の形態1と同様
に作用することができるばかりでなく、軸受19によっ
て回転軸18を回転自在に支持するため、精度及び剛性
を向上させることができる。特に、軸受19として、セ
ラミックスからなる転がり軸受を用いた場合は、鋼から
なる転動体を有している転がり軸受に比べて、より高速
回転での加工が可能となるため、加工効率も向上する。
【0055】(実施の形態3)図6は本発明の実施の形
態3を示す。この実施の形態では、砥石1及び光学ガラ
ス素材4が配置され研磨液が貯留される加工槽23が、
導電材料によって成形されると共に、電源9のマイナス
極に接続されている。これにより加工槽23は電気泳動
用電極を兼ねている。
【0056】このような構造では、加工槽23に対して
電源9からのマイナスの電圧を印加することにより、加
工槽23と砥石1の間に電流が流れるので、電気泳動現
象が起こり、研磨液2内の研磨用微粒子が砥石1に付着
して、光学ガラス素材4を研磨加工することができる。
従って、電気泳動用電極を単独に配置する必要がなくな
るため、装置の小型化や設計の自由度が増すとと共に、
砥石1の形状に制約がなくなる。
【0057】(実施の形態4)図7は本発明の実施の形
態4における加工が終了した時点の平面図である。この
実施の形態では、実施の形態1に比べて、砥石1を矢印
22aのA方向に回動させる機構を省き、ワーク軸Wに
対する砥石軸Tの角度を一定に設定する機構のみを有す
る角度設定機構(図示せず)を備えている。この実施の
形態の研削装置の基本構成は公知のカーブジェネレータ
と同じである。従って、角度設定機構によって設定され
る角度はカーブジェネレーションにおけるスイベル角で
ある。なお、このスイベル角は実施の形態1の移動装置
の回動機構を用いて角度設定を行うことも可能である。
【0058】この実施の形態では、砥石軸Tをワーク軸
Wに対して所望のスイベル角αとなるように角度設定す
る。具体的には、図示しないクランプ機構、例えばクラ
ンプネジ等によってスイベル角αとなるようにハウジン
グ7を固定する。そして、制御装置17によって砥石1
が所望の回転数となるように砥石軸モータ12を設定す
る。一方、ハウジング16に回転自在に取り付けられた
チャック5は光学ガラス素材4を把持した状態で、制御
装置17によって回転が制御されているワーク軸モータ
11により所望の回転数で回転している。ハウジング1
6は図示しないネジやシリンダなどにより、自動又は手
動で矢印21のC方向(砥石1方向)へ進み、これによ
り光学ガラス素材4と砥石1とが接触して加工される。
【0059】この実施の形態において、実施の形態1と
異なるのは、砥石1の砥石正面1bで光学ガラス素材4
に直線切り込みを行うことである。この切り込み方法は
公知のカーブジェネレータにおける切り込み方法と同じ
であり、いわゆるインフィード加工によって行うことが
できる。。このようにして、C方向への光学ガラス素材
4の移動を継続し、砥石正面1bが創成すべき球面30
に達したとき、直線切り込みを終了する。
【0060】次に、直線切り込みを行わず、砥石1と光
学ガラス素材4との位置関係を保持しながらスパークア
ウト工程を行う。このとき、加工は加工槽15の内部で
行われ、加工槽15にはノズル10から研磨用微粒子を
含んだ研磨液2が供給されて充填されているため、常に
電気泳動用電極3と砥石1の間には研磨用微粒子が介在
して通電が得られている。特に、ノズル10からかけ流
すだけに比べ、研磨用微粒子の滞留が常に生じるため安
定した通電状態が得られる。ここで、電気泳動用電極3
とブラシ8に対して、電源9から電圧が印加されると、
砥石1と電気泳動用電極3の間が研磨用微粒子を含んだ
研磨液2で満たされているため、電気泳動現象により研
磨用微粒子が砥石1に付着する。他方、図4に示す研磨
液2の循環経路を絶縁しているため、循環経路には研磨
用微粒子の付着がない。
【0061】直線切り込みをC方向に光学ガラス素材4
を移動して行っている間は、砥石正面1bに大きな研削
圧力が作用しているため、研磨用微粒子は砥石1に付着
しても、その多くが脱落する。しかし、スパークアウト
の工程では、砥石1は切り込みを行わないので、砥石正
面1bに研磨用微粒子が付着し、創成された球面30が
研磨用微粒子により研磨され、鏡面化される。
【0062】スパークアウトの工程の後、光学ガラス素
材4をわずかに矢印21のD方向に移動させて砥石1と
光学ガラス素材4との間に隙間を形成し、その隙間を形
成した位置を保持する。これにより砥石1の砥石正面1
bには研磨用微粒子が付着して隙間を埋めつくす。そし
て、隙間を埋めつくした研磨用微粒子により球面形状を
研磨加工することにより、創成された球面形状の表面の
面粗さをより小さな値とすることができる。
【0063】なお、この実施の形態では、光学ガラス素
材4をC方向に移動させ、砥石1が直線切り込みを行っ
たが、光学ガラス素材4は定位置でワーク軸モータ11
によって回転させ、砥石1を砥石軸モータ12によって
回転させながら、矢印22bのE方向に移動させること
により、砥石正面1bが創成すべき球面形状30に達す
るまで砥石正面1bによる直線切り込みを行っても良
い。この場合、直線切り込み終了後におけるスパークア
ウト工程は上記実施の形態と同様である。また、砥石1
と創成された球面形状との間に隙間を形成して研磨加工
する場合には、矢印22bのF方向に砥石1を僅かにに
移動させても良く、F方向の移動とD方向の移動を同時
に行っても良い。
【0064】更に、この実施の形態では、スピンドル6
とハウジング7をエンジニアリングプラスティックによ
り絶縁したが、ゴム、パルプ材、布材、セラミックスな
どの絶縁材を用いても同じであり、さらにはハウジング
7自体をこのような絶縁材料で作製しても良い。加工槽
15の形状は不問であり、研磨液2を溜めることができ
れば良く、電気泳動用電極3も砥石1の近傍で電気泳動
現象が得られれば配置位置は不問である。
【0065】この実施の形態によれば、電気泳動用電極
3と砥石1とに電圧を印加することにより、電気泳動現
象を利用して研磨用微粒子を砥石1に付着させながら光
学ガラス素材4を研削するため、形状創成と鏡面化を連
続的に行うことができると共に、加工槽15を設けてい
るため、電極3と砥石1の間の液切れをなくすことがで
き、電圧の拡散を防いだ効率の良い加工を行うことがで
きる。しかもハウジング7とスピンドル6とを絶縁して
いるため、電食や漏電を防ぐことができ、保守性や安全
性も向上する。また、研磨液2の循環経路を絶縁してい
るため、研磨用微粒子の付着による循環経路の閉塞等が
なくなる。更に、この実施の形態では、従来のカーブジ
ェネレータ機構をそのまま応用していることから、装置
が簡単になる。
【0066】(実施の形態5)図8は実施の形態5にお
ける加工が終了した時点での平面図である。この実施の
形態では実施の形態4と同様に、ワーク軸Wに対する砥
石軸Tの角度を一定に設定している。又、この実施の形
態における加工槽23は実施の形態2と同様に、導電材
料によって形成されると共に、電源9のマイナス極に接
続されることにより電気泳動用電極を兼ねている。
【0067】従って、この実施の形態では、電気泳動用
電極を兼ねた加工槽23に電源9からの負の電圧を印加
することにより、加工槽23と砥石1の間に電流が流れ
るので、電気泳動現象が起こり、砥石1に研磨用微粒子
が付着し、光学ガラス素材4を研磨加工する。本実施の
形態によれば、加工槽23が電気泳動用電極を兼ねてい
るため、電気泳動用電極を単独に配置する必要がなく、
装置の小型化や設計の自由度が増すと共に砥石1の形状
に制約がなくなる。
【0068】(実施の形態6)図9は実施の形態6にお
ける加工が終了した時点での平面図である。この実施の
形態が実施の形態1、4との相違点は、ハウジング7内
のスピンドルとしてエアスピンドル24を用いる点であ
る。エアスピンドル24は図示を省略したセットビスな
どによってハウジング7に固定されている。又、エアス
ピンドル24はエア供給装置25に接続されており、エ
ア供給装置25からのエアがエアスピンドル24とエア
スピンドル24を貫通している回転軸18との間に供給
されることにより、回転軸18とエアスピンドル24と
が絶縁される。これにより実施の形態1及び実施の形態
4における絶縁部材14が介在している場合と同じ状態
となる。従って、電気が拡散することがなくなり、研磨
液2を介在させることにより、砥石1と電気泳動用電極
3との間に電流が流れて電気泳動現象が起こり、砥石1
に研磨用微粒子が付着し、光学ガラス素材4を研磨加工
することができる。
【0069】特に、この実施の形態では、回転軸18が
エアスピンドル24に非接触で支持されるため、熱の影
響を受けにくくなり、加工精度が向上すると共に、砥石
1の回転数を大きくすることができるため、加工時間も
短縮できる。また、ビルトインモータを組み合わせるこ
ともでき、これにより小型でメンテナンスフリーとする
ことができる。
【0070】なお、図9では図7に示す実施の形態4に
相当する構成が示されているが、図1及び図3に示す実
施の形態1のように、砥石保持手段36と砥石1とを回
動させるクリープフィード研削を行う場合にも適用する
ことができる。
【0071】(実施の形態7)図10は実施の形態7に
おける光学ガラス素材4へ加工が終了した時点での平面
図である。この実施の形態において、実施の形態1、4
との相違点は、回転軸18が磁気軸受26によって回転
自在に支持される点である。磁気軸受18は図示を省略
したセットビスなどによってハウジング7内に固定され
ており、軸受制御装置27から電気が供給されて作動が
制御される。
【0072】この実施形態では、磁気軸受制御装置27
より磁気軸受26に電気が供給されることにより、回転
軸18と磁気軸受26とが絶縁される。これにより実施
の形態1及び実施の形態4の絶縁部材14が介在してい
る場合と同じ状態になる。従って、電気が拡散すること
がなくなり、研磨液2を介在させることにより、砥石1
と電気泳動用電極3との間に電流が流れて電気泳動現象
が起こり、砥石1に研磨用微粒子が付着し、光学ガラス
素材を研磨加工する。
【0073】このような実施の形態によれば、スピンド
ルとして磁気軸受26を用いることにより、実施の形態
1、4と同様の効果を得られるのに加えて、回転軸18
が非接触で支持されるため、メンテナンスフリーである
と共に、熱の影響を受けにくくなり、加工精度が向上す
る。又、砥石1の回転数を大きくすることができるた
め、加工時間も短縮できる。更に、軸受許容荷重が大き
いため、切削抵抗が大きい場合に対しても加工が可能と
なる。
【0074】なお、この実施の形態では、図7に示す実
施の形態4に相当する構成が示されているが、図1及び
図3に示す実施の形態1のように、砥石保持手段36と
砥石1とを回動させるクリープフィード研削を行う場合
にも適用することができる。
【0075】以上の実施の形態1〜7では、回転軸18
と砥石保持手段36とを絶縁しているが、本発明では回
転軸18とベース13とを絶縁しても良い。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、電気泳動現象を利用して研磨用微粒子を砥石に
付着させながら光学ガラス素材を研削するため、形状の
創成と鏡面化とを行うことができる。又、研磨液を貯留
する加工槽を設けているため、充分な量の研磨液を砥石
に供給でき、研磨液内の研磨用微粒子を砥石に安定して
付着させることができ、研磨用微粒子による研磨加工の
品質を向上させることができる。更に、砥石及びその回
転軸を他の部材から絶縁しているため、砥石に印可され
るプラス電圧が漏電することがなく、研磨用微粒子を砥
石に確実に付着させることができる。
【0077】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、公知のカーブジェネレータ機構を応用
することができるため、装置を簡素化することができ
る。
【0078】請求項3の発明によれば、加工槽が電気泳
動用電極を兼ねているため、部品点数が少なくなり、簡
単な構造とすることができる。
【0079】請求項4の発明によれば、循環経路が研磨
液を循環させるため、研磨液の消費量を少なくすること
ができると共に、循環経路が絶縁処理されているため、
帯電した研磨用微粒子が循環経路に付着することがなく
研磨用微粒子を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の加工前の平面図であ
る。
【図2】実施の形態1の正面図である。
【図3】実施の形態1の加工後の平面図である。
【図4】研磨液の循環経路を示す斜視図である。
【図5】実施の形態2の加工後の平面図である。
【図6】実施の形態3の加工後の平面図である。
【図7】実施の形態4の加工後の平面図である。
【図8】実施の形態5の加工後の平面図である。
【図9】実施の形態6の加工後の平面図である。
【図10】実施の形態7の加工後の平面図である。
【図11】従来の研磨装置の正面図である。
【符号の説明】
1 砥石 1a 砥石側面 1b 砥石正面 2 研磨液 3 電気泳動用電極 4 光学ガラス素材 9 電極 13 ベース 36 砥石保持手段 37 ワーク保持手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石により光学ガラス素材を所望形状の
    面に創成する研削装置において、 前記光学ガラス素材を回転自在に支持するワーク支持手
    段と、 前記光学ガラス素材の外周面から切り込みを行う砥石側
    面と、この切り込みによって創成される面を切り込みと
    同時に研磨する砥石正面とを備えた導電性の砥石と、 この砥石が取り付けられる導電性の回転軸を回転自在に
    支持する砥石保持手段と、 この砥石保持手段及び前記ワーク保持手段を支持するベ
    ースと、 前記光学ガラス素材を所望形状の面に創成する創成位置
    に配置され、内部に前記光学ガラス素材及び砥石が配置
    されると共に砥石が研磨液に浸漬するように研磨液を貯
    留する加工槽と、 この加工槽の前記研磨液内に配置された電気泳動用電極
    と、 この電気泳動用電極を陰極とし、前記砥石を陽極として
    電圧を印加する電源と、 マイナスに帯電した研磨用微粒子を含む研磨液を前記加
    工槽からの流出量よりも多い供給量で供給することによ
    り研磨液が加工槽内で貯留されるように研磨液を加工槽
    に供給する研磨液供給手段と、 前記光学ガラス素材を所望形状の面に創成するため、前
    記砥石又は光学ガラス素材を相対的に移動させる移動手
    段と、 前記砥石及び砥石を取り付けた前記回転軸と、前記砥石
    保持手段又は前記ベースとを絶縁する手段と、を備えて
    いることを特徴とする研削装置。
  2. 【請求項2】 光学ガラス素材を保持するワーク軸に対
    してスイベル角を有して保持される砥石により前記光学
    ガラス素材を所望形状の面に創成する研削装置におい
    て、 前記光学ガラス素材を回転自在に支持するワーク支持手
    段と、 導電性の砥石が取り付けられる導電性の回転軸を回転自
    在に支持する砥石保持手段と、 この砥石保持手段及び前記ワーク保持手段を支持するベ
    ースと、 前記光学ガラス素材を所望形状の面に創成する創成位置
    に配置され、内部に前記光学ガラス素材及び砥石が配置
    されると共に砥石が研磨液に浸漬するように研磨液を貯
    留する加工槽と、 この加工槽の前記研磨液内に配置された電気泳動用電極
    と、 この電気泳動用電極を陰極とし、前記砥石を陽極として
    電圧を印加する電源と、 マイナスに帯電した研磨用微粒子を含む研磨液を前記加
    工槽からの流出量よりも多い供給量で供給することによ
    り研磨液が加工槽内で貯留されるように研磨液を加工槽
    に供給する研磨液供給手段と、 前記砥石又は光学ガラス素材を前記回転軸の軸方向に沿
    って相対的に移動させる移動手段と、 前記砥石及び砥石を取り付けた前記回転軸と、前記砥石
    保持手段又は前記ベースとを絶縁する手段と、を備えて
    いることを特徴とする研削装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の発明であって、前
    記研磨液を貯留する加工槽は前記電気泳動用電極を兼ね
    ていることを特徴とする研削装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の発明であって、前
    記研磨液供給手段から加工槽に供給される研磨液を加工
    槽に循環させる循環経路が設けられると共に、この循環
    経路が絶縁処理されていることを特徴とする研削装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009066724A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Nakamura Tome Precision Ind Co Ltd レンズの球面研削方法及び装置
CN102689254A (zh) * 2011-03-24 2012-09-26 Hoya株式会社 光学玻璃的磨削加工方法和光学玻璃镜片的制造方法
JP2018069404A (ja) * 2016-11-01 2018-05-10 株式会社永田製作所 レンズの製造方法及び製造装置
CN113021175A (zh) * 2019-12-09 2021-06-25 Dmg森精机株式会社 机床
CN113618500A (zh) * 2021-07-27 2021-11-09 中航西安飞机工业集团股份有限公司 一种球面磨削方法

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