JPH08229746A - 鏡面仕上げ法およびその装置 - Google Patents

鏡面仕上げ法およびその装置

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JPH08229746A
JPH08229746A JP4214995A JP4214995A JPH08229746A JP H08229746 A JPH08229746 A JP H08229746A JP 4214995 A JP4214995 A JP 4214995A JP 4214995 A JP4214995 A JP 4214995A JP H08229746 A JPH08229746 A JP H08229746A
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polisher
polishing
tool electrode
electric discharge
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JP4214995A
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憲 一 ▲高▼畑
Kenichi Takahata
Shinichiro Aoki
木 新 一 郎 青
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Matsushita Giken KK
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Matsushita Giken KK
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 微粒砥粒を分散させた懸濁液中における電気
分解作用と遊離砥粒の電気泳動による加工間隔への凝集
作用の複合により短時間で被研磨表面を鏡面仕上げする
方法及び装置を提供し、同方法を用いて微細放電加工に
より創成されたマイクロ部品表面に対し加工変質層を迅
速に除去し且つ鏡面仕上げを施す。 【構成】 絶縁液38をノズル41から供給しつつ電源
11、充電抵抗34及びコンデンサ35により構成され
る放電回路により工具電極32を陰極、加工物31を陽
極として放電加工で形状創成を施した後、スイッチ36
を開放してコンデンサ35を切り放し三方弁39を切り
替えて極間に懸濁液1を供給しつつ、放電加工時の座標
データを利用してXYステージ12及びZステージ13
によりポリシャとしての回転させた工具電極32の研磨
面と加工物31の被研磨面を正確に位置決めし且つ加工
物31を研磨面領域内で揺動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電体表面の鏡面仕上
げ法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作物の表面を高精度に研磨して鏡面に
仕上げる方法としては、遊離砥粒を工具と加工物間に介
在させ、工具と加工物との相対運動によって加工するラ
ッピング、バフ研磨等の加工法が従来より行われてい
る。これら方法は、ラップと加工物が接触するため、加
工物に対して外力が加わり塑性変形やきずの原因とな
り、特に研磨対象加工物が微小化する程、サイズに対す
る塑性変形の比率が増加するので、工具による直接的な
外力を加えることは好ましくない。これに対して、ラッ
プと工作物を直接接触させず、近接させてその間隙に遊
離砥粒を含む加工液を流動させることによって工作物の
表面加工を行う非接触ラッピング法がある。この非接触
ラッピングの場合、加工量に直接影響を及ぼす遊離砥粒
の運動エネルギーは、加工液の流速により決定され、加
工面内で均一に除去作用を生じさせるためは、乱流を発
生させない必要があり、そのために流速には制限があ
り、加工能率は低く実用的ではなかった。これに対し
て、加工効率の向上を目的に電場の影響下で遊離砥粒の
運動をポリシャまたは工作物付近に規制し、遊離砥粒を
効率的に加工面に対して作用させる電場援用研磨法(参
考文献:木下直治監修 高沢孝哉編著「表面研磨・仕上
技術集成」日経技術図書株式会社 p402)が提案され
た。この電場援用研磨法は、加工液中に分散した微粒子
表面が帯電して電気二重層が形成される現象を利用した
もので、ポリシャと工作物間に電位差を生じさせ、微粒
砥粒を電気泳動現象によって帯電荷と反対の極側へ引き
付けることにより、加工表面における微粒砥粒密度を増
加させて研磨効率を向上させる方法である。
【0003】一方、微細放電加工と呼ばれる技術は、導
電性または半導体母材から数mmからμmサイズの微小
機構部品を創成する有効な手段として近年発達してき
た。放電加工の除去原理は、電流の放電点集中によって
発生する熱による溶融現象と絶縁液の熱による爆発的な
気化膨張による溶融部分の飛散作用を利用したものであ
るが、飛散されずに残った部分は、冷却凝固されて溶融
残留層が形成され、さらに下層には、急熱、急冷の繰り
返しによって形成された熱変質層が存在する。微細放電
加工も同原理の加工方法であるが、放電エネルギーを従
来の1/100程度、つまり10-6から10-7Jまで極
小化するとともに、位置決め機構を高精度化してμmオ
ーダーの加工精度を実現したものである。形状創成に用
いる工具は円筒母材を回転させながら対向面に押し付け
て、発生する微細放電により円筒母材の心出し加工を行
うことで作製する。形状創成は、作製した工具を電極と
して被加工物に対して接近させ、発生する微細な放電に
よる除去作用を、被加工物と工具電極の相対位置を位置
決め機構により順次決定しながら進展させることによ
り、目的形状を得る。微細放電加工による加工物表面に
も、通常の放電加工と同様に溶融残留層や熱変質層が形
成されている。これら表面層は、熱応力や相変態応力が
発生して亀裂の発生や疲労限強度低下の原因となり、機
構部品としての寿命を考慮するならば、表面層を除去研
磨することが望ましい。その方法としては、従来の放電
加工の場合、加工終了後に工作物を放電加工部より解放
し、新たに研磨を施すための固定台に固定し直した後、
機械的研磨または電解研磨等の手段により研磨を実施す
る手段が取られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
電場援用研磨法も、基本的には遊離砥粒の運動エネルギ
ーによる力学的な除去作用のみを加工原理としているた
め、例えば電気化学的な除去作用による電解研磨等に比
して加工時間は極端に遅く、その除去速度は、深度1μ
mの除去に1から数時間必要となる場合もある。また、
遊離砥粒の運動力学的作用のみによる除去方法では、少
なくとも時間単位の研磨時間が必要となり、例えば放電
加工による形成される数μm程度の加工変質層を、同方
法で除去研磨して鏡面を得るまでには相当の時間を要す
る。この研磨時間をさらに短縮し、より効率的な加工面
の鏡面仕上げ加工法が望まれる。
【0005】また、所望の特定領域のみに対して選択的
に研磨を施す場合、研磨領域の縮小化に伴い、ポリシャ
研磨面面積をそれ以下にする必要が有ることに加えて、
立体的加工物上の表面、特に凹部の底面または側面に対
して研磨を施す場合においても、凹内部に挿入できるだ
けのポリシャ研磨面積の縮小化が不可欠である。しかし
ながら、ポリシャの押し付けによる接触研磨法では、研
磨面に研磨材を固着させる関係上、ポリシャ研磨面積の
縮小化に限界があることは明白である。
【0006】一方、微細放電加工により創成された微小
部品表面に対して研磨を施す場合には、ポリシャと微小
部品表面間のμmオーダーの精密な相対位置決めが要求
されるが、この実現に対して微小部品を放電加工時の保
持位置から解放して新たに研磨装置に再保持する、また
はポリシャを別に用意する、等の微細放電加工時の座標
系を解消する対応は、上記位置決め精度の確保を考慮す
れば現実的でないことは明らかである。
【0007】本発明は、上記従来の研磨法の問題点を解
決するものであり、効率的に鏡面仕上げができ、選択研
磨性に優れ、精密な鏡面研磨が可能な鏡面仕上げ法およ
びその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、先ずある値以上の比抵抗を持った溶媒中
に微粒砥粒を分散させた懸濁液中に、加工物と回転する
ポリシャを面間隔が平行になるよう近接相対させ、加工
物を陽極、ポリシャを陰極として両者間に直流電圧を加
えて、加工物の表面を除去研磨するようにしたものであ
る。
【0009】本発明はまた、回転軸中心に同心な側面お
よび垂直な底面を研磨面とする円筒形ポリシャを使用
し、その研磨面表面積を単位面積として加工物表面の目
的領域に限って選択的に研磨するようにしたものであ
る。
【0010】本発明はまた、微細放電加工による形状創
成時に用いた心出しされ、回転中心軸に同心である側面
および垂直である底面によって構成される円筒形工具電
極を引き続きポリシャとして使用することにより、創成
された微小部品表面の研磨を実施するようにしたもので
ある。
【0011】
【作用】本発明は、上記構成により、懸濁液が抵抗体と
して極間に電位差を生じさせ、電流が流れることで加工
物すなわち陽極上で電気分解による除去作用が発生し、
加えて電位差で生ずる電気泳動現象を利用した流動液中
微粒砥粒の集中作用による機械的研磨作用が複合され、
除去と研磨作用が同時進行されることにより、効率的に
加工物表面を鏡面に仕上げることが可能となる。
【0012】また本発明によれば、ポリシャ研磨面に対
する研磨材固着が不要となるので、研磨面の縮小化が可
能となり、微小領域の選択的な研磨、または立体形状の
凹部底面および側面に対する研磨が可能となる。
【0013】さらに本発明によれば、微細放電加工によ
る形状創成に用いた工具電極を引き続きポリシャとして
使用し、創成時の座標値を位置決めに利用することで、
創成された微小部品表面に対して、従来法では不可能だ
った精密な鏡面研磨が可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。 〔実施例1〕図1は本発明の第1の実施例における鏡面
仕上げ装置の概略構成図である。本実施例では、懸濁液
1が満たされた加工漕2内に設置された絶縁性の支持台
3上に加工物4が固定される。導電性のポリシャ5は、
その中心軸5aが軸受け6に回転可能に支持される。加
工漕2が固定されたXYステージ12および軸受け6が
固定されたZステージ13により、加工物4の被研磨面
とポリシャ5の研磨面が平行に間隔を持って対向するよ
うに相対位置決めがなされる。またXYステージ12に
より、加工物4の被研磨面方向の揺動運動を行う。モー
タ9に固定されたプーリ7aは、ポリシャ5の中心軸5
aに固定されたプーリ7bよりも上部に位置し、プーリ
7aおよび7b間にOリングベルト8を掛け渡すこと
で、モータ9の回転運動をポリシャに連動させるととも
に、中心軸5aの先端部を導電性のピボット受け10に
押し付けて電気的な接触を保っている。ピボット受け1
0を通じてポリシャ5を直流電源11の陰極に接続し、
加工物4を陽極に接続して両者間に直流電圧を印加す
る。
【0015】陰陽極間を満たす懸濁液1には、電圧を印
加しても放電しない程度の極間距離で10A/cm2
上の電流密度を得るために予め計算された比抵抗値に調
整した純水を溶媒とし、Al2 3 微粒砥粒を溶媒中に
分散乳化させたコロイド溶液を用いる。微粒子を液相中
に拡散させると、イオンの吸着または溶解などにより微
粒表面は帯電する。Al2 3 の場合、pH7付近の純
水中に拡散させると粒子は正に帯電する。懸濁液1中に
て上記極性で直流電圧を印加すると、調整された比抵抗
値および極間距離に応じた電流密度で電流が流れ、陽極
では、電気分解反応によるイオン放出現象すなわち除去
作用が進行し、陰極では、水分子が電離し水素ガスが発
生する。同時にAl2 3 砥粒は、電気泳動して陰極で
あるポリシャ5側に凝集し始め、極間の砥粒密度が上昇
するが、ポリシャ5の回転による遠心力や発生するガス
気泡に阻まれて、凝集する砥粒が完全にポリシャ5の研
磨面を覆ってしまうことはない。この状況下で電解作用
による研磨面除去とポリシャ5の回転運動および加工物
4の揺動運動で発生する高密度砥粒の流動による効率的
な機械研磨が同時に進行して、遊離砥粒による機械的研
磨よりも遙かに短時間で鏡面を得ることができる。また
除去作用すなわち電解作用を増大させることで、数十μ
mにも及ぶことのある放電加工面の熱変質層も迅速に除
去することができ、かつ表面の鏡面化が可能なので、本
実施例の鏡面仕上げ法は、放電加工による創成物に対し
て非常に有効であると言える。
【0016】〔実施例2〕図2は本発明の第2の実施例
における鏡面仕上げ装置の概略構成図である。図1に示
した第1の実施例と異なるのは、加工物21とポリシャ
22の形状および軸受け23とプーリ24a、24bの
大きさであり、他の構成は第1の実施例と同じなので、
同じ要素には同じ符号を付して重複した説明は省略す
る。加工物21の被研磨面は、XYZ3軸方向の立体面
で構成されている。円筒形状のポリシャ22は、軸受け
23上での回転中心軸に同心な側面および垂直な底面に
よって構成される。回転運動するポリシャ22の底面を
加工物21の凹部水平研磨面に、または側面を凹部垂直
研磨面に対向させ、第1の実施例に示した電解と電場援
用砥粒研磨の同時進行による鏡面仕上げを行うことによ
り、ポリシャ底面または面の対向面分の単位面積研磨が
可能となる。さらに、XYステージ12を用いた目的範
囲内における揺動運動により、同範囲分の選択的な研磨
が実施できる。
【0017】〔実施例3〕図3は本発明の第3の実施例
における鏡面仕上げ装置の概略構成図であり、第2の実
施例と同じ要素には同じ符号を付してある。本実施例に
おける鏡面仕上げ装置は、被研磨加工対象物に対して微
細放電加工を実施することができ、微細放電加工による
微小部品の形状創成後、形彫りに用いた工具電極を引き
続きポリシャとして使用することで、微小部品の表面に
対する高精度なポリシャの位置決めが可能である。具体
的な実施内容を以下に述べる。
【0018】先ず、微細放電加工による形状創成に用い
る工具電極の製作を行う。微細放電加工では、μmオー
ダーの加工を行うが、それには直径数μmから数十μm
で心出しのなされた円筒電極が必要であり、その加工法
は「機械の研究」Vol46.No1の「佐藤他:マイクロ放電
加工」に詳説されている。図3において、31は加工
物、32は上記文献に記載された方法により心出し加工
された工具電極、33はマンドレルである。形状創成を
行う加工物31および工具電極32間で放電を発生させ
る放電回路は、電源11、充電抵抗34およびコンデン
サ35により構成され、またスイッチ36は短絡状態と
する。コンデンサ35に充電された状態で工具電極32
を支持台3に保持された加工物31に接近させ、発生す
る放電と電源11からのコンデンサ35への充電の繰り
返しにより、パルス放電を持続する。このパルス列放電
による除去を継続させながら、XYステージ12および
Zステージ13による任意方向への送り込みにより目的
形状の創成を行っていく。このとき指示したXYおよび
Z軸座標データを保存しておき、後に創成時の加工物3
1と工具電極32の相対位置を復元できるようにしてお
く。
【0019】通常、放電加工は絶縁液中で行われるが、
本実施例における鏡面仕上げ装置では、放電加工の後に
鏡面仕上げ加工を同一加工漕内で実施するので、加工液
を交換する必要上、給液漕37a、37bそれぞれに放
電加工用の絶縁液38、鏡面仕上げ用の懸濁液1を備蓄
しておき、加工内容に応じて三方弁39によりそのどち
らかを選択し、ポンプ40により供給ノズル41から滴
下して加工間隔に供給する。加工に使用された排液は、
自然落下で加工漕2に溜められ、加工液切替時に排出弁
42より排出する。
【0020】形状創成終了後の鏡面仕上げは、電気回路
および加工液を切り替えることで対応する。加工物31
および工具電極32間に直流電圧が印加された状態で、
スイッチ36を開放状態にしてコンデンサ35を切り放
し、三方弁39を懸濁液1側に切り替えて極間に滴下し
つつ、微細放電加工による形状創成時の座標データを使
用し、XYステージ12およびZステージ13によりポ
リシャとしての工具電極32および加工物31を、放電
の発生しない所定間隔に位置決めし、かつ加工物31を
研磨面領域内で揺動させ、流動する液中において電場援
用砥粒研磨と電解を同時進行させることにより、微細放
電加工によるマイクロ部品表面の任意領域の選択的な鏡
面仕上げが実施できる。
【0021】〔実施例4〕図4は本発明の第4の実施例
における鏡面仕上げ装置の概略構成図であり、第3の実
施例と同じ要素には同じ符号を付してある。本実施例に
おける鏡面仕上げ装置は、円筒形状の微小部品を微細放
電加工にて創成し、後にその微小部品表面に対して鏡面
仕上げを施すものである。円筒加工物51の支持構造お
よび電気的接続は、第3の実施例の工具電極32におけ
る構造と同等で、加工漕2内に水平に設置したものであ
り、プーリ53aは、マンドレル52に固定されたプー
リ53bよりもピボット受け55側に位置し、プーリ5
3aおよび53b間にOリングベルト54を掛け渡すこ
とで、マンドレル52をピボット受け10に押し付けて
電気的な接触を保っている。工具電極32および円筒加
工物51は、それぞれピボット受け10および55とマ
ンドレル33および52を通じて通電される。
【0022】円筒加工物51の回転機構は、ブラシレス
モータ56のロータに実装されたマンドレル52を直接
回転する構造である。制御方法の切り替えにより、ブラ
シレスモータ56に対する速度制御による連続回転およ
びロータリエンコーダ57とのクローズドループによる
割り出し制御が可能である。工具電極32と同様に、円
筒加工物51の場合もμmオーダーの精密な形状創成を
実施するには心出し加工が必要である。これは予めマン
ドレル52の回転中心軸のXY面に対する平行出しを実
施した後、速度制御によって連続回転する円筒加工物5
1を中心軸方向に揺動運動させながら、工具電極32を
円筒加工物51の中心軸方向に放電除去しながら送り込
んでいくことで、直径1mm以下の回転中心に同心な円
筒が成形できる。この円筒面に対して鏡面仕上げを実施
するには、心出し加工時の座標データを用いて円筒加工
物51の表面と工具電極32の研磨面の間隔を調整した
後、心出し加工同様の揺動運動をさせながら第1の実施
例に示た鏡面仕上げ法を行う。
【0023】さらに、心出し後の円筒加工物51の円筒
面上に対して、例えば図5に示すような割り出し制御と
Y軸の送りによる螺旋加工を実施した場合でも、本実施
例における鏡面仕上げ装置は、加工液および電気的な切
り替えのみで、座標系を解消せずに鏡面仕上げに移行で
きるので、放電加工時と同様に溝をポリシャとしての工
具電極に対して正確に走査でき、溝内面に対して精密な
研磨を実施することができる。
【0024】なお、上記各実施例において示した鏡面仕
上げ加工液におけるAl2 3 微粒砥粒と純水の組み合
わせは、これに限定されるものではないことは言うまで
もない。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、加工液
として比抵抗値の調整された溶媒中に微粒砥粒を分散乳
化させたコロイド溶液を用い、ポリシャおよび加工物が
放電しない距離を持って加工液中で近接相対した状態
で、ポリシャを陰極、加工物を陽極として両者間に電位
差を与えるようにしたので、両者間に発生した電解現象
による除去作用と微粒砥粒の電気泳動現象による集中的
な研磨作用の同時進行により、機械的研磨に比して遙か
に効率的に加工物表面を鏡面に仕上げることが可能とな
る。
【0026】また本発明によれば、ポリシャ研磨面に対
する研磨材固着が不要となるので、ポリシャ構造の簡素
化および縮小化が図られ、微小研磨面の面積を単位面積
とした任意領域の選択的な研磨、または凹部を持つ立体
形状の加工物に対してポリシャを凹内部に挿入すること
で、底面および側面に対する研磨が可能となる。
【0027】さらに本発明によれば、微細放電加工によ
る形状創成に用いた工具電極を引き続きポリシャとして
用いることで、創成時における加工物および工具電極の
座標値を鏡面仕上げ実施に際しての相対位置決めに利用
でき、本発明の鏡面仕上げ法を適用することで、非接触
で外力を加えることなく、μmオーダーで創成された微
小部品表面に対して放電による溶融残留層や熱変質層を
除去し、かつ精密な鏡面研磨が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における鏡面仕上げ装置の概
略構成を示す正面図
【図2】本発明の実施例2における鏡面仕上げ装置の概
略構成を示す正面図
【図3】本発明の実施例3における鏡面仕上げ装置の概
略構成を示す正面図
【図4】本発明の実施例4における鏡面仕上げ装置の概
略構成を示す正面図
【図5】本発明の実施例4における鏡面仕上げ装置の部
分拡大図
【符号の説明】
1 懸濁液 2 加工漕 3 支持台 4、21、31、51 加工物 5、22 ポリシャ 6、53 軸受け 7a7b プーリ 8 Oリングベルト 9 モータ 10 ピボット受け 11 電源 12 XYステージ 13 Zステージ 32 工具電極 33、52 マンドレル 34 充電抵抗 35 コンデンサ 36 スイッチ 38 絶縁液 39 三方弁 40 ポンプ 41 供給ノズル 56 ブラシレスモータ 57 ロータリエンコーダ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性加工物の被研磨面および回転運動
    する導電性ポリシャの研磨面を平行に間隔をもって対向
    させ、前記間隔に微粒砥粒を分散させた懸濁液を供給
    し、前記加工物を陽極とし前記ポリシャを陰極として電
    場を与えることにより、前記加工物の表面を除去研磨す
    る鏡面仕上げ法。
  2. 【請求項2】 被研磨面方向に加工物とポリシャを相対
    運動させることを特徴とする請求項1記載の鏡面仕上げ
    法。
  3. 【請求項3】 回転軸中心に同心な側面および垂直な底
    面を研磨面とする円筒形ポリシャを使用し、その研磨面
    表面積を単位面積として加工物表面の目的領域に限って
    選択的に研磨することを特徴とする請求項1または2記
    載の鏡面仕上げ法。
  4. 【請求項4】 ポリシャは、形彫り放電加工に使用され
    る円筒形工具電極であり、前記工具電極および加工物間
    に絶縁液を供給して放電加工により加工物の形状創成を
    実施した後、前記工具電極および加工物の保持状態を解
    放することなく放電加工を実施するために前記工具電極
    および加工物の相対位置を決定した座標系を継続維持
    し、前記座標系を用いて前記工具電極の研磨面となる底
    面または側面と加工物の被研磨面を対向させて研磨に必
    要な間隔に調整決定し、前記加工物放電面に対して研磨
    を実施することを特徴とする請求項1または2記載の鏡
    面仕上げ法。
  5. 【請求項5】 微粒砥粒を分散させた懸濁液を受ける加
    工漕と、前記加工漕中に加工物を保持する保持手段と、
    研磨面が前記加工物の被研磨面に対し平行の間隔を持っ
    て対向位置決めされたポリシャと、前記ポリシャを回転
    させる回転手段と、前記加工物を被研磨面方向に移動さ
    せる移動手段と、前記ポリシャを陰極とし加工物を陽極
    として直流電圧を印加する給電手段とを備えた鏡面仕上
    げ装置。
  6. 【請求項6】 形彫り放電加工に使用される円筒形工具
    電極と、放電加工に用いる絶縁液または研磨に用いる微
    粒砥粒を分散させた懸濁液のいずれかを選択して前記工
    具電極と加工物との間隔に供給する給液手段と、加工に
    使用した絶縁液および懸濁液を受ける加工漕と、前記工
    具電極を回転させる回転手段と、前記工具電極および前
    記加工漕に保持された加工物の位置決めを行う位置決め
    手段と、前記加工物を被研磨面方向に移動させる移動手
    段と、前記工具電極を陰極とし加工物を陽極として直流
    電圧を印加する給電手段とを備えた鏡面仕上げ装置。
  7. 【請求項7】 給電手段が、直流電源に直列接続された
    充電抵抗と、前記直流電源に並列接続されて前記充電抵
    抗を通じて放電エネルギーを蓄電するコンデンサと、鏡
    面仕上げ加工時に前記コンデンサを電気的に切断するス
    イッチとを備えた請求項6記載の鏡面仕上げ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107138814A (zh) * 2017-05-31 2017-09-08 深圳天珑无线科技有限公司 火花机镜面放电加工方法
WO2018206454A1 (de) * 2017-05-11 2018-11-15 Walter Maschinenbau Gmbh Verfahren und schleif- und erodiermaschine zur bearbeitung eines werkstücks
JP2020116722A (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 独立行政法人国立高等専門学校機構 流体研磨装置および流体研磨方法
CN114713854A (zh) * 2022-06-07 2022-07-08 西安交通大学 一种复杂曲面激光粉末床熔融成形表面后处理装置

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