JP3636913B2 - 電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置 - Google Patents

電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置に関し、詳細には、ワークにくもりを発生させることなく、良好な加工面が得られる電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、研削加工において、砥石の目つぶれや目詰まりによる研削抵抗の増加や被削材との焼き付き等の現象が問題となる。
【0003】
そこで、近年、導電性砥石に電圧を印加し、砥石を電解によりドレッシングしながら加工を行う電解インプロセスドレッシング研削法が実用化されており、この電解インプロセスドレッシング研削法においては、導電性砥石と電極が相対向する状態で配設されて、導電性砥石が正に、電極が負になるように電圧が印加される。
【0004】
そして、この電解インプロセスドレッシング研削法においては、高精度の加工を行うために従来から種々の提案が行われている(特開平6−143130号公報、特開平6−155294号公報及び特開平6−270063号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置にあっては、ワークが金属等の導電性材料であると、導電性砥石に対してワークが電気的に負になると、砥石から電解によって発生した陽イオンがワーク上に析出してくもりが発生し、逆に、導電性砥石に対してワークが電気的に正になると、ワークが電解によって溶出したり不導体皮膜を生成してワーク上にくもりが生じるという問題があった。また、電極とワークが近接した状態で電解をかける場合、電極に対してワークが電気的に正になると、電極とワークとの間で電解が起こって、ワークが電解によって溶出したり不導体皮膜を生成してワーク上にくもりが発生し、逆に、電極に対してワークが電気的に負になると、電極から電解によって発生した陽イオンがワークに付着してワークにくもりが生じるという問題があった。
【0006】
一般的には、電解インプロセスドレッシング研削法においては、導電性砥石に対してワークが電気的に正となることや電極に対してワークが電気的に負になることは、通常、発生しない。
【0007】
ところが、導電性砥石と導電性材料であるワークとの間、あるいは、電極と導電性材料であるワークとの間に電位差が生じることは、多々発生するが、このような現象によっても上述したワークにくもりが発生するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、ワークの加工面にくもりを発生することなく、ワークを精度良く加工することのできる電解インプロセスドレッシング研削装置及び電解インプロセスドレッシング研削法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この発明の電解インプロセスドレッシング研削法は、ベース上に載置された導電性のワークチャックに導通してチャックされた導電性のワークの加工面に研削液を付与しつつ、ワークを研削加工する導電性砥石と該導電性砥石に対向配置された電極との間に電圧を印加することにより、導電性砥石を電解によりドレッシングしながら導電性砥石によりワークを研削加工する電解インプロセスドレッシング研削法において、電源の共通の正極に導電性砥石とワークチャックとを接続し、電源の負極に電極を接続してワークを加工する。
【0022】
この発明の第1の電解インプロセスドレッシング研削装置は、ベース上に載置されたワークチャックにチャックされた導電性のワークの加工面に研削液を付与しつつ、ワークを研削加工する導電性砥石と該導電性砥石に対向配置された電極との間に電圧を印加することにより、導電性砥石を電解によりドレッシングしながら導電性砥石によりワークを研削加工する電解インプロセスドレッシング研削装置において、電源の共通の正極に導電性砥石とワークとを接続し、電源の負極に電極を接続している
【0023】
この発明の第2の電解インプロセスドレッシング研削装置は、ベース上に載置された導電性のワークチャックに導通してチャックされた導電性のワークの加工面に研削液を付与しつつ、ワークを研削加工する導電性砥石と該導電性砥石に対向配置された電極との間に電圧を印加することにより、導電性砥石を電解によりドレッシングしながら導電性砥石によりワークを研削加工する電解インプロセスドレッシング研削装置において、電源の共通の正極に導電性砥石とワークチャックとを接続し、電源の負極に電極を接続している
【0024】
さらに、少なくとも研削加工時に、ワークの加工面に付与された研削液の液面と電極とが離れているとよく、また、ワークの加工面に付与された研削液を少なくとも電極から離隔する方向に払拭する研削液除去手段を備えて、ワークの加工面に付与された研削液と電極とを離すとよい。さらに、研削液除去手段はワークの加工面にエアを吹き付けることにより、ワークの加工面に付与された研削液を少なくとも電極から離隔する方向に払拭するとよく、また、エアは、室温以下の温度に冷却されているとよい。
【0025】
電極は、導電性砥石に対向する面以外の面が所定の絶縁物で形成されているとよい。また、電極は、導電性砥石に対向する面以外の面が所定の絶縁物でコーティングされているとよい。また、電極は、導電性砥石に対向する面以外の部分が所定の絶縁物で形成され、導電性砥石に対向する面に所定の導電性部材がコーティングされているとよい。また、電極は、導電性砥石に対向する面以外の部分が所定の絶縁物で形成され、導電性砥石に対向する面に所定の導電性部材で形成された箔あるいは板部材が接着されているとよい。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0048】
図1及び図2は、本発明の電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置の第1の実施の形態を適用した電解インプロセスドレッシング研削装置1の要部正面図である。
【0049】
図1において、電解インプロセスドレッシング研削装置1は、図示しないベース(テーブル)上にワークチャック2が配設され、ワークチャック2は、導電性材料で形成されている。ワークチャック2には、研削対象であるワーク3、例えば、ステンレス鋼等が着脱可能にチャックされる。
【0050】
ワーク3のワーク面(加工面)には、導電性砥石4が接触して、導電性砥石4によりワーク3の研削が行われる。この導電性砥石4は、例えば、図2に示すように、図示しないモータにより回転駆動される砥石軸4aの先端に球形の導電性の砥石4bが取り付けられたものが用いられ、砥石軸4aが少し傾けられた状態で球形の砥石4bが高速回転されることによりワーク3の研削を行う。導電性砥石4は、その砥石4bがダイヤモンドを砥粒とするダイヤモンドボンド砥石、例えば、♯400のダイヤモンド鋳鉄ボンド砥石あるいは♯800のダイヤモンド導電性レジンボンド砥石等が用いられている。
【0051】
そして、電解インプロセスドレッシング装置1は、図示しないが、研削液7(図2参照)を供給するノズルが配設されており、ノズルは、ワーク3のワーク面に研削液7を供給する。
【0052】
再び、図1において、導電性砥石4には、導電性砥石4に近接した位置であって対向する状態で電極5が配設されており、電極5は、具体的には、例えば、図2に示すように、研削液7の液面に接触しない位置に配設されている。
【0053】
そして、図1に示すように、電極5は、電源6の負極に接続されており、導電性砥石4、特に、砥石4bは、カーボンブラシ(図示略)を介して電源6の正極に接続されている。また、ワークチャック2は、電源6の正極に接続されており、電源6は、例えば、印加電圧が30Vで、最大電流が3Aの電源を供給して、導電性砥石4とワーク3のワーク面に所定の電解を付与する。したがって、導電性砥石4とワーク3とは、導電性のワークチャック2を介して正の同電位になっている。
【0054】
次に、本実施の形態の作用を説明する。電解インプロセスドレッシング研削装置1は、ワーク3の研削を行う際には、ワーク3をワークチャック2にチャックさせ、導電性砥石4の砥石4bをワーク3のワーク面に接触させて、図示しないノズルから研削液7をワーク3のワーク面に供給しつつ、高速回転させるとともに、電源6から電極5に負電位を、導電性砥石4の砥石4b及びワークチャック2に正電位を供給する。
【0055】
このように、電極5に負電位を、導電性砥石4に正電位を、それぞれ付与し、ワーク3のワーク面に研削液7を供給して、導電性砥石4を高速回転させて研削を行うと、研削液7を介して電極5と導電性砥石と4との間で電解が発生して、導電性砥石4がドレッシングされ、導電性砥石4によるワーク3の研削を効率的に行うことができる。
【0056】
また、電解インプロセスドレッシング研削装置1では、導電性のワークチャック2にも導電性砥石4と電源6から同じ正電位が供給されているため、ワークチャック2を介して導電性砥石4とワーク3とが同電位となっている。その結果、従来のように、導電性砥石4とワーク3との間に電位差が生じることによりワーク3にくもりが発生することを適切に防止することができ、ワーク3にくもりを発生させることなく、ワーク3を良好な鏡面に研削することができる。
【0057】
このように本実施の形態の電解インプロセスドレッシング研削装置1は、ベース上に載置されたワークチャック2にチャックされた導電性のワーク3を、ワーク3の加工面に研削液7を付与しつつ、電源6から導電性砥石4に当該導電性砥石4に対向配置された電極5から電圧を印加して電解によりドレッシングしながら導電性砥石4で研削加工するに際して、導電性砥石4とワーク3とを略同電位に設定して、ワーク3の研削加工を行っている。
【0058】
したがって、導電性砥石4と導電性のワーク3との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3の加工面にくもりを発生させることなく、ワーク3を精度良く加工することができる。
【0059】
また、電解インプロセスドレッシング研削装置1は、電源6からワーク3と電気的に接続されているワークチャック2に導電性砥石4と同極性であって同電位の電荷を印加して、導電性砥石4とワーク3とを略同電位に設定している。
【0060】
したがって、導電性砥石4と導電性のワーク3とを簡単に略同電位にして、導電性砥石4と導電性のワーク3との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3の加工面にくもりを発生させることなく、ワーク3を精度良く、かつ、安価に加工することができる。
【0061】
さらに、電極5を、少なくとも研削加工時に、ワーク3の加工面に供給される研削液7の液面から離れた状態で配置している。
【0062】
したがって、導電性のワーク3と電極5との間で電位差が生じても、導電性のワーク3と電極5との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3の加工面にくもりを発生させることなく、ワーク3をより一層精度良く加工することができる。
【0063】
なお、本出願人が上記電解インプロセスドレッシング研削装置1により、導電性砥石4として、♯4000のダイヤモンド鋳鉄ボンド砥石を使用し、電源6からの印加電圧を20V、最大電流を5Aとして、ステンレス鋼のワーク3の表面を研削加工したところ、ワーク3の表面には、くもりが発生せず、良好な鏡面を得ることができた。
【0064】
図3及び図4は、本発明の電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置の第2の実施の形態を適用した電解インプロセスドレッシング研削装置10の要部正面図である。
【0065】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の電解インプロセスドレッシング研削装置と同様の電解インプロセスドレッシング研削装置に適用したものであり、第1の実施の形態の電解インプロセスドレッシング研削装置と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0066】
図3において、電解インプロセスドレッシング研削装置10は、上記第1の実施の形態の電解インプロセスドレッシング研削装置1と同様に、図示しないベース上に導電性材料で形成されたワークチャック2が配設され、ワークチャック2には、ワーク3が着脱可能にチャックされる。
【0067】
ワーク3のワーク面には、導電性砥石4が接触して、導電性砥石4によりワーク3の研削が行われ、導電性砥石4は、例えば、図4に示すように、図示しないモータにより回転駆動される砥石軸4aの先端に球形の導電性の砥石4bが取り付けられたものが用いられて、砥石軸4aが少し傾けられた状態で球形の砥石4bが高速回転されることによりワーク3の研削を行う。導電性砥石4は、その砥石4bがダイヤモンドを砥粒とするダイヤモンドボンド砥石、例えば、♯400のダイヤモンド鋳鉄ボンド砥石あるいは♯800のダイヤモンド導電性レジンボンド砥石等が用いられている。
【0068】
そして、電解インプロセスドレッシング装置1は、図示しないが、研削液7(図4参照)を供給するノズルが配設されており、ノズルは、ワーク3のワーク面に研削液7を供給する。
【0069】
再び、図3において、導電性砥石4には、導電性砥石4に近接した位置であって対向する状態で電極5が配設されており、電極5は、具体的には、例えば、図4に示すように、研削液7の液面に接触しない位置に配設されている。
【0070】
また、この電極5の近辺には、エアノズル(研削液除去手段)11が配設されており、エアノズル11は、加工中にエアを噴射して、ワーク3のワーク面上に存在する研削液7を電極5が研削液7の液面に接触しない程度に吹き飛ばす。このエアノズル11から噴射されるエアは、所定の温度、例えば、5℃程度に冷却されている。
【0071】
そして、図3に示すように、電極5は、電源6の負極に接続されており、導電性砥石4、特に、砥石4bは、図示しないカーボンブラシを介して電源6の正極に接続されているとともに、この導電性砥石4と導通している箇所とワーク3とが接続されて、ワーク3も電源6の正極に接続された状態となっている。また、電源6は、例えば、印加電圧が30Vで、最大電流が3Aの電源を供給し、導電性砥石4に所定の電解を付与する。この電極5は、第1の実施の形態の電極5よりも導電性砥石4に近接して配設されている。
【0072】
次に、本実施の形態の作用を説明する。電解インプロセスドレッシング研削装置10は、ワーク3の研削を行う際には、ワーク3をワークチャック2にチャックさせ、導電性砥石4の砥石4bをワーク3のワーク面に接触させて、図示しないノズルから研削液7をワーク3のワーク面に供給しつつ、高速回転させ、また、エアノズル11からエアを噴射するとともに、電源6から電極5に負電位を、導電性砥石4の砥石4b及びワーク3に正電位を供給する。
【0073】
このように、電極5に負電位を、導電性砥石4に正電位を、それぞれ付与し、ワーク3のワーク面に研削液7を供給して、エアノズル11から噴射するエアにより電極5が研削液7に接触しないようにしつつ、導電性砥石4を高速回転させて研削を行うと、研削液7を介して電極5と導電性砥石と4との間で電解が発生して、導電性砥石4がドレッシングされ、導電性砥石4によるワーク3の研削を効率的に行うことができる。
【0074】
また、電解インプロセスドレッシング研削装置1では、エアノズル11から噴射するエアにより電極5が研削液に接触しないようにしているため、ワーク3と電極5との間で電位差は生じているが、ワーク3にも導電性砥石4と同じ正電位が電源6から供給されているため、導電性のワーク3と電極5とが同電位となっている。その結果、従来のように、導電性のワーク3と電極5との間で電解現象が発生してワーク3にくもりが発生することを適切に防止することができ、ワーク3にくもりを発生させることなく、ワーク3を良好な鏡面に研削することができる。また、エアノズル11から噴射するエアにより研削液7を電極5から離隔する方向に吹き飛ばしているので、電極5をワーク3により一層近づけつつ、電極5が研削液7の液面と接触することを防止して、導電性のワーク3と電極5との間で電位差が生じても、導電性のワーク3と電極5との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3のワーク面にくもりを発生させることなく、ワーク3をより一層精度良く加工することができる。
【0075】
このように本実施の形態の電解インプロセスドレッシング研削装置10は、ベース上に載置されたワークチャック2にチャックされた導電性のワーク3を、ワーク3の加工面に研削液7を付与しつつ、導電性砥石4に当該導電性砥石4に対向配置された電極5から電源6からの電圧を印加して電解によりドレッシングしながら導電性砥石4で研削加工するに際して、導電性砥石4とワーク3とを略同電位に設定して、ワーク3の研削加工を行うが、このとき、電源6からワーク3に導電性砥石4と同極性であって同電位の電荷を印加して、導電性砥石4とワーク3とを略同電位に設定している。
【0076】
したがって、導電性砥石4と導電性のワーク3とを簡単に略同電位にして、導電性砥石4と導電性のワーク3との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3の加工面にくもりを発生させることなく、ワーク3を精度良く、かつ、安価に加工することができる。
【0077】
また、電解インプロセスドレッシング研削装置10は、ワーク3の加工面上に供給される研削液7を研削液除去手段であるエアノズル11からエアを吹き付けて、少なくとも電極5部分から離隔する方向に払拭して、電極5が研削液7の液面から離れた状態としている。
【0078】
したがって、電極5をワーク3により一層近づけつつ、電極5が研削液7の液面と接触することを防止して、導電性のワーク3と電極5との間で電位差が生じても、導電性のワーク3と電極5との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3の加工面にくもりを発生させることなく、ワーク3をより一層精度良く加工することができる。
【0079】
さらに、電解インプロセスドレッシング研削装置10は、エアノズル11から吹き付けるエアを、室温以下の温度に冷却している。
【0080】
したがって、加工点の冷却を行って、導電性のワーク3と電極5との間で電位差が生じても、導電性のワーク3と電極5との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3の加工面にくもりを発生させることなく、ワーク3をより一層精度良く加工することができる。
【0081】
なお、本出願人が上記電解インプロセスドレッシング研削装置10により、導電性砥石4として、♯4000のダイヤモンド鋳鉄ボンド砥石を使用し、エアノズル11から約5℃に冷却したエアを噴射させ、電源6からの印加電圧を30V、最大電流を3Aとして、ステンレス鋼のワーク3の表面を研削加工したところ、ワーク3の表面には、くもりが発生せず、良好な鏡面を得ることができた。
【0082】
また、本出願人は、図5に示すように、電極6として、その本体部分12を導電性材料である銅で作成するとともに、導電性砥石4に対向する面以外の面、すなわち、導電性砥石4を電解するのに必要な面以外の面を絶縁物であるシリコンゴム13でコーティングしたものを使用し、上記条件と同じ条件、すなわち、導電性砥石4として、♯4000のダイヤモンド鋳鉄ボンド砥石を使用し、エアノズル11から約5℃に冷却したエアを噴射させ、上記電源6からの印加電圧を30V、最大電流を3Aとして、ステンレス鋼のワーク3の表面を研削加工したところ、ワーク3であるステンレス鋼の表面には、くもりが発生せず、良好な鏡面を得ることができた。
【0083】
さらに、ワーク3を載せるベースを導電性材料で形成し、当該ベースと導電性砥石4とを電気的に導通させ、ワークチャック2として導電性材料、例えば、金属製のバイスを使用し、ベースとワーク3を電気的に絶縁しないようにした状態、すなわち、導電性砥石4とワーク3とを導電性のベース及びワークチャック2を介して同電位とした状態で、ワーク3としての焼き入れ鋼を鏡面加工した。また、この実験では、導電性砥石4として、♯8000のダイヤモンド導電性レジンボンド砥石を使用し、エアノズル11から約5℃に冷却したエアを噴射させ、上記電源6からの印加電圧を30V、最大電流を10Aとし、電極6として、図6に示すように、その本体部分14を絶縁物である硬質塩化ビニルで電極形状に形成し、導電性砥石4に対向する面、すなわち、導電性砥石4を電解するために必要な面に導電性材料である無電解銅メッキ15を施したものを使用して、焼き入れ鋼のワーク3の表面を研削加工したところ、ワーク3である焼き入れ鋼の表面には、くもりが発生せず、良好な鏡面を得ることができた。
【0084】
すなわち、この場合、ワークチャック2を導電性部材で形成し、ワークチャック2の搭載されるベースと導電性砥石4とをワークチャック2を介して電気的に導通して、導電性砥石4とワーク3とを略同電位に設定しているので、導電性砥石4と導電性のワーク3とを簡単に略同電位にして、導電性砥石4と導電性のワーク3との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3の加工面にくもりを発生させることなく、ワーク3を精度良く、かつ、安価に加工することができる。
【0085】
この場合、ワーク3あるいはワークチャック2等のワーク3と電気的に導通されている部材と導電性砥石4とを電気的に導通し、導電性砥石4とワーク3とを略同電位に設定してもよい。このようにすると、導電性砥石4と導電性のワーク3とを簡単に略同電位にして、導電性砥石4と導電性のワーク3との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワーク3の加工面にくもりを発生させることなく、ワーク3を精度良く、かつ、安価に加工することができる。
【0086】
また、本出願人は、図6に示した電極6の無電解銅メッキ15の代わりに、アルミ箔を接着した電極6、すなわち、電極6の本体部分14を絶縁物で電極形状に形成し、導電性砥石4に対向する面に導電性材料であるアルミ箔を接着したものを使用して、上記と同様の条件で焼き入れ鋼のワーク3の表面を研削加工したところ、ワーク3である焼き入れ銅の表面には、くもりが発生せず、良好な鏡面を得ることができた。
【0087】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0088】
【発明の効果】
請求項1の電解インプロセスドレッシング研削法によれば、導電性砥石と導電性のワークとの間で電解現象が起こることを防止でき、ワークの加工面にくもりを発生させることなく、ワークを精度良く加工できる。請求項2の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、導電性砥石と導電性のワークとの間で電解現象が起こることを防止でき、ワークの加工面にくもりを発生させることなく、ワークを精度良く加工できる。請求項3の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、導電性砥石と導電性のワークとの間で電解現象が起こることを防止でき、ワークの加工面にくもりを発生させることなく、ワークを精度良く、安価に加工できる。
【0089】
請求項4の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、ワークと電極との間で電位差が生じた場合に、ワークと電極との間で電解現象が発生することを防止できるため、請求項2または請求項3の効果に加えて、ワークをより一層精度良く加工できる。請求項5の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、ワークと電極とを近づけても電極が研削液の液面と接触することを防止でき、請求項4の効果に加えて、ワークをより一層精度良く加工できる。請求項6の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、安価な構成により請求項5の効果を得られる。請求項7の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、加工点の冷却を行うことができ、請求項6の効果に加えて、ワークをより一層精度良く加工できる。
【0090】
請求項8の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、電極からワーク側に漏れる電流を阻止してワークの加工面のくもりを防止でき、請求項1の効果に加えて、ワークをより一層精度良く加工できる。請求項9の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、簡単な構造で電極からワーク側に漏れる電流を阻止してワークの加工面のくもりを防止でき、請求項1の効果に加えて、ワークをより一層精度良く加工できる。請求項10の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、簡単な構造で電極からワーク側に漏れる電流を阻止してワークの加工面のくもりを防止でき、請求項1の効果に加えて、ワークをより一層精度良く加工できる。請求項11の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、簡単な構造で電極からワーク側に漏れる電流を阻止してワークの加工面のくもりを防止でき、請求項1の効果に加えて、ワークをより一層精度良く加工できる。
【0093】
請求項6記載の発明の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、電極を、少なくとも研削加工時に、ワークの加工面に供給される研削液の液面から離れた状態で配置しているので、導電性のワークと電極との間で電位差が生じても、導電性のワークと電極との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワークの加工面にくもりを発生させることなく、ワークをより一層精度良く加工することができる。
【0094】
請求項7記載の発明の電解インプロセスドレッシング研削装置によれば、ワークの加工面上に供給される研削液を所定の研削液除去手段で少なくとも電極部分から離隔する方向に払拭して、電極が研削液の液面から離れた状態としているので、電極をワークにより一層近づけつつ、電極が研削液の液面と接触することを防止して、導電性のワークと電極との間で電位差が生じても、導電性のワークと電極との間で電解現象が起こることを防止することができ、ワークの加工面にくもりを発生させることなく、ワークをより一層精度良く加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置の第1の実施の形態を適用した電解インプロセスドレッシング研削装置の要部正面図。
【図2】図1の電極、導電性砥石及びワーク部分の拡大正面図。
【図3】本発明の電解インプロセスドレッシング研削法及び電解インプロセスドレッシング研削装置の第2の実施の形態を適用した電解インプロセスドレッシング研削装置の要部正面図。
【図4】図3の電極、導電性砥石及びワーク部分の拡大正面図。
【図5】図3の電極の他の例を示す電極、導電性砥石及びワーク部分の拡大正面図。
【図6】図3の電極のさらに他の例を示す電極、導電性砥石及びワーク部分の拡大正面図。
【符号の説明】
1 電解インプロセスドレッシング研削装置
2 ワークチャック
3 ワーク
4 導電性砥石
4a 砥石軸
4b 砥石
5 電極
6 電極
7 研削液
10 電解インプロセスドレッシング研削装置
11 エアノズル
12 本体部分
13 シリコンゴム
14 本体部分
15 無電解銅メッキ

Claims (11)

  1. ベース上に載置された導電性のワークチャックに導通してチャックされた導電性のワークの加工面に研削液を付与しつつ、前記ワークを研削加工する導電性砥石と該導電性砥石に対向配置された電極との間に電圧を印加することにより、前記導電性砥石を電解によりドレッシングしながら前記導電性砥石により前記ワークを研削加工する電解インプロセスドレッシング研削法において、
    前記導電性砥石と前記ワークチャックとを電源の共通の正極に接続し、前記電極を前記電源の負極に接続して前記ワークを加工することを特徴とする電解インプロセスドレッシング研削法。
  2. ベース上に載置されたワークチャックにチャックされた導電性のワークの加工面に研削液を付与しつつ、前記ワークを研削加工する導電性砥石と該導電性砥石に対向配置された電極との間に電圧を印加することにより、前記導電性砥石を電解によりドレッシングしながら前記導電性砥石により前記ワークを研削加工する電解インプロセスドレッシング研削装置において、
    前記導電性砥石と前記ワークとを電源の共通の正極に接続し、前記電極を前記電源の負極に接続していることを特徴とする電解インプロセスドレッシング研削装置。
  3. ベース上に載置された導電性のワークチャックに導通してチャックされた導電性のワークの加工面に研削液を付与しつつ、前記ワークを研削加工する導電性砥石と該導電性砥石に対向配置された電極との間に電圧を印加することにより、前記導電性砥石を電解によりドレッシングしながら前記導電性砥石により前記ワークを研削加工する電解インプロセスドレッシング研削装置において、
    前記導電性砥石と前記ワークチャックとを電源の共通の正極に接続し、前記電極を前記電源の負極に接続していることを特徴とする電解インプロセスドレッシング研削装置。
  4. 少なくとも研削加工時に、前記ワークの加工面に付与された研削液の液面と前記電極とが離れている請求項2または請求項3に記載の電解インプロセスドレッシング研削装置。
  5. 前記ワークの加工面に付与された研削液を少なくとも前記電極から離隔する方向に払拭する研削液除去手段を備えて、前記ワークの加工面に付与された研削液と前記電極とを離す請求項4に記載の電解インプロセスドレッシング研削装置。
  6. 前記研削液除去手段は前記ワークの加工面にエアを吹き付けることにより、前記ワークの加工面に付与された研削液を少なくとも前記電極から離隔する方向に払拭する請求項5に記載の電解インプロセスドレッシング研削装置。
  7. 前記エアは、室温以下の温度に冷却されている請求項6に記載の電解インプロセスドレッシング研削装置。
  8. 前記電極は、前記導電性砥石に対向する面以外の面が所定の絶縁物で形成されている請求項2から請求項7のいずれかに記載の電解インプロセスドレッシング研削装置。
  9. 前記電極は、前記導電性砥石に対向する面以外の面が所定の絶縁物でコーティングされている請求項2から請求項7のいずれかに記載の電解インプロセスドレッシング研削装置。
  10. 前記電極は、前記導電性砥石に対向する面以外の部分が所定の絶縁物で形成され、前記導電性砥石に対向する面に所定の導電性部材がコーティングされている請求項2から請求項7のいずれかに記載の電解インプロセスドレッシング研削装置。
  11. 前記電極は、前記導電性砥石に対向する面以外の部分が所定の絶縁物で形成され、前記導電性砥石に対向する面に所定の導電性部材で形成された箔あるいは板部材が接着されている請求項2から請求項7のいずれかに記載の電解インプロセスドレッシング研削装置。
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