JPH0615568A - 電解インプロセスドレッシング方法及び装置 - Google Patents

電解インプロセスドレッシング方法及び装置

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JPH0615568A
JPH0615568A JP4200438A JP20043892A JPH0615568A JP H0615568 A JPH0615568 A JP H0615568A JP 4200438 A JP4200438 A JP 4200438A JP 20043892 A JP20043892 A JP 20043892A JP H0615568 A JPH0615568 A JP H0615568A
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grain layer
grindstone
electrolytic
abrasive grain
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Toshiya Akita
俊哉 秋田
Naoyuki Kishida
尚之 岸田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切込み速度比に応じて砥粒層の側面部と底面
部とに見合った電解をかけることにより、砥石寿命を向
上することのできる電解インプロセスドレッシング研削
方法及び装置を提供することを目的とする。 【構成】 カップ状の導電性砥石1の砥粒層の側面に電
流を印加する電極6、7と、同砥石1の底面に電流を印
加する電極8と、前記各電極に印加する電流値を変化さ
せる手段9とを有し、砥石1の砥粒層の側面によって切
込む切込み速度と砥石1の砥粒層の底面によって切込む
切込み速度とを比較し、切込み速度の大きい側の砥粒層
を電解する電極に印加する電流値を大きくし、他の電極
に印加する電流値を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解インプロセスドレ
ッシング研削を行う平面研削加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電解作用により工具をドレッシン
グしつつ研削加工を行う装置としては、例えば特開平2
−65972号公報に記載された平面研削盤が知られて
いる。この装置は、図6に示す如く、カップ型の導電性
砥石1によりロータリーテーブル4上のワーク3を加工
するもので、導電性砥石1は給電ブラシ5を介して電源
10の陽極に接続されている。一方、電源10の陰極は
前記導電性砥石1に対向して配置されたカバー電極23
に接続されている。なお、この電極23の両端には導電
性砥石1の表面に非接触の仕切板(図示せず)が固定さ
れており、同電極23内面に電解液を放出するためのホ
ース21が接続されている。そして、導電性砥石1と電
極23及びその両端の仕切板とで囲まれた空間に電解液
を供給しつつ、導電性砥石1と電極23との間に電流を
流してインプロセスドレッシング効果を得るものであ
る。
【0003】ところで、このようなカップ型砥石にて研
削加工を行う場合には、インフィード方式という研削方
法が用いられる。これはカップ型砥石の回転軸方向に一
定速度の切込み送りを与えつつ、ロータリーテーブルの
回転にてワークの切込み送りを行うものである。これを
図7及び図8にて説明すれば、図7は加工機を上面から
見た模式図であり、図8は図7のA方向から見た図であ
る。図のように、カップ型砥石1の切込みにおいて、Y
方向(図面上の上下方向)の切込みは砥石軸またはワー
ク軸を移動することにより与える。また、X方向(図面
上の左右方向)の切込みはロータリーテーブル4の回転
により与える。ワーク3の加工はY方向及びX方向の合
成した切込みで行われる。従って、ワーク3から見た切
込み方向は砥石軸に対して傾斜する。そのため、図8に
示すように、Y方向の切込みを与えず、X方向の切込み
を与えるスパークアウトまでの加工途中では、ワーク3
の加工面はテーブル4の上面に対して傾斜する。ここ
で、砥石1による加工は砥粒層2の側面部と底面部との
両面を使って行われ、側面部と底面部との加工に寄与す
る割合は、Y方向の切込み速度VX と、X方向の切込み
速度たるテーブル4の周速度VY によって定まる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
なカップ型砥石を用いたインフィード方式の研削加工で
は、Y方向の切込み速度とX方向の切込み速度との割合
によって砥粒層の側面部と底面部とのワーク除去量の割
合が異なり、このため、砥粒層の目詰まりの度合いも異
なっていた。このことをより詳しく説明すれば以下の通
りである。まず、X及びY方向の切込み速度の関係によ
り加工条件を以下の3パターンに分ける。 VX =VY (図9) VX >VY (図10) VX <VY (図11) 次に、これら3パターンの加工条件のそれぞれについ
て、砥粒層2の各面の単位時間あたりのワーク除去断面
積について説明する。
【0005】まず、VX =VY の場合を図9にて説明
する。図9は図8のC部を拡大して加工途中のワーク3
の断面を示す図である。台形abcdは約半周前のカッ
プ型砥石1の砥粒層2の内側面が研削加工したワーク3
の断面である。単位時間Δtあたりに砥粒層2の底面断
面がOZ0 からO1 1 に移動したとき、Y方向の切込
み量はVY ・Δtであり、X方向の切込み量はVX ・Δ
tである。いま、VX=VY の条件から、ワーク3から
見た砥石1の切込み方向(矢印B1 )、言い替えれば加
工面Z0 1 と砥石軸とのなす角はα=45度である。
また、砥粒層2の側面部及び底面部のそれぞれの単位長
さをOY0 、OX0 で示すと、単位時間・単位長さあた
りに各面がワーク3を除去した断面積は以下のようにな
る。 側面部OY0 :OY0 ×VX ・Δt …(1) 底面部OX0 :OX0 ×VY ・Δt …(2) ここで、VX =VY 、OY0 =OX0 なので、(1) 式と
(2) 式は等しくなる。従って、VX =VY の場合は、砥
粒層2の側面部と底面部との単位時間あたりの除去断面
積は等しいことになる。
【0006】次に、VX >VY の場合を図10にて説
明する。図10は図8のC部を拡大して加工途中のワー
ク3の断面を示す図である。台形abcdは約半周前の
カップ型砥石1の砥粒層2の内側面が研削加工したワー
ク3の断面である。単位時間Δtあたりに砥粒層2の底
面断面がOZ0 からO1 2 に移動したとき、Y方向の
切込み量はVY ・Δtであり、X方向の切込み量はVX
・Δtである。いま、VX >VY の条件から、ワーク3
から見た砥石1の切込み方向(矢印B2 )、言い替えれ
ば加工面Z0 2 と砥石軸とのなす角はα>45度であ
る。また、砥粒層2の側面部及び底面部のそれぞれの単
位長さをOY0 、OX0 で示すと、単位時間・単位長さ
あたりに各面がワーク3を除去した断面積は以下のよう
になる。 側面部OY0 :OY0 ×VX ・Δt …(3) 底面部OX0 :OX0 ×VY ・Δt …(4) ここで、VX >VY 、OY0 =OX0 なので、(3) 式の
値は(4) 式の値よりも大きくなる。従って、VX >VY
の場合は、砥粒層2の側面部と底面部との単位時間あた
りの除去断面積は側面部の方が大きくなる。
【0007】次に、VX <VY の場合を図11にて説
明する。図11は図8のC部を拡大して加工途中のワー
ク3の断面を示す図である。台形abcdは約半周前の
カップ型砥石1の砥粒層2の内側面が研削加工したワー
ク3の断面である。単位時間Δtあたりに砥粒層2の底
面断面がOZ0 からO1 3 に移動したとき、Y方向の
切込み量はVY ・Δtであり、X方向の切込み量はVX
・Δtである。いま、VX <VY の条件から、ワーク3
から見た砥石1の切込み方向(矢印B3 )、言い替えれ
ば加工面Z0 3 と砥石軸とのなす角はα<45度であ
る。また、砥粒層2の側面部及び底面部のそれぞれの単
位長さをOY0 、OX0 で示すと、単位時間・単位長さ
あたりに各面がワーク3を除去した断面積は以下のよう
になる。 側面部OY0 :OY0 ×VX ・Δt …(5) 底面部OX0 :OX0 ×VY ・Δt …(6) ここで、VX <VY 、OY0 =OX0 なので、(5) 式の
値は(6) 式の値より小さくなる。従って、VX <VY
場合は、砥粒層2の側面部と底面部との単位時間あたり
の除去断面積は底面部の方が大きくなる。
【0008】以上説明したように、切込み速度比の変化
により砥粒層の側面部と底面部とで目詰まり状態が異な
る。従って、各面に対して適当な電解インプロセスドレ
ッシングを行う必要がある。例えば、切込み速度比VX
/VY が1以上、即ちVX >VY の場合、目詰まりの進
行は砥粒層の側面部の方が速いので、側面部の電解イン
プロセスドレッシングを強めにする必要がある。しかし
ながら、上記従来技術においては、カップ型導電性砥石
とカバー電極とその両端の仕切板とで形成した空間に電
解液を満たして電解インプロセスドレッシングを行うの
で、砥粒層表面に作用する電解インプロセスドレッシン
グの強さは均等に作用し、常に砥粒層の側面と底面とは
均等にドレッシングされる。これは一般に電解槽の中に
陰極板と陽極板とを漬けた電気分解の場合と同様な原理
であり、両極板の間隔が変化しても流れる電流値は変化
しないからである。このような従来技術で電解インプロ
セスドレッシングを行う場合には各面の電解作用を独立
に調整することはできないので、目詰まりを発生しやす
い面を基準に電解強さを調整するため、他方の面では過
剰な電解インプロセスドレッシングを行うことになる。
【0009】ところが、電解インプロセスドレッシング
は電解作用により砥粒を保持する導電性ボンド(結合
剤)を溶解し、砥粒を露出することにより目詰まり、目
つぶれを防止するものであり、過剰な電解インプロセス
ドレッシングを行うと、導電性ボンドの溶解速度が上昇
し、砥粒層が電解により減耗してしまう。従って、上記
従来技術では、どちらか一方の面が目詰まりを起こす
か、または、過剰な電解による摩耗で砥石寿命が低下す
ることになり、砥粒層の側面部と底面部の両方に見合っ
た電解インプロセスドレッシングを行うことはできなか
った。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、切込み速度比(VX /VY )に応じて砥粒層の側
面部と底面部とに見合った電解をかけることにより、砥
石寿命を向上することのできる電解インプロセスドレッ
シング研削方法及び装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係る本発明の電解インプロセスドレッシン
グ方法では、導電性砥石の砥粒層の側面に電流を印加す
る電極と、導電性砥石の底面に電流を印加する電極と、
前記各電極に印加する電流値を変化させる手段とを有す
る電解インプロセスドレッシング装置にカップ状の導電
性砥石を装着してワークを加工する電解インプロセスド
レッシング方法において、砥石の砥粒層の側面によって
切込む切込み速度と砥石の砥粒層の底面によって切込む
切込み速度とを比較し、切込み速度の大きい側の砥粒層
を電解する電極に印加する電流値を大きくし、他の電極
に印加する電流値を小さくすることとした。
【0012】また、請求項2に係る本発明の電解インプ
ロセスドレッシング装置は、カップ状の導電性砥石と、
導電性砥石の砥粒層の側面を電解ドレスする電極と、導
電性砥石の砥粒層の底面を電解ドレスする電極と、前記
各電極に電流を印加するために各電極に接続されている
電源と、前記各電極に印加する電流値を変化させるため
に前記電源と前記各電極との間に接続された可変抵抗と
を有することを特徴とする。
【0013】さらに、請求項3に係る本発明の電解イン
プロセスドレッシング装置では、請求項2記載の電解イ
ンプロセスドレッシング装置において、前記電極に前記
弱電性クーラントを供給するための孔を複数設けること
とした。
【0014】そして、請求項4に係る本発明の電解イン
プロセスドレッシング装置は、電源と、前記電源の陽極
に接続したカップ状の導電性砥石と、前記電源の陰極に
接続した電極と、前記砥石と前記電極との間に弱電性ク
ーラントを供給するノズルとで構成した電解インプロセ
スドレッシング装置において、前記砥石の砥粒層の各面
に対向し、かつ、側面部と底面部とでそれぞれ絶縁し、
かつ、複数の孔を有する電極と、各電極間に保持される
ブラシと、前記電極と電源に接続した可変抵抗とを有す
ることを特徴とする。
【0015】本発明を構成する手段について、図面を用
いてより詳しく説明すれば、次の通りである。図1は本
発明を構成する装置の概念図である。図示の通り、この
装置は、カップ型導電性砥石1を砥石軸方向に一定の速
度で切込みを与えながら、または、ロータリーテーブル
4をテーブル軸方向に一定の速度で切込みを与えなが
ら、前記テーブル4を回転させてワーク3の研削加工を
行うようになっている。そして、砥粒層2の両側面及び
底面に対向して側面用電極6、7、底面用電極8が配置
されている。なお、これらの両電極は絶縁されている。
ここで、側面用電極6及び7、ならびに底面用電極8は
電流調整装置9を介して電源10の陰極に接続されてい
る。この電流調整装置9は各電極6、7、8と各砥粒層
との間に流れる電流値を調整するためのものである。一
方、電源10の陽極は給電ブラシ5を介してカップ型導
電性砥石1に接続されている。そして、側面用電極6、
7と砥石1の砥粒層2の両側面との間には隙間t1を、
底面用電極8と砥粒層2の底面との間には隙間t2を設
け、この隙間にクーラントノズル11により弱電性クー
ラントを供給する。
【0016】
【作用】上記構成からなる本発明の電解インプロセスド
レッシング方法及び装置の作用を説明すれば次の通りで
ある。前述したように切込み速度比により砥粒層の各面
のワーク除去量が変わるため、砥粒層の各面に適当な電
解インプロセスドレッシングを行うには、そのワーク除
去量に見合った電解量を各面に独立に与える必要があ
る。ここで、砥粒層2の側面部及び底面部に流す電流値
をA1及びA2とする。X方向の切込み速度の増加に伴
い、砥粒層2の側面部の電流値A1を増加し、一方、Y
方向の切込み速度の増加に伴い、砥粒層2の底面部の電
流値A2を増加する。側面用電極6、7は砥粒層2の側
面部を、底面用電極8は砥粒層2の底面部を電解するの
で、各面の電流値はそれぞれの電極と接続している電流
調整装置9により設定できる。そこで、電流調整装置9
を調整して、砥粒層2の各面の電流値を切込み速度比に
応じて設定する。
【0017】本発明では、砥粒層2の側面部及び底面部
と側面用電極6、7及び底面用電極8との隙間t1、t
2を好ましくは0.1〜0.3mmに設定する。そし
て、弱電性クーラントをクーラントノズル11より隙間
t1、t2に供給しつつ、電源10を作動し、砥粒層2
と各電極との間に電解作用を発生させて電解インプロセ
スドレッシングを行う。
【0018】以下、添付図面を参照して本発明に係る電
解インプロセスドレッシング方法及び装置のいくつかの
実施例を説明する。なお、図面の説明において同一の要
素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
【実施例1】まず、本発明の実施例1を説明する。図2
は実施例1の電解インプロセスドレッシング装置を示す
立面図である。図示の通りこの装置は、カップ型導電性
砥石1を砥石軸方向に一定の速度で切込みを与えなが
ら、または、ロータリーテーブル4をテーブル軸方向に
一定の速度で切込みを与えながら、前記テーブル4を回
転させてワーク3の研削加工を行うようになっている。
そして、砥粒層2の両側面及び底面に対向して側面用電
極6、7ならびに底面用電極8が配置されている。そし
て、各電極の間は電極絶縁体12により絶縁されてい
る。ここで、側面用電極6及び7ならびに底面用電極8
はそれぞれ側面用電流計13、14、底面用電流計15
及び側面用可変抵抗16、17、底面用可変抵抗18を
介して電源10に接続されている。一方、電源10の陽
極は給電ブラシ5を介してカップ型導電性砥石1に接続
されている。なお、電源10はパルス電流を発生するも
のである。そして、側面用電極6、7と砥石1の砥粒層
2の両側面との間には隙間t1を、底面用電極8と砥粒
層2の底面との間には隙間t2を設け、これらの隙間に
クーラントノズル11から弱電性クーラントを供給す
る。なお、本実施例において砥粒層2の断面は、縦と横
の比率が同じであり、側面用電極6、7及び底面用電極
8の大きさは等しくなっている。
【0020】次に、本実施例の作用を説明する。砥粒層
2の側面部及び底面部と側面用電極6、7、底面用電極
8との隙間t1、t2を好ましくは0.1〜0.3mm
に設定する。次に、弱電性クーラントをクーラントノズ
ル11より隙間t1、t2に供給しつつ、カップ型導電
性砥石1を回転する。電源10を作動し、砥粒層2と各
電極6、7、8との間に電解作用を発生されて電解イン
プロセスドレッシングを行う。このとき側面部と底面部
との電流値の和が0.3〜1.5Aとなるように電源1
0を調整する。側面用電極6、7は砥粒層2の側面部
を、底面用電極8は砥粒層2の底面部を電解するので、
各面の電流値はそれぞれの電極に接続された可変抵抗1
6、17、18により設定できる。そして、砥粒層2の
側面部、底面部の電流値A1、A2は切込み速度比から
求める。
【0021】図3に、ワークに対する砥石の切込み速度
比と各電極に印加する電流値との関係を示す。図におい
て、VX /VY はワークに対する砥石の切込み速度比、
β1は全ての電極に印加される電流値に対する側面用電
極6、7に印加される電流値の割合、β2 は全ての電極
に印加される電流値に対する底面用電極8に印加される
電流値の割合を示している。本実施例においては、砥石
1の砥粒層2の内周面を電解ドレスする側面用電極6と
砥粒層2の外周面をドレスする側面用電極7とは同じ電
流値を印加するので、以降、β1 と称するときは砥粒層
の内周面を電解ドレスする電極6に印加される電流の割
合か、砥粒層の外周面をドレスする電極7に印加される
電流の割合を指すこととする。
【0022】図3に示すように、切込み速度比が大きい
ときほど(Y方向の切込み速度に比べてX方向の切込み
速度の方が大きいほど)、底面用電極8に印加する電流
値より側面用電極6、7に印加する電流値を大きくし、
切込み速度比が小さいときほど(Y方向の切込み速度に
比べてX方向の切込み速度の方が小さいほど)、底面用
電極8に印加する電流値より側面用電極6、7に印加す
る電流値を小さくしている。また、切込み速度比が1の
とき(Y方向の切込み速度とX方向の切込み速度が等し
い場合)、電流値の割合β1 及びβ2 はそれぞれ0.5
としている。ここで、例えばY方向への切込みがなく、
X方向への切込みのみの場合でも、砥石の下面による加
工は多少あるため、Y方向への切込みがないときに、底
面用電極8にかける電流値を0にすると、砥石下面の砥
粒層は目つぶれを起こしてしまう。逆にX方向への切込
みがなく、Y方向への切込みのみの場合でも、砥石の側
面による加工は多少あるため、X方向への切込みがない
ときに、側面用電極6、7にかける電流値を0にする
と、砥石側面の砥粒層は目つぶれを起こしてしまう。よ
って図3に示すように、切込み比が0もしくは∞に近づ
いても、側面用電極6、7及び底面用電極8に印加する
電流値の割合のどちらか一方を0とはしない。
【0023】以上のように、図3の切込み速度比(VX
/VY )から砥粒層2の側面部及び底面部に流す電流値
の比率(β1 、β2 )を求めれば、砥粒層2の側面部及
び底面部の実際の電流値は次のように求められる。(な
お、β1 +β2 =1である。) 側面部の電流値:A1=A0×β1 底面部の電流値:A2=A0×β2 そして、求めた電流値となるように、側面用電流計1
3、14、底面用電流計15を見ながら、各可変抵抗1
6、17、18を調整する。
【0024】以上のように本実施例によれば、砥粒層の
側面部と底面部とに切込み速度比に見合った、即ち、ワ
ーク除去量に見合った電流値を独立に設定することが可
能となって、過剰な電解による砥石の減耗を抑えること
ができる。
【0025】なお、クーラント供給方法としては、砥石
軸中心を中空にして、その孔を通して供給するようにし
たり、クーラントノズルを電極端面部から供給するよう
にしてもよい。また、図3に示した電流値の切込み速度
と各電極に印加される電流値の割合との関係は、ロータ
リーテーブル上のワークの位置と、ワークの径と、砥石
の径と、ロータリーテーブルの中心と砥石の中心との距
離と、各電極の電極面の面積と、砥石の砥粒層の断面の
縦と横の比率とによって変化するため、この関係は、図
3のような関係のみとは限らない。
【0026】
【実施例2】次に、本発明の実施例2を説明する。図4
は実施例2の電解インプロセスドレッシング装置を示す
立面図である。図示の通りこの実施例では、側面用電極
6、7及び底面用電極8が絶縁体からなる電極保持部材
19に固定されている。電極保持部材19の内部aは空
洞になっており、クーラントポンプ(図示せず)からの
ホース21を介してクーラントが供給される。そして、
クーラントは前記各電極6、7、8に設けられた複数の
孔20から噴出する。
【0027】一般に、カップ型導電性砥石1が高速回転
すると、隙間t1、t2へのクーラント供給が困難にな
る。しかし、本実施例では弱電性クーラントが電極保持
部材19の内部を通って、各電極6、7、8に設けられ
た複数の孔20から隙間t1、t2に供給されるので、
砥石が高速回転してもクーラントを確実に供給すること
ができるものである。
【0028】
【実施例3】次に、本発明の実施例3を説明する。図5
は実施例3の電解インプロセスドレッシング装置を示す
立面図である。図示の通りこの実施例では、砥粒層2の
両側面と底面との頂角に近接または接触するように絶縁
ブラシ22を設けた。絶縁ブラシ22は電極保持部材1
9により側面用電極6、7と底面用電極8との間に保持
される。
【0029】切込み速度比が大きい場合には、砥粒層2
の側面部と底面部との電流値の比は大きくなる。このた
め、側面用電極6、7と底面用電極8との間の電位差が
大きくなって、両電極間に電流が流れる。本実施例では
絶縁ブラシ22によりクーラントを遮断するので電極間
の電流が流れなくなる。これにより、電流値の差が大き
い場合でも切込み速度に見合った電流値を適切に流すこ
とが可能となる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
ップ型導電性砥石を用いたインフィード方式の平面研削
加工装置に使用される砥石の寿命を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解インプロセスドレッシング装置を
示す概念図である。
【図2】実施例1の電解インプロセスドレッシング装置
を示す立面図である。
【図3】実施例1の電流値の設定について説明する図で
ある。
【図4】実施例2の電解インプロセスドレッシング装置
を示す立面図である。
【図5】実施例3の電解インプロセスドレッシング装置
を示す立面図である。
【図6】従来の平面研削盤を示す立面図である。
【図7】インフィード研削方式を説明するための図であ
る。
【図8】図7のA方向からみた図である。
【図9】図8のC部を拡大して加工途中のワーク3の断
面を示す図である。
【図10】図8のC部を拡大して加工途中のワーク3の
断面を示す図である。
【図11】図8のC部を拡大して加工途中のワーク3の
断面を示す図である。
【符号の説明】
1 砥石 2 砥粒層 3 ワーク 4 ロータリーテーブル 5 給電ブラシ 6,7 側面用電極 8 底面用電極 9 電流調整装置 10 電源 11 クーラントノズル 12 電極絶縁体 13,14,15 電流計 16,17,18 可変抵抗 19 電極保持部材 20 孔 21 ホース 22 絶縁ブラシ 23 電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性砥石の砥粒層の側面に電流を印加
    する電極と、導電性砥石の底面に電流を印加する電極
    と、前記各電極に印加する電流値を変化させる手段とを
    有する電解インプロセスドレッシング装置にカップ状の
    導電性砥石を装着してワークを加工する電解インプロセ
    スドレッシング方法において、砥石の砥粒層の側面によ
    って切込む切込み速度と砥石の砥粒層の底面によって切
    込む切込み速度とを比較し、切込み速度の大きい側の砥
    粒層を電解する電極に印加する電流値を大きくし、他の
    電極に印加する電流値を小さくすることを特徴とする電
    解インプロセスドレッシング方法。
  2. 【請求項2】 カップ状の導電性砥石と、導電性砥石の
    砥粒層の側面を電解ドレスする電極と、導電性砥石の砥
    粒層の底面を電解ドレスする電極と、前記各電極に電流
    を印加するために各電極に接続されている電源と、前記
    各電極に印加する電流値を変化させるために前記電源と
    前記各電極との間に接続された可変抵抗とを有すること
    を特徴とする電解インプロセスドレッシング装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電解インプロセスドレッ
    シング装置において、前記電極に前記弱電性クーラント
    を供給するための孔を複数設けたことを特徴とする電解
    インプロセスドレッシング装置。
  4. 【請求項4】 電源と、前記電源の陽極に接続したカッ
    プ状の導電性砥石と、前記電源の陰極に接続した電極
    と、前記砥石と前記電極との間に弱電性クーラントを供
    給するノズルとで構成した電解インプロセスドレッシン
    グ装置において、前記砥石の砥粒層の各面に対向し、か
    つ、側面部と底面部とでそれぞれ絶縁し、かつ、複数の
    孔を有する電極と、各電極間に保持されるブラシと、前
    記電極と電源に接続した可変抵抗とを有することを特徴
    とする電解インプロセスドレッシング装置。
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