JP2000334649A - 研削方法及び研削装置 - Google Patents

研削方法及び研削装置

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JP2000334649A
JP2000334649A JP11147160A JP14716099A JP2000334649A JP 2000334649 A JP2000334649 A JP 2000334649A JP 11147160 A JP11147160 A JP 11147160A JP 14716099 A JP14716099 A JP 14716099A JP 2000334649 A JP2000334649 A JP 2000334649A
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JP
Japan
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optical glass
glass material
cup
grinding tool
tool
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JP11147160A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Kishida
尚之 岸田
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の工具で光学ガラス素材の研削加工及び
研磨加工を行う。 【解決手段】 光学ガラス素材1をカップ型研削工具3
によって所望の形状に創成する。光学ガラス素材1をチ
ャック5によって保持する工程と、光学ガラス素材1お
よびカップ状研削工具3の少なくとも一方を相対的に前
進させて、カップ状研削工具3を光学ガラス素材1に切
り込む工程と、カップ状研削工具3に電荷を付加させる
と共に、帯電した微粒子を含む液状の研磨材12を供給
して、帯電した微粒子をカップ状研削工具3に電気的に
付着させる工程と、光学ガラス素材1をチャック5の保
持から解放する工程と、光学ガラス素材1の切り込まれ
た面をカップ状研削工具3に電気的に付着した微粒子に
よって研磨する工程と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、セラミッ
クス等の光学素子として用いられる高脆材料を球面およ
び平面形状に研削する切削方法および切削装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8は特開平7−164297号公報に
記載された従来の研削装置を示す。この研削装置は、カ
ップ状研削工具81と、カップ状研削工具81の内部に
挿入された総型研削工具82とを備えている。加工され
る光学ガラス素材83は、カンザシ84下端部の球体部
に取り付けられた保持皿85に貼り付けられている。ま
た、この状態で光学ガラス素材83は、ワーク軸部86
からのチャック87に保持される。
【0003】この装置による研削加工は、図8(a)で
示すように、カップ状研削工具81を光学ガラス素材8
3の加工面に接触させ、ノズル88からクーラント89
を供給しながら、カップ状研削工具81及び光学ガラス
素材83を回転させる。これにより、粗研削加工を行
う。次に、図8(b)で示すように、カップ状研削工具
81から総型研削工具82を押し出して光学ガラス素材
83の加工面に接触させると共に、チャック87による
光学ガラス素材83の保持を解除する。これにより、光
学ガラス素材83はカンザシ84だけに保持されて揺動
自在となり、この状態で、クーラント89を供給しなが
ら総型研削工具82及び光学ガラス素材83を回転させ
て仕上げ研削加工を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
研削加工では、光学ガラス素材83を加工するために、
少なくとも2種類以上の複数の工具が必要となってい
る。すなわち、光学ガラス素材83に対し相対的に移動
しながら研削することにより、光学ガラス素材83に球
面や平面の形状を創成するカップ型研削工具81と、こ
のカップ型研削工具81と同心的に配設され、カップ状
研削工具81による加工の後に揺動運動による仕上げ研
削加工を行う総型研削工具82との少なくとも2種類の
工具を必要としている。
【0005】また、このような研削加工に加えて、光学
ガラス素材を鏡面化する研磨工程を従来の装置で行う場
合には、別の総型研磨工具を第3の工具として、同心的
に配設する必要が生じる。このため、3種類以上の工具
を用いる必要がある。
【0006】さらに、複数の工具を同心的に配設して加
工々程に応じて工具の使い分けを行う必要があるため、
工具を取り付ける工具軸に、それぞれの工具を送り出す
ための送り出し機構を設ける必要がある。このため、構
造が複雑となる問題を有している。
【0007】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、単一のカップ状研削工具だけ
で、粗研削加工、仕上げ研削加工さらには、創成した面
を鏡面加工することが可能な研削方法及び研削装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の研削方法は、光学ガラス素材をカップ型
研削工具によって所望の形状に創成する研削方法におい
て、上記光学ガラス素材をチャックによって保持する工
程と、上記光学ガラス素材および上記カップ状研削工具
の少なくとも一方を相対的に前進させて、カップ状研削
工具を光学ガラス素材に切り込む工程と、上記カップ状
研削工具に電荷を付加させると共に、帯電した微粒子を
含む液状の研磨材を供給して、帯電した微粒子をカップ
状研削工具に電気的に付着させる工程と、上記光学ガラ
ス素材をチャックの保持から解放する工程と、光学ガラ
ス素材の切り込まれた面をカップ状研削工具に電気的に
付着した上記微粒子によって研磨する工程と、を有する
ことを特徴とする。
【0009】この発明では、光学ガラス素材をチャック
によって保持した状態で、光学ガラス素材及びカップ状
研削工具を相対的に前進させて切り込むことにより球面
等の所望の形状に創成する。この創成が終了した時点
で、カップ状研削工具に電荷を付与して帯電した微粒子
をカップ状研削工具に電気的に付着させ、且つ光学ガラ
ス素材をチャックの保持から解放する。チャックからの
解放によって、光学ガラス素材は回動及び傾斜自在とな
る。そして、カップ状研削工具に付着している微粒子に
よって、光学ガラス素材の切り込み面を研磨する。
【0010】このような発明では、単一のカップ状研削
工具だけを用いて、粗研削加工、仕上げの研磨加工を行
うことができ、さらには鏡面加工を行うことができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の発明で
あって、上記光学ガラス素材の切り込まれた面を研磨す
る際に、切り込まれた面に向かって光学ガラス素材を加
圧することを特徴とする。
【0012】この発明では、光学ガラス素材を加圧して
研磨を行うため、研磨材中の微粒子に加重が付加され
て、効率的で高精度の研磨加工を行うことができる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
発明であって、上記光学ガラス素材の切り込まれた面を
研磨する際に、切り込まれた面に沿って上記カップ状研
削工具を揺動運動させることを特徴とする。
【0014】この発明では、研磨の際に、カップ状研削
工具を揺動させることにより、カップ状研削工具と光学
ガラス素材との間のなじみが良くなるため、高精度の加
工を行うことができる。
【0015】請求項4の発明の研削装置は、光学ガラス
素材を対向配置されたカップ型研削工具によって所望の
形状に創成する研削装置において、上記光学ガラス素材
を保持するホルダと、このホルダが把持可能なチャック
と、上記ホルダを支持するカンザシと、上記ホルダに一
方の端子が接続され、上記研削工具に他方の端子が接続
された電源手段と、帯電した微粒子を有した研磨材を供
給する研磨材供給手段と、を具備することを特徴とす
る。
【0016】この発明では、光学ガラス素材を保持した
ホルダをチャックが把持し、この状態でカップ状研削工
具による光学ガラス素材の切り込みが行われる。また、
チャックが把持を解放した状態で、且つ、微粒子がカッ
プ状研削工具に付着した状態では光学ガラス素材の研磨
が行われる。従って、単一のカップ状研削工具によっ
て、粗研削加工、研磨加工を行うことができるため、複
数の工具を加工々程に応じて工具の使い分けを行う必要
がなくなると共に、複数の工具の送り出し機構が不要と
なり、構造を簡単にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施の形
態により具体的に説明する。なお、各実施の形態におい
て、同一の要素は同一の符号を付して対応させてある。
【0018】(実施の形態1)図1〜図3は本発明の実
施の形態1の研削装置を示し、加工される光学ガラス素
材1と、加工を行うカップ状研削工具3とが対向して配
置されており、光学ガラス素材1はホルダ2に保持され
ている。ホルダ2は下面に球面部15を有しており、こ
の球面部15が光学ガラス素材1の球面形状の加工面9
よりも僅かに後退した位置となるように光学ガラス素材
1を保持する。
【0019】ホルダ2はカンザシ6及びチャック5を介
してワーク軸8に取り付けられている。カンザシ6はそ
の下端部の球面部6aがホルダ2の上面中央部分に形成
された凹部10に挿入されることにより、ホルダ2を支
持している。一方、チャック5はワーク軸8から垂下し
て、ホルダ2の外周面を把持している。このチャック5
はホルダ2の把持及びその解放を行うように作動するも
のである。
【0020】カップ状研削工具3は光学ガラス素材1と
の間でスイベル角4を維持するように配置される。スイ
ベル角4はカップ状研削工具3と光学ガラス素材1との
形状によって決定されるものである。カップ状研削工具
3は電源装置7からのブラシ19が接続されており、電
源装置7からの電荷によってプラスに帯電される。電源
装置7のマイナス電荷はカンザシ6を介してホルダ2に
印加されるようになっている。
【0021】さらに、加工面9に研磨材12を供給する
研磨材供給手段としてのノズル11が設けられている。
研磨材12はマイナスに帯電した微粒子を含んだ液状と
なっており、光学ガラス素材1への切り込み加工後の研
磨加工の際にノズル11から供給される。
【0022】次に、この実施の形態による研削手順を説
明する。まず、図1に示すように、光学ガラス素材1を
保持したホルダ2をカンザシ6によって支持すると共
に、チャック5によって把持する。そして、CG(カー
ブジェネレータ)機の原理に基づき、光学ガラス素材1
とカップ型研削工具3とを、両者の形状より求まるスイ
ベル角4の位置に配置し、一方若しくは両方を相対的に
前進させて、光学ガラス素材1の加工面9に所望の球面
形状を創成する。
【0023】この球面形状の創成が終わった時点で、図
2に示すように、ホルダ2を介して光学ガラス素材1を
把持していたチャック5を解放する。この解放によっ
て、ホルダ2の凹部10に挿入されているカンザシ6を
介し、光学ガラス素材1が回動及び傾斜自在に保持され
る。そして、カップ型研削工具2にプラス、光学ガラス
素材1を貼り付けて保持しているホルダ2にマイナスの
電荷を電源装置7から通電する。この電荷の付加により
プラスに帯電したカップ型研削工具2には、ノズル11
より供給される研磨材12中のマイナスに帯電した微粒
子が、電気泳動現象によって付着する。
【0024】そして、電源装置7により電荷の印加を継
続することにより、マイナスに帯電した微粒子は、プラ
スに帯電しているカップ型研削工具2に付着し続ける。
従って、図3に示すように、光学ガラス素材1とカップ
型研削工具2の間に、研磨材12中の微粒子12aが常
に介在し、光学ガラス素材1の加工面9に研磨作用を発
生し続ける。光学ガラス素材1はカンザシ6によって回
動及び傾斜自在に保持されているため、光学ガラス素材
1の加工面9とカップ型研削工具3との間では、付着成
長した微粒子12aが介在して、両者の形状を共摺りす
る(ラッピング)加工が行われるため、加工面9をより
高精度な球面形状とすることができると共に、鏡面化す
ることできる。
【0025】従って、この実施の形態では、単一のカッ
プ状研削工具3によって、光学ガラス素材1の加工面9
に対する球面創成加工及びその後の研磨加工を行うこと
ができる。このため、加工を容易に行うことができると
共に、複数の工程に対応した複数の工具が不要となるた
め、簡単な構造とすることができる。
【0026】なお、この実施の形態では、光学ガラス素
材1がカンザシ6によって回動及び傾斜自在に保持され
てラッピング加工が行われている際に、ワーク軸8によ
り光学ガラス素材1に荷重を付加することができる。こ
れにより、加工面9とカップ型研削工具2の間に介在し
て成長する微粒子に荷重(圧力)が付加されるため、よ
り高い研磨加工速度を確保することができる。
【0027】また、光学ガラス素材1がカンザシ6によ
って回動及び傾斜自在に保持され、ラッピング加工が行
われている際に、カップ型研削工具3を加工面9に沿っ
て揺動運動を行わせることも可能である。これにより、
カップ型研削工具3と加工面9の共摺りによる球面形状
へのなじみが良くなるため、より高い球面精度とするこ
とができる。
【0028】特に、カップ型研削工具3と光学ガラス素
材1とを、一定の位置で摺り合わせていると、光学ガラ
ス素材1の中心部13から縁部14までの摺り合わせに
よる研磨量の差が発生し易いが、揺動運動を行うことに
より、これを防止することができるため、良好な球面精
度を得ることができる。
【0029】(実施の形態2)図4及び図5は本発明の
実施の形態2であり、図4は球面形状への創成加工状態
を、図5はこの球面形状への創成加工が完了した後、そ
のままの状態で電気泳動現象を利用して球面形状を鏡面
化する状態をそれぞれ示す。この実施の形態は、既存の
CG(カーブジェネレータ)機の構造に加えて、CG機
による球面形状創成の後に、表面粗さを仕上げるラッピ
ング加工も行えるように光学ガラス素材1を保持するも
のであり、特に球面形状創成後に微粒子の電気泳動現象
を利用したラッピング加工を行うものである。
【0030】既存のCG機の原理に基づき、光学ガラス
素材1の加工面9に創成する球面形状に応じて、研削加
工を行うためのカップ型研削工具3がスイベル角4の状
態で傾斜している。光学ガラス素材1は創成する球面形
状よりも、わずかに後退した位置に同心の球面部15を
有するホルダ2に対し、熱可塑性の接着剤であるワック
スやピッチを介して貼り付けて保持されている。
【0031】ホルダ2における光学ガラス素材1の保持
側と反対側には、凹部10が形成されている。この凹部
10には研削装置のワーク軸8に取り付けられたカンザ
シ6の先端の球面部6aが挿入されている。また、ホル
ダ2はその外周部がチャック本体17に取り付けられて
いるチャック5に把持される。この場合、チャック本体
17は図示を省略した研削装置のワーク軸8にねじ30
によって固定されている。また、チャック5はスリ割り
が設けられていると共に、その上端部分に支点部20を
備えている。このチャック5は支点部20が撓むことに
より、開閉作動するものであり、公知のコレット・チャ
ックのコレット部と同様の構造となっている。
【0032】チャック5の外周には、その開閉を行うた
めのスリーブ14が覆っており、このスリーブ14に対
して、チャック5は上下方向に移動可能に挿入されてい
る。スリーブ14の内面には、テーパ面24が形成さ
れ、このテーパ面24がチャック5の外周と接触してい
る。また、スリーブ14には、ピン16が横方向に圧入
されている。このピン16は、チャック本体17および
研削装置のワーク軸8を貫通してワーク軸8の内部に装
着されているシリンダ18の先端部に取り付けられてい
る。シリンダ18は空気圧で伸縮する空圧シリンダであ
り、圧縮空気を送るコンプレッサー21に接続されてい
る。
【0033】またホルダ2の球面部15と、カップ型研
削工具3及び光学ガラス素材1の加工面9には、ノズル
11を介してマイナスに帯電した微粒子を有する研磨材
12が供給される。さらに、カップ型研削工具3及びホ
ルダ2は、導線25及びスイッチ26を介して電源装置
7に接続されている。この場合、カップ型研削工具3は
プラスに、ホルダ2はマイナスになるように電源装置7
に接続される。
【0034】以上の実施の形態において、まず光学ガラ
ス素材1は既存のCG機の原理に基づいてカップ型研削
工具3により、その加工面9に球面形状が創成される。
すなわち、ワーク軸8に装着されたシリンダ18に、そ
の縮み方向にコンプッサー21から圧縮空気が送られる
と、シリンダ18が図4の矢印で示すようにピン16を
上昇させる。ピン16が上昇すると、ピン16が圧入さ
れたスリーブ14が、チャック本体17に沿って持ち上
げられ、その内部にあるテーパ面24の接触によって、
チャック5の支点部20が内側に撓みを生じる。これに
よりチャック5が光学ガラス素材1を保持しているホル
ダ2を挟持する。このときホルダ2は、光学ガラス素材
1の厚さ方向への移動を規制するために、カンザシ6の
球面部6aが凹部10内に挿入されて当接した状態とし
ておく。従って、加工面9を創成加工中は、ホルダ2は
凹部10がカンザシ6と当接した状態で、チャック5に
より挟持されている。
【0035】この状態でワーク軸8もしくはカップ型研
削工具3あるいはその両者を、相互に接近する方向に移
動させて切り込みを行う、すなわち既存のCG機の原理
に応じた切り込みを行うと、球面形状を創成することが
できる。この実施の形態のように、既存のインフィード
切り込み方式であるCG機によって、球面形状を創成す
る間は、電源装置7に接続されているスイッチ26はO
FF状態であり、電流は流れていない。
【0036】次に、加工面9の創成加工が完了した時点
でスパークアウト、すなわち既存のCG加工と同様に切
り込みが完了した状態及び位置を保持する状態に移行す
るが、その際には、スイッチ26を通電させて、カップ
状研削工具3をプラスに、ホルダ2をマイナスに印加す
る。カップ状研削工具3をプラスに印加すると、マイナ
スに帯電した微粒子を有する研磨材12がノズル11よ
り供給されているため、微粒子がプラスに帯電している
カップ状研削工具3に電気泳動現象を伴って吸着する。
マイナスに帯電した微粒子を有する研磨材12として
は、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダ
ルセリウムなどの内の一種又は複数を用いることができ
る。
【0037】電気泳動現象により微粒子が研削工具3へ
吸着し、かつスパークアウトが完了した時点で、図5に
示すようにシリンダ18によりピン16を下降させる。
これにより、スリーブ14がチャック本体17に沿って
下降し、支点部20が内側に撓んでいたチャック5が解
放され、光学ガラス素材1を保持しているホルダ2が開
放される。チャック5が解放されると、ホルダ2は凹部
10を介してカンザシ6の周りに回動自在に支持される
だけとなる。従って、カップ状研削工具3の回転に従属
するように光学ガラス素材1およびホルダ2が、カンザ
シ6の周りに回転し、これによりラッピング加工が行わ
れる。このときカップ状研削工具3は、上述のように研
磨材12中の微粒子が電気的に吸着した状態になってお
り、この微粒子を吸着させたカップ状研削工具3と光学
ガラス素材1とが共擦りによるラッピング加工を行う。
すなわちカップ状研削工具3は、研磨材12である微粒
子が吸着した工具となっているため、光学ガラス素材1
はこの状態のカップ状研削工具13によって研磨作用を
受けることができる。このため、表面粗さを向上させる
鏡面化が行われる。
【0038】この実施の形態では、微粒子の電気泳動現
象を利用することにより研削工具3を研磨工具としても
作用させるために、研削工具3は導電性が必要となって
いる。このためには、既存のレンズ加工で用いられるブ
ロンズボンド材を用いたメタルボンド砥石や、ニッケル
ボンド砥石或いはやアルミボンド砥石を用いることがで
きる。同様にホルダ2は陰極として作用するために、研
削工具3と同様に導電性が必要であるが、その作動上、
金属であれば良い。この場合、導電性の高い銅を含有す
るリン青銅が好ましい。なお、この実施の形態では、凹
レンズへの加工を説明しているが、既存のCG機と同様
に、凸レンズあるいは平面形状でも同様に適用すること
ができる。
【0039】このような実施の形態では、1つの研削工
具により、形状の創成と研磨作用による鏡面化とを行う
ことができ、構造が簡単となる。
【0040】(実施の形態3)図6及び図7は本発明の
実施の形態3を示す。この実施の形態の特徴は、カップ
状研削工具3による形状創成の後の研磨加工において、
加工圧力を付加させるものであり、これにより、より効
率的な研磨作用を得るようになっている。特に、この実
施の形態では、チャック5を開閉するシリンダ18の動
作を、ラッピング加工時の研磨荷重として利用するもの
である。
【0041】この実施の形態において、ワーク軸8の先
端部には、含油メタルからなる軸受け31が埋め込まれ
ており、この軸受け31を介してカンザシ6が挿入され
ている。カンザシ6はシリンダ18に直結されることに
より、シリンダ18の可動軸を兼ねており、コンプレッ
サー21より供給される圧縮空気により、上下方向に移
動するようになっている。
【0042】このようにカンザシ6がシリンダ18の可
動軸を兼ねているため、シリンダ8へ送り込まれる圧縮
空気によってカンザシ6が伸縮することから、図6の球
面形状創成状態でカンザシ6がホルダ2の凹部10に届
いていない非接触の状態でも問題はなくなる。すなわ
ち、この実施の形態では、球面形状創成の加工を行う際
の光学ガラス素材1の保持位置を決定するのは、チャッ
ク5へのホルダ2の当てつきであり、カンザシ6への当
て付きは関係なく、ホルダ2とカンザシ6とが非接触で
も問題はないものである。なお、実施の形態2のように
カンザシ6と凹部10が接触する状態でも何ら問題はな
いことは明らかである。
【0043】この実施の形態では、図6に示すようにカ
ップ状研削工具3による球面形状創成の加工の際は、チ
ャック5によりホルダ2および光学ガラス素材1が把持
されている。一方、球面形状創成後はコンプレッサー2
1から送られる圧縮空気によってシリンダ8の可動軸で
あるカンザシ6が、光学ガラス素材1の方向にせり出
し、ホルダ2の凹部10に係合する(図7参照)。同時
にカンザシ6に圧入されているピン16も同方向にせり
出すため、実施の形態2と同様にスリーブ14が下降
し、チャック5の撓みが開放されて、ホルダ2および光
学ガラス素材1が解放される。
【0044】このような作動では、シリンダ18の可動
軸を兼ねるカンザシ6が、球面創成の加工後、チャック
5の解放に伴ってせり出すことにより、ホルダ2の凹部
10と係合し、この係合によって創成加工後のラッピン
グ加工に際し、シリンダ8からの圧力を光学ガラス素材
1に付加することができる。球面形状創成を行っている
ときは、チャック5により光学ガラス素材1が動かない
ように挟持しているが、その後における微粒子の電気泳
動現象を利用したラッピング加工の際は、カンザシ6に
よって回動自在に研削工具3に押し付けるため、研磨加
工で鏡面化を行うことができる。特に、ラッピングの際
にシリンダ8から圧力を付加させることができるため、
より効率的な鏡面化が行える。
【0045】従って、この実施の形態では、微粒子の電
気泳動現象を利用したラッピングによる研磨加工の際
に、研磨圧力を付加させることができるため、より効率
的な鏡面化を行うことができる。
【0046】以上の説明から、本発明は以下の発明を包
含するものである。
【0047】(1)光学ガラス素材に対して砥石を切り
込むことにより所望の形状を創成する研削方法におい
て、チャックにより光学ガラス素材を保持する工程と、
カップ型研削工具および光学ガラス素材の一方若しくは
両方を相対的に前進させ、カップ状研削工具によって光
学ガラス素材に切り込みを行う工程と、カップ状研削工
具にプラスの電荷を付加させ、帯電した微粒子を含む液
状の研磨材を供給するとともに上記微粒子をカップ状研
削工具に対して電気的に付着させる工程と、前記チャッ
クを解放する工程と、カップ状研削工具に電気的に付着
した微粒子により光学ガラス素材の切り込まれた面を研
磨する工程と、を有していることを特徴とする研削方
法。
【0048】この発明では、カップ状研削工具によって
光学ガラス素材を切り込むと共に、カップ状研削工具に
付着している微粒子によって切り込み面を研磨するた
め、単一にカップ状研削工具によって研削及び研磨を行
うことができる。
【0049】(2)上記(1)項において、光学ガラス
素材の切り込まれた面を研磨する際に、光学ガラス素材
に圧力を付加することを特徴とする研削方法。
【0050】この発明では、圧力を付加して研磨するた
め、迅速に研磨することができる。
【0051】(3)上記(1)項において、光学ガラス
素材の切り込まれた面を研磨する際に、カップ型研削工
具を光学ガラス素材に創成された球面形状に沿って揺動
運動させることを特徴とする研削方法。
【0052】この発明では、カップ状研削工具と光学ガ
ラス素材の加工面とのなじみが良くなるため、高精度に
研磨加工することができる。
【0053】(4)光学ガラス素材に対して砥石を切り
込むことによって所望の形状を創成する研削装置におい
て、被研削物である光学ガラス素材を保持するホルダを
把持し、その内部でホルダと嵌合するカンザシを有する
チャック部と、光学ガラス素材に対向して配置されるカ
ップ型研削工具と、前記ホルダをマイナスに、前記カッ
プ型研削工具をプラスに接続された電源装置と、マイナ
スに帯電した超微粒子を有する研磨剤を供給する供給装
置を具備することを特徴とする研削装置。
【0054】この発明では、単一のカップ状研削工具に
よって、粗研削加工、研磨加工を行うことができるた
め、複数の工具を加工々程に応じて工具の使い分けを行
う必要がなり、構造を簡単にすることができる。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、光学ガラス素
材に対して所望の形状に創成した後、カップ状研削工具
に帯電した微粒子を付着させて、光学ガラス素材を研磨
するため、単一のカップ状研削工具だけを用いて、粗研
削加工、仕上げの研磨加工を行うことができる。
【0056】請求項2の発明によれば、研磨材中の微粒
子に加重が付加されるため、効率的で高精度の研磨加工
を行うことができる。
【0057】請求項3の発明によれば、カップ状研削工
具と光学ガラス素材との間のなじみが良くなるため、高
精度の加工を行うことができる。
【0058】請求項4の発明によれば、単一のカップ状
研削工具によって、粗研削加工、研磨加工を行うことが
できるため、複数の工具を加工々程に応じて工具の使い
分けを行う必要がなくなり、構造を簡単にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における研削加工を示す
断面図である。
【図2】実施の形態1における研磨加工を示す断面図で
ある。
【図3】研磨加工の状態を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2における研削加工を示す
断面図である。
【図5】実施の形態2における研磨加工を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の実施の形態3における研削加工を示す
断面図である。
【図7】実施の形態3における研磨加工を示す断面図で
ある。
【図8】(a)は従来の装置による研削加工を示す断面
図、(b)はその研磨加工を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光学ガラス素材 2 ホルダ 3 カップ状研削工具 5 チャック 12 研磨材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学ガラス素材をカップ型研削工具によ
    って所望の形状に創成する研削方法において、 上記光学ガラス素材をチャックによって保持する工程
    と、 上記光学ガラス素材および上記カップ状研削工具の少な
    くとも一方を相対的に前進させて、カップ状研削工具を
    光学ガラス素材に切り込む工程と、 上記カップ状研削工具に電荷を付加させると共に、帯電
    した微粒子を含む液状の研磨材を供給して、帯電した微
    粒子をカップ状研削工具に電気的に付着させる工程と、 上記光学ガラス素材をチャックの保持から解放する工程
    と、 光学ガラス素材の切り込まれた面をカップ状研削工具に
    電気的に付着した上記微粒子によって研磨する工程と、 を有することを特徴とする研削方法。
  2. 【請求項2】 上記光学ガラス素材の切り込まれた面を
    研磨する際に、切り込まれた面に向かって光学ガラス素
    材を加圧することを特徴とする請求項1記載の研削方
    法。
  3. 【請求項3】 上記光学ガラス素材の切り込まれた面を
    研磨する際に、切り込まれた面に沿って上記カップ状研
    削工具を揺動運動させることを特徴とする請求項1また
    は2記載の研削方法。
  4. 【請求項4】 光学ガラス素材を対向配置されたカップ
    型研削工具によって所望の形状に創成する研削装置にお
    いて、 上記光学ガラス素材を保持するホルダと、このホルダが
    把持可能なチャックと、上記ホルダを支持するカンザシ
    と、上記ホルダに一方の端子が接続され、上記カップ状
    研削工具に他方の端子が接続された電源手段と、帯電し
    た微粒子を有した研磨材を供給する研磨材供給手段と、
    を具備することを特徴とする研削装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008260091A (ja) * 2007-04-12 2008-10-30 Olympus Corp 研磨装置
CN105252379A (zh) * 2015-10-30 2016-01-20 福建福晶科技股份有限公司 一种玻璃球面透镜去除印迹的抛光返修方法

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