JP3262285B2 - 装飾材料工芸材料高耐蝕性材料用金類金属被覆材及びその製造方法 - Google Patents
装飾材料工芸材料高耐蝕性材料用金類金属被覆材及びその製造方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】開示技術は、銅，アルミ，チタン
等の基体金属に金、又は、金合金を金類金属としてクラ
ッド等して強固な被覆材とする技術分野に属する。
等の基体金属に金、又は、金合金を金類金属としてクラ
ッド等して強固な被覆材とする技術分野に属する。
【０００２】
【従来の技術】周知の如く、近時民生用は勿論のこと、
産業用にも各種の金属製品が複数の機能を有し、優れた
性能を発揮して広く用いられるようになってきている。
産業用にも各種の金属製品が複数の機能を有し、優れた
性能を発揮して広く用いられるようになってきている。
【０００３】而して、これらの金属製品にあっては、当
然のことながら、硬度や耐蝕性，耐摩耗性等が耐久性の
点で強く求められてはいるが、製品素材について現在ま
での技術レベルでは単一金属体でこれらの複数の機能を
満すものは現出されておらず、そのため、技術的に基体
金属に所定の性質を有する被覆金属をライニング状に結
合した所謂クラッド材等の被覆材が実用されている。
然のことながら、硬度や耐蝕性，耐摩耗性等が耐久性の
点で強く求められてはいるが、製品素材について現在ま
での技術レベルでは単一金属体でこれらの複数の機能を
満すものは現出されておらず、そのため、技術的に基体
金属に所定の性質を有する被覆金属をライニング状に結
合した所謂クラッド材等の被覆材が実用されている。
【０００４】ところで、銅やアルミ等の基体金属の表面
に金、又は、金合金（以下、金類金属と略称）を被覆し
た被覆材は、当然のことながら、当該金類金属の審美的
な点から装飾材料や工芸品材料にも広く用いられている
のみならず、金類金属の優れた耐蝕性の点から苛酷な環
境等の条件下でも用いられる高耐蝕性材料としても重用
されており、更に当該金類金属の高温度下での使用に際
しても酸化しない高温特性から耐熱材料としても用いら
れ、又、金類金属の優れた電気伝導性から電気材料とし
ても各種の用途に広く用いられてもいる。
に金、又は、金合金（以下、金類金属と略称）を被覆し
た被覆材は、当然のことながら、当該金類金属の審美的
な点から装飾材料や工芸品材料にも広く用いられている
のみならず、金類金属の優れた耐蝕性の点から苛酷な環
境等の条件下でも用いられる高耐蝕性材料としても重用
されており、更に当該金類金属の高温度下での使用に際
しても酸化しない高温特性から耐熱材料としても用いら
れ、又、金類金属の優れた電気伝導性から電気材料とし
ても各種の用途に広く用いられてもいる。
【０００５】かかる金類金属被覆材製造方法としてはメ
ッキ方法，蒸着方法，スパッタリング方法，クラッド方
法等のさまざまな方法がある。
ッキ方法，蒸着方法，スパッタリング方法，クラッド方
法等のさまざまな方法がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該金類
金属被覆材製造についての各種の方法はいづれも基体金
属と被覆金類金属との結合性や密着性が充分と言えない
点があることから、両者の境界部の物理的，機械的強度
が製造時、或いは、製品使用中に経時的に低下し、剥離
し易いという欠点を有しており、又、基体金属の材質に
よっては金類との馴染み性が悪く、被覆が不可能であ
り、組み合わせについての基体金属の材質に限定条件を
必要とする素材組み合わせ上の欠点があった。
金属被覆材製造についての各種の方法はいづれも基体金
属と被覆金類金属との結合性や密着性が充分と言えない
点があることから、両者の境界部の物理的，機械的強度
が製造時、或いは、製品使用中に経時的に低下し、剥離
し易いという欠点を有しており、又、基体金属の材質に
よっては金類との馴染み性が悪く、被覆が不可能であ
り、組み合わせについての基体金属の材質に限定条件を
必要とする素材組み合わせ上の欠点があった。
【０００７】又、被覆材としての使用上の条件によって
は部分的な被覆が必要であることからマスキングを行う
必要性があるが、当該製品の複雑形状部分や微細形状部
分にはマスキングが不可能な場合があり、したがって、
現実には被覆材の作製には自由度が少ないという難点も
あった。
は部分的な被覆が必要であることからマスキングを行う
必要性があるが、当該製品の複雑形状部分や微細形状部
分にはマスキングが不可能な場合があり、したがって、
現実には被覆材の作製には自由度が少ないという難点も
あった。
【０００８】
【発明の目的】この出願の発明の目的は上述従来技術に
基づく所定の基体金属に金類金属を被覆して被覆材を得
るに、前述現実の希望条件を満たすことが出来ない問題
点を解決すべき技術的課題とし、基体金属に対する馴染
み性が良く、緻密な結合性を現出し、所定の要求条件を
満し、しかも、複雑形状の加工等が行える放電加工技術
を用いるようにして金属製品製造産業における加工技術
利用分野に益する優れた宝飾材料，工芸材料，耐蝕性材
料用の金類金属被覆材、及び、その製造方法を提供せん
とするものである。
基づく所定の基体金属に金類金属を被覆して被覆材を得
るに、前述現実の希望条件を満たすことが出来ない問題
点を解決すべき技術的課題とし、基体金属に対する馴染
み性が良く、緻密な結合性を現出し、所定の要求条件を
満し、しかも、複雑形状の加工等が行える放電加工技術
を用いるようにして金属製品製造産業における加工技術
利用分野に益する優れた宝飾材料，工芸材料，耐蝕性材
料用の金類金属被覆材、及び、その製造方法を提供せん
とするものである。
【０００９】
【発明の背景】ところで、各種の機械部品等の製造にお
いては、当該製品の形状が複雑で成形加工が著しく煩瑣
となる不具合や加工する材料が材質的に極めて成形困難
な、例えば、金型等については当業者に周知の如く放電
加工技術が用いられている。
いては、当該製品の形状が複雑で成形加工が著しく煩瑣
となる不具合や加工する材料が材質的に極めて成形困難
な、例えば、金型等については当業者に周知の如く放電
加工技術が用いられている。
【００１０】該種放電加工のうち、ワイヤー放電加工技
術は所定の金属製の細径のワイヤーを電極として用い、
当該ワイヤー電極に所定の張力を印加した状態で被加工
物に対し相対的な移動を行いながら、被加工物とワイヤ
ー電極との間に水等の所定の加工液を介し放電を生じさ
せしめ、その際の放電エネルギーで被加工物を所定形状
に非機械的に成形加工するものである。
術は所定の金属製の細径のワイヤーを電極として用い、
当該ワイヤー電極に所定の張力を印加した状態で被加工
物に対し相対的な移動を行いながら、被加工物とワイヤ
ー電極との間に水等の所定の加工液を介し放電を生じさ
せしめ、その際の放電エネルギーで被加工物を所定形状
に非機械的に成形加工するものである。
【００１１】そして、放電加工を実施するための装置と
しての放電加工機には上述態様通りに細径のワイヤー電
極を張設状態で被加工物に相対移動させながら加工液を
介し放電を生じさせしめて成形加工するワイヤー放電加
工機が、例えば、特開昭５３−１８６８６４号公報発明
や特開昭５５−７３８６９号公報発明等があり、又、同
様の原理の形彫放電加工機があるが、いづれにしてもワ
イヤー電極には銅、又は、銅合金が使われるのが一般的
態様（但し、上記特開昭５５−７３８６９号公報にはＡ
ｕが採用されてあることも記載されてはある）である。
しての放電加工機には上述態様通りに細径のワイヤー電
極を張設状態で被加工物に相対移動させながら加工液を
介し放電を生じさせしめて成形加工するワイヤー放電加
工機が、例えば、特開昭５３−１８６８６４号公報発明
や特開昭５５−７３８６９号公報発明等があり、又、同
様の原理の形彫放電加工機があるが、いづれにしてもワ
イヤー電極には銅、又は、銅合金が使われるのが一般的
態様（但し、上記特開昭５５−７３８６９号公報にはＡ
ｕが採用されてあることも記載されてはある）である。
【００１２】而して、発明者はかねてよりかかる種々の
優れた点を有する放電加工、及び、その周辺技術につい
て実験や理論的分析等を試行錯誤的に様々な角度から研
究改良を行っていたものであるが、基体金属に対する他
の金類金属等の被覆について新技術を模索していたとこ
ろ、ワイヤー放電加工時の放電現象によりワイヤー電極
から放電転移を介し基体金属の界面に被覆現象が生じる
ことを慎重を期する反復実験、及び、そのデータ分析か
ら確認し、又、放電現象であることからワイヤー電極材
と該基体金属の界面に相互に亘る拡散を伴った強固な結
合が存在する事実を確認し、更に、放電現象によって得
られる被覆層の厚さはワイヤー放電加工条件を変化させ
ることによって所望に変え得ることも確認された。
優れた点を有する放電加工、及び、その周辺技術につい
て実験や理論的分析等を試行錯誤的に様々な角度から研
究改良を行っていたものであるが、基体金属に対する他
の金類金属等の被覆について新技術を模索していたとこ
ろ、ワイヤー放電加工時の放電現象によりワイヤー電極
から放電転移を介し基体金属の界面に被覆現象が生じる
ことを慎重を期する反復実験、及び、そのデータ分析か
ら確認し、又、放電現象であることからワイヤー電極材
と該基体金属の界面に相互に亘る拡散を伴った強固な結
合が存在する事実を確認し、更に、放電現象によって得
られる被覆層の厚さはワイヤー放電加工条件を変化させ
ることによって所望に変え得ることも確認された。
【００１３】そして、充分な注意を払った複数回の慎重
な実験により上述確認事実が金類金属を所定の基体金属
に被覆することにおいても充分に適用出来ることも確認
された。
な実験により上述確認事実が金類金属を所定の基体金属
に被覆することにおいても充分に適用出来ることも確認
された。
【００１４】即ち、ワイヤー放電加工において、ワイヤ
ー電極を金、又は、金合金の金類金属製に特定すること
が出来、金類金属の被覆層の厚さは放電加工条件を変え
ることによって所望に得られることが確認されたもので
ある。
ー電極を金、又は、金合金の金類金属製に特定すること
が出来、金類金属の被覆層の厚さは放電加工条件を変え
ることによって所望に得られることが確認されたもので
ある。
【００１５】而して、ワイヤー電極の電極の金類金属が
放電加工に際し、基体金属表面に放電拡散して拡散層を
形成し、該拡散層は通常一般に行われている熱拡散とは
形態を異にし、用いる電極材の材質からの拡散層と基体
金属との結合性が良く、又、耐蝕性も良く、そのため、
在来態様の拡散層（或いは、合金層）に見られるような
脆弱さや耐蝕性に劣るといったマイナスの特性は何ら示
さず、基体金属に対し極めて接着性に優れ、耐蝕性に富
む金類金属の拡散層を生み出すことが出来ることも知見
された。
放電加工に際し、基体金属表面に放電拡散して拡散層を
形成し、該拡散層は通常一般に行われている熱拡散とは
形態を異にし、用いる電極材の材質からの拡散層と基体
金属との結合性が良く、又、耐蝕性も良く、そのため、
在来態様の拡散層（或いは、合金層）に見られるような
脆弱さや耐蝕性に劣るといったマイナスの特性は何ら示
さず、基体金属に対し極めて接着性に優れ、耐蝕性に富
む金類金属の拡散層を生み出すことが出来ることも知見
された。
【００１６】そして、ワイヤー放電加工によって生ずる
基体金属表面の被覆層はワイヤー放電加工時の放電現象
により金類金属製のワイヤー電極からの放電転移を介し
て生じたミクロ的拡散を伴うものであり、成形された拡
散層は基体金属と金類金属製のワイヤー電極金属との混
合層であり精密で極めて耐蝕性の高い合金層であること
も知見された。
基体金属表面の被覆層はワイヤー放電加工時の放電現象
により金類金属製のワイヤー電極からの放電転移を介し
て生じたミクロ的拡散を伴うものであり、成形された拡
散層は基体金属と金類金属製のワイヤー電極金属との混
合層であり精密で極めて耐蝕性の高い合金層であること
も知見された。
【００１７】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、所定の基体金属に金類
金属を被覆し所望通りの成形加工を行うに際し、既に開
発され充分に実用に耐えるように研究されている放電加
工技術を用い、当該放電加工において用いるワイヤー電
極に金類金属の線材を用い、該線材に設定張力を印加
し、加工液を介し所定の電流，電圧，送り速度等の放電
加工条件のもとに放電加工を行い、該ワイヤー電極と基
体金属との間に放電現象を生じさせ、放電転移を介しミ
クロ拡散により界面に緻密で強固な金類金属の結合層を
形成させ、その際、放電加工条件を変えることにより、
当該金類金属の被覆層の厚さを設計通りに所望に変える
ことが出来るようにして高耐蝕性を有し、電気伝導性も
良く、耐熱性も良好な金類金属被覆材を基体金属との界
面の間に得ることが出来るようにした技術的手段を講じ
たものである。
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、所定の基体金属に金類
金属を被覆し所望通りの成形加工を行うに際し、既に開
発され充分に実用に耐えるように研究されている放電加
工技術を用い、当該放電加工において用いるワイヤー電
極に金類金属の線材を用い、該線材に設定張力を印加
し、加工液を介し所定の電流，電圧，送り速度等の放電
加工条件のもとに放電加工を行い、該ワイヤー電極と基
体金属との間に放電現象を生じさせ、放電転移を介しミ
クロ拡散により界面に緻密で強固な金類金属の結合層を
形成させ、その際、放電加工条件を変えることにより、
当該金類金属の被覆層の厚さを設計通りに所望に変える
ことが出来るようにして高耐蝕性を有し、電気伝導性も
良く、耐熱性も良好な金類金属被覆材を基体金属との界
面の間に得ることが出来るようにした技術的手段を講じ
たものである。
【００１８】
【実施例】次に、この出願の発明の実施例を図面を参照
して説明すれば以下の通りである。
して説明すれば以下の通りである。
【００１９】使用する放電加工機は通常一般のワイヤー
放電加工機で良く、又、金類金属製の電極ワイヤーは在
来技術の周知の溶解加工技術を用いて作製し、具体的に
はアーク溶解、又は、プラズマ溶解を用いて素材金属を
溶解後、鍛造熱処理，伸線加工により直径０．２ｍｍ，
長さ３０００ｍの所定形状，長さの線材を作製し、一
方、基体金属としてはこれまた周知の在来技術である溶
解加工技術を用いて作製された金属を幅５０ｍｍ，長さ
５０ｍｍ，厚さ１０ｍｍに加工された金属ピースにして
用い、この際、基体金属の形状，材質は任意に選定可能
であって、金類金属の被覆層の特性には変化がないもの
とされるものである。
放電加工機で良く、又、金類金属製の電極ワイヤーは在
来技術の周知の溶解加工技術を用いて作製し、具体的に
はアーク溶解、又は、プラズマ溶解を用いて素材金属を
溶解後、鍛造熱処理，伸線加工により直径０．２ｍｍ，
長さ３０００ｍの所定形状，長さの線材を作製し、一
方、基体金属としてはこれまた周知の在来技術である溶
解加工技術を用いて作製された金属を幅５０ｍｍ，長さ
５０ｍｍ，厚さ１０ｍｍに加工された金属ピースにして
用い、この際、基体金属の形状，材質は任意に選定可能
であって、金類金属の被覆層の特性には変化がないもの
とされるものである。
【００２０】而して、ワイヤー放電加工条件はそれぞれ
の条件変化の範囲を、パルス幅を０．１５〜１．８５μ
ｓ，パルス休止時間を２〜１６μｓ，電流波高値を４．
５〜７０Ａ，無負荷電圧を３０〜１００Ｖ，ワイヤー送
り速度を５〜１５ｍ／ｍｉｎ，ワイヤー張力を０．１〜
０．５ｋｇｆ，被覆加工速度を０．１〜２ｍｍ／ｍｉｎ
として基体金属表面に電極金属である金類金属が強固に
拡散を伴った拡散層として形成される。
の条件変化の範囲を、パルス幅を０．１５〜１．８５μ
ｓ，パルス休止時間を２〜１６μｓ，電流波高値を４．
５〜７０Ａ，無負荷電圧を３０〜１００Ｖ，ワイヤー送
り速度を５〜１５ｍ／ｍｉｎ，ワイヤー張力を０．１〜
０．５ｋｇｆ，被覆加工速度を０．１〜２ｍｍ／ｍｉｎ
として基体金属表面に電極金属である金類金属が強固に
拡散を伴った拡散層として形成される。
【００２１】上述の如くして作製された所定の金類金属
の被覆材に対し一般の蛍光Ｘ線膜厚計を用い、続いて、
該金類金属の被覆層の厚さを測定し、又、併せて同様一
般のＸ線回折装置を用い金類金属の被覆材の材質検査を
行い、最後に金類金属の被覆材剥離試験による剥離強度
試験を行った結果、装飾材料，工芸材料，高耐蝕性材
料，電気材料、そして、耐熱材料として必要不可欠な物
理的，機械的特性を満足する金類金属の被覆材であるこ
とが確認された。
の被覆材に対し一般の蛍光Ｘ線膜厚計を用い、続いて、
該金類金属の被覆層の厚さを測定し、又、併せて同様一
般のＸ線回折装置を用い金類金属の被覆材の材質検査を
行い、最後に金類金属の被覆材剥離試験による剥離強度
試験を行った結果、装飾材料，工芸材料，高耐蝕性材
料，電気材料、そして、耐熱材料として必要不可欠な物
理的，機械的特性を満足する金類金属の被覆材であるこ
とが確認された。
【００２２】尚、当該金類金属の被覆材の製造に際して
用いた金、又は、金合金の使用済みのワイヤー分は所定
に再加工して再利用が可能であり、又、加工中に飛散し
たワイヤー電極材も全て回収することが出来、経済的に
極めてメリットがあることが確認された。
用いた金、又は、金合金の使用済みのワイヤー分は所定
に再加工して再利用が可能であり、又、加工中に飛散し
たワイヤー電極材も全て回収することが出来、経済的に
極めてメリットがあることが確認された。
【００２３】次に、上述実施例に則す実験例について基
体金属、及び、金類金属製ワイヤー電極の材質、そし
て、ワイヤー放電加工条件について次の表１に示し、
又、作製された金類金属被覆材の被覆層厚さ、及び、該
金類金属の被覆材の剥離試験の結果を表２に示す。
体金属、及び、金類金属製ワイヤー電極の材質、そし
て、ワイヤー放電加工条件について次の表１に示し、
又、作製された金類金属被覆材の被覆層厚さ、及び、該
金類金属の被覆材の剥離試験の結果を表２に示す。
【００２４】
【表１】
【００２５】
【表２】 そして、加工面のＸ線回折結果を横軸に、Ｘ線の入射角
度２θ，縦軸にＸ線の強度（ｃｐｓ）の図１、乃至、図
７の各々は後述する実験例の番号と図番が整合して対応
的に示されているものである。
度２θ，縦軸にＸ線の強度（ｃｐｓ）の図１、乃至、図
７の各々は後述する実験例の番号と図番が整合して対応
的に示されているものである。
【００２６】当該Ｘ線回折結果から基体金属が金、又
は、金合金に対し金類金属により充分に被覆されている
ことが確認される。
は、金合金に対し金類金属により充分に被覆されている
ことが確認される。
【００２７】即ち、実験例番号１は銅の基体金属に５ミ
クロンの金合金被覆層の厚さを得る理想的なワイヤー放
電加工条件を示したものであって、パルス幅を０．３μ
ｓ，パルス休止時間を８．０μｓ，電流波高値を３０
Ａ，無負荷電圧を７０Ｖ，金類金属製のワイヤー送り速
度を７．０ｍ／ｍｉｎ，同じく金類金属製のワイヤー張
力を０．２ｋｇｆ，被覆加工速度を１．０ｍｍ／ｍｉｎ
にすることにより、当該銅の基体金属表面に金合金を強
固に拡散を伴った金類金属の被覆層を形成することが出
来たものである。
クロンの金合金被覆層の厚さを得る理想的なワイヤー放
電加工条件を示したものであって、パルス幅を０．３μ
ｓ，パルス休止時間を８．０μｓ，電流波高値を３０
Ａ，無負荷電圧を７０Ｖ，金類金属製のワイヤー送り速
度を７．０ｍ／ｍｉｎ，同じく金類金属製のワイヤー張
力を０．２ｋｇｆ，被覆加工速度を１．０ｍｍ／ｍｉｎ
にすることにより、当該銅の基体金属表面に金合金を強
固に拡散を伴った金類金属の被覆層を形成することが出
来たものである。
【００２８】そして、上述表１，２の各実験例でも明ら
かなように、金類金属の被覆層の厚さは金類金属のワイ
ヤー放電加工条件を変えることにより任意に設定するこ
とが可能であることが分る。
かなように、金類金属の被覆層の厚さは金類金属のワイ
ヤー放電加工条件を変えることにより任意に設定するこ
とが可能であることが分る。
【００２９】又、表２の結果から基体金属に対する金類
金属の被覆層の結合強度が在来態様のメッキ処理による
被覆層よりも強固なものであることが分る。
金属の被覆層の結合強度が在来態様のメッキ処理による
被覆層よりも強固なものであることが分る。
【００３０】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基体的
に基体金属に他の金類金属を被覆層として被覆する技術
と金属素材を複雑形状等に成形加工する放電加工技術の
相互に全く異なる技術分野の技術を用い、当該放電加工
における放電現象によるミクロ的拡散を介しての金類金
属製のワイヤー電極金属の金類金属の基体金属に対する
金類金属の被覆層の精密で強固な結合を生じさせしめ、
装飾材料や工芸材料，耐蝕性材料，耐熱材料，電気材料
等として最終金属製品の目的，機能を全て設計通りに発
揮させることが出来る金類金属の被覆材を得ることが出
来るという優れた効果が奏される。
に基体金属に他の金類金属を被覆層として被覆する技術
と金属素材を複雑形状等に成形加工する放電加工技術の
相互に全く異なる技術分野の技術を用い、当該放電加工
における放電現象によるミクロ的拡散を介しての金類金
属製のワイヤー電極金属の金類金属の基体金属に対する
金類金属の被覆層の精密で強固な結合を生じさせしめ、
装飾材料や工芸材料，耐蝕性材料，耐熱材料，電気材料
等として最終金属製品の目的，機能を全て設計通りに発
揮させることが出来る金類金属の被覆材を得ることが出
来るという優れた効果が奏される。
【００３１】又、基体金属の限定条件がなくなり、被覆
層の金類金属との馴染み性が良くなり、したがって、該
基体金属が被覆層の金類金属を極めて精密に結合させる
ことが出来、該被覆層の剥離の可能性を抑制し、最終製
品に対する信頼性を高めることが出来るという効果があ
る。
層の金類金属との馴染み性が良くなり、したがって、該
基体金属が被覆層の金類金属を極めて精密に結合させる
ことが出来、該被覆層の剥離の可能性を抑制し、最終製
品に対する信頼性を高めることが出来るという効果があ
る。
【００３２】而して、金類金属の被覆の製造方法にあっ
ては、ワイヤー放電加工による複雑形状の加工が容易に
なされ、又、マスキングの必要性がなく、部分的被覆も
可能であり、しかも、放電加工条件を変えることにより
金類金属の被覆層の所望厚さの形成が出来るという優れ
た効果が奏される。
ては、ワイヤー放電加工による複雑形状の加工が容易に
なされ、又、マスキングの必要性がなく、部分的被覆も
可能であり、しかも、放電加工条件を変えることにより
金類金属の被覆層の所望厚さの形成が出来るという優れ
た効果が奏される。
【００３３】したがって、製造に自由度が与えられるこ
とになり設計にも柔軟性が付与されるという効果もあ
る。
とになり設計にも柔軟性が付与されるという効果もあ
る。
【００３４】そして、ワイヤー放電加工による金類金属
の被覆層は放電現象によるミクロ拡散であることから、
金類金属の被覆層が極めて緻密に形成されて基体金属と
結合させることが出来るという効果もある。
の被覆層は放電現象によるミクロ拡散であることから、
金類金属の被覆層が極めて緻密に形成されて基体金属と
結合させることが出来るという効果もある。
【図１】実施例に則す第１実験例のＸ線回折結果の特性
グラフ図である。
グラフ図である。
【図２】実施例に則す第２実験例のＸ線回折結果の特性
グラフ図である。
グラフ図である。
【図３】実施例に則す第３実験例のＸ線回折結果の特性
グラフ図である。
グラフ図である。
【図４】実施例に則す第４実験例のＸ線回折結果の特性
グラフ図である。
グラフ図である。
【図５】実施例に則す第５実験例のＸ線回折結果の特性
グラフ図である。
グラフ図である。
【図６】実施例に則す第６実験例のＸ線回折結果の特性
グラフ図である。
グラフ図である。
【図７】実施例に則す第７実験例のＸ線回折結果の特性
グラフ図である。
グラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 和明 埼玉県草加市青柳２丁目12番30号 石福 金属興業株式会社 草加第一工場内 (56)参考文献 特開 昭55−73869（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−186864（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−42666（ＪＰ，Ａ) 特公 昭56−9258（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭55−24503（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B23H 9/00 B23H 7/08 C23C 26/00
Claims (3)
- 【請求項１】基体金属を成形加工し、金又は金合金の金
類金属を被覆した装飾材料工芸材料高耐蝕性材料用金類
金属被覆材において、上記成形加工が金類金属製の電極
ワイヤーを介しての放電加工により行われて被覆材にミ
クロ的拡散を用いた強固な結合層が形成されていること
を特徴とする装飾材料工芸材料高耐蝕性材料用金類金属
被覆材。 - 【請求項２】基体金属を成形加工して金又は金合金の金
類金属を被覆する金類金属被覆材の製造方法において、
上記電極ワイヤーが金又は金合金の金類金属製とされ、
金又は白金の素材金類金属をアーク溶解、プラズマ溶解
による該素材金類金属の溶解後鍛造熱処理して、伸線加
工を介し所定径、長さの線材に形成した、放電加工用の
電極ワイヤーとして基体金属に対し張設し、上記電極ワ
イヤーからの放電現象により、該電極ワイヤーから放電
転移によるミクロ的拡散を伴う放電加工を基体金属に対
して行い、該基体金属の表面に強固な被覆材を形成する
ようにすることを特徴とする装飾材料工芸材料高耐蝕性
材料用金類金属被覆材の製造方法。 - 【請求項３】上記放電加工を行うに際しワイヤー放電加
工条件を金類金属の被覆金類金属の被覆厚さに応じて変
えるようにすることを特徴とする特許請求の範囲第２項
の記載の装飾材料工芸材料高耐蝕性材料用金類金属被覆
材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11425392A JP3262285B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 装飾材料工芸材料高耐蝕性材料用金類金属被覆材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11425392A JP3262285B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 装飾材料工芸材料高耐蝕性材料用金類金属被覆材及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05285737A JPH05285737A (ja) | 1993-11-02 |
| JP3262285B2 true JP3262285B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=14633152
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11425392A Expired - Fee Related JP3262285B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 装飾材料工芸材料高耐蝕性材料用金類金属被覆材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3262285B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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|---|---|---|---|---|
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| CA2484285C (en) | 2002-09-24 | 2012-10-02 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | Method for coating sliding surface of high temperature member, and high-temperature member and electrode for electric-discharge surface treatment |
| US9284647B2 (en) | 2002-09-24 | 2016-03-15 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Method for coating sliding surface of high-temperature member, high-temperature member and electrode for electro-discharge surface treatment |
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-
1992
- 1992-04-08 JP JP11425392A patent/JP3262285B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JPH05285737A (ja) | 1993-11-02 |
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