JPH1071454A - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

連続鋳造用鋳型

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JPH1071454A
JPH1071454A JP24556796A JP24556796A JPH1071454A JP H1071454 A JPH1071454 A JP H1071454A JP 24556796 A JP24556796 A JP 24556796A JP 24556796 A JP24556796 A JP 24556796A JP H1071454 A JPH1071454 A JP H1071454A
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JP
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continuous casting
casting mold
cermet
cermet material
zrc
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JP24556796A
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Inventor
Suketaka Umeyama
祐登 梅山
Keisuke Yamamoto
圭祐 山本
Yuuji Iwai
祐時 岩井
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Mishima Kosan Co Ltd
Original Assignee
Mishima Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理を行うことなく製造が可能で、しかも
耐食性及び耐摩耗性に富んで長期の寿命を有する連続鋳
造用鋳型を提供する。 【解決手段】 内面に粗面処理が行われた下地めっき層
14上に、更に溶射皮膜15が形成された連続鋳造用鋳
型において、溶射皮膜15は、10〜90重量%のニッ
ケル系合金からなる材料Aと、Cr3 2 、WC、Nb
C、ZrC、SiCの一種又は二種以上からなる耐摩耗
性セラミックスを含み、材料Aの割合に対応して90〜
10重量%のサーメット材料Bからなり、しかも、材料
A及びサーメット材料Bとをそれぞれ独立の火炎溶射機
を用いて同時に同一箇所に溶射して形成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄鋼等の連続鋳造用
鋳型に係り、特に耐熱、耐食、耐摩耗性に優れ、熱処理
を必要としない複合材料を内面に溶射した連続鋳造用鋳
型に関する。
【0002】
【従来の技術】内面を溶射処理して耐摩耗性を高めた連
続鋳造用鋳型としては、例えば特公昭61−15782
号公報に示されるように、析出硬化型銅合金からなる母
材表面に、Ni等の下地めっきをした後、その上にNi
−Cr系の自溶性合金を溶射後、約1000℃に加熱し
て母材銅板と下地Niめっき層、下地Niめっき層と溶
射皮膜との間に拡散層を形成させて冶金的に結合させ
て、銅母材の上に強固な耐摩耗性を有する溶射皮膜を形
成させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報記載の連続鋳造用鋳型においては、溶射後1000℃
程度に加熱することによって母材の銅板が変形するの
で、歪み取り作業を行う必要があり、更に歪み取りを行
っても連続鋳造用鋳型のバックフレームに組み込めない
ことがあり、仮にバックフレームに組み込めても平坦精
度が劣るという問題がある。また、更には母材の強度回
復のため、時効硬化熱処理を行う必要があり、その製造
工程が極めて複雑多岐にわたるという問題がある。ここ
で、前記Ni−Cr系の自溶性合金を溶射後、熱処理を
しないことも考えられるが、この場合には母材との密着
力が2〜3kg/mm2 と小さく、長期の使用が困難で
あるという問題がある。本発明はかかる事情に鑑みてな
されたもので、熱処理を行うことなく製造が可能で、し
かも耐食性及び耐摩耗性に富んで長期の寿命を有する連
続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の連続鋳造用鋳型は、内面に粗面処理が行われた下
地めっき層上に、更に溶射皮膜が形成された連続鋳造用
鋳型において、前記溶射皮膜は、10〜90重量%のニ
ッケル系合金からなる材料Aと、Cr3 2 、WC、N
bC、ZrC、SiCの一種又は二種以上からなる耐摩
耗性セラミックスを含み、前記材料Aの割合に対応して
90〜10重量%のサーメット材料Bからなり、しか
も、前記材料A及びサーメット材料Bとをそれぞれ独立
の火炎溶射機を用いて同時に同一箇所に溶射して形成さ
れている。請求項2記載の連続鋳造用鋳型は、請求項1
記載の連続鋳造用鋳型において、前記ニッケル系合金か
らなる材料Aは、ハステロイ、インコネル、Ni、Ni
−Cr、MCrAlY(但し、M:Ni又はNi−C
o)の何れか一種によって構成されている。
【0005】請求項3記載の連続鋳造用鋳型は、内面に
粗面処理が行われた下地めっき層上に、更に溶射皮膜が
形成された連続鋳造用鋳型において、前記溶射皮膜は、
10〜90重量%の自溶性合金からなる材料Aと、該材
料Aの割合に対応して90〜10重量%のCr3 2
WC、NbC、ZrC、SiCの一種又は2種以上を含
むサーメット材料Bからなり、しかも、前記材料A及び
サーメット材料Bとをそれぞれ独立の火炎溶射機を用い
て同時に同一箇所に溶射して形成されている。請求項4
記載の連続鋳造用鋳型は、請求項1〜3のいずれか1項
に記載の連続鋳造用鋳型において、前記サーメット材料
Bは、Cr3 2 /NiCr、Cr32 /Ni、Cr
3 2 /Co、WC/NiCr、WC/Ni、WC/C
o、NbC/NiCr、NbC/Ni、NbC/Co、
ZrC/NiCr、ZrC/Ni、ZrC/Co、Si
C/NiCr、SiC/Ni、SiC/Coの何れか一
種又は二種以上からなっている。請求項5記載の連続鋳
造用鋳型は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の連続
鋳造用鋳型において、前記下地めっき層はNi、Co、
Fe又はこれらを基材とする合金めっきからなって、そ
の表面にはRz=50〜150μmの粗面化処理が行わ
れている。
【0006】請求項6記載の連続鋳造用鋳型は、請求項
1〜5のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型におい
て、前記溶射皮膜の厚みは0.1〜1mmの範囲で密に
形成されている。請求項7記載の連続鋳造用鋳型は、請
求項1〜6のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型にお
いて、前記材料Aとサーメット材料Bとをそれぞれ溶射
する前記溶射機は、溶射粒子の速度が600m/秒以上
の高速火炎溶射機を用いている。そして、請求項8記載
の連続鋳造用鋳型は、請求項1〜7のいずれか1項に記
載の連続鋳造用鋳型において、前記材料A及びサーメッ
ト材料Bは傾斜配合されて、しかも、前記下地めっき層
側に前記材料Aの配分が高くなっている。また、請求項
3及びこれに従属する請求項4〜8記載の連続鋳造用鋳
型において、自溶性合金には、例えばNiCrSiB、
CoCrSiB、FeCrSiB等の材料が用いられ
る。更に、請求項1、2及びこれに従属する請求項5〜
8記載の連続鋳造用鋳型において、前記サーメット材料
Bは、自溶性合金、Ni合金又はCo合金をメタル分と
し、Cr3 2 、WC、NbC、ZrC又はSiCをセ
ラミックス分とし、しかも前記サーメット材料Bが全溶
射材料の60〜85重量%とするのが耐摩耗性、耐腐食
性の点で好ましい。
【0007】請求項1〜8記載の連続鋳造用鋳型におい
ては、内面に粗面処理が行われた下地めっき層上に、1
0〜90重量%のニッケル系合金又は自溶性合金からな
る材料Aと、耐摩耗性セラミックスを含み、前記材料A
の割合に対応して90〜10重量%のサーメット材料B
からなる溶射皮膜が形成されているので、鋳型内面の耐
摩耗性が向上する。そして、ニッケル系合金又は自溶性
合金からなる材料Aとサーメット材料Bが、別々の火炎
溶射機を用いて溶射されているので、溶射条件を独立に
選ぶことができ、これによってそれぞれの材料を最適の
条件で溶射することができる。前記下地めっき層の役目
は、酸化して脆く成りやすい銅材の表面を保護するため
である。そして、下地めっき材としてNi、Co、F
e、又はこれらを基材とする合金からなる硬質の鉄系元
素を用いて、溶射粒子の噛み込みの保持力を確保してい
る。ここで、更に粗面処理を行っているので、溶射皮膜
の付着強度が向上する。
【0008】そして、請求項2記載の連続鋳造用鋳型に
おいては、具体的例示を上げて記載するように、材料A
にハステロイ、インコネル、Ni、Ni−Cr、MCr
AlY(但し、M:Ni又はNi−Co)の何れか一種
からなるニッケル合金を使用すると、溶射皮膜の耐食性
が向上する。請求項3の連続鋳造用鋳型においては、材
料Aに自溶性合金を使用しているので、自溶性合金が蝋
材として働いて硬質のサーメット材料Bを接合するの
で、より強固に接合できる。請求項4記載の連続鋳造用
鋳型においては、サーメット材料BにCr3 2 /Ni
Cr、Cr3 2 /Ni、Cr3 2 /Co、WC/N
iCr、WC/Ni、WC/Co、NbC/NiCr、
NbC/Ni、NbC/Co、ZrC/NiCr、Zr
C/Ni、ZrC/Co、SiC/NiCr、SiC/
Ni、SiC/Coの何れか一種又は二種以上を用いて
いるので、溶射皮膜の硬度が上がり、耐摩耗性に富む。
【0009】請求項5記載の連続鋳造用鋳型において
は、下地めっき層の表面に、Rz=50〜150μmの
粗面化処理が行われているが、これは、Rzが50μm
未満では密着力が10kg/mm2 未満と小さく、Rz
が150μmを越えると、密着力は強いが溶射皮膜の厚
みのバラツキが大きくなるからである。請求項6記載の
連続鋳造用鋳型においては、溶射皮膜の厚みを0.1〜
1mmとしているが、溶射皮膜の厚みが0.1mm未満
の場合には、薄過ぎて耐用年数が短く、1mmを超える
と溶射皮膜が一体となって剥離し易いからである。
【0010】請求項7記載の連続鋳造用鋳型において
は、別々の高速火炎溶射機を用いて材料Aとサーメット
材料Bを溶射しているので、溶射皮膜の密度が向上し、
緻密な溶射皮膜が形成される。特に、高速火炎溶射の場
合には、自溶性合金やニッケル合金を溶射する場合には
350〜400mmの溶射距離が適切であり、この範囲
を外すと密着力が弱くなる。また、サーメット材料Bを
溶射する場合にも、その粒度にも左右されるが250〜
350mm程度が適切であり、これらの材料を一台の高
速火炎溶射機で溶射すると何れか一方の条件で溶射を行
う必要があり、それぞれの材料の最適条件で溶射できな
いという欠点があるが、本発明においては、2台の高速
火炎溶射機を用いているので、最適の条件で溶射が可能
となる。そして、請求項8記載の連続鋳造用鋳型におい
ては、粗面処理が行われた下地めっき層上にニッケル合
金又は自溶性合金からなる材料Aと、耐摩耗性を有する
サーメット材料Bが傾斜配合されて溶射されているの
で、下方に成分比率の高いニッケル合金又は自溶性合金
が下地めっき層に強固に接合し、これに前記サーメット
材料Bが表面程成分比率を高くして配合されているの
で、強固な耐摩耗性を有する。また、それぞれの材料が
傾斜配合されているので、物性が徐々に変わり、安定し
た溶射皮膜を形成できる。
【0011】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る連続鋳造用鋳型の溶射状況を示す説明図、図2
は同連続鋳造用鋳型の一部断面図、図3は本発明の他の
実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の材料配分を示すグラ
フ、図4はサーメット材料Bの割合と摩耗量の関係を示
すグラフである。
【0012】まず、図1、図2に示すようにCu−Cr
−Zrからなる連続鋳造用鋳型の母材13の内面に厚み
が100μm程度の下地めっきを行って下地めっき層1
4を形成する。この場合の電解液としては、1リットル
中に、S−Ni(スルファン酸ニッケル)を350g、
塩化ニッケルを5g、硼酸を30g溶かした溶液を使用
し、めっき液の温度は45〜60℃、電流密度は3A/
dm2 とする。この実施の形態では下地めっき層14を
Niめっきとしたが、例えばCo、Fe又はこれらを基
材とする合金めっきであってもよい(以下の実施の形態
においても同じ)。そして、この下地めっき層14にブ
ラスト処理を行い、表面をRz=50〜150μm(好
ましくは70〜100μm)の粗度とし、その上に付着
される溶射皮膜15の結合度を向上させる。この場合に
粗面処理には、粒度#20のアルミナのグリッドを使用
し、空気圧を約3kg/cm2 としてブラスト処理を行
った。なお、粗面化した下地めっき層14を形成するま
での処理については、以下の実施の形態に共通して行っ
た。
【0013】次に、図1に示すように、ニッケル系合金
又は自溶性合金からなる材料Aと、サーメット材料Bと
を独立に溶射できる2台の高速火炎溶射機10、11を
用いて、粗面化処理された下地めっき層14上に溶射を
行う。この場合、ニッケル系合金からなる材料Aとして
は、ハステロイ、インコネル、Ni、Ni−Cr、MC
rAlY(但し、M:Ni又はNi−Co)がある。ま
た、サーメット材料Bとしては、耐摩耗性セラミックの
Cr3 2 、WC、NbC、ZrC、SiCの一種又は
二種以上と、金属分である自溶性合金及び/又はNi系
金属、Co系金属との混合物であって、具体的にはCr
3 2 /NiCr、Cr3 2 /Ni、Cr3 2 /C
o、WC/NiCr、WC/Ni、WC/Co、NbC
/NiCr、NbC/Ni、NbC/Co、ZrC/N
iCr、ZrC/Ni、ZrC/Co、SiC/NiC
r、SiC/Ni、SiC/Coの何れか一種又は二種
以上からなるものを使用する。
【0014】連続鋳造用鋳型の母材13の表面に形成さ
れた下地めっき層14の上に、第1の高速火炎溶射機1
0から材料Aを、第2の高速火炎溶射機11からサーメ
ット材料Bを溶射して、材料Aとサーメット材料Bの複
合皮膜を形成しているが、この場合、サーメット材料B
の重量を全溶射材料の10〜90%にし、残りをニッケ
ル系合金又は自溶性合金からなる材料Aとして、下地め
っき層14にも強固に付着させ、溶射皮膜15に十分な
耐摩耗性を有するようにした。
【0015】第1の高速火炎溶射機10と第2の高速火
炎溶射機11のトーチ角度θは、45度以下になると、
相互の高速火炎溶射機10、11から吹き出される溶射
粒子が衝突しあうので、溶射皮膜15の形成が悪い。従
って、高速火炎溶射機10、11のトーチ角度は90度
に近い方が好ましいが、90度にすると溶射トーチが相
互に干渉するので、75〜85度程度となる。そして、
第1の高速火炎溶射機10の溶射距離L1 は原則として
350〜400mm程度とし、第2の高速火炎溶射機1
1の溶射距離L2 は原則として250〜350mm程度
として、それぞれの最適の溶射距離を選定する。なお、
この場合の溶射粒子の速度は約700〜800m/秒で
あった。
【0016】図4は、前記した高速火炎溶射機10、1
1を用いて高速火炎溶射を行った場合の、サーメット材
料Bの配合を変えた場合の摩耗試験の結果を示すが、サ
ーメット材料Bの配合率が25重量%のとき、摩耗量が
著しく減少することが分かる。また、サーメット材料B
を100%にしても、金属分が含まれているのである程
度の溶射皮膜は形成されるが、ニッケル分がないので、
耐食性が悪く、更には下地めっき層への付着も悪い。ま
た、通常の火炎溶射で溶射皮膜を形成した場合より、高
速火炎溶射で溶射皮膜を形成した場合の方がより摩耗量
の少ない溶射皮膜が形成されることが分かる。
【0017】
【実施例】表1及び表2は、第1及び第2の高速火炎溶
射機10、11を前記条件で用いて、材料A及びサーメ
ット材料Bに種々の材料を使用した場合の連続鋳造用鋳
型の性状を示す。なお、比較例は、他の条件は同一と
し、溶射材料としてNi−Cr系自溶性合金を通常の火
炎溶射機を用いて溶射皮膜の厚みが0.8mm程度に形
成した連続鋳造用鋳型の場合の性状を示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】以上の実施例からも明らかなように、本発
明の連続鋳造用鋳型の方が比較例方法によって製造され
た連続鋳造用鋳型に比較して、十分な耐摩耗性と耐食性
を有するという利点がある。次に、他の実施の形態に係
る連続鋳造用鋳型においては、同一比率の前記材料Aと
前記サーメット材料Bを、高速火炎溶射機10、11を
同時に用いて傾斜配合して溶射皮膜を形成した。この場
合には、下地めっき層14に自溶性合金又はニッケル合
金が強固に付着し、表面は耐摩耗性を有するサーメット
材料Bとなるので、耐摩耗性が更に向上し、連続鋳造用
鋳型の寿命が更に伸びることが確認された。
【0021】また、材料Aとサーメット材料Bはそれぞ
れ独立の高速火炎溶射機10、11によって溶射される
ので、各材料に対する溶射条件の最適化が行われ、効率
的に溶射が行える。また、図3には各材料の傾斜配合の
度合いを示すが、直線的に傾斜配合させると、溶射皮膜
の表面が少し摩耗すると内部の摩耗度合いが増加するの
で、下地めっき層側は直線配合aより材料Aを多く、表
面側はサーメット材料Bが直線配合bより多くするのが
好ましい。この場合の、材料Aとサーメット材料Bの組
合せ及び製造された連続鋳造用鋳型は、更に耐摩耗性が
向上する(図4参照)。
【0022】前記実施の形態及び実施例では、別々の高
速火炎溶射機を用いて溶射した場合について説明した
が、別々の通常の火炎溶射機、即ち火炎速度及び溶射粒
子の飛翔速度の遅い火炎溶射機を用いて材料Aとサーメ
ット材料Bを溶射する場合も本発明は適用される。
【0023】
【発明の効果】従って、請求項1〜8記載の連続鋳造用
鋳型においては、ニッケル系合金又は自溶性合金からな
る材料Aとサーメット材料Bが、別々の火炎溶射機を用
いて溶射されているので、溶射条件をそれぞれの材料に
合わせて独立に選ぶことができ、これによってそれぞれ
の材料を最適の条件で溶射することができる。また、別
々の火炎溶射機を用いて溶射しているので、材料Aとサ
ーメット材料Bの配分を適正にすることができ、これに
よって成分バラツキのない溶射皮膜を形成できる。ま
た、連続鋳造用鋳型の母材の表面に下地めっき層を形成
すると共に粗面加工を行いその上に溶射皮膜を形成して
いるので、溶射皮膜の付着強度が向上し、長期の使用に
耐える連続鋳造用鋳型を提供できる。そして、溶射をし
た後熱処理を行わないので、歪み取り作業等を省略でき
コストの低減を図ることが可能となった。また、熱処理
を行わないので、連続鋳造用鋳型のうち寸法の大きな長
辺(例えば、幅1.5〜3m)も施工できることになっ
た。特に、請求項7に記載のように、2台の高速火炎溶
射機を用いて材料Aと、サーメット材料Bとを溶射する
場合には、更に緻密な溶射皮膜となるので耐摩耗性が増
し、従来の連続鋳造用鋳型に比較して約1.7倍又はそ
れ以上の寿命を有することが可能となった。そして、特
に、請求項8記載の連続鋳造用鋳型においては、粗面処
理が行われた下地めっき層上にニッケル系合金又は自溶
性合金からなる材料Aと、耐摩耗性を有するサーメット
材料Bが傾斜配合されて溶射されているので、下方に成
分比率の高いニッケル系合金又は自溶性合金が下地めっ
き層に強固に接合し、これに前記サーメット材料Bが表
面程成分比率を高くして配合されているので、表面の硬
度を向上でき、強固な耐摩耗性を有し、更に長期の寿命
を有する連続鋳造用鋳型を提供できることになった。ま
た、それぞれの材料が傾斜配合されているので、下地め
っき層の表面から物性が徐々に変わり、剥離等が極めて
少ない安定した溶射皮膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の
溶射状況を示す説明図である。
【図2】同連続鋳造用鋳型の一部断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型
の材料配合を示すグラフである。
【図4】サーメット材料Bの割合と摩耗量との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
10 高速火炎溶射機 11 高速火炎
溶射機 13 母材 14 下地めっ
き層 15 溶射皮膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に粗面処理が行われた下地めっき層
    上に、更に溶射皮膜が形成された連続鋳造用鋳型におい
    て、 前記溶射皮膜は、10〜90重量%のニッケル系合金か
    らなる材料Aと、Cr3 2 、WC、NbC、ZrC、
    SiCの一種又は二種以上からなる耐摩耗性セラミック
    スを含み、前記材料Aの割合に対応して90〜10重量
    %のサーメット材料Bからなり、しかも、前記材料A及
    びサーメット材料Bとをそれぞれ独立の火炎溶射機を用
    いて同時に同一箇所に溶射して形成されたことを特徴と
    する連続鋳造用鋳型。
  2. 【請求項2】 前記ニッケル系合金からなる材料Aは、
    ハステロイ、インコネル、Ni、Ni−Cr、MCrA
    lY(但し、M:Ni又はNi−Co)の何れか一種か
    らなる請求項1記載の連続鋳造用鋳型。
  3. 【請求項3】 内面に粗面処理が行われた下地めっき層
    上に、更に溶射皮膜が形成された連続鋳造用鋳型におい
    て、 前記溶射皮膜は、10〜90重量%の自溶性合金からな
    る材料Aと、該材料Aの割合に対応して90〜10重量
    %のCr3 2 、WC、NbC、ZrC、SiCの一種
    又は2種以上を含むサーメット材料Bからなり、しか
    も、前記材料A及びサーメット材料Bとをそれぞれ独立
    の火炎溶射機を用いて同時に同一箇所に溶射して形成さ
    れたことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  4. 【請求項4】 前記サーメット材料Bは、Cr3 2
    NiCr、Cr3 2 /Ni、Cr3 2 /Co、WC
    /NiCr、WC/Ni、WC/Co、NbC/NiC
    r、NbC/Ni、NbC/Co、ZrC/NiCr、
    ZrC/Ni、ZrC/Co、SiC/NiCr、Si
    C/Ni、SiC/Coの何れか一種又は二種以上から
    なる請求項1〜3のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳
    型。
  5. 【請求項5】 前記下地めっき層はNi、Co、Fe又
    はこれらを基材とする合金めっきからなって、その表面
    にはRz=50〜150μmの粗面化処理が行われてい
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳
    型。
  6. 【請求項6】 前記溶射皮膜の厚みは0.1〜1mmの
    範囲で密に形成されている請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の連続鋳造用鋳型。
  7. 【請求項7】 前記材料Aとサーメット材料Bとをそれ
    ぞれ溶射する前記火炎溶射機は、溶射粒子の速度が60
    0m/秒以上の高速火炎溶射機によって構成されている
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型。
  8. 【請求項8】 前記材料A及びサーメット材料Bは傾斜
    配合されて、しかも、前記下地めっき層側に前記材料A
    の配分が高くなっている請求項1〜7のいずれか1項に
    記載の連続鋳造用鋳型。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6548161B1 (en) 1998-05-28 2003-04-15 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. High temperature equipment
JP2010285641A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Nishimura Tekkosho:Kk 溶射材料及び溶射層を有する構造体並びに回転ディスク型乾燥装置
JP2011031247A (ja) * 2009-07-29 2011-02-17 Mishima Kosan Co Ltd 連続鋳造用鋳型及びその製造方法
JP2015183203A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 三島光産株式会社 連続鋳造用鋳型及びその製造方法

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