JP3262155B2 - 電磁波シールド用コルゲートチューブ - Google Patents
電磁波シールド用コルゲートチューブInfo
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Description
ルゲートチューブに関し、さらに詳しくは、ポリプロピ
レン系樹脂製コルゲートチューブが本来有する特性を保
持するとともに、優れた電磁波シールド性を有し、電線
などの電磁波シールド用として好適なコルゲートチュー
ブに関するものである。
機器と略称する)が産業用や民生用などとして普及して
きており、それに伴い、該機器から漏洩する電磁波が、
各種電子機器の誤動作をもたらすことが多くなり、社会
的な問題となってきている。特に、コンピューターや事
務処理用機器などから放射される電磁波が、テレビや音
響機器などに与える障害は著しいものとなっている。し
たがって、このような電磁波による障害の発生を防ぐた
めに、電磁波の影響を受ける電子機器のみならず、電磁
波の発生源となる電子機器においても、電磁波シールド
(以下EMIシールドという)を施したハウジングに収
容することが一般的となってきている。また、このよう
な電子機器のみならず、電線のEMIシールドの必要性
も要求され始めており、さらに、従来、あまり関係のな
かった自動車においても、自動車の電子化に伴い、自動
車内配線のEMIシールドの必要性も叫ばれ始めてい
る。このような電線のEMIシールドの対応として、例
えば電線一つ一つにシールド材を巻く方法や、電線を束
ねてシールド材を巻く方法などが提案されているが、こ
れらの方法は、作業性、コスト面などから、充分に満足
しうる方法とはいえない。
法として、コルゲートチューブの中に電線を這わす方法
が多用されている。したがって、効率的な電線のEMI
シールド方法として、このコルゲートチューブをメッキ
して、電線全体をシールドする方法が考えられる。しか
しながら、該コルゲートチューブは、一般に、成形性,
強度,可撓性,価格などの面から、ポリオレフィンが使
用されている場合が多いが、このポリプロピレン系樹脂
は無極性であるため、ポリプロピレン系樹脂製コルゲー
トチューブをメッキすることは困難であった。したがっ
て、メッキ処理が可能なポリプロピレン系樹脂製コルゲ
ートチューブを作製し、それがもつ本来の特性を損なう
ことなく、メッキ処理したものは、電線などのEMIシ
ールド用として極めて有用であり、その開発が望まれて
いた。なお、ここでコルゲートチューブとは、樹脂より
成形された表面に凹凸を交互に設けた筒状の電線収束・
保護部材である。
状況下で、ポリプロピレン系樹脂製コルゲートチューブ
が本来有する特性、すなわち加工性や可撓性などを保持
するとともに、優れたEMIシールドを有し、電線など
のEMIシールド用として好適なポリプロピレン系樹脂
製コルゲートチューブを提供することを目的とするもの
である。
ましい性質を有するEMIシールド用コルゲートチュー
ブを開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、素材とし
て、ポリプロピレン系樹脂,エチレン−プロピレン共重
合ゴム,炭酸カルシウム,銅害防止剤及び酸化防止剤
を、それぞれ所定の割合で含有する樹脂組成物を用いた
コルゲートチューブは、容易にメッキ処理することがで
き、このコルゲートチューブにメッキ処理したものが、
その目的に適合しうることを見出した。本発明は、かか
る知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発
明は、(A)ポリプロピレン系樹脂40〜95重量%、
(B)エチレン−プロピレン共重合ゴム0〜30重量%
及び(C)炭酸カルシウム5〜30重量%を含有する基
本組成100重量部に対し、(D)銅害防止剤0.01〜
2.0重量部及び(E)酸化防止剤0.01〜2.0重量部を
配合した樹脂組成物からなるコルゲートチューブに、メ
ッキ処理を施したことを特徴とする電磁波シールド用コ
ルゲートチューブを提供するものである。
材として用いられる樹脂組成物における(A)成分のポ
リプロピレン系樹脂については、特に制限はないが、例
えば結晶性を有するアイソタクチックプロピレン共重合
体,エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体,プロピレン単独重合体からなるホ
モ部とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成
されたプロピレンブロック共重合体、さらには前記プロ
ピレンブロック共重合体における各ホモ部又は共重合部
が、さらにブテン−1などのα−オレフィンを共重合し
たものからなる結晶性のプロピレン−エチレン−α−オ
レフィン共重合体などが挙げられる。これらポリプロピ
レン系樹脂のメルトインデックス(MI:230℃,2.
16kgf)は、特に限定されないが、好ましくは0.0
1〜30g/10分であり、より好ましくは0.1〜10
g/10分である。
一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。また、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂に、軟質ポ
リプロピレン樹脂を適当に配合して用いてもよい。ま
た、該樹脂組成物における(B)成分のエチレン−プロ
ピレン共重合ゴムは、エチレンとプロピレンとの共重合
体であってもよく、エチレンとプロピレンと非共役ジエ
ン類との共重合体であってもよい。この共重合ゴムは無
定形ないし低結晶性の共重合体であり、エチレン単位の
含有量は、通常40〜80重量%、好ましくは50〜7
5重量%の範囲である。また、非共役ジエン類の例とし
ては、ジシクロペンタジエン;1,4−ヘキサジエン;
シクロオクタジエン;ジシクロオクタジエン;メチルノ
ルボルネン;5−エチリデン−2−ノルボルネン;5−
ビニル−2−ノルボルネン;5−メチレン−2−ノルボ
ルネン;5−メチル−1,4−ヘキサジエン;7−メチ
ル−1,6−オクタジエンなどを挙げることができる。
このエチレン−プロピレン共重合ゴムは、ムーニー粘度
ML1+4 (100℃)が、通常10〜100の範囲のも
のである。
重合ゴムは一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて
用いてもよい。さらに、樹脂組成物における(C)成分
の炭酸カルシウムとしては、特に制限はなく、沈降製炭
酸カルシウム,重質炭酸カルシウム,軽質炭酸カルシウ
ムなど、いずれも用いることができる。この炭酸カルシ
ウムの平均粒径は、通常0.05〜20μm、好ましくは
0.1〜10μmの範囲である。上記(A)成分,(B)
成分及び(C)成分の含有割合は、それらの合計重量に
基づき、(A)成分が40〜95重量%、(B)成分が
0〜30重量%及び(C)成分が5〜30重量%の範囲
である。(A)成分の含有量が40重量%未満では押出
成形性が不充分であり、95重量%を超えるとメッキ性
が低下する。また、(B)成分の含有量が30重量%を
超えるとチューブのスリット性が悪くなる。さらに、
(C)成分の含有量が5重量%未満ではメッキ性に劣
り、30重量%を超えるとその量の割にはメッキ性の向
上効果がみられず、むしろ重量が重くなりすぎる上、難
燃剤を併用する場合は、難燃性が充分に発揮されないお
それがある。押出成形性,メッキ性,チューブのスリッ
ト性及び軽量性などの面から、各成分の好ましい含有割
合は、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計重
量に基づき、(A)成分が50〜90重量%、(B)成
分が2〜25重量%、(C)成分が8〜25重量%の範
囲である。
害防止剤としては、特に制限はなく、従来公知のもの、
例えば、シュウ酸誘導体,サリチル酸誘導体,ヒドラジ
ン誘導体などが用いられる。具体的には、3-(N-サリチ
ロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、デカメチレンカ
ルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N,N-ビス[3-(3,5-
ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒ
ドラジン、イソフタル酸ビス(2-フェノキシプロピオニ
ルヒドラジド)、N-ホルミル-N'-サリシロイルヒドラジ
ン、2,2-オキザミドビス-[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル
-4-ハイドロオキシフェニル)プロピオネート]、オキ
ザリル−ビス−ベンジリデン−ヒドラジドなどが挙げら
れる。この(D)成分の銅害防止剤は一種用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その
配合量は、前記(A)成分と(B)成分と(C)成分と
からなる基本組成100重量部に対し、通常0.01〜2.
0重量部の範囲である。この配合量が0.01重量部未満
では銅害防止効果が充分に発揮されないおそれがあり、
2.0重量部を超えるとその量の割には効果の向上がみら
れず、むしろ非経済的である上、他の物性が低下する場
合がある。効果,経済性,物性などの面から、この
(D)成分の好ましい配合量は、上記基本組成100重
量部に対し、0.1〜1.6重量部の範囲である。
は、特に制限はなく、従来公知のもの、例えばフェノー
ル系,リン系,硫黄系のものなどが用いられる。ここ
で、フェノール系酸化防止剤としては、例えば2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール,n−オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート,ペンタエリスリチル−テト
ラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕,2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート,2−〔1−
(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニ
ル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアク
リレート,トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕,1,6−ヘキサンジオール−ビス−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕,3,9−ビス〔1,1−ジ−
メチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウ
ンデカン,1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン,トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート,トリス(4−
t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベン
ジル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
トリス(ノニルフェニル)フォスファイト,トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト,
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトール−ジ−フォスファイト,ビス(2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール
−ジ−フォスファイト,ビス(2,4,6−トリ−t−
ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスフ
ァイト,メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)オクチルフォスファイト,テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ
−フォスフォナイト,テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン
−ジ−フォスフォナイトなどが挙げられる。
ばジラウリルチオジプロピオネート,ジミリスチルチオ
ジプロピオネート,ジステアリルチオジプロピオネー
ト,グリセリントリブチルチオプロピオネート、グリセ
リントリオクチルチオプロピオネート、グリセリントリ
ラウリルチオプロピオネート、グリセリントリステアリ
ルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリブチ
ルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリオク
チルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリラ
ウリルチオプロピオネート、トリメチロールエタントリ
ステアリルチオプロピオネート、ペンタエリスリトール
テトラブチルチオプロピオネート、ペンタエリスリトー
ルテトラオクチルチオプロピオネート、ペンタエリスリ
トールテトララウリルチオプロピオネート、ペンタエリ
スリトールテトラステアリルチオプロピオネートなどが
挙げられる。
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
その配合量は、前記(A)成分と(B)成分と(C)成
分とからなる基本組成100重量部に対し、通常0.01
〜2.0重量部の範囲である。この配合量が0.01重量部
未満では酸化防止効果が充分に発揮されないおそれがあ
り、2.0重量%を超えるとその量の割には効果がみられ
ず、むしろ非経済的である上、他の物性が低下する場合
がある。効果,経済性,物性などの面から、この(E)
成分の好ましい配合量は、上記基本組成100重量部に
対し、0.1〜1.5重量部の範囲である。
用いられる樹脂組成物には、必要に応じ、さらに(F)
成分としてハロゲン系難燃剤と難燃助剤との組み合わせ
を配合することができる。ここで、ハロゲン系難燃剤と
しては、特に制限はなく、従来公知の塩素系や臭素系の
ものを用いることができる。このようなハロゲン系難燃
剤の例としては、パークロロシクロペンタデカン,塩素
化パラフィン,テトラクロロ無水フタル酸,クロレンド
酸などの塩素系難燃剤,テトラブロモビスフェノールA
(TBA),デカブロモジフェニルオキサイド,ヘキサ
ブロモシクロドデカン,オクタブロモジフェニルオキサ
イド,ビストリブロモフェノキシエタン,トリブロモフ
ェノール,エチレンビステトラブロモフタルイミド,T
BAポリカーボネートオリゴマー,臭素化ポリスチレ
ン,TBAエポキシオリゴマー・ポリマー,エチレンビ
スペンタブロモジフェニル,ヘキサブロモベンゼン,ポ
リジブロモフェニレンオキサイド,テトラブロモジフェ
ニルオキサイドなどの臭素系難燃剤が挙げられる。これ
らのハロゲン系難燃剤は一種用いてもよく、二種以上を
組み合わせて用いてもよい。一方、難燃助剤としては、
特に制限はなく、従来公知のもの、例えば三酸化アンチ
モン,五酸化アンチモンなどのアンチモン系やジルコニ
ウム系などが挙げられる。これらの難燃助剤は一種用い
てもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
に、重量比5:1〜2:1の割合で用いられる。この所
望により用いられる(F)成分のハロゲン系難燃剤と難
燃助剤との組み合わせの配合量は、前記(A)成分と
(B)成分と(C)成分とからなる基本組成100重量
部に対し、通常50〜100重量部の範囲である。この
配合量が50重量部未満では難燃性が不充分であり、1
00重量部を超えると他の物性が低下するおそれが生じ
る。難燃性及び他の物性のバランスの面から、この
(F)成分の好ましい配合量は、上記基本組成100重
量部に対し、55〜90重量部の範囲である。
脂組成物の難燃性は、酸素指数(OI)が23〜32の
範囲にあるか、又はUL94難燃規格において、厚み3.
18〜0.79mm(1/8〜1/32インチ)でV−0
であるのが望ましい。本発明における樹脂組成物には、
本発明の目的がそこなわれない範囲で、必要に応じ、公
知の各種添加成分、例えば光安定剤,紫外線吸収剤,熱
安定剤,滑剤,帯電防止剤,各種フィラー,強化材,顔
料などの添加剤を含有させてもよく、また他の熱可塑性
樹脂、例えばポリ塩化ビニル系樹脂,ポリアミド系樹
脂,ポリイミド系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリカー
ボネート系樹脂,ポリアセタール系樹脂,ポリ芳香族エ
ーテルケトン系樹脂,ポリフェニレンエーテル系樹脂,
ポリフェニレンスルフィド系樹脂,スチレン系樹脂,ポ
リ芳香族エステル系樹脂,ポリスルホン系樹脂,アクリ
レート系樹脂,他のポリオレフィン系樹脂などを含有さ
せてもよい。この樹脂組成物の調製方法については特に
制限はなく、従来公知の方法、例えば必須成分及び所望
に応じて用いられる各種添加成分を、V型ブレンダー,
リボンブレンダー,ヘンシェルミキサーなどの混合機に
より混合する方法、又は押出機,ミキシングロール,バ
ンバリミキサー,ニーダなどの混練機により混練する方
法、あるいは混合機と混練機を組み合わせて、混合・混
練する方法を用いることができる。本発明のEMIシー
ルド用コールゲートチューブは、このようにして得られ
た樹脂組成物を用い、公知の成形方法、例えば押出成形
法などにより、所望形状のコールゲートチューブを作製
したのち、メッキ処理することにより得られる。
く、通常のプラスチックのメッキ処理方法、例えば
(1)エッチング工程、(2)極性付与工程、(3)触
媒担持工程、(4)無電解銅メッキ工程及び(5)無電
解ニッケルメッキ工程を順次施す方法などが用いられ
る。上記(1)のエッチング工程は、チューブ表面にア
ンカーホールを形成する工程であって、エッチング方法
については特に制限はなく、従来、プラスチック成形体
のメッキ処理において慣用されている方法を用いること
ができる。エッチング剤としては、例えば重クロム酸,
重クロム酸/硫酸混液,クロム酸,クロム酸/硫酸混
液,トリクロロエタン,トリクロロエチレン,キシレン
などが用いられる。エッチング処理後は、チューブ表面
に残存するエッチング剤を、中和や洗浄などにより除去
する。
にしてエッチング処理が施されたチューブ表面に、電荷
を付与するために、極性をもつ化合物で処理する工程で
ある。この処理剤としては、例えばアルキルスルホン
酸,α−オレフィンスルホン酸,アルキルベンゼンスル
ホン酸,アルキルナフタレンスルホン酸,アルキルエー
テルスルホン酸,アルキルフェニルエーテルスルホン
酸,アルキルジフェニルエーテルスルホン酸,スルホコ
ハク酸,ジアルキルスルホコハク酸,メチルタウリン
酸,β−ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物など
のリチウム,ナトリウム,カリウムなどの塩、あるいは
ポリアクリル酸,ポリビニルスルホン酸,ポリメタクリ
ル酸,ポリスチレンスルホン酸及びこれらの塩、ポリヒ
ドロキシエチルメタクリレート,ポリビニルアルコー
ル,ポリビニルアルコール共重合体,ポリ酢酸ビニルの
部分ケン化物,酢酸ビニル共重合体の部分ケン化物,ポ
リエチレンイミン,ポリエチレンオキシド,ポリプロピ
レンオキシド,ポリエチレンオキシド−ポリプロピレン
オキシド共重合体,ポリビニルメチルエーテル,ポリビ
ニルメチルエーテル共重合体,ポリN−ビニルピロリド
ン,ポリオキサゾリン,ポリアクリルアミド,ポリアク
リルアミド共重体などの水溶液が好ましく挙げられる。
これらの中で、ポリエチレンイミンやポリアクリルアミ
ドなどの高分子アミン水溶液が特に好適である。これら
の水溶液は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて
用いてもよい。
温〜60℃の範囲の温度において、1〜10分間程度処
理するのが好ましい。次に、(3)の触媒担持工程は、
次工程の無電解銅メッキを進行させるための工程であっ
て、触媒担持方法については特に制限はなく、従来、プ
ラスチック成形体のメッキ処理において慣用されている
方法を用いることができる。例えば触媒粒子として負電
荷をもつ塩化第一スズと塩化パラジウムのコロイドを用
い、まずキャタライジングにより、上記(2)工程で極
性が付与されたチューブ表面にスズとパラジウムのコロ
イド物質を析出させ、次いでアクセレーションにより、
スズを離脱させ、パラジウムのみを残すことによって、
無電解銅メッキ用触媒(金属触媒)を担持する方法、あ
るいは、センシタイジング(感応性付与処理)、例えば
塩化第一スズ溶液に、上記(2)工程で極性が付与され
たチューブを浸漬させて、チューブ表面に還元力のある
イオン性スズを吸着させる処理を行ったのち、アクチベ
ーション、例えば塩化パラジウム溶液にこのチューブを
浸漬して、上記スズの作用でパラジウムを析出させる処
理により、無電解銅メッキ用触媒(金属触媒)を担持す
る方法を用いることができる。
上記(3)の触媒担持工程を経たチューブの表面におい
て、銅イオンを還元析出させ、銅皮膜を形成させる工程
である。この無電解銅メッキ方法については特に制限は
なく、従来、プラスチック成形体のメッキ処理において
慣用されている方法を用いることができる。例えば10
〜50℃程度の還元剤を含有する銅塩水溶液に、上記
(3)工程で得られたチューブを2〜20分間程度浸漬
することにより、その表面に銅メッキ皮膜を形成するこ
とができる。最後の(5)無電解ニッケルメッキ工程
は、上記(4)の無電解銅メッキ工程で形成された銅メ
ッキ皮膜を常法により活性化したのち、その上に、
(4)の場合と同様にして、ニッケルメッキ皮膜を形成
させる工程である。このようにして、防錆効果のあるニ
ッケル皮膜が形成される。このようにしてメッキ処理さ
れたコルゲートチューブは、メッキ皮膜の密着性が良
く、かつポリプロピレン系樹脂製コルゲートチューブが
有する本来の特性を保持するとともに、EMIシールド
性に優れている。
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 ポリプロピレン〔出光石油化学(株)製、商品名:出光
ポリプロ E−250G,MI 0.9g/10分(23
0℃,2.16kgf)〕70重量部、ムーニー粘度〔M
L1+4 100℃〕70のエチレン−プロピレン共重合ゴ
ム10重量部、平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム粉末
20重量部、銅害防止剤〔3−(N−サリチロイル)ア
ミノ−1,2,4−トリアゾール〔旭電化工業(株)
製,商品名:アデカスタブCDA−1)〕0.5重量部及
び酸化防止剤(住友化学工業(株)製,商品名:スミラ
イザーGA−80「フェノール系」及びスミライザーT
PD「イオウ系」の1:1(重量比)〕0.7重量部をド
ライブレンドしたのち、二軸混練機(神戸製鋼所製、N
CM)にて混練し、ペレットを作製した。
0.5mm、径30mmのコルゲートチューブを製造し
た。次いで、このコルゲートチューブを巻き径300m
mのラックに装着したのち、重クロム酸−硫酸混液(エ
ッチング剤)にてエッチング処理を実施した。その後、
中和剤を用いて、表面に残存するエッチング剤を除去し
た。このようにしてエッチング処理されたチューブ表面
に、水溶性高分子アミンを用いて十の極性基を付与した
のち、触媒として、塩化第一スズ・塩化パラジウムのコ
ロイド粒子を吸着させ、次いで、アクセレーターとし
て、金属パラジウムを析出させた。次に、無電解銅メッ
キ処理を施すことにより、コルゲートチューブ表面に銅
を析出させたのち、さらに、アクチベーターとして、銅
表面を活性化後、無電解ニッケルメッキ処理により、防
錆効果のあるニッケル皮膜を形成させた。このようにし
てメッキ処理したコルゲートチューブについて、100
回折り曲げ試験をしたが、メッキ膜の剥がれは全く認め
られなかった。また、300MHzの磁界波、電界波に
対するシールド効果を求めたところ、共に60dB以上
であり、満足しうる値であった。
ポリプロ E−250G,MI 0.98g/10分(2
30℃,2.16kgf)〕64重量部、ムーニー粘度
〔ML1+4 100℃〕70のエチレン−プロピレン共重
合ゴム18重量部、平均粒径0.8μmの炭酸カルシウム
粉末18重量部、ハロゲン系難燃剤(エチルコーポレー
ション社製、商品名:SAYTEX8010)64重量
部、三酸化アンチモン18重量部、銅害防止剤〔白色粉
末,融点65℃以上,旭電化工業(株)製,アデカスタ
ブZS−27〕1.8重量部及び酸化防止剤(実施例1と
同じ)1.8重量部をドライブレンドし、以下、実施例1
と同様にして、メッキ処理したコルゲートチューブを製
造した。このメッキ処理したコルゲートチューブについ
て、100回折り曲げ試験をしたが、メッキ膜の剥がれ
は全く認められなかった。また、300MHzの磁界
波、電界波に対するシールド効果を求めたところ、共に
60dB以上であり、満足しうる値であった。さらに、
難燃効果も、酸素指数で27と良好であった。
リプロピレンの量を82重量部に変更した以外は、実施
例2と同様にして、メッキ処理したコルゲートチューブ
を製造した。このメッキ処理したコルゲートチューブに
ついて、折り曲げ試験をしたところ、12回でメッキ膜
の剥がれが発生した。すなわち、メッキ膜の密着強度が
不充分であった。また、300MHzの磁界波、電界波
に対するシールド効果は、共にかなり低く、かつバラツ
キがあり、EMIシールド用としては不適であった。 比較例2 ポリプロピレン〔出光石油化学(株)製、商品名:出光
ポリプロ E−250G,MI 0.98/10分(23
0℃,2.16kgf)〕38重量部、平均粒径0.8μm
の炭酸カルシウム粉末62重量部、ブロム系難燃剤(エ
チルコーポレーション社製、商品名:SAYTEX80
10)46重量部、三酸化アンチモン8重量部、銅害防
止剤(実施例2と同じ)1.5重量部及び酸化防止剤(実
施例2と同じ)1.5重量部をドライブレンドし、以下、
実施例1と同様にして、メッキ処理したコルゲートチュ
ーブを製造した。この場合、耐環境応力亀裂性(ESC
R)によるクラックが発生し、さらに、メッキ工程を経
るに伴い大きな割れとなり、使用不可となった。
ューブは、ポリプロピレン系樹脂製コルゲートチューブ
が本来有する特性、すなわち加工性や可撓性などを保持
するとともに、優れた電磁波シールド性を有し、例えば
OA機器分野,自動車分野,家電分野,住宅設備分野,
通信分野などの各種電線のEMIシールド用として好適
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)ポリプロピレン系樹脂40〜95
重量%、(B)エチレン−プロピレン共重合ゴム0〜3
0重量%及び(C)炭酸カルシウム5〜30重量%を含
有する基本組成100重量部に対し、(D)銅害防止剤
0.01〜2.0重量部及び(E)酸化防止剤0.01〜2.0
重量部を配合した樹脂組成物からなるコルゲートチュー
ブに、メッキ処理を施したことを特徴とする電磁波シー
ルド用コルゲートチューブ。 - 【請求項2】 樹脂組成物が、基本組成100重量部に
対し、さらに(F)ハロゲン系難燃剤と難燃助剤との組
み合わせ50〜100重量部を配合したものである請求
項1記載の電磁波シールド用コルゲートチューブ。 - 【請求項3】 樹脂組成物の難燃性が、酸素指数(O
I)23〜32であるか、又はUL94難燃規格におい
て、厚み3.18〜0.79mmでV−Oである請求項2記
載の電磁波シールド用コルゲートチューブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33116896A JP3262155B2 (ja) | 1996-12-11 | 1996-12-11 | 電磁波シールド用コルゲートチューブ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33116896A JP3262155B2 (ja) | 1996-12-11 | 1996-12-11 | 電磁波シールド用コルゲートチューブ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10173386A JPH10173386A (ja) | 1998-06-26 |
JP3262155B2 true JP3262155B2 (ja) | 2002-03-04 |
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JP (1) | JP3262155B2 (ja) |
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-
1996
- 1996-12-11 JP JP33116896A patent/JP3262155B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10173386A (ja) | 1998-06-26 |
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