JP3261425B2 - 固体イオン導電体 - Google Patents
固体イオン導電体Info
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- sulfonic acid
- ionic conductor
- acid
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Description
導電体に関し、より詳細には、燃料電池、一次電池、二
次電池、エレクトロミックディスプレイ、イオンセンサ
ー、ガスセンサー等に有用な含水系の固体イオン導電体
に関する。
エレクトロミックディスプレイ、イオンセンサー、ガス
センサー等において電極間の短絡を防止しつつ電極間の
イオン伝導を可能とする為に固体イオン導電体が使用さ
れており、例えば固体高分子型燃料電池においてはアノ
ードからカソードに水素イオンが移動しやすいようにパ
ーフルオロカーボンスルホン酸樹脂からなる高分子膜が
使用されていた。
うな従来の高分子膜を使用すると、放電電流が増大する
につれて電圧が低下するため放電電流に限界があるとい
う問題があり、このような現象の原因の一つとして高分
子膜自身が有している電気抵抗が挙げられていた。
減する、すなわちイオン伝導性を向上させるための研究
がなされており、特開平2-198642号公報にはパーフルオ
ロスルホネートポリマーにポリエチレングリコールとパ
ーフルオロアルキルスルホネートとを配合したイオン導
電体が開示されている。また、特開平5-205755号公報に
はパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂と、炭化水素系
イオン交換樹脂又はフッ素化炭化水素系イオン交換樹脂
との混合体からなる高分子固体電解質が開示されてい
る。
体にあっても未だ、イオン伝導性の向上すなわち電気抵
抗の低減は充分に達成されず、しかも物性が充分に均一
な導電体を得るのは困難であった。
オン導電体の電気抵抗の充分な低減すなわちイオン伝導
性の充分な向上を可能とし、しかも物性が充分に均一な
含水系の固体イオン導電体を提供することにある。
含水系の固体イオン導電体を用いて放電特性に優れた燃
料電池を提供することにある。
体は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂のみを高分
子マトリックスとする含水系の固体イオン導電体であっ
て、下記一般式(1): (X1−SO3 -)aM (1) [一般式(1)中、X1は炭素数1〜14のアルキル
基、及び炭素数1〜14のアルキル基を有するベンゼン
環残基からなる群から選択される基であり、Mは水素イ
オン及び金属陽イオンからなる群から選択されるイオン
であり、aは1又は2である] で表わされるスルホン酸低分子化合物が該パーフルオロ
カーボンスルホン酸樹脂中に分散混合されていることを
特徴とするものである。
パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂のみを高分子マト
リックスとする含水系の固体イオン導電体であって、下
記一般式(2): (X2−SO3 -)aM (2) [一般式(2)中、X2は炭素数1〜14のフッ素置換
アルキル基からなる群から選択される基であり、Mは水
素イオン及び金属陽イオンからなる群から選択されるイ
オンであり、aは1又は2である] で表わされるスルホン酸低分子化合物が該パーフルオロ
カーボンスルホン酸樹脂中に分散混合されていることを
特徴とするものである。
カソードと、該アノードと該カソードとの間に配置され
ている高分子固体電解質膜とを備えた燃料電池であっ
て、該高分子固体電解質膜が上記本発明の含水系の固体
イオン導電体からなることを特徴とするものである。
について説明する。
説明する。
伝体)は、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂のみを
高分子マトリックスとする含水系の固体イオン導電体で
あって、下記のスルホン酸低分子化合物がそのパーフル
オロカーボンスルホン酸樹脂中に分散混合されているこ
とを特徴とするものである。すなわち、本発明にかかる
スルホン酸低分子化合物は、下記の一般式(1)あるい
は一般式(2): (X1−SO3 -)aM (1) (X2−SO3 -)aM (2) で表わされるスルホン酸低分子化合物である。
〜14、好ましくは3〜12、特に好ましくは4〜8、
のアルキル基、及び炭素数1〜14、好ましくは4〜1
3、特に好ましくは9〜12、のアルキル基を有するベ
ンゼン環残基からなる群から選択される基である。ま
た、一般式(2)中のX2は炭素数1〜14、好ましく
は3〜10、特に好ましくは4〜6、のフッ素置換アル
キル基からなる群から選択される基である。なお、上記
アルキル基、上記アルキル基を有するベンゼン環残基の
アルキル基、フッ素置換アルキル基はいずれも、直鎖状
のものであっても、分枝状のものであってもよい。ま
た、フッ素置換アルキル基は、一部フッ素置換アルキル
基であってもよいが、パーフルオロアルキル基が好まし
い。
は一般式(2)中のX2で表わされる基におけるアルキ
ル基の炭素数が15以上の場合は、スルホン酸低分子化
合物の疎水性が大きくなり過ぎ、かかる化合物全体がパ
ーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の疎水性領域に取り
込まれてしまうため、このような化合物を配合しても後
述するイオン通過経路におけるスルホン酸基が増大せ
ず、結果的にイオン伝導性が向上しない。また、スルホ
ン酸低分子化合物がベンゼン環より疎水性が高いナフタ
レン環のような芳香環を含む場合も同様に、このような
化合物を配合してもイオン伝導性の向上は達成されな
い。
らなる群から選択されるイオンであり、aはMの価数に
応じて1又は2である。即ち、本発明にかかるスルホン
酸低分子化合物はスルホン酸(Mが水素イオン)であっ
ても、スルホン酸塩(Mが金属陽イオン)であってもよ
い。かかる金属陽イオンとしては、ナトリウム、リチウ
ム、カリウム、マグネシウム又はカルシウムが好ましい
ものとして挙げられ、ナトリウム又はカルシウムが特に
好ましい。本発明にかかるスルホン酸低分子化合物がナ
トリウム塩又はカルシウム塩であると、塩酸のような酸
溶液中でナトリウム又はカルシウムがプロトンに置換し
やすいためスルホン酸基への変換速度が速く、しかもか
かるナトリウム塩又はカルシウム塩は合成しやすいため
である。
ホン酸低分子化合物としては、イソプロパンスルホン
酸、ヘキサンスルホン酸、ノルマルプロパンスルホン
酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンス
ルホン酸、フェニルオクチルスルホン酸、ドデシルベン
ゼンスルホン酸、並びにこれらのナトリウム塩、リチウ
ム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩が
挙げられ、イソプロパンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、及びそれらの塩が特に好ましい。これらの
スルホン酸低分子化合物は、疎水性の部分が適度にパー
フルオロカーボンスルホン酸樹脂の疎水性領域に取り込
まれるため、このような化合物を配合した場合は後述す
るイオン通過経路におけるスルホン酸基が効率良く増大
し、イオン伝導性が効果的に向上する。しかも、これら
のスルホン酸低分子化合物は、適度な嵩高さを有するた
め、比較的多めに混合しても後述するイオン通過経路が
塞がれないという点でも有効である。
なスルホン酸低分子化合物としては、パーフルオロメタ
ンスルホン酸、パーフルオロエチルスルホン酸、パーフ
ルオロイソプロピルスルホン酸、パーフルオロノルマル
プロピルスルホン酸、パーフルオロノルマルブチルスル
ホン酸、パーフルオロヘキシルスルホン酸、並びにこれ
らのナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシ
ウム塩及びカルシウム塩が挙げられる。なお、一般式
(2)で表わされる化合物は、一般式(1)で表わされ
る化合物より疎水性が大きいために、パーフルオロカー
ボンスルホン酸樹脂と混合体全体としての疎水性が増大
し、イオン輸送に必要な水分を十分に保持する能力が減
少することから、一般式(1)で表わされる化合物の方
がより好ましい。
記のスルホン酸低分子化合物がパーフルオロカーボンス
ルホン酸樹脂中に分散混合されている。本発明にかかる
好適なパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂としてはポ
リテトラフルオロエチレンよりなる主鎖とスルホン酸基
を有する側鎖とからなるものが挙げられ、特に下記一般
式(3):
10000(好ましくは約1000)であり、zは1〜
30である]で表わされるものが好ましい。一般式
(3)で表わされるパーフルオロカーボンスルホン酸樹
脂は、「ナフィオン」の商品名(デュポン社製)で市販
されている。このようなパーフルオロカーボンスルホン
酸樹脂は、図1に示すようなクラスター構造を有してお
り、イオン伝導性が特に優れている。すなわち、パーフ
ルオロカーボンスルホン酸樹脂においてはスルホン酸基
1が図1に示すように外径約4.8nm、内径約4.2
nmの複数の球2を構成しており、隣接する球2の内部
が直径約1nmの連通管3で接続されている。そして、
球2の内部に水が存在し、イオン4がその内部でスルホ
ン酸基と着脱を繰り返すことによって効率良く伝搬する
と考えられている。
る高分子マトリックスは上記のパーフルオロカーボンス
ルホン酸樹脂のみである。すなわち、本発明の固体イオ
ン導電体は、上記のパーフルオロカーボンスルホン酸樹
脂以外の高分子化合物は含まない。ポリエチレングリコ
ールのような他の高分子化合物がパーフルオロカーボン
スルホン酸樹脂中に入ると、図1に示すようなクラスタ
ー構造の一部が破壊され、イオン伝導を阻害する要因と
なることを本発明者らが見出したからである。
ルホン酸低分子化合物の含量は、前記パーフルオロカー
ボンスルホン酸樹脂中のイオン交換基(スルホン酸基)
の数100に対して0.1〜80モル、特に好ましくは
0.1〜50モル、であることが好ましい。上記の含量
が80モルを超えると、膜の力学的強度が低下し、破断
しやすくなり、再生時にひび割れが生じやすくなる傾向
にある。他方、上記の含量が0.1モル未満ではイオン
伝導度が充分に向上しない傾向にある。
て、このようにパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂中
にスルホン酸低分子化合物を分散混合せしめることによ
ってイオン伝導性が向上する、すなわち電気抵抗が減少
する理由を本発明者らは以下のように考える。すなわ
ち、上記化合物の疎水性部分が上記樹脂の疎水性領域に
取り込まれると共に、上記化合物のスルホン酸基が図1
に示すようなクラスター構造のイオンの通過経路に配置
されるので、イオン交換基が増大する。そして、かかる
スルホン酸基が陰イオン性を示すため伝導性の高いプロ
トンやその他の金属陽イオンが結合しやすく、しかも解
離度が高いのでイオン交換基上におけるイオンの移動速
度が向上し、イオン伝導性が促進される。
ーフルオロカーボンスルホン酸樹脂中に吸湿性無機多孔
質粒子及び/又は吸湿性リン化合物が更に分散混合され
ていてもよい。このように吸湿性無機多孔質粒子や吸湿
性リン化合物が上記樹脂中に存在すると、より多くの水
分子が導電体中に保持され、かかる水分子によってイオ
ンが水和されるためイオンが伝導しやすい。また、かか
る樹脂中の狭い空間内においては、水分子同士の押し合
いが生じるので、水和したイオンを押し出す力も働く。
従って、イオン交換基上におけるイオンの移動速度が向
上し、イオン伝導性が促進される傾向にある。
シリカゲルや合成ゼオライトが好ましく、粒子径が0.
1μm〜3mm、平均細孔径が0.5〜520nm、比
表面積が150〜900m2/g、細孔容積が0.05
〜6ml/gのものが特に好ましい。かかる吸湿性無機
多孔質粒子の含量は、パーフルオロカーボンスルホン酸
樹脂100重量部に対して0.5〜60重量部、特に好
ましくは1〜30重量部、が好ましい。
リンが好ましく、吸湿性リン化合物の含量は、パーフル
オロカーボンスルホン酸樹脂100重量部に対して0.
1〜80重量部、特に好ましくは1〜30重量部、が好
ましい。
限されず、用途に応じて適宜選択されるが、固体高分子
型燃料電池等用の高分子膜として使用する場合は、膜厚
が10〜300μm、特に好ましくは30〜200μ
m、であることが好ましい。膜厚が300μmを超える
と、イオン伝導性の低下が顕著となり、使用に耐え得る
電流電圧を発現するのが困難となる傾向にある。他方、
膜厚が10μm未満では、膜の力学的強度が小さく、加
工性が低下し、加工する際にピンホールや裂け目が生じ
る傾向にある。
法について説明する。本発明の固体イオン導電体の製造
方法においては先ず、パーフルオロカーボンスルホン酸
樹脂を溶媒、例えばエタノールと水との混合溶媒、プロ
パノールと水との混合溶媒、に浸し、加熱して溶解させ
て樹脂溶液を得る。この際、樹脂濃度が0.5〜30重
量%であることが好ましい。樹脂濃度が30重量%を超
えると溶液の粘度が高過ぎるためスルホン酸低分子化合
物を均一に混合することが困難となり、また溶液に気泡
が入ってイオン伝導性を低下させる空孔が生じる傾向に
ある。他方、樹脂濃度が0.5重量%未満では膜を形成
することが困難となり、また溶液の親水性が増大して疎
水性のスルホン酸低分子化合物が不溶化してしまう傾向
にある。
オロカーボンスルホン酸樹脂中のイオン交換基(スルホ
ン酸基)の数100に対して好ましくは0.1〜80モ
ル、特に好ましくは0.1〜50モル、のスルホン酸低
分子化合物を添加し、溶解させて混合溶液を得る。
ャスト)した後、乾燥させることによって本発明の固体
イオン導電体が得られる。基材は特に制限されず、表面
が平滑であっても、凹凸を有するものでもよい。また、
乾燥方法として真空乾燥法を採用すると、乾燥時間が短
縮され、更にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂及び
スルホン酸低分子化合物の凝集やこれらの相分離が防止
されるので好適である。
る。図2は、本発明の燃料電池(固体高分子型燃料電
池)の好適な一形態を概念的に示す模式図である。図2
に示す燃料電池5は、アノード6と、カソード7と、ア
ノード6とカソード7との間に配置されている高分子固
体電解質膜8とを備えており、高分子固体電解質膜8が
上記本発明の固体イオン導電体からなるものである。そ
して、アノード6に水素9を供給しかつカソード7に酸
素10を供給すると、高分子固体電解質膜8を介してプ
ロトン11がアノード6からカソード7に移動し、カソ
ード7において水12が生成されると同時に、電子13
が負荷14を介してアノード6からカソード7に流れ
る。このように、図2に示す燃料電池5における反応そ
のものは従来の燃料電池における反応と同様であるが、
前述のように本発明の固体イオン導電体はイオン伝導性
が高いことから、本発明にかかる燃料電池5は放電効率
に優れており、放電電流の増大に伴う電圧低下が低減さ
れる。
細に説明したが、本発明が上記実施形態に限定されない
ことは言うまでもない。例えば、本発明の固体イオン導
電体は、燃料電池以外にも一次電池、二次電池、エレク
トロミックディスプレイ、イオンセンサー、ガスセンサ
ー等にも有用であり、本発明の固体イオン導電体の使用
によって高性能化が図られる。
を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
何ら限定されるものではない。
ィオン117膜」、デュポン社製)を2×2mm程度の
大きさに裁断し、これをエタノールと水との混合溶媒
(容量比1:1)に浸し、230℃に加熱して1時間撹
拌して溶解させて樹脂溶液を得た。樹脂溶液中の樹脂濃
度は10重量%であった。
ホン酸低分子化合物を同表に示す量(用いたパーフルオ
ロカーボンスルホン酸樹脂中のイオン交換基(スルホン
酸基)の数100に対するモル)添加し、溶解させて混
合溶液を得た。
(キャスト)した後、100℃で真空乾燥させることに
よって固体イオン導電膜を得た。
伝導度を測定し、その結果を表1に示す。なお、比較例
1はスルホン酸低分子化合物を添加しなかったブランク
試験であり、電気伝導度のブランクに対する比率として
実施例1〜4の固体イオン導電膜のイオン伝導性を評価
した。また、実施例1〜4の固体イオン導電膜は充分に
均一な物性を有するものであった。
(コール・コールプロット)によって膜抵抗を求め、そ
の値に基づいて以下の式: 電気伝導度 = 電極間距離/(膜断面積×抵抗) [Ω-1cm-1] [cm] [cm2][Ω] により算出した。
かつその添加量を同表に示す量とした以外は実施例1と
同様にして固体イオン導電膜を得た。なお、実施例5に
おいては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとし
て日本油脂(株)製、商品名:ニューレックスソフトタ
イプ30を使用した。
伝導度を実施例1と同様にして測定し、その結果を表2
に示す。更に、実施例5〜8の固体イオン導電膜のイオ
ン伝導性を、電気伝導度のブランク(比較例1)に対す
る比率として評価した。また、実施例5〜8の固体イオ
ン導電膜は充分に均一な物性を有するものであった。
に、本発明にかかるスルホン酸低分子化合物をパーフル
オロカーボンスルホン酸樹脂中に分散混合してなる本発
明の固体イオン導電体膜(実施例1〜8)は、スルホン
酸低分子化合物を含有しないもの(比較例1)に比べて
電気伝導度が優れており、特に前記一般式(1)で表わ
されるスルホン酸低分子化合物を用いた場合(実施例1
〜3及び5〜7)はその傾向が顕著であった。
に、重量減少が0.1%以下になるまで真空乾燥を継続
することによって、電気伝導度を低下させる残存アルコ
ール分を完全に除去した以外は実施例2と同様にして固
体イオン導電膜を得た。
伝導度を実施例1と同様にして測定し、その結果を表3
に示す。なお、比較例7はスルホン酸化合物を添加しな
かったブランク試験であり、電気伝導度のブランクに対
する比率として比較例2〜6の固体イオン導電膜のイオ
ン伝導性を評価した。
タレン環を有するスルホン酸化合物を添加した場合(比
較例2〜6)は、スルホン酸化合物を含有しない場合
(比較例7)よりも却って電気伝導度が劣っていた。
含水系の固体イオン導電体の電気抵抗の充分な低減すな
わちイオン伝導性の充分な向上が可能となり、しかも充
分に均一な物性を有する含水系の固体イオン導電体を得
ることが可能となる。さらに、本発明の含水系の固体イ
オン導電体を用いれば、放電特性に優れた燃料電池が得
られる。
酸樹脂のクラスター構造を概念的に示す模式図である。
す模式図である。
5…燃料電池、6…アノード、7…カソード、8…高分
子固体電解質膜、9…水素、10…酸素、11…プロト
ン、12…水、13…電子、14…負荷。
Claims (13)
- 【請求項1】 パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の
みを高分子マトリックスとする含水系の固体イオン導電
体であって、下記一般式(1): (X1−SO3 -)aM (1) [一般式(1)中、X1は炭素数1〜14のアルキル
基、及び炭素数1〜14のアルキル基を有するベンゼン
環残基からなる群から選択される基であり、Mは水素イ
オン及び金属陽イオンからなる群から選択されるイオン
であり、aは1又は2である] で表わされるスルホン酸低分子化合物が該パーフルオロ
カーボンスルホン酸樹脂中に分散混合されていることを
特徴とする含水系の固体イオン導電体。 - 【請求項2】 前記スルホン酸低分子化合物が、イソプ
ロパンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ノルマルプロ
パンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン
酸、ペンタンスルホン酸、フェニルオクチルスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、並びにこれらのナト
リウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及
びカルシウム塩からなる群から選択される化合物である
ことを特徴とする、請求項1に記載の含水系の固体イオ
ン導電体。 - 【請求項3】 前記スルホン酸低分子化合物が、イソプ
ロパンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸ナトリウム及び
ドデシルベンゼンスルホン酸からなる群から選択される
スルホン酸のナトリウム塩又はカルシウム塩であること
を特徴とする、請求項1に記載の含水系の固体イオン導
電体。 - 【請求項4】 前記スルホン酸低分子化合物の含量が、
前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂中のイオン交
換基の数100に対して0.1〜80モルであることを
特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の含
水系の固体イオン導電体。 - 【請求項5】 前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹
脂中に、吸湿性無機多孔質粒子が更に分散混合されてい
ることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれかに
記載の含水系の固体イオン導電体。 - 【請求項6】 前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹
脂中に、吸湿性リン化合物が更に分散混合されているこ
とを特徴とする、請求項1〜5のうちのいずれかに記載
の含水系の固体イオン導電体。 - 【請求項7】 パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂の
みを高分子マトリックスとする含水系の固体イオン導電
体であって、下記一般式(2): (X2−SO3 -)aM (2) [一般式(2)中、X2は炭素数1〜14のフッ素置換
アルキル基からなる群から選択される基であり、Mは水
素イオン及び金属陽イオンからなる群から選択されるイ
オンであり、aは1又は2である] で表わされるスルホン酸低分子化合物が該パーフルオロ
カーボンスルホン酸樹脂中に分散混合されていることを
特徴とする含水系の固体イオン導電体。 - 【請求項8】 前記スルホン酸低分子化合物が、パーフ
ルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエチルスルホン
酸、パーフルオロイソプロピルスルホン酸、パーフルオ
ロノルマルプロピルスルホン酸、パーフルオロノルマル
ブチルスルホン酸、パーフルオロヘキシルスルホン酸、
並びにこれらのナトリウム塩、リチウム塩、カリウム
塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩からなる群から選
択される化合物であることを特徴とする、請求項7に記
載の含水系の固体イオン導電体。 - 【請求項9】 前記スルホン酸低分子化合物が、パーフ
ルオロメタンスルホン酸のナトリウム塩又はカルシウム
塩であることを特徴とする、請求項7に記載の含水系の
固体イオン導電体。 - 【請求項10】 前記スルホン酸低分子化合物の含量
が、前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂中のイオ
ン交換基の数100に対して0.1〜80モルであるこ
とを特徴とする、請求項7〜9のうちのいずれかに記載
の含水系の固体イオン導電体。 - 【請求項11】 前記パーフルオロカーボンスルホン酸
樹脂中に、吸湿性無機多孔質粒子が更に分散混合されて
いることを特徴とする、請求項7〜10のうちのいずれ
かに記載の含水系の固体イオン導電体。 - 【請求項12】 前記パーフルオロカーボンスルホン酸
樹脂中に、吸湿性リン化合物が更に分散混合されている
ことを特徴とする、請求項7〜11のうちのいずれかに
記載の含水系の固体イオン導電体。 - 【請求項13】 アノードと、カソードと、該アノード
と該カソードとの間に配置されている高分子固体電解質
膜とを備えた燃料電池であって、該高分子固体電解質膜
が請求項1〜12のうちのいずれかに記載の含水系の固
体イオン導電体からなることを特徴とする燃料電池。
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