JP3258839B2 - プラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理方法

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JP3258839B2 JP31407094A JP31407094A JP3258839B2 JP 3258839 B2 JP3258839 B2 JP 3258839B2 JP 31407094 A JP31407094 A JP 31407094A JP 31407094 A JP31407094 A JP 31407094A JP 3258839 B2 JP3258839 B2 JP 3258839B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子サイクロトロン共
鳴を用いたプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路の製造工程にあ
っては、半導体ウエハ上に導体或いは非導体の薄膜成形
操作とエッチング操作等を繰り返し行なって、目的とす
る集積回路を形成している。集積回路の配線パターンと
しては、主にアルミニウム配線が用いられ、これを絶縁
するための層間絶縁膜の材料としては例えばSiO
2(シリコン酸化膜)が用いられ、SiO2膜の形成方法
としては膜質が良好なことからマイクロ波と磁界とを組
み合わせたECR(Electron Cyclotr
on Resonance)プラズマ処理が採用される
傾向にある。
【0003】このECRプラズマ処理を行なうプラズマ
処理装置としては例えば特開平4−257224号公報
や特開平4−271122号公報に開示されており、処
理室内に例えば2.45GHz のマイクロ波を導波管を
介して供給すると同時に所定の大きささ、例えば875
ガウスの磁界を印加してマイクロ波と磁界との相互作用
(共鳴)でガスを高密度プラズマ化し、このプラズマに
より反応性ガスを活性化させてイオン種を形成し、半導
体ウエハ表面にスパッタエッチングと堆積とを同時進行
で施すようになっている。相反するスパッタエッチング
操作と堆積操作はマクロ的に見れば堆積操作の方が優勢
となるようにコントロールされ、全体として堆積を行な
う。
【0004】このようなECRプラズマ処理を行なう時
には、一般的には、ウエハを載置する載置台(サセプ
タ)に例えば13.56MHzの負の高周波バイアス電
圧を印加して、ウエハ側にプラスイオンをできるだけ引
き付けてスパッタ効果をできるだけ発揮させるようにし
ている。この理由は、載置台がノーバイアスの場合に
は、堆積のみが先行して行なわれるのでアルミ配線間に
ボイドが発生する確率が高くなるのに対して、上述のよ
うに負のバイアスを印加すると、スパッタエッチングが
行なわれつつ同時に堆積が行なわれるので、アルミ配線
のエッジ部の堆積物が主にスパッタエッチングの影響を
受けてこの部分の成膜が抑制され、その結果、アルミ配
線間の間口が広くなって深部まで十分に堆積が行なわれ
てボイドの少ない埋め込みが可能となるからである。
【0005】また、このようなECRプラズマ処理を行
なうことにより、別途平坦化処理を行なうことなく、配
線や電極等に起因して生ずる絶縁膜表面の凹凸も平坦化
され、絶縁特性を改善でき、多層構造も形成可能にな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようなECRプラズマ処理にあっては、単にアルミ配
線間を埋め込むだけならば、それ程問題はないが量産性
を考慮すると、堆積効率が劣り、しかもウエハ表面に与
えるダメージも大きいという問題点があった。
【0007】すなわち堆積効率に関しては、実効埋め込
み速度はスパッタエッチング量と堆積量との差分で決ま
るが、これら両者の速度がバランスされずに、例えば堆
積作用が強過ぎるとボイドが多く発生する傾向となり、
逆にスパッタエッチング作用が強過ぎるとアルミ電極が
削れてしまう。このように両者の速度はバランスさせる
ことが必要であるが、堆積速度は必要に応じてかなり増
減が可能であるが、スパッタエッチング速度は堆積速度
に対して十分に上げることができず、従って、実際の処
理においてはスパッタエッチング速度が実効埋め込み速
度を律速してしまい、堆積効率が十分ではなかった。
【0008】この時の状態を図6及び図7に示す。図6
はウエハ中心から周縁部における各部の熱酸化膜のスパ
ッタエッチングレート(右縦軸)と成膜レート(左縦
軸)を示し、図7はウエハ中心部、これより30mm及
び60mm半径方向へ離れた位置におけるウエハの断面
模式図である。尚、ウエハ載置台へは13.56MHz
の負の高周波バイアス電圧を印加している。
【0009】図5から明らかなようにウエハ中心から離
れるに従ってスパッタエッチング量(右縦軸)が低下
し、これと同時に成膜量(左縦軸)も低下している。ま
た、ウエハ中心部であるポイントP1のウエハ断面図
(図7(A))では、アルミ電極3、3間にボイドがほ
とんど発生していないが、ウエハ中心部より30mm程
度離れたポイントP2のウエハ断面図(図7(B))で
は僅かにボイド2が発生し、更にウエハ中心部より60
mm離れたウエハ周縁部であるポイントP3のウエハ断
面図(図7(C))では、大きなボイド4が発生してい
る。すなわちスパッタエッチングレートが低くなる程、
ボイドも発生し且つ成膜レートも低下してしまってい
る。
【0010】ウエハ表面のダメージは次のように生じ
る。一般に半導体素子のゲート酸化膜は50〜100Å
と非常に薄く、例えば10V程度の電位差で破壊されて
しまうが、上記したECRプラズマ処理ではウエハ上の
プラズマ密度が面内不均一になってそのプラズマの電位
分布の不均一がウエハ表面にそのまま反映されてしま
う。例えばウエハ中心部上方にプラズマイオンが比較的
多く集まり、ウエハ周縁部の上方にはプラズマイオンが
少なくなると、ウエハ中心部と周縁部間に電位差が生
じ、これが限界値以上になると上述したようにゲート酸
化膜等が絶縁破壊を生じてダメージを受けることにな
る。従って、製品の歩留まりもかなり低下してしまうと
いう問題があった。
【0011】本発明は以上のような問題点に着目し、こ
れを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の
目的は、成膜の堆積効率が良好で、しかもダメージが少
なくて製品歩留まりも向上させることができるプラズマ
処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、ボイドを発生させることなく堆積効率を向上さ
せるには、堆積効率を律速するスパッタエッチングレー
トを向上させればよい点及びこのレートを上げ、しかも
ダメージを減少させるためには載置台に供給する高周波
バイアス電圧の周波数をプラズマイオンの振動周波数以
下に設定することにより、プラズマイオンを引き込み周
波数に追随させて振動させればよい、という知見を得る
ことによりなされたものである。
【0013】すなわち、本発明は、被処理体上の所定の
配線パターン間に層間絶縁膜をプラズマにより埋め込み
成膜を行なうプラズマ処理方法であって、ガスをプラズ
マ化する工程と、前記被処理体に、前記工程により発生
したプラズマイオンの振動周波数以下で、且つ1MHz
以上の範囲内の所定の周波数の高周波を、静電チャック
を介して印加する工程と、を備え、これにより、スパッ
タエッチングとデポジションとを同時に進行させて前記
配線パターン間に層間絶縁膜の埋め込み成膜を行なうよ
うに構成したものである。
【0014】
【作用】本発明は、以上のように構成したので、真空容
器中のプラズマイオンは、吸引用高周波供給手段から与
えられる周波数に十分に追従して振動することになり、
この結果、被処理体表面へ衝突するイオンのエネルギも
大きくなってエッチングレートも増大する。従って、こ
れにバランスさせて成膜レートも向上させることができ
るので、全体として堆積効率を大幅に向上させることが
できる。この場合、エッチングレートが比較的大きいこ
とから、例えばアルミ電極間の間口が十分に広く維持さ
れ、深部まで成膜物を導入することができ、ボイドの発
生を抑制することが可能となる。
【0015】更に、プラズマイオンをイオン吸引用の周
波数に追従させて振動させることができることから、被
処理体表面には、プラスとマイナスの電荷が振動数に合
わせて交互に入るので被処理体表面の電荷は直ちに中和
されてしまい、被処理体面内に大きな電位差が生ずるこ
とを防止してゲート酸化膜等が絶縁破壊等されることを
阻止することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明に係るプラズマ処理方法の一
実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に
係るプラズマ処理方法を実施するプラズマ処理装置を示
す概略断面図、図2はプラズマ吸引用高周波供給手段の
周波数とスパッタエッチングレートとの関係を示すグラ
フである。
【0017】図示するようにこのプラズマ処理装置6
は、例えばアルミニウム等により形成された段部状の真
空容器8を有しており、この真空容器8は上方に位置し
てプラズマを発生させるプラズマ室10とこの下方に連
通させて連結される反応室11とに内部が区画されてい
る。
【0018】この真空容器8の上端は、開口されてこの
部分に例えば石英等のマイクロ波を透過する材料で形成
された透過窓12がOリング等のシール部材14を介し
て気密に設けられおり、容器8内の真空状態を維持する
ようになっている。この透過窓12の外側には、例えば
2.45GHZのプラズマ発生用高周波供給手段として
の高周波源16に接続された導波管18が設けられてお
り、高周波源16にて発生した高周波を導波管18で案
内して透過窓12からプラズマ室10内へ導入し得るよ
うになっている。
【0019】プラズマ室10を区画する側壁には、その
周方向に沿って均等に配置したプラズマガスノズル20
が設けられると共にこのノズル20には、図示しないプ
ラズマガス源、例えばArガス源とO2ガス源が接続さ
れており、プラズマ室10内の上部にArガスやO2
ス等のプラズマガスを均等に供給し得るようになってい
る。尚、図中ノズル20は図面の煩雑化を防止するため
2本しか記載していないが、実際にはそれ以上設けてい
る。また、プラズマ室10を区画する側壁の外周には、
これに接近させて磁界印加手段として例えばリング状の
電磁コイル22が配置されており、このプラズマ室10
内に例えば上方から下方に向かう例えば875ガウスの
磁界Bを形成し得るようになっており、ECRプラズマ
条件が満たされている。尚、電磁コイル22に代えて永
久磁石を用いてもよい。
【0020】このようにプラズマ室10内に周波数の制
御されたマイクロ波と磁界Bを形成することにより、こ
れらの相互作用により上記周波数にて上記導入ガスに共
鳴作用が生じてプラズマが高い密度で形成されることに
なる。すなわちこの装置は、電子サイクロトロン共鳴
(ECR)プラズマ処理装置を構成することになる。一
方、上記反応室11内には、容器底部に絶縁材24を介
して支持されたサセプタとしてのアルミニウム製の載置
台26が設けられており、この上面の載置面には例えば
静電チャック28を介して被処理体である半導体ウエハ
Wが吸着保持されている。
【0021】この載置台26には、ウエハWを所定の温
度に加熱する例えばセラミックヒータ30や図示しない
プッシャピン等が設けられている。また、載置台26に
は、本発明の特長とするプラズマ吸引用高周波供給手段
としての高周波源32がブロッキングコンデンサ31を
介して接続されており、ウエハWにイオンを吸引するた
めに負のバイアス電圧を印加するようになっている。こ
の高周波源32の周波数は、従来使用されていた13.
56MHzではなく、反応室11内のプラズマイオンの
振動周波数と同等か或いはそれ以下の周波数に設定され
る。
【0022】このプラズマイオンの振動周波数は、イオ
ン密度、内部圧力、温度等によって決まるが、現状にて
使用される処理条件においては略10MHzが最高であ
り、従って、この高周波源32の周波数は10MHz
下、好ましくは2MHz程度に設定する。そして、反応
室11を区画する側壁には、この中に反応ガスとして例
えばシラン(SiH4)を導入するための反応ガス導入
ノズル34が設けられると共にウエハWを搬出入すると
きに内部を開放するゲートバルブ36が気密に開閉可能
に設けられている。尚、反応ガス導入ノズル34は、反
応室11内にガスを均等に導入するように容器の周方向
に均等配置するようにしてもよい。
【0023】また、この真空容器8の底部には、図示し
ない真空ポンプに接続された排気口38が設けられてお
り、容器内雰囲気を底部排気口38より均等に排出し得
るようになっている。尚、真空容器8自体は接地されて
ゼロ電位になされている。
【0024】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、真空容器8の側壁に設け
たゲートバルブ36を開いて図示しない搬送アームによ
りウエハWを載置台26上に載置し、これを静電チャッ
ク28により吸着保持する。次に、このゲートバルブ3
6を閉じて内部を密閉した後、排気口38より内部雰囲
気を排出して所定の真空度まで真空引きし、そして、プ
ラズマガスノズル20からプラズマ室10内へO2ガス
やArガス等のプラズマ発生用ガスを導入すると共に反
応ガス導入ノズル34から反応室11内へシランガスを
導入して内部圧力を所定のプロセス圧に維持しつつ、プ
ラズマ発生用高周波源16やプラズマ吸引用高周波源3
2を駆動し、ウエハW上へのSiO2の成膜処理を開始
する。
【0025】プラズマ発生用高周波源16からの2.4
5GHzの高周波は、導波管18を搬送されて真空容器
8の天井部に至り、ここの透過窓12を透過してマイク
ロ波40がプラズマ室10内へ導入される。このプラズ
マ室10内には、プラズマ室10の外側に設けた電磁コ
イル22により発生した磁界Bが上方から下方に向けて
例えば875ガウスの強さで印加されており、この磁界
Bとマイクロ波40との相互作用でE(電界)×B(磁
界)を誘発して電子サイクロトロン共鳴が生じ、この共
鳴によりArガスやO2ガスがプラズマ化され、且つ高
密度化される。このプラズマ室10にて発生した高密度
プラズマは、プラズマ吸引用高周波源32により負の高
周波バイアス電圧の印加された載置台11に吸引されて
下降して反応室11内に流れ込む。
【0026】反応室11内に流れ込んだプラズマイオン
は、ここに供給されている成膜用ガスであるSiH4
スを活性化させて活性種を形成し、ウエハ表面上にSi
2の成膜を施すことになる。前述したようにこのEC
R成膜処理においては、スパッタエッチングとデポジシ
ョン(堆積)が同時に進行してデポジションの方が優勢
になるようにコントロールすることにより、成膜表面の
凹凸を削りつつそれ以上の量の堆積を行なって平坦化処
理を行なうようになっている。
【0027】この場合、先に図6を参照して説明したよ
うにスパッタエッチングレートの低いウエハ周縁部にお
いては、成膜レートも低く且つ電極間等にボイドの発生
する確率も高くなる。すなわち実効埋め込み速度を高く
して且つ良好な埋め込みを行なうにはスパッタエッチン
グ量とデポジション量をバランスさせつつスパッタエッ
チング量を上げなければならないが、従来の13.56
MHzの負バイアス高周波電圧ではこれに限界があっ
た。これに対して、本発明においては載置台26に印加
するプラズマ吸引用の負バイアス電圧としてプラズマ室
10或いは反応室11内のプラズマイオンの振動周波数
と同等か或いはそれ以下の周波数、例えば2MHzの高
周波を使用しているので、従来の上限量を超えてスパッ
タエッチング量を高くでき、従って、これにバランスさ
せて制御が比較的容易なデポジション量を高くできるの
で、結果的に実効埋め込み速度が高くなり(量産性の向
上)、且つボイドもない品質良好な成膜を得ることがで
きる。しかも、ウエハ表面がプラズマイオンから受ける
ダメージも減少させることができ、結果的に製品歩留ま
りも向上させることが可能となる。
【0028】このようにプラズマイオンの振動周波数以
下の周波数の負バイアスを載置台に印加することにより
スパッタエッチング効率を向上させることができる理由
は以下のように推測される。すなわち従来のようにプラ
ズマイオンの振動周波数以上の高い周波数、例えば1
3.56MHzの高周波を載置台に印加すると、周波数
が高すぎてプラズマイオンが追従して振動できず、する
と図4に示すようにウエハ表面を0Vとするとこの上方
に電圧VDCの直流のバイアス成分が表れてきて、この電
圧VDCの電位差でイオンがウエハ表面に衝突してスパッ
タエッチングが行なわれる。そして、この電圧VDCは、
イオン引き込み用の高周波電圧V0よりも低いのでスパ
ッタエッチング量は、それ程大きくはならない。
【0029】これに対して、本発明においては、上述の
ようにイオン引き込み用高周波をプラズマイオンの振動
周波数と同等かそれ以下に設定しているので、この周波
数に追従してプラズマイオンが振動することになる。す
ると図4にて示したように従来発生していた直流バイア
ス成分は発生せず、従って、プラズマイオンはイオン引
き込み用高周波の持つピークツウピークの振幅と略同じ
大きさの電位差V0でウエハ表面に衝突してスパッタエ
ッチングが行なわれることになる。
【0030】このようにイオン引き込み用高周波をプラ
ズマイオンの振動周波数以下に設定することにより、ス
パッタエッチング時のイオンに対する電位差を大きくし
て衝突エネルギを大きくできるので、スパッタエッチン
グ量を増加させることができる。図2は載置台に印加す
る負バイアス電圧の周波数fとプラズマスパッタエッチ
ングレートとの関係を示すグラフであり、この周波数f
がプラズマイオンの振動周波数fi以下の場合には、高
いスパッタエッチングレートを示すが、この周波数を超
えて大きくなると急激にエッチングレートが低下して好
ましくないことが判明する。
【0031】プラズマイオンの振動周波数は、プラズマ
の密度、プロセス圧力、ガス種類、温度等によって一義
的に決まるが、現在一般的に行なわれる処理条件下では
略10MHz程度が最高であり、この時の処理条件は、
例えばガスとしてSiH4 を用い、プラズマの密度、プ
ロセス圧力、プラズマイオン温度はそれぞれ1010〜1
11cm-3、5mTorr以下、0.1eV以下であ
る。
【0032】また、イオン引き込み用高周波の周波数は
過度に低くなるとスパッタエッチングを行なうことがで
きず、1MHz以上の大きさとする。この理由は、この
負バイアス用の高周波のパワーを絶縁材である静電チャ
ックを介してウエハに導入しなければならないが、周波
数が1MHzを超えて小さくさるとこの静電チャック部
分におけるインピーダンスが大きくなり過ぎてしまって
ウエハまで高周波パワーを導入できなくなるからであ
る。従って、負バイアス用の高周波源の周波数は、1M
Hz以上で10MHz以下の範囲内で設定する。
【0033】本実施例におけるプロセス条件は、SiH
4,O2及びArの流量は、それぞれ44SCCM,56
SCCM及び110SCCMである。プロセス圧力は
7.5mTorr,プラズマ発生用高周波源16は2.
45GHzでそのパワーは1100Wであり、また、プ
ラズマ吸引用の高周波源32は2MHzでそのパワーは
1000Wである。この時の実効成膜速度は1700Å
/minを得、良好な結果を得ることができた。図3は
プラズマ吸引用の高周波源の周波数を13.56MHz
(従来装置)と2MHz(本発明装置)に設定した時の
スパッタエッチングレート(平均値)を比較したグラフ
であり、13.56MHzの時のレートを基準として表
している。このグラフから明らかなように供給電力に関
係なく、周波数を2MHzにした本発明装置の場合は、
従来装置に比較して1.8倍の高いエッチングレートを
示している。
【0034】このような高いエッチングレートを示すプ
ロセス条件でECR成膜処理を行なうことにより、前述
のように実効埋め込み速度が高くなって量産性を向上で
き、しかもボイドもない品質良好な成膜を得ることがで
きる。図5はこの時の状況を説明するための模式図であ
り、バイアス電圧を2MHzに設定してウエハW表面に
SiO2の成膜を形成する時、アルミ電極3、3の肩部
すなわちエッジ部3A、3Aに対応する部分に堆積した
成膜部42A(図中破線にて示す)が効率良くスパッタ
エッチングされるので凹部44の間口径46が常に大き
く維持され、従って、凹部44の深部まで活性種が侵入
してボイドが発生しないように成膜することが可能とな
る。
【0035】そして、このようにエッチング量が増加し
たことに対応させてデポジション量をバランスさせて増
加させることにより、実効埋め込み速度を高めて量産性
を向上させることができる。この点に関して、従来装置
の実効埋め込み速度は1600Å/minであったが、
本発明装置の場合は、2400Å/minまで向上させ
ることができた。
【0036】また、このようにプラズマ吸引用高周波源
の周波数をプラズマイオンの振動周波数以下に設定する
ことにより、図4にて説明したようにプラズマイオンは
イオン引き込み高周波に追従して振動し、従って、ウエ
ハ表面にはプラスイオンとマイナスイオンが交互に侵入
することになるので、ウエハ表面の上方におけるプラズ
マ分布に偏りが生じた結果ウエハ表面内に電位差が生じ
ても、上記したプラスイオンとマイナスイオンの交互の
侵入によりウエハ表面上の電荷が中和されてこの電位差
が解消されることになり、従って、ゲート酸化膜等を絶
縁破壊するような大きな電位差が生ずることながく、製
品歩留まりを向上さることもできる。
【0037】この点に関して、13.56MHZの周波
数を用いた従来の装置では、製品歩留まりは約40%で
あったが、2MHzの周波数を用いた本発明の装置では
約90%まで向上させることができた。尚、上記実施例
では、電子サイクロン共鳴を発生させるためにプラズマ
発生用の高周波源16の周波数として2.45GHz
用い、その時の磁界の強さを875ガウスに設定した
が、これらの値に限定されず、これらの値を2の倍数で
割った値或いは乗算した値を用いてもよい。例えば2で
割った値、すなわち1.225GHzの周波数と43
7.5ガウスの磁界を用いるようにしてもよい。
【0038】また、本実施例ではウエハ表面を上方に向
けたいわゆるフェースアップ方式の装置を例にとって説
明したが、これに限定されず、図1に示す装置を上下逆
様にしたような、いわゆるフェースダウン方式の装置に
も適用し得るのは勿論である。
【0039】次に、本発明の関連技術について説明す
る。前述のようなECRプラズマ処理の成膜で、例えば
アルミ配線間の絶縁膜を形成し、これをSOG(Spi
n On Glass)膜の下地膜として使用する場合
には、耐透水性の優れた応力変化の小さい膜を均一状態
で形成する必要があり、更に、装置課題として低ダメー
ジ、面内均一性、低パーティクル、in−situクリ
ーニングによるスループットの向上が挙げられ、これら
を改善する必要がある。
【0040】従来、層間絶縁膜の平坦化はプラズマCV
D/エッチバック/SOGの組合せで対処してきたが、
デバイスの多層配線化に伴ってこの平坦化が一層重要な
課題になってきた。ところで、SOGは、メタルの欠損
やコロージョン、ホットキャリア耐性の劣化などの問題
を内在しており、今後の微細化にともなってこれらの問
題を回避するためには自身の水分の少ない、しかも耐透
水性の高い下地層が必要とされる。
【0041】このような状況下において、ECRプラズ
マを用いたSiO2膜は高信頼性の層間絶縁膜として適
用することができる。尚、このECRプラズマSiO2
膜は、SOGのみならずTEOS/O3の下地膜やCM
P(Chemical Mechanical Pol
ishing)対応の埋め込みプロセスにも適用でき
る。
【0042】図8は上記した処理を行なうECRプラズ
マ処理装置を示す断面図であり、ウエハ面を下向きに支
持したフェースダウン構造のものを示す。尚、前述した
ようにこのフェースダウン構造のECRプラズマ処理装
置を用いて先に説明した本発明装置を構成してもよいの
は勿論である。図中50は真空容器であり、この中は例
えばO2ガスとArガスを導入するプラズマ室52と、
SiH4ガスを導入する反応室54に区分される。この
フェースダウン構造では反応室54は、プラズマ室52
の上方に位置される。
【0043】プラズマ室52側には、石英製の透過窓5
6を介して例えば2.45GHzのマイクロ波が導入さ
れると共に周縁部に配置した電磁コイル58により内部
に所定の強さの磁界を発生させ、磁界とマイクロ波の相
互作用によるECRプラズマ条件を満たすように設計さ
れている。また、このプラズマ室52の側部には、側壁
を冷却するための冷却水を流すクーラ手段60を設けて
いる。
【0044】上記反応室52内には、下端部に静電チャ
ック62を設けたステージ64(載置台に対応する)が
天井部より下方に突出させて設けられており、この下端
にウエハWを吸着保持している。このステージ64には
2KWまで印加可能な高周波バイアス電源66が接続さ
れると共にウエハを所定温度まで加熱する図示しない加
熱手段も設けられている。そして、この反応室52内に
は、均等配置したガス導入ノズル68から反応ガス、す
なわちSiH4を供給するようになっている。この反応
室52内は、排気口70より例えば500リットル/秒
の図示しない2台のターボ分子ポンプで真空引きするよ
うになっている。
【0045】上記したような装置を用いて、SOGの下
地層としてプラズマSiO2膜を形成するのであるが、
そのプロセス工程は、先の本発明にて説明したと略同様
にして行なわれる。この場合には、ステージ64に印加
する負バイアス高周波電圧の周波数は、10MHz以下
に限定されず例えば13.56MHzでもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明のプラズマ処
方法によれば次のように優れた作用効果を発揮するこ
とができる。ECRプラズマを用いて成膜処理を行なう
ときに、載置台に供給するプラズマ吸引用のバイアス高
周波電圧の周波数を、プラズマイオンの振動周波数と同
等かそれ以下となるように設定したのでこのバイアス電
圧の周波数に追従させてプラズマイオンを振動させるこ
とができる。従って、成膜効率を律速するスパッタエッ
チングレートを高めることができるので、被処理体表面
上に膜質の良好な成膜を効率よく堆積させることができ
る。また、上述のようにプラズマイオンをプラズマ吸引
用高周波の周波数に追従させて振動させることにより、
プラスイオンとマイナスイオンが交互に被処理体表面に
侵入するので、たとえプラズマが被処理体表面の直上に
て不均一に分布していたとしても、被処理体表面に存在
する電荷が中和されてしまい、被処理体表面に絶縁破壊
等のダメージが発生することを抑制でき、製品歩留まり
を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ処理方法を実施するプラ
ズマ処理装置を示す概略断面図である。
【図2】プラズマ吸引用高周波供給手段の周波数とスパ
ッタエッチングレートとの関係を示すグラフである。
【図3】プラズマ吸引用の高周波源の周波数を13.5
6MHzと2MHzに設定したときのスパッタエッチン
グレート(平均値)を比較したグラフである。
【図4】被処理体表面における電位の状態を説明するた
めの説明図である。
【図5】本発明のプラズマ処理方法による成膜過程を説
明するための模式図である。
【図6】従来のプラズマ処理装置による成膜時のスパッ
タエッチングレートと成膜レートを示すグラフである。
【図7】図6に示すグラフ中の各ポイントにおける成膜
状態を模式的に示す模式図である。
【図8】本発明の関連技術を説明するためのプラズマ処
理装置を示す断面図である。
【符号の説明】
3 アルミ電極 6 プラズマ処理装置 8 真空容器 10 プラズマ室 11 反応室 12 透過窓 16 プラズマ発生用高周波供給手段 18 導波管 20 プラズマガスノズル 22 電磁コイル(磁界印加手段) 26 載置台 32 プラズマ吸引用高周波供給手段 34 反応ガス導入ノズル 40 マイクロ波 B 磁界 W 半導体ウエハ(被処理体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 朗 東京都港区赤坂5丁目3番6号 東京エ レクトロン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−315268(JP,A) 特開 昭60−91645(JP,A) 特開 昭56−33839(JP,A) 特開 昭63−292625(JP,A) 特開 平4−216628(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 H01L 21/31 H01L 21/316

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理体上の所定の配線パターン間に層
    間絶縁膜をプラズマにより埋め込み成膜を行なうプラズ
    マ処理方法であって、 ガスをプラズマ化する工程と、 前記被処理体に、前記工程により発生したプラズマイオ
    ンの振動周波数以下で、且つ1MHz以上の範囲内の所
    定の周波数の高周波を、静電チャックを介して印加する
    工程と、を備え、 これにより、スパッタエッチングとデポジションとを同
    時に進行させて前記配線パターン間に層間絶縁膜の埋め
    込み成膜を行なうことを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 前記プラズマイオンの振動周波数は、1
    0MHzであることを特徴とする請求項1記載のプラズ
    マ処理方法。
  3. 【請求項3】 前記所定の周波数は、2MHzであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ化する工程は、ECR(電
    子サイクロトロン共鳴)によって行われることを特徴と
    する請求項1乃至のいずれかに記載のプラズマ処理方
    法。
  5. 【請求項5】 前記層間絶縁膜は、SiO2 膜であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のプラ
    ズマ処理方法。
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