JPH1167493A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JPH1167493A
JPH1167493A JP9227764A JP22776497A JPH1167493A JP H1167493 A JPH1167493 A JP H1167493A JP 9227764 A JP9227764 A JP 9227764A JP 22776497 A JP22776497 A JP 22776497A JP H1167493 A JPH1167493 A JP H1167493A
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JP
Japan
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plasma processing
plasma
frequency
electric field
electromagnetic wave
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Application number
JP9227764A
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English (en)
Inventor
Toru Otsubo
徹 大坪
Ichiro Sasaki
一郎 佐々木
Toshio Masuda
俊夫 増田
Junichi Tanaka
潤一 田中
Tetsunori Kaji
哲徳 加治
Katsuya Watanabe
克哉 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1)高選択エッチングと高精度、高速エッチン
グの両立 2)膜質と高速成膜の両立 3)上記プロセスを両立する基本課題はプラズマ中の電
子エネルギレベルの独立制御。 【解決手段】1)プラズマ中に電磁波を放射し、電磁波
の電界によりプラズマ中の電子にエネルギを与え制御す
る。 【効果】本発明により、高選択エッチングと高精度、高
速エッチングあるいは膜質と成膜速度など従来技術では
両立が難しい特性の両立がはかれる。これにより半導体
デバイスや液晶表示素子などの処理の高性能化がはか
れ、より高性能なデバイスの生産が可能になるととも
に、これらのデバイスを歩留まり良く、高い生産性で生
産できる効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマ処理装置に
関し、特に半導体デバイスや液晶表示素子の微細パター
ンを形成するのに好適なプラズマエッチング、微細構造
薄膜の形成に好適なプラズマCVD処理などのプラズマ
処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスのエッチング処理に好適
な、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法として、特
開平4−239128号公報、特開平8−195379
号公報等に示されるものがある。前者は基板に入射する
イオンのエネルギを磁場により自己バイアス電圧を制御
してダメージを低減したエッチング処理をするものであ
り、後者は容量結合電極とそれに接続した電磁誘導コイ
ルに高周波電圧を印加し、低圧で高密度プラズマを発生
し、制御性の優れたプラズマ処理を実現するものであ
る。
【0003】しかし、これらの従来技術は処理基板に入
射するイオンエネルギ制御、高密度プラズマの発生等の
特徴はあるが、今後のより高集積化した半導体素子の生
産を容易にするプラズマ中のラジカル制御という点につ
いては十分考慮されているとはいえない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
1)プラズマによるエッチング処理、CVD処理などの
特性を大きく左右する要因の1つはプラズマ中で電子衝
突により生成されるラジカルである。このラジカルの発
生量、発生するラジカル種は、プラズマ中の電子のエネ
ルギ状況により決まる。
【0005】このプラズマ中電子のエネルギ状態は処理
圧力による衝突頻度、プラズマ中電子の拡散による消滅
割合等で決まる。プラズマ中の電子のエネルギ状態は中
性分子、イオン等との衝突により統計的分布になり、圧
力のように衝突頻度を変えることで統計的分布を変える
以外、その分布を制御することは困難であった。そのた
め、従来電子エネルギ状態を制御するためには処理圧力
を制御する方法が取られていた。しかし処理圧力を制御
する方法は、エッチング処理では微細加工性等のエッチ
ング特性に影響、プラズマCVDでは成膜速度、膜質に
影響する。
【0006】2)本発明では圧力のようなプロセス条件
とは別にプラズマ発生手段、イオンエネルギ制御手段と
独立したプラズマ中の電子エネルギ制御手段を提供する
ことにある。
【0007】3)高選択エッチング、高精度エッチング
に不可欠なラジカル量、ラジカル種を制御するプラズマ
中の電子エネルギ状態の適正化、により高速処理、高精
度処理、と高選択処理が両立出来るエッチング方法およ
びエッチング装置を提供することにある。
【0008】4)プラズマCVDでは成膜ガスのプラズ
マ中での分解状況が成膜した膜の膜質、膜組成を左右す
る。プラズマ中の電子エネルギ状態の適正化により、膜
質と成膜速度が両立できるプラズマCVD方法、プラズ
マCVD装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
1)容量結合放電によるプラズマ発生手段、そのプラズ
マ中に高周波電界により電磁波を放射する手段、により
容量結合放電で発生したプラズマ中の電子に電磁波によ
りエネルギを与えるようにした。
【0010】これにより、電子のエネルギは電磁波によ
り制御できるようになり、容量結合放電と電磁波放射に
供給される電力割合を変えることにより、プラズマ中の
電子エネルギ状況を変えることが出来、ラジカル量、ラ
ジカル種が制御できると共にプラズマの密度分布を制御
することができる。
【0011】2)上記手段とは独立に、発生する電磁波
の電界とほぼ垂直方向に磁場を形成する磁場発生手段を
設け、プラズマ中に電磁波が進行しやすくした。
【0012】これにより、プラズマ中の電子はこの電磁
波よりエネルギが供給され電子のエネルギ状況を制御で
きると共に、電磁波が進行することにより電子にエネル
ギが供給される領域を制御できる。
【0013】3)また、上記磁場の磁場強度を放射され
る電磁波の周波数に対し、電子サイクロトロン共鳴が発
生する条件を含めて可変に出来るようにした。
【0014】これにより、プラズマ中の電子に与えるエ
ネルギレベルを磁場強度を変えることにより制御でき
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1に示し、
図1を用いて説明する。
【0016】図1において、処理室:1の中にはステー
ジ電極:2、対向電極:3が対向して設けられている。
処理室:1の本体は接地された金属容器で形成され、上
部は石英板:4で形成されており、処理室:1と石英
板、各電極の接合部は真空シール構造となっており、処
理室:1内を真空に排気できる構造となっている。ま
た、処理室:1には図示しない処理ガス供給機構があ
り、処理ガスを供給しながら図示しない排気制御機構に
より処理室:1内の圧力を目的の圧力に制御できる様に
なっている。
【0017】ステージ電極:2には処理基板:5が裁置
できる構造になっており、図示しない温度制御機構によ
りプラズマ処理中の処理基板:5の温度を制御できるよ
うになっている。また、ステージ電極:2には処理基板
に入射するイオンのエネルギを制御するバイアス電源
(2MHz):6が接続されている。
【0018】対向電極:3は高周波印加リング電極:3
a、3b、およびアースリング電極:3cから成ってお
り、高周波印加リング電極:3a、3b には100MH
zの高周波電源:7が接続されており、アースリング電
極:3cは接地されている。
【0019】処理室:1の外周にはコイル:8が設けら
れており、処理室内に磁場を形成形成できるようになっ
ている。
【0020】次に本一実施例によるエッチング処理での
動作例を説明する。
【0021】ステージ電極:2に処理基板:5を搬入
し、載置する。図示しないエッチングガス供給源より設
定流量のエッチングガス(弗化炭素系ガス)を供給し、
処理室内の圧力が1Paになるよう排気を制御する。処
理基板には半導体デバイスの絶縁膜である酸化シリコン
膜、シリコン膜が形成されている。この処理基板をステ
ージ電極:2に静電的に吸着させるとともに、図示しな
いヘリウムガス供給源より基板とステージ電極:2の間
にHeガスを供給し、処理基板のエッチング処理中の温
度上昇を防止する。
【0022】対向電極である高周波印加リング電極:3
a、3bに100MHzの高周波電力を1.5KW投入し、
放電によりプラズマを発生させる。高周波印加リング電
極:3a、3bと処理室内の真空雰囲気の間は石英板:
4で分離されているため、プラズマにたいするエネルギ
の供給は容量結合により行われる。この場合、シースと
プラズマの界面に形成される電界は小さいため電子のエ
ネルギ分布はマクスウェル・ボルツマン分布に近い。
【0023】高周波印加リング電極:3a、3bとアー
スリング電極:3cの間には高周波電界Eが形成され、
この電界から磁界がいせいされ形成され、更に電界が形
成されるというように電磁波が放射される。容量結合に
よる放電により、プラズマ密度は1010/cm3台のに達す
るため、放射される電磁波はプラズマ中に進行は出来な
いが、石英板:4の近傍では電界が発生するため、この
電界により電子は直接加速されエネルギを受け取ること
が出来る。この場合、エネルギを受け取る電子は石英板
近傍の電子だけであり、その割合は少ないが、電子のエ
ネルギレベルは容量結合により発生したプラズマに比べ
高くなる。
【0024】このように本一実施例ではプラズマに供給
されるエネルギは、容量結合によるものと、高周波電界
による直接加熱の2通りの経路があり、各経路により電
子が受け取るエネルギレベルが異なるため、各経路の電
力割合を変えることで電子のエネルギ状況を変えること
が出来る。変える方法としては石英板:4の厚さを変え
る方法、高周波リング電極とアースリング電極の間隔を
変える方法がある。石英板の厚さを厚くすると容量結合
のインピーダンスが高くなり、放電電圧が高くなり電磁
波放射の割合が増え、容量結合で供給される電力割合が
下がり電子のエネルギレベルは高くなる。高周波リング
電極とアースリング電極の間隔を狭くすると高周波電界
が強くなり電磁放射の割合が増え、同様に電子のエネル
ギレベルは高くなる。これらの逆にすれば容量結合だけ
の放電によるエネルギレベルに近づけることができる。
【0025】バイアス電源:6より2MHzの高周波電力
を500W投入すると700Vppの電圧が発生し、プラ
ズマからのイオンを加速して基板に入射させることがで
き、基板表面ではイオンのアシストにより、プラズマに
より分解されたエッチングガス(弗化炭素系ガス)と酸
化シリコン膜、シリコン膜が反応しエッチングが進行す
る。
【0026】電子のエネルギレベルが高いと、弗化炭素
系ガスの分解が進み、弗素系ラジカル量が増え、シリコ
ン膜のエッチング速度が向上する。また、このようなガ
ス分解が進んだ条件ではエッチング断面形状も垂直に近
くなり、分解が進まない条件では順テーパ形状になりや
すい。半導体デバイスの製造では絶縁膜である酸化シリ
コン膜のエッチング速度に対するシリコン膜のエッチン
グ速度を出来るだけ小さくし、エッチング断面形状も出
来るだけ垂直に近づけることが必要である。そのために
は弗化炭素系ガスの分解状況を適切に制御し、両者を両
立させる条件を見つけることが必要である。
【0027】本発明では先に述べたように、石英板の厚
さ、高周波リング電極とアースリング電極の間隔等を調
整することにより、弗化炭素系ガスの分解状況を制御で
き、エッチング特性の最適化ができる。
【0028】また、高周波印加リング電極:3a、3
b、アースリング電極の寸法を変えることでプラズマの
分布を変えることもできる。
【0029】次に、本一実施例におけるその他の電子エ
ネルギ制御方法について説明する。
【0030】高周波印加リング電極:3a、3bとアー
スリング電極:3cの間には高周波電界Eが形成され、
電磁波が放射されることは先に説明したが、この一実施
例では無磁場条件であったため、電磁波はプラズマ中に
進行は出来ず、石英板近傍の電子にエネルギを供給する
だけであった。本制御方法ではコイル:8に電流を流
し、磁場Bを形成して電磁波がプラズマ中に進行出来る
ようにした。また、磁場の強度を電磁波の周波数に対し
電子サイクロトロン共鳴を起こす条件を含めて設定でき
るようにし、容量結合放電プラズマへの電磁波の放射と
磁場強度の制御により、電子に与えるエネルギレベルを
制御し、適切な電子エネルギ状態に制御できるようにし
た。
【0031】100MHzの周波数でも、磁場を形成する
と電磁波はプラズマ中に進行出来る条件ができるが、こ
のとき磁場は電磁波の電界に対しほぼ直角方向でなけれ
ばならない。そのため高周波電界による電子の加速は磁
場に拘束され、高周波電界から電子が受け取るエネルギ
は僅かであり、電子のエネルギ状態を僅かに高めるだけ
である。そのためラジカルの生成など低エネルギの電子
を増やすのに効果的である。
【0032】100MHzでの電子サイクロトロン共鳴を
起こす磁場強度に近い30〜40Gに設定すると、電磁
波の高周波電界からプラズマ中の電子に効率よくエネル
ギが供給され、電子のエネルギレベルはイオン化レベル
以上まで高めることができ、エッチングガスの分解を促
進できる。
【0033】このように、磁場強度を変えることによ
り、ラジカルを生成するのに適したレベルからイオン化
レベル以上まで電子のエネルギを制御でき、磁場強度の
調整によりエッチングガスの分解状況を適切にし、エッ
チング特性の最適化が図れる。
【0034】本発明の他の実施例を図2に示し、図2を
用いて説明する。
【0035】本一実施例は図1に示す対向電極:3を形
成する 高周波印加リング電極:3a、3b、およびアー
スリング電極:3cに相当する部分に対するその他の実
施例である。
【0036】図2に示すように高周波印加プレート電
極:10、アースプレート電極:11から成り、くし状
に相対する高周波印加プレート電極:10とアースプレ
ート電極:11の間に高周波電界が生じ、図1の実施例
1で説明したと同じ原理により電磁波が放射される。ま
た、高周波印加プレートがプラズマに対し容量結合によ
り電力を供給する点も図1の実施例1と同じである。
【0037】電子エネルギ状態制御にたいする動作、機
能も上記点を除いては図1の実施例1と同じであるた
め、ここでは省略する。
【0038】さらに、本発明のもう1つの他の実施例を
図3に示し、図3を用いて説明する。
【0039】図3において、処理室:20の中にはステ
ージ電極:2、対向電極:21が対向して設けられてお
り、処理室:20と各電極は絶縁材:22a、絶縁材:
22bにより絶縁されるとともに、処理室:20との接
合部は真空シール構造となっており、処理室:1内を真
空に排気できる構造となっている。対向電極:21には
100MHzの高周波電源:7、ロウパスフィルタ:23
が接続されている。
【0040】処理室:20はアースに接地されており、
その外周にはコイル:8が設けられ、処理室内に磁場を
形成するようになっている。また、処理室:20には図
示しない処理ガス供給機構があり、処理ガスを供給しな
がら図示しない排気制御機構により処理室:20内の圧
力を目的の圧力に制御できる様になっている。
【0041】ステージ電極:2には処理基板:5が裁置
できる構造になっており、図示しない温度制御機構によ
りプラズマ処理中の処理基板:5の温度を制御できるよ
うになっている。また、ステージ電極:2には処理基板
に入射するイオンのエネルギを制御するバイアス電源
(2MHz):6、ハイパスフィルタ:24が接続されて
いる。
【0042】次に本一実施例によるエッチング処理での
動作例を説明する。
【0043】図3において、ステージ電極:2に処理基
板:5を搬入し、載置する。図示しないエッチングガス
供給源より設定流量のエッチングガス(弗化炭素系ガ
ス)を供給し、処理室内の圧力が1Paになるよう排気
を制御する。処理基板には半導体デバイスの絶縁膜であ
る酸化シリコン膜、シリコン膜が形成されている。この
処理基板をステージ電極:2に静電的に吸着させるとと
もに、図示しないヘリウムガス供給源より基板とステー
ジ電極:2の間にHeガスを供給し、処理基板のエッチ
ング処理中の温度上昇を防止する。
【0044】対向電極:21に100MHzの高周波電力
を1.5KW投入し、放電によりプラズマを発生させ
る。対向電極:21とプラズマの間にはシースが形成さ
れ、プラズマにたいするエネルギの供給は容量結合によ
り行われる。この場合、シースとプラズマの界面に形成
される電界は小さいため電子のエネルギ分布はマクスウ
ェル・ボルツマン分布に近い。
【0045】対向電極:21と処理室:20の間には高
周波電界Eが形成され、電磁波が放射される。
【0046】コイル:8に電流を流し、磁場Bを形成す
ると共に、磁場の強度を印加高周波の周波数に対し電子
サイクロトロン共鳴を起こす条件を挟んで設定出来るよ
うにした。
【0047】100MHzの周波数でも、磁場を形成する
と電磁波はプラズマ中に進行出来る条件ができるが、こ
のとき磁場は電磁波の電界に対しほぼ直角方向でなけれ
ばならない。そのため高周波電界による電子の加速は磁
場に拘束され、高周波電界から電子が受け取るエネルギ
は僅かであり、電子のエネルギ状態を僅かに高めるだけ
である。そのためラジカルの生成など低エネルギの電子
を増やすのに効果的である。
【0048】100MHzでの電子サイクロトロン共鳴を
起こす磁場強度に近い30〜40Gに設定すると、電磁
波の高周波電界からプラズマ中の電子に効率よくエネル
ギが供給され、電子のエネルギレベルはイオン化レベル
以上まで高めることができる。このように、磁場強度を
変えることにより、ラジカルを生成するのに適したレベ
ルからイオン化レベル以上まで電子のエネルギを制御で
きる。
【0049】バイアス電源:6より2MHzの高周波電力
を500W投入すると700Vppの電圧が発生し、プラ
ズマからのイオンはこの電圧で加速され基板に入射し、
基板表面ではイオンのアシストにより、プラズマにより
分解されたエッチングガス(弗化炭素系ガス)と酸化シ
リコン膜、シリコン膜が反応しエッチングが進行する。
【0050】電子のエネルギレベルが高いと、弗化炭素
系ガスの分解が進み、弗素系ラジカル量が増え、シリコ
ン膜のエッチング速度が向上する。また、このようなガ
ス分解が進んだ条件ではエッチング断面形状も垂直に近
くなり、分解が進まない条件では順テーパ形状になりや
すい。半導体デバイスの製造では絶縁膜である酸化シリ
コン膜のエッチング速度に対するシリコン膜のエッチン
グ速度を出来るだけ小さくし、エッチング断面形状も出
来るだけ垂直に近づけることが必要である。そのために
は弗化炭素系ガスの分解状況を適切に制御し、両者を両
立させる条件を見つけることが必要である。
【0051】本発明では磁場強度を変えることで、この
弗化炭素系ガスの分解状況を制御でき、酸化シリコン膜
とシリコン膜のエッチング速度比、エッチング形状など
のエッチング特性の最適化が圧力やエッチングガス流
量、高周波電力とは独立に制御できる。
【0052】さらに、本発明のもう1つの他の実施例を
図4に示し、図4を用いて説明する。
【0053】本一実施例の基本構成は図3に示す実施例
と同じであり、ここでは相違点のみを説明する。
【0054】図4において、処理室:20はアースに接
地されておらず、800KHzのバイアス電源:25、1
00MHzのハイパスフィルタ:26が接続されている。
【0055】ステージ電極:2には図示しない基板加熱
機構が組み込まれており、処理基板を室温から500度
摂氏の間の設定値に加熱できるようになっている。
【0056】次に、本一実施例によるプラズマCVD処
理での動作例を説明する。
【0057】図4において、ステージ電極:2に処理基
板:5を搬入し、載置する。図示しないCVDガス供給
源より設定流量のCVDガス(弗化シリコンガス+酸素
ガス)を供給し、処理室内の圧力が4Paになるよう排
気を制御する。処理基板をステージ電極:2に載せ、処
理基板の温度を300度摂氏に加熱する。対向電極:2
1に100MHzの高周波電力、1.5KW投入しステー
ジ電極:2との間に容量結合放電を発生させ、CVDガ
スをプラズマ状態にする。
【0058】対向電極:21には高周波電源:7からの
電力供給により100MHzの高電圧(1400Vpp)
が発生し、処理室:20との間に高周波電界が発生す
る。処理室:20は接地されてはいないが、ハイパスフ
ィルタ:26により100MHzの高周波に対しては接地
されたのと同じ状態であり、図3に示す実施例と同様に
高周波の電磁波を放射する。
【0059】弗化シリコンガスは結合が強く分解が進ま
ず、フッ素が、形成される酸化シリコン膜中に多く吸蔵
される。100MHzの電磁波と磁場の作用により先の図
3に示した実施例と同様に、電子のエネルギレベルを制
御し、弗化シリコンガスの分解を促進して解離したフッ
素ガスを排気するため、酸化シリコン膜中への吸蔵が低
減され膜質の向上を図ることができる。また、弗化シリ
コンガスの分解が促進されるため、解離したシリコンと
酸素ガスの反応も促進され、成膜レートの向上も図れ
る。
【0060】また本一実施例ではハイパスフィルタ:2
4とハイパスフィルタ:26の周波数特性を印加する周
波数の倍周波である200MHzに設定することで、プラ
ズマシースの持っている非線形特性から印加周波数が1
00Mと200Mの混合した周波数になり、磁場強度が
70G前後でも共鳴条件を作ることができる。この倍周
波の混合割合は整合器のリアクタンスとキャパシタンス
の割合を変えることでも実現できる。
【0061】プラズマCVDでは処理室内壁にも酸化シ
リコン膜が形成され、これらが剥がれてパーティクルと
なり、半導体製品を製造する上での課題となっている。
本実施例では処理室:20の内壁面にバイアス電源:2
5から800KHzの高周波電圧を印加でき、これにより
入射イオンエネルギを高める効果と、弗化シリコンガス
の分解により発生したフッ素により、処理室:20の内
壁面に形成される酸化シリコン膜はエッチングされ除去
されるため、成膜中に処理室内壁面に膜が付かず、パー
ティクルの発生を低減できる。
【0062】さらに、本発明のもう1つの他の実施例を
図5に示し、図5を用いて説明する。
【0063】本一実施例の基本構成は図3に示す実施例
と同じであり、ここでは相違点のみを説明する。
【0064】図5において、対向電極:21は対向電
極:21a、対向電極:21bから成り、それぞれの電
極は絶縁材:30aにより相互に絶縁されており、ま
た、絶縁材:30bにより処理室:20とも絶縁されて
いる。それぞれの電極には高周波電源:31、高周波電
源;32が接続されており、高周波電源:31と高周波
電源:32は位相がずれた同じ周波数(本実施例では1
00MHz)を発生し、それぞれの電極に印加するように
なっている。
【0065】位相が異なる高周波を対向電極:21aと
対向電極:21bに印加すると対向電極:21aと対向
電極:21bの間には高周波電界が生じる。位相を18
0度ずらした場合、最も効率よく高周波電界を発生で
き、位相のずれを0度にすると高周波電界は最も弱くな
る。この位相制御と高周波電源:31、32の電力を制
御することで、対向電極:21a、21bの間から発生
する高周波の電磁波電力と対向電極:21bと処理室:
20の間から発生する高周波の電磁波電力の割合を制御
することができ、エッチング処理、プラズマCVD処理
の均一性を制御することができる。また、高周波電源:
31、32の電力を制御することで、容量結合による供
給電力割合を制御し、均一性を制御することもできる。
【0066】更に、本一実施例では2台の高周波電源を
用いているが、1台の電源から対向電極:21a、21
bに供給する電力ラインの間にキャパシタンス、あるい
はリアクタンスを入れ、位相をずらすことをしても同様
の効果を得ることができる。
【0067】プラズマ処理プロセスについても本一実施
例ではエッチングとCVDを中心に説明したがこれに限
定されるものではなく、電子エネルギレベルが処理性能
に影響するようなプロセスであれば同様に適用できるこ
とは明らかである。
【0068】また、本一実施例ではプラズマ発生用高周
波電源の周波数が100MHzの場合について説明してき
た。しかし周波数はこれに限定されるものではなく、高
周波電界による電磁波放射ができる周波数であれば同様
の効果が得られる。現時点で効果が確認されている周波
数は20MHz以上である。
【0069】
【発明の効果】本発明により、高選択エッチングと高精
度、高速エッチングあるいは膜質と成膜速度など従来技
術では両立が難しい特性の両立がはかれる。これにより
半導体デバイスや液晶表示素子などの処理の高性能化が
はかれ、より高性能なデバイスの生産が可能になるとと
もに、これらのデバイスを歩留まり良く、高い生産性で
生産できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の一実施例のプラズマ処理装置
の説明図である。 (b):本発明の一実施例のプラズマ処理装置の説明図
である。
【図2】本発明の他の実施例のプラズマ処理装置の説明
図である。
【図3】本発明の他の実施例のプラズマ処理装置の説明
図である。
【図4】本発明の他の実施例のプラズマ処理装置の説明
図である。
【図5】本発明の他の実施例のプラズマ処理装置の説明
図である。
【符号の説明】
1:処理室、2:ステージ電極、3:対向電極、5:処
理基板、6:バイアス電源、7:高周波電源、8:コイ
ル、20:処理室、21:対向電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/31 H01L 21/302 B (72)発明者 田中 潤一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 加治 哲徳 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 渡辺 克哉 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ処理室内に設けた容量結合形放電
    手段と、高周波電界による電磁波放射手段と、前記両手
    段を共に動作させて発生させたプラズマにより試料を処
    理する手段とを具備したことを特徴とするプラズマ処理
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記高周波電界による
    電磁波放射手段が、高周波電圧を印加する容量結合放電
    手段の電極とその近傍に設けた接地部材とにより構成さ
    れることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記近傍に設けた接地
    部材がプラズマ処理室壁面であることを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記高周波電界による
    電磁波放射手段が位相が異なる高周波電圧をそれぞれ印
    加した絶縁された部材から構成されることを特徴とする
    プラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記高周波電界による
    電磁波放射手段が、高周波電圧を印加する容量結合放電
    手段の電極と、その近傍に設けた前記高周波電圧の周波
    数に対して透過特性を持たせたフィルタにより接地され
    た部材とから構成されることを特徴とするプラズマ処理
    装置。
  6. 【請求項6】プラズマ処理室内に設けた容量結合形放電
    手段と、高周波電界による電磁波放射手段と、前記放射
    される電磁波の電界に対しほぼ垂直の磁場を形成する手
    段と、前記各手段を共に動作させて発生させたプラズマ
    により試料を処理する手段とを具備したことを特徴とす
    るプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記高周波電界による
    電磁波放射手段が、高周波電圧を印加する容量結合放電
    手段の電極とその近傍に設けた接地部材とにより構成さ
    れることを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記近傍に設けた接地
    部材がプラズマ処理室壁面であることを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  9. 【請求項9】請求項6において、前記高周波電界による
    電磁波放射手段が、位相が異なる高周波電圧をそれぞれ
    印加した絶縁された部材から構成されることを特徴とす
    るプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】請求項6において、前記高周波電界によ
    る電磁波放射手段が、高周波電圧を印加する容量結合放
    電手段の電極と、その近傍に設けた前記高周波電圧の周
    波数に対して透過特性を持たせたフィルタにより接地さ
    れた部材とから構成されることを特徴とするプラズマ処
    理装置。
  11. 【請求項11】プラズマ処理室内で容量結合によりプラ
    ズマを発生させると共に、前記プラズマ中に高周波電界
    による電磁波を放射しながら試料をプラズマ処理するこ
    とを特徴とするプラズマ処理方法。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記プラズマ中の
    高周波電界により電磁波を放射する部分を複数箇所設
    け、プラズマ処理の均一性を制御し、試料をプラズマ処
    理することを特徴とするプラズマ処理方法。
  13. 【請求項13】プラズマ処理室内で容量結合によりプラ
    ズマを発生させると共に、前記プラズマ中に高周波電界
    による電磁波放射し、前記電磁波の電界に対しほぼ垂直
    方向に磁場を発生ながら試料をプラズマ処理することを
    特徴とするプラズマ処理方法。
  14. 【請求項14】請求項13において、前記磁場強度が放
    射される電磁波の周波数にたいし、電子サイクロトロン
    共鳴を起こさせる条件付近に設定し、試料をプラズマ処
    理することを特徴とするプラズマ処理方法。
JP9227764A 1997-08-25 1997-08-25 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Pending JPH1167493A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000018198A1 (fr) * 1998-09-24 2000-03-30 Seiko Epson Corporation Generateur de plasma a electrodes de substrat et procede de traitement de substances/materiaux
KR100552641B1 (ko) * 2000-04-27 2006-02-20 가부시끼가이샤 히다치 세이사꾸쇼 플라즈마처리장치 및 플라즈마처리방법
JPWO2004079813A1 (ja) * 2003-03-04 2006-06-08 株式会社日立国際電気 基板処理装置およびデバイスの製造方法

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