JP3257885B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP3257885B2 JP30839493A JP30839493A JP3257885B2 JP 3257885 B2 JP3257885 B2 JP 3257885B2 JP 30839493 A JP30839493 A JP 30839493A JP 30839493 A JP30839493 A JP 30839493A JP 3257885 B2 JP3257885 B2 JP 3257885B2
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  • Epoxy Resins (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体パッケージでIC
チップの封止に用いられる低圧封入エポキシ樹脂組成物
であり、特に、半導体パッケージの中でもピン数が多く
40mm×40mmのようなパッケージサイズが大きい
大型QFP等に用いられる低圧封入エポキシ樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、大型QFPのような大型パッケー
ジには、大型でない通常サイズのパッケージに用いられ
ている低圧封入用エポキシ樹脂組成物が用いられてい
る。大型QFPは、通常の大きさのQFPに較べパッケ
ージサイズが大きいだけでなくピン(リード)の数も多
く、このため、ICチップと外部ピン(外部リード)と
を結ぶワイヤーの数も多くワイヤーの長さの長いものが
多い。このことから大型QFPに、通常の大きさに用い
られている低圧封入用エポキシ樹脂組成物を用いると、
未充填、ボイド、ワイヤー流れ等の成形性不良が起こり
易くなり良品パッケージの歩留りが低下するという欠点
があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような、
未充填、ボイド、ワイヤー流れ等の成形性不良の問題点
を解決するため種々の検討の結果なされたもので、その
目的とするところは、大型QFP等の大型パッケージの
成形時に、未充填、ボイド、ワイヤー流れ等の問題を起
こさない成形性に優れた低圧封入用エポキシ樹脂組成物
を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)50重
量%ジオキサン溶液の溶液粘度が25〜45cst/2
5℃であるエポキシ樹脂、(B)50重量%エタノール
溶液の溶液粘度が30〜50cst/25℃であるフェ
ノール樹脂硬化剤、(C)硬化促進剤及び(D)無機充
填材からなるエポキシ樹脂組成物において、該無機充填
材が(a)平均粒径7〜17μmで、粒径1〜48μm
の粒子を90重量%以上含む破砕シリカ、(b)平均粒
径25〜35μmで、粒径1〜48μmの粒子を80重
量%以上含む球状シリカ、(c)平均粒径0.3〜0.
9μmで、粒径1μmパスの粒子を80重量%以上含む
球状シリカからなり、その重量比が(a)/((b)+
(c))=10/90〜25/75、(b)/(c)=
90/10〜97/3であり、全エポキシ樹脂組成物中
の含有量が55〜85重量%であるエポキシ樹脂組成物
である。
【0005】本発明で用いられるエポキシ樹脂は50重
量%ジオキサン溶液の溶液粘度が25〜45cst/2
5℃であり、25cst/25℃未満だと成形時の樹脂
の流れが乱れボイドが発生し、成形性が悪くなる。ま
た、粘度が45cst/25℃を越えるとワイヤー流れ
が発生し成形性不良が起こる。ここで用いられエポキシ
樹脂の種類としてはビスフェノール型エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂等のエポキ
シ基を含むもの全般をいい、上記の溶液粘度の範囲のも
のならいずれでもよい。本発明で用いられるフェノール
樹脂硬化剤は、50重量%エタノール溶液の溶液粘度が
30〜50cst/25℃であり、30cst/25℃
未満だと成形時の樹脂の流れが乱れボイドが発生し、成
形性が悪くなる。また粘度が50cst/25℃より高
くなるとワイヤー流れが発生し成形性不良が起こる。こ
こで用いられるフェノール樹脂硬化剤は、フェノールノ
ボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等のポリフェ
ノール化合物をいい、上記の溶液粘度の範囲のものなら
いずれでもよい。
【0006】本発明で用いられる無機充填材は、(a)
平均粒径7〜17μmで、粒径1〜48μmの粒子を9
0重量%以上含む破砕シリカ、(b)平均粒径25〜3
5μmで、粒径1〜48μmの粒子を80重量%以上含
む球状シリカ、(c)平均粒径0.3〜0.9μmで、
粒径1μmパスの粒子を80重量%以上含む球状シリカ
からなり、その重量比は、(a)/((b)+(c))
=10/90〜25/75、(b)/(c)=90/1
0〜97/3である。破砕シリカ(a)の粒度分布が、
平均粒径7〜17μmで、1〜48μmの粒子が90重
量%以上であるのは、1μm未満の粒子が多くなると、
成形時の粘度が高くなりワイヤー流れ、未充填の問題が
起こり、48μm以上の粒子が多くなると、成形時の粘
度は低くなるが流動性が乱れ、ボイド等が発生し、成形
性不良の問題が起こる。
【0007】また球状シリカ(b)の粒度分布が、平均
粒径25〜35μmで、1〜48μmの粒子が90重量
%以上であるのは、1μm未満の粒子が多くなると、成
形時の粘度が高くなりワイヤー流れ、未充填の問題が起
こり、48μm以上の粒子が多くなると、成形時の粘度
は低くなるが流動性が乱れ、ボイド等が発生し成形性不
良の問題が起こる。球状シリカ(c)は成形時の流動
性、充填性を良くするために配合するものであり、その
粒度分布は平均粒径0.3〜0.9μmで、1μmパス
の粒子が80重量%以上である。また重量比で、(b)
/(c)は、90/10〜97/3であることが重要で
ある。球状シリカ(c)の粒度分布で1μmオンの粒子
が多くなると流動性、充填性を良くする効果がなくな
る。また(b)/(c)>97/3になると、球状シリ
カ(c)の配合効果がなくなり、流動性、充填性が悪く
なり、(b)/(c)<90/10になると粘度が高く
なりワイヤー流れ等が発生する。
【0008】一方、破砕シリカと球状シリカの重量比
は、破砕シリカ/球状シリカ=(a)/((b)+
(c))=10/90〜25/75であり、(a)/
((b)+(c))<10/90と球状シリカの割合が
多くなると、エポキシ樹脂硬化物の強度が低下し、QF
Pのような表面実装パッケージに必要とされる耐半田ク
ラック性が低下する。また重量比で(a)/((b)+
(c))>25/75と、破砕シリカが多くなると流動
性が低下し、未充填等の不良が発生する。ここで用いら
れる無機充填材であるシリカ(a)、(b)、(c)の
合計の含有量は、全エポキシ樹脂組成物中55〜85重
量%であり、55重量%未満であると、硬化物の曲げ強
度が低下したり、吸水率が高くなる等から耐半田クラッ
ク性が低下する。また85重量%を超えるとエポキシ樹
脂組成物の成形時の粘度が高くなり、成形時に未充填、
ワイヤー流れ等が発生し不良となる。
【0009】本発明に用いる硬化促進剤は、エポキシ樹
脂のエポキシ基とフェノール樹脂硬化剤の水酸基との反
応を促進するものであればよく、一般に封止材料にに使
用されているものを広く使用することができ、例えば、
ジアザビシクロウンデセン、トリフェニルホスフィン、
ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等を
単独でも混合して用いてもよい。本発明の低圧封入用エ
ポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬
化剤、硬化促進剤及び無機充填材を必須成分とするが必
要に応じ、シランカップリング剤、ブロム化エポキシ樹
脂、三酸化アンチモン等の難燃剤、カーボンブラック、
ベンガラ等の着色剤、天然ワックス、合成ワックス等の
離型剤及びシリコーンオイル、ゴム等の低応力添加剤等
の種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。又、本
発明の低圧封入用エポキシ組成物を成形材料として製造
するには、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、硬化
促進剤、無機充填材硬化剤、その他の添加剤をミキサー
等によって充分均一に混合した後、さらに熱ロールまた
はニーダー等で溶融混練し、冷却後粉砕して成形材料と
することができる。これらの成形材料は大型QFPはも
とより一般のQFP、DIP、SOJ等の半導体の封止
に適用することができる。
【0010】以下、実施例で本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 50重量%ジオキサン溶液の溶液粘度が表1に示した特性のクレゾールノボラ ックエポキシ樹脂 14.0 重量部 50重量%エタノール溶液の溶液粘度が表1に示した特性のフェノールノボラ ック樹脂 7.3 重量部 表1に示したような粒度特性の破砕シリカ(a)、球状シリカ(b)、(c) の混合物 73.0 重量部 トリフェニルホスフィン 0.25重量部 カーボンブラック 0.35重量部 カルナバワックス 0.7 重量部 シランカップリング剤 0.8 重量部 シリコーンオイル 3.6 重量部 をミキサーで常温で混合し、70〜100℃でニーダ
ー、熱ロールで混練し冷却粉砕し成形材料とした。得ら
れた成形材料をタブレット化し、低圧トランスファー成
形機にて175℃、70kg/cm2、120秒の条件
で12.0×12.0mmのチップを用い、304ピン
パッケージを封止した。このパッケージの外観を実体顕
微鏡で観察し、ボイド、未充填を、ソフトX線によりワ
イヤー流れを調べた。
【0011】スパラルフロー:EMMI−I−66に準
じ、175℃で測定。 曲げ強度:JIS−K−6911に準じ、テンシロンに
より室温での強度を測定。 ボイド:10ヶのパッケージを超音波探傷機により観察
し、0.5mmφ以上のボイドが1ヶ以上あるパッケー
ジを不良パッケージとした。 未充填:10ヶのパッケージを実体顕微鏡により観察
し、未充填部分があるパッケージを不良パッケージとし
た。 ワイヤー流れ:10ヶのパッケージにつきソフトX線に
よりワイヤーの状態を観察し、X(%)=(ワイヤーの
最大変位距離(mm))/(ワイヤー長さ(mm))×
100 において、Xが5%以上のワイヤーがあるパッ
ケージを不良パッケージとした。表1に示すようにボイ
ド、未充填、ワイヤー流れのない成形性に優れたもので
あった。
【0012】実施例2、3 表1に示した材料特性のクレゾールノボラックエポキシ
樹脂、フェノールノボラック樹脂、シリカを用い実施例
1と同一の配合割合で、実施例1と同様にして成形材料
を得た。実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に
示す。全てボイド、未充填、ワイヤー流れのない優れた
成形性を示した。 比較例1〜11 表2、表3に示した材料特性のクレゾールノボラックエ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂、シリカを用い
実施例1と同一の配合割合で、実施例1と同様にして成
形材料を得た。実施例1と同様評価した。評価結果を表
2、表3に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【発明の効果】本発明によるとボイド、未充填、ワイヤ
ー流れがなく成形性に極めて優れていることより、ピン
数が多くパッケージサイズの大きい大型QFP等の低圧
封入材料として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 63/00 - 63/10 C08G 59/62 C08K 3/36 H01L 23/29

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)50重量%ジオキサン溶液の溶液
    粘度が25〜45cst/25℃であるエポキシ樹脂、
    (B)50重量%エタノール溶液の溶液粘度が30〜5
    0cst/25℃であるフェノール樹脂硬化剤、(C)
    硬化促進剤及び(D)無機充填材からなるエポキシ樹脂
    組成物において、該無機充填材が(a)平均粒径7〜1
    7μmで、粒径1〜48μmの粒子を90重量%以上含
    む破砕シリカ、(b)平均粒径25〜35μmで、粒径
    1〜48μmの粒子を80重量%以上含む球状シリカ、
    (c)平均粒径0.3〜0.9μmで、粒径1μmパス
    の粒子を80重量%以上含む球状シリカからなり、その
    重量比が(a)/((b)+(c))=10/90〜2
    5/75、(b)/(c)=90/10〜97/3であ
    り、全エポキシ樹脂組成物中の含有量が55〜85重量
    %であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
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JP2016162515A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 株式会社日立製作所 電気絶縁樹脂組成物及びこれを用いた電気絶縁樹脂硬化物、受変電設備

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