JP3257731B2 - 抗潰瘍活性を有するベンゾジアゼピン誘導体 - Google Patents

抗潰瘍活性を有するベンゾジアゼピン誘導体

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JP3257731B2 JP24271293A JP24271293A JP3257731B2 JP 3257731 B2 JP3257731 B2 JP 3257731B2 JP 24271293 A JP24271293 A JP 24271293A JP 24271293 A JP24271293 A JP 24271293A JP 3257731 B2 JP3257731 B2 JP 3257731B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗潰瘍活性を有するベン
ゾジアゼピン誘導体およびそれを含有する潰瘍治療剤に
関する。更に詳しくは、本発明は、潰瘍治療後の再発率
の低いヒスタミンH2受容体拮抗薬に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決すべき課題】現在、消化性潰瘍
治療薬として最も一般的なものはヒスタミンH2受容体
拮抗薬(H2B)である。代表的なH2Bとして、シメチジ
ン(cimetidine)、ラニチジン(ranitidine)、ロキサ
チジン(roxatidine)、ファモチジン(famotidine)並
びにニザチジン(nizatidine)を挙げることができる。H
2Bは極めて優れた抗潰瘍剤であるが、潰瘍治癒後の再
発率が高いという問題点を有する。したがって、潰瘍の
治療においては、痛みの軽減、潰瘍の消失と並んで治癒
後の再発を防止することが重要な課題である。
【0003】H2B治療後の潰瘍の再発には様々な因子
が関与すると考えられている。例えば、臨床において、
2B服用による胃酸分泌抑制に伴い、血中ガストリン
値が上昇することが知られているが、このことは次の2
つの潰瘍再発の原因を誘発すると考えられる。1)酸の
リバウンド現象(抗胃酸分泌薬の長期投与により血中ガ
ストリンが上昇し、その結果、ECL細胞や壁細胞が増
加して酸分泌が増大すること)、および2)胃粘膜防御
能の低下(プロスタグランディンの産生が低下し、粘膜
内のプロスタグランディンが減少することによる)。こ
れら2つの主要な潰瘍再発原因の発現を防ぐ方法とし
て、ガストリンの作用を受容体レベルで遮断することが
考えられる。そのようなガストリンブロッカー作用を持
つ薬物としては、例えば特開昭63−238069号公
報に記載されたものがある。しかしながら、現在のとこ
ろ、ガストリン受容体拮抗作用を利用して潰瘍治療後の
再発を軽減させた、臨床に適用可能なH2Bは未だ提供
されていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはH2Bの胃
酸分泌抑制作用を有し潰瘍治療に有効であると同時に、
該胃酸分泌抑制作用に伴う血中ガストリン上昇を受容体
レベルで遮断することにより治療後の再発を最小限に止
め得る効果をも有する抗潰瘍剤を提供することを目的と
して鋭意研究を重ねた結果、式I:
【化6】 [式中、R1およびR3はそれぞれ独立して水素、ハロゲ
ン、低級アルキルまたは低級アルキルオキシ;R2は水
素または低級アルキル;R4は単結合または−CO−;
5は、脂肪族複素環または−NH−;R6は置換基を有
していてもよいC1−C15アルキレンまたは置換基を有
していてもよいC2−C15アルケニレン(ただし、該ア
ルキレンおよび該アルケニレンはそれらの基自体の中で
および/またはそれらの基と隣接する基との間に、O,
SおよびNHから選択される1またはそれ以上の基が介
在していてもよい);R7は以下のいずれかの基:
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】 を表す]で示されるベンゾジアゼピン誘導体(以下、単
に化合物Iとも称する)またはその製薬上許容される塩
が、ヒスタミンH2受容体拮抗作用及びガストリン受容
体拮抗作用を有することを見い出し、本発明を完成し
た。
【0005】即ち、本発明は、化合物Iおよびその塩、
並びにそれらを含有する抗潰瘍剤を提供するものであ
る。式Iで示される化合物はすべて本発明の目的にとっ
て有用であるが、式Iの定義が以下で示される化合物I
が好ましい。R1が水素、R2およびR3が共に低級アル
キルである化合物;R5における脂肪族複素環が、ピロ
リジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリ
ニル、ピペラジニルまたはジオキサニルであり、特にピ
ペリジニルである化合物;R6におけるアルキレンが−
(CH2CH28)p(CH2)qR9(CH2)r−(但
し、R8およびR9は、それぞれ独立して単結合、O、S
またはNH;pは0ないし5の整数;qは1ないし3の
整数;rは0ないし2の整数を表す)である化合物、中
でもR8がO、pが2または3、R9が単結合である化合
物;およびR6におけるアルケニレンが−(CH2−C
(R10)=CH)q−(但し、R10は水素、ヒドロキ
シ、メチル、またはハロゲン;qは1ないし3の整数を
表す)で示される基である化合物。
【0006】以下、本発明を更に詳しく説明する。本明
細書中で用いる用語を以下のように定義する。低級アル
キルとは、C1〜C6の直鎖又は分技状の炭化水素基を意
味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が例示される。
低級アルキルオキシとは炭素数1〜6個の直鎖状または
分枝鎖状のアルキルオキシを意味し、例えばメトキシ、
エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシおよ
びヘキシルオキシ等が例示される。ハロゲンとはフッ
素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。脂肪族複素環
とは任意に選ばれる酸素、硫黄または窒素原子を環内に
1個以上含み、且つ炭素環もしくは他の複素環と縮合し
ていてもよい5〜7員の環を意味し、例えば、ピロリジ
ニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニ
ル、ピペラジニルまたはジオキサニル等が含まれる。C
1−C15アルキレンとは炭素数1〜15個アルキレンを
意味し、具体的には例えばメチレン、エチレン、プロピ
レン、ブチレン、ペンチレン、アミレン、ヘキシレン、
ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデ
シレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレンお
よびペンタデシレン等が挙げられる。
【0007】置換基を有していてもよいC2−C15アル
ケニレンにおけるアルケニレンとは炭素数2〜15個の
アルケニレンを意味し、鎖中に1個以上の2重結合を有
する。そのようなアルケニレンの例として、ビニレン、
1−プロペニレン、2−プロペニレン、1−ブテニレ
ン、2−ブテニレン、3−ブテニレン、1,3−ブタジ
エニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、3−
ペンテニレン、4−ペンテニレン、1,3−ペンタジエ
ニレン、1,4−ペンタジエニレン、2,4−ペンタジエ
ニレン、1−ヘキセニレン、2−ヘキセニレン、3−ヘ
キセニレン、4−ヘキセニレン、5−ヘキセニレン、
1,3−ヘキサジエニレン、1,4−ヘキサジエニレン、
1,5−ヘキサジエニレン、2,4−ヘキサジエニレン、
2,5−ヘキサジエニレン、3,4−ヘキサジエニレン、
3,5−ヘキサジエニレン、1,3,5−ヘキサトリエニ
レン、1−ヘプテニレン、2−ヘプテニレン、3−ヘプ
テニレン、4−ヘプテニレン、5−ヘプテニレン、6−
ヘプテニレン、1,3−ヘプタジエニレン、1,4−ヘプ
タジエニレン、1,5−ヘプタジエニレン、1,6−ヘプ
タジエニレン、2,4−ヘプタジエニレン、2,5−ヘプ
タジエニレン、2,6−ヘプタジエニレン、3,5−ヘプ
タジエニレン、3,6−ヘプタジエニレン、4,6−ヘプ
タジエニレン、1,3,5−ヘプタトリエニレン、2,4,
6−ヘプタトリエニレン、1−オクテニレン、2−オク
テニレン、3−オクテニレン、4−オクテニレン、5−
オクテニレン、6−オクテニレン、7−オクテニレン、
1,3−オクタジエニレン、1,4−オクタジエニレン、
1,5−オクタジエニレン、1,6−オクタジエニレン、
1,7−オクタジエニレン、2,4−オクタジエニレン、
2,5−オクタジエニレン、2,6−オクタジエニレン、
2,7−オクタジエニレン、3,5−オクタジエニレン、
3,6−オクタジエニレン、3,7−オクタジエニレン、
4,6−オクタジエニレン、4,7−オクタジエニレン、
5,7−オクタジエニレン、1,3,5−オクタトリエニ
レン、1,3,6−オクタトリエニレン、1,3,7−オク
タトリエニレン、1,4,6−オクタトリエニレン、1,
4,7−オクタトリエニレン、1,5,7−オクタトリエ
ニレン、2,4,6−オクタトリエニレン、2,4,7−オ
クタトリエニレン、2,5,7−オクタトリエニレン、
1,3,5,7−オクタテトラエニレン、1−ノネニレ
ン、2−ノネニレン、3−ノネニレン、4−ノネニレ
ン、5−ノネニレン、6−ノネニレン、7−ノネニレ
ン、8−ノネニレン、1,3−ノナジエニレン、1,4−
ノナジエニレン、1,5−ノナジエニレン、1,6−ノナ
ジエニレン、1,7−ノナジエニレン、1,8−ノナジエ
ニレン、2,4−ノナジエニレン、2,5−ノナジエニレ
ン、2,6−ノナジエニレン、2,7−ノナジエニレン、
2,8−ノナジエニレン、3,5−ノナジエニレン、3,
6−ノナジエニレン、3,7−ノナジエニレン、3,8−
ノナジエニレン、4,6−ノナジエニレン、4,7−ノナ
ジエニレン、4,8−ノナジエニレン、5,7−ノナジエ
ニレン、5,8−ノナジエニレン、6,8−ノナジエニレ
ン、1,3,5−ノナトリエニレン、1,3,6−ノナトリ
エニレン、1,3,7−ノナトリエニレン、1,3,8−ノ
ナトリエニレン、1,4,6−ノナトリエニレン、1,4,
7−ノナトリエニレン、1,4,8−ノナトリエニレン、
1,5,7−ノナトリエニレン、1,5,8−ノナトリエニ
レン、1,6,8−ノナトリエニレン、2,4,6−ノナト
リエニレン、2,4,7−ノナトリエニレン、2,4,8−
ノナトリエニレン、2,5,7−ノナトリエニレン、2,
5,8−ノナトリエニレン、2,6,8−ノナトリエニレ
ン、3,5,7−ノナトリエニレン、3,5,8−ノナトリ
エニレン、3,6,8−ノナトリエニレン、4,6,8−ノ
ナトリエニレン、1,3,5,7−ノナテトラエニレンお
よび2,4,6,8−ノナテトラエニレン等が挙げられ
る。該アルキレンおよびアルケニレンはハロゲン,低級
アルキル等から選択される1個以上の置換基で置換され
ていてもよい。好ましい置換基は、ハロゲンである。更
に、該アルキレンまたはアルケニレン鎖中の任意の位置
にヘテロ原子が介在する場合、−CH2−は−O−、−
S−、−NH−に−CH=または=CH−は−N=、=
N−に変わる。
【0008】本発明は、式Iで示される化合物と形成し
うる全ての塩を包含する。一般的には、有機または無機
酸や有機または無機塩基と塩を形成しうるが、例えば、
無機塩基としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウ
ムなど)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウ
ムなど)などが挙げられ、有機塩基としては、例えばト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリ
ン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、エタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリスヒドロキシメチル
アミノメタン、ジシクロヘキシルアミンなどが、無機酸
としては例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸
など、有機酸としては例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸、シュウ酸、酒石酸、フマール酸、マレイン酸、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸などが挙げられ、塩基性または酸性アミノ酸と
しては、例えばアルギニン、リジン、オルニチン、アス
パラギン酸、グルタミン酸などが用いられるが、特に無
機酸との塩、または無機塩基との塩が好ましい。また、
前記例示にとらわれることなく、本発明化合物は製薬
的、あるいは薬理学的に許容しうる他の誘導体であっ
て、実質的に温血動物に対して無毒であり、生体内で本
発明化合物に変換されうるものであれば、それらは全て
本発明の意図するところである。
【0009】次に、化合物Iの代表的な製造法について
説明する。化合物Iは、式II:
【化11】 (式中、R1、R2およびR3は上記定義と同意義であ
り、R11は、−OCH3、−OCH2COOH又は−OC
2−R4−R5−R6−R8(式中、R4,R5,R6は前記と
同意義、R8は−COOH又は−SO2NH2)で示される
化合物またはその反応性誘導体と、下記の式:
【化12】 で示される2−(2−グアニジノ)−1,3−チアゾー
ル−4−イルメチルチオ)エチルアミンもしくは1−メ
トキシ−3−((2−グアニジノ−1,3−チアゾール
−4−イル)メチルチオ)プロピルイミノ
【化13】 で示される3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキシ
ノプロピルアミンまたはそれらの反応性誘導体とを、適
宜、公知の酸・塩基反応によりカップリングさせること
により得られる。上記の、本発明化合物Iの合成中間体
である化合物IIも、ガストリン受容体に対する選択的
拮抗作用を有する。
【0010】ガストリンはコレシストキニン(CCK)
と共に、いわゆるガストリン群消化管ペプチドホルモン
に属する。ガストリン受容体は、上部消化管全体、すい
臓、肝臓および胆道系等にも存在するが、主に胃底腺壁
細胞に存在し、胃酸分泌を調節している。一方CCK受
容体は消化管など抹消に存在するもの(CCK−A受容
体と呼ばれる)と、脳内に存在する中枢性のもの(CC
K−B受容体と呼ばれる)との2種類が知られ、それぞ
れ消化管運動、膵液分泌および中枢作用、食欲等の調節
に関与している。従って、これらの受容体に対する拮抗
薬は、ヒトを含む様々な動物の胃腸および中枢神経系に
おける、それぞれのペプチドホルモン関連疾患の治療、
例えば抗腫瘍薬、あるいは膵炎、胆嚢治療薬、胆石発作
の軽減、食欲改善、感応性腸症候群(irritable Bowel
Syndrome)等の治療に有用と考えられている。また、消
化管および中枢における受容体に関する研究から、これ
らのホルモンの生体活性物質としての重要性が明らかに
されている(「脳とペプチド」代謝、Vol.18, No.10、 33
−44 (1981)および特開昭63−238069号公
報)。
【0011】これらホルモンは、化学的に密接な関係に
ある。即ち、ガストリンとCCKペプチドとはC末端5
アミノ酸残基が共通であり、ガストリン受容体とCCK
受容体、特にCCK−B受容体との間には高い相同性が
認められる。そのために、ガストリン受容体拮抗剤とC
CK−B受容体拮抗剤との交差反応が問題となってい
る。例えば、胃腸潰瘍、ゾリンガー−エリソン症候群、
洞C細胞過形成、およびガストリン活性低下等のガスト
リン関連疾患の治療にはガストリン受容体拮抗剤が有用
と考えられるが、CCK−B受容体との交差反応のため
に中枢性副作用の恐れがあり、十分に治療目的を達成す
ることが困難であった。当然のことながら、ガストリン
関連疾患の治療には、中枢性副作用を避けるためにガス
トリン受容体を特異的に拮抗する物質を用いることが望
ましい。例えば胃潰瘍の治療におけるガストリン受容体
−特異的拮抗剤の有用性が指摘されている(代謝29/
七、1992等)。ガストリン受容体拮抗作用を有する
抗胃潰瘍剤はすでに報告されているが(特開昭63ー2
38069号公報等)、上記のように、CCK受容体と
の高い相同性により、ガストリン受容体のみに選択的に
作用する物質は未だ知られていない。
【0012】よって、化合物IIは、中枢性副作用のな
い、胃潰瘍等のガストリン関連疾患の治療剤としても有
用である。尚、化合物IIは、例えば、特開昭63−2
38069号公報に記載の方法に準じて、下記の式で示
される公知化合物より、適宜、公知の方法を用いて合成
可能である。
【化14】 式IIにおいて、R1が水素、R2がメチル、R3がメチ
ル(特にm位)、R11が−OCH2COOCH3である化
合物IIが特に好ましい。また、化合物Iまたは化合物
IIは、適宜公知の方法により、製薬上許容される塩に
変換されるが、酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、
硫酸、スルファミン酸、リン酸等の無機酸塩、硝酸また
は酢酸、クエン酸、乳酸、メタンスルホン酸、プロピオ
ン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュ
ウ酸、安息香酸等の有機酸塩が例示される。
【0013】本発明のベンゾジアゼピン誘導体の抗潰瘍
剤としての有用性について説明する。本発明者らは、H2
B治癒後の潰瘍再発を防止する方法を開発するために種
々検討した。その結果、潰瘍再発の原因となる(1)酸
のリバウンド現象および(2)胃粘膜防御機能の低下を
ガストリン受容体拮抗作用により防止し得るという新知
見を、代表的なH2Bであるファモチジンとガストリン
受容体拮抗薬との合剤を用いて得た(実験例3参照)。
この知見は、当然ながら、H2B治癒後の潰瘍再発防止
にガストリン受容体拮抗作用が有効であることを示唆す
るものである。
【0014】次に、本発明者らは、種々の化合物につい
て、ヒスタミンH2受容体拮抗作用及びガストリン受容
体拮抗作用を調べた所、本発明のベンゾジアゼピン誘導
体が、これらの2種類の作用を有することを見出した
(後述の実験例1および2参照)。以上の結果は、本発
明のベンゾジアゼピン誘導体が、潰瘍再発率の低いH2
Bとして有用であることを示すものである。本発明のベ
ンゾジアゼピン誘導体を潰瘍治療に用いる場合、該誘導
体は経口的または非経口的に投与することができる。経
口投与による場合、本発明化合物は通常の製剤、例え
ば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形剤;水
剤;油性懸濁剤;またはシロップ剤もしくはエリキシル
剤等の液剤のいずれかの剤形としても用いることができ
る。非経口投与による場合、本発明化合物は、水性また
は油性懸濁注射剤として用いることができる。その調製
に際しては、慣用の賦形剤、結合剤、滑沢剤、水性溶
剤、油性溶剤、乳化剤、懸濁化剤等のいずれも用いるこ
とができ、また他の添加剤、例えば保存剤、安定剤等を
含むものであってもよい。本発明化合物の投与量は、投
与方法、患者の年齢、体重、状態および疾患の種類によ
っても異なるが、通常、成人1日当り、約20〜300
mg、好ましくは、約50〜100mgを1〜5回に分
割して投与すればよい。以下に実施例を挙げて本発明を
詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。な
お、以下の実施例中、化合物(I)のR7の部分の基を
下記の如く、略号で表示する。
【0015】FAA:
【化15】 FAB:
【化16】 TZA
【化17】 TZB
【化18】
【0016】参考例1 化合物IV−9の製造
【化19】 1)m−ホルミルフェノキシ酢酸エチル(IV−1) テトラヒドロフラン(100ml)およびジメチルホルム
アミド(100ml)中m−ヒドロキシベンズアルデヒド
(32.87g、0.296mol)溶液に、0℃におい
て、窒素雰囲気下、60%水素化ナトリウムを加えた。
混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をを酢酸エチル
で抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル(259g)の
フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル;10:1ー4:1)に付し、酢酸塩51.76g
(92.3%)を得た。さらに精製することなく、溶出
液を次工程に用いた。
【0017】2)3−(2−(N−メチル)アミノ)フ
ェニルヒドロキシメチル)フェノキシ酢酸エチル(IV
−2) 窒素雰囲気下、1M三塩化ホウ素溶液(180ml)に、
氷冷しながらN−メチルアニリン(15.9g、0.14
8mol)のベンゼン(90ml)中溶液を滴下した。混合
物を3時間加熱還流した(塩化水素ガスが発生)。溶液
を0℃に冷却し、上記1)で得たアルデヒド(IV−
1;30g、0.144mol)とトリエチルアミン(35
g、0.346mol)のベンゼン(90ml)中溶液を混合
した。混合物を室温で1時間撹拌した。氷冷した希塩酸
を加えた。水層を分離し、有機層を希塩酸で抽出した。
水層を合し、10%炭酸ナトリウムで塩基性にし、酢酸
エチルで抽出した。抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をエーテルから結晶化
しアルコール体(IV−2)35.13g(77.3
%)を得た。mp=94−95℃
【0018】3)2−(N−(クロロアセチル)−N−
メチルアミノ)−3’−(カルボエトキシメトキシ)ベ
ンゾフェノン(IV−3) 窒素雰囲気下、0℃で、クロロアセチルクロリド(7.
56g、66.9mmol)のジクロロメタン(20ml)溶
液をアミノアルコール(IV−2;20.85g、6
6.11mmol)とピリジン(5.30g)のジクロロメ
タン(70ml)溶液溶液に滴下し、混合物を0℃で1時
間撹拌した。酢酸エチルを加え、水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣のアセトン(20
0ml)溶液に、0℃でJone's試薬を滴下した。混合物
を1時間撹拌し、水を加えた。混合物を酢酸エチルで抽
出し、抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
減圧濃縮した。残渣をエーテルから結晶化しケトン体
(IV−3)24.17g(93.8%)を得た。mp
=130−131℃
【0019】4)1−メチル−5−(3−(カルボエト
キシメチルオキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2
H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−4) 上記3)で得たベンゾフェノン(IV−3;23.0
g、59.0mmol)、ヨウ化ナトリウム(9.0g、6
0.0mmol)、および炭酸アンモニウム(60g、0.
624mmol)のアセトニトリル(650ml)懸濁液を室
温で3日間撹拌した。不溶性物質を減圧下に留去した。
残渣を酢酸エチルに溶解し、溶液を水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル
(220g)のフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル;1:1)に付し、ベンゾフェノン2
0.35g(97.9%)を得た。
【0020】5)1−メチル−5−(3−(カルボキシ
メトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,
4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−5) 上記4)で得たエステル(IV−4;33.95g、9
6.3mmol)のメタノール(100ml)溶液に4.4%
水酸化ナトリウム水溶液100mlを加えた。溶液を室温
で20時間放置した。水を加え、混合物をエーテルで洗
浄し、10%塩酸で酸性化し、30時間、クロロホルム
で連続的に抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧濃縮し、粗カルボン酸31.5g(99.5
%)を得た。生成物はさらに精製することなく次工程に
用いた。
【0021】6)1−メチル−3−メトキシイミノ−5
−(3−(カルボメトキシメトキシ)フェニル)−1,
3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−
オン(IV−6) 上記5)で得た粗カルボン酸(IV−5;22.5g、
80.2mmol)のジメチルホルムアミド(400ml)溶
液に、窒素雰囲気下、−20℃でポタシウムt−ブトキ
シド(22.5g、0.201mol)を加えた。混合物を
−20℃で20分間撹拌し、−20℃でイソアミルニト
リル(9.8g、83.7mmol)のジメチルホルムアミド
(30ml)溶液を加え、1時間撹拌した。ジメチルスル
フェート(20ml、0.211mol)のジメチルホルムア
ミド(30ml)溶液を−20℃で加えた。混合物を−2
0℃で30分間、室温で15時間撹拌した。酢酸エチル
を加え、溶液を水、5%炭酸ナトリウム、5%塩酸溶
液、および水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
減圧濃縮した。残渣をシリカゲル(250g)のフラッ
シュクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン;1:
1および3:2)に付し、メトキシム(20g)異性体
の4:1混合物を得た。メタノール:エーテルからの再
結晶で主要な異性体の結晶10.1g(32.9%)を得
た。mp=97−99℃ 母液をシリカゲル(130g)のフラッシュクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:ヘキサン(1:1→3:2)で
精製し生成物の異性体比約3:2混合物7.41g(2
4.2%、収率57.1%)を得た。
【0022】7)1−メチル−3−アミノ−5−(3−
カルボメトキシメトキシ)フェニル)−1,3−ジヒド
ロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV
−7) 上記6)で得たメトキシム(IV−6;20.8g、5
4.6mmol)および5%ルテニウム−炭素(5.3g)の
メタノール(150ml)溶液を65℃で20時間、水素
(17kg/cm2)で水素付加した。最終圧力は9kg/
cm2であった。触媒をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。
残渣を酢酸エチルに溶かし、5%塩酸水で抽出した。抽
出液を酢酸エチルで洗浄し、炭酸ナトリウム水溶液で塩
基性にした。混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水
洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残
渣は精製せずに次工程に用いた。
【0023】8)1−メチル−3−(N’−(m−トリ
ル)ウレイド)5−(3−カルボメトキシメトキシ)フ
ェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジ
アゼピン−2−オン(IV−8) 上記7)で得た粗アミン(IV−7;13.5g、38.
2mmol)、トリエチルアミン(7ml)およびm−トリル
イソシアナート(4.96g、37.3mmol)のジメチル
ホルムアミド(50ml)混合物を室温で20時間撹拌し
た。酢酸エチルを加え、混合物を水、50%塩酸水、お
よび炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルから
結晶化し、目的物質10.8gを得た。母液をシリカゲ
ル(100g)のフラッシュクロマトグラフィー(酢酸
エチル:ヘキサン;1:1および酢酸エチル)にかけ、
エーテルから結晶化し、目的化合物2.65g(収率7
4.2%)を得た。mp=227−231℃
【0024】9)1−メチル−3−(N’−(m−トリ
ル)ウレイド)5−(3−カルボキシメトキシ)フェニ
ル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−オン(IV−9) 上記8)で得たエーテル(IV−8;11.78g、2
4.2mmol)のメタノール懸濁液と0.5N水酸化ナトリ
ウム(120ml)とを60℃で30分間加温し、溶液を
室温で2時間放置した。水を加え、溶液をクロロホルム
で洗浄し、500mlに濃縮し、希塩酸で酸性にし、クロ
ロホルム−メタノール(4:1)で抽出した。抽出液を
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をエ
ーテルから結晶化し、目的のカルボン酸10.89g
(95.2%)を得た。mp=154−157℃ IRνmax(KBr):3370,1734,164
4,1600,1552cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.31(3H,
s),3.49(3H,s),4.65(2H,s),
5.54(1H,s),6.83(1H,m),7.0
5−7.45(10H,m),7.64(1H,m) 元素分析(C262445 0.7H2Oとして) 実測値:C,64.36;H,5.48;N,11.8
0 計算値:C,64.37;H,5.28;N,11.5
【0025】参考例2 1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウレイド)−
5−(3−アニシル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,
4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−96)の製造
【化20】
【化46】 1)2−N−メチルアニリノ−3−アニシルカルビノー
ル(IV−191) 参考例1記載の化合物(IV−2)の製法に準じて、m
−アニスアルデヒドより合成した。収率84.7%。 mp=84℃ IRνmax(nujol):3320,3150,161
3,1606,1583,1500cm-1。 NMR(CDCl3)δ:2.78(3H,s),3.
79(3H,s),5.81(1H,s),6.68
(2H,m),6.84(1H,m),6.96(3
H,m),7.25(2H,m) 元素分析(C1517NO2として) 実測値:C,73.97;H,7.14;N,5.92 計算値:C,74.05;H,7.04;N,5.76 2)2−(N−メチル−N−クロロアセチルアミノ)−
3’−メトキシベンゾフェノン(IV−92) 化合物IV−3の製造と同様にして化合物IV−191
をIV−192に変換した。収率54.9%。 NMR(CDCl3)δ:3.09(3H,s),3.
86(3H,s),3.92(2H,m),7.01−
7.7(8H,m) 3)1−メチル−5−(m−アニシル)−1,3−ジヒ
ドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(I
V−193) 化合物IV−4の製造と同様にして化合物IV−192
をIV−193に変換した。収率87.0%。 NMR(CDCl3)δ:3.41(3H,s),3.
78(1H,d,J=10.8Hz),3.84(3
H,s),4.81(1H,d,J=10.8Hz),
6.95−7.4(7H,m),7.55(1H,m) 4)1−メチル−3−(ヒドロキシイミノ)−5−(3
−アニシル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベン
ゾジアゼピン−2−オン(IV−194) 化合物IV−6の製造と同様にして化合物IV−193
を化合物1V−194に変換した。収率91.8%。 NMR(CDCl3)δ:3.47(3H,s),3.
85(3H,s),7.05−7.5(7H,m),
7.57(1H,m) 5)1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−アニシル)−1,3−ジヒドロ−2H
−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−19
6) 化合物IV−7の製造と同様にして化合物IV−194
をIV−196に変換した。収率69.6%(オキシム
から)。 mp=216−217℃ IRνmax(nujol):3300,1677,164
2,1565cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.30(3H,
s),3.48(3H,s),3.83(3H,s),
6.85(1H,m),7.0−7.5(10H,
m),7.61(1H,m) 元素分析(C252443として) 実測値:C,68.95;H,5.67;N,12.6
【0026】参考例3
【化21】 1)2−(3−(3−ピペリジノメチル)フェノキシ)
プロピルカルバモイル)エチルアミン(III−34)
の製造 N−ブトキシカルボニル−β−アラニン(1.89
g)、3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキシ)プ
ロピルアミン(2.32g)、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド(2.06g)と1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール(0.135g)のテトラヒドロフラン中混合物
を室温で3時間撹拌する。生じた結晶を濾過し、テトラ
ヒドロフランで洗浄する。濾液を減圧下に濃縮して得ら
れる残渣を酢酸エチルに溶解する。不溶物を濾別し濾液
を濃縮する。残渣をクロマトグラフィー[A:シリカゲ
ル150g、塩化メチレン/メタノール(9:1→4:
1);次いでB:シリカゲル150g、酢酸エチル/メ
タノール(9:1)]にかける。 NMR(CDCl3)δ:1.42(9H,s),1.
44(2H,m),1.59(4H,m),1.99
(2H,m),2.40(4H,m),3.42(4
H,m),4.05(2H,t,J=6.0Hz),
6.78(1H,m),6.92(2H,s),7.2
1(1H,m) IRνmax(フィルム):3320,1692,16
46、1527,1169cm-1
【0027】 2)化合物(III−31,32,33,35)の製造 前記1)の反応に準じて、対応するN−BOCアミノ酸
をカップリングさせた後、脱保護することにより合成す
る。各化合物の保護体の物理定数を以下に示す。 a)N−BOC−(2−(2−クアニジノ−1,3−チ
アゾール−4−イルメチルチオ)エチルカルバモイルメ
チルアミン IRνmax(CHCl3):3430,1675,16
20,1540cm-1NMR(CDCl3+CD3OD)
δ:1.46(9H,s),2.68(2H,t,J=
7Hz),3.41(2H,t,J=7Hz),3.6
6(2H,s),3.73(2H,s),6.47(1
H,s) 元素分析(C14246232Oとして) 実測値:C,41.73;H,6.18:N,20.7
9;S,15.72 計算値:C,41.36;H,6.45;N,20.6
7;S,15.77b)N−BOC−2−(2−(2−
グアニジノ−1,3−チアゾリル−4−イルメチルチ
オ)エチルカルバモイル)エチルアミン mp=124−125℃ IRνmax(KBr):3380,3115,170
0,1658,1608,1550,1514cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.44(9H,
s),1.76(2H,qui,J=7Hz),2.1
7(2H,t,J=7Hz),2.69(2H,t,J
=7Hz),3.10(2H,t,J=7Hz),3.
36(2H,t,J=6Hz),3.65(2H,
s),6.45(1H,s) 元素分析(C162863Sとして) 実測値:C,46.02;H,6.65;N,19.9
7;S,15.40 計算値:C,46.13;H,6.78;N,20.1
7;S,15.40 c)N−BOC−3−(3−(ピペリジノメチル)フェ
ノキシ)プロピルカルバモイルメチルアミン IRνmax(フィルム):3300,1705,16
62,1528cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s),1.
45(2H,m),1.57(4H,m),2.00
(2H,m),2.40(4H,m),3.46(2
H,s),3.51(2H,t,J=7Hz),3.7
7(2H,d,J=6Hz),4.08(2H,t,J
=6Hz),6.75−7.0(2H),7.15−
7.25(2H) 元素分析(C223534として) 実測値:C,64.87;H,8.71;N,10.0
6 計算値:C,65.16;H,8.70;N,10.3
【0028】d)N−BOC−3−(3−(3−(ピペ
リジノメチル)フェノキシ)プロピルカルバモイル)プ
ロピルアミン IRνmax(CHCl3):3465,3325,1
702,1664,1603,1588,1490cm
-1 NMR(CDCl3)δ:1.438(9H,s),
1.59(4H,m),1.81(2H,qui.J=
7Hz),2.01(2H,qui.J=6Hz),
2.22(2H,t,J=7Hz),2.40(4H,
m),3.17(2H,q,J=7Hz),3.41−
3.53(4H),4.80(1H,m),6.42
(1H,br.s),6.78(1H,m),6.86
−6.97(2H),7.22(1H,t,J=8H
z)
【0029】実施例1 1−メチル−3−(N’−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(2−グアニ
ジノ−1,3−チアゾール−4−イル)メチルチオ)エ
チルカルバモイルメチルカルバモイルメトキシ)フェニ
ル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−オン(IV−21)、1−メチル−3−
(N’−(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−
(2−(2−グアニジノ−1,3−チアゾール−4−イ
ル)メチルチオ)エチルカルバモイルエチルカルバモイ
ルメトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−
1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−22)お
よび1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−(3−(3−(2−グアニジノ−1,
3−チアゾール−4−イル)メチルチオ)エチルカルバ
モイルプロピルカルバモイルメトキシ)フェニル)−
1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−オン(IV−23)の製造
【化22】 カルボン酸(IV−9)とアミン(III−30)との
カップリングは以下の方法で行った。カルボン酸(IV
−9)(236mg、0.499mmol)、3−(2−(2
−グアニジノ−1,3−チアゾール−4−イルメチルチ
オ)エチルカルバモイル)メチルアミン・二塩酸塩(2
17mg、0.601mmol)、N,N−ジメチルアミノプ
ロピル−N’−エチルカルボジイミド・塩酸塩(140
mg、0.730mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール1水和物(30mg、0.197mmol)のジメチ
ルホルムアミド(7ml)およびトリエチルアミン(0.
25ml)中溶液を室温で一夜撹拌し、1mmHgで濃縮
する。水を加え、固形物を濾過して集め、水洗し、乾燥
し、クロロホルム/メタノール(9:1)中、フラッシ
ュクロマトグラフィー(シリカゲル、50g;クロロホ
ルム/メタノール(9:1))にかける。溶出液をメタ
ノール/クロロホルム中で固形化し乾燥して、カップリ
ング生成物IV−21(200mg、53.9%)を得
る。上記と同様にして、カルボン酸(IV−9)とアミ
ン(III−31)、およびカルボン酸(IV−9)と
アミン(III−32)をカップリングさせ、対応する
生成物(IV−22)および(IV−23)を収率8
7.0%および57.7%で得た。
【0030】化合物IV−21 mp=145−147℃ IRνmax(KBr):3360,1656,161
0,1541cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.30(3H,
s),2.65(2H,t,J=7Hz),3.38
(2H,t,J=7Hz),3.49(3H,s),
3.62(2H,s),3.94(2H,s),4.5
7(2H,s),5.48(1H,s),6.45(1
H,s),6.83(1H,m),7.05−7.46
(10H,m),7.63(1H,m) 元素分析(C383810521.2H2Oとして) 実測値: C,55.06;H,5.36;N,18.
20;S,8.14 計算値: C,54.99;H,5.33;N,18.
32;S,8.39化合物IV−22 mp=141−143℃ IRνmax(KBr):3340,1645,161
2,1545 cm-1 NMR (CDCl3+CD3OD)δ:2.31(3
H,s),2.43(2H,t,J=6Hz),2.5
6(2H,t,J=7Hz),3.32(2H,t,J
=7Hz),3.49(5H,s),3.57(2H,
t,J=6Hz),4.50(2H,s),5.46
(1H,s),6.42(1H,s),6.85(1
H,m),7.02−7.46(14H,m),7.6
3(1H,m) 元素分析(C364510522O) 実測値: C,55.72;H,5.60;N,18.
16;S,8.04 計算値: C,55.80;H,5.46;N,18.
08;S,8.28化合物IV−23 IRνmax(KBr):3360,1645,161
0,1543cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.84(2H,
qui,J=7Hz),2.18(2H,t,J=7H
z),2.30(3H,s),2.63(2H,t,J
=7Hz),2.33(2H,t,J=6Hz),3.
34(2H,t,J=6Hz),3.48(3H,
s),3.60(2H,s),4.51(2H,s),
5.48(1H,s),6.44(1H,s),6.8
3(1H,m),7.07−7.47(10H,m),
7.63(1H,m) 元素分析(C37421052O.3H2Oとして) 実測値: C,57.37;H,5.55;N,17.
83;S,8.10 計算値: C,57.24;H,5.53;N,18.
04;S,8.26
【0031】実施例2 1−メチル−3−(N’−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(3−(3−(ピペ
リジノメチル)フェノキシ)プロピルカルバモイルメチ
ルカルバモイルメトキシ)フェニル)−1,3−ジヒド
ロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV
−24)、1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウ
レイド)−5−(3−(2−(3−(ピペリジノメチ
ル)フェノキシ)プロピルカルバモイルエチルカルバモ
イルメトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−
1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−25)、
1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウレイド)−
5−(3−(3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキ
シ)プロピルカルバモイルプロピルカルバモイルメトキ
シ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベ
ンゾジアゼピン−2−オン(IV−26)および1−メ
チル−3−(N’−(m−トリル)ウレイド)−5−
(3−(5−(3−(ピペリジノメチル)フェノキシ)
プロピルカルバモイルペンチルカルバモイルメトキシ)
フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾ
ジアゼピン−2−オン(IV−27)の製造
【化23】
【0032】トリエチルアミン(0.4ml)をカルボン
酸IV−9(236mg、0.499mmol)、N,N−ジ
メチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド塩
酸塩(145mg)、アミンIII−33二塩酸塩(30
0mg、0.756mmol)および1ーヒドロキシペンズト
リアゾール一水和物(30mg)のジメルルホルムアミド
(7ml)混合物に氷冷下に滴下する。混合物を室温で一
夜撹拌し1mmHg、40℃で濃縮する。水を加え固形物
を瀘過して集め、クロマトグラフィー(シリカゲル、2
5g;クロロホルム/メタノール(5:1)にかけて精
製し、固形物IV−24、186mg(48.9%)を得
る。上記と同様にして、酸IV−9とアミンIII−3
4、III−35、III−36とをカップリングさ
せ、対応する化合物IV−25、IV−26およびIV
−27を収率60.9%、60.9%および62.2%
で得た。
【0033】化合物IV−24 無晶形粉末 IRνmax(KBr):3320,1670,164
3,1610,1600,1565 cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.45(2H,m),1.
62(4H,m),1.96(2H,qui.,J=6
Hz),2.27(3H,s),2.47(4H,
m),3.42(3H,s),3.46(2H,q,J
=6Hz),3.52(2H,m),4.00(4H,
m),4.49(2H,s),5.52(1H,d,J
=8Hz),6.72−6.92(4H),7.05−
7.40(11H,m),7.50−7.63(2H,
m),7.67(1H,s) 元素分析(C4349761.2H2Oとして) 実測値: C,66.01;H,6.66;N,12.
75 計算値: C,66.09;H,6.63;N,12.
55
【0034】化合物IV−25 無晶形粉末 IRνmax(KBr):3320,1670,164
2,1611,1600,1555 cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.44(2H,m),1.
61(4H,m),1.87(2H,m),2.28
(3H,s),2.45(6H,m),3.32(2
H,q,J=6Hz),3.43(3H,s),3.5
0(2H,s),3.63(2H,q,J=6Hz),
3.95(2H,t,J=6Hz),4.46(2H,
s),5.52(1H,d,J=8Hz),6.56
(1H,t,J=5Hz),6.72(1H,m),
6.80−7.40(16H,m),7.55(1H,
m),7.60(1H,s) 元素分析(C4451762Oとして) 実測値: C,66.48;H,6.77;N,12.
60 計算値: C,66.73;H,6.75;N,12.
38
【0035】化合物IV−26 無晶形粉末 IRνmax(KBr):3400,3320,167
1,1642,1610,1554 cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.44(2H,m),1.
61(4H,m),1.75−2.05(4H),2.
22(2H,t,J=7Hz),2.28(3H,
s),2.55(4H,m),3.38(4H,m),
3.44(3H,s),3.50(2H,s),3.9
9(2H,t,J=6Hz),4.48(2H,s),
5.52(1H,d,J=8Hz),6.63(1H,
m),6.75(1H,m),6.79−7.42(1
6H,m),7.57(1H,m),7.70(1H,
s) 元素分析(C4553762Oとして) 実測値: C,67.13;H,6.69;N,12.
30 計算値: C,67.06;H,6.88;N,12.
17
【0036】化合物IV−27 無晶形粉末(メタノール−水から) IRνmax(KBr):3300,1670,164
0,1608,1550 cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.20−1.72(12
H),1.91(2H,qui.J=6.0Hz),
2.16(2H,t,J=7.2Hz),2.28(3
H,s),2.43(4H,br.s),3.31(2
H,q,J=6.6Hz),3.42(2H,t,J=
6.0Hz),3.45(3H,s),3.49(2
H,s),4.01(2H,t,J=6.1Hz),
4.49(2H,s),5.54(1H,d,J=7.
8Hz),6.23(1H,br.s),6.62−
7.44(17H,m),7.63(1H,s) 元素分析(C4757670.8H2Oとして) 実測値: C,67.82;H,7.04;N,11.
93 計算値: C,67.98;H,7.11;N,11.
81
【0037】実施例3 1−メチル−3−(N’−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(3−(3−(3−
(ピペリジノメチル)フェノキシ)プロピルカルバモイ
ル)プロパ−3−エニルカルバモイルメトキシ)フェニ
ル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−オン(IV−28)の製造
【化24】 (1)4−アジド−ブタ−2−エン酸(化合物III−
47) 4−ブロモ−ブタ−2−エン酸(825mg、5.0mmo
l)およびアジ化ナトリウム(1.0g、15.3mmol)
のHMPA(5ml)中混合物を室温で2時間撹拌する。
酢酸エチルを加え、混合物を水洗し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮する。 (2)3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキシ)プ
ロピルカルバモイル)プロパ−3−エニルアジド(化合
物III−48) 3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキシ)プロピル
アミン(化合物III−28)(1.0g)と上記
(1)の生成物(III−47)(0.60g)とを実
施例1と同様の方法でカップリングさせ、化合物III
−48(1.063g、73.9%)を得る。 (3)3−(3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキ
シ)プロピルカルバモイル)プロパ−3−エニルアミン
(化合物III−49) 上記(2)で製造したアジド(III−48、1.30
g、3.64mM)およびトリフェニルホスフィン(1.
0g、3.82mM)のテトラヒドロフラン(20ml)中
溶液を室温で1夜撹拌する。水(3ml)を加え、溶液を
30分間加熱還流する。揮発性物質を減圧留去し、残渣
を酢酸エチルに溶かし、溶液を希塩酸で抽出する。抽出
液を酢酸エチルで洗浄し、クロロホルムで抽出する。溶
液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、固形物
810mg(70.1%)を得る。 (4)カルボン酸(IV−9)(473mg、1.001
mmol)とアミン(III−49)(360mg、1.08
6mmol)とを実施例2と同様にカップリングさせ、化合
物(IV−28)444mg(56.5%)を得た。
【0038】化合物IV−28 IRνmax(KBr):3380,3310,167
0,1641,1610 cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.45(2H,m),1.
63(4H,m),1.91(2H,quint,J=
6.1Hz),2.24(3H,s),2.48(4
H,br.s),3.43(5H,s),3.53(2
H,s),3.88−4.12(4H,m),4.51
(2H,s),5.52(1H,d,J=7.8H
z),5.90(1H,d,J=15.6Hz),6.
65−7.46(19H,m),7.56(1H,
m),7.84(1H,s) 元素分析(C4551761.5H2Oとして) 実測値: C,66.31;H,6.61;N,12.
23 計算値: C,66.48;H,6.70;N,12.
06
【0039】実施例4 1−メチル−3−(N’−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(3−(3−(3−
(ピペリジノメチル)フェノキシ)プロピルカルバモイ
ル)−2−クロロ−プロパ−3−エニルカルバモイルメ
トキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−33)の製造
【化25】 1)N−Boc−プロパルギルアミン(IV−29) ジーt−ブチルジカーボナート(7.0g、32mM)の
アセトン(6ml)溶液をプロパルギルアミン(1.65
3g、30mM)のアセトン(8ml)および水(1m
l)溶液に氷冷下、滴下した。溶液を室温で1時間撹拌
し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル(115g)、ヘ
キサン:酢酸エチル(0−35%)を用いてクロマトグ
ラフィーにかけ、無色固体4.118g(収率88.4
%)を得た。
【0040】2)4−(Boc−アミノ)ブタ−2−イ
ン酸(IV−30) エチルマグネシウムブロミドのエーテル中3M溶液(8
ml、24mM)を化合物(IV−29)(1.552g、
10mM)のテトラヒドロフラン(10ml)中溶液に、
0℃で窒素雰囲気下、滴下した。混合物を室温で1時間
撹拌した。混合物に、0℃で5分間、室温で30分間、
乾燥二酸化炭素ガスを導入した。水を加えた。混合物を
エーテルで洗浄し、10%クエン酸で酸性にし、酢酸エ
チルで抽出した。抽出物を水洗し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧濃縮して、粗製の酸1.682g(84.
4%)を得た。これは精製することなく、次工程に用い
た。 3)N−Boc−3−(3−(3−(ピペリジノメチ
ル)フェノキシ)プロピルカルバモイル)プロパ−イニ
ルアミン(IV−31) 上記の方法と同様にしてカップリングを行い、収率5
6.0%で目的の化合物を得た。
【0041】4)3−(3−(3−(ピペリジノメチ
ル)フェノキシ)プロピルカルバモイル)−2−クロロ
−プロパ−エニルアミン(IV−32) 化合物(IV−31)(719mg、1.67mM)の酢酸
エチル(8ml)中撹拌溶液に4N−HClの酢酸エチル
(4ml)溶液を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し
た。沈殿物質をデカンテーションして集め、水(20m
l)に溶解した。溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液で塩
基性にし酢酸エチルで抽出した。溶液を水洗し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し減圧濃縮して油状物質549mg
(89.6%)を得た。
【0042】5)化合物(IV−33) 上記実施例2と同様にしてカップリングを行い、標題の
化合物を収率60.4%で得た。 IRνmax(KBr):3380,1676,161
0,1554cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.44(2H,m),1.
62(4H,m),1.93(2H,quint,J=
6.2Hz),2.26(3H,s),2.45(4
H,br.s),3.26−3.60(4H,m),
3.44(3H,s),3.98(2H,t,J=5.
7Hz),4.14(2H,m),4.56(2H,
s),5.48(1H,d,J=7.8Hz),6.2
0(1H,s),6.66−7.00(7H,m),
7.04−7.43(10H,m),7.48−7.6
9(2H,m),7.82(1H,br.s) 元素分析(C455076Cl 0.3H2Oとして) 実測値:C,65.41;H,6.23;N,12.0
7;Cl,4.51 計算値:C,65.45;H,6.18;N,11.8
7;Cl,4.29
【0043】実施例5 1−メチル−3−(N´−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(3−(2−(2−
グアニジノ−1,3−チアゾール−4−イル)メチルチ
オ)エチルカルバモイル)プロピル)−ピペラジノカル
ボメトキシ)フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−1,
4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−44)および
その塩酸塩
【化26】 1)1−メチル−3−(N´−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−(3−カルボエトキシプロピルピペラ
ジノ)カルボメトキシ)フェニル−1,3−ジヒドロ−
2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−3
7) カルボン酸(IV−9)(945mg,2.000mmol)
とN−(3−エトキシカルボニル)プロピルピペラジン
(401mg,2.001mmol)とを実施例2と同様にカ
ップリングさせ、化合物(IV−37)を収率65.6
%で得た。残渣をメタノール−エーテルから再結晶し
た。 mp=179−182℃ IRνmax(KBr):3360,1721,167
8,1631,1608,1551 cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.26(3H,t,J=
7.2Hz),1.81(2H,qui,J=7.2H
z),2.30(3H,s),2.34(2H,t,J
=7.2Hz),2.41(6H,m),3.46(3
H,s),3.54(2H,m),3.62(2H,
m),4.14(2H,q,J=7.2Hz),4.7
0(2H,s,),5.55(1H,d,J=8.2H
z),6.85(1H,d,J=6.6Hz),6.9
4(1H,d,J=8.2Hz),7.03−7.42
(11H,m),7.59(1H,m) 元素分析(C364266 0.2H2Oとして) 実測値: C,65.57;H,6.62;N,13.
10 計算値: C,65.68;H,6.49;N,12.
77
【0044】2)化合物(IV−44) 上記1)で得たエステル(814mg,1.243m
M)を加温してメタノール(22ml)に溶解した。溶液
を室温まで冷却した。1N水酸化ナトリウム(3ml)を
加えた。溶液を室温で18時間放置し、減圧濃縮した。
希塩酸を加えた。溶液を室温で18時間放置し、減圧濃
縮した。希塩酸を加え、沈殿をろ取しベンゼンを加え
た。水を除去するために揮発性物質を蒸留して除き、
0.1mmHgで乾燥して、塩酸塩809mg(98.
2%)を得た。これを精製することなく次工程に用い
た。常法に従ってカップリングを行い、収率59.6%
で標題の化合物を得た。 IRνmax(KBr):3335,1640,160
7,1540cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.77(2H,
qui,J=7.0Hz),2.20(2H,t,J=
7.0Hz),2.30(3H,s),2.34(2
H.t.J=7.2Hz),2.42(4H,m),
2.68(2H,t,J=6.4Hz),3.40(2
H,t,J=6.4Hz),3.49(3H,s),
3.45−3.75(4H,m),3.62((2H,
s),4.74(2H,s),5.50(1H,s),
6.44(1H,s),6.82(1H,m),7.0
0−7.45(10H,m),7.62(1H,m) 元素分析(塩酸塩、C41495112 3HCl 0.
5H2Oとして) 実測値:C,51.24;H,5.62;Cl,10.
91;N,16.21;S,6.53 計算値:C,51.38;H,5.57;Cl,11.
11;N,16.08;S,6.69
【0045】実施例6 1−メチル−3−(N´−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(3−(3−
(ピペリジノメチル)フェノキシ)プロピルカルバモイ
ル)エチルピペラジノカルボメトキシ)フェニル)−
1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−オン(IV−46)
【化27】 1)1−メチル−3−(N´−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−(2−カルボエトキシエチルピペラジ
ノ)カルボメトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−
2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−3
6) カルボン酸(IV−9)(634mg,1.342mmol)
とN−(2−エトキシカルボニル)エチルピペラジン
(259mg,1.391mmol)とを実施例2と同様にカ
ップリングさせ化合物(IV−36)を収率62.9%
で得た。 IRνmax(KBr):3345,1730,166
0,1608,1550cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.26(3H,t,J=7
Hz),2.29(3H,s),2.35−2.57
(6H),2.71(2H,t,J=7Hz),3.4
6(3H,s),3.54(2H,m),3.63(2
H,m),4.16(2H,q,J=7Hz),4.7
0(2H,s),5.56(1H,d,J=8Hz),
6.85(1H,d,J=6Hz),6.99(1H,
d,J=8Hz),7.03−7.42(11H,
m),7.59(1H,m) 元素分析(C354066 0.5H2Oとして) 実測値:C,64.93;H,6.27;N,12.8
1 計算値:C,64.70;H,6.36;N,12.9
【0046】2)化合物(IV−46) 上記実施例1と同様にカップリングを行い、標題の化合
物(IV−46)を収率66.5%で得た。 無晶形粉末 IRνmax(KBr):3330,1643,159
9,1550cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.45(2H,m),1.
61(4H,m),1.99(2H,qui,J=6H
z),2.28(3H,s),2.42(10H,
m),2.64(2H,t,J=6Hz),3.44
(5H,s),3.50(6H,m),4.02(2
H,t,J=6Hz),4.64(1H,d,J=13
Hz),4.68(1H,d,J=13Hz),5.5
5(1H,d,J=8Hz),6.7−6.92(3
H,m),6.95−7.42(13H,m),7.4
6−7.63(3H) 元素分析(C485886 0.9H2Oとして) 実測値:C,67.05;H,7.01;N,13.1
5 計算値:C,67.10;H,7.02;N,13.0
【0047】3)化合物(IV−47) 収率60.7% IRνmax(KBr):3325,1665,164
0,1608,1598,1550cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.46(2H,m),1.
63(4H,m),1.82(2H,m),1.99
(2H,qui,J=6.2Hz),2.20−2.5
5(12H,m),2.29(3H,s),3.33−
3.72(8H,m),3.44(3H,s),4.0
6(2H,t,J=5.9Hz),4.67(1H,
d,J=8.2Hz),6.34(1H,br.s),
6.73−6.92(3H,m),6.98−7.42
(13H,m),7.57(1H,m),7.74(1
H,br.s) 元素分析(C4960862Oとして) 実測値:C,67.00;H,7.08;N,12.9
9 計算値:C,67.26;H,7.14;N,12.8
【0048】実施例7 1−メチル−3−(N´−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(3−(3−
(ピペリジノメチル)フェノキシ)カルバモイルメチル
チオ)エチルカルバモイルメトキシ)フェニル−1,3
−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オ
ン(IV−50)
【化28】 N−BOC−エタンチオールからウエダら[I.Ued
a,K.Ishi,K.Shinozaki,M.Se
iki,H.Arai and M.Hatanak
a,Chem.Pharm.Bull,38,3035
(1990)]の方法と類似の方法で合成したIV−4
9と実施例2と同様にカップリングを行い、標題の化合
物(IV−50)を収率85.2%で得た。 無晶形粉末(メタノール−水から) IRνmax(KBr):3310,1670,164
2,1610,1552 cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.43(2H,m),1.
98(2H,qui,J=6.1Hz),2.28(3
H,s),2.44(4H,m),2.73(2H,
t,J=6.7Hz),3.23(2H,s),3.4
5(3H,s),3.40−3.59(6H),4.0
3(2H,t,J=5.8Hz),4.46(2H,
s),5.54(1H,d,J=8.2Hz),6.7
5−6.91(3H,m),6.94−7.40(15
H,m),7.57(1H,m),7.64(1H,b
r.s) 元素分析(C455376S 0.3H2Oとして) 実測値:C,65.52;H,6.50;N,12.1
1;S,3.63 計算値:C,65.48;H,6.55;N,11.8
8;S,3.88
【0049】実施例8 1−メチル−3−(N´−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(3−(1−アミノ
−3−(2−グアニジノー1,3−チアゾール−4−イ
ル)メチルチオ)プロピルイミノスルホニル)プロピ
ル)カルバモイル)メトキシ)フェニル)−1,3−ジ
ヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン
(IV−55)およびその3R−異性体(IV−56)
および3S−異性体(IV−57)
【化29】 1)1−メチル−3−(N´−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−(3−スルファモイルプロピルカルバ
モイルメトキシ)フェニル−1,3−ジヒドロ−2H−
1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−52) 3−アミノプロパンスルホンアミド(IV−51)と化
合物(IV−9)とを常法に従ってカップリングさせ、
化合物(IV−52)を収率88.8%で得た。同様
に、3−アミノプロパンスルホンアミドと化合物(IV
−9)の3R−体(IV−16)または3S体(IV−
18)を反応させ、対応する化合物(IV−52)の3
R体(IV−53)または3S体(IV−54)をそれ
ぞれ、収率89.3%および81.0%で得た。
【0050】化合物IV−52 mp=145−147℃ IRνmax(KBr):3325,1647,161
0,1550cm-1 NMR(DMSO)δ:1.84(2H,m),2.2
4(3H,s),2.94(2H,m),3.24(2
H,m),3.41(3H,s),4.49(2H,
s),5.24(1H,d,J=8.4Hz),6.7
−6.82(3H,m),7.05−7.26(6H,
m),7.31−7.55(4H,m),7.63−
7.81(2H),8.27(1H,m),8.99
(1H,s) 元素分析(C293266S 1.5H2Oとして) 実測値:C,56.22;H,5.55;N,13.7
2;S,4.81 計算値:C,56.21;H,5.69;N,13.5
6;S,5.17
【0051】化合物IV−53(3R−異性体) [α]D +45.7(24℃、c 0.945,DM
F) 元素分析(C293266S O.5H2Oとして) 実測値: C,57.95;H,5.66;N,13.
83;S,5.22 計算値: C,57.89;H,5.53;N,13.
97;S,5.33化合物IV−54(3S−異性体) [α]D −48.3 (24℃、c 1.003,D
MF) 元素分析(C293266S 0.5H2Oとして) 実測値: C,57.84;H,5.67;N,13.
82;S,5.21 計算値: C,57.89;H,5.53;N,13.
97;S,5.33
【0052】 2)化合物IV−55、IV−56およびIV−57 イミダート(III−106,350mg,1.28m
M)のメタノール(6.5ml)溶液をスルホンアミド
(IV−52、375mg、0.633mM)のジメチ
ルホルムアミド(5 ml)溶液に加えた。溶液を室温
で15日間放置した。水を加え、固形物をろ取し、シリ
カゲルとクロロホルム:メタノール(9:1)を用いる
フラッシュクロマトグラフィーにかけた。固形物をメタ
ノールに溶かし、水を加えた。固形物をろ取し、乾燥し
て粉末239mg(45.3%)を得、スルホンアミド1
26mg(33.6%)を回収した。 IRνmax(KBr):3375,1650,161
0,1548,1323,1163,1112 cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.06(2H,
qui,J=7.0Hz),2.30(3H,s),
2.47(2H,t,J=7.3Hz),2.79(2
H,t,J=7.3Hz),3.02(2H,t,J=
7.2Hz),3.46(2H,t,J=6.6H
z),3.49(3H,s),3.59(2H,s),
4.53(2H,s),5.46(1H,s),6.4
8(1H,s),6.83(1H,d,J=6.2H
z),7.01−7.46(10H,m),7.64
(1H,m) 元素分析(C37431163として) 実測値:C,53.06;H,5.30;N,18.3
6;S,11.28 計算値:C,53.28,H,5.20;N,18.4
9;S,11.53 同様にしてイミダート(III−108)とスルホンア
ミド(IV−54)とをメタノール中、7日間カップリ
ングさせ、3S−異性体(IV−57)を収率65.1
%で得た。また、スルホンアミド(IV−53)との反
応で3R−異性体(IV−56)を得た。
【0053】化合物IV−57(3S−異性体) [α]D −19.2(24℃、c 1.032,DM
F) 元素分析(C374311632Oとして) 実測値: C,52.24;H,5.54;N,18.
16;S,11.17 計算値: C,52.16;H,5.32;N,18.
08;S,11.29化合物IV−56(3R異性体) [α]D +31.9(24℃、c 1.154,DM
F) 元素分析(C37431163 0.5H2Oとして) 実測値: C,52.75;H,5.33;N,18.
45;S,11.66 計算値: C,52.71;H,5.26;N,18.
28;S,11.41
【0054】実施例9 1−メチル−3−(N´−(m
−トリル)ウレイド)−5−(3−(3−(1−アミノ
−3−(2−グアニジノー1,3−チアゾール−4−イ
ル)メチルチオ)プロピルイミノスルホニルアミノ)プ
ロピルカルバモイル)メトキシ)フェニル)−1,3−
ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン
(IV−60)
【化30】 1)3−アミノプロパンアミノスルホンアミド(IV−
58) HMPA(30 ml)中の臭化物(III−113,
1.80g,8.29mM)およびアジ化ナトリウム
(1.2g,18.46mM)を50℃で2時間撹拌
し、水に投入し、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水洗
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。 IRνmax(film):2092 cm-1 残渣のテトラヒドロフラン(30ml)溶液にトリフェニ
ルホスフィン(2.18g,8.31mM)を加えた。
溶液を室温で18時間撹拌した。水(6ml)を加え、
溶液を30分間加熱還流し、減圧濃縮した。水を加え、
不溶性物質をろ過して除き、ろ液を酢酸エチルで洗浄し
た。溶液を減圧濃縮し、アミン750mg(59.1
%)を得た。これを精製することなく、次工程に用い
た。
【0055】2)1−メチル−3−(N´−(m−トリ
ル)ウレイド)−5−(3−(3−アミノスルホニルア
ミノプロピル)カルバモイルメトキシ)フェニル−1,
3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−
オン(IV−59) 実施例8(1)と同様にして、アミン(IV−58)と
化合物(IV−9)とを反応させ、スルホンアミド(I
V−59)を収率95.6%で得た。 mp=136−138℃ IRνmax(KBr):3315,1646,161
1,1554,1320,1153 cm-1 NMR(DMSO)δ:1.61(2H,qui,J=
6.6Hz),2.24(3H,s),2.85(2
H,q,J=6.6Hz),3.16(2H,q,J=
6.4Hz),3.41(3H,s),4.47(2
H,s),5.24(1H,d,J=8.4Hz),
6.45(1H,t,J=6.4Hz),6.47(2
H,s),6.74(1H,d,J=6.4Hz),
7.06−7.25(6H,m),7.31−7.53
(4H,m),7.63−7.80(2H),8.13
(1H,t,J=5.8Hz),8.98(1H,s) 元素分析(C293376Sとして) 実測値: C,57.56;H,5.68;N,16.
26;S,5.00 計算値: C,57.32;H,5.43;N,16.
13;S,5.28
【0056】3)化合物(IV−60) 実施例8と同様に、スルホンアミド(IV−59)と化
合物(III−108)とをカップリングさせ、化合物
(III−60)を収率29.9%で得た。 IRνmax(KBr):3360,1650,160
8,1545,1322,1122 cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.73(2H,
qui,J=6.3Hz),2.30(3H,s),
2.43(2H,t,J=7.2Hz),2.7982
H,t,J=7.2Hz),2.99(2H,t,J=
6.3Hz),3.42(2H,t,J=6.3H
z),3.48(3H,s),3.55(2H,s),
4.52(2H,s),5.46(1H,s),6.3
8(1H,s),6.83(1H,m),6.97−
7.46(10H,m),7.63(1H,m) 元素分析(C37421263として) 実測値:C,52.12;H,5.26;N,19.7
4;S,11.17 計算値:C,52.34;H,5.22;N,19.8
0;S,11.33
【0057】実施例10 1−メチル−3−(N´−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(N−B
oc−N−(3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキ
シ)プロピルカルバモイルメチル)アミノ)エチルカル
バモイルメトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2
H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−6
1)および1−メチル−3−(N´−(m−トリル)ウ
レイド)−5−(3−(2−(N−(3−(3−(ピペ
リジノメチル)フェノキシ)プロピルカルバモイルメチ
ル)アミノ)エチルカルバモイルメトキシ)フェニル)
−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−オン(IV−62)
【化31】
【0058】アミン(III−135)と酸(IV−
9)とを実施例2と同様にカップリングさせて、標題の
化合物(IV−61)を収率42.4%で得た。 IRνmax(KBr):3350,1665,161
0,1601cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.37(11
H,br.s),1.98(2H,m),2.30(3
H,s),2.44(4H,br.s),3.48(1
1H,br.s),3.78(2H,s),4.01
(2H,m),4.47(2H,br.s),5.50
(1H,s),6.74−6.96(4H,m),7.
05−7.46(11H,m),7.62(1H,m) 元素分析(C506288 0.8H2Oとして) 実測値:C,65.46;H,7.02;N,12.5
6 計算値:C,65.45;H,6.99;N,12.2
【0059】化合物(IV−61)(280mg,0.
31mM)の酢酸エチル(6ml)溶液に、氷冷下、酢
酸エチル(2ml)中、N−塩化水素を加えた。懸濁液を
室温で20時間撹拌した。固形物(272mg)をろ取
した。 IRνmax(KBr):3360,1670,159
8 cm-1 NMR(CD3OD)δ:1.35−2.00(6H,
m),2.01(2H,m),2.29(3H,s),
2.95(2H,m),3.15−3.50(6H,
m),3.50−3.72(2H,m),3.58(3
H,s),3.87(2H,s),4.08(2H,
t,J=6Hz),4.25(2H,s),4.64
(2H,s),5.56(1H,s),6.85(1
H,d,J=7Hz),6.99−7.57(13H,
m),7.74(1H,d,J=8Hz),7.90
(1H,m) 元素分析(C455486 2.5HCl 0.3H2Oと
して) 実測値:C,60.27;H,6.45;Cl,9.7
1;N,12.44 計算値:C,60.09;H,6.40;Cl,9.8
5;N,12.46
【0060】実施例11 1−メチル−3−(N´−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(3,6−ジオ
キサ−7−(3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキ
シ)プロピルカルバモイル)ヘプチルカルバモイルメト
キシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−66)およびその
塩酸塩、並びに1−メチル−3−(N´−(m−トリ
ル)ウレイド)−5−(3−(2−(2−(3−(3−
(ピペリジノメチル)フェノキシ)プロピルカルバモイ
ルメトキシ)エトキシ)エトキシ)カルバモイルメトキ
シ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベ
ンゾジアゼピン−2−オン(IV−67)およびその塩
酸塩
【化32】
【0061】アミン(III−149)と酸(IV−
9)とを実施例2と同様にカップリングさせて、標題の
化合物(IV−66)または(IV−67)を、それぞ
れ、収率69.0%および66.2%で得た。化合物IV−66 IRνmax(KBr):3325,662,1608
cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.44(2H,m),1.
59(4H,m),2.02(2H,qui,J=6H
z),2.29(3H,s),2.40(4H,m),
3.43(5H,s),3.45−3.70(10H,
m),3.99(2H,t,J=6Hz),4.09
(2H,s),4.49(2H,s),5.38(1
H,d,J=8Hz),6.69−7.42(17H,
m),7.47(1H,m),7.58(1H,m),
7.85(1H,br.s) 元素分析(C475778 1.3H2Oとして) 実測値: C,64.70;H,6.75;N,11.
44 計算値: C,64.78;H,6.89;N,11.
25塩酸塩 (C475778 1.1HCl 0.5H2Oとし
て) 実測値: C,62.83;H,6.71;Cl,4.
27;N,11.05 計算値: C,62.92;H,6.64;Cl,4.
35;N,10.93
【0062】化合物IV−67塩酸塩 IRνmax(KBr):3400,3300,306
0,1668,1639,1608,1552 cm-1 NMR(CD3OD)δ:1.35−1.90(6H,
m),1.98(2H,quint,J=6.6H
z),2.29(3H,s),2.91(2H,m),
3.30−3.60(8H,m),3.51(3H,
s),3.57(4H,s),3.62(4H,s),
3.94(2H,s),4.03(2H,t,J=6.
1Hz),4.19(2H,s),4.53(2H,
s),5.39(1H,s),6.82(1H,m),
6.98−7.24(8H,m),7.29−7.43
(5H,m),7.64(1H,d,J=8.0H
z),7.75(1H,m) 元素分析(C496179 1.2HCl H2Oとして) 実測値: C,61.69;H,6.91;N,10.
50;Cl,4.36 計算値: C,61.70;H,6.78;N,10.
28;Cl,4.46
【0063】実施例12 1−メチル−3−(N´−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(2−
(2−(2−(2−グアニジノー1,3−チアゾール−
4−イル)メチルチオ)エチルカルバモイルメトキシ)
エトキシ)エトキシカルバモイルメトキシ)フェニル)
−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−オン(IV−68)
【化33】 アミン(III−154)と酸(IV−9)とを実施例
1と同様にカップリングさせて、標題の化合物(IV−
68)を収率69.5%で得た。 IRνmax(KBr):3300,1655,160
5,1541cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.30(3H,
s),2.65(2H,t,J=6.8Hz),3.3
6−3.70(16H,m),3.48(3H,s),
3.98(2H,s),4.52(2H,s),5.4
8(1H,s),6.45(1H,s),6.83(1
H,m),7.01−7.47(10H,m),7.6
3(1H,m) 元素分析(C41501082 2H2Oとして) 実測値:C,53.93;H,6.00;N,15.4
3;S,6.95 計算値:C,54.04;H,5.97;N,15.3
7;S,7.04
【0064】塩酸塩 IRνmax(KBr):3300,1670,163
8,1610,1550cm-1 NMR(CD3OD)DNA :2.28(3H,
s),2.59(2H,t,J=7.0Hz),3.3
4−3.66(14H,m),3.49(3H,s),
3.73(2H,s),3.94(2H,s),4.5
4(2H,s),5.36(1H,s),6.81(1
H,m),6.96(1H,s),7.05−7.23
(5H,m),7.27−7.40(4H,m),7.
61(1H,d,J=8.2Hz),7.71(1H,
m) 元素分析(C41501082 HCl 0.5H2Oとし
て) 実測値:C,53.68;H,5.77;N,15.3
3;S,6.75,Cl,3.50 計算値:C,53.50;H,5.69;N,15.2
2;S,6.97;Cl,3.85
【0065】実施例13 1−メチル−3−(N´−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(2−
(3−(2−(2−グアニジノー1,3−チアゾール−
4−イル)メチルチオ)エチルカルバモイルプロピルオ
キシ)エトキシ)エチルカルバモイルメトキシ)フェニ
ル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−オン(IV−71)およびその塩酸塩
【化34】 1)1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−(2−(2−(3−(カルボメトキ
シ)プロピルオキシ)エトキシ)エチルカルバモイルメ
トキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−69) アミン(III−163)と酸(IV−9)とを上記と
同様にカップリングさせ、化合物IV−69を収率6
7.4%で得た。 IRνmax(CHCl3):3440,1732,1
678,1602cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.90(2H,qui,J
=7Hz),2.30(3H,s),2.40(2H,
t,J=7Hz),3.47(3H,s),3.48
(2H,t,J=7Hz),3.50−3.62(8
H,m),3.67(3H,s),4.49(2H,
s),5.56(1H,d,J=8Hz),6.85
(1H,m),6.92−7.43(13H,m),
7.60(1H,m) .元素分析(C354158 0.7H2Oとして) 実測値: C,62.43;H,6.18;N,10.
67 計算値: C,62.52;H,6.36;N,10.
42
【0066】2)1−メチル−3−(N´−(m−トリ
ル)ウレイド)−5−(3−(2−(3−カルボキシプ
ロピルオキシ)エトキシ)エチルカルバモイルメトキ
シ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベ
ンゾジアゼピン−2−オン(IV−70) エステル(IV−69)(940mg,1.425m
M)をメタノール(25ml)およびジクロロメタン
(5ml)に溶かした。ジクロロメタンを留去し、10%
水酸化ナトリウム水溶液(4ml)を加えた。溶液を室
温で3時間撹拌した。氷水を加え、混合物を半量まで濃
縮した。10%塩酸(6ml)を加え、固形物をろ取
し、乾燥し845mg(91.8%)を得た。 IRνmax(KBr):3320,1675,164
0,1611cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.86(2H,
qui,J=7Hz),2.31(3H,s),2.3
7(2H,t,J=8Hz),3.49(2H,t,J
=7Hz),3.51(3H,s),3.57(8H,
br.s),4.53(2H,s),5.56(1H,
s),6.83(1H,m),7.07−7.50(1
0H,m),7.69(1H,m) 元素分析(C343958 0.8H2Oとして) 実測値: C,61.86;H,6.16;N,10.
69 計算値: C,61.86;H,6.20;N,10.
61
【0067】3)化合物(IV−71) 実施例1と同様にカップリングをし、化合物(IV−7
1)を収率81.4%で得た。 mp=119−122℃(MeOH) IRνmax(kBr):3320,1650,161
0cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.86(2H,
qui,J=7Hz),2.26(2H,t,J=8H
z),2.30(3H,s),2.60(2H,t,J
=7Hz),3.30−3.65(12H,m),3.
48(3H,s),3.62(2H,s),4.52
(2H,s),5.48(1H,s),6.55(1
H,s),6.83(1H,m),6.98−7.47
(10H,m),7.63(1H,m) 元素分析(C415010722Oとして) 実測値: C,56.21;H,5.97;N,16.
18;S,7.07 計算値: C,56.15;H,5.98;N,15.
97;S,7.31塩酸塩 (C41501072 1.3 HCl H2Oとし
て) 実測値: C,53.10;H,5.94;Cl,5.
04;N,15.17;S,7.07 計算値: C,53.27;H,5.81;Cl,4.
99;N,15.15;S,6.91
【0068】実施例14 1−メチル−3−(N´−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(2−
(3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキシ)プロピ
ルカルバモイル)プロピルオキシ)エトキシ)エチルメ
トキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−72)およびそ
の塩酸塩
【化35】 実施例2と同様にカップリングし、化合物(IV−7
2)を収率85.1%で得た。 IRνmax(KBr):3300,1670,164
0,1610cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.44(2H,m),1.
60(4H,m),1.85−2.06(4H,m),
2.29(3H,s),2.34(2H,t,J=8H
z),2.42(4H,m),3.44(3H,s),
3.47(12H,br.s),3.55(2H,
s),4.00(2H,t,J=6Hz),4.49
(2H,s),5.54(1H,d,J=8Hz),
6.54(1H,m),6.68−7.48(17H,
m),7.58(1H,m),7.95(1H,br.
s) 元素分析(C496178 0.8H2Oとして) 実測値: C,66.13;H,7.01;N,11.
07 計算値: C,66.09;H,7.09;N,11.
01塩酸塩 (C496178 HCl H2Oとして) 実測値: C,63.10;H,6.84;Cl,3.
74;N,10.62 計算値: C,63.25;H,6.93;Cl,3.
81;N, 0.54
【0069】実施例15 1−メチル−3−(N´−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(2−
(3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキシ)プロピ
ルカルバモイル)メトキシ)エトキシ)エチルピペラジ
ノカルボメトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2
H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−7
3)
【化36】 実施例2と同様にカップリングし、化合物(IV−7
3)を収率72.7%で得た。 IRνmax(KBr):3345,1660,161
0,1599cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.44(2H,m),1.
59(4H,m),1.99(2H,qui,J=6H
z),2.29(3H,s),2.33−2.64(1
0H,m),3.43(3H,s),3.47(2H,
s),3.47(2H,s),3.49−3.75(1
2H,m),3.99(2H,t,J=6Hz),4.
03(2H,s),4.67(1H,d,J=13H
z),4.74(1H,d,J=13Hz),5.55
(1H,d,J=8Hz),6.70−6.94(4
H,m),6.98−7.41(13H,m),7.5
8(1H,m),7.70(1H,s) 元素分析(C5164882Oとして) 実測値: C,65.42;H,7.17;N,12.
30 計算値: C,65.51;H,7.11;N,11.
98塩酸塩 IRνmax(KBr):3400,3300,166
7,1640,1608,1599 cm-1 元素分析(C516488 2.1HCl・1.8H2
Oとして) 実測値: C,59.55;H,6.83;N,11.
11;Cl,7.20 計算値: C,59.70;H,6.85;N,10.
92;Cl,7.26
【0070】実施例16 1−メチル−3−(N’−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(2−
(2−(2−(グアニジノ−1,3−チアゾール−4−
イル)メチルチオ)エチルカルバモイル)メトキシ)エ
トキシ)エチルピペラジノカルボメトキシフェニル)−
1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−
2−オン(IV−74)
【化37】 実施例1と同様にカップリングし、化合物(IV−7
4)を収率65.3%で得た。 IRνmax(KBr):3320,1650,160
0 cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.30(3H,s),
2.49(4H,m),2.58(2H,t,J=6H
z),2.66(2H,t,J=7Hz),3.37−
3.66(12H,m),3.48(3H,s),3.
62(2H,s),3.98(2H,s),4.73
(2H,s),5.50(1H,s),6.46(1
H,s),6.82(1H,m),7.01−7.48
(10H,m),7.62(1H,m) 元素分析(C4353117S 0.7H2Oとして) 実測値: C,56.61;H,6.01;N,16.
84;S,6.89 計算値: C,56.59;H,6.01;N,16.
88;S,7.03塩酸塩 IRνmax(KBr):3300,1660,160
0 cm-1 元素分析(C43531172 2.2HCl 1.8
2Oとして) 実測値:C,51.14;H,5.92;Cl,7.5
2;N,15.14;S,6.39 計算値:C,51.00;H,5.85;Cl,7.7
0;N,15.21;S,6.33
【0071】実施例17 1−メチル−3−(N’−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(2−
(2−(N’−シアノ−N”−(3−(3−(ピペリジ
ノメチル)フェノキシ)プロピル)グアニジノ)エトキ
シ)エトキシ)エチルカルバモイルメトキシ)フェニ
ル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−オン塩酸塩(IV−79)
【化38】 実施例2と同様にカップリングし、化合物(IV−7
9)を収率69.6%で得た。 IRνmax(KBr):3310,2160,167
0,1642,1580cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.45(2H,m),1.
74(4H,m),1.90(2H,quint,J=
5.8Hz),2.29(3H,s),2.65(4
H,br.s),3.24(2H,m),3.30−
3.85(14H,m),3.43(3H,s),3.
98(2H,t,J=5.9Hz),4.51(2H,
s),5.51(1H,d,J=7.8Hz),5.9
8(1H,t,J=5.6Hz),6.23(1H,b
r.s),6.75−5.90(3H,m),6.92
−7.03(2H,m),7.06−7.42(11
H,m),7.47(1H,d,J=7.8Hz),
7.59(1H,m),8.28(1H,br.s) 元素分析(C4960N107 1.5H2Oとして) 実測値:C,63.52;H,6.86;N,15.2
5 計算値:C,63.52;H,6.87;N,15.0
【0072】実施例18 1−メチルl−3−(N’−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(N’−
シアノ−N”−(3−(3−(ピペリジノメチル)フェ
ノキシ)プロピル)グアニジノ)エチルカルバモイルメ
トキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−80)
【化39】 実施例2と同様にカップリングし、化合物(IV−8
0)を収率62.1%で得た。 IRνmax(KBr):3320,2160,167
5,1580cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.49(2H,
m),1.67(4H,m),2.01(2H,qu
i,J=6Hz),2.30(3H,s),2.55
(4H,br.s),3.20−3.45(6H,
m),3.48(3H,s),3.61(2H,br.
s),4.03(2H,t,J=6Hz),4.50
(2H,s),5.48(1H,s),6.79−6.
95(3H,m),6.99−7.47(12H,
m),7.63(1H,m) 元素分析(C4552105 1.5H2Oとして) 実測値: C,64.12;H,6.46;N,16.
82 計算値: C,64.34;H,6.60;N,16.
68
【0073】実施例19 1−メチル−3−(N’−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(4−(3−
(2−(2−グアニジノ−1,3−チアゾール−4−イ
ルメチルチオ)エチルカルバモイル)プロパ−3−エニ
ル)ピペラジノカルボメトキシ)フェニル)−1,3−
ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン
(IV−177)
【化40】 1)N−Boc−N’−(3−(2−(2−グアニジノ
−1,3−チアゾール−4−イルメチルチオ)エチルカ
ルバモイル)プロパ−3−エニル)ピペラジン(IV−
175) 上記と同様にカップリングし、化合物(IV−175)
を収率45.4%で得た。 NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s),2.
39(4H,t,J=9.4Hz),2.71(2H,
t,J=6.4Hz),3.12(2H,d,J=6.
0Hz),3.43(6H,m),3.65(2H,
s),6.47(1H,d,J=15.6Hz),6.
44(1H,s),6.78(1H,dt,J=15.
2,6.2Hz)
【0074】2)化合物(IV−177) 1)で得たBoc−保護化合物(IV−175)を酢酸
エチル中で4N塩酸で処理し、アミン塩酸塩(IV−1
76)を得た。次いで、上記と同様にカップリングを行
い、化合物(IV−177)を収率37.6%で得た。 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.28(3H,
s),2.3−2.5(8H,m),2.71(2H,
t,J=6.4Hz),3.05(2H,m),3.4
−3.7(6H,m),3.47(3H,s),3.6
4(2H,s),4.75(2H,s),5.50(1
H,s),5.93(1H,d,J=15.2Hz),
6.51(1H,s),6.71(1H,dt,J=1
5.2,6.6Hz),6.81(1H,m),6.9
5−7.5(10H,m),7.62(1H,m)2塩酸塩 IRνmax(nujol):3280,1672,1
638,1610,1555 cm-1 元素分析(C41491152Cl2 1.4H2Oとし
て) 実測値:C,52.61;H,5.58;N,16.2
9;S,6.54;Cl,7.94 計算値:C,52.60;H,5.58;N.16.4
6;S,6.85;Cl,7.57
【0075】実施例20 1−メチル−3−(N’−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(3−
(2−(2−グアニジノ−1,3−チアゾール−4−イ
ルメチルチオ)エチルカルバモイル)プロパ−2−エニ
ルピペラジノ)エトキシ)フェニル)−1,3−ジヒド
ロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV
−203)
【化41】 1)1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジヒ
ドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(I
V−197) m−アニスアルデヒドを出発物質として、スガサワら
[T.Sugasawa,M.Adachi and
K.Sasakara,J.Heterocycli
c. Chem.,16,445(1979)]の方法
で製造したベンゾジアゼピン骨格を作り,ボックら
[M.G.Bock,R.M.Di Pardo,B.
E.Ejans.K.E.Rittle,D.F.Ve
ber,R.M.Freidinger,J.Hirs
hfield and J.P.Springer,
J.Org.Chem.52,3232(1987)]
の方法と類似の方法で1−メチル−3−(N’−(m−
トリル)ウレイド)−5−(3−アニシル)−1,3−
ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン
(IV−196)(428mg)のジクロロメタン(25
ml)中の懸濁液に、窒素雰囲気下、3臭化ホウ素(0.
3ml)のジクロロメタン(5ml)溶液を−20℃で滴下
した。混合物を−20℃で8時間撹拌し、氷ー水に注い
だ。混合物をジクロロメタン−メタノールで抽出した。
抽出物を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃
縮した。残渣をシリカゲル(30g)とクロロホルム:
メタノール(20:1)とを用いるクロマトグラフィー
にかけ酢酸エチルから再結晶し、化合物(IV−19
7)282mg(68.1%)を得た。
【0076】2)1−メチル−3−(N’−(m−トリ
ル)ウレイド)−5−(3−(2−テトラヒドロピラニ
ルオキシ)エトキシフェニル−1,3−ジヒドロ−2H
−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−19
8) 化合物(IV−197)(3.0g)、2−テトラヒド
ロキシエチルブロミド(3.02g)および炭酸カリウ
ム(5.03g)のアセトニトリル(50ml)中混合物
を18時間加熱還流した。水を加え、固形物をろ取し、
水洗し、乾燥し酢酸エチルから再結晶し、化合物(IV
−198)2.0g(50.9%)を得た。 mp=118−122℃ 3)1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−(2−ヒドロキシ)エトキシフェニル
−1,3−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン
−2−オン(IV−199) 化合物(IV−198)(2.00g)およびp−トル
エンスルホン酸(0.15g)のメタノール(20ml)
溶液を4時間加熱還流した。炭酸水素ナトリウム水溶液
を加え、固形物をろ取し、水洗し、乾燥し酢酸エチルか
ら再結晶し、化合物(IV−199)1.50g(88.
8%)を得た。mp=156−158℃
【0077】4)1−メチル−3−(N’−(m−トリ
ル)ウレイド)−5−(3−(2−メタンスルホニルオ
キシ)エトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−
1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−200) メタンスルホニルクロリド(603mg)のジクロロメタ
ン(10ml)溶液を化合物(IV−199)(1.20
8g)のジメチルホルムアミド(15ml)、トリエチル
アミン(4ml)およびジクロロメタン(20ml)中の溶
液に−20℃で滴下した。溶液を−20℃で1時間撹拌
し、希塩酸に注ぎ、ジクロロメタン:メタノールで抽出
した。抽出物を水洗し、減圧濃縮した。水を加え、固形
物をろ取し、水洗し、ジクロロメタン:メタノールに溶
かした。溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮
した。結晶性残渣をベンゼンで洗浄し、乾燥して化合物
(IV−200)1.27g(89.8%)を得た。
【0078】5)化合物(IV−203) 化合物(IV−200)(225mg)、実施例19で得
た化合物(IV−176)(230mg)および炭酸カ
リウム(2.5g)のアセトニトリル(5ml)中混合
物を20時間加熱還流した。ジクロロメタン:メタノー
ルを加え、不溶性物質をろ過して除いた。ろ液を減圧濃
縮し、残渣をシリカゲル(30g)、クロロホルム:メ
タノール:水酸化アンモニウム(5:1:0.125)
を用いるクロマトグラフィーにかけ、化合物(IV−2
03)120mg(34.7%)を得た。 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:2.30(3H,
s),2.55(4H,br.s),2.62(6H,
br.s),2.70(2H,t,J=6.7Hz),
2.83(2H,t,J=5.6Hz),3.12(2
H,d,J=5.4Hz),3.45(2H,t,J=
5.6Hz),3.48(3H,s),3.65(2
H,s),4.14(2H,t,J=5.6Hz),
5.50(1H,s),5.95(1H,d,J=1
5.4Hz),6.47(1H,s),6.7−6.9
(2H,m),7.02(2H,m),7.1−7.5
(8H,m),7.62(1H,m) 残渣に0.1−N塩酸(4.2ml)を加えた。固形物
が溶けるまでメタノールを加え、減圧下に、揮発性物質
を蒸留して除いた。 IRνmax(nujol):3280,1676,160
5,1554cm-1 元素分析(C41491124 3HCl 1.1H2
Oとして) 実測値:C,51.53;H,5.70;N,16.2
2;Cl,11.44;S,6.89 計算値:C,51.66;H,5.73;N,16.1
6;Cl,11.16;S,6.73
【0079】実施例21 1−メチル−3−(N’−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(2−(3−
(2−(2−グアニジノ−1,3−チアゾール−4−イ
ルメチルチオ)エチルカルバモイル)プロピルピペラジ
ノ)エトキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−
1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−204)
【化42】 上記実施例20と同様にして化合物(IV−204)を
収率11.1%で得た。 NMR(CDCl3)δ:1.80(2H,m),2.
26(3H,s),2.2−2.9(16H,m),
3.42(2H,t,J=6.5Hz),3.43(3
H,s),3.60(2H,s),4.14(2H,
m),5.54(1H,d,J=8.0Hz),6.3
8(1H,s),6.8−7.7(12H,m)塩酸塩 IRνmax(nujol):3280,16790,16
05,1554cm-1元素分析(C41511142
3.3HCl 0.9H2Oとして) 実測値:C,51.32;H,6.00;N,15.8
9;Cl,12.10;S,6.65 計算値:C,51.16;H,5.87;N,16.0
1;Cl,12.15;S,6.66
【0080】実施例22 1−メチル−3−(N’−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(3−(2−
(2−(グアニジノ−1,3−チアゾール−4−イルメ
チルチオ)エチルカルバモイル)プロピルカルバモイル
オキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−1,4
−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−226)
【化43】 1)1−メチル−3−(N’−(m−トリル)ウレイ
ド)−5−(3−(3−ベンジルオキシカルボニル)プ
ロピルカルバモイルオキシ)フェニル)−1,3−ジヒ
ドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(I
V−223) ジクロロメタン(30ml)中の、フェニル誘導体(IV
−197)(708mg)、3−(ベンジルオキシカルボ
ニル)プロピルイソシアナート(905mg)およびトリ
エチルアミン数滴の混合物を室温で2日間撹拌した。揮
発性物質を減圧下に留去した。残渣をシリカゲル(50
g)およびクロロホルム:メタノール(20:1)を用
いるクロマトグラフィーにかけ、化合物(IV−22
3)1.19g(定量的)を得た。再度酢酸エチル:ヘ
キサン(2:1)シリカゲルクロマトグラフィーにかけ
た。
【0081】2)1−メチル−3−(N’−(m−トリ
ル)ウレイド)−5−(3−(3−カルボキシプロピル
カルバモイルオキシ)フェニル)−1,3−ジヒドロ−
2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(IV−2
24) エステル(IV−223)(0.98g)および5%パ
ラジウム/C(230mg)のメタノール(20ml)およ
び酢酸エチル(10ml)中混合物を水素の存在下、30
分間撹拌した。触媒を濾過し、メタノールで洗浄した。
ろ液を減圧濃縮し、化合物(IV−224)0.72g
(85.7%)を得た。 3)化合物(IV−226) 上記実施例2と同様にカップリングし、化合物(IV−
226)40mg(24.9%)を得た。 IRνmax(nujol):3330,1696,165
0,1603,1540cm-1 NMR(CDCl3+CD3OD)δ:1.82(2H,
qui,J=7.0Hz),2.20(2H,t,J=
7.2Hz),2.42(3H,s),2.67(2
H,t,J=6.7Hz),3.2−3.4(4H,
m),3.44(3H,s),3.64(2H,s),
5.32(1H,s),6.44(1H,s),6.8
5−7.0(2H,m),7.1−7.5(9H,
m),7.62(1H,m) 元素分析(C36401052 1.2H2Oとして) 実測値:C,55.61;H,5.51;N,17.9
3;S,8.13 計算値:C,55.54;H,5.49;N,17.9
9;S,8.24
【0082】実施例23 1−メチル−3−(N’−
(m−トリル)ウレイド)−5−(3−(5−(5−
(3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキシ)プロピ
ルアミノ)チア−3,4−ジアゾール−5−イル)ペン
チルカルバモイルメトキシ)フェニル)−1,3−ジヒ
ドロ−2H−1,4−ベンゾジアゼピン−2−オン(I
V−230)
【化44】 1)2−(3−(3−(ピペリジノメチル)フェノキ
シ)プロピルアミノ)−5−(3−カルボメトキシ)プ
ロピルアミド)チア−3,4−ジアゾール(IV−22
7) 4−カルボメトキシ酪酸クロリド(350mg、2.13
mM)のジクロロメタン(5ml)溶液をアミン(IV−
219)(513mg、1.476mM)およびトリエチル
アミン(1ml)のジクロロメタン(20ml)溶液に加え
た。溶液を室温で5時間撹拌し、水洗し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル(4
0g)とクロロホルム:メタノール(10:1)を用い
るクロマトグラフィーにかけ、ジクロロメタン:エーテ
ルから折出させ、固形物として化合物(IV−227)
550mg(78.3%)を得た。
【0083】2)2−(3−(3−(ピペリジノメチ
ル)フェノキシ)プロピルアミノ)−5−(5−ヒドロ
キシペンチルアミノ)チア−3,4−ジアゾール(IV
−228) アミド(IV−227)(527mg、1.108mM)お
よび水素化リチウムアルミニウム(85mg、2.239m
M)のテトラヒドロフラン(20ml)中混合物を室温で
2時間撹拌し、3時間加熱還流した。氷冷下、酢酸エチ
ル、次いでブラインを加えた。不溶性物質をろ過し、ク
ロロホルム:メタノール(9:1)で抽出した。ろ液を
減圧濃縮し、残渣をシリカゲル(20g)、クロロホル
ム:メタノール(10:1から7:1)を用いるクロマ
トグラフィーにかけ、化合物(IV−228)392mg
(83.9%)を得た。
【0084】3)2−(3−(3−(ピペリジノメチ
ル)フェノキシ)プロピルアミノ)−5−(5−アジド
ペンチルアミノ)チア−3,4−ジアゾール(IV−2
29) 上記アルコール(IV−228)(392mg、0.93
0mM)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、ベンゼ
ン(2ml)中の0.5Mヒドラゾン酸およびトリフェニ
ルホスフィン(270mg、1.03mM)の溶液を加え
た。アゾジカルボン酸二エチル(180mg、1.03m
M)のテトラヒドロフラン(1ml)溶液を氷冷下、加え
た。混合物を室温で20時間撹拌した。揮発性物質を減
圧下、留去した。残渣をシリカゲル(40g)、クロロ
ホルム:メタノール(10:1)を用いるクロマトグラ
フィーにかけ、化合物(IV−229)222mg(5
2.2%)を油状物質として得た。 4)化合物(IV−230) アジド(IV−229)(222mg、0.486mM)お
よび5%パラジウム/C(100mg)のメタノール
(2.5ml)中混合物を水素の存在下、20時間撹拌し
た。触媒を濾過し、メタノールで洗浄した。ろ液を減圧
濃縮し、残渣(186mg、89.0%)およびカルボン
酸(IV−9)(250mg、0.529mM)を上記と同
様に処理し、化合物(IV−230)160mg(41.
8%)を得た。 IRνmax:3374,3343,1670,160
1,1555,1516 cm-1 NMR(CDCl3)δ:1.16(2H,qui,J
=6.9Hz),1.45(6H,m),1.62(4
H,m),2.03(2H,qui,J=6.2H
z),2.26(3H,s),2.46(4H,m),
3.10(2H,q,6.6Hz),3.27(2H,
m),3.43(5H,s),3.51(2H,s),
4.02(2H,t,J=6.0Hz),4.47(1
H,d,J=15.0Hz),4.52(1H,d,J
=15.0Hz),5.41(2H,m),5.58
(1H,d,J=8.2Hz),6.62(1H,t,
J=5.8Hz),6.71−7.43(5H,m),
7.58(1H,m),7.88(1H,d,J=8.
2Hz),8.10(1H,s) 元素分析(C4858105S 0.9H2Oとして) 実測値:C,63.82;H,6.71;N,15.3
8;S,3.56 計算値:C,63.82;H,6.67;N,15.5
1;S,3.55
【0085】実験例1 上記実施例で製造した化合物の薬理効果を、モルモット
胃粘膜を用いたガストリン受容体に対する拮抗作用、お
よびマウスの大脳皮質CCK受容体(CCK−B受容
体)および膵臓を用いたCCK受容体(CCK−A)に
対する拮抗作用の2項目に関し、インビトロで検討し
た。
【0086】実験動物:雄性Sprague Dawley系ラット
(体重220〜270g)、雄性Hartley系モルモット
(体重450〜600g)あるいは雄性ddYマウス(体
重24〜30g)を用いた。 薬物:ガストリン受容体拮抗薬としてL−365,26
0(特開昭63−238069号の実施例281に記載
の化合物)を、その他は市販のものを用いた。
【0087】 (1) インビトロガストリン受容体拮抗作用 胃腺の調製: 1.雄性Hartley系モルモット(体重450〜600
g)を脱血屠殺後、直ちに胃を取り出し、大弯部を切開
し内容物を冷水中にて洗浄する。 2.クレブス液(クレブス炭酸水素溶液;Krebs Bicarb
onate Solution)(氷冷)で洗浄後、1M NaCl(氷
冷)を浸した脱脂綿で粘液を軽くふき取り、クレブス液
で洗浄する。 3.クレブス液を浸した脱脂綿で粘膜面を軽くふき、ス
ライドグラスを用いて粘膜を剥離し、0.1%BSAを
含むハンク液(Hank's Balanced Solt Solution)に加
え、洗浄する。
【0088】4.剥離粘膜にハンク液に溶解した0.1
%コラゲナーゼ液を加え37℃で20分間、間歇的に軽
く振盪しながらインキュベーションする。上清をデカン
テーションし、新たに0.1%コラゲナーゼ液を加え、
さらに20分間インキュベーションする。 5.20mlの注射筒を用いて吸引排出を3〜4回繰り返
し、細胞を分離し(単離細胞にはならず、5〜10個が
接着した胃腺である)、濾過(200ナイロンメッシ
ュ)する。 6.270×g(1000rpm)で3分間遠心後上清を
捨て、ハンク液に溶解した0.2% 中性プロテアーゼ
(EC3.4.24.)液を加え37℃で15分間イン
キュベーションする。 7.270×g(1000rpm)で3分間遠心後上清を
捨て、0.1%BSAおよび25mg/100mlバシトラ
シンを含むクレブス液を加え、同様にピペッティングし
て細胞を洗浄する。3回繰り返す。以上の操作は、全て
95%CO2−5%O2通気下で行う。 8.生細胞数をカウントする。細胞液50μlに等量の
0.4%トリパンブルー(trypan blue)を加え、軽く振
盪して死細胞を染色後、生細胞数をカウントする。イン
キュベーション培地で106細胞/mlに希釈し、密閉し
て使用時まで氷冷しておく。
【0089】バインディングアッセイ a)被験化合物の調製 20mlのガラスバイアル瓶にそれぞれ約2mgを秤量し、
DMSO液に溶解し、1mM濃度を作成する。次いでチ
ューブを用い、50%DMSO液にて250μM(最終
濃度10μM)を希釈作成する。さらに1/10濃度毎
に25nM(最終濃度1nM)まで希釈作成する。チュー
ブに被験化合物10μl、[125I]ガストリン(5n
M)10μl及び細胞(106細胞/ml)230μlを添
加する。25℃で30分間インキュベーションした後、
3000rpmで5分間遠心し、上清を吸引除去する。氷
冷したクレブス液0.5mlを加え、軽く混合後、直ちに
遠心して上清を吸引除去する。放射能をガンマーカウン
ターにより計測する。総結合数の測定は、被験化合物の
代りに50%DMSO液10μlを用い、また非特異的結
合数の測定には、ヒトガストリンI(50μM)10μlを
用い、同様に行った。 e)IC50の算出:IC50;被験化合物の特異的な結合
数(総結合数(cpm)一非特異的結合数(cpm))
を算出して求めた。
【0090】 (2) インビトロCCK−A及び−B受容体拮抗作用 CCK受容体標品の作製:雄性ddYマウス(体重24〜
30g)を断頭屠殺後、大脳皮質(CCK−B)及び膵
臓(CCK−A)を速やかに摘出した。 受容体標本(粗膜分画)の調製: 1.マウスを断頭屠殺し、直ちに大脳及び膵臓を取り出
し、あらかじめ冷却しておいたPBS液で洗浄し、大脳
は皮質を分離する。 2.大脳皮質及び膵臓は50mMトリスバッファー(p
H7.4、冷却)で再度洗浄する。 3.それぞれを1.5〜2.0g/vialに秤量し、使用時
まで−80℃に保存する。
【0091】4.10倍量の50mMトリスバッファー
を加え、テフロン−ガラスホモジナイザーにてホモジナ
イズ(7ストローク)し、さらにポリトロンホモジナイ
ザーにて20秒間ホモジナイズする。 5.15分間40,000×gにて遠心し、ペレットを
得る。 6.10倍量の50mMトリスバッファーを加え、ポリ
トロンホモジナイザーにて20秒間ホモジナイズし、同
様に遠心し、ペレットを得る(2回繰り返す、蛋白量を
測定する)。 7.10倍量のインキュベーションバッファー10mM
HEPES、130mM NaCl、4.7mM KC
l、5mM MgCl2・6H2O、1mM EGTA、
5mg/mlBSA及び0.25mg/mlバシトロシ
ンを含む)を加え、ポリトロンホモジナイザーにて20
秒間ホモジナイズ後、同バッファーにて大脳皮質は最終
的に40倍、膵臓は200倍希釈し、それぞれCCK−
B及びCCK−A受容体標本とする。
【0092】置換アッセイ a)被験化合物の調製 20mlのガラスバイアル瓶にそれぞれ約2mgを秤量し、
DMSO液に溶解し1mM濃度を作成する。次いでシオ
ノギチューブを用い、50%DMSO液にて250μM
(最終濃度10μM)を希釈作成する。更に、1/10
濃度毎に25nM(最終濃度1nM)まで希釈作成する。
チューブに被験化合物20μl、[H]CCK−8
(50nM)10μl及び受容体標本470μlを添加す
る。25℃で90分間インキュベーションした後、吸引
濾過し(Whatman glass microfilter,GF/C)、冷
却した50mMトリスバッファーにて3回洗浄する。5
mlのアクアゾル−2カクティルを加え、振盪後数時間放
置し、放射能を5分間計数する。総結合数の測定は、被
験化合物の代わりに50%DMSO液20μlを用い、
また非特異的結合数の測定には、セルレイン(cerulein)
(25nM)20μlを用い、同様に行った。 e)IC50 IC50:被験化合物の特異的な結合数(総結合数(dpm)
一非特異的結合数(dpm))を算出して求めた。結果を下記
の表1および表2にまとめて示す。
【0093】実験例2 以下の方法で、PA2を求め、インビトロにおけるヒス
タミンH2受容体拮抗作用を調べた。雄性Hartley系モ
ルモット(体重450〜600g)を放血致死後、右心房
を摘出し、マグヌス装置(95%O2および5%CO2
通気したクレブスビカーボネートバッファー、30℃)
に懸垂した。この装置ヒスタミンを累積投与して変時性
作用を検討した。ヒスタミンH受容体拮抗作用のバラ
メーターであるpA2の算出はヒスタミンの用量反応曲
線を2倍だけ高濃度側に平行移動させるのに必要な拮抗
薬の負対数(negative logarithm)として求めた[高柳
一成 医薬品開発基礎講座V(津田恭介、野上寿編集、
地人館)p731ー776、東京(1974)およびVan Rossum J.
M.,Arch.Int.Pharmacodyn. Ther. 143:299-330(196
3)]。結果を表2に示す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】
【表4】
【化45】
【0098】実験例3 本実験例では、本発明のベンゾジアゼピン誘導体の有用
性を示すために、ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2B)と
ガストリン受容体拮抗作用を有する化合物との合剤の潰
瘍再発の軽減または防止効果を、連続投与して休薬後に
潰瘍の再発につながると言われる胃酸分泌の亢進(リバ
ウンド作用)さらに休薬後の胃粘膜の抵抗性に基づいて
検討した。
【0099】実験材料 実験動物として雄性Sprague Dawley系ラット(体重2
40−280g)を使用した。H2Bとしてファモチジン
を、ガストリン受容体拮抗薬としてL−365,260
を用いた。また、合剤はファモチジン(分子量337.
4)とL−365,260(分子量398.44)とがほぼ
同じ分子量であるので1:1の混合比で調製した。投与
のためにファモチジンおよびL−365,260は、1
0mgをベヒクル(Vehicle:0.5%メチルセルロース
溶液)1mlに懸濁して用いた。合剤は、各懸濁液の等量
の混合物である。
【0100】投与方法 各被検物質の投与量(1.0mlまたは3.0ml/kg)を注射
筒に入れ、これを装着したステンレス製経口ゾンデ針
(φ1.2×L80mm)をラットの口から胃内に直接挿入
して強制投与を行った。実験方法 A.単回投与実験 (1) 水浸拘束ストレス胃傷害 (単回投与実験) 24時間絶食(但し、摂水は自由)したラット(体重27
0−290g)に被験化合物を経口投与し、30分後に以
下の方法でストレス負荷した。即ち、ラットを東大薬作
型ストレス・ケージ(夏目製作所製)に入れ、23℃の水
槽内に胸部劒状突起の高さまで浸し、ストレスを負荷し
た[タカギら(Takagi)Chem.Pharm.Bull(Tokyo)
12 465−472(1964)]。7時間後にラット
を水槽内より引き上げてエーテル致死せしめ、胃を摘出
した。摘出胃は1%ホルマリン液13mlを胃内に注入
し、同濃度ホルマリン液中に10分間浸し固定した。胃
を大弯に沿って切開し、ガラス板上に伸展した(以下ホ
ルマリン処理と略す)。解剖顕微鏡(×10倍)下にて腺
胃部に発生した各損傷(出血性びらん)の長径(mm)を測定
した。
【0101】B.連続投与実験: (A) Vehicle(0.5%メチルセルロース溶液)投与群
(1ml/kg) (B) ファモチジン10mg/kg/day連続投与群(ファ
モチジン10mgを0.5%メチルセルロース1mlに懸
濁)、またはファモチジン30mg/kg/day投与群 (C) L−365,260 10mg/kg/day連続投与群 (D) (ファモチジン+L−365,260)各10mg/k
g/dayの合剤投与群
【0102】 (2)ファモチジン連続投与による休薬後の基礎酸分泌 正常飼育したラットにファモチジン10あるいは30mg
/kgを1日1回1週間連続経口投与した。最終投与後、
休薬時における基礎胃酸分泌(総酸排出量)は、10mg/
kg/day連続投与群については最終投与直後、24時間
後及び48時間(2日)後に、30mg/kg/day連続投与
群については最終投与直後、3日後及び4日後に、各
々、幽門結紮法(4時間法)[シャイら(Shay H.)
Gastroenterology、 43−61(1945)]で測
定した。即ち、ラットをエーテル麻酔下で開腹し、幽門
を結紮した。4時間後に再びエーテル麻酔下に胃を摘出
し、貯留した胃液を採取した。胃液は、遠心分離(30
00rpm.10分間)した後、pH及び酸度を測定した。
酸度はN/10NaOHでpH7.0まで滴定した。それ
ぞれの酸度と液量との積で総酸分泌量(μEq/4時間)
を算出した。
【0103】(3)ファモチジン連続投与後の胃粘膜に対
するアスピリン誘発胃粘膜傷害 ファモチジン連続投与して休薬2日目のラットにアスピ
リン200mg/kgを経口投与した。7時間後にエーテル
麻酔下で胃を摘出し、1%ホルマリン液処理後、腺胃部
に発生した胃粘膜傷害の長さ(mm)を測定し、その合計を
傷害係数とした。尚、ラットはアスピリン投与前24時
間絶食(但し、摂水は自由)した。
【0104】実験結果 (1)水浸拘束ストレスの胃傷害
【表5】 L−365,260のいずれの用量(1または3mg/kg)
もストレス胃傷害の発生を抑制しなかった。ファモチジ
ンの3mg/kgの用量は有意に抑制した。合剤群はいずれ
の用量でも単剤よりも強い抑制効果が認められた(表3
参照)。
【0105】 (2)ファモチジン連続投与による休薬後の基礎酸分泌
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】ファモチジン(10mg/kg/day)連続投与
群において、基礎胃酸分泌は休薬直後に有意(P<0.0
5)に抑制され、休薬48時間後には有意(P<0.05)
な亢進が認められた。これに対し、ファモチジン(30m
g/kg/day)連続投与群では、休薬直後の基礎胃酸分泌
は有意(P<0.05)に抑制されたが、休薬4日後に有
意(P<0.05)な亢進が認められた(表4、5、6参
照)。
【0109】
【表9】 一方、血中ガストリン値は、連続投与終了直後では酸排
出量の抑制に伴って血中ガストリン値が対照群に比べて
有意(P<0.05)に上昇したが、休薬1日後から3日
後まで対照群とほとんど差が認められなかった。ファモ
チジン10mg/kg/day連続投与による休薬後の酸排出
量の亢進は、ファモチジン(10mg/kg)とL−365,
260(10mg/kg)との合剤にすることによって酸排出
量の亢進が抑制される傾向を示した。尚、酸排出量にお
いてL−365,260単独の1週間連続投与群では対
照群と差がなかった(表7参照)。
【0110】(3)ファモチジン連続投与後の胃粘膜に対
するアスピリン誘発胃粘膜傷害
【表10】 胃体部にアスピリンによる線状形の障害が多数発生し
た。表から明らかなようにファモチジン連続投与群は、
対照群に比べて有意(P<0.05)な悪化を示し、ファ
モチジンとL−365,260との合剤投与群は、これ
を有意(P<0.05)に抑制した。尚、L−365,26
0連続投与群は、悪化傾向を示したが、有意でなかっ
た。
【0111】ファモチジンを連続投与して休薬後(2日
目)に基礎酸分泌の亢進(酸リバウンド)が認められた。
これはH2Bの共通の現象であると考える。また、アス
ピリン胃粘膜傷害に対するファモチジン連続投与群の胃
粘膜の反応性を検討したところ、休薬2日目に潰瘍係数
が有意に悪化した。これは上記の酸リバウンドが認めら
れたポイントと一致する。このことから、ファモチジン
処置の胃粘膜の防御機構が弱体化していることが示唆さ
れた。更に、ファモチジンによる酸リバウンド並びにア
スピリン胃粘膜傷害の増悪作用が、L−365,260
との合剤にすることにより抑制できることが明らかにさ
れた。これらの結果は、H2Bによる潰瘍治療後の胃障
害の発生をガストリン受容体拮抗薬との併用により防止
し得ることを一般的に示すものである(表8参照)。以
上の結果は本発明のベンゾジアゼピン誘導体が、治療後
の潰瘍の再発を伴わない、または再発が軽減された抗潰
瘍治療剤として有用であることを強く示唆するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 安信 京都府京都市南区西九条針小路町61

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 [式中、R1およびR3はそれぞれ独立して水素、ハロゲ
    ン、低級アルキルまたは低級アルキルオキシ;R2は水
    素または低級アルキル;R4は単結合または−CO−;
    5は、脂肪族複素環または−NH−;R6は置換基を有
    していてもよいC1−C15アルキレンまたは置換基を有
    していてもよいC2−C15アルケニレン(ただし、該ア
    ルキレンおよび該アルケニレンはそれらの基自体の中で
    および/またはそれらの基と隣接する基との間に、O,
    SおよびNHから選択される1またはそれ以上の基が介
    在していてもよい);R7は以下のいずれかの基: 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 を表す]で示されるベンゾジアゼピン誘導体またはその
    製薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】 R1が水素、R2およびR3が共に低級ア
    ルキルである請求項1の化合物。
  3. 【請求項3】 該脂肪族複素環が、ピロリジニル、ピペ
    リジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジ
    ニルまたはジオキサニルである請求項1の化合物。
  4. 【請求項4】 該アルキレンが−(CH2CH28)p
    (CH2)qR9(CH2)r−(式中、R8およびR
    9は、それぞれ独立して単結合、O、SまたはNH;p
    は0ないし5の整数;qは1ないし3の整数;rは0な
    いし2の整数を表す)である請求項1の化合物。
  5. 【請求項5】 R8がO、pが2または3、R9が単結合
    である請求項4の化合物。
  6. 【請求項6】 該アルケニレンが−(CH2−C
    (R10)=CH)q−(式中、R10は水素、ヒドロキ
    シ、メチル、またはハロゲン;qは1ないし3の整数を
    表す)で示される基である請求項1の化合物。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の化合物を含有する抗潰瘍
    剤。
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