JP3257303B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JP3257303B2
JP3257303B2 JP29020794A JP29020794A JP3257303B2 JP 3257303 B2 JP3257303 B2 JP 3257303B2 JP 29020794 A JP29020794 A JP 29020794A JP 29020794 A JP29020794 A JP 29020794A JP 3257303 B2 JP3257303 B2 JP 3257303B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のブレーキシステ
ムに関し、特に2輪に対する制動力を独立に制御するこ
とのできるアンチスキッド制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキシステムにおいて、車輪
に制動力を加えた際に、車輪がロック状態に陥って操縦
性能が損なわれることを防止するアンチスキッド制御装
置が知られている。このアンチスキッド制御装置では、
ブレーキ液圧を各車輪に対応するホイールシリンダに加
えることによって、車輪のスリップ状態を最適状態に制
御している。このような制御を実行するための装置とし
て、例えば特開昭61−202965号公報に記載され
ている油圧回路を挙げることができる。前記公報に開示
されている油圧回路を図8に示す。この油圧回路を用い
るアンチスキッド制御装置では、1つのポンプ41を2
つのホイールシリンダ12、(FL輪におけるホイール
シリンダ)に接続し、各々のホイールシリンダに対して
ブレーキ液を供給する構成を採っている。この際、片方
のホイールシリンダが低摩擦係数路上の車輪に対して制
動力を加え、他方のホイールシリンダが高摩擦係数路上
の車輪に対して制動力を加えるとする。このような場合
には各々のホイールシリンダに異なったブレーキ液圧を
加えなければならない。すなわち、各々のホイールシリ
ンダに対する制御が、例えば片方に対して増圧制御、他
方に対して減圧制御というように異なった制御を要求さ
れる。しかしながら、この従来の油圧回路ではこの要求
に対処する際には、それぞれのホイールシリンダに流動
されるポンプ41からのブレーキ液を、図中における切
替弁53を連通状態もしくは遮断状態とすることによっ
て、それぞれのホイールシリンダに必要なブレーキ液量
を分流することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような油圧回路では、ポンプからのブレーキ液を各ホイ
ールシリンダに的確に分流する切替弁がそれぞれのホイ
ールシリンダにつき1個づつ必要である。すなわち弁数
を多く必要であることによりアンチスキッド制御装置の
体格が大型化されるという問題があり、さらにコストア
ップにも繋がる。
【0004】そこで本発明は、2つのホイールシリンダ
の増減圧を独立に制御するアンチスキッド制御装置にお
いて1つのポンプから吐出されるブレーキ液を用いる場
合でも、簡素な方法にて各ホイールシリンダに対してブ
レーキ液を適切なブレーキ液量を分流でき、且つ各ホイ
ールシリンダに的確にブレーキ液圧を加え車両の減速度
を効率よく確保することができるアンチスキッド制御装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によるアンチスキッド制御装置は、ブレーキ
ペダルの踏み込みによってブレーキ液圧を発生するマス
タシリンダと、該マスタシリンダに接続された第1の管
路によって伝達されるブレーキ液圧を受けて前輪に制動
力を与える第1のホイールシリンダと、前記第1の管路
に接続された第2の管路によって伝達される前記マスタ
シリンダからのブレーキ液圧を受けて後輪に制動力を与
える第2のホイールシリンダと、前記第1のホイールシ
リンダに加わる前記マスタシリンダからのブレーキ液圧
と前記第2のホイールシリンダに加わる前記マスタシリ
ンダからのブレーキ液圧とを独立して制御する制御手段
と、前記第1のホイールシリンダおよび前記第2のホイ
ールシリンダの双方に対して、リザーバから汲み上げる
ブレーキ液を加圧して吐出し、前記第1のホイールシリ
ンダのホイールシリンダ圧および前記第2のホイールシ
リンダのホイールシリンダ圧を増圧するポンプと、前記
ポンプから前記第1のホイールシリンダにかけての管路
に配設され、前記ポンプから前記第1のホイールシリン
ダに向かうブレーキ液圧が所定値以上となった際にポン
プ側から前記第1のホイールシリンダ側へブレーキ液の
流動を許容する差圧弁と、前記ポンプから前記第2のホ
イールシリンダにかけての管路に形成される絞りと、ア
ンチスキッド制御時に、前記第1のホイールシリンダお
よび前記第2のホイールシリンダに加えられているブレ
ーキ液圧を各々独立して減圧することができる減圧手段
と、を備えることを特徴とする。
【0006】
【0007】また、前記可変絞りは、前記ポンプからの
ブレーキ液の前記第3の管路への流入部に設けられ、前
記可変絞りは、前記第3の管路の径よりも大きい径を有
している管部と、前記管部内に収納され、前記管部内に
所定の移動距離を確保するために前記管部の長さよりも
前記所定の移動距離分短く、且つ前記第3の管路の径よ
り大きく前記管部の径より所定径小さいプランジャと、
によって形成されていることを特徴とするアンチスキッ
ド制御装置を採用するようにしてもよい。
【0008】また、前記プランジャは、前記流入部と対
向する位置に前記ポンプからのブレーキ液を受ける受け
部が形成されていることを特徴とするアンチスキッド制
御装置を採用するようにしてもよい。また、前記プラン
ジャのには、絞りとしての溝部が形成されていることを
特徴とするアンチスキッド制御装置を採用するようにし
てもよい。
【0009】また、前記第2の管路に、所定以上のブレ
ーキ液圧が加えられた場合にブレーキ液圧の前記第2の
ホイールシリンダへの圧力伝達勾配を減少する比例制御
弁を備えるようにしてもよい。また、前記比例制御弁
は、前記第2の管路における、前記ポンプからのブレー
キ液が前記第2のホイールシリンダへ向けて流動する部
位以外に配設されていることを特徴とするアンチスキッ
ド制御装置を採用するようにしてもよい。
【0010】
【作用】以上のように構成される本発明によるアンチス
キッド制御装置の作用を以下に説明する。請求項によ
れば、差圧弁と絞りとを上述のように形成することによ
って、ポンプから第1、第2のホイールシリンダに向け
て吐出されるブレーキ液を絞りがある側の第2のホイー
ルシリンダには少量、差圧弁が配設されている側の第1
のホイールシリンダには大量に流動することができ、各
車輪のスリップ状態を的確に制御することができる。な
お、差圧弁の設定圧力を考慮すれば、低μ路面において
も最適なホイールシリンダ圧が各ホイールシリンダに加
わるようにすることができる。さらに、請求項7および
請求項8のように各車輪およびホイールシリンダを設定
すれば、後輪のホイールシリンダに対するブレーキ液圧
は前輪のそれに対するよりも小さな圧力で良いことが多
くても、絞りによって第2のホイールシリンダに向かう
ブレーキ液量を少なくし、ポンプからのブレーキ液のほ
とんどを、大量のブレーキ液量を必要とする前輪側の第
1のホイールシリンダに対して流動することができる。
【0011】
【0012】また、請求項6によれば比例制御弁が上述
の位置に配設されるため、アンチスキッド制御中におい
て、ポンプからのブレーキ液によって各ホイールシリン
ダ圧を増圧する際、ポンプおよび管路に余分な負担をか
けることがない。これは、ポンプからの吐出ブレーキ液
がホイールシリンダに流動される際に、影響を及ぼさな
い位置に比例制御弁が配設されているからである。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明によるアンチス
キッド制御装置の一実施例を説明する。車両のブレーキ
システムは、ブレーキペダルに連結されたマスタシリン
ダと、各車輪のブレーキ機構に設けられたホイールシリ
ンダと、ブレーキ液を貯蓄するリザーバとをそれぞれ管
路により接続して構成される。このようなブレーキシス
テムにおいてアンチスキッド制御装置は、車輪のスリッ
プ状態を検知し、このスリップ状態を最適に制御するよ
うにホイールシリンダ圧を制御する。通常、車両のブレ
ーキシステムは2系統に形成されており、それぞれの系
統では例えば右前輪−左後輪と、左前輪−右後輪の各組
に対してブレーキ液圧を加える配管系が構成されてい
る。この際、1系統のブレーキ配管系にて2輪を制御す
ることとなり、アンチスキッド制御性能を高レベルに確
保するためには、この2輪それぞれに対するホイールシ
リンダ圧を独立して制御する必要がある。すなわち、路
面状態等によって、各車輪において要求されるホイール
シリンダ圧が異なるためである。
【0014】図1には本発明の第1実施例を示すアンチ
スキッド制御装置の油圧回路図を示す。なお、本第1実
施例に適用するブレーキシステムは、一例として右前輪
−左後輪、左前輪−右後輪のブレーキ配管系からなるも
のを採用し、図1には右前輪−左後輪に対するブレーキ
配管系の油圧回路図を示す。また、左前輪−右後輪のブ
レーキ配管系は、右前輪−左後輪に対するものと同様の
構成を採用することができる。
【0015】図1の油圧回路図において、ブレーキペダ
ル1はマスタシリンダ2に連結されており、運転者等が
ブレーキペダル1を踏み込むことによりマスタシリンダ
2にマスタシリンダ圧を発生する。このマスタシリンダ
圧は第1の管路21および第1の管路21から延びる第
2の管路22を通って、右前輪8に制動力を加える第1
のホイールシリンダ6および左後輪9に制動力を加える
第2のホイールシリンダ7に伝達されブレーキ作用が行
われる。この際第2の管路22に配設されている比例制
御弁10は、所定値以上のブレーキ液圧が比例制御弁1
0に加わった際に比例制御弁10を通過するブレーキ液
圧の伝達勾配を低下するものであり、前輪よりも後輪に
加わるブレーキ液圧が所定の値より小さくなるようにし
ている。これは例えば、通常車両の制動時に車体に荷重
移動が起こるため、前輪の方が後輪に比べて大きな制動
力を許容することができ、また後輪は前輪と比較してロ
ック状態に陥りやすいという理由を挙げることができ
る。
【0016】前記第2の管路22および第1の管路21
における接続部よりもホイールシリンダ6側には、それ
ぞれ制御弁3、4が配設されている。この制御弁3、4
は、通常のブレーキ動作時では非作動状態であり、ポー
トは図示位置にある。図示しない電子制御装置等によっ
て車輪8、9のスリップ状態が所定以上であると判断さ
れた場合にアンチスキッド制御が開始され、この開始と
同時に前記制御弁3、4は連通状態から遮断状態へと変
更される。なお、各制御弁3、4はにはそれぞれ並列に
逆止弁16、17が接続されており、これらの逆止弁1
6、17は各ホイールシリンダ6、7側からのブレーキ
液の流動のみを許容する。アンチスキッド制御中におけ
る各ホイールシリンダ6、7の圧力の増圧を実行する手
段としてポンプ5が設けられている。このポンプ5は第
3の管路23に接続されており、リザーバ11からブレ
ーキ液を汲み上げて、前記第3の管路23に向けてブレ
ーキ液を圧力下に吐出する。なお、前記第3の管路23
の片方の端部は前記制御弁3からホイールシリンダ6の
間の第1の管路21に接続され、残る片方の端部は前記
制御弁4からホイールシリンダ7の間の第2の管路22
に接続される。各ホイールシリンダ6、7のホイールシ
リンダ圧の増圧は前記ポンプ5から吐出されるブレーキ
液によって実行され、また、このホイールシリンダ圧の
減圧は、各ホイールシリンダ6、7のブレーキ液をリザ
ーバ11に還流する流出弁14、15によって実行され
る。すなわち、各ホイールシリンダ圧を減圧する際に
は、それぞれのホイールシリンダ6、7に対応した流出
弁14もしくは制御弁15を遮断状態から連通状態とす
る。
【0017】第3の管路23には、図6にて詳述する分
流手段100が設けられている。この分流手段100
は、自身の左右の管路中の油圧に応じて移動する浮遊型
のプランジャが配設されている。この分流手段100に
よって、ポンプ5から吐出されるブレーキ液を第1のホ
イールシリンダ6および第2のホイールシリンダ7の双
方に対して分流する。また、制御弁3および制御弁4
は、マスタシリンダ2からのブレーキ液圧をホイールシ
リンダ6、7に対して制御する制御手段として構成され
ており、流出弁14、15は、アンチスキッド制御時に
各ホイールシリンダ6、7にかかっているブレーキ液圧
を減圧する際に連通状態とされる減圧手段として構成さ
れている。
【0018】第1実施例における分流手段100の構成
を図6を用いて詳述する。分流手段100はポンプ5か
ら吐出されるブレーキ液が第3の管路23に連通される
接続部105に形成されている。この接続部105付近
には第3の管路23の径よりも大きい管部106が形成
されており、この管部106にて分流手段100の外殻
を成す。この管部106内には、該管部106の径より
も所定値小さい径を有するプランジャ101が管部10
6内の長さ方向に移動可能に配設されている。このプラ
ンジャ101および管部106の少なくとも一方には、
プランジャ101が管部106の第3の管路23への接
続である開口部103、104へ、管路23内の圧力差
により押しつけられた際においても、ブレーキ液が絞り
作用を受けて第3の管路23中に多少流動するような構
成、例えば溝部107が採用されている。この溝部10
7はプランジャ101の端部に形成するようにしてもよ
いし、また管部106と第3の管路23との接続部位に
おいて形成するようにしてもよい。プランジャ101に
おける接続部105との対向部にはポンプ5からのブレ
ーキ液の吐出をうける受け部102が形成されている。
この受け部102は、例えば円柱状のプランジャ101
の中心軸方向の中心付近の外周壁を一様に切削して形成
するようにしてもよい。このような受け部102を形成
することによって、ポンプ5から吐出されるブレーキ液
の接続部105から管部106への流動がスムースに実
行される。
【0019】以上のように、分流手段100を有する油
圧回路の作動を以下に説明する。通常のブレーキ操作時
では乗員のブレーキペダル1の踏み込みによってマスタ
シリンダ2にマスタシリンダ圧が発生する。このマスタ
シリンダ圧は、第1の管路21、第2の管路22を通っ
て、第1のホイールシリンダ6および第2のホイールシ
リンダ7に伝達され、右前輪8および左後輪9に対して
ブレーキ作用を行う。この際、制御弁3、4および流出
弁14、15の各ポートは図示位置に有り、制御弁3、
4は連通状態、流出弁14、15は遮断状態とされてい
るなお、これらの弁3、4、14、15はそれぞれ図示
しない電子制御装置によって制御されている。また、各
弁3、4、14、15には、2ポート2位置弁を採用し
ており、その弁体は電子制御装置等によって電力を供給
された時、ソレノイドが励磁することによって変化して
ポートを切り換える。なお、各弁3、4、14、15に
は、このような電磁弁の他に、機械式弁を採用するよう
にしてもよい。
【0020】前記電子制御装置において、車輪のスリッ
プ状態が所定以上であると判断された場合、車輪のスリ
ップ状態を最適状態とするべくアンチスキッド制御が開
始される。このアンチスキッド制御開始に伴って、ポン
プ5が駆動し始める。この際の各車輪速度および各ホイ
ールシリンダ6、7のホイールシリンダ圧、各弁3、
4、14、15の制御状態を図2に示す。
【0021】図2では、例えば左後輪9が低μ路、右前
輪8が高μ路である跨ぎ路を車両が走行している場合に
おけるアンチスキッド制御装置の動作を説明する。ブレ
ーキ操作を時点0にて実行し始めると、各車輪8、9の
車輪速度が落ち込み始める。時点aにおいて、低μ路上
の車輪である左後輪9のスリップ状態が悪化、すなわち
ロック状態に陥ったとすると、アンチスキッド制御が開
始され、第2のホイールシリンダ7のホイールシリンダ
圧を減少させる制御が実行される。このような減圧モー
ドによってホイールシリンダ7のホイールシリンダ圧は
時点bまで減圧される。しかし、右前輪8は、高μ路上
を走行しているため、ロック傾向は見られず、時点aお
よび時点bではホイールシリンダ圧不足状態となってい
る。よって、ホイールシリンダ7の圧力を減圧制御して
いる際にもホイールシリンダ6に対しては増圧する制御
が実行される。
【0022】時点aにおいてアンチスキッド制御の開始
とともにホイールシリンダ7の圧力を減圧制御する場
合、図1の油圧回路において制御弁4が遮断状態とさ
れ、流出弁15が連通状態とされる。このようにして、
ホイールシリンダ7の圧力をリザーバ11に還流し、ホ
イールシリンダ圧を減圧する。しかしホイールシリンダ
8に対してはアンチスキッド制御は、未だ実行されてい
ないため制御弁3は連通状態とされている。よって、マ
スタシリンダ圧がホイールシリンダ6に対して加えられ
ている状態であり、第1の管路21側は高圧状態、これ
に比べて第2の管路22側は低圧状態となっている。よ
って、この際には分流手段100のプランジャ101は
第2の管路22側に移動しており、プランジャ101の
横断面が第2の管路22側へ近接する状態となり、図6
における開口部104が絞られ、開口部103は開放状
態となる。よってポンプ5からの吐出ブレーキ液をホイ
ールシリンダ9側へはあまり流動させず、ホイールシリ
ンダ6側に流動することができる。すなわち、分流手段
100におけるプランジャ101の移動によって、第2
の管路22側、ホイールシリンダ7側に対して絞り効果
を得ることができる。
【0023】図2における時点cにおいて、右前輪8も
ロック傾向が大きくなったとする。この際、制御弁3も
遮断状態とされ、右前輪8および左後輪9の双方に対し
てアンチスキッド制御が開始されたこととなる。右前輪
8のスリップ状態を最適化するために時点cにおいてホ
イールシリンダ圧の減圧が開始され、時点dにおいてロ
ック傾向が回避されたとして、ホイールシリンダ6の圧
力を増圧し始める。この際、時点dにおいても、図2の
線Aと線Bから分かるようにこの分流手段100のホイ
ールシリンダ6側とホイールシリンダ7側とでは圧力差
が存在する。よって、プランジャ101はホイールシリ
ンダ7側に移動した状態である。よって、ホイールシリ
ンダ7側の開口部104に対しては絞り作用が働き、開
口部103は連通状態となっている。よって、高μ側で
あり、充分な減速度を確保するためには高いブレーキ液
圧を必要とするホイールシリンダ6側に、ポンプ5から
の吐出ブレーキ液が大量に流動することとなる。また、
低μ側のホイールシリンダ7では、小さなホイールシリ
ンダ圧しか必要としないので、絞り作用が介在して流動
されるブレーキ液の量でも最適なホイールシリンダ圧を
確保することができる。
【0024】以上のように、高μ側のホイールシリンダ
6に対して、低μ側のホイールシリンダ7の制御に関わ
らずポンプ5からの吐出ブレーキ液を充分送ることがで
きる。すなわち、分流手段100を配設することによっ
て、ポンプ5から吐出されるブレーキ液を各ホイールシ
リンダ6、7に的確に分流することによって、高いホイ
ールシリンダ圧を必要とするホイールシリンダ6のブレ
ーキ液圧の不足状態を引き起こすことがない。すなわ
ち、路面μに応じて的確なブレーキ液量を1つのポンプ
5から送ることが可能であり、的確に車体減速度を発生
することができる。
【0025】なお、図2にて説明した路面状態、すなわ
ち右前輪8が高μ路走行、左後輪9が低μ路走行を行っ
ている状態から、走行路面状態が変化し、低μ側であっ
た左後輪9下の路面状態が、例えば高μ路になったとす
る。この際ポンプ5からのブレーキ液だけでは、ホイー
ルシリンダ7に対して、早く増圧することができないた
め、制御弁4を連通状態とし、マスタシリンダ圧を用い
て、いち早くホイールシリンダ7の圧力を増圧するよう
にしてもよい。ここで、マスタシリンダ圧によってホイ
ールシリンダ7の圧力が増圧された後には、ホイールシ
リンダ6側とホイールシリンダ7側とにおいて圧力差が
ほぼなくなり、プランジャ101は中立状態となる。よ
って、この後は、ポンプ5かの吐出ブレーキ液は、ほぼ
同様の割合でホイールシリンダ6とホイールシリンダ7
とに向けて吐出され、ポンプ5による両ホイールシリン
ダ6、7のホイールシリンダ圧の増圧が実現できること
となる。
【0026】次に、図3、図4、図5および図7を用い
て、本発明の第2実施例について説明する。なお第1実
施例と同様の構成には同一の符号を付与し、且つ同様の
作用効果については説明を略すこととする。また、上記
第1実施例においては、右前輪8−左後輪9とに対する
ブレーキ配管系に対して本発明を適用した実施例を示し
たが、本第2実施例では、右前輪−右後輪、左前輪−左
後輪のパターンを持つブレーキシステムにおける右前輪
−右後輪のブレーキ配管系に本発明を適用した例を説明
する。なお、図3では右後輪およびこれに対応するホイ
ールシリンダの記号のみを第1実施例から変更して付し
た(右前輪9a、ホイールシリンダ9a)が、制御弁
3、4、流出弁14、15の基本的な作用は第1実施例
と何ら変わることがないため、これらには同様の符号を
付与することとする。
【0027】本第2実施例における油圧回路では、分流
手段100に、図7に示す構成を採用する。図7を用い
て第2実施例における分流手段100の構成を説明す
る。図から分かるように、第3の管路23において、差
圧弁110と絞り111とが配設されており、この差圧
弁110と絞り111との間の管路にポンプ5からの接
続部112が形成されている。また、比例制御弁10は
第2の管路22の上流側に配設されており、ポンプ5か
ら吐出されるブレーキ液がホイールシリンダ7aに向け
て流動される際にこのブレーキ液に対して影響を与え
ず、マスタシリンダ2から送られるブレーキ液に対して
作用する位置に配設されている。
【0028】以上のように構成される、第2実施例にお
けるアンチスキッド制御装置の油圧回路の作用効果を以
下に説明する。通常、車両のブレーキシステムは、右後
輪9aのホイールシリンダ7aが発生するブレーキ液圧
より右前輪8のホイールシリンダ6が発生するブレーキ
液圧の方が高いブレーキ液圧となるように設計されてい
る。なお、このような特性を発揮するために、例えば右
前輪8のホイールシリンダ6のホイールシリンダ径を右
後輪9aのホイールシリンダ7aのホイールシリンダ径
と比べて大きな径とする、もしくは比例制御弁10を配
置する等によって対処している。しかし、本第2実施例
では、比例制御弁10は上述の位置に配設されているた
め、通常ブレーキ時におけるマスタシリンダ2からのブ
レーキ液圧に対してはこのような作用を果たすが、アン
チスキッド制御時におけるポンプ5からのブレーキ液圧
に対しては作用しない。ポンプ5からの吐出ブレーキ液
によって、差圧弁110と絞り111との間の第3の管
路23内のブレーキ液圧が差圧弁110の設定圧力以上
となればポンプ5の吐出ブレーキ液はホイールシリンダ
6側に大量に流れることとなる。これは、絞り111に
よってホイールシリンダ7a側に流動するブレーキ液に
圧力損失が発生し、ホイールシリンダ7a側には少量の
ブレーキ液が流動するためである。通常、ホイールシリ
ンダ7aではホイールシリンダ6と比較して小さな制動
力を発揮すればよいため、少量のブレーキ液量でも対処
でき、ホイールシリンダ6では、より大きな制動力を発
揮するために大量のブレーキ液を必要とする。また、各
ホイールシリンダ6、7aとに同レベルの制動力を発生
させようとすれば、ホイールシリンダ径のおおきなホイ
ールシリンダ6の方がより大量のブレーキ液を必要とす
る。絞り111は、このような点を鑑みて右後輪側に配
設されている。
【0029】また、差圧弁110の設定圧力は、以下の
ように設定するようにしてもよい。車両が所定の摩擦係
数を有する低μ路を走行している時、車両に小さな減速
度しか発生させることができないため、車重移動もほと
んど起こらない場合がある。このような時には前輪にも
後輪にもほぼ同様の制動力を加えた際が最も的確に車両
に制動力を加えることができる。このように前記所定の
摩擦係数を有する低μ路の走行時に右前輪8と右後輪9
aとにほぼ同様の制動力を発生しようとする際に、ホイ
ールシリンダ6に加えられるべきブレーキ液圧をX、ホ
イールシリンダ7aに加えられるべきブレーキ液圧をY
であるとする。この際、上述のようにブレーキシステム
が構成されており、同様のブレーキ液量が各ホイールシ
リンダ6、7aに加われば、ホイールシリンダ6の方が
より大きい制動力を右前輪8に与えることとなる。よっ
て、右前輪8と右前輪9aとに同様の制動力を与えよう
とする場合、ホイールシリンダ7aの方にホイールシリ
ンダ6に比べてより多いブレーキ液量を供給しなければ
ならない。すなわち、ブレーキ液圧Yはブレーキ液Xと
比較して高いブレーキ液圧を必要とする。そこで、前記
差圧弁110の設定圧力をこのようなブレーキ液圧X
くブレーキ液圧Yより大きな値を採るように設定する。
このように設定すれば、前記所定の摩擦係数値以上の摩
擦係数を有する路面において、差圧弁110はポンプ5
からの大量のブレーキ液を右前輪8のホイールシリンダ
6側に流動し、ホイールシリンダ6のブレーキ液圧不足
を招くことなく、且つ絞り111を通過する少量のブレ
ーキ液によって右後輪9aのホイールシリンダ7aに対
しても的確なブレーキ液圧を供給することができる。ま
た、前記所定の摩擦係数近傍の値を有するような低μ路
においても、車輪8、9aに対して的確な制動力を加え
ることができる。これに関しては図5において後述す
る。
【0030】比例制御弁10は図3において上述した位
置に配設される。比例制御弁10は、この比例制御弁1
0に加わる圧力が所定値以上となった場合、通過する圧
力の伝達勾配を低下する作用をもつ。すなわちここで
は、比例制御弁10によって、通常のブレーキ作用時、
マスタシリンダ2からのブレーキ液圧が所定値以上にな
った場合、右前輪8のホイールシリンダ6に対するブレ
ーキ液圧よりも右後輪9aのホイールシリンダ7aに対
するブレーキ液圧の方が小さくなる。しかしながら、ア
ンチスキッド制御が開始され、制御弁4が遮断状態とさ
れた後は、マスタシリンダ2からのブレーキ液圧はホイ
ールシリンダ7aに作用せず、よって比例制御弁10
は、ホイールシリンダ7aに影響を与えなくなる。ま
た、これにたいして第1実施例における油圧回路図のよ
うに、ポンプ5から吐出されるブレーキ液が比例制御弁
10を通過する位置に該比例制御弁10が設けられて要
る場合には、アンチスキッド制御開始後におけるポンプ
5の吐出ブレーキ液に対しても上述のようにホイールシ
リンダ7aに伝達されるブレーキ液圧を低下させる。よ
って、ホイールシリンダ7aにより高いブレーキ液圧が
必要である場合に、比例制御弁10によるブレーキ液圧
の低下分、ポンプ5から吐出されるブレーキ液圧を高圧
力としなければならなかった。しかしながら、本実施例
のごとく比例制御弁10が配置されることによって、ポ
ンプ5から吐出されるブレーキ液圧が比例制御弁10の
作用を受けないため、ポンプ吐出によるホイールシリン
ダ7aの増圧時にブレーキ液圧の低下というロスを発生
することがない。このため、出力性能が多少劣ったポン
プ5を採用することも可能であり、また、第3の管路2
3等に加わるブレーキ液圧を低くすることができ、管路
の耐久性を向上することもできる。
【0031】次に図4を用いて、図3のように構成され
る油圧回路を用いたアンチスキッド制御の作用を説明す
る。図4には、一例として、右後輪9aに加えるべきブ
レーキ液圧が右前輪8に加えるべきブレーキ液圧と比較
して小さな値でもよい際、例えば高μ路、中μ路におけ
る急ブレーキ時等において、後輪にかかる重量が非常に
低下した場合のアンチスキッド制御時の各ホイールシリ
ンダ圧および車輪速度の変化を示す。
【0032】時点0において乗員がブレーキ操作し始
め、時点aにおいて右後輪9aの車輪速度が急激に落ち
込み、ロック状態に陥ったとすると、この時点にてアン
チスキッド制御が開始される。この時点aからポンプ5
が駆動を始め、且つ制御弁4は遮断状態とされる。時点
a〜時点bまで、すなわち右後輪9aの車輪速度が回復
するまでホイールシリンダ9aの圧力は、流出弁15が
連通状態とされることによって減圧される。しかしなが
ら、右前輪8は、まだブレーキ液圧が不足しているた
め、マスタシリンダ2からブレーキ液圧が送られる。こ
の際、第3の管路23において絞り111が存在するた
め、ホイールシリンダ6側の管路中のブレーキ液圧を高
く保持することができる。時点cにおいて、右前輪8の
車輪速度が落ち込みロック状態に陥ったとする。この時
点から時点dまで、流出弁14が連通状態とされること
によってホイールシリンダ6は減圧される。時点dにお
いて右前輪8の車輪速度が回復し、ホイールシリンダ6
に対しても増圧が開始される。この際流出弁14、15
は双方とも遮断状態とされており、両輪8、9aともア
ンチスキッド制御されているため、ポンプ5から吐出さ
れるブレーキ液圧によって、ホイールシリンダ6、7a
は増圧される。この際、ホイールシリンダ7aには絞り
111を通過し流量が絞られたブレーキ液が送られる。
また、低μ路以外ではホイールシリンダ6の増圧時には
前記設定圧力以上のブレーキ液圧が接続部112付近に
加わっているため、差圧弁110を通過したブレーキ液
圧が大量にホイールシリンダ6に流動される。よって、
右前輪8と右後輪9aとに対するホイールシリンダ6と
7aとにおいて確保するべきブレーキ液圧が異なり、且
つホイールシリンダ6に対してホイールシリンダ7aよ
りも高いブレーキ液圧を必要とする場合においてもポン
プ5からのブレーキ液を的確に分流でき、各ホイールシ
リンダ6、7aの圧力を確保することができる。
【0033】また、図5は、車両が前記所定摩擦係数程
度の摩擦係数を有する低μ路を走行している際における
右前輪8および右後輪9aの車輪速度、およびホイール
シリンダ6、ホイールシリンダ7aに対する圧力を示し
ている。氷上のような低μ路においては、右前輪8のホ
イールシリンダ6に対して加えるられるブレーキ液圧が
前記ブレーキ液圧Xよりも多少大きい圧力であると右前
輪8がロック状態に陥り、また、左後輪9aのホイール
シリンダ7aに対するブレーキ液圧を前記ブレーキ液圧
Y程度まで高めても、前述の如くブレーキシステムの構
成によってホイールシリンダ6と比較して小さな制動力
しか発生することがないため左後輪9aは適切なスリッ
プ状態に制御できる場合がある。例えば図5において、
各車輪の最適なスリップ状態を実現し的確に制動力を発
生するホイールシリンダ圧が、各々、ホイールシリンダ
6のブレーキ液圧PF が前記ブレーキ液圧X程度であ
り、ホイールシリンダ7aのブレーキ液圧PR 前記ブレ
ーキ液圧Y程度であるとする。この際当然ながら前述の
ように設定されている差圧弁110の設定圧力Sはブレ
ーキ液圧PF からPR の間の値となっている。また、ホ
イールシリンダ6に対してポンプ吐出によって圧力PF
を加えようとする場合、接続部112付近の圧力は{圧
力Sプラス圧力PF }となっている。これは、通常差圧
弁110において設定圧力Sの分、ホイールシリンダ6
側に伝達されるブレーキ液圧に差損が生じるからであ
る。ホイールシリンダ7aに対しては、接続部112付
近の圧力{圧力Sプラス圧力PF }によって、圧力PR
まで高めることができる。
【0034】このような分流手段100を油圧回路中に
構成することにより車両の低μ路走行時におけるアンチ
スキッド制御時、前後輪の各々に対するホイールシリン
ダ6、7aに対して、ホイールシリンダ6にくわわるブ
レーキ液圧よりもホイールシリンダ7aに加わるブレー
キ液圧の方を高くし、前輪側と後輪側とに加わる制動力
をほぼ等しくして最適な制動力を得ることが可能であ
る。
【0035】本発明は上記実施例に限定されることな
く、以下のように種々変形可能である。例えば、第1実
施例において比例制御弁10を、第2実施例における比
例制御弁10の位置に配設するようにしてもよい。この
際には第2実施例における比例制御弁10の作用効果
を、第1実施例においても発揮することができる。
【0036】また、第1実施例では、右前輪−左後輪、
左前輪−右後輪のブレーキ配管系を持つブレーキシステ
ムに本発明を適用したが、第2実施例において採用した
ブレーキシステム、すなわち右前輪−右後輪、左前輪−
左後輪のブレーキ配管系を有するものに適用しても同様
の効果を得ることができる。さらに第2実施例において
も同様に、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪のブレーキ
配管系を持つブレーキシステムに適用しても同等の効果
を得ることができる。
【0037】また、第1、第2実施例において、マスタ
シリンダ2からのマスタシリンダ圧を制御する制御手段
として、制御弁3、4を採用するようにしていたが、こ
れに限らず、例えば第1の管路21と第2の管路22と
の接続部位に、2ポート3位置弁等を用いて制御するよ
うにしてもよい。なお、上述の実施例では、第1、第2
のホイールシリンダ6、7(7a)は前輪側と後輪側と
に対して構成されていたが、例えば第1のホイールシリ
ンダ6を右前輪、第2のホイールシリンダ7(7a)を
左前輪に対して構成する用にしてもよい。この際には、
左右の車輪下の路面状態が異なる跨ぎ路におけるアンチ
スキッド制御時、各ホイールシリンダに加えるべき制動
力が異なっても、分流手段100によって的確にホイー
ルシリンダ圧を加えることが可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、本発明は、2つのホイ
ールシリンダの増減圧を独立に制御するアンチスキッド
制御装置において1つのポンプから吐出されるブレーキ
液を用いる場合でも、簡素な方法にて各ホイールシリン
ダに対してブレーキ液を適切なブレーキ液量を分流で
き、且つ各ホイールシリンダに的確にブレーキ液圧を加
え車両の減速度を効率よく確保することができるアンチ
スキッド制御装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンチスキッド制御装置の一実施
例を示す油圧回路図である。
【図2】図1に示す油圧回路図を用いた際のアンチスキ
ッド制御の特性を示す特性図である。
【図3】本発明によるアンチスキッド制御装置の一実施
例を示す油圧回路図である。
【図4】図3に示す油圧回路図を用いた際のアンチスキ
ッド制御の特性を示す特性図である。
【図5】図3に示す油圧回路図における分流手段の効果
を示す特性図である。
【図6】本発明の特徴である分流手段の一実施例である
可変絞りの構成を示す構成図である。
【図7】本発明の特徴である分流手段の一実施例である
差圧弁+絞りの構成を示す構成図である。
【図8】従来のアンチスキッド制御装置における油圧回
路図である。
【符号の説明】 1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3、4 制御弁(制御手段) 5 ポンプ 6、7、7a 第1、第2のホイールシリンダ 8 右前輪(車輪) 9 左後輪(他の車輪) 9a 右後輪(他の車輪) 10 比例制御弁 11 リザーバ 14、15 流出弁(減圧手段) 100 分流手段 101 プランジャ 102 受け部 106 管部 107 溝部 110 差圧弁 111 絞り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩田 克二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−202965(JP,A) 特開 平5−330416(JP,A) 実開 平1−90660(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/00 B60T 8/32 - 8/96

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの踏み込みによってブレ
    ーキ液圧を発生するマスタシリンダと、 該マスタシリンダに接続された第1の管路によって伝達
    されるブレーキ液圧を受けて前輪に制動力を与える第1
    のホイールシリンダと、 前記第1の管路に接続された第2の管路によって伝達さ
    れる前記マスタシリンダからのブレーキ液圧を受けて後
    輪に制動力を与える第2のホイールシリンダと、 前記第1のホイールシリンダに加わる前記マスタシリン
    ダからのブレーキ液圧と前記第2のホイールシリンダに
    加わる前記マスタシリンダからのブレーキ液圧とを独立
    して制御する制御手段と、 前記第1のホイールシリンダおよび前記第2のホイール
    シリンダの双方に対してリザーバから汲み上げるブレー
    キ液を加圧して吐出し、前記第1のホイールシリンダの
    ホイールシリンダ圧および前記第2のホイールシリンダ
    のホイールシリンダ圧を増圧するポンプと、 前記ポンプから前記第1のホイールシリンダにかけての
    管路に配設され、前記ポンプから前記第1のホイールシ
    リンダに向かうブレーキ液圧が所定値以上となった際に
    ポンプ側から前記第1のホイールシリンダ側へブレーキ
    液の流動を許容する差圧弁と、 前記ポンプから前記第2のホイールシリンダにかけての
    管路に形成される絞りと、 アンチスキッド制御時に、
    前記第1のホイールシリンダおよび前記第2のホイール
    シリンダに加えられているブレーキ液圧を各々独立して
    減圧することができる減圧手段と、 を備えることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の管路に、所定値以上のブレー
    キ液圧が加えられた場合にブレーキ液圧の前記第2のホ
    イールシリンダへの圧力伝達勾配を減少する比例制御弁
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のアンチスキ
    ッド制御装置。
  3. 【請求項3】 前記比例制御弁は、前記第2の管路にお
    ける、前記ポンプからのブレーキ液が前記第2のホイー
    ルシリンダへ向けて流動する部位以外に配設されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のアンチスキッド制御
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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