JP3257271B2 - 電気集塵エレメントの集塵部 - Google Patents

電気集塵エレメントの集塵部

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JP3257271B2
JP3257271B2 JP20896194A JP20896194A JP3257271B2 JP 3257271 B2 JP3257271 B2 JP 3257271B2 JP 20896194 A JP20896194 A JP 20896194A JP 20896194 A JP20896194 A JP 20896194A JP 3257271 B2 JP3257271 B2 JP 3257271B2
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    • B03C3/00Separating dispersed particles from gases or vapour, e.g. air, by electrostatic effect
    • B03C3/34Constructional details or accessories or operation thereof
    • B03C3/40Electrode constructions
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    • B03C3/64Use of special materials other than liquids synthetic resins

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  • Electrostatic Separation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気集塵エレメントの集
塵部に関し、より詳細には、高電圧が印加される印加電
極板とアース側の集塵電極板とを、互いに間隔を隔てて
交互に積層した電気集塵エレメントの集塵部に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の電気集塵エレメントは、
清浄化されるべき空気の経路中に、イオン化部と、この
イオン化部の下流側に配設される集塵部とを備えてお
り、イオン化部によって予め一方の極性(例えばプラス
の極性)に荷電された上記空気中の塵埃が、集塵部によ
って捕集されるようになっている。
【0003】そのような集塵部としては、印加電極板と
集塵電極板とを有している。両電極板は、互いに空気を
流通可能な間隔を隔てて交互に積層されている。印加電
極板と集塵電極板との間隔が狭いほど高い集塵効率が得
られることが知られているが、両者とも導電性の電極板
をそのまま用いた場合では、電極板間の間隔は4mm程
度が限界で、これ以上電極板の間隔を狭くして集塵効率
を高めようとすると、アーク放電が発生してしまう。そ
こで、一方の電極板(例えば、印加電極板)は、アルミ
ニウム箔等からなる導電部材を樹脂製の被覆部材で被覆
して構成されていると共に、他方の電極板(例えば、集
塵電極板)は、帯電した電荷を逃がすための導電部材を
有しており、これにより電極板の間隔を比較的狭くし、
高い集塵効率が得られるようにしている(例えば、特開
平3−80953号公報、特開平6−31200号公報
参照)。
【0004】各電極板の一端側には、印加側の通電支柱
が配設され、各電極板の他端側には、アース側の通電支
柱が配設されている。そして、印加電極板の導電部材
は、当該印加電極板の一端側から印加側の通電支柱と電
気的に接続されているとともに、アース側の通電支柱と
は絶縁されている。他方、集塵電極板の導電部材は、当
該集塵電極板の他端側からアース側の通電支柱と電気的
に接続されているとともに、印加側の通電支柱とは絶縁
されている。
【0005】そして、各電極板とそれに対応する通電支
柱との電気的接続状態を確保するために、従来は、それ
ぞれ接続される側に通電端子片を設けてこの通電端子片
を湾曲させ、その弾性反発力によって導電部材を通電支
柱に押し付けていた(例えば実公平2−33881号公
報参照)。このような集塵部は、空気中の塵埃を捕集す
るためのものであるから、定期的に捕集された塵埃が洗
浄水によって洗浄される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のものでは、洗浄後の水切り性が悪いという問題があ
った。というのは、集塵部の洗浄の際、上述した電極板
においては、湾曲した状態で通電支柱に接触する通電端
子片を設けていたので、各電極板と通電支柱の間に洗浄
時における洗浄水等の液が表面張力によって残留するか
らである。
【0007】本件出願人は、互いに極性の異なる電極板
を交互に積層して電極板積層体を構成し、この電極板積
層体を貫通する一対の通電支柱によって各電極板に通電
する構成を提案している(特願平4−226238
号)。この構成では、各電極板の端部に湾曲した通電端
子片を設ける必要がないので、ある程度、液の残留を防
止することが可能になる。しかし、各通電支柱は、全て
の電極板の両端部を貫通しているので、それでもなお、
積層方向に隣接する各電極板の端部と通電支柱との間に
区画される小さな隙間に洗浄時の液が残留してしまう。
【0008】一方、洗浄後の電気集塵エレメントを水切
りのために十分振っておいたとしても、時間が経過する
と、大きな水滴が目につくようになるという経時的な水
切り性の悪さの問題もあった。そこで、本件出願人は、
鋭意研究の結果、経時的な水切り性の悪さという問題
は、下記の様にして発生するのではないかと考えた。
【0009】すなわち、洗浄後のエレメントを水切りの
ために十分振っておいたとしても、図10に示すよう
に、洗浄時の液は、細かい多数の水滴Wとなって各電極
板10、20の表面に残留している。そして、時間の経
過と共に、上記多数の水滴Wはしだいに寄り集まって成
長する。すると、上述したように、電極板10、20の
間隔は、高い集塵効率を得るため、比較的狭く設定され
ているので、一方の電極板(例えば、印加電極板10)
で成長した水滴Wは、他方の電極板(例えば、集塵電極
板20)で成長した水滴Wに接触して両者の電極板1
0、20間に架設された状態となって、いわゆる橋渡し
を形成する(同図において、W1は橋渡し状態になって
いる水滴を示す。)。水滴W1がこのような橋渡し状態
になると、水滴W1の両端部が、表面張力によって、電
極板10、20に付着することとなるので、水滴W1の
電極板10、20に対する付着力は、橋渡し状態になっ
ていない水滴Wと比べて、強固なものとなり、電気集塵
エレメントを振っても水滴W1が落ちにくくなる。ま
た、橋渡し状態では、水滴W1の外気に触れる面積が減
少するので、水滴W1が乾燥するのに時間がかかる。
【0010】また一方、水切りのために、電気集塵エレ
メントを振ると、電極板10、20表面に残存している
水滴Wは、電極板10、20の幅方向の端部に移動させ
られて電極板10、20の幅方向の端部に残留する(実
験によって、この傾向は、樹脂製の被覆部材が被覆され
ている電極、例えば印加電極板10において、顕著に現
れるのが確認されている。)。通常、両者の電極板1
0、20は、ともに同じ幅で、しかも幅方向の両端が揃
えられた状態で積層されていることから、幅方向の両端
部においても電極板10、20の間隔は狭いものとなっ
ている。そのため、電極板10、20間では、特に長さ
の長い幅方向の端部において、多くの水滴W1が上記し
た橋渡し状態になり易い。
【0011】本発明は上記不具合及び上記考察に鑑みて
なされたものであり、洗浄後の水切り性が向上された電
気集塵エレメントの集塵部を提供することを目的として
いる。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、導電性材料からなる導電部
材をそれぞれ有する長板状に形成された多数の印加電極
板及び集塵電極板を含み、各電極板を互いに間隔を隔て
て交互に積層して構成される電極積層体を備え各電極
板は、それぞれ通電側端部と対向側端部とを含んでお
り、電極積層体の一端には印加電極板の通電側端部が、
電極積層体の他端には集塵電極板の通電側端部が揃えら
れ、 印加電極板の通電側端部および集塵電極板の通電側
端部には、それぞれ、対応する同一極性の通電支柱が貫
通されて電気的に導通されており、 印加電極板の対向側
端部は反対極性の通電支柱に対し当該電極板の長手方向
に間隔を隔てて対向し、集塵電極板の対向側端部は反対
極性の通電支柱に対し当該電極板の長手方向に間隔を隔
てて対向していることを特徴とする電気集塵エレメント
の集塵部である。
【0013】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の電気集塵エレメントの集塵部において、電極積層体
に設けられ、且つ、各電極板の対向側端部の位置ずれを
規制する規制手段をさらに備えているものである。ま
た、請求項3記載の発明は、請求項2記載の電気集塵エ
レメントの集塵部において、上記規制手段は、通電支柱
と平行に各電極板を貫通する貫通棒である。
【0014】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の電気集塵エレメントの集塵部において、印加電極板
及び集塵電極板は、互いに間隔を隔てて交互に積層され
ており、印加電極板及び集塵電極板の少なくとも一方
は、上記導電部材が樹脂製の被覆部材で被覆され、隣接
する電極板同士の間隔は、1.5mm以上に設定されて
いることを特徴とする電気集塵エレメントの集塵部であ
る。
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明の請求項1記載の発明では、対向側端部
が、それと反対極性の通電支柱に対して間隔を隔ててい
るので、両者間に所望の空間を区画することができる。
また、対向側端部が通電支柱よりも長手方向に後退する
ことになるので、通電支柱の周囲は、当該通電支柱の極
性と同一極性の電極板のみが対向する広い空間が区画さ
れることになる。
【0018】また、請求項2記載の発明では、規制手段
が、対向側端部の位置ずれを規制する。また、請求項3
記載の発明では、規制手段として、各電極板を貫通する
貫通棒を採用しているので、電極積層体の外寸法を大き
くすることなく対向側端部の位置ずれを規制することが
できる。
【0019】また、請求項4記載の発明は、下記の作用
を奏する。すなわち、本件出願人は、実験により、電極
板の積層間隔が1.5mm以上に設定されている場合に
は、1.5mm未満に設定されている場合に比較して、
水切り性が格段に向上するという知見を得た。本発明は
かかる知見に基づいてなされたものであり、本発明によ
れば、洗浄後に各電極板の表面に残留した水滴が、時間
の経過とともに、寄り集まって成長しても、一方の電極
板で成長した水滴が、他方の電極板で成長した水滴に接
触しにくくなる結果、上記成長した水滴が電極板間に架
設された状態になりにくく、いわゆる橋渡しを形成しに
くくなる。
【0020】
【0021】
【0022】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の好まし
い実施例について詳述する。図1は、本発明の第1実施
例を採用している集塵部の一部を破断して示す概略斜視
図であり、図2は、上記集塵部のケーシング部分の分解
斜視図である。これらの図を参照して、上記集塵部E
は、図示しないイオン化部とともに電気集塵エレメント
を構成するものであり、基板E1と、基板E1に対向す
る天板E2と、両板E1、E2の各隅部間に立設される
枠材E3(図1および図2にそれぞれ2本のみ図示)
と、各枠材E3の外側から側壁部を構成する側板E4
(図1、図2にそれぞれ一方のみ図示)とを備えてい
る。
【0023】上記基板E1と天板E2間には、例えばス
テンレス等の金属製管材からなる一対の通電支柱E5、
E6が立設されており、一方(通電支柱E5)が図示し
ない高電圧供給源のマイナスの電極と電気的に接続され
ているとともに、他方(通電支柱E6)が、上記高電圧
供給源のプラスの電極と電気的に接続されている。図1
を参照して、基板E1と天板E2の間には、印加電極板
10と集塵電極板20とが互いに間隔を隔てて交互に積
層されており、内部に電極積層体30を構成している。
【0024】両電極板10、20は、長板状に形成され
ており、互いに基板E1と天板E2の対向方向(図1に
おいてLで示す積層方向)に間隔を隔てて積層されてい
る。具体的には図示していないが、印加電極板10は、
例えばポリエチレンテレフタレート等により構成される
シート材の上に、導電性樹脂をプリントし、その上に、
ポリエチレンテレフタレートのシート材を積層した、い
わゆるモールド式電極板である。他方、集塵電極板20
は、外部に露出してアース側の電極に接続される、剥き
出しの導電部材を含んでいる。本実施例の集塵電極板2
0は、例えば厚さ50μmのステンレスにより具体化さ
れている。この集塵電極板20には、図示しないスペー
サ突起が切り起こし加工によって形成されており、上記
印加電極板10との対向間隔を維持している。
【0025】また、図1では簡略化されているが、各電
極板10、20は、実際には、互いに1.5mm程度の
狭い間隔を隔てて例えば50〜90段に積層されてい
る。これにより、両電極板10、20間に清浄化される
べき空気を流通させる通気路PHを区画している。そし
て、上記通電支柱E5、E6は、電極積層体30の両端
部を積層方向Lに貫通して対をなしており、各下端部は
基板E1に、上端部は天板E2にそれぞれ固定されてい
る。
【0026】以上のような構成において、各電極板1
0、20は、それぞれ通電側端部10A、20Aと対向
側端部10B、20Bとを含んでおり、対応する同一極
性の通電支柱E5(E6)を通電側端部10A、20A
に貫通させて、上記導電部材を通電支柱E5(E6)と
電気的に導通させているとともに、対向側端部10B、
20Bを反対極性の通電支柱E6(E5)に対し当該電
極板10、20の長手方向に間隔Dを隔てて対向させて
いる。これにより、各電極板10、20は、それぞれ同
一極性の通電支柱E5(E6)によって片持ち状に支持
されている。
【0027】さらに、図1に示すように、本実施例の集
塵部Eには、片持ち状に支持されている各電極板10、
20の対向側端部10B、20Bの位置ずれを規制する
ための規制手段40を設けている。図1の実施例におい
て、上記規制手段40は、通電支柱E5、E6と平行に
各電極板10、20を貫通する一対の貫通棒40A、4
0Bである。そして、通電支柱E5、E6と同様に、下
端部が基板E1に固定されているとともに、上端部が天
板E2に固定されている。貫通棒40A、40Bは、本
実施例のように2本設けることが好ましいが、電極板1
0、20の長手方向の寸法によっては、1本だけでも充
分に対向側端部10B、20Bの位置ずれを規制するこ
とが可能である。貫通棒40A、40Bとしては、耐ア
ルカリ性の金属材料(例えばステンレス)を採用してい
る。貫通棒40A、40Bは、印加電極板10の樹脂製
の被覆部材の部分のみと接触し得る状態で印加電極板1
0を貫通することによって、印加電極板10と電気的に
絶縁されている。なお、貫通棒40A、40Bは集塵電
極板20も貫通しているが、集塵電極板20は、アース
側の電極に接続されることから、その導電部材が貫通棒
40A、40Bと接触しても問題はない。
【0028】このように、第1実施例の構成では、対向
側端部10B、20Bが、それと反対極性の通電支柱E
6、E5に対して間隔Dを隔てているので、両者間に所
望の空間Sを区画することができる。また、対向側端部
10B、20Bが通電支柱E6、E5よりも長手方向に
後退することになるので、通電支柱E5、E6の周囲
は、当該通電支柱E5、E6の極性と同一極性の電極板
10、20のみが対向する広い空間S1を区画すること
ができる。従って、第1実施例によれば、各電極板1
0、20の積層間隔が、例えば1.5mm程度に狭く設
定されている場合においても、各電極板10、20と通
電支柱E5、E6の間が広くなる分、洗浄時の水が残留
しにくくなり、水切り性が向上するという利点がある。
【0029】しかも、対向側端部10B、20Bは、そ
れと反対極性の通電支柱E6、E5に対し、当該電極板
10、20の長手方向に間隔Dを隔てて対向しているの
で、仮に液が残留していたとしても、充分な絶縁距離を
確保することが可能になる。従って、液を介して、印加
電極板10からアース側の集塵電極板20に電荷が流れ
るのが防止され、これにより良好な集塵性能を発揮する
ことが可能になる。
【0030】また、第1実施例における各電極板10、
20の対向端部10B、20Bは、規制手段40によっ
て位置ずれを規制されているので、各通電側端部10
A、20Aを貫通している通電支柱E5、E6が機械的
に各電極板10、20を保持しているか否かに拘らず、
電極板積層体30の機械的強度をも充分に確保すること
ができるという利点がある。
【0031】特に、第1実施例の構成では、規制手段4
0として、両電極板10、20を貫通する貫通棒40
A、40Bを採用しているので、電極積層体30の外寸
法を大きくすることなく対向側端部10B、20Bの位
置ずれを規制することができる。従って、製品の小型化
に寄与することができるという利点がある。なお、上述
した第1実施例は、本発明の好ましい具体例を例示した
ものに過ぎず、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々
の設計変更が可能である。
【0032】例えば、規制手段として、図3以下の構成
を採用することも可能である。図3は、基板E1と天板
E2との外側面に固定され、積層方向Lに延びて、各電
極板10、20の対向側端部10B、20Bの位置ずれ
を規制する一対の固定フレーム40C、40Dを採用し
た例を示している。また、図4は、基板E1および天板
E2の外側面に二対のピン40Eを設け、各ピン40E
にワイヤー40Fを略N字状に張設した例を示してい
る。
【0033】さらに、図5は、外枠40Gを有する矩形
のネット40Hを設け、このネット40Hを基板E1と
天板E2の所定位置に固定して各対向側端部10B、2
0Bの位置ずれを規制している例を示している。上述し
た変形例における規制手段40は、何れも集塵部Eの通
気方向両側部に設けられている。
【0034】これら図3〜図5の構成を採用した場合に
は、図1の実施例に比べて寸法的に大きくなるものの、
集塵部Eを組み立てた後、規制手段を取付けることがで
きるという利点がある。第1実施例の集塵部Eは、図示
しないイオン化部と一体的に電気集塵エレメントを構成
するものであるが、イオン化部と分離して構成される集
塵部に本発明を適用することも勿論可能である。
【0035】或いは、集塵側の電極板の極性を上述した
実施例と逆に設定してもよい。次に、本発明の第2実施
例について説明する。図6は、本発明の第2実施例を採
用している集塵部Eが有する印加電極板10及び集塵電
極板20の説明図である。図6を参照して、各電極板1
0、20は長板状に形成されており、第1実施例と同様
に、印加電極板10は樹脂モールド式電極板であると共
に、集塵電極板20はステンレス等の剥き出しの導電部
材(金属部材)を含んでいる。印加電極板10及び集塵
電極板20は、1.5mm以上の間隔Pを隔てて積層さ
れている。
【0036】なお、図示していないが、各電極板10、
20は、第1実施例と同様のケーシング内に、公知の手
段によって、プラスもしくはマイナスの電極に導通され
る共に、相互の電気的な絶縁性が確保された状態で、装
着固定されている。また、各電極板10、20の長手方
向(紙面に垂直な方向)においては、各電極板10、2
0ともに同一の長さに設定されており、幅方向において
も、各電極板10、20ともに同一の長さに設定されて
いる。
【0037】試験 1)試験対象 図6の実施例と同様の集塵部Eにおいて、間隔Pをそれ
ぞれ次のように設定して、試験例1ないし3と、比較例
1および2とを作成した。 試験例1 : 間隔P=1.5mm 試験例2 : 間隔P=1.8mm 試験例3 : 間隔P=2.0mm 比較例1 : 間隔P=1.2mm 比較例2 : 間隔P=1.4mm 2)試験方法 上記各例の集塵部Eを洗浄した後に、各々を、2〜3回
振って集塵部E内の残留水をほぼ振り落とし、その直後
に一対の電極板10、20間において、目視可能な、橋
渡し状態になっている水滴W1の数を数えて、その数を
100とおく。そして、橋渡し状態の水滴W1の数が、
時間の経過と共に、上述の、100とおいた水滴W1の
数に対して、どの様な割合に変化するのかを調べた。す
なわち、所定時間経過後の橋渡し状態になっている水滴
W1の数を、初期状態を100とした指数として求め
た。指数が低いほど経時的な水切り性が良いことにな
る。 3)試験結果 橋渡し状態になっている水滴W1の数の経時変化を上記
指数により表して図7に示す。図7において、各線種は
それぞれ次のものを示している。
【0038】 二点鎖線 : 試験例1(間隔P=1.5mm) 破線 : 試験例2(間隔P=1.8mm) 一点鎖線 : 試験例3(間隔P=2.0mm) 細線 : 比較例1(間隔P=1.2mm) 太線 : 比較例2(間隔P=1.4mm) 図7より次のことが考察される。
【0039】各試験例および各比較例を参照して、間
隔Pが広いほど上記指数が低く、且つ2時間経過以降で
見ると、試験例1ないし3は、比較例1および2と比較
して、格段にその指数が低い。 図8は、各試験例および各比較例について、3時間経
過時に橋渡し状態になっている水滴W1の数を指数とし
て示す図である。図8も参照して、3時間経過時におい
て、比較例2、試験例1および試験例2の指数を見る
と、それぞれ300、100、および50である。すな
わち、試験例1(間隔P=1.5mm)から間隔を僅か
0.1mm狭めた比較例2(間隔P=1.4mm)は、
試験例1(間隔P=1.5mm)に対して指数が200
も高くなっている。これに対して試験例1(間隔P=
1.5mm)から間隔を0.3mmも拡げた試験例2
は、試験例1に対して指数が僅か50低くなっているだ
けである。このことから、試験例1、すなわち間隔P=
1.5mmが、橋渡し状態になる水滴W1の数を格段に
少なくする臨界点であることを知ることができる。
【0040】以上のことから、隣接する電極板10、2
0同士の間隔Pが1.5mm以上に設定されていると、
経時的に、洗浄時の水滴Wが橋渡しを形成しにくくなる
のが分かる。したがって、隣接する電極板10、20同
士の間隔Pが1.5mm以上に設定されている第2実施
例のものでは、橋渡しを形成しにくくなっており、洗浄
後の経時的な水切り性が向上されたものになっている。
【0041】次に図9に示す本発明の第3実施例は、各
電極板10、20の幅方向の寸法を替えたものである。
すなわち、各電極板10、20の長手方向(紙面に垂直
な方向)においては、各電極板10、20ともに同一の
長さに設定されているが、幅方向においては、集塵電極
板20の幅が印加電極板10の幅よりも所定量(Xm
m)以上狭くなるように設定されている。各電極板1
0、20の、幅方向の中央位置同士は互いに揃えられて
交互に積層されている。以上のことから、集塵電極板2
0の幅方向における一方の端部が印加電極板10のそれ
よりもX/2mm以上引っ込んでいると共に、集塵電極
板20の幅方向における他方の端部が印加電極板10の
それよりもX/2mm以上引っ込んでいることとなって
いる。
【0042】なお、上述以外の構成は第2実施例と同様
であるが、印加電極板10及び集塵電極板20の積層間
隔Pは第2実施例の数値に限定されるものではない。続
いて、第3実施例の作用について説明する。洗浄後、水
切りのために、電気集塵エレメントが数回振られると、
多くの水滴Wは、各電極板の幅方向の両端部に残留し
て、上記した橋渡し状態になり易い。しかし、第3実施
例によれば、各電極板10、20の中央位置同士を互い
に揃えて、集塵電極板20の幅を印加電極板10の幅よ
りも所定量(Xmm)以上狭くしていることから、隣接
する電極板10、20の、隣接する幅方向端部同士の間
隔が、広くなる。したがって、一方の電極板の幅方向の
端部で成長した水滴Wが、他方の電極板の幅方向の端部
で成長した水滴Wに接触しにくくなり、その結果、成長
した水滴が、電極板の幅方向の各端部にて、上記した橋
渡しを形成しにくくなる(橋渡しの形成し難さを勘案す
れば、上記所定量Xmm以上=2mm以上が好まし
い。)。よって、第3実施例によれば、洗浄後の経時的
な水切り性が向上することとなる。
【0043】また、金属よりも樹脂の方が水滴の付着力
が強いため、洗浄後、エレメントが振られることによっ
て、各電極板の幅方向の両端部に残留する水滴Wは、剥
き出しの金属板からなる集塵電極板20よりも、樹脂製
の被覆部材が被覆されている印加電極板10の方が成長
しやすく、大きな水滴Wができる傾向にある。これに対
して第3実施例では、集塵電極板20の幅を、端部に大
きな水滴Wができ易い印加電極板10の幅よりも所定量
(Xmm)以上狭くしている。よって、印加電極板10
の幅方向の端部で成長した水滴Wが、集塵電極板20に
接触しにくくなり、その結果、成長した水滴Wが、上記
した橋渡しを形成しにくくなる。また、第3実施例で
は、集塵電極板20の幅を印加電極板10の幅よりも所
定量(Xmm)以上狭くしていることから、印加電極板
10は、集塵電極板20よりも、幅が広く外方へ突き出
ている。よって、印加電極板10の幅方向両端部に付着
する傾向が強い水滴Wは、外気に接触し易くなって、乾
燥し易くなる。以上のことから、第3実施例によれば、
洗浄後の経時的な水切り性の向上を確実に達成できる。
【0044】なお、上述した第2・第3実施例は、本発
明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明の
要旨を変更しない範囲内で種々の設計変更が可能であ
る。例えば、第2実施例と第3実施例との構成を組み合
わせると、それぞれで上述した作用が合わさって、洗浄
後の経時的な水切り性の向上はより確実に達成できる。
【0045】また、第2・第3の何れの実施例も、帯状
に長い長板状に形成された印加電極板および集塵電極板
を間隔を隔てて積層して構成される電極積層体を、渦巻
き状に巻回して構成される集塵部に実施するようにして
もよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の発明では、通電支柱と、それに対向する対向側端
部との間に所望の空間を区画することができ、しかも、
通電支柱の周囲には、当該通電支柱の極性と同一極性の
電極板のみが対向する広い空間が区画されることになる
ので、各電極板と通電支柱の間が広くなる分、洗浄時の
液が残留しにくくなり、水切り性が向上するという利点
がある。
【0047】しかも、対向側端部は、それと反対極性の
通電支柱に対し、当該電極板の長手方向に間隔を隔てて
対向しているので、仮に液が残留していたとしても、充
分な絶縁距離を確保することが可能になる。従って、液
を介して印加電極板からアース側の集塵電極板に電荷が
流れるのが防止され、これにより良好な集塵性能を発揮
することが可能になる。
【0048】また、請求項2記載の発明では、規制手段
が対向側端部の位置ずれを規制するので、電極板積層体
の機械的強度をも充分に確保することができるという利
点がある。また、請求項3記載の発明では、電極積層体
の外寸法を大きくすることなく対向側端部の位置ずれを
規制することができるので、製品の小型化に寄与するこ
とができるという利点がある。
【0049】また、請求項4記載の発明は、隣接する電
極板の積層間隔が1.5mm以上に設定されている場合
には、1.5mm未満に設定されている場合と比較し
て、水切り性が格段に向上するという実験結果に基いて
なされたものである。これによると、洗浄後に各電極板
の表面に残留した水滴が、時間の経過とともに、寄り集
まって成長しても、一方の電極板で成長した水滴が、他
方の電極板で成長した水滴に接触しにくくなる結果、上
記成長した水滴が電極板間に架設された状態になりにく
く、いわゆる橋渡しを形成しにくくなる。したがって、
洗浄後の経時的な水切り性が向上することとなる。
【0050】
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を採用している集塵部の一
部を破断して示す概略斜視図である。
【図2】上記集塵部のケーシング部分の分解斜視図であ
る。
【図3】本発明の第1実施例の変更例を採用している集
塵部の一部を破断して示す概略斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例の別の変更例を採用してい
る集塵部の一部を破断して示す概略斜視図である。
【図5】本発明の第1実施例のさらに別の変更例を採用
している集塵部の一部を破断して示す概略斜視図であ
る。
【図6】本発明の第2実施例を採用している集塵部が有
する印加電極板及び集塵電極板の説明図である。
【図7】隣接する電極板同士の所定の間隔について、橋
渡し状態になっている水滴の数を指数として表し、その
指数の経時変化を示す図である。
【図8】洗浄後3時間経過時において、隣接する電極板
同士の所定の間隔について、橋渡し状態になっている水
滴の数を指数として示す図である。
【図9】本発明の第3実施例を採用している集塵部が有
する印加電極板及び集塵電極板の幅方向の関係を示す断
面図である。
【図10】従来の電極板における、橋渡し状態になって
いる水滴の説明図である。
【符号の説明】
E 集塵部 E5 通電支柱 E6 通電支柱 P 間隔 10 印加電極板 20 集塵電極板 30 電極板積層体 40 規制手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井口 勝己 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキ ン工業株式会社淀川製作所内 (56)参考文献 特開 平6−63444(JP,A) 特開 平3−80953(JP,A) 実開 平4−114445(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B03C 3/00 - 3/88

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性材料からなる導電部材をそれぞれ有
    する長板状に形成された多数の印加電極板(10)及び
    集塵電極板(20)を含み、各電極板(10、20)を
    互いに間隔を隔てて交互に積層して構成される電極積層
    体(30)を備え各電極板(10、20)は、それぞれ通電側端部(10
    A、20A)と対向側端部(10B、20B)とを含ん
    でおり、電極積層体(30)の一端には印加電極板(1
    0)の通電側端部(10A)が、電極積層体(30)の
    他端には集塵電極板(20)の通電側端部(20A)が
    揃えられ、 印加電極板(10)の通電側端部(10A)および集塵
    電極板(20)の通電側端部(20A)には、それぞ
    れ、対応する同一極性の通電支柱(E5、E6)が貫通
    されて電気的に導通されており、 印加電極板(10)の対向側端部(10B)は反対極性
    の通電支柱(E6)に対し当該電極板(10)の長手方
    向に間隔(D)を隔てて対向し、集塵電極板(20)の
    対向側端部(20B)は反対極性の通電支柱(E5)に
    対し当該電極板(20)の長手方向に間隔(D)を隔て
    て対向している ことを特徴とする電気集塵エレメントの
    集塵部。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 電極積層体(30)に設けられ、且つ、各電極板(1
    0、20)の対向側端部(10B、20B)の位置ずれ
    を規制する規制手段(40)をさらに備えているもので
    ある電気集塵エレメントの集塵部
  3. 【請求項3】請求項2記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 上記規制手段(40)は、通電支柱(E5、E6)と平
    行に各電極板(10、20)を貫通する貫通棒(40
    A、40B)である電気集塵エレメントの集塵部
  4. 【請求項4】請求項1記載の電気集塵エレメントの集塵
    部において、 印加電極板(10)及び集塵電極板(20)は、互いに
    間隔(P)を隔てて交互に積層されており、 印加電極板(10)及び集塵電極板(20)の少なくと
    も一方は、上記導電部材が樹脂製の被覆部材で被覆さ
    れ、 隣接する電極板(10、20)同士の間隔(P)は、
    1.5mm以上に設定されていることを特徴とする電気
    集塵エレメントの集塵部。
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