JP3256939B2 - 換気扇用フィルタメディア - Google Patents
換気扇用フィルタメディアInfo
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Description
ィアに関し、特に難燃性の高いフィルタメディアに関す
る。
タメディアとしては難燃処理した有機繊維からなるフィ
ルタメディアあるいは難燃処理したガラス繊維からなる
フィルタメディアが知られている。有機繊維からなるフ
ィルタメディアはフェルト状の有機繊維素材の単繊維に
難燃処理を施してある。また、ガラス繊維からなるフィ
ルタメディアはフェルト状のガラス繊維素材に接着剤と
難燃剤の混合物を処理したものであり、図3に示すよう
にガラス単繊維10の表面に接着剤と難燃材の混合物1
1が付着している。
アはいずれも、捕集した食用油等のダストに炎が当たる
とローソク現象が起き、激しく延焼するおそれがあっ
た。その原因は、有機繊維からなるフィルタメディアで
は有機繊維の軟化点が低いため、フィルタメディアで捕
集したダストに炎が当たると燃え落ちる(溶落)ためで
あり、また、ガラス繊維からなるフィルタメディアでは
難燃剤の塗布量が不十分なため、食用油等からなるダス
トに炎が当たるとローソク現象が起き、激しく延焼する
ためであると考えられる。そこで本発明の目的は、捕集
された食用油等の可燃物に炎が当たっても、フィルタメ
ディアが燃え落ちなく、さらに、延焼のおそれもないフ
ィルタメディアを提供することである。
ス繊維にまず、接着剤を塗布し、次いで、食用油の沸点
近くで溶融する物質で、しかも不揮発性難燃剤を固形分
として25重量%以上付着させた構成からなる換気扇用
フィルタメディアにより達成される。
化物(ハロゲン化物)、グアニジン化合物またはアンチ
モン、ジルコニウム等の酸化物等が使用可能である。こ
の中でも家庭用に用いる場合は、ハロゲン化物質等の有
害物質を発生するものを避けることが望ましく、例え
ば、次の構造式を持つグアニジンのリン酸塩を用いる。
cmの所にフィルタメディアが設置されることが多いた
め、フィルタメディアの周辺が200℃近くになること
がある。したがって、揮発性の難燃剤成分を用いること
は避けることが望ましい。
ディアの細部構造を図1に示すが、ガラス繊維1からな
るフェルト状の素材に尿素樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂などの熱硬化性樹脂からなる接着剤2をスプレ
ー塗り、液浸漬(じゃぶ付け)、ハケ塗りなどの方法で
塗布し、その上に難燃剤3を塗布する。こうして、難燃
剤3がガラス繊維1に確実に付着させることができる。
気空気の流出側の繊維密度を高くしてある。従って塗布
方法は一方向から吹付けるだけでは不十分で表裏両方か
ら吹付けるのが好ましい。そのために、例えば、次のよ
うな工夫をすることが望ましい。 フィルタメディアを貫通する排気空気の流出側で二
回、流入側で一回のように塗布される難燃剤が排気空気
流出側に多く付着されるように塗布方法も工夫する。こ
れは、実際に使用する時、排気空気流出側に油等の可燃
物が多く付着するようにフィルタメディアが設計されて
いるからである。 フィルタメディアを水平移動する送り装置(適当なコ
ンベア)を通しながら、上下から加圧スプレーでフィル
タメディアの表裏を同時に塗布する。このとき、流出側
を下側にセットする。
発した油を油滴として捕集し、経時と共に蓄積されて行
く。従って、フィルタメディアに難燃剤の付着量が少な
い場合はフィルタメディアの使用初期は、延焼防止効果
を発揮するが、多量に油滴等の可燃物が付着すると、延
焼防止効果がなくなる。そこで、フィルタメディアに対
する難燃剤3の付着量が少なくとも25重量%以上にな
るように塗布しなければならない。フィルタメディアは
通常1ケ月または2ケ月で取り替えられる。このとき、
フィルタメディアの圧力損失が約二倍になっていること
がある。また、二倍以上にはフィルタメディアの保液性
能上、大幅に油滴が蓄積されることはない。そのため、
約1.5倍の圧力損失になるときの油滴を捕集した状態
で着火しない量を実施例で述べるように実験で確認し
た。難燃剤3の付着量が33%前後となるように調整す
ることが望ましいことが判明した。
て、30〜35重量%とすることが望ましい。表1に本
発明で用いられる難燃剤3の塗布量(固形分)およびガ
ラス繊維1と接着剤2の合計含有量を示す。
も難燃剤3を多量(40重量%以上)に塗布すればある
程度の効果が出せる。
を防げる。すなわち、まず、難燃剤3がガラス状に溶解
し、これが可燃物の表面に被膜を作り、酸素の侵入を遮
断する。次に、リン化合物の熱分解により、生成する不
燃性ガスが可燃物から発生する可燃性ガスを希釈し、燃
焼下限濃度以下に保つ。
止する。すなわち、まず、塩化物(ハロゲン化物)の熱
分解により生じる蒸気により、可燃性ガスを希釈する。
構で燃焼抑制をする。すなわち、アンチモン等の酸化物
の溶解により可燃物の上に被膜を形成し、また、吸熱反
応により、火の温度を下げ自己消化作用をすると言われ
ている。
酸やスルファミン酸等の塩として使用される。グアニジ
ン化合物中の窒素は有機物の炭化促進作用を持つ。燃焼
時リン化合物は次式(1)に示す変化により、250〜
300℃で透明な液体(ガラス状)となり、不揮発性の
リン酸層の保護被膜を形成し、可燃性ガスの発生を抑え
酸素を遮断する。 リン酸 → メタリン酸 → ポリメタリン酸 (1) また、リン酸は有機物の脱水効果を持ち、脱水時に生ず
る炭素被膜が防燃効果を発揮する。すなわち、植物油等
の油類が燃焼すると、例えば、式(2)に示すように、
炭酸ガスと水に変化するが、オレイン酸(C17H33CO
OH)沸点(B.P)223℃を例にすると、炭酸ガス
と水に分解する。 C17H33COOH → 18CO2+17H2O (2) このとき、リン酸が介在すると、式(3)に示すよう
に、炭素が生成され、この炭素被膜が防燃効果を発揮す
る。 C17H33COOH → 18C+17H2O (3) さらに、加熱により生じた窒素は有機物の炭化を促進
し、この炭化促進は初期の着火を抑制できる。
三要素のうち、特に可燃物の発生(蒸発)を抑える作用
があるため、フィルタメディアのガラス繊維1に油滴が
付着しても、それが燃焼し難く、また、ローソク現象が
生じても、延焼し難いものと考えられる。
熱され、ガス化して燃焼下限濃度を超えれば着火する
が、ガス化しても蒸発が抑制されれば、ガスが燃焼濃度
に達しないならば着火しない。そのため、本発明では可
燃性ガスが周囲に存在していても、それが燃焼濃度範囲
に達しないように、難燃剤成分のフィルタメディアに対
する付着量を十分な量としたものである。なお、難燃化
の機構は、完全に解明されていなく、以上の防炎機構は
経験的・推測的根拠によるものとして文献等に記載され
ているものである。
本実施例では主婦等が台所で安心して使える材質を持
つ、台所用換気扇に用いる繊維状のフィルタとして用い
られるフィルタメディアについて説明する。 (予備テスト)ガラス繊維不織布(ガラス繊維直径約3
0μm、単量130グラム/m2、厚み約13mm)に
接着剤としてユリア樹脂を30重量%付着させたもの
(英国VOKES社製「ビーグラス」)に最も適する難
燃剤として下記表2のものを選択し、JIS−L−10
91、A−1の燃焼性試験法に合格する水準の塗布量を
検討した。検討結果を表3、表4に示す。
アの流入側(吸気側)であり、「裏」とはフィルタメデ
ィアの流出側(排気側)である。また、区分とは繊維製
品の燃焼性能試験方法(JISC−1091)のA−1
法の区分のことである。ここでA−1法とは450g/
m2(薄物)のテスト法であり、数字の大きいほうがよ
り厳しい条件に合格するものである。
値の小さいほうが良い性能を示すが、このテスト結果に
よれば、いずれの場合も難燃効果が認められる。その中
で、特にフィルタメディアの裏面に難燃剤を処理する場
合の方が効果的である。これは、ガラス繊維不織布の裏
面側の密度が高く構成されているため、接着剤の付着量
が多く、この接着剤に付着する難燃剤量も多くなるため
と考えられる。
ランS−400(リン酸グアニジン系)を用いることと
した。理由はフランS−2026はハロゲン化物系であ
るため、有害ガスを発生するからであり、またフランS
−72Gは安価で良いが、金属アルミ、鉄等の耐蝕性が
劣るためであり、また、フランS#88の効果はS−4
00に遜色ないが、コストが高いからである。
アは通常1〜2ケ月で取り替えられるが、このときのフ
ィルタメディアの圧力損失は約2倍となっている。そし
て、圧力損失が2倍以上になると、フィルタメディアの
保液性能、油滴が大幅蓄積されることはない。そこで、
約1.5倍の圧力損失になるときの油滴を捕集した状態
で着火しない難燃剤量を確認するテストを行った。フィ
ルタメディアに対する難燃剤はS−400を用いた。結
果を表5に示す。
%以上必要であり、28重量%以上であれば、より難燃
効果が向上する。ただし、難燃剤の付着量が多くなり過
ぎると圧力損失が増加して、排気性能が悪くなる。
な配置でフィルタメディア4をフライパン5より800
mm上方に取り付けて、テストを行った。フィルタメデ
ィア4はサイズが幅300mm×奥行き350mm×厚
み13mmのアルミ枠にセットし、換気扇スイッチ(図
示せず。)をオフの状態でスプレーで食用油を7〜8回
塗布した。次いで、フライパン5下のヒータ6に着火し
て、加熱したフライパン5に食用油を4〜5回スプレー
して、その直後に約13ミリリットルのブランデーを注
入して、これに着火させ、瞬間的に火炎を発生させる。
その結果を目視して、フィルタメディア4の難燃性の判
定をした。その結果を表6、表7に示す。
はフィルタメディア4の30重量%、前記サイズのフィ
ルタメディア4一枚当たりの固形分換算量は5〜6gが
最適であることが分かった。また、排出空気流の裏面側
に難燃剤3を多く塗布するとより効果的であることも表
6、表7に示すデータで証明されている。
等の食用油の蒸気に引火し、炎が直接油滴を捕集したフ
ィルタメディア4に当たっても延焼しなくなり、ダクト
の火炎の心配がなくなった。その理由は、食用油が蒸発
し、その蒸気量が燃焼範囲濃度に近づく温度でフィルタ
メディア4中の難燃剤3が熔融し、可燃性ガスの発生を
抑制するからである。また、その難燃剤3の量が食用油
蒸気等の可燃性ガスの燃焼範囲になるまでに抑制しうる
だけ付着しているためでもある。
ア4がガラス繊維1を主体とするものであるため、有機
繊維のように溶落しないため、二次火炎の心配もなくな
った。その理由は、300℃以下では、揮発性ガスが発
生しないため、調理中の温度上昇程度では難燃剤3の効
果は減少しないためである。
来のJIS基準に従った難燃剤3の塗布量を付着させた
ものでは実際の使用条件で直火した場合、自己消火性能
を発揮し得ないことが解った。本実施例のフィルタメデ
ィア4は、例えば、フライパン5の「ブランディーを入
れ、火をつける」ような調理法に耐え得る換気扇用フィ
ルターを得るために考えられたものである。
の食用油の蒸気に引火し、延が直接油滴を捕集したフィ
ルタに当たっても延焼しなくなりダクトの火炎の心配が
なくなった。また、フィルタメディアが有機繊維のよう
に溶落しないため、二次火炎の心配もなくなった。
概略図である。
取り付けテストの概観図である。
たフィルタメディアのガラス単繊維部分の拡大概略図で
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 ガラス繊維にまず、接着剤を塗布し、次
いで、食用油の沸点近くで溶融する物質で、しかも不揮
発性難燃剤を固形分として25重量%以上付着させた構
成からなることを特徴とする換気扇用フィルタメディ
ア。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3930392A JP3256939B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 換気扇用フィルタメディア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3930392A JP3256939B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 換気扇用フィルタメディア |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05237315A JPH05237315A (ja) | 1993-09-17 |
JP3256939B2 true JP3256939B2 (ja) | 2002-02-18 |
Family
ID=12549355
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3930392A Expired - Fee Related JP3256939B2 (ja) | 1992-02-26 | 1992-02-26 | 換気扇用フィルタメディア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3256939B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006136809A (ja) * | 2004-11-12 | 2006-06-01 | Toray Ind Inc | エアフィルター用非ハロゲンおよび非リン難燃性濾材並びにその製造方法 |
JP4344778B2 (ja) * | 2007-05-10 | 2009-10-14 | ヤマトヨ産業株式会社 | 難燃性フィルタ |
-
1992
- 1992-02-26 JP JP3930392A patent/JP3256939B2/ja not_active Expired - Fee Related
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