JP3255739B2 - 積層体 - Google Patents

積層体

Info

Publication number
JP3255739B2
JP3255739B2 JP33317892A JP33317892A JP3255739B2 JP 3255739 B2 JP3255739 B2 JP 3255739B2 JP 33317892 A JP33317892 A JP 33317892A JP 33317892 A JP33317892 A JP 33317892A JP 3255739 B2 JP3255739 B2 JP 3255739B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
laminate
acid
polyethylene terephthalate
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33317892A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06179255A (ja
Inventor
美 宏 二 新
岡 孝 之 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP33317892A priority Critical patent/JP3255739B2/ja
Publication of JPH06179255A publication Critical patent/JPH06179255A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3255739B2 publication Critical patent/JP3255739B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は均一性の高い積層体に関す
る。さらに詳しくは本発明は、高速で製造しても高い均
一性を有する積層体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】紙、金属フィルムまたは樹脂フィ
ルム等の基材の表面に、ポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレン、4-メチルペンテン-1またはナイロン等
の樹脂を積層した積層体が知られている。このような積
層体は、基材上に上記のような樹脂を溶融状態で押し出
すことにより製造されている。
【0003】このように積層される樹脂のうち、ポリエ
チレンテレフタレートは、透明性、ガスバリヤー性、機
械的強度などの特性に優れており、基材に良好な特性を
賦与することができる。ところが、このポリエチレンテ
レフタレートをラミネートする場合には、Tダイより押
し出された積層体の幅方向の端部(耳の部分)に樹脂を安
定した状態で供給して積層させることが難しいことが多
い。特に積層体の製造速度が速くなるに従って耳の部分
における樹脂の「のり」が不安定になりやすい。また、
こうした積層体の製造に際しては、溶融状態の樹脂がダ
イから出てくる線速度よりも速い線速度で押し出し物を
引き取り、溶融状態の樹脂の断面寸法を低下(Drawdown)
させながら積層体を製造するのが一般的である。このド
ローダウンに際して、断面寸法の変化率が連続的になる
ように押し出し条件を設定することにより均一性の高い
積層体を製造することができる。ところが、ポリエチレ
ンテレフタレートを使用した場合には、溶融状態の樹脂
の断面寸法の変化率が不連続(ネックイン)になり易
く、均一なポリエチレンテレフタレート層を形成しにく
いとの問題がある。
【0004】
【発明の目的】本発明は、基材上に、ポリエチレンテレ
フタレートあるいはポリエチレンナフタレートのような
特定の飽和ポリエステル樹脂が均一に積層されている積
層体を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明の積層体は、基材上に、中間層
と、次式[I]で表わされる繰り返し単位を有する飽和
ポリエステルからなる最外層とがこの順序で積層されて
いる積層体であり、該中間層が最外層を形成する樹脂よ
りも高メルトテンションを有する樹脂から形成され、該
中間層を形成する樹脂がポリエチレンテレフタレートと
変性ポリオレフィンとからなる樹脂組成物、ポリエチレ
ンテレフタレートと極性基含有ポリオレフィンとからな
る樹脂組成物またはポリエチレンテレフタレートとアイ
オノマーとからなる樹脂組成物であり、該樹脂組成物1
00重量部中にポリエチレンテレフタレートを70〜9
5重量部の量で含有すると共に、該基材および該最外層
の両者に対してそれぞれ独立に200g/15mm以上の接
着強度を有することを特徴としている。
【0006】
【化3】
【0007】・・・[I] ただし、上記式[I]において、Aは
【0008】
【化4】
【0009】を表し、qは2〜12の整数を表わす。上
記のような中間層を設けることにより、積層体の樹脂層
が均一になる。さらに、中間層を設けることにより、積
層体をより高速で製造することができる。
【0010】
【発明の具体的説明】次に本発明の積層体について具体
的に説明する。本発明の積層体は、基材と、この基材上
に配置された中間層と、この中間層上に配置された特定
の樹脂からなる最外層とから形成されている。
【0011】本発明の積層体を形成する基材としては、
フィルム状あるいはシート状の種々の素材を使用するこ
とができる。具体的な例としては、紙、布、不織布、金
属、樹脂シートおよび樹脂フィルム等を挙げることがで
きる。このような基材の厚さは、得られる積層体の用
途、製造方法などを考慮して適宜設定することができる
が、例えば紙基材の場合には、通常は10μm〜1mmで
あり、また金属の場合には通常は10μm〜1mmであ
り、他の素材を使用する場合にもこれらに準じてその厚
さを設定することができる。
【0012】上記のような基材上には中間層が設けられ
ている。この中間層は、高メルトテンションを有する樹
脂から形成されている。ここで高メルトテンションと
は、少なくとも最外層を形成する樹脂のメルトテンショ
ンよりも高いことを意味し、280℃で測定したメルト
テンションが、通常は0.5g以上、好ましくは1〜1
0gの範囲内にある樹脂が使用される。上記のようなメ
ルトテンションの値を有する樹脂を使用することによ
り、ドローダウンの際に溶融状態にある樹脂の断面寸法
の変化率を連続的に変化させることができるので、すな
わちネックインを有効に防止できるので、基材上に樹脂
を均一に積層することができる。さらに積層体の耳の部
分にも樹脂を安定的に供給することができるので、この
部分における樹脂の「のり」も良好になる。
【0013】本発明の積層体を形成する中間層は、上記
のような高メルトテンションを有する樹脂から形成され
ていると共に、この中間層と基材およびこの中間層と最
外層との接着強度が、それぞれ200g/15mm以上であ
ることが必要である。さらに、本発明においては、基材
の種類によっても異なるが、中間層と基材との接着強度
が、通常は200〜3000g/15mm、好ましくは25
0〜1500g/15mmの範囲内にあり、かつ中間層と最
外層との接着強度が、通常は200〜3000g/15m
m、好ましくは250〜1500g/15mmの範囲内にあ
る中間層が好適である。基材と最外層と対してそれぞれ
上記のような接着強度を有する中間層を配置することに
より、本発明の積層体が強固に一体化される。
【0014】なお、ここで上記接着強度は、180度剥
離法を採用して50mm/分の剥離速度で測定した値であ
る。このような特性を有する中間層を形成する樹脂とし
ては、ポリエチレンテレフタレートと変性ポリオレフィ
ンとからなる樹脂組成物、ポリエチレンテレフタレート
と極性基含有ポリオレフィンとからなる樹脂組成物、ポ
リエチレンテレフタレートとアイオノマーとからなる樹
脂組成物等を使用することができる。ここで極性基含有
ポリオレフィン共重合体としては炭素数2〜20のα-
オレフィンと極性基を有するモノマーをランダムまたは
ブロック共重合してなる共重合体をいう。ここで使用さ
れるα-オレフィンの例としてはエチレン、プロピレ
ン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1および
ヘキセン-1等を挙げることができる。ここで使用される
変性ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα
-オレフィンの単独重合体あるいは共重合体を極性基お
よびエチレン性二重結合を有するモノマーでグラフト変
性した変性物を使用することが好ましく、単独重合体あ
るいは共重合体の例としては、低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポ
リエチレン、超低密度線状ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン・ペンテン-1共重合体、エチレン・4-メチル
ペンテン-1共重合体およびエチレン-ブテン-1共重合体
等を挙げることできる。このような単独重合体あるいは
共重合体のASTM-D-1238により測定したメルトフローレ
ートは、通常は0.1〜30g/10分、多くの場合1〜
20g/10分の範囲内にあり、ASTM-D-2117により測定
した融点は、通常は50〜170℃、多くの場合80〜
150℃の範囲内にある。さらに、ASTM-D-1505により
測定した密度は、通常は0.88〜0.96g/cm3、多
くの場合0.89〜0.96g/cm3の範囲内にある。こ
のような単独重合体あるいは共重合体の変性剤として使
用される極性基およびエチレン性二重結合を有するモノ
マーの例としては、(メタ)アクリル酸、テトラヒドロフ
タル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマ
ル酸、クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、エンド
-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボ
ン酸(ナジック酸TM)およびエンド-シス-ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸(メチ
ルナジック酸TM)のようなカルボン酸類;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フマル
酸、無水クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸無水
物、エンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3
-ジカルボン酸(ナジック酸TM)の酸無水物およびエン
ド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,
3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)の酸無水物のよ
うな無水カルボン酸類;(メタ)アクリル酸のアルキルエ
ステル、テトラヒドロフタル酸の(モノまたはジ)アルキ
ルエステル、マレイン酸の(モノまたはジ)アルキルエス
テル、イタコン酸の(モノまたはジ)アルキルエステル、
シトラコン酸の(モノまたはジ)アルキルエステル、フマ
ル酸の(モノまたはジ)アルキルエステルの(モノまたは
ジ)アルキルエステル、クロトン酸の(モノまたはジ)ア
ルキルエステル、ノルボルネンジカルボン酸の(モノま
たはジ)アルキルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック
TM)のアルキルエステルおよびエンド-シス-ビシクロ
[2,2,1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸
(メチルナジック酸TM)のアルキルエステルのようなエ
ステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキ
シ-プロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、
ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレートおよび2-(6-ヒドロ
キシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレートのような
ヒドロキシ(メタ)アクリル酸エステル類; 10-ウンデ
セン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2-メタノールノ
ルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N-メ
チロールアクリルアミド、2-(メタ)アクロイルオキシエ
チルアシッドフォスフェート、グリセリンモノアリルエ
ーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2-
ブテン-1,4-ジオールおよびグリセリンモノアルコール
のような水酸基含有化合物;グリシジル(メタ)アクリレ
ート、イタコン酸の(モノまたはジ)グリシジルエステ
ル、ブテントリカルボン酸の(モノまたはジ)グリシジル
エステル、シトラコン酸の(モノまたはジ)グリシジルエ
ステル、エンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン
-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)の(モノまたはジ)
グリシジルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2,2,1]
ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナ
ジック酸TM)の(モノまたはジ)グリシジルエステル、ア
リルコハク酸の(モノまたはジ)グリシジルエステル、p-
スチレンカルボン酸のグリシジルエステル、アリルグリ
シジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、
スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-ブテ
ン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキシ-1
-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、5,6-
エポキシ-1-ヘキセンおよびビニルシクロヘキセンモノ
オキシドのようなエチレン性不飽和結合を有するエポキ
シ化合物;アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミ
ノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルお
よびメタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェー
トモノメタノールアミノハーフソルのような(メタ)アク
リル酸のアルキルアミノエステル;N-ビニルジエチルア
ミンおよびN-アセチルビニルアミンのようなビニルアミ
ン類;アリルアミン、メタクリルアミン、N-メチルアク
リルアミン、N,N-ジメチルアクリルアミドおよびN,N-ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミドのようなアリルア
ミン類;アクリルアミドおよびN-メチルアクリルアミド
のようなアクリルアミド類;p-アミノスチレンのような
アミノスチレン化合物;並びに6-アミノヘキシルコハク
酸イミドおよび2-アミノエチルコハク酸イミドのような
アミノアルキルコハク酸イミド類を挙げることができ
る。これらの変性剤は、単独で使用することもできる
し、また変性剤の特性が損なわれない範囲内で組み合わ
せて使用することもできる。これらの変性剤の中では
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイ
ン酸が好ましい。
【0015】上記の変性ポリオレフィンは、ポリエチレ
ンテレフタレートと共に使用することができる。ここで
ポリエチレンテレフタレートとしては、後述の飽和ポリ
エステルとして使用されるポリエチレンテレフタレート
を用いることができ、具体的には、後述するようにテレ
フタル酸から誘導される成分単位とエチレングリコール
から誘導される成分単位とからなる繰り返し単位を有す
るポリエチレンテレフタレートが使用される。さらに、
このポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸から
誘導される成分単位の一部がイソフタル酸から誘導され
る成分単位、ナフタレンジカルボン酸から誘導される成
分単位、多官能性芳香族カルボン酸から誘導される成分
単位などで置換された繰り返し単位を有していてもよ
く、さらにエチレングリコールから誘導される成分単位
の代わりにプロピレングリコールのような他のジオール
成分から誘導される成分単位を有していてもよい。
【0016】中間層がポリエチレンテレフタレートと変
性ポリオレフィンとからなる組成物から形成されている
場合に、ポリエチレンテレフタレートと変性ポリオレフ
ィンとは、通常は70:30〜95:5、好ましくは8
0:20〜95:5の重量比で混合される。
【0017】また、上記ポリエチレンテレフタレート
は、アイオノマーと共に使用することができる。アイオ
ノマーはエチレンを主成分とするポリオレフィンの連鎖
間に金属イオンを導入して得られる共重合体樹脂であ
る。導入される金属イオンの例としてはNa+、K+、Zn
++、Mg++を挙げることができる。
【0018】本発明において使用されるエチレン系アイ
オノマー樹脂とは、エチレン/α,β-不飽和カルボン
酸共重合体(I)あるいはエチレン/α,β-不飽和カルボ
ン酸/α,β-不飽和カルボン酸エステル共重合体(II)
のカルボン酸基の一部、通常5〜80%を金属イオンに
より中和したものである。
【0019】本発明において、中和前の上記(I)または
(II)のエチレン共重合体成分のうち、エチレン単位の占
める割合は通常約75〜99.5モル%、好ましくは8
8〜98モル%であり、α,β-不飽和カルボン酸単位の
占める割合は通常約0.5〜15モル%、好ましくは1
〜6モル%である。
【0020】またα,β-不飽和カルボン酸エステル単位
の占める割合は通常0〜10モル%、好ましくは0〜6
モル%である。また上記(I)または(II)の共重合体中の
カルボン酸基のうち、金属イオンにより中和されるカル
ボン酸基の割合(中和度)は通常5〜80%、好ましく
は10〜75%である。
【0021】また、ASTM-D-1238に基づいて測定したこ
のアイオノマーのメルトフローレートは、通常は0.1
〜100g/10分の、多くの場合0.5〜30g/10分範囲
内にあり、さらに、ASTM-D-1505に基づいて測定した密
度は、通常は0.935〜0.975g/cm3、多くの場合
0.940〜0.965g/cm3の範囲内にある。
【0022】中間層がポリエチレンテレフタレートとア
イオノマーとからなる組成物から形成されている場合
に、ポリエチレンテレフタレートとアイオノマーとは、
通常は70:30〜95:5、好ましくは80:20〜9
5:5の重量比で混合される。
【0023】また、中間層は、ポリエチレンテレフタレ
ート、極性基含有ポリオレフィン、変性ポリオレフィン
およびアイオノマーの混合物であってもよい。このよう
な中間層の厚さは、通常は5〜100μm、好ましくは
10〜50μmの範囲内にある。
【0024】本発明の積層体は基材上に配置された上記
中間層上に、最外層が設けられている。この最外層は、
次式[I]で表わされる繰り返し単位を有する飽和ポリ
エステルから形成されている。
【0025】
【化5】
【0026】・・・[I] 上記式[I]において、Aは
【0027】
【化6】
【0028】を表し、またqは2〜12の整数、好まし
くは2〜6の整数、特に好ましくは4以下の整数を表わ
す。上記式[I]において、Aがベンゼン骨格でありq
が2である繰り返し単位からなる飽和ポリエステルはポ
リエチレンテレフタレートであり、Aがナフタリン骨格
でありqが2である繰り返し単位からなる飽和ポリエス
テルはポリエチレンナフタレートである。また、Aがベ
ンゼン骨格でありqが3である繰り返し単位からなる飽
和ポリエステル樹脂はポリプロピレンテレフタレートで
ある。本発明において、最外層は上記式[I]で表わさ
れる繰り返し単位を有する飽和ポリエステルで形成する
ことができるが、特にポリエチレンテレフタレートおよ
びポリエチレンナフタレートのいずれか一方の樹脂もし
くは両者の混合物、または式[I]においてAがベンゼ
ン骨格でありqが2である繰り返し単位およびAがナフ
タリン骨格でありqが2である繰り返し単位の両者を有
する共重合ポリエステルで形成されていることが好まし
い。
【0029】最外層を形成する飽和ポリエステルは、上
記式[I]で表わされる繰り返し単位を通常は60モル
%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90
モル%以上の量で含有している。
【0030】最外層を形成する樹脂としてポリエチレン
テレフタレートあるいはポリエチレンナフタレートを使
用する場合に、このポリエチレンテレフタレートあるい
はポリエチレンナフタレートは、イソフタル酸、2,7-ジ
カルボン酸ナフタレン、2,5-ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニル-4,4'-ジカルボン酸、 4,4'-ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、 4,4'-ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸、4,4'-ジフェノキシエタンジカルボン酸およびジ
ブロムテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバチン酸、デカンジカルボン酸
などの脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカル
ボン酸、シクロプロパンジカルボン酸およびヘキサヒド
ロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;グリコール
酸、p-ヒドロキシ安息香酸およびp-ヒドロキシエトキシ
安息香酸などのヒドロキシカルボン酸などの他のカルボ
ン酸から誘導される成分単位を含む繰り返し単位を有し
ていてもよい。
【0031】また、最外層を形成する樹脂としてポリエ
チレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレー
トを使用する場合に、このポリエチレンテレフタレート
あるいはポリエチレンナフタレートは、プロピレングリ
コール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコ
ール、ネオペンチレングリコール、p-キシレングリコー
ル、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール
A、p,p-ジフェノキシスルホン、1,4-ビス(β−ヒドロ
キシエトキシ)ベンゼン、2,2-ビス(p-β−ヒドロキシ
エトキシフェノール)プロパン、ポリアルキレングリコ
ール、p-フェニレンビス(ジメチルシクロヘキサン)、
グリセリンなどから誘導される成分単位を含む繰り返し
単位を有していてもよい。
【0032】さらに、上記式[I]で表わされる飽和ポ
リエステルの特性を損なわない範囲内で、この飽和ポリ
エステルは上記のようなジカルボン酸の他に、トリメシ
ン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールメタンおよびペンタエリスリトール
などの多官能化合物から導かれる構成単位を有する繰り
返し単位を例えば2モル%以下の量で含んでいてもよ
い。
【0033】このような構造を有する飽和ポリエステル
について、o-クロロフェノール中、25℃で測定した極
限粘度[η]は、通常は0.2〜1.1dl/g、好ましくは
0.3〜0.9dl/g、特に好ましくは0.4〜0.8dl/gの
範囲にある。
【0034】このような飽和ポリエステルは、実質上線
状である。このことは本発明で使用される飽和ポリエス
テルがo-クロロフェノールに完全に溶解することによっ
て確認される。
【0035】なお、本発明で使用される飽和ポリエステ
ルの極限粘度[η]は次の方法によって測定される。す
なわち、飽和ポリエステルをo-クロロフェノールに、1
g/100mlの濃度で溶解し、25℃でウベローデ型毛
細管粘度計を用いて溶液粘度の測定を行い、その後o-ク
ロロフェノールを徐々に添加して、低濃度側の溶液粘度
を測定し、0%濃度に外捜して極限粘度([η])を求
める。
【0036】なお、このような組成および極限粘度を有
する飽和ポリエステルの280℃でのメルトテンション
は、以下に記載する測定法で測定した値であり、この方
法で測定した280℃における飽和ポリエステルのメル
トテンションは、通常は0.01〜0.5、多くの場合
0.05〜0.2の範囲内にあり、従って中間層のメルト
テンションよりも低い値を示す。
【0037】本発明で採用するメルトテンションの測定
方法は以下の通りである。規定(例えば上記の場合28
0℃)する温度条件下で、溶融した熱可塑性プラスチッ
クを規定のノズルを規定速度で押出し、押出されたスト
ランドを規定する速度で引取った時のフィラメントに掛
かる張力(溶融張力)の最大値で表す。
【0038】装置および器具 (1)メルトテンションテスター;東洋精機(株)製 温度精度:規定の試験温度±0.5℃に調節できるもの 試験中の温度変動は、±0.2℃以内に維持できるもの (2)ノズル;L=8,000±0.025mm D=2,0
95±0.005mm また、本発明で使用される飽和ポリエステルの示差走査
型熱量計(DSC)で10℃/分の昇温速度で測定した
昇温結晶化温度(Tc)は、通常は120℃以上であ
り、好ましくは140〜220℃、特に好ましくは14
0〜200℃の範囲内にある。
【0039】なお、この飽和ポリエステルの昇温結晶化
温度(Tc)は以下に記載する方法によって測定され
る。すなわち、パーキンエルマー社製DSC−7型示差
走差型熱量計を用いて約140℃で約5mmHgの圧力
下で約5時間以上乾燥した飽和ポリエステルチップの中
央部から試料を採取し、この試料約10mgの薄片を液
体用アルミニウムパン中に窒素雰囲気下に封入する。次
いでこの薄片を、まず室温より急速昇温して290℃で
10分間溶融保持した後、室温まで急速冷却する。次い
でこの試料について10℃/分の昇温速度で昇温する際
に検出される発熱ピークの頂点温度を求め、昇温結晶化
温度(Tc)とした。
【0040】上記のような飽和ポリエステル、特にポリ
エチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレー
トは、従来公知の製造方法を利用して製造できる。この
ような飽和ポリエステルから形成される最外層の厚さ
は、通常は10〜200μm、好ましくは20〜100
μm、特に好ましくは15〜75μmである。
【0041】上記のような基材、中間層および最外層か
らなる本発明の積層体は、例えば、基材上に中間層およ
び最外層がこの順序で積層された積層体であり、この積
層体の調製に際しては、種々の方法を採用することがで
きる。
【0042】本発明の積層体を製造する方法としては、
共押出Tダイ法、共押出ラミネーション法などの種々の
方法を利用することができる。これらの中で共押出Tダ
イ法は、多層キャストフィルムあるいは多層キャストシ
ートを形成するのに特に適した方法で、この方法によっ
て調製される積層体は、一般にはマルチマニホールドタ
イプとフィードブロックタイプに分類されるが、本発明
の積層体はこれらのいずれのタイプであってもよい。ま
た、紙基材、アルミニウム基材、あるいは二軸延伸ポリ
エステル等の樹脂シート基材に接着性成分を使用せずに
上記中間層および最外層を付設するのには共押出ラミネ
ート法を利用すると有利である。すなわち、本発明の積
層体は、特定の中間層を有するため従来から使用されて
いる接着剤あるいはタッキファイヤー等を使用すること
なく基材と最外層とを強固に接着することができる。そ
して、中間層を設けることにより、ドローダウンの際に
ネックインなどが発生しにくくなるので、積層体の長さ
方向の端部、即ち「耳部」における樹脂積層状態、積層
される樹脂の厚さ、接着性などが良好になる。しかも、
このように基材、中間層および最外層の構成を採ること
により、三者が非常に強固に接着して一体化すると共
に、高速で製造する場合においても「耳部」における安
定性が良好であり、高速で製造した場合でも歩留まりの
よい積層体を製造することができる。
【0043】本発明の積層体は、シート状あるいはフィ
ルム状で使用することができるが、化粧品用チューブ、
食品用容器、食肉用内装フィルム、防蝕鋼管、通信用ケ
ーブル、水道管、化粧板などを形成するための積層体と
して広汎に使用することできる。
【0044】
【発明の効果】本発明の積層体は、特定の中間層を有す
る。そして中間層を設けることにより、ドローダウンの
際にネックインなどが発生しにくくなるので、積層体の
長さ方向の端部、即ち「耳部」における樹脂積層状態、
積層される樹脂の厚さ、接着性などが良好になる。上記
のような中間層を設けることにより、積層体の樹脂層が
均一になる。さらに、中間層を設けることにより、積層
体をより高速で製造することができる。
【0045】
【実施例】次に本発明の実施例を示して本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定
的に解釈されるべきではない。
【0046】
【比較例1】使用したラミネート装置は住友重機(株)製
65mmφ押出機を2台組合せた共押出し式装置であり、
ダイは表裏の温度差が任意に設定できる構造を有してい
る。
【0047】上記の装置を用いて、上層樹脂はポリエチ
レンテレフタレートで三井ペット樹脂(株)製J125
([η]=0.8dl/gのホモPET)であり、下層は三井
石油化学(株)製、アドマーSE800(MFR=4.0g/10
分で組成物の一部または全部が不飽和カルボン酸もしく
はその誘導体マレイン酸もしくは無水マレイン酸)で
変性されていることを特徴としたポリオレフィン)を用
い、各々の層が20μmと10μmになるようコントロ
ールし、下層が250g/m2のカートン紙に貼着する
ようにラミネートして積層体を製造した。
【0048】この積層体についての紙と下層との接着力
は180度方向に剥離したときの接着強度を示し、また
上下層間も同様に剥離したときの強度を示した。また加
工速度は溶融膜が安定し耳ゆれ、膜ゆれがなく且つ肉厚
が安定している状態に設定した。
【0049】結果は表1に示す通り膜安定性、積層体外
観とも良好であった。
【0050】
【実施例1】比較例1において、下層の樹脂として上記
アドマーSE800のかわりに、ポリエチレンテレフタレー
ト(三井ペット樹脂(株)製J125)90重量部に変性ポリ
エチレン樹脂(三井石油化学工業(株)製アドマーSE80
0)10重量部を2軸押出機で混練してなるメルトブレ
ンド組成物を用いた以外は同様にして積層体を製造し
た。
【0051】その結果を表1に示すが、膜安定性、基材
およびポリエチレンテレフタレートとの接着性とも良好
であった。
【0052】
【実施例2】比較例1において、下層の樹脂として上記
アドマーSE800のかわりに、ポリエチレンテレフタレー
ト(三井ペット樹脂(株)製J125)85重量部にアイオノ
マー樹脂(三井デュポン(株)製 ハイミラン1652)15
重量部を2軸押出機で混練してなるメルトブレンド組成
物を用いた以外は同様にして積層体を製造した。
【0053】その結果を表1に示すが、膜安定性、基材
(紙)およびポリエチレンテレフタレートとの接着性と
も良好であった。
【0054】
【比較例2】比較例1において、下層の樹脂として上記
アドマーSE800のかわりに、メタクリル酸メチル樹脂
(三井デュポン(株)製 ニュクレルNC010 MFR=6g
/10分)を用いる以外は同様にして積層体を製造した。
【0055】その結果を表1に示すが、膜安定性、基材
(紙)およびポリエチレンテレフタレートとの接着性と
も良好であった。
【0056】
【比較例3】比較例1において、下層の樹脂を除きポリ
エチレンテレフタレート(三井ペット樹脂(株)製、J12
5)のみの単層(または上層と同じ樹脂を使ってもよ
い)で積層体の製造を試みた。
【0057】その結果を表1に示したが基材(紙)への
接着力が不足し、また膜安定性、積層体外観、厚薄むら
が悪く実用上加工ができない状態であった。
【0058】
【比較例4】比較例1において、下層の樹脂を除きポリ
エチレンテレフタレート(三井ペット樹脂(株)製、J16
5、[η]=1.4dl/g)の極限粘度の高い樹脂を用い
る以外は同様にして積層体の製造を試みた。
【0059】その結果を表1に示すが比較例と同様に
実用上加工ができない状態であった。
【0060】
【比較例5】比較例1で下層の樹脂を低密度ポリエチレ
ン(三井石油化学工業(株)製 ミラソンM16 MFR=
4g/10分)を用いる以外は同様にして積層体の製造を試
みた。
【0061】その結果を表1に示すが膜安定性は良いが
ポリエチレンテレフタレートとの接着力が殆ど見られず
簡単に剥離し実用上に供し得ないレベルであった。
【0062】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、中間層と、次式[I]で表わさ
    れる繰り返し単位を有する飽和ポリエステルからなる最
    外層とがこの順序で積層されている積層体であり、該中
    間層が最外層を形成する樹脂よりも高メルトテンション
    を有する樹脂から形成され、該中間層を形成する樹脂が
    ポリエチレンテレフタレートと変性ポリオレフィンとか
    らなる樹脂組成物、ポリエチレンテレフタレートと極性
    基含有ポリオレフィンとからなる樹脂組成物またはポリ
    エチレンテレフタレートとアイオノマーとからなる樹脂
    組成物であり、該樹脂組成物100重量部中にポリエチ
    レンテレフタレートを70〜95重量部の量で含有する
    と共に、該基材および該最外層の両者に対してそれぞれ
    独立に200g/15mm以上の接着強度を有することを特
    徴とする積層体; 【化1】 (ただし、上記式[I]において、Aは 【化2】 を表し、qは2〜12の整数を表わす)。
  2. 【請求項2】上記中間層を形成する樹脂の280℃にお
    けるメルトテンションが0.4g以上であることを特徴
    する請求項第1項記載の積層体。
  3. 【請求項3】上記式[I]で表わされる飽和ポリエステ
    ルがポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエ
    チレンナフタレートであることを特徴とする請求項第1
    項記載の積層体。
JP33317892A 1992-12-14 1992-12-14 積層体 Expired - Fee Related JP3255739B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33317892A JP3255739B2 (ja) 1992-12-14 1992-12-14 積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33317892A JP3255739B2 (ja) 1992-12-14 1992-12-14 積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06179255A JPH06179255A (ja) 1994-06-28
JP3255739B2 true JP3255739B2 (ja) 2002-02-12

Family

ID=18263177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33317892A Expired - Fee Related JP3255739B2 (ja) 1992-12-14 1992-12-14 積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3255739B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI982372A0 (fi) * 1998-11-02 1998-11-02 Enso Oyj Päällystetty kartonki, menetelmä sen valmistamiseksi sekä siitä saatuja tuotteita

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06179255A (ja) 1994-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6964816B2 (en) Packaging films containing coextruded polyester and nylon layers
US5453326A (en) Polyester film coating with polyamido-polyethyleneimine
EP0316109A1 (en) Coating of substrates
JPH11240074A (ja) 液晶ポリマ―及びポリエチレンを含む多層フィルムを製造するための接着剤
JP2991506B2 (ja) ポリマーフィルム
JP4325963B2 (ja) 積層フイルム及びその製法
EP0963290B1 (en) High temperature release films
JPH11245353A (ja) 液晶ポリマーとポリプロピレンとを含む多層フィルムを製造するための接着剤
JP3255739B2 (ja) 積層体
JP3985566B2 (ja) 押出ラミネート用エチレン系樹脂組成物、及びそれを用いた積層体、並びに積層体の製造方法
JPH02253919A (ja) 積層フィルムの製造方法
JPS645073B2 (ja)
JPH08267676A (ja) ラミネート用共押出複合フイルム
JPH06206290A (ja) 積層体
JPH10151655A (ja) 積層体の製造方法
JPH0542650A (ja) 密着性、加工性に優れた両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板の製造方法
JP2564879B2 (ja) 金属蒸着したフィルムの積層体とその製造方法
JPS5931461B2 (ja) 熱可塑性樹脂積層物の製造方法
JP2002019014A (ja) 両側に金属被覆された重合体フィルムの積層品
JP3483369B2 (ja) 深絞り成形用共押出多層フイルム
JPH0911413A (ja) 深絞り成形用共押出多層フイルム
JPS5929160A (ja) 積層成形体
JPH04259546A (ja) 積層フィルム
JP2006015609A (ja) 積層体の製造方法
JP2567920B2 (ja) 包装用多層フィルムおよびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees