JP3255729B2 - アナログデジタル変換器 - Google Patents

アナログデジタル変換器

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JP3255729B2 JP28362592A JP28362592A JP3255729B2 JP 3255729 B2 JP3255729 B2 JP 3255729B2 JP 28362592 A JP28362592 A JP 28362592A JP 28362592 A JP28362592 A JP 28362592A JP 3255729 B2 JP3255729 B2 JP 3255729B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アナログ信号をデジタ
ル信号に変換するアナログデジタル変換器(以下AD
C)に関し、詳しくは主基準電圧列と基準電圧列と比較
してわずかに電圧間隔が異なり入力電圧が重畳されたバ
ーニア電圧列とを比較し、最も近い電圧値になっている
バーニア電圧列の基準電圧列の位置を検出することを原
理とした、画像処理などに利用できる高速分解能のAD
Cに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の典型的な直並列ADCを、図11
を参照して説明する。初めに上位ADC21で粗い電圧
間隔でA/D変換をして上位ビットのデジタル信号を得
る。つぎにその上位ビットのデジタル信号を内部に設け
たデジタルアナログ変換器22(以下内部DAC)でア
ナログ信号に戻して、その復元された信号をアナログ入
力信号から減算器23によって減算する。次にその減算
結果を必要に応じて増幅器24によって増幅し、下位A
DC25でA/D変換をして下位ビットのデジタル信号
を得る。最後に上位ビットと下位ビットのデジタル信号
をデジタル加算器26にて加算して全体のデジタル信号
を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の直並列型ADC
は内部DACと高精度の減算器及び高精度増幅器が必要
であるためADC全体の応答速度は、DACのセトリン
グタイムや高精度増幅器の応答速度が支配的であった。
また精度は減算器や増幅器のオフセットのバラツキによ
り、上位変換部と下位変換部のつながりが滑らかでない
場合はビデオやテレビなどの用途に使用したとき、微分
位相や微分利得が悪くなる問題が発生していた。また入
力の信号はアナログ信号であるので、上位ADCの結果
との差をとるために上位ADCの結果をアナログ信号に
変換するための内部DACが必要であったが、このDA
Cはクロック信号の切り替わりなどでたびたびグリッチ
が発生し、画像としてみた場合には画面がチラつき非常
に見づらくなるといった問題があった。
【0004】減算器の出力は上位変換の上位ADCの1
LSB以下の大きさであるので、下位ADCの入力前に
増幅器で増幅することが一般的である。このときの増幅
器は下位ADCの1LSB以下の精度でなさなければな
らない。増幅器のゲインがバラつくとオフセットの場合
と同様に直線性に段差ができる問題があった。また減算
器の出力と増幅器入力の間の過程は、信号レベルが上位
のADCの1LSB以下の大きさであるので、デジタル
ノイズに非常に弱い問題があった。増幅器の入力前に微
少なノイズが重畳すると、ノイズも増幅され下位ADC
で変換されてしまう。下位ADCでのメタステーブル状
態が頻繁に発生していた。ADCはデジタルとアナログ
が混在であるので、デジタルノイズのアナログ側への干
渉を完全に遮断することは極めて困難である。アナログ
の信号の最小振幅はできるだけ大きくするのが理想であ
るが、従来の方式ではビット数が増大すると2のべき乗
に比例してアナログで扱う最小振幅が小さくなってしま
う問題があった。
【0005】さらに直並列型ADCは、上位変換と下位
変換の為に2つのADCが必要であった。このような理
由から、従来の方式でビデオや画像処理関連の高速A/
Dコンバータを実現するのは容易ではなく、トリミング
などの処理が必要となり、高価になる問題があった。近
年では、HDTVや超音波診断装置などの用途に、10
ビット分解能で30MHz程度のクロック周波数で動作
するADCの要求が高まっている。特にHDTVの一般
化には高速で高分解能のADCを安価で供給することが
必要不可欠である。また計測器の分野においては10〜
12ビットで100MHz以上の性能のADCが要求さ
れている。しかし現在のところこのような要求を満たす
ADCは産業用の非常に高価なものであり、民生用の安
価なものは殆どないのが現状である。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上説明したような問題
を解決するために、本発明のアナログデジタル変換器
は、電圧間隔がVsmの主基準電圧列と、該主基準電圧
の各々の基準電圧とアナログ入力電圧のレベルを比較す
る上位mビットを求めるための比較器と、下位nビット
を求めるための電圧間隔がVsbでVsmとの関係を、 2nVsb=(2n−1)Vsm を満足するように設けたバーニア基準電圧列と、該バー
ニア基準電圧列の各々の基準電圧にアナログ入力信号を
加算する加算器と、前記比較器の出力結果に基づいて、
前記加算器の各々の出力と比較するために必要な前記主
基準電圧列の範囲を選択する範囲セレクタと、窓電圧の
幅Vwを、 (K−1)(Vsm−Vsb)≦Vw<K(Vsm−Vsb) (Kは窓電圧係数で正の奇数)としたウィンドーコンパ
レータからなり、前記範囲セレクタの出力を前記ウィン
ドーコンパレータの入力に接続し、かつ、Vbxを各々
のバーニア基準電圧とすると、窓電圧の上限電圧Vw
u、下限電圧Vwlが、 Vwu=Vbx+Vw/2 Vwl=Vbx−Vw/2 の関係になるようにして、各々の前記ウィンドーコンパ
レータのウィンドー端子にVwuとVwlを接続し、K
個のオンとなったウィンドーコンパレータの中央に位置
する(K+1)/2番目のウィンドーコンパレータの場
所に対応した下位ビットのデジタル信号を出力すること
で、 前記主基準電圧列の各々の基準電圧と前記加算器の
各々の出力が最も近いところの前記バーニア基準電圧列
の場所を検出する最近接検出手段と、前記比較器の出力
結果に基づいて前記アナログ入力信号に対する上位mビ
ットのデジタル信号を得る上位エンコーダと、前記最近
接検出手段の出力結果に基づいて前記アナログ入力信号
に対する下位nビットのデジタル信号を得る下位エンコ
ーダを具備したものである。
【0007】
【作用】主基準電圧列は上位mビットのA/D変換する
時の基準電圧を与えるために使われる。この基準電圧の
電圧間隔Vsmは上位ADCの1LSBに相当する。比
較器は主基準電圧列から与えられる電圧間隔Vsmのそ
れぞれの基準電圧とアナログ入力電圧を比較して、サー
モメータコード(温度計の表示に類似しており基準電圧
の小さい方からロジック1状態またはロジック0状態か
らその反対のロジック状態への単一の遷移があるコー
ド)を発生する。上位エンコーダはサーモメータコード
をエンコードして上位mビットのデジタル信号に変換す
るように働く。上記の主基準電圧列と比較器と上位エン
コーダは組み合わされて、アナログ入力信号の大きさに
対応して上位mビットのA/D変換として働く。電圧間
隔がVsbでVsmとの関係を、 2nVsb=(2n−1)Vsm を満足するように設けたバーニア基準電圧列は、下位n
ビットのA/D変換をするための基準電圧として使われ
る。
【0008】加算器はバーニア基準電圧列の各々の基準
電圧にアナログ入力信号を加算して、アナログ入力信号
の大きさに応じてバーニア基準電圧列の各々の基準電圧
が移動するように働く。範囲セレクタは、上位ADCの
変換結果に基づいて、バーニア基準電圧列の各々の基準
電圧と、比較対象となる主基準電圧列の各々の基準電圧
の範囲を選択する。最近接検出手段は、範囲セレクタに
よって選択された主基準電圧列の各々の基準電圧と、加
算器の各々の出力が最も近いところの加算器の出力の場
所を検出するように働く。最近接検出手段によって検出
された加算器の出力の場所またはバーニア基準電圧列の
場所が下位ビットの値に相当する。下位エンコーダは最
近接検出手段の出力結果に基づいて前記アナログ入力信
号に対する下位nビットのデジタル信号を得るように働
く。デジタル加算器は、上位mビットの信号と下位nビ
ットの信号を合計して、(m+n)ビットの最終的なア
ナログデジタル変換の結果を出力する。
【0009】
【実施例】本発明が適用されてなるアナログデジタル変
換器の実施例を図面を参照して説明する。始めに本発明
のアナログデジタル変換器の原理の概要を図3をつかっ
て簡単に説明する。図3は本発明の原理の基本概念を説
明する図であり、主基準電圧列の各基準電圧とバーニア
基準電圧列の各基準電圧の値を示している。バーニア基
準電圧列のVb0の電圧はアナログ入力信号と等しくな
っている。Vm−1からVm9は主基準電圧列の基準電
圧であり、電圧間隔Vsmは8mVとする。Vb−1か
らVb9はバーニア基準電圧であり、電圧間隔Vsbは
7mVである。ここで、Vm0の電圧を3.000Vと
し、Vb0を入力電圧3.005Vと等しくすると、バ
ーニア基準電圧列の各々の基準電圧が、各々の主基準電
圧と最も電圧が近くなっている場所は、Vb5である。
このVb5の“5”は、入力電圧3.005Vの5mV
を意味する。電圧間隔8mVの基準電圧を使った一般的
な全並列型ADCの1LSBは8mV相当であり、電圧
分解能は8mVである。それに対して本発明では、8m
Vから1mVだけ小さい7mVの電圧間隔のバーニア基
準電圧を設けて電圧が最も近いところを検出することに
よって、1mVの電圧分解能を得ている。
【0010】図1は本発明の一実施例であり、最低必要
となる機能を説明するための回路ブロック図である。1
は抵抗または容量によって等間隔の基準電圧を発生する
主基準電圧列、2は主基準電圧列の電圧間隔よりもわず
かに小さい電圧間隔Vsbを発生するバーニア基準電圧
、3は主基準電圧列の各々の基準電圧とアナログ入力
電圧を比較して、電圧間隔Vsmで入力電圧を量子化す
る比較器、4は比較器の結果をエンコードする上位エン
コーダである。
【0011】主基準電圧列1と比較器3と上位エンコー
ダ4の組み合わせで、電圧間隔Vsmで量子化した並列
型ADCの働きをする。これが上位ADCとなる。Vs
mは上位ADCの1LSBに相当し、この上位1LSB
をこれから説明する方法でさらにnビットの量子化を行
う。下位量子化のビット数をn[bit]とすると、最
低必要となるバーニアの分割数は2n個である。ここで
VsbとVsmの関係を次のようにする。 n Vsb =(2n−1)Vsm ‥‥‥‥‥‥‥ (1) ここで重要なのは、Vsbのある整数倍のバーニア電圧
と、Vsmがそのある整数より1個分少ない倍数のVs
mからなる電圧と等しくなることである。上位ADCは
一般的な並列型で良い。この並列型ADCのそれぞれの
比較器に接続する各々異なった大きさの基準電圧の電圧
間隔がVsmである。並列型ADC比較器の出力はサー
モメータコードを出力する。
【0012】図4に上位ADCにおける主基準電圧列と
比較器の一実施例を示す。図において図1または図3
同一の符合は同一または相当するものを示し、9はコン
パレータ、10は排他的論理和のゲートを示す。図4
は隣り合うコンパレータ出力の排他的論理和をゲート1
0でとって、隣り合うコンパレータの出力が異なる場合
だけ論理“1”がたつようにしている。この排他的論理
和の有無は本発明にとって本質的ではないが、後述する
範囲セレクタの論理を簡単にする為と、偶発的に起こる
ミスコードを減少させるために設けている。図5に加算
器とバーニア基準電圧の一実施例を示す。加算器はバ
ーニア基準電圧列のある一つの基準電圧を基準として、
各々のバーニア基準電圧にアナログ入力電圧を加算する
回路である。同図では、Vb−4からVbxが加算器の
出力である。負帰還をした差動増幅器11の仮想短絡に
よってVb0がアナログ入力電圧Vaと等しい電圧とな
る。定電流源の電流値Irは抵抗Rbの両端に発生する
電圧がVsbとなるようにし、電流値Ir、抵抗Rb、
および電圧Vsbの間には次のような関係が成立してい
る。 Ir = Vsb/Rb ‥‥‥‥‥‥‥ (2)
【0013】図3において、入力信号の入力電圧Vaは
Vm0とVm1の間にある。主基準電圧列の各々の電圧
値は次のようになる。 ここでxは主基準電圧の端子番号である。
【0014】バーニアの基準電圧Vb0を入力電圧Va
と等しくしているので、バーニア電圧の各々の値は次の
ようになる。
【0015】図1の最近接検出手段6は、加算器の出力
結果と主基準電圧列の電圧を比較し、加算器の出力電圧
と主基準電圧列の各々の基準電圧が最も近接していると
ころの、加算器の出力端子を検出するものである。例え
図3において、Vm0とVb0を比較、Vm1とVb
1を、VmxとVbxを比較といった具合に比較する。
図においては、7Vsm=8Vsbであるから、式
(1)よりn=3となり下位の量子化レベルが3ビット
である例を示している。つまり、Vsmを8分割した電
圧で量子化が可能である。Vb0はVm0とVm1の間
にあり、一目盛りを1mVとするとVm0から5mVの
電圧となっている。この目盛りは説明の都合上書いたも
のであり、実際にはこの目盛りの間隔で基準となる電圧
があるわけではない。同じ端子番号のVmxとVbx
比較していくとVm5とVb5が最も電圧が近いこの結
果からアナログ入力信号の大きさはVm0+5[mV]
であることがわかる。このようにして、Vsmをさらに
8等分した分解能で量子化できる。分解能Vresは次
のようになる。 Vres = Vsm / 2n ‥‥‥‥‥‥‥ (3)
【0016】図1で、範囲セレクタ12を設けることに
よって、主基準電圧のすべての範囲を比較対象とする必
要がなくなるので、回路を簡単にできる。 範囲セレクタ
12は、上位ADCの結果に応じて主基準電圧列の決め
られた範囲の基準電圧を、正確に最近接検出手段6に含
まれるウィンドーコンパレータの入力端子等へ伝達する
スイッチである。このスイッチはCMOSのトランスフ
ァゲートと論理回路で簡単に実現できる。同図において
は、範囲セレクタ12の制御信号は比較器3から直接入
力しているが、上位エンコーダ4の出力を入力としても
良い。
【0017】また、図1に示す下位エンコーダ7は、最
近接検出手段の出力をエンコードして下位ビットのデジ
タル信号を得る回路であり、デジタル加算器8は上位エ
ンコーダの出力と下位エンコーダの出力をデジタル加算
する回路である。以上のような構成とすることによっ
て、(m+n)ビットのアナログデジタル変換ができ
る。
【0018】図2に、図1の最近接検出手段をより詳細
に示す。図2において、図1と同一の符合は同一または
相当するものを示し、13はウィンドーコンパレータ、
14はウィンドー幅基準電圧を示す。ウィンドーコンパ
レータ13のある定められたウィンドー電圧(窓電圧)
であるウィンドー幅基準電圧14を利用して、範囲セレ
クタ12の範囲セレクタの真理値表の一実施例を図6
示す。図6はアナログ入力電圧に対する上位ADCの出
力と主基準電圧の参照範囲を示している。M1からM2
6は主基準電圧の絶対端子番号である。この場合、図4
に示した主基準電圧列のVm−1からVm9はアナログ
入力によって変わる相対位置による電圧になる。本実施
例では11個のバーニア基準電圧と比較するので、主基
準電圧参照範囲も11個を選択する。
【0019】一方バーニア基準電圧列は、式(1)で定
まるVsbの電圧間隔とし、必要となるバーニア基準電
圧の数Nbは次のようになる。 Nb = 2n+ K ‥‥‥‥‥‥‥ (4) ここでKは同時にオンするウィンドーコンパレータの個
数であり、奇数個である。奇数個の中心に位置するウィ
ンドーコンパレータの場所が下位ビットの値に相当す
る。Kの値が1より大きい時は、Nbの増加量はK−1
なので、K=1の時に比べて比較する電圧範囲は(K−
1)/2だけ上下に拡大する。
【0020】例えば、K=1、n=3とした場合には主
基準電圧列の範囲がVm0からVm8、バーニア基準電
圧列の範囲がVb0からVb8であり、それぞれ9個の
基準電圧を比較する。K=3、n=3とした場合には主
基準電圧列の範囲がVm−1からVm9、バーニア基準
電圧列の範囲がVb−1からVb9であり、それぞれ1
1個の基準電圧を比較する。同様にK=5、n=3とし
た場合には主基準電圧列の範囲がVm−2からVm1
0、バーニア基準電圧列の範囲がVb−2からVb10
であり、それぞれ13個の基準電圧を比較する。ウィン
ドーコンパレータのウィンドー電圧Vwは式(5)のよ
うに表わされる。 (K−1)(Vsm−Vsb)≦ Vw < K(Vsm−Vsb) ‥‥‥‥‥ (5)
【0021】Kの値は正の奇数であれば任意であるが、
実際には上位ビットを求めるためのADCの1LSBの
電圧幅程度までウィンドーコンパレータのウィンドー幅
が大きい方が良いので、nを下位ビット数とするとKの
値は、 K = 2n + 1 ‥‥‥‥‥‥‥ (6) または K = 2n − 1 ‥‥‥‥‥‥‥ (7) 近傍とするのが現実的である。Kの値は小さい方が回路
規模が小さくできるが、ウィンドー幅も小さくなる。
【0022】本実施例では、n=3、K=3とした場合
について説明する。図7に本実施例の加算器とバーニア
基準電圧列とウィンドーコンパレータを示す。図7にお
いて、図2または図5と同一の符合は同一または相当す
るものを示し、Rbb及びRwhは抵抗を示す。加算器
5は図5に示したものと同様であるがウィンドー電圧を
供給するための抵抗Rwhが付加されている。図5にお
けるRbは図7では次のように表わされる。 Rb = Rbb + 2Rwh ‥‥‥‥‥‥‥ (8) バーニア基準電圧列の電圧間隔VsbとRbとIrの関
係は式(2)で示した関係と同様である。Vb0、Vb
1、・・・、Vbxが各々のバーニア基準電圧である。
ウィンドー電圧Vwは次のように与えられる。 Vw = 2RwhIr ‥‥‥‥‥‥‥ (9)
【0023】ウィンドー電圧Vwの中心電圧がバーニア
電圧Vb0、Vb1、・・・、Vbxとなるようにす
る。各々のウィンドーコンパレータ13におけるウィン
ドー電圧の上限電圧Vwuと下限電圧Vwlは、バーニ
ア電圧をVbxとすると、それぞれ次のようになる。Vwu =Vbx+Vw/2 ‥‥‥‥‥‥ (10)Vwl =Vbx−Vw/2 ‥‥‥‥‥‥ (11)
【0024】図7のような構成とすることによって、バ
ーニア電圧とウィンドー電圧を精度良くウィンドーコン
パレータ13に供給することができる。範囲セレクタ1
2は上位ADCの結果に応じて主基準電圧列Vmxの範
囲を選択する。選択範囲はバーニア基準電圧の数Nbと
同じ数の主基準電圧である。ウィンドーコンパレータ1
3で比較するのは、VmxとVbxの同じサフィックス
xのもの同を比較する。
【0025】具体的な例をあげて説明すると次のように
なる。図8に入力条件を示す。例えば図4において、V
m0が3Vと定義されており、アナログ入力端子が3.
005VでVm0からVm1の間にあるとすると、EX
−ORゲート10の出力はS0端子だけがロジック
“1”の状態になる。この出力は範囲セレクタ12に入
力される。これは図6の一番下側の入力電圧が3.00
0Vの行に示した状態にある。範囲セレクタ12は図6
に示すようにM1からM11の主基準電圧列の電圧範囲
を選択する。範囲セレクタ12は図4の絶対位置M1か
らM11にある主基準電圧列の電圧を出力し、この電圧
図7に示したウィンドーコンパレータ13の入力Vm
−1からVm10に印加される。バーニア基準電圧は、
図7の加算器5によりVb0をアナログ入力信号と等し
い電圧に保ちつつ、Vsbの電圧間隔でバーニア基準電
圧を発生する。
【0026】図9に、主基準電圧列の各々の基準電圧V
mxの値(範囲セレクタの出力電圧)と、バーニア基準
電圧の各々の基準電圧Vbxの値と、図7におけるウィ
ンドーコンパレータ13の出力の状態を示す。ウィンド
ーコンパレータ13の出力は、W5を中心に、W4、W
6でロジック“1”の状態となっている。これはこの3
つのウィンドーコンパレータ13のウィンドー電圧14
の範囲内に範囲セレクタ12の出力電圧があることを示
している。3つのウィンドーコンパレータ13の出口が
ロジック“1”となっているのは、K=3としてウィン
ドー幅を分解能の3倍にしているためである。ロジック
“1”を出力するウィンドーコンパレータ13の中心の
位置が、下位nビットのAD変換の結果を意味する。こ
の場合はW5の位置である。
【0027】それぞれのウィンドーコンパレータ13の
出力は、下位エンコーダ7に入力される。下位エンコー
7の真理値表を図10に示す。ウィンドーコンパレー
タ13の出力はW4、W5、W6がロジック“1”であ
るので、下位エンコー7の出力は(0101)2とな
るようにする。これは下位A/D変換の結果が5LSB
であることを意味する。この下位3ビットのADCの結
果と、上位mビットのADCの結果を、デジタル加算器
8によって合計して(m+3)ビットのADCの結果を
得る。以上説明したように、上位のADCによって3.
000から3.008Vの範囲内に入力信号のレベルが
あることがわかり、さらに下位の3ビットのA/D変換
によって0.005Vの電圧を1mVの分解能で得るこ
とができ、最終結果として入力電圧は3.005Vであ
ることを知ることができる。
【0028】本実施例では、K=3としたのでウィンド
ー電圧は3mVであり、回路中で扱われる最小の電圧は
3mVであるが、1mVの分解能を得ることができる。
例えば、窓電圧係数K=7とすると7mVの電圧間隔で
1mVの分解能を得ることができる。本実施例で示した
ように、本発明のアナログデジタル変換器では、Kの値
を大きくすることによってアナログ基準電圧として扱う
最小電圧を大きくすることができる。従来の方式では、
ビット数が1増えると回路中で扱う最小電圧は1/2と
なる。図11に示した従来の方式において減算器の出力
の大きさは、入力フルスケール電圧Vfを全体のビット
数(m+n)で割った値になりうる。
【0029】例えば、入力電圧が3.001Vであり、
上位ADCの電圧分解能が8mVで3.000から3.
008Vの基準電圧の間にあるとすると、減算器の出力
は1mVである。式(12)に従来アナログデジタル変
換器の回路中で扱う最小電圧Vmin1を示す。 Vmin1 = Vf/2(m+n) ‥‥‥‥‥‥ (12) 一方、本発明では回路中で扱う最小電圧Vmin2は、
式(13)のように表される。Vmin2 = KVs
b = K(2(n-1)Vf / 2(m+n)) ‥‥‥‥‥‥ (13)
【0030】このように、下位のビット数の増加による
最小電圧の減少分だけKを大きくすることにより、回路
中で扱う最小電圧が小さくなり過ぎないようにすること
ができる。なお、前述の実施例の各部の構成は発明の趣
旨を逸脱しない限り周知の各種のものが利用可能であ
る。例えば、最近接検出手段として、範囲セレクタの出
力電圧と加算器の出力電圧の差をとる減算器と、その減
算結果を絶対値に変換する絶対値回路と、絶対値の出力
が最も小さいところのバーニア位置を検出する最小検出
回路から構成する方法が可能である。または他の最近接
検出手段として、範囲セレクタの出力電圧と加算器の出
力電圧との差をとる減算器と、その減算器の出力がゼロ
を横切る点に最も近いバーニア位置を検出するゼロクロ
ス検出回路から構成する方法も可能である。
【0031】他の加算器として、アナログ入力信号と各
バーニア基準電圧を加算する加算器をバーニア基準電圧
の数だけ用意し、それぞれを加算してアナログ入力電圧
が重畳したバーニア電圧を発生し、その各々のバーニア
電圧の上下にウィンドーコンパレータの上下のウィンド
電圧を発生させる加減算器を設ける方法も可能であ
る。
【0032】
【発明の効果】以上の説明にて理解されるように、本発
明のアナログデジタル変換器は、1LSBの電圧間隔よ
りも大きな電圧間隔によって量子化ができ、回路中のア
ナログ信号が小さくなり過ぎないのでノイズ耐量が極め
て高く、高精度の内部DACや増幅器を必要としないた
め高速で精度が良く、分解能を従来の方式のADCより
も向上でき、HDTVなどの用途に幅広く利用できるも
のであり、産業上その利用範囲・価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路ブロック図であ
る。
【図2】本発明の最近接検出手段を詳細に示す回路ブロ
ック図である。
【図3】動作原理を説明するための主基準電圧列とバー
ニア基準電圧列の電圧分布図である。
【図4】上位ビットのアナログデジタル変換部の回路図
である。
【図5】バーニア電圧と入力電圧を加算する加算器の回
路図である。
【図6】アナログ入力電圧と上位ビットのアナログデジ
タル変換部の出力と主基準電圧列の選択範囲の関係を示
すテーブル図である。
【図7】ウィンドーコンパレータを使った場合の加算器
とウィンドーコンパレータの回路図である。
【図8】入力条件を示すテーブル図である。
【図9】ウィンドーコンパレータの出力の状態を示すテ
ーブル図である。
【図10】下位エンコーダの変換テーブル図である。
【図11】従来の直並列型アナログデジタル変換器の回
路ブロック図である。
【符号の説明】 1 主基準電圧列 2 バーニア基準電圧列 3 比較器 4 上位エンコーダ 5 加算器 6 最近接検出手段 7 下位エンコーダ 8 デジタル加算器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ信号をその振幅を表わすデジタ
    ル信号に上位mビット+下位nビット(m、nはいずれ
    も整数)で変換するアナログデジタル変換器において、
    電圧間隔がVsmの主基準電圧列と、該主基準電圧の各
    々の基準電圧とアナログ入力電圧のレベルを比較する上
    位mビットを求めるための比較器と、下位nビットを求
    めるための電圧間隔がVsbでVsmとの関係を、 2nVsb=(2n−1)Vsm を満足するように設けたバーニア基準電圧列と、該バー
    ニア基準電圧列の各々の基準電圧にアナログ入力信号を
    加算する加算器と、前記比較器の出力結果に基づいて、
    前記加算器の各々の出力と比較するために必要な前記主
    基準電圧列の範囲を選択する範囲セレクタと、 窓電圧の幅Vwを、 (K−1)(Vsm−Vsb)≦Vw<K(Vsm−Vsb) (Kは窓電圧係数で正の奇数)としたウィンドーコンパ
    レータからなり、前記範囲セレクタの出力を前記ウィン
    ドーコンパレータの入力に接続し、かつ、Vbxを各々
    のバーニア基準電圧とすると、窓電圧の上限電圧Vw
    u、下限電圧Vwlが、 Vwu=Vbx+Vw/2 Vwl=Vbx−Vw/2 の関係になるようにして、各々の前記ウィンドーコンパ
    レータのウィンドー端子にVwuとVwlを接続し、K
    個のオンとなったウィンドーコンパレータの中央に位置
    する(K+1)/2番目のウィンドーコンパレータの場
    所に対応した下位ビットのデジタル信号を出力すること
    で、 前記主基準電圧列の各々の基準電圧と前記加算器の
    各々の出力が最も近いところの前記バーニア基準電圧列
    の場所を検出する最近接検出手段と、前記比較器の出力
    結果に基づいて前記アナログ入力信号に対する上位mビ
    ットのデジタル信号を得る上位エンコーダと、前記最近
    接検出手段の出力結果に基づいて前記アナログ入力信号
    に対する下位nビットのデジタル信号を得る下位エンコ
    ーダを具備したことを特徴とするアナログデジタル変換
    器。
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