JP3255601B2 - 偏心型バタフライ弁のシートリング及び該シートリングの組立て方法 - Google Patents

偏心型バタフライ弁のシートリング及び該シートリングの組立て方法

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JP3255601B2
JP3255601B2 JP36006797A JP36006797A JP3255601B2 JP 3255601 B2 JP3255601 B2 JP 3255601B2 JP 36006797 A JP36006797 A JP 36006797A JP 36006797 A JP36006797 A JP 36006797A JP 3255601 B2 JP3255601 B2 JP 3255601B2
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義則 万木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏心型バタフライ
弁のシートリングに関し、特に、断面山形シート部を有
するシートリング及び該シートリングの弁本体への組立
て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、弁棒の回転中心軸線と、弁体(弁
板)外周縁と弁本体とがシートリングを介して圧接する
シール面とが一致しない偏心型バタフライ弁において、
図4に示すように、弁本体1の配管側の一端部の内周面
に、剛性材料からなる環状心金2の内周面から両側側面
に亙って弾性材からなるシール材3を接着張接したシー
トリングを装着し、該シール材3の内周面にあって弁体
4と協働してシール作用をなすシール面に、円周方向に
複数の凸条5を形成すると共に、上記シール材3の一方
の端部を、心金2と当接し、流体中心線方向に収れんす
るような截頭円錐面6に形成したものが、先に本出願人
によって開発されている(実公昭62− 44215号公報参
照)。
【0003】このものは、シール材3のシール面に凸条
5を設けているので、弾性材の自由表面積が大きくなっ
てシール作用が向上し、また上記截頭円錐面6によって
弁をパイプラインに組み込んだ場合、心金テーパ部6に
当接する部分近傍においてはシール材自体を弁の半径方
向内方に変位させる力(分力)を生じて接着が剥離しに
くくなり、また弁閉時にも心金からシール材が剥離する
傾向を小さくする作用を有している。
【0004】また、弁棒の回転中心軸線と、弁板(弁
体)外周縁と弁本体とがシートリングを介して圧接する
シール面とが一致する中心型バタフライ弁において、環
状シートリングの内周面の直径方向対向位置に設けられ
た回転軸用の1対のボス部の間に、弁閉塞時に弁板周縁
部に圧接させるための断面山形のシート部を連続して円
周方向に沿って形成し、且つ、 イ シートリングの山形シート部の巾をボス部近傍にお
いてシールとしての機械的強度を損わない範囲で最小の
巾とし ロ 上記山形シート部の両ボス部間の中央に向けて、ボ
ス部の中心を基点とするコサイン関数で表わされる曲線
形状で巾を広くし、閉弁時、シール作用と回転トルクと
を同時に発生させ、無駄トルクをなくすようにしたバタ
フライ弁のシートリングも既に本出願人によって開発さ
れている(特公昭58− 25911号公報参照)。
【0005】そして、このものは次のように作用する。
即ち、弁板が“開”の状態から閉じてゆく時、閉位置の
手前で弁板は山形シート部へ接近し、やがて当接する
(図5(b))。この時、弁板の周縁各部の点が、山形
シート部の頂点を通る流路に垂直な面(以下「90°閉
の位置の面」と呼ぶ)から垂直方向へどれ程離れている
かについて説明する。(以下「離間距離」という。) より幾何学的に分り易く画いた図5(a)において、弁
板周縁部の任意の点Aは、O′点を中心として、B点よ
り短い半径で回動する。ここで、Dは弁板、Cは弁板の
中心軸、rは弁板半径、Oは弁板中心である。OAとO
Bのなす角をθとすると、A点は、O′を中心にrco
sθを半径として回転する。
【0006】図5(b)において、弁板がαという角度
で、山形シート部へ当接したとすると上記離間距離Wは
次のように表わされる。 W=(rcosθ)×sinα =(rsinα)×cosθ r及び同時に当接する角度αは与えられた値であるか
ら、Wはcosθで変化する。即ち、弁板周縁部の各点
は弁板が90°閉の位置の面からcosθに比例した距
離だけ隔って分布している。
【0007】一方、山形シート部において、前記90°
閉位の面から弁板が離れる点までの距離は、同じコサイ
ン関数で表わされる曲線に沿って分布しているから、山
形シートの曲線部はその全ての部分において弁板と同時
に当接することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した本出願人によ
って既に開発された偏心型バタフライ弁のシートリング
は、図4に示すように、シートリングのシール面に円周
方向に複数の凸条5を形成しており、閉弁時弁体4は上
下の弁棒挿通部附近(90°)からシール面に当接(圧
接)し始め、最後に弁棒直角方向(0°)が当接(圧
接)し全閉となる。一般に、この種偏心型バタフライ弁
は、下記する中心形バタフライ弁に比較して高温、高
圧、高流速等の流体仕様条件が多く、又全閉直前の微少
開度での使用においては、上記シートリングの弁棒直角
方向(0°)附近がこれら流体仕様により摩耗、摩滅、
損傷、破断等の損傷を受けシール機能を失なうという問
題点があった。
【0009】次に、同様本出願人によって既に開発され
た中心型バタフライ弁のシートリングは、図5(b)に
示すように、弁開度αにて弁体8の周縁部が弾性シート
リング7の山形シート部7aの内面に同時接触(当接)
しているが、図示しない弁棒挿通ボス部は全閉、全開に
拘らず常時接触(当接)しており、これが弁の固有開閉
トルクとして占めており、弁の開閉頻度が大なる場合は
該部が摩耗等の出発点となり問題点となっていた。
【0010】本発明は、偏心型バタフライ弁のシートリ
ングにおいて、高温、高圧、高流速等の高度な流体仕様
条件でも、摩耗等の損傷(ダメージ)を受けることな
く、シール機能を保持し、長期寿命に耐えるシートリン
グ及び該シートリングの弁本体への組立て方法を提供す
ることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明の採った手段は、剛性材料からなる中空円
筒状本体の一端部の内周面と、該本体内に回転自在に軸
支された剛性材料からなる弁体の周縁部との間に、弾性
材料からなる環状シートリングを介在させ、弁棒の回転
中心軸線と、弁体周面と本体とが環状シートリングを介
して圧接するシール面とが一致しない偏心型バタフライ
弁において、上記環状シートリングに、弁閉時弁体周縁
部と圧接させるための断面山形のシート部を連続して円
周方向に沿って形成し、該環状シートリングでの山形シ
ート部の側面に弁閉時弁体周縁の全周がほぼ同時に当接
する点の円周方向の位置で、展開した状態で弁棒挿通部
と平行する位置の近傍を直線で形成し、該直線で形成さ
れる弁棒挿通平行部近傍以外の区域をコサイン曲線で形
成し、該山形シート部のほぼ同時当接点より該山形シー
ト部の下部を補強するように両側を曲線で形成したほぼ
台形状シート部を接続して一体に形成し、該ほぼ台形状
シート部の裾野の終端と、シートリングの端縁との間を
平坦としたことを特徴としている。
【0012】
【0013】また、剛性材料からなる中空円筒状本体の
一端部の内周面と、該本体内に回転自在に軸支された剛
性材料からなる弁体の周縁部との間に、弾性材料からな
る環状シートリングを介在させた偏心型バタフライ弁に
おける上記環状シートリングに、弁閉時弁体周縁部と圧
接させるための断面山形のシート部を連続して円周方向
に沿って形成し、該環状シートリングでの山形シート部
の側面に弁閉時弁体周縁の全周がほぼ同時に当接する点
の円周方向の位置で、展開した状態で弁棒挿通部と平行
する位置の近傍を直線で形成し、該直線で形成される弁
棒挿通平行部近傍以外の区域をコサイン曲線で形成し、
該山形シート部のほぼ同時当接点より該山形シート部の
下部を補強するように両側を曲線で形成したほぼ台形状
シート部を接続して一体に形成し、該ほぼ台形状シート
部の裾野の終端と、シートリングの端縁との間を平坦と
した偏心型バタフライ弁のシートリングにおいて、環状
シートリングの内側に円周方向に沿って連続して形成さ
れる断面山形シート部の側面に、弁閉時弁体周縁の全周
がほぼ同時に当接する点の円周方向の位置で、弁棒挿通
部と平行する位置の近傍を直線で形成し、該直線からな
る山形シート部の中央の直径方向に対向する両終端面
に、直径方向に目盛を形成し、組立て時、該目盛と、本
体の弁棒挿通部近傍の配管側端面に形成された対応する
目盛とを合致させて、該シートリングを弁本体に組立て
る方法を特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面に記載した実施例を用いて説明する。図1は、本発明
の一実施形態を示す偏心型バタフライ弁を示し、(a)
は弁棒に直角方向の組立断面図、(b)は図(a)にお
けるシートリングの右側面図、(c)は図(a)のA部
の拡大断面図である。
【0015】図1(a)において、剛性材料からなる中
空円筒状本体11の右端部内周面にシートリング12が
取付けられ、本体11内に回動自在に弁棒13に軸支さ
れた同様剛性材料からなる弁体14の周縁部が前記シー
トリング内周面の弾性材料12aに圧接した状態を示し
ている。弁体14の回動方向は矢印で示すように、反時
計方向開であり(時計方向には回らない)、同図1
(c)の拡大断面図で示すように、全閉時流路に90°
の位置に対して0〜6°手前の弁体角度に調整でき、好
ましくは3°内外で同図に示すように弁開時に容易に開
弁できるようになっている。又同様に、弁閉時において
も漏洩なき範囲で90°の手前で圧接するようになって
いる。
【0016】また、図1(b)において、同図(a)の
弁棒13の挿通部と平行する位置は、同図(b)におい
てX−O−X′であり、該弁棒挿通部と平行する配管フ
ランジ接続面にスリット状目盛15が形成されており、
該部の目盛15は、該シートリング12を本体内面に組
立てる際、本体11の該弁棒挿通部の近傍に形成され
た、図3(a)(b)に示す弁本体スリット16と合致
させるようにして組立てが完了するようになっている。
このようにして後記するように、該シートリング12の
内面に円周方向に形成された断面山形シート部の直線状
最狭平行部が正確に弁棒挿通部近傍に位置するようにな
る。
【0017】また、上記シートリング12に形成された
スリット状目盛15は、配管フランジ接続面の直径方向
に2ヶ所形成されており、今仮りに弁棒挿通方向に対し
てX−O−X′で長期間使用し、シートリング内周(圧
接)面が片減り摩耗した場合に、取付ボルト17a(中
心線のみ示す。)を取り外し、180°周方向に回転さ
せてX′−O−Xとすることにより、新規に使用するこ
とができる。
【0018】また、図1(c)は、同図(a)の主要部
A部の拡大図で、同図(b)のO−Y′断面の要部を示
し、シートリング12の弾性材料12aに形成された山
形シート部12cの弁棒に直角方向0°の最大巾に弁体
14が圧接している状態を示している。
【0019】上記環状シートリング12の弾性材料12
aは、断面ほぼU字形をなし、該U字部に囲まれてその
外周部に剛性材料12bを同時加硫成形により強固に一
体化されている。上記弾性材料12aの主なものとし
て、耐油性のあるニトリルゴム(NBR)、耐候性のあ
るネオプレン(CR)、耐熱性のあるエチレンプロピレ
ンゴム(EPDM)等が流体条件により選択される。又
剛性材料12bの主なものとして、金属材料の他に非金
属材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン等の熱可塑性樹脂及び、エポキシ、フェノール
等の熱硬化性樹脂によって形成することができる。又上
記樹脂材料にガラス繊維や炭素繊維を加え強度を一層高
めることができる。
【0020】なお、弾性材料12aと剛性材料12bと
の接着面は、接着効果を高めるために山形、楔形等によ
り剥離防止をするようになっている。
【0021】また、弾性材料12aの一端面は配管フラ
ンジ面に、他端は本体内周面の端面にそれぞれ当接し、
取付ボルト孔17に挿通される六角孔付ボルト17aに
より一体化され、該弾性材料12aの両側端面にそれぞ
れ形成された断面台形溝12gにより、より一層確実
に、配管フランジ面又は本体内周面の端面に圧着され、
流体圧力の外部漏れを防止している。
【0022】図2(a)は、図1(b)のY′−O−
X′部分の内周面展開図を示し、Y′−O−X′以外の
他の部分は、同図の相似形である。また図2(b),
(c)及び(d)は、図1(b)の0°(Y′−O)、
45°及び90°(X′−O)における弁体周縁部と山
形シート部及び両側を曲線で形成したほぼ台形状シート
部との当接状態を示すそれぞれの断面図である。
【0023】図2において、環状弾性シートリング12
aには、弁閉時、弁体14の周縁部と圧接(当接)させ
るための断面山形のシート部12cが連続して円周方向
に沿って形成されている。該環状シートリング12aで
の山形シート部12cの側面に、弁閉時、弁体周縁の全
周がほゞ同時に当接する点21の円周方向の位置が、図
2(a)のように展開した状態で示されており、該同時
当接点21は、弁棒挿通部と平行する位置の近傍(図1
(b)の80°〜90°近傍)を直線部21aで形成さ
れ、該直線部21aで形成される弁棒挿通平行部近傍以
外の区域を、コサイン曲線(コサイン関数で表わされる
曲線)部21bで形成されている。
【0024】上記の山形シート部の弁体周縁部との同時
当接点21より山形シート部12cの下部を補強するた
めに両側を曲線で形成したほぼ台形状シート部12hが
接続して一体に形成されており、該ほぼ台形状シート部
12hの裾野の終端22からシートリング12の端縁1
2eまでが平坦部12fで形成され、該平坦部12fと
本体11の内面とが同一面状に揃うように形成されてい
る。
【0025】上記コサイン曲線部21bは、弁閉時、弁
体周縁の弁棒挿通平行部近傍を除く全周が同時に当接す
る点を連らねて示す曲線であって、図5に示された同図
(a)のA点の軌跡に相当し、同図(b)の離間距離W
=(rsinα)×cosθは、図2(a)のシートリ
ング12aの中心線mから当接点21までの距離を表わ
している。なお、上式におけるrは弁体の半径、αは弁
体周縁が山形シート部の側面に同時に当接する角度(弁
開度)である。
【0026】上記のことから分かるように、離間距離W
は、0°即ちY′−O又はY−O断面において山形シー
ト部12cの巾が最大巾を示し、順次巾がコサイン曲線
に沿って縮小し、70〜80°付近で直線部21aに接
続されている。該直線部21aは、弁棒挿通平行部近傍
でのシールとしての機械的強度を損われないための必要
な巾に設定されており、該直線部における弁体周縁部と
の当接時期は、上記したコサイン曲線部21bとほぼ同
時期となるように設定されている。
【0027】また、上記した山形シート部12cの同時
当接点21に接続される両側を曲線で形成したほぼ台形
状シート部12hの裾野の終端22とシートリング12
の端縁12eまでを平坦部12fで形成されており、該
端部平坦部12fは、配管時におけるシートリング12
の内径方向への膨らみを防止すると共に、本体内径と同
一にして流体抵抗を最小にしている。なお、山形シート
部の対向する頂点同士の直径方向寸法は、各位置に拘ら
ず同一である。
【0028】次に、作用について説明すると、弁閉鎖
時、弁体が全開状態から閉じてゆき、やがて弁体周縁部
が山形シート部の外側に一体に形成されたほぼ台形状シ
ート部12hの平坦部12h1(図2(d)参照)をこ
するようにして閉じてゆき、次いで、山形シート部12
cとほぼ台形状シート部12hとの接点(同時当接点)
21に到達してここで全閉状態となって、弁閉鎖作用が
全周に亙ってほゞ同時に終了するようになっている。
【0029】上記のように、弁閉鎖時に弁体周縁部が山
形シート部12cとほぼ台形状シート部12hの平面1
2h1に圧接することにより、弁体の直径方向と回動方
向の両方向の圧接力により強力なシール作用をする効果
がある。
【0030】これらの圧接力の中で直径方向の圧接力
は、弁体の直径方向の寸法差及び圧接面の精度に基づ
く。即ち、ほぼ台形状シート面内径寸法より弁体外形寸
法の方が若干大で、これが喰い込代、即ち圧接力とな
る。
【0031】この場合、弁体周縁部は丸味を帯びたR状
に対してほぼ台形状シート部の圧接面は平面である。即
ち平面にR状の弁体周縁部が喰い込み圧接していること
になるので、圧力シール程度は大きく、高圧にも耐える
ことができる。その反面、圧接トルクはそれだけ大きく
なる。また、全閉時には、山形シート部に弁体周縁部の
側面が圧接し、前記平面と共に異なった形態でシール作
用をすることになる。側面への圧接力は、シール作用と
同時に開弁又閉弁を容易にするので、それだけ回動トル
クを軽減させる作用と効果がある。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
剛性材料からなる中空円筒状本体の一端部の内周面と、
該本体内に回転自在に軸支された剛性材料からなる弁体
の周縁部との間に、弾性材料からなる環状シートリング
を介在させ、弁棒の回転中心軸線と、弁体周面と本体と
が環状シートリングを介して圧接するシール面とが一致
しない偏心型バタフライ弁において、上記環状シートリ
ングに、弁閉時弁体周縁部と圧接させるための断面山形
のシート部を連続して円周方向に沿って形成し、該環状
シートリングでの山形シート部の側面に弁閉時弁体周縁
の全周がほぼ同時に当接する点の円周方向の位置で、展
開した状態で弁棒挿通部と平行する位置の近傍を直線で
形成し、該直線で形成される弁棒挿通平行部近傍以外の
区域をコサイン曲線で形成し、該山形シート部のほぼ同
時当接点より該山形シート部の下部を補強するように両
側を曲線で形成したほぼ台形状シート部を接続して一体
に形成し、該ほぼ台形状シート部の裾野の終端と、シー
トリングの端縁との間を平坦としたことにより、次のよ
うな効果が奏される。
【0033】(i)特に高温、高圧、高流速等の高度な
流体仕様条件下で使用される偏心型バタフライ弁におい
て、使用条件の厳しい微小開度においても、流体は、弁
体周縁部からほゞ均一に流出するためシートリングの部
分摩滅・損傷がない。従って、コントロール用弁に用い
て好適である。
【0034】(ii)山形シート部の同時当接点にほぼ台
形状シート部が一体に接続して形成されているので、山
形シート部の下部をほぼ台形状シート部によって補強す
ると同時に耐圧性を向上させ、且つ、弁閉鎖時に弁体周
縁部が該ほぼ台形状シート部の平坦部をこするようにし
て閉鎖する際、弁体の直径方向と回動方向の両方向の圧
接力により強力なシール作用をする効果がある。特にほ
ぼ台形状シート部の平坦部をこするようにして閉鎖する
際の圧力シール程度は大きく、高圧にも耐えることがで
きるので、高圧用弁に用いて好適である。なお、全閉状
態となる山形シート部とほぼ台形状シート部の接続点
は、全周に亙って同時当接点を形成しているので、全閉
時において圧接量が均一となり、部分的に強圧されるこ
とがないので、耐久寿命を延ばすことができる。
【0035】(iii) シートリングの端部を平坦部とした
ことにより、配管時におけるシートリングの内径方向へ
の膨らみを防止すると共に、本体及びパイプ内径寸法に
近くなり、流体抵抗を減じることができる。
【0036】
【0037】また、剛性材料からなる中空円筒状本体の
一端部の内周面と、該本体内に回転自在に軸支された剛
性材料からなる弁体の周縁部との間に、弾性材料からな
る環状シートリングを介在させた偏心型バタフライ弁に
おける上記環状シートリングに、弁閉時弁体周縁部と圧
接させるための断面山形のシート部を連続して円周方向
に沿って形成し、該環状シートリングでの山形シート部
の側面に弁閉時弁体周縁の全周がほぼ同時に当接する点
の円周方向の位置で、展開した状態で弁棒挿通部と平行
する位置の近傍を直線で形成し、該直線で形成される弁
棒挿通平行部近傍以外の区域をコサイン曲線で形成し、
該山形シート部のほぼ同時当接点より該山形シート部の
下部を補強するように両側を曲線で形成したほぼ台形状
シート部を接続して一体に形成し、該ほぼ台形状シート
部の裾野の終端と、シートリングの端縁との間を平坦と
した偏心型バタフライ弁のシートリングにおいて、環状
シートリングの内側に円周方向に沿って連続して形成さ
れる断面山形シート部の側面に、弁閉時弁体周縁の全周
がほぼ同時に当接する点の円周方向の位置で、弁棒挿通
部と平行する位置の近傍を直線で形成し、該直線からな
る山形シート部の中央の直径方向に対向する両終端面
に、直径方向に目盛を形成し、組立て時、該目盛と、本
体の弁棒挿通部近傍の配管側端面に形成された対応する
目盛とを合致させることにより、組立てが容易になると
共に、長期使用後に該シートリングを180°周方向に
回転させ組立てることにより、シートリングの山形シー
ト部が新規の個所となり新品同様再使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す偏心型バタフライ弁
を示し、(a)は弁棒に直角方向の組立断面図、(b)
は図(a)におけるシートリングの右側面図、(c)は
図(a)のA部の拡大断面図である。
【図2】(a)は図1(b)のY′−O−X′部分の内
周面展開図であり、(b),(c)及び(d)は、図1
(b)の0°,45°及び90°における弁体周縁部と
山形シート部との当接状態を示す断面図である。
【図3】(a)は弁本体にシートリングを組み込んだ正
面図を示す説明図、(b)は図(a)のB部の拡大説明
図である。
【図4】従来例を示すシートリングの断面図である。
【図5】他の従来例を示し、(a)(b)は弁板とシー
トリングの山形シート部との接触関係を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
11 本体(弁本体) 11a 配管フランジ接続面 12 シートリング 12a 弾性材料 12b 剛性材料 12c 山形シート部 12e シートリングの端縁 12f 平坦部 12g 台形溝 12h ほぼ台形状シート部 12h1 平坦部 13 弁棒 14 弁体 15 シートリングの目盛 16 弁本体の目盛 21 当接点 21a 直線部 21b コサイン曲線部 22 裾野の終端
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭57−70558(JP,U) 実開 昭57−70559(JP,U) 実開 昭57−70560(JP,U) 実開 昭57−70561(JP,U) 実開 昭57−70562(JP,U) 実開 平1−91168(JP,U) 特公 昭58−25911(JP,B2) 特公 平4−57912(JP,B2) 実公 昭58−25176(JP,Y2) 実公 昭62−44215(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 1/16 - 1/226

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛性材料からなる中空円筒状本体の一端
    部の内周面と、該本体内に回転自在に軸支された剛性材
    料からなる弁体の周縁部との間に、弾性材料からなる環
    状シートリングを介在させ、弁棒の回転中心軸線と、弁
    体周面と本体とが環状シートリングを介して圧接するシ
    ール面とが一致しない偏心型バタフライ弁において、上
    記環状シートリングに、弁閉時弁体周縁部と圧接させる
    ための断面山形のシート部を連続して円周方向に沿って
    形成し、該環状シートリングでの山形シート部の側面に
    弁閉時弁体周縁の全周がほぼ同時に当接する点の円周方
    向の位置で、展開した状態で弁棒挿通部と平行する位置
    の近傍を直線で形成し、該直線で形成される弁棒挿通平
    行部近傍以外の区域をコサイン関数で表わされる曲線
    (以下、コサイン曲線という。)で形成し、該山形シー
    ト部のほぼ同時当接点より該山形シート部の下部を補強
    するように両側を曲線で形成したほぼ台形状シート部を
    接続して一体に形成し、該ほぼ台形状シート部の裾野の
    終端と、シートリングの端縁との間を平坦としたことを
    特徴とする偏心型バタフライ弁のシートリング。
  2. 【請求項2】 剛性材料からなる中空円筒状本体の一端
    部の内周面と、該本体内に回転自在に軸支された剛性材
    料からなる弁体の周縁部との間に、弾性材料からなる環
    状シートリングを介在させた偏心型バタフライ弁におけ
    る上記環状シートリングに、弁閉時弁体周縁部と圧接さ
    せるための断面山形のシート部を連続して円周方向に沿
    って形成し、該環状シートリングでの山形シート部の側
    面に弁閉時弁体周縁の全周がほぼ同時に当接する点の円
    周方向の位置で、展開した状態で弁棒挿通部と平行する
    位置の近傍を直線で形成し、該直線で形成される弁棒挿
    通平行部近傍以外の区域をコサイン曲線で形成し、該山
    形シート部のほぼ同時当接点より該山形シート部の下部
    を補強するように両側を曲線で形成したほぼ台形状シー
    ト部を接続して一体に形成し、該ほぼ台形状シート部の
    裾野の終端と、シートリングの端縁との間を平坦とした
    偏心型バタフライ弁のシートリングにおいて、環状シー
    トリングの内側に円周方向に沿って連続して形成される
    断面山形シート部の側面に、弁閉時弁体周縁の全周がほ
    ぼ同時に当接する点の円周方向の位置で、弁棒挿通部と
    平行する位置の近傍を直線で形成し、該直線からなる山
    形シート部の中央の直径方向に対向する両終端面に、直
    径方向に目盛を形成し、組立て時、該目盛と、本体の弁
    棒挿通部近傍の配管側端面に形成された対応する目盛と
    を合致させて、該シートリングを弁本体に組立てること
    を特徴とする偏心型バタフライ弁のシートリングの組立
    て方法。
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