JP3254158B2 - 燃料タンク用防錆鋼板 - Google Patents

燃料タンク用防錆鋼板

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JP3254158B2
JP3254158B2 JP01755797A JP1755797A JP3254158B2 JP 3254158 B2 JP3254158 B2 JP 3254158B2 JP 01755797 A JP01755797 A JP 01755797A JP 1755797 A JP1755797 A JP 1755797A JP 3254158 B2 JP3254158 B2 JP 3254158B2
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幸夫 内田
直孝 南
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雄二 富塚
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Nisshin Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、劣化ガソリンやアルコ
−ルを含む燃料の貯蔵に使用しても錆が発生せず、タン
ク製造の際の抵抗溶接性、プレス加工性を有する燃料タ
ンク用防錆鋼板に関する。
【0002】
【従来技術】自動車などの燃料タンク材としては、抵抗
溶接性やプレス加工性に優れ、自動車に装着中に燃料に
よりタンク内面が腐食されて、穴あきが発生したり、燃
料循環系統のフィルタ−に目詰まりが生じたりしないこ
とが必要である。このような特性を備えた燃料タンク材
としては溶融Pb−Sn合金めっき鋼板(特公昭57−
6133号公報)や亜鉛めっき鋼板(特公昭53−19
981号公報)があり、従来より燃料タンクの製造に広
く使用されている。
【0003】しかし、溶融Pb−Sn合金めっき鋼板
は、燃料がガソリン単味であれば、優れた耐食性を発揮
するが、燃料がメタノ−ルやエタノ−ルのようなアルコ
−ル燃料あるいはこれとガソリンの混合燃料であると、
アルコ−ルにより腐食されてしまう。また、溶融亜鉛め
っき鋼板の場合は燃料に粗悪ガソリンを使用して、長期
間高温多湿環境に放置したりすると、ガソリンの酸化劣
化により腐食性の強い蟻酸や酢酸が生じて、白錆を発生
させてしまう。
【0004】そこで、このような問題のない燃料タンク
材として、AlまたはAl−Si系合金めっきを施した
Al系めっき鋼板(特公平4−68399号公報)また
はこれにエポキシ樹脂被覆を施した防錆鋼板(特開平6
−306638号公報)が提案されている。しかし、こ
れらの燃料タンク材は耐食性に優れているものの、プレ
ス加工でタンク部材を製造する際、形状が厳しいもので
あると、材料が潤滑不良により破断したり、プレス加工
部の耐食性が低下したりするという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プレス加工
性、加工部耐食性を向上させた燃料タンク用防錆鋼板を
提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、A
l系めっき鋼板に有機樹脂被膜を形成した防錆鋼板にお
いて、有機樹脂被膜を、水系ウレタン樹脂ディスパ−ジ
ョンにシリカゾルとクロム酸塩を添加した処理液で、シ
リカゾルをシリカゾル量/(水系ウレタン樹脂不揮発分
量+シリカゾル量)=0.10〜0.40、クロム酸塩を
クロム酸塩量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカ
ゾル量)=0.001〜0.10にしたものでAl系めっ
き鋼板の少なくとも片面に乾燥塗膜厚で0.5〜2.0μ
m形成したことを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板であ
ることを特徴としている。
【0007】また、第2発明は、第1発明の処理液にガ
ソリン用酸化防止剤を添加して、酸化防止剤を酸化防止
剤量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)
=5×10-2〜5×10-5にした燃料タンク用防錆鋼板
であることを特徴としている。
【0008】第3発明は、第1発明の処理液に高分子固
体潤滑剤を添加して、高分子固体潤滑剤を高分子固体潤
滑剤量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル
量)=0.01〜0.10にした燃料タンク用防錆鋼板で
あることを特徴としている。
【0009】第4発明は、第3発明の処理液にガソリン
用酸化防止剤を添加して、酸化防止剤を酸化防止剤量/
(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)=5×
10 -2〜5×10-5にした燃料タンク用防錆鋼板である
ことを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明者らは、有機樹脂被覆Al系めっき鋼板
のプレス加工性を改善すべく種々検討した結果、有機樹
脂被膜をウレタン樹脂被膜にすればよいこと、また、耐
食性を改善するにはシリカゾルとクロム酸塩とを有機樹
脂被膜に添加すればよいことを見いだしたのである。す
なわち、ウレタン樹脂被膜は燃料タンク材としての必須
条件である耐ガソリン性を有しているほか、プレス加工
で被膜にかじりや破断が生じにくく、また、処理液の段
階でクロム酸塩を含有していても、処理液の増粘、ゲル
化、沈殿などが生じないため、Al系めっき鋼板表面に
均一な薄膜を形成できるのである。
【0011】ウレタン樹脂被膜は、水系ウレタン樹脂の
ディスパ−ションを用いて、シリカゾルおよびクロム酸
塩を添加するとともに、必要に応じて後述のように高分
子固体潤滑剤さらにはガソリン用酸化防止剤を添加した
後、ロ−ルコ−ト法などのような公知塗布方法でAl系
めっき鋼板の少なくとも片面に塗布し、加熱することに
より形成する。水系ウレタン樹脂ディスパ−ションはA
l系めっき鋼板に対するレベリング性が非常に良いた
め、薄膜でも均一な被膜が形成でき、また、酸化作用の
大きいクロム酸塩を添加しても、処理液の増粘、沈殿が
生じない。なお、処理液を安定化させる点で重要な点は
添加シリカゾルのpHを水系ウレタン樹脂ディスパ−シ
ョンと同じ程度にすることである。
【0012】ウレタン樹脂には、脂肪族系、脂環族系、
芳香族系などがあるが、脂環族系のものが特に耐ガソリ
ン性に優れていて好ましい。この脂環族系ウレタン樹脂
としては、水素化2,4−トルイレンジイソシアネ−
ト、水素化1,6−トルイレンジイソシアネ−ト、ジシ
クロヘキシルメタン−p,p′−ジイソシアネ−ト、ジ
シクロヘキシルジメチルメタン−p,p′−ジイソシア
ネ−トなどの1種または2種以上を基本としてポリオ−
ルと重合させたものが挙げられる。
【0013】燃料タンク材の有機樹脂被膜をウレタン樹
脂被膜にしても、プレス加工の際にかじりの発生を皆無
にすることは困難である。しかし、ウレタン樹脂被膜に
シリカゾルとクロム酸塩を添加してあると、かじりの生
じた部位は耐食性を有しているため、基材のアルミニウ
ムめっき鋼板が腐食することがない。シリカゾルは一般
の市販品でよいが、粒径10〜50μmのものが好まし
く、クロム酸塩にはクロム酸ナトリウム、クロム酸アン
モニウム、クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウム
などを使用すればよい。
【0014】シリカゾルの添加量は、シリカゾル量/
(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)=0.
10〜0.40にするが、好ましくは0.15〜0.3
5、より好ましくは0.20〜0.30である。被膜中の
シリカゾル比率が0.10未満であると、加工部耐食性
が向上せず、0.40より大きいと、シリカゾルは潤滑
性に劣るため、プレス加工性が低下する。
【0015】また、クロム酸塩の添加量は、クロム酸塩
量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)=
0.001〜0.10にする。しかし、好ましい範囲は
0.005〜0.05、より好ましくは0.01〜0.03
である。被膜中のクロム酸塩比率が0.001未満であ
ると、加工部耐食性が向上せず、0.10より大きい
と、処理液の安定性が低下して、ゲル化を起こし易くな
る。
【0016】ウレタン樹脂被膜にシリカゾルを添加する
と、シリカゾルは上記のように潤滑性を低下させるの
で、耐食性改善のためにシリカゾル添加量を増大させ
て、厳しいプレス加工を施すと、被膜にかじりの発生が
多くなる。しかし、かかる場合には樹脂粉末の高分子固
体潤滑剤を添加すると、プレス加工性を向上させること
ができる。この高分子固体潤滑剤としてはポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、フッ素系樹脂の微
粉末を用いて、被膜中に分散させればよい。なお、プレ
ス加工が厳しくない場合には高分子固体潤滑剤を添加す
る必要がない。
【0017】高分子固体潤滑剤の添加量は、高分子固体
潤滑剤量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル
量)=0.01〜0.10にする。0.01より小さい
と、添加効果が小さいため、厳しいプレス加工が困難に
なり、0.10より大きいと、燃料タンクに組み立て後
チッピング対策としてタンク外面に塗布する塩化ビニル
塗料などの密着性が低下してしまう。
【0018】また、ウレタン樹脂被膜にガソリン用酸化
防止剤を添加すると、燃料タンク中のガソリンに水が混
入した場合のガソリン酸化や燃料タンクの腐食を抑制で
きる。すなわち、ガソリンは劣化した場合、腐食性の強
い蟻酸や酢酸が生じるので、ガソリンによっては酸化防
止剤を添加して、蟻酸や酢酸の生成を防止したものもあ
る。しかし、ガソリンに水が混入すると、酸化防止剤の
添加にも拘わらず蟻酸や酢酸が生成してしまう。これは
ガソリン中の酸化防止剤が水相に移行して、ガソリンの
安定性が低下するためと推定されるのである。
【0019】しかしながら、ウレタン樹脂被膜中に酸化
防止剤を添加しておくと、酸化防止剤が溶出して、ガソ
リンの酸化劣化を防止する。また、酸化防止剤は水相に
も溶出するため、水相の酸化防止剤濃度が高くなり、腐
食性が低下する。このため、酸化防止剤は1種のインヒ
ビタ−効果を発揮して、燃料タンク内面が腐食されるの
を抑制するのである。
【0020】この酸化防止剤としては、アミン系のも
の、例えば、N,N′−ジイソプロピル−p−フェニレ
ンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェ
ニレンジアミンなどが最も好ましい。また、フェノ−ル
系のもの、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4
−メチルフェノ−ル、2,4−ジメチル−6−tert
−ブチルフェノ−ルなども使用可能である。これらの化
合物は混合使用してもよい。添加量は酸化防止剤量/
(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)=5×
10-2〜5×10-5、好ましくは1×10-3〜1×10
-4にするのが望ましい。5×10-5より小さいとインヒ
ビタ−効果が小さく、5×10-2より大きくしても、効
果は変わらない。
【0021】被膜厚は、0.5μm未満であると、加工
部耐食性が向上せず、2.0μmを超えると、被膜が絶
縁体になり、抵抗溶接が困難になるので、0.5〜2.0
μmにする。
【0022】Al系めっき鋼板としては、純Alめっき
鋼板、Al−3〜13%Si合金めっき鋼板、Al−Z
n合金めっき鋼板、Al−Zn−Si合金めっき鋼板、
Al−Mg合金めっき鋼板、Al−Mn合金めっき鋼板
などが挙げられる。Al系めっき鋼板の製造法として
は、溶融めっき法、蒸着めっき法、溶融塩めっき法など
があるが、純Alめっき鋼板を溶融めっき法で製造する
と、めっき界面に延性の乏しいFe−Al合金層が厚く
形成されるため、Alめっき鋼板は蒸着めっき法または
溶融塩めっき法で製造したものを用いるのが好ましい。
一方、Al合金めっき鋼板の場合は溶融めっき法で安価
に製造できるので、溶融めっき法で製造したものを用い
るのが好ましい。Al系めっき鋼板には被膜密着性を高
めるため、前処理として、金属Cr換算で5〜100m
g/m2のクロメ−ト皮膜を形成するのが好ましい。
【0023】
【実施例】実施例1 水系のウレタン樹脂、アクリル樹脂、アイオノマ−樹
脂、エポキシ樹脂の各樹脂ディスパ−ジョンにシリカゾ
ルとクロム酸塩とを添加した処理液を調製して、それら
を極低炭素Ti添加冷延鋼板のAl−9%Si合金めっ
き鋼板(板厚0.8mm、めっき付着量60g/m2)に
バ−コ−ト法で乾燥塗膜厚がいずれも1.0μmになる
ように塗布して、200℃で1分間加熱することにより
被膜を硬化させ、防錆鋼板を製造した。なお、処理液の
シリカゾルはシリカゾル量/(樹脂ディスパ−ジョン不
揮発分量+シリカゾル量)=0.2、クロム酸塩はクロ
ム酸塩量/(樹脂ディスパ−ジョン不揮発分量+シリカ
ゾル量)=0.01にし、エポキシ樹脂使用処理液には
クロム酸塩を添加しなかった。
【0024】次に、これらの防錆鋼板に平底円筒絞り加
工(絞り比2.1、ブランク径φ84mm)を施して、
それらを無鉛ガソリン(50℃)に24時間浸漬し、被
膜の耐ガソリン性を目視観察および赤外線分光光度計に
て調査し、被膜に異常が認められなかったものを記号◎
で、わずかに変化(被膜の欠落および赤外スペクトルの
変化が5%未満)のものを記号○で、被膜剥落のものを
記号×で評価した。表1にこの結果を示す。
【0025】
【表1】 (注)ウレタン樹脂の脂肪族系はヘキサメチレンジイソ
シアネ−トベ−スウレタン、脂環族系はジシクロヘキシ
ルメタン−p,p′−ジイソシアネ−トベ−スウレタ
ン、芳香族系はトルエンジイソシアネ−トベ−スウレタ
ン、アクリル樹脂はメチルメタクリレ−トとブチルアク
リレ−トの共重合体、アイオノマ−樹脂はポリエチレン
アイオノマ−、エポキシ樹脂はビスフェノ−ルA型エポ
キシである。
【0026】実施例2 実施例1において、処理液として、水系ジシクロヘキシ
ルメタン−p,p′−ジイソシアネ−トベ−スウレタン
樹脂(脂環族ウレタン樹脂)ディスパ−ジョンにシリカ
ゾルとクロム酸塩とを種々の濃度で添加したものを用
い、得られた防錆鋼板に次のような加工部耐食性試験A
とプレス加工性試験Aを実施した。表2に防錆鋼板の被
膜組成と被膜厚みを、表3に性能試験結果を示す。
【0027】(1)加工部耐食性試験A 平底円筒絞り加工(絞り比2.1、ブランク径φ84m
m)を施して、下記試験液に浸漬して、1週間ごとに試
験液を取り替えながら10週間浸漬し続けた後、外観の
赤錆発生率が0%のものを記号◎で、5%未満のものを
記号○で、5%以上、20%未満のものを記号△で、2
0%以上のものを記号×で評価した。 試験液A ガソリン50%と水(蟻酸350ppm含有)50%の
混合液 試験液B メタノ−ル85%、ガソリン15%および蟻酸350p
pmの混合液 (2)プレス加工性試験A 平底円筒絞り加工(ポンチ径40mm)で限界絞り比が
2.15以上のものを記号◎で、2.15未満、2.1以
上のものを記号○で、2.1未満のものを記号×で評価
した。
【0028】
【表2】 (注1)シリカゾル量=シリカゾル量/(水系ウレタン
樹脂不揮発分量+シリカゾル量) (注2)クロム酸塩添加量=クロム酸塩量/(水系ウレ
タン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)
【0029】
【表3】
【0030】実施例3 水系ジシクロヘキシルメタン−p,p′−ジイソシアネ
−トベ−スウレタン樹脂(脂環族ウレタン樹脂)ディス
パ−ジョンにシリカゾル、クロム酸塩およびポリエチレ
ン樹脂粉末を添加した種々の処理液を調製して、それら
をクロメ−ト処理の極低炭素Ti添加冷延鋼板のAl−
9%Si合金めっき鋼板(板厚0.8mm、めっき付着
量80g/m2、クロム付着量20mg/m2)にバ−コ
−ト法で塗布して、200℃で1分間加熱することによ
り被膜を硬化させ、防錆鋼板を製造した。次に得られた
防錆鋼板に次のような加工部耐食性試験Bとプレス加工
性試験Bを実施した。表4に防錆鋼板の被膜組成と被膜
厚みを、表5に性能試験結果を示す。
【0031】(1)加工部耐食性試験B 平底円筒絞り加工(絞り比2.3、ブランク径φ84m
m)を施して、下記試験液に浸漬して、1週間ごとに試
験液を取り替えながら10週間浸漬し続けた後、外観の
赤錆発生率が0%のものを記号◎で、5%未満のものを
記号○で、5%以上、20%未満のものを記号△で、2
0%以上のものを記号×で評価した。 試験液A ガソリン50%と水(蟻酸350ppm含有)50%の
混合液 試験液B メタノ−ル85%、ガソリン15%および蟻酸350p
pmの混合液 試験液C ガソリン50%と水(Cl-50ppm含有)50%の
混合液 (2)プレス加工性試験B 平底円筒絞り加工(ポンチ径40mm)で限界絞り比が
2.3以上のものを記号○で、2.3未満のものを記号×
で評価した。
【0032】
【表4】 (注1)シリカゾル量、クロム酸塩添加量の算出方法は
実施例2の表2の場合と同じである。 (注3)ポリエチレン樹脂粉末量=ポリエチレン樹脂粉
末量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)
【0033】
【表5】 (注)比較例のNo.11、15は絞り比2.3で加工で
きなかったため、加工部耐食性試験を実施しなかった。
【0034】実施例4 実施例3において、極低炭素Ti添加冷延鋼板のAl−
9%Si合金めっき鋼板の代わりに極低炭素Ti添加冷
延鋼板のZn−55%Al合金めっき鋼板(板厚0.8
mm、めっき付着量80g/m2)を使用して、被膜組
成、被膜厚みが実施例No.11〜20および比較例N
o.11〜14に相当する防錆鋼板を製造して、実施例
3と同様の加工部耐食性試験Bおよびプレス加工性試験
Bを施した。表6にこの結果を示す。
【0035】
【表6】 (注)比較例のNo.21は絞り比2.3で加工できなか
ったため、加工部耐食性試験を実施しなかった。
【0036】実施例5 水系ジシクロヘキシルメタン−p,p′−ジイソシアネ
−トベ−スウレタン樹脂(脂環族ウレタン樹脂)ディス
パ−ジョンにシリカゾル、クロム酸塩およびガソリン用
酸化防止剤を添加した種々の処理液を調製して、それら
を極低炭素Ti添加冷延鋼板のAl−9%Si合金めっ
き鋼板(板厚0.8mm、めっき付着量60g/m2)に
バ−コ−ト法で塗布して、200℃で1分間加熱するこ
とにより被膜を硬化させ、防錆鋼板を製造した。次に得
られた防錆鋼板に次のような加工部耐食性試験Cと実施
例2でのプレス加工性試験Aを実施した。表7に防錆鋼
板の被膜組成と被膜厚みを、表8に性能試験結果を示
す。
【0037】(1)加工部耐食性試験C 平底円筒絞り加工(絞り比2.1、ブランク径φ84m
m)を施して、下記試験液に浸漬して、1週間ごとに試
験液を取り替えながら10週間浸漬し続けた後、外観の
赤錆発生率が0%のものを記号◎で、5%未満のものを
記号○で、5%以上、20%未満のものを記号△で、2
0%以上のものを記号×で評価した。 試験液D ガソリン50%と水(蟻酸3500ppm含有)50%
の混合液 試験液E メタノ−ル85%、ガソリン15%および蟻酸3500
ppmの混合液
【0038】
【表7】 (注1)シリカゾル量、クロム酸塩添加量の算出方法は
実施例2の表2の場合と同じである。 (注2)酸化防止剤量=酸化防止剤量/(水系ウレタン
樹脂不揮発分量+シリカゾル量) (注3)酸化防止剤のAはN,N′−ジイソプロピル−
p−フェニレンジアミン、BはN,N′−ジ−sec−
ブチル−p−フェニレンジアミン、Cは2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−メチルフェノ−ル、Dは2,4−
ジメチル−6−tert−ブチルフェノ−ル、EはA
(50mass%)+C(50mass%)
【0039】
【表8】
【0040】実施例6 実施例3において、処理液にガソリン用酸化防止剤を添
加して、実施例5での加工部耐食性試験Cおよび実施例
3でのプレス加工性試験Bを実施した。表9に防錆鋼板
の被膜組成と被膜厚みを、表10に性能試験結果を示
す。
【0041】
【表9】 (注1)シリカゾル量、クロム酸塩添加量の算出方法は
実施例2の表2の場合と、また、ポリエチレン樹脂粉末
量の算出方法は実施例3の表4の場合と、さらに、酸化
防止剤の算出方法は実施例5の表7の場合と同じであ
る。 (注2)酸化防止剤のA、B、C、DおよびEは実施例
5の表7の場合と同様である。
【0042】
【表10】 (注)比較例のNo.41は絞り比2.3で加工できなか
ったため、加工部耐食性試験を実施しなかった。
【0043】
【発明の効果】以上のように、Al系めっき鋼板に有機
樹脂被膜を形成した防錆鋼板において、有機樹脂被膜を
ウレタン樹脂被膜にし、そのウレタン樹脂被膜にシリカ
ゾルとクロム酸塩を添加すると、プレス加工性に優れ、
また、劣化したガソリンやアルコ−ルを含む燃料に対し
ても優れた耐食性を有する。特に被膜を脂環族系ウレタ
ン樹脂にすると、耐ガソリン性は良好になり、エポキシ
樹脂被膜と同等になる。また、ウレタン樹脂被膜に高分
子固体潤滑剤を添加すると、耐食性向上のためにシリカ
ゾル添加量を多くしても、プレス加工性の低下を防止で
きる。さらに、ガソリン用酸化防止剤を添加すると、水
含有ガソリンに対する耐食性を向上させることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富塚 雄二 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株 式会社 技術研究所 表面処理研究部内 (56)参考文献 特開 昭56−91873(JP,A) 特開 昭54−38242(JP,A) 特開 平7−34917(JP,A) 特開 昭61−83032(JP,A) 特開 平6−306637(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al系めっき鋼板に有機樹脂被膜を形
    成した防錆鋼板において、有機樹脂被膜を、水系ウレタ
    ン樹脂ディスパ−ジョンにシリカゾルとクロム酸塩を添
    加した処理液で、シリカゾルをシリカゾル量/(水系ウ
    レタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)=0.10〜0.
    40、クロム酸塩をクロム酸塩量/(水系ウレタン樹脂
    不揮発分量+シリカゾル量)=0.001〜0.10にし
    たものでAl系めっき鋼板の少なくとも片面に乾燥被膜
    厚で0.5〜2.0μm形成したことを特徴とする燃料タ
    ンク用防錆鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1の処理液にさらにガソリン用
    酸化防止剤を添加して、酸化防止剤を酸化防止剤量/
    (水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)=5×
    10-2〜5×10-5にしたことを特徴とする燃料タンク
    用防錆鋼板。
  3. 【請求項3】 水系ウレタン樹脂が脂環族系であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の燃料タンク用
    防錆鋼板。
  4. 【請求項4】 ガソリン用酸化防止剤がアミン系また
    はフェノ−ル系であることを特徴とする請求項2に記載
    の燃料タンク用防錆鋼板。
  5. 【請求項5】 Al系めっき鋼板に有機樹脂被膜を形
    成した防錆鋼板において、有機樹脂被膜を、水系ウレタ
    ン樹脂ディスパ−ジョンにシリカゾル、クロム酸塩およ
    び高分子固体潤滑剤を添加した処理液で、シリカゾルを
    シリカゾル量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカ
    ゾル量)=0.10〜0.40、クロム酸塩をクロム酸塩
    量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)=
    0.001〜0.10、高分子固体潤滑剤を高分子固体潤
    滑剤量/(水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル
    量)=0.01〜0.10にしたものでAl系めっき鋼板
    の少なくとも片面に乾燥被膜厚で0.5〜2.0μm形成
    したことを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
  6. 【請求項6】 請求項5の処理液にさらにガソリン用
    酸化防止剤を添加して、酸化防止剤を酸化防止剤量/
    (水系ウレタン樹脂不揮発分量+シリカゾル量)=5×
    10-2〜5×10-5にしたことを特徴とする燃料タンク
    用防錆鋼板。
  7. 【請求項7】 水系ウレタン樹脂が脂環族系であるこ
    とを特徴とする請求項5または6に記載の燃料タンク用
    防錆鋼板。
  8. 【請求項8】 ガソリン用酸化防止剤がアミン系また
    はフェノ−ル系であることを特徴とする請求項6に記載
    の燃料タンク用防錆鋼板。
  9. 【請求項9】 Al系めっき鋼板が極低炭素Ti添加
    冷延鋼板にAl系金属をめっきしたものであることを特
    徴とする請求項1、2、5、6のいずれかに記載の燃料
    タンク用防錆鋼板。
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