JP3254075B2 - センサレスブラシレスモータ - Google Patents

センサレスブラシレスモータ

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JP3254075B2
JP3254075B2 JP05812094A JP5812094A JP3254075B2 JP 3254075 B2 JP3254075 B2 JP 3254075B2 JP 05812094 A JP05812094 A JP 05812094A JP 5812094 A JP5812094 A JP 5812094A JP 3254075 B2 JP3254075 B2 JP 3254075B2
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拓也 近田
吉久 登坂
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信濃電気株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石回転子と三相
固定子巻線とを備え、三相固定子巻線の電流の切替えを
三相インバータで制御して、起動時には同期モータ動作
を行い、起動後は永久磁石回転子の回転位置に対応した
誘起電圧を検出して直流モータと等価の電気−機械エネ
ルギー変換を行うセンサレスブラシレスモータに関し、
具体的には、永久磁石回転子と三相固定子巻線と三相イ
ンバータと回転位置検出回路とマイクロコンピュータと
転流制御回路とを備え、起動時はマイクロコンピュータ
が永久磁石回転子の回転位置に関係なくインバータ起動
時駆動基準信号を繰り返し出力することにより同期モー
タ動作を行い、起動後はマイクロコンピュータが回転位
置検出回路から永久磁石回転子の回転位置に対応した信
号を入力してインバータ駆動基準信号を演算して出力す
ることによりセンサレスブラシレス動作を行う,センサ
レスブラシレスモータの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブラシレスモータには、永久磁石
回転子と、三相固定子巻線と、直流電源から給電されて
転流制御信号によりトランジスタ群を所要にオン・オフ
制御して出力線に交流電圧を出力して三相固定子巻線に
給電して転流を制御する三相インバータと、前記三相イ
ンバータの転流を制御する転流制御回路とを備え、永久
磁石回転子の回転に伴って固定子巻線に誘起される電圧
を検出して回転子の回転位置を検出し、該永久磁石回転
子の回転位置に応じて、固定子巻線の電流の切換えを三
相インバータで制御して、三相固定子巻線の誘起電圧の
位相に三相インバータの出力電圧の位相を合わせて直流
モータと等価の電気機械エネルギー変換を行うセンサレ
スブラシレスモータが知られている。このセンサレスブ
ラシレスモータは、感磁素子等の特別なセンサーを必要
とせず、構造がシンプルで、耐環境性、制御性、省線性
に優れ、製作コストが安価で、ファン駆動用や特殊環境
用等広い分野に渡って利用できる。しかし、従来のセン
サレスブラシレスモータは、永久磁石回転子の回転によ
って三相固定子巻線に誘起される電圧を検出する方法と
して、三相固定子巻線の転流(電流を切換えること)を
行う際に三相インバータに発生する転流ノイズの混入を
避けるために、周期的に発生する転流ノイズが削減して
いる期間を狙ってサンプリングする方法が採用されてお
り、この方法では、誘起電圧の検出は、転流から誘起電
圧検出までは転流ノイズが充分に減衰するよう充分な時
間を設ける必要があり、パルス巾変調のような1サイク
ル中に多数回にわたって転流させるインバータの使用は
困難であった。そして、パルス巾変調を行う場合は、充
分大きな時定数を持つ積分器によって転流のノイズを減
衰させる方法もあるが、この方法では誘起電圧検出に関
しても大きな時間遅れを生じ、即応制御が困難になり、
外乱に対して不安定となり、実用できなかった。
【0003】そこで、本願出願人は上記欠点を解消しう
るセンサレスブラシレスモータを開発して先に特許出願
を行った(特開昭62−189993号)。このセンサ
レスブラシレスモータは、永久磁石回転子と三相固定子
巻線と三相インバータと転流制御回路と回転位置検出回
路(誘起電圧検出回路)とマイクロコンピュータとを備
えたものである。回転位置検出回路は、三相固定子巻線
と並列に接続された三相抵抗回路の中性点の電位と三相
固定子巻線の中性点の電位とを差動増幅器に入力して三
相固定子巻線の各固定子巻線の誘起電圧に含まれる基本
波の三倍の高調波にのみ対応した所要の矩形波信号を出
力するようになっており、そして、マイクロコンピュー
タは、位相が回転方向に六十度ずつ順に変化する六種類
の二相励磁信号のパターン列からなるインバータ駆動基
準信号を内部のROMに書き込まれていて、起動時に該
インバータ駆動基準信号をリードして、パターン繰り返
し周期が所定短周期になるまで、該パターン繰り返し周
期を漸次速めていくように転流制御回路へ繰り返し出力
して同期モータ的駆動を行い、起動後は前記回転位置検
出回路から矩形波信号を入力して、該矩形波信号の入力
より一つ前のステップ更新から該信号が入力するまでの
時間と該信号の入力から次のステップ更新があるまでの
時間とが等しくなるように、次のパターン繰り返し周期
を演算して次の周期のインバータ駆動基準信号の出力を
行ってセンサレスブラシレスモータ駆動を行う。もっ
て、特開昭62−189993号のセンサレスブラシレ
スモータは、従前のセンサレスブラシレスモータの欠点
を解消することができて、パルス幅変調方式のインバー
タを使用できる一方、従前において使用していたパワー
トランジスタやリアクトル、コンデンサ等が不要となっ
て小形、安価となり、回転位置検出回路の時間遅れも小
さく抑えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭62−
189993号のセンサレスブラシレスモータによれ
ば、負荷の変動が大きい使用条件では、初期励磁して永
久磁石回転子の位置決めする際に永久磁石回転子に振動
が生じる場合があって、振動が治まる前に同期モータ動
作に移ると、永久磁石回転子の振動の影響により回転磁
界と永久磁石回転子の同期が外れてセンサレスブラシレ
ス動作への切替えができず起動を失敗したり、振動によ
って永久磁石回転子が逆転してしまうことがあり、さら
に、同期モータ動作時においても、上記と同様の不安定
現象が生じる場合があることが判明した。このため、初
期励磁時間は永久磁石回転子の振動が治まるまでの時
間、継続する必要があり、そして永久磁石回転子の振動
は負荷によって変わるので、振動が大きい負荷の場合に
は初期励磁時間を長くしなければならない不具合があっ
た。
【0005】また、従前のセンサレスブラシレスモータ
(特開昭62−189993号のセンサレスブラシレス
モータも含む)は、停止信号を入力した後、永久磁石回
転子が停止する前に再起動しようとすると、初期励磁を
行っても永久磁石回転子の位置決めができないので同期
モータ動作に移っても回転磁界と永久磁石回転子の同期
が外れてしまい、このため同期モータ動作からセンサレ
スブラシレス動作への切替え失敗や永久磁石回転子の逆
転現象などの可能性が高くなる。このため、従来のセン
サレスブラシレスモータでは、停止信号の入力後の所定
時間、具体的には0.5秒間を再起動禁止時間として設
定し、該再起動禁止時間内に運転信号が入力した場合に
は、再起動禁止時間経過後に初期励磁−同期モータ動作
−センサレスブラシレス動作の順にモータを再起動させ
ている。しかしながら、負荷イナーシャが所定値よりも
大きかったり、永久磁石回転子の回転数が所定値よりも
高かったりする使用条件では、再起動禁止時間である
0.5秒間を経過しても永久磁石回転子の回転が停止し
ないために、停止信号を入力した後、直ぐに運転信号が
入力すると、やはり、前述したように、同期モータ動作
からセンサレスブラシレス動作への切替え失敗や永久磁
石回転子の逆転現象などの可能性が存在している。この
ような不具合を解消するには、負荷イナーシャが所定値
よりも大きかったり、永久磁石回転子の回転数が所定値
よりも高かったりする使用条件では、再起動禁止時間を
6秒間と極めて長く設定する必要があった。しかしなが
ら、再起動禁止時間を長く設定すると、実際には永久磁
石回転子の回転が停止していても再起動禁止時間経過し
ないと再起動ができないという不具合も反対に生じてし
まっていた。
【0006】本願発明は、停止信号を入力してすぐに運
転を再開しようとするときは、永久磁石回転子の回転を
完全に停止することなくセンサレスブラシレス動作より
再起動できるとともに、再起動禁止時間を従来よりも大
幅に短縮できて停止信号を入力して少し経って停止ブラ
シレス動作時間を経過してから、運転を再開しようとす
るときも、直ちに運転を再開できるセンサレスブラシレ
スモータを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するための手段として、永久磁石回転子1と、三本
の固定子巻線21,22,23がY結線された三相固定
子巻線2と、直流電源7から給電されて転流制御信号に
よりトランジスタ群U+,V+,W+,U−,V−,W
−を所要にオン・オフ制御して出力線31,32,33
に交流電圧を出力して三相固定子巻線2の転流を制御す
る三相インバータ3と、前記三相インバータ3へ転流制
御信号を出力する転流制御回路4と、前記三相固定子巻
線2の誘起電圧を検出して永久磁石回転子1の回転位置
に応じた回転位置信号e3 を出力する回転位置検出回路
5と、前記回転位置検出回路5と前記転流制御回路4の
間に介設されていて回転位置検出回路5から回転位置信
号e3 を入力するようになっているとともに停止信号で
あるかまたは運転信号である外部信号e8を入力するよ
うになっておりさらに起動するためのインバータ起動時
駆動基準信号とする信号群m 又は運転するためのイン
バータ駆動基準信号とする信号群m を転流制御回路4
へ出力するようになっているマイクロコンピュータ6と
を備え、前記マイクロコンピュータ6は、起動時に二−
三相励磁または二相励磁を行うためのインバータ起動時
駆動基準信号とする信号群m としまた起動後は二相励
磁を行うためのインバータ駆動基準信号とする信号群
が内部のROM61に書き込まれていて、運転信号e
8が入力したらパターン繰り返し周期を所定短周期にな
るまで漸次速めていくように前記信号群 の全部また
は一部を前記転流制御回路4へ繰り返し出力し、起動後
は前記回転位置信号e3 を入力してパターン繰り返し周
期を一周期毎に演算して各周期に合わせて前記信号群
の全部または一部を繰り返し出力するようになってお
り、さらに起動後に停止信号e8 が入力したらインバー
タ駆動基準信号 の出力を停止する一方、回転位置信
号e3 を引き続き入力してパターン繰り返し周期を一周
期毎に所要に演算していき、もしも、停止信号e8 が入
力してから永久磁石回転子1の回転位置検出不能境界点
に回転低下するまでの間に運転信号e8 が入力するとき
は、そのときから運転再開するためのインバータ駆動基
準信号とする信号群m をパターン繰り返し 周期に合わ
せて繰り返し出力するようになっており、もしもまた、
停止信号e8 が入力してから永久磁石回転子1の回転位
置検出不能境界点に回転低下した後に運転信号e8 が入
力するときは、回転位置検出不能境界点から永久磁石回
転子1が回転を停止するまでの時間を再起動禁止時間と
して該再起動禁止時間経過後に起動再開するためのイン
バータ起動時駆動基準信号とする信号群m をパターン
繰り返し周期に合わせて繰り返し出力するようになって
いることを特徴とするセンサレスブラシレスモータを提
供するものである。
【0008】
【作用】マイクロコンピュータ6はインバータ起動時駆
動基準信号として信号群の全部または一部を転流制御回
路4へ繰り返し出力する。転流制御回路4は、インバー
タ起動時駆動基準信号に対応した転流制御信号e6 を三
相インバータ3へ出力する。三相インバータ3は、転流
制御回路4からの転流制御信号e6 を入力し、トランジ
スタ群U+,V+,W+,U−,V−,W−を所要にオ
ン・オフ制御し、出力線31,32,33より二−三相
励磁(または二相励磁)の交流電圧を出力する。三相固
定子巻線2には、初期励磁電流が流れて永久磁石回転子
1が制振され、次いで励磁電流が流れて回転磁界が発生
し、該回転磁界に同期して永久磁石回転子1が起動回転
する。上記の場合、インバータ起動時駆動基準信号は、
1パターン出力する毎に、ステップ角を三十度(六十
度)進ませて永久磁石回転子1を同期モータ駆動するこ
とになる。従って、三相固定子巻線2に二−三相励磁の
誘導電流が電気角一回転当たり12回の転流を生じて回
転磁界が発生する。そうして、マイクロコンピュータ6
がパターン繰り返し周期を漸次速めていくように信号群
の全部または一部を転流制御回路4へ出力し、これ
により永久磁石回転子1を次第に加速していき、永久磁
石回転子1が所定回転数に上昇するようにパターン繰り
返し周期を所定短周期に速めて出力した時点で、同期モ
ータ駆動は終了する。
【0009】起動後は、マイクロコンピュータ6は、回
転位置検出回路5から回転位置信号e3 を入力して、パ
ターン繰り返し周期を演算して該周期に合わせて信号群
の全部または一部をインバータ駆動基準信号として
転流制御回路4へ繰り返し出力する。このため、転流制
御回路4は、信号群m に対応した転流制御信号e6を
三相インバータ3へ出力し、その際、三相インバータ3
は、永久磁石回転子1の電気角一回転当たり六回の転流
を生じる二相励磁の第二の信号群m2 を入力して内部の
トランジスタ群U+,V+,W+,U−,V−,W−を
オン・オフ制御して出力線31,32,33より二相励
磁の交流電圧を出力する。従って、三相固定子巻線2に
は、それまでの二−三相励磁の誘導電流が電気角一回転
当たり12回の転流を生じて回転磁界が発生していたこ
とに替わって、二相励磁の誘導電流が電気角一回転当た
り6回の転流を生じて回転磁界が発生することになり、
三相固定子巻線2の誘導電圧の位相に三相インバータ3
の出力電圧の位相を合わせてセンサレスブラシレスモー
タ駆動を行い、直流モータと等価の電気−機械エネルギ
ー変換が行われ、こうして、該回転磁界に同期して永久
磁石回転子1が回転し、永久磁石回転子1が所定回転速
度に加速されていく。
【0010】そうして、マイクロコンピュータ6は、運
転中に停止信号e8 が入力すると、それ以後はインバー
タ駆動基準信号としてROM61から信号群 の全部
または一部をリードして転流制御回路4へ繰り返し出力
することを停止するが、引き続き回転位置検出回路5か
ら回転位置信号e3 を入力しパターン繰り返し周期を一
周期毎に演算を行うとともに、パターン繰り返し周期に
対応して引き続きROM61から信号群 の全部また
は一部インバータ駆動基準信号としてリードし、転流制
御回路4へは出力しない。従って、三相インバータ3
は、転流制御回路4からインバータ駆動基準信号とこれ
に対応した転流制御信号e6 を入力しなくなるので、出
力線31,32,33より二相励磁の交流電圧を出力し
なくなり、三相固定子巻線2の回転磁界が消磁して永久
磁石回転子1の回転数が低下していく。そうして、マイ
クロコンピュータ6は、停止信号e8 が入力してから永
久磁石回転子1が回転位置検出不能境界点に回転低下す
るまでの時間内に運転信号e8 が入力するときは、その
ときから上記のように停止信号入力後も引き続きインバ
ータ起動時駆動基準信号としてROM61からリードし
てきた信号群 の全部または一部の転流制御回路4へ
の出力を再開し、これにより転流制御回路4が脱調しな
いように転流制御信号e6 を出力するから、直ちに三相
固定子巻線2の誘導電圧の位相に三相インバータ3の出
力電圧の位相を合わせることができ、再びセンサレスブ
ラシレスモータ駆動を行い直流モータと等価の電気−機
械エネルギー変換が行われる。
【0011】さらに、マイクロコンピュータ6は、停止
信号e8 が入力してから永久磁石回転子1が回転位置検
出不能境界点に回転低下するまでの時間が経過し永久磁
石回転子1の回転が停止しないうちに運転信号e8 が入
力するときは、もはや再駆動しても脱調してしまうの
で、永久磁石回転子1が回転位置検出不能境界点に回転
低下してから永久磁石回転子1の回転が停止するまでの
時間を再起動禁止時間として該再起動禁止時間経過後に
インバータ起動時駆動基準信号としてROM61からリ
ードしてきた信号群m の全部または一部の転流制御回
路4への出力を再開して運転を再開する。
【0012】
【実施例】以下、本発明のセンサレスブラシレスモータ
の実施例を図面を参照して説明する。図1ないし図6は
第一実施例を示す。この実施例のセンサレスブラシレス
モータは、図1(a)のブロック回路に示すように、定
常回転において固定子とのギャップ内の磁束分布が基本
波の三倍の次数の高調波を含む形状である永久磁石回転
子(ロータ)1と、三本の固定子巻線21,22,23
がY結線されてなる三相固定子巻線2と、直流電源7か
ら給電されるように接続されているとともに三本の出力
線31,32,33が前記三相固定子巻線2の三本の固
定子巻線21,22,23の非中性点側端子と並列的に
接続されていて転流制御信号(パルス幅変調転流制御信
号)により所要配列のトランジスタ群U+,V+,W
+,U−,V−,W−をオン・オフ制御して直流を交流
に変換し出力線31,32,33より出力して三相固定
子巻線2に給電して転流を制御する三相インバータ3
と、マイクロコンピュータ6から電流リミッタ値制御信
号e7 と回転速度対応信号e 4 と第一の信号群m1 また
は第二の信号群m2 を所要順に入力して所要のパルス幅
変調を行い前記三相インバータ3へ転流制御信号e6
出力するパルス幅変調方式の転流制御回路4と、前記三
相固定子巻線2の誘起電圧の中から基本波の三倍の高調
波を検出して所要の回転位置信号e3 をマイクロコンピ
ュータ6へ永久磁石回転子1の回転位置に応じたデータ
として出力する回転位置検出回路5とを備えてなる。
【0013】回転位置検出回路5は、三本の抵抗線5
1,52,53がY結線されかつ各抵抗線51,52,
53の非中性点側端子が前記三相固定子巻線2の三本の
固定子巻線21,22,23の対応する非中性点側端子
に接続された三相抵抗回路5aを有し、該三相抵抗回路
5aの中性点の電位e3 と前記三相固定子巻線2の中性
点の電位e1 とを差動増幅器5bに入力して三相固定子
巻線2の各固定子巻線の誘起電圧を検出し該誘起電圧に
含まれる基本波の三×n倍の高調波の中から永久磁石回
転子1の所定回転位置に応じた基本波の三倍の高調波に
のみ対応した所要の回転位置信号e3 を出力するように
構成されている。なお、回転位置検出回路5において、
永久磁石回転子1の所定回転位置に応じた基本波の三倍
の高調波を検出でき、基本波の三倍の高調波に応じた所
要の回転位置信号e3 を出力できることは、特開昭62
−189993号の明細書中に第2図の等価回路を示し
て電磁気学理論として詳細に説明し公知となっているの
で、本願では理論的証明を省略する。
【0014】マイクロコンピュータ6は、前記三相イン
バータ3の出力が三相励磁信号と二相励磁信号とが位相
を三十度ずつ順に進んで交番し出力するように対応する
十二種類のパターン列である第一の信号群m1 と、前記
三相インバータ3の出力が二相励磁信号が位相を六十度
ずつ順に進んで出力するように対応する六種類のパター
ン列である第二の信号群m2 と、起動時パターン繰り返
し周期決定プログラムp1 と、起動後パターン繰り返し
周期決定プログラムp2 が内部のROM61に書き込ま
れている。
【0015】そうして、マイクロコンピュータ6は、運
転信号e8 が入力したらROM61からインバータ起動
時駆動基準信号として第一の信号群m1 をリードして電
流リミッタ値を「高レベル」に制御する電流リミッタ値
制御信号e7 を出力して初期励磁することに続いてパタ
ーン繰り返し周期を所定短周期になるまで漸次速めてい
くように転流制御回路4へ繰り返し出力するようになっ
ている。このとき、三相固定子巻線2が二相励磁と三相
励磁を交番しかつ回転磁界のステップ角が30度ずつ進
むように、三相インバータ3が転流を行うので、例えば
トランジスタU+とV−とW−がそれぞれオンで、トラ
ンジスタV+とW+とU−がそれぞれオフであるとき三
相励磁状態では、モータのV端子とW端子が同電位とな
り、この状態で永久磁石回転子1が振動すると、電磁誘
導によって固定子巻線22,23のそれぞれに交流電流
が発生し、図1(b)に示すように、電流の振動成分に
ついては(永久磁石回転子を回転させるための直流成分
は含まない)、両相の位相が互いに反転の関係にあるの
で、閉回路が構成されてこれに流れてジュール熱に変わ
り、振動エネルギーが吸収され、その結果として、永久
磁石回転子1の振動が小さくなる。なお、二相励磁状態
では、閉回路が構成されず、振動エネルギーは吸収され
ない。
【0016】また、マイクロコンピュータ6は、モータ
起動後は、同期モータ動作からセンサレスブラシレス動
作に切り換えるように信号を出力するようになってい
る。マイクロコンピュータ6による同期モータ動作から
センサレスブラシレス動作への切り換えは、マイクロコ
ンピュータ6が回転位置信号e3 を入力しその信号に基
づいて、パターン繰り返し周期を一周期毎に所要に演算
し、各周期に合わせてROM61からインバータ駆動基
準信号を第二の信号群m2 をリードして転流制御回路4
へ繰り返し出力するようになっている。
【0017】そして、マイクロコンピュータ6は、モー
タの起動スイッチのオフにより停止信号e8 を入力して
も、上記のセンサレスブラシレス動作のように、回転位
置信号e3 を入力を続行し、その信号に基づいて、パタ
ーン繰り返し周期を一周期毎に所要に演算し、各周期に
合わせてROM61からインバータ駆動基準信号を第二
の信号群m2 をリードすることを続行し、該インバータ
駆動基準信号m2 を転流制御回路4へ出力することはし
ない。マイクロコンピュータ6は、停止信号e8 を入力
すると、そのときから三相インバータ3の出力電流の電
流リミッタ値を「低レベル」に制御する電流リミッタ値
制御信号e7 を出力する。
【0018】そうして、マイクロコンピュータ6は、停
止信号e8 を入力してから前記回転位置検出回路5が三
相固定子巻線2の誘起電圧を検出に基づいて永久磁石回
転子1の回転位置に応じた回転位置信号e3 を出力する
ことができない限度である永久磁石回転子1の回転位置
検出不能境界点に回転低下するまでの時間内に、運転信
号e8 が入力するときは、そのときからインバータ駆動
基準信号m2 を繰り返し出力するとともに、そのときよ
り所要微小な遅延時間が経過したときから、三相インバ
ータ3の出力電流の電流リミッタ値を「低レベル」から
再び「高レベル」に制御する電流リミッタ値制御信号e
7 を出力するようになっている。これにより、同期モー
タ動作を経ないでセンサレスブラシレス動作に入ること
ができるようになっている。
【0019】さらにまた、マイクロコンピュータ6は、
停止信号e8 を入力してから前記回転位置検出回路5が
三相固定子巻線2の誘起電圧の検出に基づいて永久磁石
回転子1の回転位置に応じた回転位置信号e3 を出力す
ることができない限度である永久磁石回転子1の回転位
置検出不能境界点に回転低下した後に、運転信号e8
入力するときは、もはや安定した回転位置信号e3 が得
られないからインバータ駆動基準信号m2 を永久磁石回
転子1の回転数に同調させるように出力できず脱調して
しまうことになるから、回転位置検出不能境界点に到達
するかどうかウオッチングしていて到達したことを検出
したらその時点で時定数回路を作動し、該回転位置検出
不能境界点からロ−タの回転が停止するまでの時間を再
起動禁止時間として該再起動禁止時間経過後に、前述し
たインバータの出力電流の電流リミッタ値を「高レベ
ル」に制御する電流リミッタ値制御信号を出力して初期
励磁することから、運転を再開するようになっている。
【0020】以上のように、マイクロコンピュータ6
は、停止信号e8 を入力して後も引続き回転位置信号e
3 を入力してパターン繰り返し周期を一周期毎に所要に
演算し、各周期に合わせてROM61からインバータ駆
動基準信号を第二の信号群m2をリードすることを続行
するが、該インバータ駆動基準信号m2 と回転速度対応
信号e4 を転流制御回路4へ出力することはしない。
【0021】図2(a)は、インバータ起動時駆動基準
信号m1 に基づいて作動する三相インバータの六個のト
ランジスタU+,V+,W+,U−,V−,W−のオン
・オフを示すファンクションテーブルであり、「1」は
オン、「0」はオフを示し、20 〜25 は六個のトラン
ジスタU+,V+,W+,U−,V−,W−に対応して
いる。図2(b)は、インバータ起動時駆動基準信号m
1 に基づいて、三相インバータが二−三相励磁駆動する
ときの電流ベクトルの向きを示す。図3(a)は、イン
バータ駆動基準信号としてROM61から第二の信号群
2 をリードして出力したときに作動する三相インバー
タの六個のトランジスタU+,V+,W+,U−,V
−,W−のオン・オフを示すファンクションテーブルで
あり、図3(b)は、インバータ駆動基準信号としてR
OM61から第二の信号群m2 をリードして出力したと
きに、三相インバータが二相励磁駆動するときの電流ベ
クトルの向きを示す。図2(a)のファンクションテー
ブルに示すように、第一の信号群m1 は、パターン0━
1━2━3━4━5━6━7━8━9━10━11の順
にトランジスタU+,V+,W+,U−,V−,W−が
オン・オフするように、三相励磁信号と二相励磁信号と
が位相を三十度ずつ順に進んで交番し出力する十二種類
のパターン列としてROM61に書き込まれているもの
であり、同様に、第二の信号群m2 は、図3(a)のフ
ァンクションテーブルに示すようにパターン0━1━2
━3━4━5の順にトランジスタU+,V+,W+,U
−,V−,W−がオン・オフするように、二相励磁信号
の位相が六十度ずつ順に進んで出力する六種類のパター
ン列としてROM61に書き込まれているものである。
起動時パターン繰り返し周期決定プログラムp1 は、イ
ンバータ起動時駆動基準信号m1 をリードする順序とタ
イミングが決められており、起動後パターン繰り返し周
期決定プログラムp2 がインバータ駆動基準信号m2
リードする順序とタイミングが決められている。プログ
ラムp1 からプログラムp2 への切替えは、プログラム
1 において起動時パターン繰り返し周期をタイマー管
理していて回転位置信号e3 を充分に安定して検出でき
るモータ回転数に達したら、例えば1800r.p.m
になったらプログラム切替え信号をプログラムp2 へ伝
達するようになっている。図2(b)に示すように、二
−三相励磁のときは、パターンが切り替わる度に、電流
ベクトルは電気角で30度進み、回転磁界のステップ角
も30度進み、また図3(b)に示すように、二相励磁
のときは、パターンが切り替わる度に、電流ベクトルは
電気角で60度進み、回転磁界のステップ角も60度進
む。
【0022】マイクロコンピュータ6は、起動時に、起
動時パターン繰り返し周期決定プログラムp1 が作用し
て前記インバータ起動時駆動基準信号としてROM61
から第一の信号群m1 をリードして出力する。この場
合、第一の信号群m1 を構成する十二種類のパターン列
の中、制振を行うための初期励磁として、最初は三相励
磁信号となるようにリードして転流制御回路4へ約0.
1秒間出力し、次いで、パターンの配列順に二相励磁信
号━三相励磁信号━二相励磁信号・・・と交番するよう
にリードして転流制御回路4へ繰り返し出力し、起動時
の最後は、起動後の励磁が二相励磁であるため、二相励
磁信号となるようにリードして転流制御回路4へ出力し
て終了するように構成されている。ROM61には、パ
ターン繰り返し周期を漸次速めていくように上記の第一
の信号群m1 をインバータ起動時駆動基準信号としてリ
ードし繰り返し出力を行うプログラムp1 がライトされ
ている。このプログラムp1 は、基本クロックをタイマ
ー管理してパターン繰り返し周期を演算し、永久磁石回
転子1が高回転に推移して、例えば1800r.p.m
となって、ステップ切替えタイミングと誘起電圧検出信
号との位相差が例えば30度となり、この時のパターン
繰り返し周期(所定短周期)になるまで該パターン繰り
返し周期を漸次速めていくようにプログラムされてい
る。そして、このプログラムp1 は、パターン繰り返し
周期が所定短周期になったことを検知すると、起動後パ
ターン繰り返し周期決定プログラムp2 をリードする。
【0023】マイクロコンピュータ6は、起動後は、起
動後パターン繰り返し周期決定プログラムp2 が作用し
て前記回転位置検出回路5から回転位置信号e3 を入力
して該回転位置信号e3 からパターン繰り返しの一周期
毎に、一つ前のステップ更新から該信号が入力するまで
の時間と該信号の入力から次のステップ更新があるまで
の時間とが等しくなるように、次のパターン繰り返し周
期を演算するとともに、ROM61からインバータ駆動
基準信号として第二の信号群m2 をリードして三相固定
子巻線2の誘起電圧の位相にインバータ3の出力電圧の
位相を合わせてそれまでの同期モータ的駆動からセンサ
レスブラシレスモータ駆動(=直流モータ的駆動)に変
換するための切替え調整として、最初の基準信号の出力
を不連続に所要角度例えば30度進めるように転流制御
回路4へ出力するようにして、インバータ駆動基準信号
2 の出力を前記演算した各周期に合わせて繰り返し出
力するように構成されている。なお、インバータ駆動基
準信号m2 のステップ切替えタイミングを不連続に所要
角度進めるように転流制御回路4へ出力するのは、同期
モータ的駆動から起動後のセンサレスブラシレスモータ
駆動に変換する際に固定子巻線2の誘起電圧の位相にイ
ンバータ3の出力電圧の位相を合わせる必要があるため
であり、起動時の初期に固定子巻線2の誘起電圧の位相
がインバータ3の出力電圧の位相よりも90度進んだ状
態で起動が行われ、例えば1800r.p.mになる
と、負荷の大小により位相差が0度から約45度の範囲
に小さくなり、一般的には30度まで小さくなるので、
最初の基準信号の出力を不連続に所要角度例えば30度
進めることで位相差を解消できる。
【0024】さらに、マイクロコンピュータ6は、起動
後パターン繰り返し周期決定プログラムp2 の作用によ
り起動後は、インバータ駆動基準信号m2 の出力と並行
して、前記回転位置信号e3 に基づいて永久磁石回転子
1の回転速度に対応した回転速度対応信号e4 を前記転
流制御回路4へ出力するようになっている。
【0025】転流制御回路4は、リミッタ回路41とパ
ルス幅変調部(PWM)42と比較器43を備えてい
る。リミッタ回路41は、起動時にマイクロコンピュー
タ6から出力する電流リミッタ値制御信号e7 を内部の
リミッタ回路41に入力し、また起動時及び起動後に三
相インバータ3の電流検出抵抗3aからトランジスタに
流れた電流に比例した電圧信号e9 を入力するとともに
パルス幅変調部(PWM)42からオン・オフ信号を入
力するようになっていて、パルス幅変調部(PWM)4
2から入力するパルス幅変調されたオン・オフ信号を、
電流リミッタ値制御信号e7 が0のときには電流リミッ
タ値が「高レベル」になるように転流制御信号e6 を出
力し、また電流リミッタ値制御信号e7 が1のときには
電流リミッタ値が「低レベル」になるように転流制御信
号e6 を出力し、電圧信号e9 がリミッタ値以上になる
と、三相インバータ3の全てのトランジスタがオフとな
るように転流制御信号e6 を出力制御するようになって
いる。パルス幅変調部(PWM)42は、起動時はマイ
クロコンピュータ6から出力するインバータ起動時駆動
基準信号m1 を入力し、起動後はインバータ駆動基準信
号m2 を入力するようになっている。比較器43は、外
部から速度指令e5 を入力するとともに、起動後にマイ
クロコンピュータ6から出力する回転速度対応信号e4
を入力して回転速度対応信号e4 と速度指令e5 との偏
差を解消するように、パルス幅変調部42におけるパル
ス幅変調の増減方向を決定する符号(プラスとマイナス
のいずれか一方)をパルス幅変調部42に対して出力す
るようになっている。
【0026】図4ないし図6はタイミングチャートを示
す。図1を参照して図4ないし図6の(a)ないし
(l)の各信号を説明する。(a)はマイクロコンピュ
ータ6の基本クロック、(b)はマイクロコンピュータ
6へ入力する運転・停止信号e8、(c)はマイクロコ
ンピュータ6から転流制御回路4のリミッタ回路41へ
出力する電流リミッタ値制御信号e7 、(d)はマイク
ロコンピュータ6から転流制御回路4のパルス幅変調部
(PWM)42へ出力する第一の信号群m1 と第二の信
号群m2 であり、第二の信号群m2 の立ち上がりと立ち
下がりのエッジは、マイクロコンピュータにおいて三相
インバータの出力電圧波形を生成する基となるステップ
切換えタイミング信号となる、(e)は差動増幅器5b
の二つの入力端子に入力する誘起電圧e1 とe2 との偏
差である波形整形前の誘起電圧検出信号、(f)は誘起
電圧中の基本波の三倍の高調波を差動増幅器5bで検出
して波形整形した後の回転位置信号e3 、(g)と
(h)と(i)と(j)は三本の固定子巻線21,2
2,23の何れか一相分に関するものであって、(g)
は三相インバータ3のトランジスタ群がオン・オフして
いない状態でモータが回転するときに一相の固定子巻線
に生起する誘起電圧、(h)と(i)は転流制御信号e
6 の一部(三相インバータ3の一相分のトランジスタU
+とU−,V+とV−,またはW+とW−をオン・オフ
する一対の転流制御信号e6 )、(j)は一相の固定子
巻線に印加されるパルス幅変調されたインバータ出力電
圧、(h)と(i)と(j)において、多数の直線状の
縦の点線は波形がパルス巾変調を受けていることを示
す、(k)はリミッタ回路41の電流リミッタ値、
(q)は永久磁石回転子の回転数を示す。図4は、モー
タを初期励磁してロータの回転と振動を停止し、次いで
第一の信号群m1 を周期が漸次に速くなるように繰り返
し出力しロータの一回転を十二等分する二相励磁と三相
励磁とを交番して行い同期モータ的動作を行ってロータ
の回転数を上昇させていき、続いて所要回転数に達した
ら回転位置信号e3 のタイミングに基づいて第二の信号
群m2 の周期を演算して出力しロータの一回転を六等分
する二相励磁を行いセンサレスブラシレス動作を行う動
作過程における各信号の相関関係を示す。図5は、セン
サレスブラシレス動作で運転中に停止信号を入力した
後、回転位置検出不能境界点に回転低下する前に運転信
号が入力した場合に初期励磁及び同期モータ動作を省略
してセンサレスブラシレス動作に再び移行する動作過程
における各信号の相関関係を示す。図6は、センサレス
ブラシレス動作で運転中に停止信号を入力した後、回転
位置検出不能境界点に回転低下する後に運転信号が入力
した場合に再起動禁止時間経過時より初期励磁し同期モ
ータ動作を行いセンサレスブラシレス動作に移行する動
作過程における各信号の相関関係を示す。固定子巻線の
誘起電圧の位相は、三相インバータの出力電圧の位相に
対して、極低速回転時である同期モータ動作の初期には
約90°進んでおり、回転速度が大きくなる同期モータ
動作の終期には約30°進んだ状態となり、パターン切
換えてセンサレスブラシレス動作にすると0°となる。
【0027】図5及び図6のタイムチャートは、停止ブ
ラシレス動作は、図1のマイクロコンピュータ6に停止
信号e8 が入力後、該マイクロコンピュータ6は三相イ
ンバータ3を停止させるが、センサレスブラシレス動作
で行っているモータ誘起電圧の基本波の三倍高調波から
のロータ位置及び速度検出は継続することを示してお
り、ロータ位置及び速度検出が不確実となる回転位置検
出不能境界点に回転低下した時点でブラシレス停止動作
は終了する。三倍高調波は、永久磁石回転子1の回転速
度が遅いほど小さくなるので、停止ブラシレス動作終了
時の回転速度、すなわち、回転位置検出不能境界点は、
三倍高調波が確実に検出できる最低速度に設定する。実
験によれば、回転位置検出不能境界点は定格回転数の四
十分の一に設定しても三倍高調波が確実に検出でき、マ
イクロコンピュータ6が正常に作動することが確認でき
た。マイクロコンピュータ6は、回転位置信号e3 をウ
オッチングしていて回転位置検出不能境界点に到達した
ら、内部の時定数回路を作動して一定時間、再起動禁止
とする。この時間が再起動禁止時間である。電流リミッ
タ値制御信号e7 は、マイクロコンピュータ6の所定の
出力ポートより転流制御回路4のリミッタ回路41へ出
力される信号であり、図5及び図6のタイムチャート
は、電流リミッタ値制御信号e7 が、停止ブラシレス動
作中は1であり、並びに停止ブラシレス動作中に運転信
号が入力してブラシレスセンサレス動作に入ってから僅
少な所定時間も引続き1であり(これは遅延させること
により再起動が安定して得られるためである)、その他
の動作時は0であることを示している。図5のタイムチ
ャートは、停止ブラシレス動作中に運転信号e8 が入力
すると、マイクロコンピュータ6が回転位置信号e3
対応したインバータ駆動基準信号m2 を出力することを
示している。電流リミッタ値は、転流制御回路4のリミ
ッタ回路41のもので、電流リミッタ値制御信号e7
より低レベルと高レベルに切り換え設定されるようにな
っており、電流リミッタ値制御信号e7 が0のときには
電流リミッタ値は低レベル、電流リミッタ値制御信号e
7 が1のときには電流リミッタ値は高レベルに設定され
る。図6のタイムチャートにおいて、再起動禁止時間
は、0.5秒間である。
【0028】次に、上述した構成された本発明の第一実
施例のセンサレスブラシレスモータの作用を説明する。
マイクロコンピュータ6に運転信号e8 が入力すると、
該マイクロコンピュータ6が、電流リミッタ値制御信号
7 を転流制御回路4のリミッタ回路41へ出力して該
リミッタ回路41の電流リミッタ値を「高レベル」に設
定するとともに、ROM61に格納された第一の信号群
1 をリードして転流制御回路4へ繰り返し出力する。
マイクロコンピュータ6は、内部クロックに基づいてイ
ンバータ起動時駆動基準信号m1 のパターン繰り返し周
期をタイマー管理して漸次速めていくように演算する。
マイクロコンピュータ6は、制振を行うための初期励磁
として、最初は三相励磁信号となるようにリードして転
流制御回路4へ出力し、次いで、パターンの配列順に二
相励磁信号━三相励磁信号━二相励磁信号・・・と交番
するようにリードして転流制御回路4へ繰り返し出力
し、起動時の最後は、起動後の励磁が二相励磁であるた
め、二相励磁信号となるようにリードして転流制御回路
4へ出力する。転流制御回路4は、インバータ起動時駆
動基準信号m1 をパルス幅変調部(PWM)42へ入力
しパルス幅変調したオン・オフ信号をリミッタ回路41
に入力して電流リミッタ値をリミット一杯の「高レベ
ル」にした転流制御信号e6 を出力するようになってい
る。このため、直流電源7から直流を給電される三相イ
ンバータ3は、起動時にあっては永久磁石回転子1の回
転位置に係わらず、永久磁石回転子1の電気角一回転あ
たり十二回の転流を生じるように、パターン繰り返し周
期を管理されかつパルス幅変調された位相を三十度ずつ
順に変化するように交番する三相励磁信号と二相励磁信
号を入力して内部のトランジスタ群U+,V+,W+,
U−,V−,W−をオン・オフ制御して出力線31,3
2,33より二−三相励磁の交流電圧を出力する。従っ
て、三相固定子巻線2に励磁電流が流れて、固定子巻線
21,22,23の各誘起電圧がそれぞれ対応する三相
インバータ3の出力線31,32,33の各出力電圧に
対して約90°位相が進んだ状態に回転磁界が発生し、
該回転磁界に同期して永久磁石回転子1が回転する。こ
の場合、インバータ起動時駆動基準信号m1 は、三相励
磁信号と二相励磁信号とが位相を三十度ずつ順に変化す
るように交番する十二種類のパターン列であるから、前
記回転磁界は永久磁石回転子1が電気角十二分の一回転
する毎に、ステップ角を三十度進ませて永久磁石回転子
1を同期モータ駆動することになる。そうして、もし
も、モータ起動時に永久磁石回転子1に振動が発生する
ときは、図1(b)に示すように、三相固定子巻線2の
固定子巻線に振動電流が発生し、該誘導電流が、三相固
定子巻線2が三相励磁されるときに、互いに反転の関係
となって閉回路に流れジュール熱となって消費し、振動
エネルギーが吸収され、その結果として、三相固定子巻
線2が三相励磁されるときには永久磁石回転子1の振動
を大きく抑制することができ、同期モータ動作時間を短
縮でき、永久磁石回転子1の逆転現象が起こりづらくな
り、負荷が変動したり負荷イナーシャが大きい場合でも
永久磁石回転子1の回転が完全に停止した状態から安定
した起動特性が得られる。そうして、マイクロコンピュ
ータ6がインバータ起動時駆動基準信号m1 をパターン
繰り返し周期を漸次速めていくように該インバータ起動
時駆動基準信号m1 を転流制御回路4へ出力し、これに
より永久磁石回転子1を次第に加速していき、永久磁石
回転子1が所定回転数に上昇するようにパターン繰り返
し周期を所定短周期(例えば、永久磁石回転子1の回転
数に換算して1800r.p.m)に速めて転流制御回
路4へ出力した時点で、以上の同期モータ駆動は終了
し、以後、永久磁石回転子1に発生する振動は極めて小
さくなる。なお、永久磁石回転子1の加速に連動して三
相固定子巻線2の誘起電圧のインバータ3の出力電圧に
対する進み具合が初期の90度から終期の30度に次第
に減小していくとともに、三相固定子巻線2の誘起電圧
の三倍の高調波と回転位置検出回路5の回転位置信号e
3 との位相差も同様に減小していく。
【0029】マイクロコンピュータ6は、起動時にウオ
ッチングしていたパターン繰り返し周期が所定短周期に
なると、ROM61からリードする信号モードをインバ
ータ起動時駆動基準信号m1 からインバータ駆動基準信
号m2 に切替えてリードして転流制御回路4のパルス幅
変調部(PWM)42へ出力するとともに、回転位置検
出回路5から回転位置信号e3 を入力して、パターン繰
り返し周期を一周期毎に演算して回転速度対応信号e4
を転流制御回路4の比較器43へ繰り返し出力する。そ
して、マイクロコンピュータ6は、必要な場合にはステ
ップ切替えタイミングを不連続に所要角度進めるように
インバータ駆動基準信号m2 をステップ更新して転流制
御回路4へ出力して三相固定子巻線2の固定子巻線2
1,22,23の誘導電圧の位相にインバータ3の出力
電圧の位相を進ませて合わせる。従って、転流制御回路
4は、比較器43からパルス幅変調の増減方向を決定す
る符号をパルス幅変調部(PWM)42へ入力して、該
符号に基づいて該パルス幅変調部(PWM)42に入力
するインバータ駆動基準信号m2 をパルス幅変調を行
い、リミッタ回路41に入力して電流リミッタ値をリミ
ット一杯の「高レベル」にした転流制御信号e6 を出力
し、もしも、電圧信号e9 がリミッタ値以上になったと
きは、三相インバータ3の全てのトランジスタがオフと
なるように転流制御信号e6 を出力する。このため、三
相インバータ3は、永久磁石回転子1の電気角一回転当
たり六回の転流を生じる二相励磁の転流制御信号e6
入力して内部のトランジスタ群U+,V+,W+,U
−,V−,W−をオン・オフ制御して出力線31,3
2,33より二相励磁の交流電圧を出力するから、三相
固定子巻線2に二相励磁の誘導電流が電気角一回転当た
り六回の転流を生じ、かつ、固定子巻線21,22,2
3の各誘起電圧がそれぞれ対応する三相インバータ3の
出力線31,32,33の各出力電圧に対して位相が等
しい状態に回転磁界が発生し、該回転磁界に同期して永
久磁石回転子1が回転してセンサレスブラシレスモータ
駆動を行い、直流モータと等価の電気−機械エネルギー
変換が行われる。そうして、転流制御回路4が回転速度
対応信号e4 と外部から入力される速度指令e5 とを比
較し比較結果の符号に基づいてパルス幅変調の増減方向
を決定し、回転速度対応信号e4 と速度指令e5 との偏
差を漸減するように転流制御信号e6を出力するから、
これに従って永久磁石回転子1が回転磁界に同期して定
常回転数となるように加速回転されていく。
【0030】そうして、マイクロコンピュータ6は、運
転中に停止信号e8 が入力すると、それ以後はROM6
1からインバータ駆動基準信号m2 をリードして転流制
御回路4へ繰り返し出力することを停止するが、引き続
き、回転位置検出回路5から回転位置信号e3 を入力し
パターン繰り返し周期を一周期毎に演算を行う。従っ
て、三相インバータ3は、転流制御回路4からインバー
タ駆動基準信号m2 に対応した転流制御信号e6 を入力
しなくなるので、出力線31,32,33より二相励磁
の交流電圧を出力しなくなり、三相固定子巻線2の回転
磁界が消磁して永久磁石回転子1の回転数が低下してい
く。そうして、マイクロコンピュータ6は、停止信号e
8 が入力してから永久磁石回転子1が回転位置検出不能
境界点まで回転低下するまでの時間内に運転信号e8
入力するときは、そのときから上記のように停止信号入
力後も引き続き演算してきたパターン繰り返し周期に対
応するように、ROM61からインバータ駆動基準信号
2 をリードして転流制御回路4へ繰り返し出力し、こ
れにより転流制御回路4が脱調しないように転流制御信
号e6 を出力するから、直ちに三相固定子巻線2の誘導
電圧の位相に三相インバータ3の出力電圧の位相を合わ
せることができ、再びセンサレスブラシレスモータ駆動
を行い直流モータと等価の電気−機械エネルギー変換が
行われる。
【0031】さらに、マイクロコンピュータ6は、停止
信号e8 が入力してから永久磁石回転子1が回転位置検
出不能境界点まで回転低下するまでの時間経過後、永久
磁石回転子1の回転が停止しないうちに運転信号e8
入力するときは、もはや再駆動しても脱調してしまうの
で、永久磁石回転子1が回転位置検出不能境界点まで回
転低下してから永久磁石回転子1の回転が停止するまで
の時間を含む僅かに長い時間を再起動禁止時間として該
再起動禁止時間経過後に、初期励磁することから、運転
を再開する。運転再開時の初期励磁も、前述したように
三相固定子巻線2の固定子巻線に振動電流が発生し、該
誘導電流が、三相固定子巻線2が三相励磁されるとき
に、互いに反転の関係となって閉回路に流れジュール熱
となって消費し、振動エネルギーが吸収され、永久磁石
回転子1の振動を大きく抑制することができ、永久磁石
回転子1の回転が完全に停止した状態から安定した起動
特性が得られる。
【0032】図7ないし図10は本発明の第二実施例を
示す。この実施例のセンサレスブラシレスモータは、マ
イクロコンピュータ6の構成が第一実施例と相違してい
る。従って、この実施例のセンサレスブラシレスモータ
の説明は、第一実施例と相違する部分についてのみ説明
する。図7に示すように、マイクロコンピュータ6は、
ROM61に図8(a)に示す第二の信号群m2 が書き
込まれていて、起動時は、起動時パターン繰り返し周期
決定プログラムp1 によって、該第二の信号群m2 がイ
ンバータ起動時駆動基準信号として転流制御回路4へ出
力されるようになっているとともに、起動後は、起動後
パターン繰り返し周期決定プログラムp 2 によって、該
第二の信号群m2 がインバータ駆動基準信号として転流
制御回路4へ出力されるようになっている。図8(b)
に示すように、該第二の信号群m2 は、三相インバータ
3の出力が二相励磁信号が位相を六十度ずつ順に進んで
出力するように対応する六種類のパターン列である。マ
イクロコンピュータ6は、運転信号e8 が入力したら第
二の信号群m2 をインバータ起動時駆動基準信号として
ROM61よりリードして初期励磁してからパターン繰
り返し周期を所定短周期になるまで漸次速めていくよう
に転流制御回路4へ繰り返し出力して同期モータ動作を
行わせるようになっているとともに、起動後、センサレ
スブラシレス動作に切り換える際に、回転位置信号e3
を入力してパターン繰り返し周期を一周期毎に所要に演
算して各周期に合わせて第二の信号群m2 をインバータ
駆動基準信号としてROM61よりリードして繰り返し
出力し、停止信号e8 が入力したらインバータ駆動基準
信号m2 の出力を停止する一方、回転位置信号e3 を引
き続き入力してパターン繰り返し周期を一周期毎に所要
に演算していき、もしも、停止信号e8 が入力してから
永久磁石回転子1の回転位置検出不能境界点に回転低下
するまでの間に運転信号e8 が入力するときは、そのと
きから第二の信号群m2 をインバータ駆動基準信号とし
てパターン繰り返し周期に合わせてROM61よりリー
ドして繰り返し出力して運転を再開するようになってお
り、もしもまた、停止信号e8 が入力してから永久磁石
回転子1の回転位置検出不能境界点に回転低下した後に
運転信号e8 が入力するときは、回転位置検出不能境界
点から永久磁石回転子1が回転を停止するまでの時間を
再起動禁止時間として該再起動禁止時間経過後に初期励
磁することから、運転を再開するようになっている。こ
のように第二実施例では、第二の信号群m2 をインバー
タ起動時駆動基準信号としているので、第一実施例とは
異なり、振動電流が発生しないので初期励磁して制振さ
せる時間を長くする。永久磁石回転子の制振を行うため
の初期励磁を達成するのに要する時間は、実験結果によ
れば、第一実施例では0.1秒かかり、第二実施例では
0.3秒かかった。そして、初期励磁を含めて同期モー
タ動作が終了するまでの時間は、第一実施例では0.3
秒かかり、第二実施例では2.5秒かかった。
【0033】本発明は、上記二つの実施例に限定される
ものではない。例えば、第一実施例では、マイクロコン
ピュータ6は、起動時から起動後の切替えに際して三相
固定子巻線2の誘導電圧の位相にインバータ3の出力電
圧の位相を進ませて合わせるため、ステップ切替えタイ
ミングを不連続に所要角度進めるように、インバータ駆
動基準信号m2 をステップ更新して転流制御回路4へ出
力するようになっているが、これは必要的ではない。そ
の理由は、起動の初期は、確かに、固定子巻線21,2
2,23の各誘起電圧がそれぞれ対応する三相インバー
タ3の出力線31,32,33の各出力電圧に対して約
90°位相が進んだ状態に回転磁界が発生するが、回転
数が高まると位相ずれが0°に近づくことが多くそうし
た場合には位相合わせの必要はなく、位相合わせが必要
なときは、回転数が高まっても位相ずれが20°〜30
°位残るような使用条件のときにのみ実施すれば足り
る。また本発明は、特許請求の範囲の記載に、「信号群
が内部のROMに書き込まれていて、運転信号が入力し
たら・・・前記信号群の全部または一部を前記転流制御
回路へ繰り返し出力し、起動後は・・・前記信号群の全
部または一部を繰り返し出力するようになっており、」
とあるが、第一実施例において「信号群の全部」とは第
一の信号群m1 と第二の信号群m2 のことであり、従っ
て、第一実施例では「運転信号が入力したら・・・前記
信号群の全部を前記転流制御回路へ繰り返し出力し、起
動後は・・・前記信号群の一部を繰り返し出力するよう
になっており、」と解釈すべきものであり、また第二実
施例において第二の信号群m2 が「信号群の全部」に該
当し、従って、第二実施例では「運転信号が入力したら
・・・前記信号群の全部を前記転流制御回路へ繰り返し
出力し、起動後は・・・前記信号群の全部を繰り返し出
力するようになっており、」と解釈すべきものである。
その他、本発明は、マイクロコンピュータ6のROM6
1に図2で示した第一の信号群m1 のみを格納しておい
て、図3で示した第二の信号群m2 については第一の信
号群m1 の中から一つ置きに選択してリードし出力する
ようにしてもよい。この場合には、第一の信号群m1
「信号群の全部」に該当し、従って、「運転信号が入力
したら・・・前記信号群の全部を前記転流制御回路へ繰
り返し出力し、起動後は・・・前記信号群の一部を繰り
返し出力するようになっており、」と解釈すべきもので
ある。さらに本発明は、マイクロコンピュータ6のRO
M61に書き込まれたプログラムは、第一実施例では、
起動時のプログラムp1と起動後のプログラムp2 とに
別れているように示しているが、これは作動を分かりや
すくするために示したに過ぎない。また本発明は、三相
インバータ3として、パルス幅変調方式のものでなく、
振幅変調方式のものを採用し、これに伴い、転流制御回
路4のリミッタ回路41とパルス幅変調部(PWM)4
2に変えて、電流制限回路と振幅変調部(PAM)とを
採用しても良い。また、回転位置検出回路5は、誘起電
圧を検出する構造のものではなく、永久磁石回転子1の
回転位置信号が検出できれば良く、特開昭59−127
591号の電動機の制御装置や特公昭58−25038
号の無整流子電動機の回転子位置検出回路に示される回
転位置の検出方法を採用した構造のものでも良い。
【0034】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のセン
サレスブラシレスモータによれば、初期励磁してからイ
ンバータ起動時駆動基準信号を転流制御回路へ出力して
起動し、起動後は、回転位置信号を入力してパターン繰
り返し周期に合わせてインバータ駆動基準信号を出力
し、停止信号を入力しても回転位置信号を入力してパタ
ーン繰り返し周期を演算し、永久磁石回転子の回転位置
検出不能境界点に回転低下するまでの間に運転信号が入
力するときは、そのときからインバータ駆動基準信号を
パターン繰り返し周期に合わせて出力し運転を再開する
ようになっており、また、回転位置検出不能境界点に回
転低下した後に運転信号が入力するときは、再起動禁止
時間経過後に初期励磁することから運転を再開するよう
に構成されているので、停止信号を入力してすぐに(停
止ブラシレス動作中に)運転を再開しようとするとき
は、再起動禁止時間と初期励磁と同期モータ動作を省略
して永久磁石回転子の回転を完全に停止することなくセ
ンサレスブラシレス動作よりいきなり再起動できる。ま
た本発明は、従来の再起動禁止時間に対して本発明では
停止ブラシレス動作と再起動禁止時間とに分けて、再起
動禁止時間を従来の約6秒間から0.5秒間に短縮でき
るので、停止信号を入力して少し経って停止ブラシレス
動作時間を経過してから、運転を再開しようとするとき
も、最長でも0.5秒間経過した後に運転を再開でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第一実施例のセンサレスブラ
シレスモータのブロック回路、(b)は起動時の三相励
磁のときに振動成分電圧の閉回路が生ずることを説明す
る図。
【図2】本発明の第一実施例にかかり、(a)は、三相
インバータの六個のトランジスタ群が第一の信号群に基
づいて作動するオン・オフのパターン列を示すファンク
ションテーブルであり、(b)は、第一の信号群に基づ
いて、三相インバータが二−三相励磁駆動するときの電
流ベクトルの向きを示す図。
【図3】本発明の第一実施例にかかり、(a)は、三相
インバータの六個のトランジスタ群が第二の信号群に基
づいて作動するオン・オフのパターン列を示すファンク
ションテーブルであり、(b)は、第二の信号群に基づ
いて、三相インバータが二相励磁駆動するときの電流ベ
クトルの向きを示す図。
【図4】本発明の第一実施例のセンサレスブラシレスモ
ータのブロック回路の初期励磁━同期モータ動作━セン
サレスブラシレス動作を示すタイミングチャート。
【図5】本発明の第一実施例のセンサレスブラシレスモ
ータのブロック回路のセンサレスブラシレス動作━停止
信号入力━センサレスブラシレス動作を示すタイミング
チャート。
【図6】本発明の第一実施例のセンサレスブラシレスモ
ータのブロック回路のセンサレスブラシレス動作━停止
━初期励磁━同期モータ動作━センサレスブラシレス動
作を示すタイミングチャート。
【図7】本発明の第二実施例のセンサレスブラシレスモ
ータのブロック回路、
【図8】本発明の第二実施例にかかり、(a)は、三相
インバータの六個のトランジスタ群が第二の信号群に基
づいて作動するオン・オフのパターン列を示すファンク
ションテーブルであり、(b)は、第二の信号群に基づ
いて、三相インバータが二相励磁駆動するときの電流ベ
クトルの向きを示す図。
【図9】本発明の第二実施例のセンサレスブラシレスモ
ータのブロック回路のセンサレスブラシレス動作━停止
信号入力━センサレスブラシレス動作を示すタイミング
チャート。
【図10】本発明の第二実施例のセンサレスブラシレス
モータのブロック回路のセンサレスブラシレス動作━停
止━初期励磁━同期モータ動作━センサレスブラシレス
動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1 ・・・永久磁石回転子、 2 ・・・三相固定子巻線、 3 ・・・三相インバータ、 31 ・・・電圧出力線、 32 ・・・電圧出力線、 33 ・・・電圧出力線、 4 ・・・転流制御回路、 41 ・・・リミッタ回路、 5 ・・・回転位置検出回路、 5a ・・・三相抵抗回路、 5b ・・・差動増幅器、 6 ・・・マイクロコンピュータ、 61 ・・・ROM、 m1 ,m2 ・・・信号群、 7 ・・・直流電源、 e3 ・・・回転位置信号、 e6 ・・・転流制御信号、 e8 ・・・運転・停止信号、
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−227787(JP,A) 特開 平2−241394(JP,A) 特開 平4−165988(JP,A) 特開 昭62−189993(JP,A) 特開 平4−183293(JP,A) 特開 平4−340391(JP,A) 特開 平4−42796(JP,A) 国際公開92/7412(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】永久磁石回転子と、三本の固定子巻線がY
    結線された三相固定子巻線と、直流電源から給電されて
    転流制御信号によりトランジスタ群U+,V+,W+,
    U−,V−,W−を所要にオン・オフ制御して出力線に
    交流電圧を出力して三相固定子巻線の転流を制御する三
    相インバータと、前記三相インバータへ転流制御信号を
    出力する転流制御回路と、前記三相固定子巻線の誘起電
    圧を検出して永久磁石回転子の回転位置に応じた回転位
    置信号を出力する回転位置検出回路と、前記回転位置検
    出回路と前記転流制御回路の間に介設されていて回転位
    置検出回路から回転位置信号を入力するようになってい
    るとともに停止信号であるかまたは運転信号である外部
    信号を入力するようになっておりさらに起動するための
    インバータ起動時駆動基準信号とする信号群又は運転す
    るためのインバータ駆動基準信号とする信号群を転流制
    御回路へ出力するようになっているマイクロコンピュー
    タとを備え、 前記マイクロコンピュータは、 起動時に二−三相励磁または二相励磁を行うためのイン
    バータ起動時駆動基準信号とする信号群としまた起動後
    は二相励磁を行うためのインバータ駆動基準信号とする
    信号群が内部のROMに書き込まれていて、運転信号が
    入力したらパターン繰り返し周期を所定短周期になるま
    で漸次速めていくように前記信号群の全部または一部を
    前記転流制御回路へ繰り返し出力し、起動後は前記回転
    位置信号を入力してパターン繰り返し周期を一周期毎に
    演算して各周期に合わせて前記信号群 の全部または
    一部を繰り返し出力するようになっており、さらに起動
    後に停止信号が入力したらインバータ駆動基準信号の出
    力を停止する一方、回転位置信号を引き続き入力してパ
    ターン繰り返し周期を一周期毎に所要に演算していき、 もしも、停止信号が入力してから永久磁石回転子1の回
    転位置検出不能境界点に回転低下するまでの間に運転信
    号が入力するときは、そのときから運転再開するための
    インバータ駆動基準信号とする信号郡をパターン繰り返
    し周期に合わせて繰り返し出力するようになっており、 もしもまた、停止信号が入力してから永久磁石回転子の
    回転位置検出不能境界点に回転低下した後に運転信号が
    入力するときは、回転位置検出不能境界点から永久磁石
    回転子が回転を停止するまでの時間を再起動禁止時間と
    して該再起動禁止時間経過後に起動再開するためのイン
    バータ起動時駆動基準信号とする信号群をパターン繰り
    返し周期に合わせて繰り返し出力するようになっている
    ことを特徴とするセンサレスブラシレスモータ。
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