JP3253832B2 - トンネル状空間を設けた盛土の築造方法 - Google Patents

トンネル状空間を設けた盛土の築造方法

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  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は既設の道路や水路等
のトンネル状空間を内部に設ける盛土の築造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】高速道路の建設は、多数の建物が存在す
る平野部等においては交通公害や用地の確保の困難性等
の問題が発生するので、近年、山岳地を利用してその山
部にトンネルを掘削し、この掘削土を用いて谷部を盛土
することにより該盛土上に道路を建設することが増加し
ている。この山岳地における谷部の盛土施工において、
その谷底部には道路の建設方向に交差する既設の道路が
存在している場合があり、この既設道路上の交通を遮断
することなく盛土を施工するには、盛土を施工する既設
道路部分以外の道路間を連通させる切り回り道路を建設
する必要がある。
【0003】この切り回り道路は、盛土施工後に該盛土
によって埋設されていた既設道路部分上の盛土部分を掘
削することにより遮断されていた既設道路間を連通させ
るトンネル状空間を形成したのちは不必要となるにも拘
わらず、その建設に多くの労力と費用を要し、また、山
岳部では道路の建設場所が著しく限定されて場合によっ
ては切り回し道路の建設のための用地の確保が困難とな
り、既設の道路の交通を阻害することもある。
【0004】このため、切り回し道路を設けることなく
既設道路上のトンネル状空間を生かした状態で盛土を築
造することが行われるようになり、例えば、特開平6ー
57770号公報に記載されているように、既設道路を
挟んで円弧状に彎曲した大版の長方形コンクリート製ブ
ロック材を左右に配設し、これらのブロック材の対向上
端面を接合、連結することによってアーチ状の壁体を形
成し、このアーチ状壁体で囲まれた内部空間で既設道路
上に車両等が通過可能なトンネル状空間を形成したの
ち、該アーチ状壁体の外側に盛土を施工してこの盛土に
よりトンネル状空間を被覆する方法が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によれば、左右のブロック材によって車両等が
通過可能なトンネル状空間を形成するものであるから、
ブロック材としてはアーチ状壁体を2分割した極めて大
版サイズの形状に形成しておく必要があり、従って、重
量においても増大して搬送時や施工時における取扱いに
困難をきたし、その上、施工時においては大型の揚重機
を使用しなければならない。一方、山岳地においては地
形の制約上、山部を掘削したトンネルから索道(ケーブ
ルクレーン)を用いて資材を運搬、搬入しなければなら
ず、上記のように大型の揚重機の使用が不可欠な方法で
は実際上、施工が困難となる。
【0006】このような対策として上記ブロック材を小
版サイズのブロック材に複数分割すればよいが、そうす
ると、既設道路の両側から上方に順次組み上げなければ
ならないために、既設道路上にそのブロック材の支保工
を設置する必要が生じ、交通が制限されたり、この支保
工をなくそうとすれば、ブロック材同士の継手構造を強
固なものにしなければならず、また、その継手作業にも
手間がかかり、結果的に材料費等が高くつくばかりでな
く工期が長期化するという問題点があった。本発明はこ
のような問題点を全面的に解消し得る内部にトンネル状
空間を設けた盛土の築造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のトンネル状空間
を設けた盛土の築造方法は、形成すべきトンネル状空間
の両側にフーチング部と縦壁部とからなる所定高さの擁
壁を構築する工程と、この擁壁の築造後、該擁壁の外側
面から外側方の空間部に擁壁の上端部に達する盛土を築
造する工程と、この盛土上を足場として上記両側擁壁の
上端に複数に分割された既製のパネル壁部材を順次連結
しながら組み立てゝパネル壁部材同士を連結、閉合する
ことにより両側擁壁とパネル壁部材とで囲まれた空間を
形成する工程と、前記盛土上にさらに上記組立てたパネ
ル壁部材を越える高さまで盛土を施す工程とからなる。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、既設道路の路肩部に沿って
フーチング部を構築したのち、このフーチング部上に型
枠を組み立てて該型枠内にコンクリートを打設すること
により上端に向かうに従って互いに接近する方向に彎曲
してなる縦壁部を築造する。このフーチング部と縦壁部
とで既設道路を挟んだ擁壁が形成される。なお、フーチ
ング部には予め、アンカー部材と鉄筋が埋設されてあ
り、このアンカー部材を縦壁部の下端部に一体に連結す
ると共にフーチング部から上方に延出した鉄筋を縦壁部
内に埋設することによってフーチング部と縦壁部とが強
固に一体化した擁壁を築造する。この擁壁の築造後、該
擁壁の外面側の空間部に擁壁の高さまで盛土を打設す
る。
【0009】次いで、上記盛土上を足場に利用してこれ
らの両側擁壁の上端間に複数枚の円弧状に彎曲した矩形
状パネル壁部材を組み立てゝアーチ状の壁体を構築す
る。パネル壁部材は該アーチ状壁体を周方向並びに長さ
方向に複数分割した大きさを有し、両端面数カ所にボル
トによる継手部を有する円弧状に彎曲した面板部を有し
てその外面に円弧方向に複数条の突条部を一体に設けて
いると共に突条部内に全長に亘って鋼棒を埋設し、この
鋼棒の両端を突条部から突出させてカップラーにより連
結可能に形成している。
【0010】このように形成したパネル壁部材によって
アーチ状壁体を構築するには、上記両側擁壁の上端にそ
れぞれパネル壁部材の下端面を接合してボルト及びカッ
プラーにより連結したのち、このパネル壁部材の上端面
に次のパネル壁部材の対向端面を接合してボルト及びカ
ップラーにより連結し、さらに必要に応じて順次パネル
壁部材を連結して両側擁壁上のパネル壁部材列の対向面
を接近させ、最上部の両側パネル壁部材の対向面間を頂
部パネル壁部材によって連結、閉合することにより行う
ものである。なお、このパネル壁部材の連結作業は盛土
上を移動可能な揚重機で吊り下げながら行う。
【0011】両側擁壁の上端間に上記アーチ状壁体が構
築されると、既設道路上にこれらの擁壁とアーチ状壁体
とで囲まれたトンネル状空間が形成される。次いで、ア
ーチ状壁体の外面に鉄筋を組み立てたのち、コンクリー
トを打設する。このコンクリートの厚みはアーチ状壁体
を形成したパネル壁部材の外面に突設している突条部が
埋設される厚さであり、該コンクリート層とアーチ状壁
体とでトンネル状空間の覆工体を形成すると共にトンネ
ル状空間内への水の浸透を防止する。
【0012】なお、アーチ状壁体上にコンクリートを打
設する場合、コンクリートが擁壁側に流動するのをなく
するために、予め、上記両側擁壁上に組み立てられるパ
ネル壁部材によるアーチ状壁体の水平方向に対する接線
方向の角度の最大値が、該アーチ状壁体上に打設される
コンクリートが流れない角度となる高さまで上記両側擁
壁を構築しておくものである。こうして、コンクリート
層の硬化後、上記盛土上にさらに盛土を施工して内部に
トンネル状空間を設けている上記アーチ状壁体を埋設す
るものである。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面について説明す
ると、山岳の谷部を通っている既設道路1の上方に、該
既設道路1の通行を遮断することなくこの既設道路1に
交差する道路を築造するに際して、まず、図1に示すよ
うに、既設道路1の路肩に沿って車両専有幅を存した既
設道路の両側部の原地盤を掘削し、掘削部に擁壁2のフ
ーチング部3を構築する。このフーチング部3の構築
は、型枠(図示せず)を組み立てゝコンクリートを打設
することによって行われる。この際、フーチング部3に
内外鉄筋11、12の下半部を埋設しておき、これらの鉄筋
11、12の上半部をフーチング部3から上方に突出させて
おくと共に内側鉄筋11の外側に沿うようにして該フーチ
ング部にアンカー13(図5に示す)を埋設しておく。
【0014】既設道路1を挟んだ両側のフーチング部
3、3が硬化すると、図2、図5に示すようにこれらの
フーチング部3、3の上面中央部に斜め内側方(既設道
路側)に傾斜した擁壁2の縦壁部4を構築する。この縦
壁部4は内側壁部を矩形状のパネル壁部材4aにより形成
すると共に外側壁部を現場打ちコンクリート4bによって
形成する。矩形状パネル壁部材4aは図8に示すように、
円弧状に彎曲した一定厚さの矩形状面板部41の外面の中
央部と両側部とに円弧方向に全長に亘って一定高さと幅
を有する突条部42を一体に形成してなるもので、これら
の突条部42内には鋼棒43が全長に亘って埋設され、該鋼
棒43の両端を突条部42の両端部にL字状に切欠いた段部
44に突出させてその突出端部に互いに連結可能なカップ
ラー45を取り付けている。また、面板部41の両端部には
幅方向に一定間隔毎にボルトによる継手部46を設けてい
る。なお、このパネル壁部材4aの長さは、擁壁2の高さ
の数分の1、好ましくは1/2または1/3に形成され
ている。
【0015】擁壁2の縦壁部4を構築するには、まず、
フーチング部3、3から突出した内側鉄筋11を突条部4
2、42間の空間部に挿入させるようにしてパネル壁部材4
aをフーチング部3上に立設し、フーチング部3の複数
箇所に埋設しているアンカー13にパネル壁部材4aの対向
する突条部42から突設した鋼棒43をカップラー45を介し
て連結する。こうして、フーチング部3、3上に複数枚
のパネル壁部材4aを並列状態にして立設、固定する。な
お、図示していないが既設道路1の長さに沿って並列し
た隣接するパネル壁部材4a、4aの接合端面同士も必要に
応じてボルト等で連結しておく。
【0016】フーチング部3、3上に一段目のパネル壁
部材4a列が立設されると、次いでこのパネル壁部材4a上
に次のパネル壁部材4aを並べて一体に連結する。その連
結は図7に示すように、1段面のパネル壁部材4aの突条
部42から突出している鋼棒43に次段パネル壁部材4aの突
条部42の上端から突出している鋼棒43をカップラー45を
介して連結すると共に継手部46、46同士をボルト(図示
せず)によって連結することにより行われる。このよう
に上下段のパネル壁部材4a同士を一体に連結して築造す
べき擁壁2の高さにまで達すると、次いで、図5に示す
ように、これらのパネル壁部材4aの外面から外側方に一
定の間隔を存してラス網よりなる外型枠47を張設する。
この張設作業は、パネル壁部材4aとの間が下端より上端
に向かって徐々に狭くなるように該外型枠47を斜め内側
に傾斜させた状態で張設される。この外型枠47の張設に
よってフーチング部3から突出した外側鉄筋12をパネル
壁部材4aと外型枠47間の空間部に介在させた状態とす
る。
【0017】しかるのち、上下パネル壁部材4a列を内型
枠として外型枠47との間の空間部にコンクリートを打設
し、擁壁2の縦壁部4の外側壁部4bを築造する。この
際、コンクリートがパネル壁部材4aの突条部42、42間に
も充填されてパネル壁部材4aと外側壁部4bとが一体化し
た一定高さの縦壁部4が築造され、さらに、この縦壁部
4がフーチング部3と一体化した断面逆T字状の擁壁2
が築造される。なお、コンクリートの打設は、各パネル
壁部材毎に行ってもよい。
【0018】こうして擁壁2を築造すると、該擁壁2の
外面側から外側方の原地盤上に盛土材料を積み上げて転
圧ローラ車19により均しながら擁壁2の高さに達する盛
土5を築造する。しかるのち、図3に示すように、この
盛土5の上面を足場に利用して既設道路1を挟んで設け
た上記両側擁壁2、2の上端間にアーチ状の壁体6を構
築する。
【0019】この構築作業は、上記パネル壁部材4aを吊
り上げる小型の揚重機7を用いて上記と同一形状、同一
大きさのパネル壁部材4aを吊り上げ、その一端面を上記
擁壁2の縦壁部4の内側壁部を形成しているパネル壁部
材4aの上端面に合わせて上記同様に互いに接合した突条
部42、42から突出している鋼棒43、43をカップラー45を
介して連結すると共に接合端面の継手部46、46同士をボ
ルトによって連結して擁壁2の縦壁部4上にアーチ状壁
体6の一段目のパネル壁部材4aを固着する。擁壁2の上
端部は斜め内側方に向かって傾斜していると共にパネル
壁部材4aはその傾斜方向に彎曲しているので、該パネル
壁部材4aはさらに上端に向かって下方へ傾いた状態とな
り、水平線とこのパネル壁部材4aの接線方向とのなす角
度が小さくなる。そして、この角度は爾後の工程におい
てパネル壁部材4a上に打設されるコンクリートが下方に
流れない程度の角度なるように、予め、上記両側擁壁2
の高さ並びに傾斜度を設定しておくものである。
【0020】次いで、この一段目のパネル壁部材4aに次
段のパネル壁部材4aを連結する。その連結は、上記のよ
うに、一段目のパネル壁部材4aと次段目のパネル壁部材
4aとの互いに接合した突条部42、42から突出している鋼
棒43、43をカップラー45を介して連結すると共に接合端
面の継手部46、46同士をボルトによって連結することに
より行う。こうして、両側の擁壁2、2上にパネル壁部
材4aを順次アーチ状に連結して両側パネル壁部材列の対
向面を接近させ、最上部の両側パネル壁部材4a、4aの対
向面間を頂部パネル壁部材4aによって連結、閉合して両
側擁壁2、2の上端間に一連の連結パネル壁部材4aによ
るアーチ状に彎曲した壁体6を築造し、既設道路1上に
両側擁壁2とこの壁体6とによって囲まれたトンネル状
空間8を設けるものである。こうして築造されたトンネ
ル状空間8は、その両側擁壁2、2を構成するフーチン
グ部21、21と縦壁部4とがアンカー13及び内外鉄筋12、
12により強固に一体化していると共に縦壁部4の内側壁
部を形成したパネル壁部材4aとこのパネル壁部材4a上に
順次組み立てたアーチ状壁体6を構成するパネル壁部材
4aとはカップラー45を介して鋼棒43により一連に連結し
た耐圧性に優れた強固な構造を有している。
【0021】このアーチ状に彎曲した壁体6の構築後、
該壁体6上に鉄筋を組み立てたのち、図4に示すように
コンクリート9を打設する。このコンクリート9の厚み
は、図6に示すように、壁体6を形成したパネル壁部材
4aの突条部42の頂面に達する厚さであり、該コンクリー
ト層によって壁体6が補強されると共にトンネル状空間
内への水の浸透が防止される。なお、コンクリート層9
と両側擁壁2、2の外側壁部4bとの一体化を図るため
に、該外側壁部4b内に配筋している鉄筋12の上端部を外
側壁部4bから上方に突出させておき、その突出部を介し
てコンクリート層9との連結を行えばよい。このコンク
リート層の打設、硬化後、該コンクリート層を埋設する
高さまで、上記盛土5上に盛土材料を積み上げて盛土10
を築造し、この盛土10上にこれらの盛土5、10内に埋設
された既設道路1のトンネル状空間8上を交差する新た
な道路を築造するものである。
【0022】なお、以上の実施例においては、アーチ状
壁体6を築造するパネル壁部材4aとして擁壁2の縦壁部
4の内層を形成したパネル壁部材4aと同一形状のものを
使用したが、図9に示すように、このパネル壁部材4aと
異なった形状のパネル壁部材4cを用いてもよい。このパ
ネル壁部材4cは上記パネル壁部材4aの面板部41と同一形
状、同一大きさの彎曲板部41の外面中央部に、両端部を
上記同様にカップラー45によって連結可能にした鋼棒43
を埋設してなる突条部42を一体に設けていると共に彎曲
板部41の両端部に上記パネル壁部材4aと同じくボルトに
よる継手部46を設けてあり、さらに、その外面両側部に
適宜間隔毎に突条部42の頂面に達する高さを有する支持
短棒48を立設し、これらの支持短棒48間に彎曲板部41と
同一平面形状のラス網よりなる外型枠材49を張設してな
るものである。
【0023】このように形成したパネル壁部材4cによっ
て上記同様に両擁壁2、2の上端間にアーチ状壁体6を
築造すると、一連に連結したパネル壁部材4cの彎曲板部
41上に、一連に接続した外型枠材49が張設された状態と
なり、この外型枠材49で囲まれたパネル壁部材4cの彎曲
板部41上にコンクリート9を打設することによって一定
厚みのコンクリート層を形成することができる。この
際、コンクリート9の流出が外型枠材49よって阻止され
るので、上記のようにパネル壁部材4aに対する接線方向
の角度をコンクリートの流出を阻止できる角度に設定す
る必要がない。なお、上記実施例においては、既設道路
1上にトンネル状空間を設ける盛土方法について説明し
たが、既設道路1に限らず水路においても同様であり、
要するに既設道路や水路などの通路であれば、この盛土
方法を実施できるものである。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明の内部に共用空間を
設けた盛土の築造方法によれば、形成すべきトンネル状
空間の両側にフーチング部と縦壁部とからなる所定高さ
の擁壁を構築したのち、該擁壁の外側面から外側方の空
間部に擁壁の上端部に達する盛土を築造し、次いでこの
盛土上を足場として上記両側擁壁の上端に複数に分割さ
れた既製のパネル壁部材を順次連結しながら組み立てゝ
パネル壁部材同士を連結、閉合することにより両側擁壁
とパネル壁部材とで囲まれた空間を形成し、しかるの
ち、前記盛土上にさらに上記組立てたパネル壁部材を越
える高さまで盛土を施すものであるから、擁壁をその上
端に組み立てるパネル壁部材の基礎とすることができる
と共にこのパネル壁部材を順次連結しながら組み立てる
ので、支保工が不要となって既設道路等の通路を遮断す
ることなく施工できるものである。
【0025】さらに、擁壁が現場施工により行うと共に
パネル壁部材は小版形状のものを順次連結してアーチ状
壁体を構築するものであるから、擁壁の形成材料やこれ
らのパネル壁部材の搬入が容易に行えるばかりでなく、
小型の揚重機でパネル壁部材の組み立てを行うことがで
き、また、通路を挟んで一定高さの擁壁を築造後、該擁
壁の外側方に盛土を施すので、この盛土上を足場として
パネル壁部材の組み立て作業が能率よく行えると共にパ
ネル壁部材の組立後にさらに盛土を施工して盛土内に埋
設したトンネル状空間を短期間で築造できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フーチング部を築造している状態の簡略縦断正
面図、
【図2】フーチング部上に縦壁部を築造している状態の
簡略縦断正面図、
【図3】パネル壁部材によってアーチ状壁体を築造して
いる状態の簡略縦断正面図、
【図4】盛土内にトンネル状空間を形成した状態の簡略
縦断正面図、
【図5】擁壁の拡大縦断正面図、
【図6】パネル壁部材をアーチ状に組立てている状態の
要部の斜視図、
【図7】パネル壁部材同士を連結した状態の側面図、
【図8】パネル壁部材の斜視図、
【図9】アーチ状壁体を形成するパネル壁部材の別な構
造を示す斜視図。
【符号の説明】
1 既設道路 2 擁壁 3 フーチング部 4 縦壁部、 4a パネル壁部材 5 盛土 6 アーチ状壁体 8 トンネル状空間 10 盛土 11、12 内外鉄筋 13 アンカー 41 面板部 42 突条部 43 鋼棒 46 継手部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−96540(JP,A) 特開 平6−57770(JP,A) 特開 平7−150898(JP,A) 特開 平7−189219(JP,A) 特開 平5−44227(JP,A) 実開 平3−40310(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/18 E02D 29/05 E01F 7/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル状空間を形成する盛土の築造方
    法であって、形成すべきトンネル状空間の両側にフーチ
    ング部と縦壁部とからなる所定高さの擁壁を構築したの
    ち、該擁壁の外側面から外側方の空間部に擁壁の上端部
    に達する盛土を築造し、次いでこの盛土上を足場として
    上記両側擁壁の上端に複数に分割された既製のパネル壁
    部材を順次連結しながら組み立てゝパネル壁部材同士を
    連結、閉合することにより両側擁壁とパネル壁部材とで
    囲まれた空間を形成し、しかるのち、前記盛土上にさら
    に上記組立てたパネル壁部材を越える高さまで盛土を施
    すことを特徴とするトンネル状空間を設けた盛土の築造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記両側擁壁とこの擁壁上に組み立てら
    れる既製のパネル壁部材とはカップラーなどの連結部材
    によって一体に連結していることを特徴とする請求項1
    記載のトンネル状空間を設けた盛土の築造方法。
  3. 【請求項3】 パネル壁部材は円弧状に彎曲した矩形状
    面板部の外面に円弧方向に複数条の突条部を一体に設け
    てなるもので、矩形状面板部の両端面数カ所にボルトに
    よる継手部を設けると共に突条部内に全長に亘って鋼棒
    を埋設してあり、さらに、この鋼棒の両端を突条部から
    突出させて継手部材により連結可能に形成していると共
    にこれらのパネル壁部材を上記両側擁壁上間にアーチ状
    の壁体となるように組み立てたのち、パネル壁部材の外
    面にコンクリートを突条部の高さまで打設することを特
    徴とする請求項1記載のトンネル状空間を設けた盛土の
    築造方法。
  4. 【請求項4】 形成されるトンネルの内面が連続した曲
    面となるように組み立てられたパネル壁部材の水平方向
    に対する接線方向の角度の最大値が、該パネル壁材上に
    打設されるコンクリートが流れない角度となる高さまで
    上記両側擁壁を構築することを特徴とする請求項1記載
    のトンネル状空間を設けた盛土の築造方法。
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