JP3253831B2 - 電着塗装の前処理方法 - Google Patents

電着塗装の前処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車ボディ等の電
着塗装の前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カチオン電着塗装法は、被塗装物を陰極
とし、電着浴中で被塗装物と対極との間に電圧を印加す
ることにより、被塗装物の表面に塗膜を形成する方法で
ある。この方法は、塗料のつきまわり性が良く防錆性や
仕上がり性に優れるため、特に自動車ボディなどの下塗
り塗装として広く実施されている。この電着塗装が行わ
れる被塗装物には、通常、前処理として脱脂、水洗、表
面調整、化成処理、水洗、水切り乾燥が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図2(a)〜(d)は
従来の前処理及び電着塗装による塗装欠陥の発生を説明
するボディ折返し部の断面図であり、(a)は湯洗・脱
脂工程、(b)水洗・水洗ディップ工程、(c)は水切
り乾燥工程、(d)は電着塗装工程を示す。(a)にお
いて、ボディ100全体を脱脂した時に、脱脂液101
が車体板102,103の合わせ目104から折返し部
105に入る。(b)において、折返し部105に入り
込んだ脱脂液101は、水洗液106で置換されずに残
留する。
【0004】(c)残留した脱脂液101は、乾燥の際
に温められて合わせ目104からあふれ出し、折返し部
105の外面107に付着する。更に、脱脂液101は
熱により乾かされ、乾燥跡108として残る。 (d)折返し部105の外面107に脱脂液101の乾
燥跡108が付着した状態で電着塗装が行われる。乾燥
跡108部分には電位差が生じ、塗料が異常付着して、
アルカリコンタミ109と称される電着塗装欠陥が生成
される。(コンタミ:contamination=汚
れ)
【0005】このような塗装欠陥が発生した場合には、
次工程で電着塗料凝集部位を削り、平滑にするために研
ぎを入れ、サーフェーサァを塗布しなければならなかっ
た。この電着塗装欠陥の対策として、例えば付着した脱
脂液乾燥跡108に純水ミストを散布したり、脱脂液乾
燥跡108をナイロンたわしで落とし、純水で洗い流し
たりする洗浄処理を行っていた。
【0006】しかし、純水ミストをボディ100に散布
するために純水に関する設備投資をしなければならず、
コストアップにつながり、また、純水は中性であり、塗
布するだけでは脱脂液乾燥跡108を完全に除去するこ
とは難しい。更に、乾燥跡108をナイロンたわしで落
とす工程は人手により行われるためコストアップになっ
てしまう。本発明の目的は、特定の洗浄工程を設けるこ
とにより、被塗装物の合わせ目や折返し部の洗浄効果を
高め、優れた防錆性や仕上がり性が得られる電着塗装の
前処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1は、被塗装物に脱脂、水洗、乾燥、
濾過液塗布を施す前処理工程と、この後に通電して電着
を行う電着工程と、余分の塗料を洗い落とす水洗工程と
からなる電着塗装において、前処理工程で用いる濾過液
は、水洗工程で使用した洗浄水を濾過した後に、比伝導
度1190〜1200μS/cm、pH6.4〜6.4
に管理した濾過液を当て、この濾過液の塗布後10秒
〜5分の間に被塗装物を電着槽に完全に浸漬する。これ
により、被塗装物の折返し部から流出して外面に付着し
たアルカリ成分は、酸性の濾過液によって中和される。
塗布後から浸漬までの時間が10秒未満の場合には、濾
過液を脱脂液乾燥跡と十分に置換させることができず、
また、塗布後から浸漬までの時間が5分を越える場合に
は、濾過液の乾きによる悪影響がでるため、上記の時間
内に被塗装物を浸漬すれば、優れた塗装外観を有する塗
装物が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る濾過液の流れを示す模
式図であり、電着塗装工程における洗浄液の流れをも示
す。なお、濾過液の経路は2重実線、洗浄液の経路は実
線で表わす。電着塗装工程は、脱脂、水洗、表面調整、
化成処理、水洗、水切り乾燥及び濾過液塗布を行う前処
理工程(濾過液塗布のみ図示)と、この後に通電して電
着を行う電着工程と、余分の塗料を洗い落とす水洗工程
と、焼付乾燥工程(不図示)とからなる。
【0009】これらの工程を実施するための手段を次に
説明する。前処理工程は、被塗装物1の前端部と後端部
に向けて濾過液2をスプレー塗布するフラックススプレ
ー3で実施する。電着工程は、電着用塗料液4を満たし
た電着塗装槽5と、この電着塗装槽5に電着用塗料液4
をバルブ7を介して補充する補給塗料タンク8と、電着
塗装槽5の出槽位置に設けた洗浄スプレー9とで実施す
る。
【0010】水洗工程は、電着塗装槽5の直後に設けた
予備水槽11と、スプレーによって水洗を行う第1水洗
槽12と、スプレーによって水洗を行う第2水洗槽13
と、浸漬によって水洗を行う第3水洗槽14と、浸漬に
よって水洗を行う第4水洗槽15とで実施する。
【0011】図中、17は濾液タンクであり、比伝導度
1190〜1200μS/cm、pH6.4〜6.45
に管理された濾過液2を貯める。ここで、比伝導度は、
溶液の導電性を表わすもので、電気伝導率又は電解伝導
率ともいう。また、上記単位SはΩ-1である。18はフ
ィルターであり、洗浄液19中の水分を濾過液として分
離する。21はポンプであり、濾過液2を濾液タンク1
7からフラックススプレー3と、電着塗装槽5の出槽位
置にある洗浄スプレー9と、第4水洗槽の出槽位置にあ
る洗浄スプレー22と、バルブ23を介して電着塗装槽
5とに供給する。24は濾液タンク17のオーバーフロ
ー用配管であり、第4水槽15へ接続される。26はコ
ンベア、27はハンガーである。
【0012】以上に述べた電着塗装の前処理方法の作用
を次に説明する。電着塗装工程において、洗浄液19は
第4水洗槽15から第3水洗槽14に送られて使用さ
れ、第3水洗槽14の洗浄液19は第2水洗槽13に送
られて使用され、第2水洗槽13の洗浄液19は第1水
洗槽12に送られて使用され、第1水洗槽12の洗浄液
19は予備水槽11に送られる。予備水槽11の洗浄液
19は、フィルター18に送られ、樹脂、顔料の高分子
を除いた水、イオン等の溶液である濾過液2となり、濾
液タンク17に溜まる。
【0013】この濾過液2の比伝導度、pHは、電着塗
装槽5への濾過液2及び電着用塗料液4の補充により調
整される。濾過液2の比伝導度が所定値より小さくなっ
た場合、濾過液2を濾液タンク17から電着塗装槽5へ
バルブ23を開けて戻す。所定値より大きくなった場合
は、電着用塗料液4を補給塗料タンク8から電着塗装槽
5へ補給し、濾液タンク17で比伝導度を測定し、所定
の値になっているかを確認する。濾過液2のpHに関し
ても、濾液タンク17でpHを測定し変化しているかど
うかを確認して、変化していれば、所定の値となるよう
に調整する。
【0014】次に、濾過タンク17の濾過液2は、ポン
プ21により、第4水洗工程15の出槽位置にある洗浄
スプレー22と、前処理工程のフラックススプレー3
と、電着工程の出槽位置にある洗浄スプレー9とに送ら
れる。なお、濾過液2は、ハンガー27の洗浄にも使用
される。このように、洗浄液19は各水洗工程で使用さ
れ、最終の水洗工程から順に戻されて、更に、フィルタ
ー18で濾過され、再度スプレーとして使用されて、電
着塗装槽5に戻るので、洗浄液19は効率よく利用さ
れ、具合がよい。
【0015】前処理工程で、濾過液2は、被塗装物1の
下方より被塗装物1の前端部と後端部とにフラックスス
プレー3で電磁弁(不図示)の作用により5秒間噴射さ
れ塗布される。塗布された濾過液2は、前処理工程の中
の脱脂工程で被塗装物1の車体板合わせ目や折返し部に
付着したアルカリ成分の脱脂液乾燥跡を、濾過液2の酸
性の性質によって中和する。濾過液2塗布後、10秒〜
5分の間に被塗装物1を電着塗装槽5に完全に浸漬し、
電着塗装を実施する。以上の方法により、電着塗装での
アルカリコンタミの発生が防止される。
【0016】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1の電着塗装の前処理方法は、前処理工程
で用いる濾過液には、水洗工程で使用した洗浄水を濾過
した後に、比伝導度1190〜1200μS/cm、p
H6.4〜6.45に管理した濾過液を当て、この濾過
液の塗布後10秒〜5分の間に被塗装物を電着槽に完全
に浸漬するので、被塗装物の折返し部に溜まったアルカ
リ成分は、酸性の濾過液によって中和され、電着塗装で
のアルカリコンタミの発生を防止して、塗膜の形成に影
響を与えることなく均一な塗膜を形成することができ
る。
【0017】塗布後から浸漬までの時間が10秒未満の
場合には、濾過液を脱脂液乾燥跡と十分に置換させるこ
とができず、また、塗布後から浸漬までの時間が5分を
越える場合には、濾過液の乾きによる悪影響がでるた
め、上記の時間内に被塗装物を浸漬すれば、優れた塗装
外観を有する塗装物が得られる。また、電着用塗料液と
濾過液が同一溶剤であるため、次工程の電着塗装工程に
移る際に濾過液と電着用塗料液との置換がスムーズに行
える。更に、脱脂液乾燥跡を落とすための純水ミスト散
布や手作業がなくなって、自動化やコスト抑制に貢献す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る濾過液の流れを示す模式図
【図2】従来の前処理及び電着塗装による塗装欠陥の発
生を説明するボディ折返し部の断面図
【符号の説明】
1…被塗装物、2…濾過液、3…フラックススプレー、
4…電着用塗料液、5…電着塗装槽、11…濾液タン
ク、19…洗浄液。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 13/20 B05D 3/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装物に脱脂、水洗、乾燥、濾過液塗
    布を施す前処理工程と、この後に通電して電着を行う電
    着工程と、余分の塗料を洗い落とす水洗工程とからなる
    電着塗装において、 前処理工程で用いる濾過液は、前記水洗工程で使用した
    洗浄水を濾過した後に、 比伝導度1190〜1200μ
    S/cm、pH6.4〜6.45に管理した濾過液を当
    て、この濾過液の塗布後10秒〜5分の間に前記被塗装
    物を電着槽に完全に浸漬することを特徴とした電着塗装
    の前処理方法。
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