JP3253820B2 - シアニン系標識色素及びその合成方法、並びにシアニン標識タンパク質及びその作製方法 - Google Patents

シアニン系標識色素及びその合成方法、並びにシアニン標識タンパク質及びその作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンパク標識やその他
の生化学実験に有用なシアニン系標識色素とその合成
法、並びに色素標識タンパク質に関する。さらに詳しく
は、タンパク質と結合可能なスクシンイミジル基を有す
るシアニン系標識色素とその合成上必要な前駆体、すな
わちカルボン酸誘導体、並びにシアニン標識タンパク質
と標識色素の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の標識色素は、構成する炭素数の多
さゆえに水溶性の低いものがほとんどであった。従っ
て、抗体などのタンパク質に標識した際に、標識物が析
出してしまうという課題があった。そこで、水溶性に富
むスルホニル基を有する標識色素の合成が、近年盛んに
行われてきた。スルホニル基を有するこれらの水溶性標
識色素は、例えばバイオコンジュゲートケミストリー、
1993年、第4巻、105〜111頁に記載されてい
るように、インドレニン環内の窒素原子に結合している
炭素鎖の長さが、比較的長いものであった。本来水溶性
に乏しいシアニン系の標識色素は、水溶性の官能基であ
るスルホニル基をその骨格内に導入することによって水
に対する溶解度を上げることができ、1分子のタンパク
質に6〜9分子の色素分子を水溶液中で標識することが
可能となった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
色素標識抗体を用いた抗原の免疫的検出技術等において
は、さらなる色素標識が必要であり、これに耐えうる溶
解性を持った化合物、すなわちインドレニン環内の窒素
原子に結合している炭素鎖の長さが短い(炭素数1〜
4)標識色素が要請されていた。
【0004】本発明は前記課題を解決するため、タンパ
ク質と結合可能なスクシンイミジル基を有し、インドレ
ニン環内の窒素原子に結合している炭素鎖の長さが短い
シアニン系標識色素とその合成上必要な前駆体、すなわ
ちカルボン酸誘導体、並びにシアニン標識タンパク質と
シアニン系標識色素の作製方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のシアニン系標識色素は、前記式(化1)で
示されるスクシンイミジル誘導体からなるシアニン系標
識色素である。
【0006】次に本発明のカルボン酸誘導体は、前記式
(化1)で示されるスクシンイミジル誘導体からなるシ
アニン系標識色素の前駆体であって前記式(化2)で示
される。
【0007】次に本発明のシアニン系標識色素の合成方
法は、前記式(化2)で示されるカルボン酸誘導体を有
機溶媒中に溶解し、これにヒドロキシコハク酸イミドを
加えて撹拌することによって標識色素を得るという構成
を備えたものである。
【0008】次に本発明のシアニン標識タンパク質は、
前記式(化1)で示されるスクシンイミジル誘導体から
なるシアニン系標識色素のスクシンイミジル基とタンパ
ク質のアミノ基とが反応することによって、シアニン系
標識色素の色素骨格とタンパク質とが共有結合を介して
結合しているタンパク質である。
【0009】次に本発明のシアニン標識タンパク質の作
製方法は、前記式(化1)で示されるシアニン系標識色
素の水溶液をタンパク質水溶液中に滴下し、撹拌すると
いう構成を備えたものである。
【0010】
【作用】本発明の前記式(化1)で示されるシアニン系
標識色素(以下、IC3−OSuと略称する。)によれ
ば、種々のシアニン標識化合物を達成できる。すなわ
ち、IC3−OSuは水溶液中で1級又は2級のアミノ
基と結合可能なスクシンイミジル基を有しており、さら
に、インドレニン環内の窒素原子に結合している炭素鎖
の長さが短いため、例えばタンパク質のアミノ基と反応
することにより水に不溶化することなくシアニン標識の
タンパク質を作製することができる。
【0011】また、本発明の前記式(化2)で示される
カルボン酸誘導体によれば、ヒドロキシコハク酸イミド
によって活性化されやすいカルボキシル基を持っている
ので、本発明の標識色素であるIC3−OSuを合成す
るのに有用な前駆体を達成できる。
【0012】また、本発明のシアニン系標識色素の合成
方法によれば、前記式(化2)で示されるカルボン酸誘
導体を有機溶媒中に溶解し、これにヒドロキシコハク酸
イミドを加えて撹拌することによって標識色素を作製す
ることができ、IC3−OSuの新規な合成方法を提供
することができる。
【0013】また、本発明のシアニン標識タンパク質に
よれば、タンパク質1分子当たり10個から50個程度
のシアニン化合物が結合しているので、タンパク質の正
確な定量が可能となり、これを用いた検出技術において
有用である。すなわち、水溶性に富み、モル吸光係数の
高いシアニン系標識色素を用いることによって、例えば
免疫クロマト技術を用いた抗原の検出に有用となる。こ
こで、タンパク質とは、分子量5〜20万程度の、主と
して抗体、アルブミン等をいう。
【0014】また、本発明のシアニン標識タンパク質の
作製方法によれば、前記式(化1)で示されるシアニン
系標識色素の水溶液をタンパク質水溶液中に滴下し、撹
拌することによってシアニン標識をすることができ、シ
アニン標識タンパク質の新規な作製方法を提供すること
ができる。
【0015】
【実施例】前記式(化1)で示されるシアニン系標識色
素、および前記式(化2)で示されるカルボン酸誘導体
は、下記式(化3)に示した合成経路に従って作製する
ことができる。
【0016】
【化3】
【0017】すなわち、下記式(化5)で示されるイン
ドレニウムスルホネートは、下記式(化4)で示される
ヒドラジノベンゼンスルホン酸と0.5〜2モル比のイ
ソプロピルメチルケトンとを、酸性溶媒、例えば酢酸に
溶解し、約70〜130℃で1〜5時間加熱することに
よって得ることができる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】また、下記式(化6)で示されるインドレ
ニウムスルホネートの金属塩は、例えば前記式(化5)
で示されるインドレニウムスルホネートのアルコール溶
液、例えばメタノール溶液に、例えば水酸化カリウム飽
和のイソプロピルアルコールを加えることによって、カ
リウム塩として得ることができる。
【0021】
【化6】
【0022】また、下記式(化7)で示されるカルボキ
シアルキルインドレニウムスルホネートの金属塩は、前
記式(化6)で示されるインドレニウムスルホネートの
金属塩、例えばカリウム塩の有機溶媒溶液、例えばオル
トジクロルベンゼン溶液に、等モルのハロゲン化アルキ
ル酸、例えばヨードプロピオン酸を加え、約80〜13
0℃で2〜12時間加熱することにより、カルボキシエ
チルインドレニウムスルホネートカリウム塩として得る
ことができる。ここでハロゲン化アルキル酸の炭素数
は、水に対しての溶解性を考え、2とする。炭素数2の
ヨードプロピオン酸は、水溶性およびインドレニンへの
反応性に富んでいるため有用である。
【0023】
【化7】
【0024】また、前記式(化2)で示されるカルボン
酸誘導体は、前記式(化7)で示されるカルボキシアル
キルインドレニウムスルホネートの金属塩、例えばカル
ボキシエチルインドレニウムスルホネートのカリウム塩
と0.5〜2モル比のオルトギ酸エチルとを塩基性有機
溶媒、例えばピリジンに溶解し、約80〜120℃で1
〜3時間加熱することによって、プロピオン酸誘導体と
して得ることができる。
【0025】また、前記式(化1)で示されるIC3−
OSuは、前記式(化2)で示されるカルボン酸誘導体
の有機溶媒溶液、例えばジメチルホルムアミド溶液中
に、0.5〜2モル比のヒドロキシコハク酸イミドと、
縮合剤として0.5〜2モル比のジシクロヘキシルカル
ボジイミドとを加えて、2〜12時間撹拌することによ
り得ることができる。
【0026】また、シアニン標識タンパク質は、水溶性
タンパク質、例えばマウス由来免疫グロブリン(以下I
gGと略称する。)のリン酸緩衝溶液(以下PBSと略
称する)に、約50〜500モル比のIC3−OSuを
加え、約4〜30℃で撹拌することにより得ることがで
きる。例えば、タンパク質として絨毛性性腺刺激ホルモ
ンであるゴナドトロピン(hCG)に特異的に反応する
抗hCGモノクローナル抗体を用いた標識タンパク質
は、hCGの検出に応用することが可能となり、妊娠検
査等に有用である。
【0027】シアニン標識タンパク質の定量は、タンパ
ク質に結合したIC3−OSuの吸光度を測定して行う
ものであるため、測定する波長は吸光度の高い500〜
600nmで行うのが好ましい。なお、未知の試料がタ
ンパク質であるか否かは、タンパク質が吸収を持つ28
0nmでの吸光度を測定することによって確認できる。
【0028】前記式(化1)、(化2)、および(化
7)で示される各化合物に含まれるハロゲンとしては、
例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。ま
た、前記式(化1)、(化2)、(化6)、および(化
7)で示される各化合物に含まれる金属塩としては、例
えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などがあげ
られる。
【0029】以下具体的実施例をあげて、本発明をさら
に詳しく説明する。なお、本実施例の前記式(化1)、
(化2)、(化6)および(化7)で示される各化合物
はXがヨウ素、Mがカリウム、炭素数nは2の例であ
る。また、タンパク質はIgG又はウシ血清アルブミン
(以下BSAと略称する。)の例である。
【0030】実施例1 (インドレニウムスルホネートの合成)ヒドラジノベン
ゼンスルホン酸10g(53mmol)とイソプロピルメチ
ルケトン16.8ml(160mmol)を30mlの酢酸に溶解
し、3時間還流した。反応液を0℃に冷却し1時間放置
した後、生じた固体を濾過して取り出した。得られた固
体をエーテルで2回洗浄した後、減圧下で乾燥して1
1.8gのインドレニウムスルホネートを得た。収率は
93%であった。表1にDMSO中でのNMRのケミカ
ルシフトおよび各ピークの帰属を示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 (インドレニウムスルホネートカリウム塩の合成)実施
例1で合成した11.8gのインドレニウムスルホネー
ト(49mmol)を120mlのメタノールに溶解し、これ
に水酸化カリウム飽和のイソプロピルアルコール約30
0mlを加えて撹拌した。生じた淡黄色の固体を濾過して
取り出し、イソプロピルアルコールで2回洗浄した後、
減圧下で乾燥して7.4gのインドレニウムスルホネー
トカリウム塩を得た。収率は55%であった。表2にD
MSO中でのNMRのケミカルシフトおよび各ピークの
帰属を示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3 (カルボキシエチルインドレニウムスルホネートカリウ
ム塩の合成)実施例2で合成した5.5g(20mmol)
のインドレニウムスルホネートカリウム塩と5g(25m
mol)のヨードプロピオン酸とを50mlのオルトジクロ
ルベンゼン中に懸濁し、アルゴン気流下、110℃で1
2時間撹拌した。反応当初の懸濁液は加熱後、約30分
で溶解し溶液となった。12時間後、反応液を室温まで
冷却し上澄み液を取り除いた後、残った淡赤色の固体を
イソプロピルアルコールで数回洗浄した。その後、エー
テルで2回洗浄して減圧下で乾燥し、8.9gのカルボ
キシエチルインドレニウムスルホネートカリウム塩を得
た。収率は93%であった。表3にDMSO中でのNM
Rのケミカルシフトおよび各ピークの帰属を示す。
【0035】
【表3】
【0036】実施例4 (カルボン酸誘導体の合成)実施例3で合成した5g
(11mmol)のカルボキシエチルインドレニウムスルホ
ネートカリウム塩を20mlのピリジンに溶解し、アルゴ
ン気流下で還流しながら、3.1g(21mmol)のオル
トギ酸エチルを15分間にわたってゆっくりと滴下し
た。滴下後、2時間還流を続け、室温まで冷却した。反
応液に80mlのエーテルを加えて固化させた後、上澄み
液を取り除いた。得られた赤褐色の固体を10mlのメタ
ノールに溶解し、これに約200mlのエーテルを撹拌し
ながら加えて再び固化させた。固体を濾過して取り出
し、エーテルで洗浄した後、減圧下で乾燥して2.5g
のカルボン酸誘導体を得た。収率は29%であった。表
4にDMSO中でのNMRのケミカルシフトおよび各ピ
ークの帰属を示す。
【0037】
【表4】
【0038】実施例5 (IC3−OSuの合成)実施例4で合成した1g
(1.2mmol)のカルボン酸誘導体と0.28g(2.
4mmol)のヒドロキシコハク酸イミドとを20mlのジメ
チルホルムアミドに溶解し、0℃で撹拌しながら0.4
9g(2.4mmol)のジシクロヘキシルカルボジイミド
のジメチルホルムアミド溶液5mlをゆっくりと滴下し
た。室温に戻して一晩撹拌した後、生じた沈殿を濾過し
て除いた。濾液に約300mlのエーテルを加え、生じた
赤褐色の固体を濾過して取り出し、エーテルで2回洗浄
した後、減圧下で乾燥して0.68gのIC3−OSu
を得た。収率は55%であった。表5にDMSO中での
NMRのケミカルシフトおよび各ピークの帰属を示す。
【0039】
【表5】
【0040】実施例6 (シアニン標識IgGの作製)5mg(3.3×10-5mmol)
のIgGを2mlのPBSに溶解し、室温で撹拌しながら
6.9mg(6.7×10-3mmol)のIC3−OSuのPBS
溶液0.1mlを滴下した。室温で10分間撹拌した後、
4℃で一晩放置した。未反応のIC3−OSuを取り除
くため、反応液をPBS10リットルに対して一晩透析
した。その結果、約3mlのシアニン標識IgG溶液を得
た。
【0041】実施例7 (シアニン標識IgG溶液の濃度計算)得られた溶液の
濃度及びIC3−OSuの結合分子数を次のように計算
して求めた。溶液の280nm及び550nmでの吸光度を測定し
た。吸光度はそれぞれ6.15及び38.0であった。IgG自
体には550nmに吸収はないので、観測された550nmの吸光
はIgGに結合したIC3−OSuに由来するものであ
る。従ってIC3−OSuの濃度[IC3]は、数式
(数1)のように求めることができる。ただし、IC3
−OSuの550nmにおけるモル吸光係数を8.55×104とす
る。
【0042】
【数1】
【0043】また、観測された280nmの吸光はIgGに
由来するものであるが、結合しているIC3−OSuが
280nmにも吸収を持つので、この影響を差し引いてIg
Gの濃度[IgG]を求めると数式(数2)のようにな
る。ただし、IgGに由来する280nmの吸光度をAb
280,IgGとし、IC3−OSuの280nmにおけるモル吸光
係数を9.80×103、IgGの280nmにおけるモル吸光係数
を2.10×105とする。
【0044】
【数2】
【0045】従って、IgG1分子当たりに結合したI
C3−OSuの分子数は数式(数3)のようになる。
【0046】
【数3】
【0047】実施例8 (シアニン標識BSAの作製)500mg(0.0076mmol)の
BSAを20mlのPBSに溶解し、室温で撹拌しながら
390mg(0.38mmol)のIC3−OSuのPBS溶液1ml
を滴下した。室温で10分間撹拌した後、4℃で一晩放
置した。反応液をゲル濾過(G−25Mカラム、展開
液:PBS)して40mlのBSA溶液を得た。
【0048】実施例9 (シアニン標識BSA溶液の濃度計算)得られた溶液の
濃度及びIC3−OSuの結合分子数を次のように計算
して求めた。溶液の280nm及び550nmでの吸光度を測定し
た。吸光度はそれぞれ33.5及び248であった。BSA自
体には550nmに吸収はないので、観測された550nmの吸光
はBSAに結合したIC3−OSuに由来するものであ
る。従ってIC3−OSuの濃度[IC3]は、数式
(数4)のように求めることができる。ただし、IC3
−OSuの550nmにおけるモル吸光係数を8.55×104とす
る。
【0049】
【数4】
【0050】また、観測された280nmの吸光はBSAに
由来するものであるが、結合しているIC3−OSuが
280nmにも吸収を持つので、この影響を差し引いてBS
Aの濃度[BSA]を求めると数式(数5)のようにな
る。ただし、BSAに由来する280nmの吸光度をAb
280,BSAとし、IC3−OSuの280nmにおけるモル吸光
係数を9.80×103、BSAの280nmにおけるモル吸光係数
を4.36×104とする。
【0051】
【数5】
【0052】従って、BSA1分子当たりに結合したI
C3−OSuの分子数は数式(数6)のようになる。
【0053】
【数6】
【0054】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の前記式(化
1)で示されるIC3−OSuは水溶液中で1級又は2
級のアミノ基と結合可能なスクシンイミジル基を有して
おり、さらに、インドレニン環内の窒素原子に結合して
いる炭素鎖の長さが短いため、タンパク質のアミノ基と
反応することにより水に不溶化することなくタンパク質
を標識することができる。
【0055】また、本発明の前記式(化2)で示される
カルボン酸誘導体は、ヒドロキシコハク酸イミドによっ
て活性化されやすいカルボキシル基を持っているので、
本発明の標識色素であるIC3−OSuを合成するのに
有用な前駆体を提供できる。
【0056】また、本発明のシアニン系標識色素の合成
方法によれば、前記式(化2)で示されるカルボン酸誘
導体を有機溶媒中に溶解し、これにヒドロキシコハク酸
イミドを加えて撹拌することによって標識色素を合成す
ることができ、IC3−OSuの新規な合成方法を提供
することができる。
【0057】また、本発明のシアニン標識タンパク質に
よれば、タンパク質1分子当たり10個から50個程度
のシアニン化合物が結合しているので、タンパク質の正
確な定量が可能となり、これを用いた検出技術において
有用である。すなわち、水溶性に富み、モル吸光係数の
高いシアニン系標識色素を用いることによって、例えば
免疫クロマト技術を用いた抗原の検出に有用となる。
【0058】また、本発明のシアニン標識タンパク質の
作製方法によれば、前記式(化1)で示されるシアニン
系標識色素の水溶液をタンパク質水溶液中に滴下し、撹
拌することによってシアニン標識をすることができ、シ
アニン標識タンパク質の新規な作製方法を提供すること
ができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−191674(JP,A) 特開 平4−358143(JP,A) 特開 平7−145148(JP,A) 特開 平9−132725(JP,A) Bioconjugate Chem istry,4(2),105−11(1993) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 23/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(化1)で示されるスクシンイミ
    ジル誘導体からなるシアニン系標識色素。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシアニン系標識色素の
    前駆体であって、下記式(化2)で示されるカルボン酸
    誘導体。 【化2】
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のカルボン酸誘導体を有
    機溶媒中に溶解し、これにヒドロキシコハク酸イミドを
    加えて撹拌する請求項1に記載のシアニン系標識色素の
    合成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のシアニン系標識色素の
    スクシンイミジル基とタンパク質のアミノ基とが反応す
    ることによって、シアニン系標識色素の色素骨格とタン
    パク質とが共有結合を介して結合しているシアニン標識
    タンパク質。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のシアニン系標識色素の
    水溶液をタンパク質水溶液中に滴下し撹拌するシアニン
    標識タンパク質の作製方法。
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