JP3253169B2 - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に関
し、詳しくは、特定の構造を有する電子写真感光体に関
する。また本発明は、該電子写真感光体を有する電子写
真装置および装置ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来電子写真感光体としてはセレン、酸
化亜鉛カドミウムなどを主成分とする感光層を有する無
機感光体が広く用いられてきた。これらはある程度の基
礎特性は備えてはいるが、成膜が困難である、可塑性が
悪い製造コストが高いなど問題がある。さらに無機光導
電性材料は一般的に毒性が強く、製造上並びに取り扱い
上にも大きな制約があった。

【０００３】一方、有機光導電性化合物を主成分とする
有機感光体は、無機感光体の上記欠点を補うなどの多く
の利点を有していることから近年注目を集めており、こ
れまで数多くの提案がなされ、そのいくつかは実用化さ
れてきている。

【０００４】このような有機感光体としては、ポリ−Ｎ
−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーな
どと、２，４，７−トリニトロ−９−フルオレノンなど
のルイス酸とから形成される電荷移動錯体を主成分とす
る電子写真感光体が提案されている。これらの有機光導
電性ポリマーは、無機光導電性ポリマーに比べて軽量
性、成膜性などの点では優れているが、感度、耐久性環
境変化に対する安定性などの面で無機光導電性材料に比
べて劣っており、必ずしも満足できるものではない。

【０００５】その後、電荷発生機能と電荷輸送機能とを
それぞれ別々の物質に分担させる機能分離型電子写真感
光体が、従来の有機感光体の欠点とされていた感度や耐
久性に著しい改善をもたらした。このような機能分離型
感光体は、電荷発生物質と電荷輸送物質の各々の材料選
択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真感光体を比
較的容易に作成できるという利点を有している。

【０００６】電荷発生物質としては、種々のアゾ顔料、
多環キノン顔料、シアニン色素、スクエアリック酸染料
ピリリウム塩系色素などが知られている。その中でもア
ゾ顔料は、耐光性が強い、電荷発生能力が大きい材料合
成が容易などの点から多くの構造が提唱されている。

【０００７】一方電荷輸送物質としては、例えば特公昭
５２−４１８８号公報のピラゾリン化合物；特公昭５５
−４２３８０号公報特開昭５５−５２０６３号公報のヒ
ドラゾン化合物；特公昭５８−３２３７２号公報特開昭
６１−１３２９５５号公報のトリフェニルアミン化合
物；特開昭５４−１５１９５５号公報特開昭５８−１９
８０４３号公報のスチルベン化合物などが知られてい
る。

【０００８】これらの電荷輸送物質に要求される特性と
しては、（１）光や熱に対して安定であること、（２）
コロナ放電により発生するオゾン、ＮＯ_ｘ硝酸などに対
して安定であること、（３）高い電荷輸送能力を有する
こと、（４）有機溶剤や結着剤との相溶性が高いこと、
（５）製造が容易でかつ安価であることなどが挙げられ
る。

【０００９】近年の高画質化高耐久化の要求に伴い、上
記の条件をより高い水準で満足できるような電荷輸送物
質が検討されている。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
感度を有する電子写真感光体を提供することにある。

【００１１】また、本発明の目的は、上記電子写真感光
体を有する電子写真装置および装置ユニットを提供する
ことにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、導
電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体におい
て、該感光層が下記式（１）で示されるトリフェニルア
ミン化合物を含有し、かつ、オキシチタニウムフタロシ
アニンまたは下記式（２）で示されるアゾ顔料を含有す
ることを特徴とする電子写真感光体である。

【００１３】

【外３】

【００１４】（式中、Ｒ_１、Ｒ_２ およびＲ_３は同一また
は異なって、水素原子および炭素数１〜３のアルキル基
を示し、少なくとも１つはエチル基またはプロピル基を
示す。）

【外４】

【００１５】また、本発明は、上記電子写真感光体を有
する電子写真装置および装置ユニットである。

【００１６】以下に式（１）で示される化合物の好まし
い例を挙げる。もちろん、本発明はこれらの化合物に限
定されるものではない。

【００１７】

【外５】

【００１８】

【外６】

【００１９】

【外７】

【００２０】次に本発明に用いられる合成例を示す。

【００２１】合成例１ （例示化合物Ｎｏ．１の合成） ２００ｍｌ三ツ口フラスコに４−プロピルアニリン１
３．５ｇ、４−ヨードトルエン５０ｇ、無水炭酸カリウ
ム１０．０ｇ銅粉５．０ｇを入れ１９０〜２００℃にて
８時間加熱攪拌を行った。冷却後、濾過し、減圧濃縮を
行い、ＭＥＫを加えて粗結晶を濾取した。

【００２２】得られた粗結晶をカラム精製し、ｐ−ジト
ルイル−４−プロピルアニリンを２２．５ｇ得た（収率
８１％） 合成例２ （例示化合物Ｎｏ．１３の合成） ２００ｍｌ三ツ口フラスコに４−エチルアニリン１２．
１ｇ、４−ヨードトルエン５０ｇ、無水炭酸カリウム１
０．０ｇ、銅粉５．０ｇを入れ１９０〜２００℃にて８
時間加熱攪拌を行った。冷却後、濾過し、減圧濃縮を行
い、ＭＥＫを加えて粗結晶を濾取した。

【００２３】得られた粗結晶をカラム精製し、ｐ−ジト
ルイル−４−エチルアニリンを２５．６ｇ得た（収率８
５％）。

【００２４】本発明の電子写真感光体の感光層の構成と
しては、例えば以下の形態が挙げられる。 （１）電荷発生物質を含有する層／電荷輸送物質を含有
する層（下層／上層） （２）電荷輸送物質を含有する層／電荷発生物質を含有
する層（下層／上層） （３）電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する層 本発明の式（１）で示される化合物は、正孔に対し高い
輸送能力を有するため、上記形態の感光層における電荷
輸送物質として用いることができる。感光層の形態が
（１）の場合、一次帯電の極性は負、（２）の場合は正
であることが好ましく、（３）の場合は正、負いずれで
もよい。

【００２５】さらに本発明の電子写真感光体は、耐久性
や接着性の向上あるいは電荷注入の制御のために、感光
層の表面に保護層を設けたり、感光層と導電性支持体の
間に下引層を設けたりしてもよい。なお、本発明の感光
体の構成は上記の基本構成に限定されるものではない。

【００２６】本発明においては、上記構成のうち特に
（１）の形態が好ましく、以下にさらに詳細に説明す
る。

【００２７】本発明における導電性支持体としては、例
えば以下のものを挙げることができる。 （１）アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス銅
などの金属や合金を板形状またはドラム形状にしたも
の。 （２）ガラス、樹脂紙などの非導電性支持体や前記
（１）の導電性支持体上にアルミニウム、アルミニウム
合金、パラジウム、ロジウム、金白金などの金属や合金
を蒸着もしくはラミネートすることにより薄膜を形成し
たもの。 （３）ガラス、樹脂紙などの非導電性支持体や前記
（１）の導電性支持体上に導電性高分子、酸化スズ酸化
インジウムなどの導電性化合物を含有する層を蒸着ある
いは塗布することにより形成したもの。

【００２８】本発明に用いることのできる電荷発生物質
としては、オキシチタニウムフタロシアニンおよび上記
式（１）で示されるアゾ顔料が挙げられる。これらの電
荷発生物質は単独で用いてもよく、組み合わせてもよ
い。

【００２９】電荷発生物質を含有する層、すなわち電荷
発生層は上記電荷発生物質を適当な結着剤に分散し、こ
れを導電性支持体上に塗工することにより形成すること
ができる。また、導電性支持体上に蒸着、スパッタある
いはＣＶＤなどの乾式法で薄膜を形成することによって
も形成することができる。

【００３０】上記結着剤としては広範囲な結着性樹脂か
ら選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアリレート樹脂、ブチラール樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフ
タレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、ポリスルホ
ン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッ
ド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂などが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。これらは単独、混合あるいは共重合体
ポリマーとして１種または２種以上用いることができ
る。

【００３１】電荷発生層中の樹脂の割合は、層の全重量
に対して８０重量％以下であることが好ましく、得には
４０重量％以下であることが好ましい。また電荷発生層
の膜厚は５μｍ以下であることが好ましく、得には０．
０１μｍ〜２μｍであることが好ましい。

【００３２】また、電荷発生層には種々の増感剤を添加
してもよい。

【００３３】電荷輸送物質を含有する層、すなわち電荷
輸送層は、少なくとも前記式（１）で示されるトリフェ
ニルアミン化合物と適当な結着性樹脂とを組み合わせて
形成することができる。電荷輸送層に用いられる結着性
樹脂としては、前記電荷発生層に用いられるものに加
え、ポリビニルカルバゾールポリビニルアントラセンな
どの光導電高分子が挙げられる。

【００３４】これらの結着性樹脂と本発明のトリフェニ
ルアミン化合物との配合割合は、結着性樹脂１００重量
部あたりトリフェニルアミン化合物を１０〜５００重量
部であることが好ましい。

【００３５】電荷輸送層は、上述の電荷発生層と電気的
に接続されており、電界の存在下で電荷発生層で発生し
た電荷キャリアを受け取るとともに、電荷キャリアを感
光体の表面まで輸送できる機能を有している。この電荷
輸送層は電荷キャリアを輸送できる限界があるので、必
要以上に膜厚を厚くすることができないが、５μｍ〜４
０μｍであることが好ましく、特には１０μｍ〜３０μ
ｍであることが好ましい。

【００３６】さらに、電荷輸送層中に酸化防止剤、紫外
線吸収剤、可塑剤または公知の電荷輸送物質を必要に応
じ添加することもできる。

【００３７】上述した各種層を塗布により形成する際の
塗布方法としては、適当な有機溶媒を用い、浸漬コーテ
ィング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーテ
ィング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコー
ティング法、ブレードコーティング法などのコーティン
グ法を挙げることができる。

【００３８】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、
ＣＲＴプリンター、ＬＥＤプリンター、ファクシミリお
よび電子写真式製版システムなどの電子写真応用分野に
も広く用いることができる。

【００３９】図１に本発明の電子写真感光体を用いた電
子写真装置の概略構成を示した。

【００４０】図において、１は像担持体としてのドラム
型感光体であり軸１ａを中心に矢印方向に所定の周速度
で回転駆動される。該感光体１は、その回転過程で帯電
手段２によりその周面に正または負の所定電位の均一帯
電を受け、次いで露光部３にて不図示の像露光手段によ
り光像露光Ｌ（スリット露光・レーザービーム走査露光
など）を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応
した静電潜像が順次形成されていく。

【００４１】形成された静電潜像は次いで現像手段４で
トナー現像され、このトナー現像像は、不図示の給紙部
から感光体１と転写手段５との間に感光体１の回転と同
期取りされて給送された転写材Ｐに転写手段５により順
次転写されていく。

【００４２】像転写を受けた転写材Ｐは感光体面から分
離されて像定着手段８へ導入されて像定着を受けて複写
物（コピー）として機外へプリントアウトされる。

【００４３】像転写後の感光体１の表面はクリーニング
手段６にて転写残りトナー除去を受けて清浄面化され
て、さらに、前露光手段７により除電処理されて繰り返
して像形成に使用される。

【００４４】感光体１の均一帯電手段２としてはコロナ
帯電装置が一般に広く使用されている。また転写装置５
もコロナ転写手段が一般に広く使用されている。本発明
においては、上述の感光体、現像手段およびクリーニン
グ手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニッ
トとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本
体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、帯電手
段、現像手段およびクリーニング手段の少なくとも１つ
を感光体と共に一体に支持してユニットを形成し、装置
本体のレールなどの案内手段を用いて装置本体に着脱自
在の単一ユニットとしても良い。

【００４５】光像露光Ｌは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光を感光体に照射すること、あるいは、センサーで
原稿を読取り、信号化し、この信号に従ってレーザービ
ームの走査、ＬＥＤアレイの駆動、または、液晶シャッ
ターアレイの駆動などを行い感光体に光を照射すること
などにより行われる。

【００４６】また、ファクシミリのプリンターとして使
用する場合には、光像露光Ｌは受信データをプリントす
るための露光になる。図２はこの場合の１例をブロック
図で示したものである。

【００４７】コントローラ１１は画像読取部１０とプリ
ンター１９を制御する。コントローラ１１の全体はＣＰ
Ｕ１７により制御されている。画像読取部からの読取デ
ータは、送信回路１３を通して相手局に送信される。相
手局から受けたデータは受信回路１２を通してプリンタ
ー１９に送られる。画像メモリには所定の画像データが
記憶される。プリンタコントローラ１８はプリンター１
９を制御している。１４は電話である。

【００４８】回線１５から受信された画像（回線を介し
て接続されたリモート端末からの画像情報）は、受信回
路１２で復調された後、ＣＰＵ１７は画像情報の複号処
理を行い順次画像メモリ１６に格納される。そして、少
なくとも１ページの画像がメモリ１６に格納されると、
そのページの画像記録を行う。ＣＰＵ１７は、メモリ１
６より１ページの画像情報を読み出しプリンタコントロ
ーラ１８に複号化された１ページの画像情報を送出す
る。プリンタコントローラ１８は、ＣＰＵ１７からの１
ページの画像情報を受け取るとそのページの画像情報記
録を行うべく、プリンター１９を制御する。

【００４９】なお、ＣＰＵ１７は、プリンター１９によ
る記録中に、次のページの受信を行っている。

【００５０】以上のようにして、画像の受信と記録が行
われる。

【００５１】以下、本発明を実施例に従って説明する。

【００５２】

【実施例】比較例１ 下記式で示されるアゾ顔料１．０ｇを、ブチラール樹脂
（ブチラール化度８０ｍｏｌ％）０．５ｇをテトラヒド
ロフラン６０ｍｌに溶解した液とともにサンドミルで４
８時間分散し、電荷発生層用塗工液を得た。

【００５３】

【外８】

【００５４】この塗工液をアルミニウムシート上に乾燥
後の膜厚が０．２μｍとなるようにマイヤーバーで塗
布、乾燥することにより電荷発生層を形成した。

【００５５】次に、電荷輸送物質として例示化合物Ｎ
ｏ．１ １．０ｇとポリカーボネート樹脂（重量平均分
子量２０，０００）１．０ｇをモノクロルベンゼン７．
０ｇに溶解した。この液を先の電荷発生層の上にマイヤ
ーバーで塗布し、乾燥することにより、乾燥膜厚が２３
μｍの電荷輸送層を形成した。

【００５６】得られた電子写真感光体を川口電気（株）
製静電複写紙試験装置Ｍｏｄｅｌ−ＳＰ−４２８を用い
てスタチック方式で−５ＫＶでコロナ帯電し暗所で１秒
間保持したあと、照度２０ｌｕｘで露光し帯電特性を調
べた。

【００５７】帯電特性としては、帯電直後の表面電位
（Ｖ_０）と１秒間減衰させた後の表面電位（Ｖ_１）とＶ
_１を１／５に減衰するのに必要な露光量（Ｅ_１／５）、
すなわち感度を測定した。

【００５８】さらに、繰り返し使用したときの明部電位
と暗部電位の変動を評価するために、本実施例で作成し
た感光体を、キヤノン（株）製ＰＰＣ複写機ＮＰ−３８
２５の感光体ドラム用シリンダーに張り付けて、５，０
００枚の複写を行い、初期と５，０００枚複写後の明部
電位（Ｖ_Ｌ）および暗部電位（Ｖ_Ｄ）を測定した。な
お、初期のＶ_ＤとＶ_Ｌは各々−７００Ｖ、−２００Ｖ程
度となるように設定した。結果を以下の表１に示す。

【００５９】比較例２〜２０比較 例１で電荷輸送物質として用いた例示化合物Ｎｏ．
１の代わりに例示化合物Ｎｏ．２、３、４、５、７、
９、１０、１１、１２、１３、１４、１５、１６、１
８、１９、２０、２２、２３および２４を用いた他は比
較例１と同様にして電子写真感光体を作成し、評価し
た。結果を表１に示す。

【００６０】

【表１】

【００６１】比較例２１〜２４ 比較 例１で電荷輸送物質としても用いた例示化合物Ｎ
ｏ．１の代わりに下記の比較化合物Ｎｏ．１〜４を用い
た他は実施例１と同様にして電子写真感光体を作成し、
評価した。結果を表２に示す。

【００６２】

【外９】

【００６３】

【表２】

【００６４】実施例１ オキシチタニウムフタロシアニン１．０ｇをシクロヘキ
サノン１００ｇにフェノキシ樹脂０．４ｇを溶かした液
に加えてボールミルで４０時間分散した。この分散液を
アルミニウムシート上にマイヤーバーで塗布した後８０
度で０．５時間乾燥することにより膜厚０．１５μｍの
電荷発生層を形成した。

【００６５】次に例示化合物Ｎｏ．１ １．０ｇとビス
フェノールＺ型ポリカーボネート樹脂（重量平均分子量
２０，０００）１．０ｇをモノクロルベンゼン７．０ｇ
に溶解した。この溶液を先に形成した電荷発生層の上に
マイヤーバーで塗布した後１２０度で１．０時間乾燥す
ることにより膜厚２１μｍの電荷輸送層を形成した。

【００６６】得られた電子写真感光体に−５ＫＶのコロ
ナ放電を行った。このときの表面電位（Ｖ_０）とこの感
光体を１秒間暗所で放置した後の表面電位（Ｖ_１）を測
定した。感度はＶ_１を１／６に減衰するのに必要な露光
量（Ｅ_１／６）を測定することによって評価した。この
際、光源としてガリウム／アルミニウム／ヒ素の三元系
半導体レーザー（出力：５ｍＷ、発振波長：７８０ｎ
ｍ）を用いた。結果を以下に示す。

【００６７】 Ｖ_０：−７１０（Ｖ） Ｖ_１：−７０５（Ｖ） Ｅ_１／６：０．２５（μＪ／ｃｍ^２） 次に上述のものと同様の半導体レーザーを備えた反転現
像方式の電子写真プリンターであるレーザービームプリ
ンター（キヤノン製ＬＢＰ−ＣＸ）に上記感光体を取り
付けて、実際の画像形成テストを行った。条件は以下の
通りである。一次帯電後の表面電位：−７００Ｖ、像露
光後の表面電位：−１５０Ｖ、転写電位＋７００Ｖ、現
像極性：負極性、プロセススピード：５０ｍｍ／ｓｅ
ｃ、現像条件（現像バイアス）：−４５０Ｖ、像露光後
スキャン方式：イメージスキャン、一次帯電前露光：２
２．０ｌｕｘ・ｓｅｃの赤色全面露光。

【００６８】この条件で連続３，０００枚の画像出しを
行ったところ、初期から３，０００枚に至るまで安定し
て優れた画像を得ることができた。

【００６９】実施例２ 電荷輸送物質として例示化合物Ｎｏ．１の代わりに例示
化合物Ｎｏ．１３を用いた他は実施例２１と同様にして
電子写真感光体を作成し、評価した。帯電特性は下記の
通り優れたものであり、得られた画像も初期から３，０
００枚に至るまで安定して優れたものであった。

【００７０】 Ｖ_０：−７２０（Ｖ） Ｖ_１：−７１５（Ｖ） Ｅ_１／６：０．２５（μＪ／ｃｍ^２） 実施例３ アルミニウムシート上にアルコール可溶性ナイロン（６
−６６−６１０−１２四元ナイロン共重合体）の２％メ
タノール溶液を塗布し、乾燥後の膜厚が０．５μｍの下
引層を形成した。

【００７１】次に下記式で示されるアゾ顔料０．５ｇを
テトラヒドロフラン１０ｍｌに加えた溶液をサンドミル
で分散した。

【００７２】

【外１０】

【００７３】次いで前記例示化合物Ｎｏ．１ １０ｇと
ビスフェノールＡ型ポリカーボネート樹脂（重量平均分
子量３０，０００）１０ｇをモノクロルベンゼン（８０
重量部）−ジクロロメタン（２０重量部）溶液７０ｇに
溶解し、先に作成した分散液に加えサンドミルでさらに
２時間分散した。

【００７４】この分散液を先に作成した下引層上に乾燥
後の膜厚が１８μｍになるようにマイヤーバーで塗布し
乾燥した。

【００７５】得られた電子写真感光体の電子写真特性を
実施例１１と同様にして評価した。結果を以下に示す。

【００７６】 Ｖ_０：−７１０（Ｖ） Ｖ_１：−７００（Ｖ） Ｅ_１／６：０．６７（μＪ／ｃｍ^２） 実施例４ 電荷輸送物質として例示化合物Ｎｏ．１の代わりに例示
化合物Ｎｏ．１３を用いた他は実施例２と同様にして電
子写真感光体を作成し、評価した。結果を以下に示す。

【００７７】 Ｖ_０：−７００（Ｖ） Ｖ_１：−６９０（Ｖ） Ｅ_１／６：０．６４（μＪ／ｃｍ^２）

【００７８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のトリフェ
ニルアミン化合物、および、オキシチタニウムフタロシ
アニンまたは本発明のジスアゾ顔料を含有する感光層を
有する電子写真感光体は、高感度である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置
の概略構成の例を示す図である。

【図２】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリ
のブロック図の例を示す図である。

【符号の説明】

１ 本発明の電子写真感光体 １ａ 軸 ２ 帯電手段 ３ 露光部 ４ 現像手段 ５ 転写手段 ６ クリーニング手段 ７ 前露光手段 ８ 像定着手段 １０ 画像読取部 １１ コントローラ １２ 受信回路 １３ 送信回路 １４ 電話 １５ 回線 １６ 画像メモリ １７ ＣＰＵ １８ プリンタコントローラ １９ プリンター Ｌ 光像露光 Ｐ 転写材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 憲裕 東京都大田区下丸子３丁目30番２号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平５−323642（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−259155（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−272458（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−269974（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−155053（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−132953（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−226257（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−211559（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−108059（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−118142（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03G 5/00

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 導電性支持体上に感光層を有する電子写
   真感光体において、該感光層が下記式（１）で示される
   トリフェニルアミン化合物を含有し、かつ、オキシチタ
   ニウムフタロシアニンまたは下記式（２）で示されるア
   ゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真感光体。 【外１】 （式中、Ｒ_１、Ｒ_２ およびＲ_３は同一または異なって、
   水素原子および炭素数１〜３のアルキル基を示し、少な
   くとも１つはエチル基またはプロピル基を示す。） 【外２】
2. 【請求項２】 前記Ｒ_１ 〜Ｒ_３の少なくとも１つがエチ
   ル基である請求項１記載の電子写真感光体。
3. 【請求項３】 前記Ｒ_１ 〜Ｒ_３の少なくとも１つがプロ
   ピル基である請求項１記載の電子写真感光体。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の電子写真感光体、静電
   潜像を形成する手段、形成された静電潜像を現像する手
   段および現像した像を転写材に転写する手段を有するこ
   とを特徴とする電子写真装置。
5. 【請求項５】 請求項１に記載の電子写真感光体、およ
   び、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からな
   る群より選択される少なくとも１つの手段を一体に支持
   し、かつ装置本体に着脱自在であることを特徴とする装
   置ユニット。