JP3253026B2 - コーヒー飲料の製法 - Google Patents

コーヒー飲料の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コーヒー飲料の製法に
係り、更に詳しくは、焙煎し、粉砕したコーヒー豆より
コーヒー液を抽出する際、オイル系フレーバーの抽出効
率を高め、色調の良好なるコーヒー液を得ることがで
き、また、コーヒーの香気成分の飛散を抑え、コーヒー
の香りの持続性を高めることができるコーヒー飲料の製
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コーヒー飲料は、浸出法(パー
コレーション)もしくは熱水自己流下抽出法(ドリッ
プ)等の熱水抽出により抽出されたコーヒー液が用いら
れている。しかしながら、熱水による抽出においては、
コーヒー液に含まれる油性のフレーバーが抽出されにく
い。したがって、熱水によるコーヒー抽出液を用いる場
合、香りが弱いため、抽出の際、コーヒー豆の使用量を
増やしたり、コーヒー液に香料を添加したりして、コー
ヒー飲料に仕上げなければならない。また、熱水抽出に
よるコーヒー液は、長期間保存すると、香気成分が飛散
してしまい、コーヒーの香りがなくなってしまうという
欠点をもつ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、芳醇なコーヒー飲料
を得るべく鋭意研究した結果、コーヒー豆からミルク水
を用いて抽出するに際し、開放系で抽出及びコーヒー豆
の分離を行うと共に、80〜100℃の、乳固形分0,
2〜4重量%含有するミルク水を用いると、通常の熱水
を用いて抽出した場合には、得られないオイル系フレー
バーを抽出することができ、香りの良好なコーヒー飲料
を得ることができると共に、色調の良好なコーヒー飲料
を得ることができることを見出し本発明に到達した。
【0004】本発明の目的は、焙煎し、粉砕したコーヒ
ー豆よりコーヒー液を抽出する際、オイル系フレーバー
の抽出効率を高め、また、色調の良好なるコーヒー液を
得ることができ、また、コーヒーの香気成分の飛散を抑
え、コーヒーの香りの持続性を高めることができるコー
ヒー飲料の製法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、焙煎し、
粉砕したコーヒー豆から、ミルク水を用いて、コーヒー
液を抽出するに際し、開放系で抽出及びコーヒー豆の分
離を行うと共に、80〜100℃の、乳固形分を0,2
〜4重量%含有するミルク水を用いることを特徴とする
コーヒー飲料の製法によって達成される。
【0006】次に、本発明を詳しく説明する。本発明に
用いるコーヒー豆は、焙煎後のL値が20〜30のもの
が好ましい。L値が20未満では、コーヒーに好ましく
ないオフフレーバーが発生し易く、逆に、L値が30を
超えると、ミルク水による抽出の効果が明確に得られに
くい傾向にある。このL値は、コーヒー豆の種類、焙煎
の条件によって変化するので、目的に応じて適宜調製す
るとよい。コーヒー豆の種類は、例えば、ブラジル、コ
ロンビア、キリマンジャロのようなアラビカ種が好まし
い。
【0007】本発明に用いるミルク水は、牛乳、全脂粉
乳、全脂練乳、脱脂粉乳等を単品もしくは組み合わせて
使用し、それを水で希釈したものである。このミルク水
は、乳固形分が、0.2〜4重量%となるように調整さ
れたものである。乳固形分が4重量%を超えると、加温
による蛋白質の変性が起こり、抽出時に目詰まりした
り、抽出液中に蛋白質変性物が浮遊したりするようにな
る。
【0008】また、乳脂肪分は、0.1〜1重量%含有
していることが好適である。特に、乳脂肪が、コーヒー
豆中のオイル系フレーバーを取り込む性質を持っている
ので、乳脂肪分が0.1重量%未満のものでは、うまく
フレーバーを取り込むことが難しくなり、逆に、乳脂肪
分が1重量%を超えると、乳脂肪が抽出の目詰まりの原
因となることがある。
【0009】本発明のコーヒー飲料の製法は、例えば、
次のようにして行う。すなわち、まず、焙煎し、粉砕し
たコーヒー豆の上部より、80〜100℃に加温したミ
ルク水をシャワー方式にて滴下する。このとき、使用す
るミルク水の温度(抽出温度)が80℃未満であると、
コーヒーの香味成分は、抽出できても、コーヒーに含ま
れる色素等の可溶性固形分の抽出がうまくできず、コー
ヒー本来の風味、色調が得られない。また、本発明にお
いて、抽出及びコーヒー豆の分離工程は、上記シャワー
方式等により開放系で行う。
【0010】また、ミルク水には、乳化剤を加えて抽出
するとよい。乳化剤は、ミルク水加温時の蛋白質の変性
を防止すると共に、オイル系フレーバーの抽出等を、増
大せしめる効果を併有する。
【0011】乳化剤としては、蔗糖脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステルの親水性乳化剤等ノニオン系乳
化剤が好適である。また、その添加量は、0.2重量%
以下とすることが好ましく、この値を超えると、粘度が
増大し、抽出し難くなる傾向にある。
【0012】上記のようにして抽出されたコーヒー液
に、砂糖等の糖類やミルクを添加、混合し、コーヒー飲
料を得る。得られたコーヒー飲料は、均質化して缶に充
填し、密封、殺菌することで常温流通可能な缶コーヒー
となる。通常、缶コーヒーは、保存期間の経過と共に、
コーヒーの香りが弱くなってしまうことが問題とされる
が、本発明のように、ミルク水で抽出したコーヒー液を
用いた場合、香気成分の飛散が抑制され、明らかに、香
りの保持性が向上する。
【0013】また、本発明の製法によると、コーヒー特
有の色素を有効に抽出することができるので、色調の良
好なコーヒー液を得ることができ、カラメル色素等の着
色料を添加する必要がない。したがって、カラメル色素
に由来するカラメル臭が加わることがなく、コーヒー本
来の香りが保持される。コーヒーの色調は、ポリフェノ
ール類と考えられ、高温の方が抽出されやすいとされ
る。更に、ポリフェノール類の水酸基は、乳成分の蛋白
質との結合性が高いことから、本発明の高温でのミルク
水による抽出で、良好なコーヒー色が得られると考えら
れる。また、この色調は、長期保存においても安定で退
色、変色することはない。
【0014】
【発明の効果】以上のように、本発明の製法により、オ
イル系フレーバーの抽出効率が高められた香りの良好
な、また、色調の良好なるコーヒー飲料を得ることがで
きる。また、コーヒーの香気成分の飛散が抑えられ、コ
ーヒーの香りの持続性が高められたコーヒー飲料を得る
ことができる。
【0015】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 (実施例1)焙煎し、粉砕したコーヒー豆(モカ,L値
28)1kgを、カラム式抽出機に充填した。牛乳10
重量%を加えたミルク水(乳固形分1.2重量%、乳脂
肪分0.35重量%)を、チューブラヒーターにて97
℃まで加温し、豆を上部よりシャワーリングした。下部
より得られた抽出液を集め、豆に対して10倍量になる
まで抽出した。表1に示す配合に調合し、均質化後、缶
に充填し、密封して、121℃で20分間殺菌処理し
た。
【0016】
【表1】
【0017】(比較例1)抽出を水で行い、その他は、
実施例1と同様にしてコーヒー飲料を調製した。
【0018】実施例1と比較例1のコーヒー飲料につい
て、コーヒー豆より抽出された固形分量、調製直後のコ
ーヒーの香り及び40℃で1か月保存した後のコーヒー
の香りについて評価した。その結果を表2に示す。
【0019】
【表2】 (注1) 固形分=(抽出液に含まれる固形分/コーヒー豆全量)×100 (注2) A:大変強い,A’:強い,B:普通,B’:やや弱い,C:弱い (注3) 0・・・冷蔵品と同程度,−1・・・やや減少, −2・・・商品限界,−3・・・限界外
【0020】表2の結果より、ミルク水で抽出すること
で可溶性固形分とオイル系の成分とが得られるため、コ
ーヒー豆から抽出される固形分は増えていることがわか
る。調製直後の香りは、実施例の方が強かった。また、
保存後の香りの減少は、明らかに、実施例の方が少ない
ことがわかる。
【0021】(実施例2〜4、比較例2〜4) 表3に示す条件でコーヒー液の抽出を行い、次いで、表
4に示す配合で、実施例1と同様にしてコーヒー飲料を
調製した。得られたコーヒー飲料の色調を、色差計(日
本電色(株)製)を用いて測定した。その結果を、表4
にあわせて示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】表4の結果より、実施例のコーヒー飲料
は、カラメル色が強く、コーヒーの色調として優れたも
のであった。一方、比較例のコーヒー飲料は、色調が優
れず、満足を得るものではなかった。
【0025】(比較例5)ミルク水の温度を70℃と
し、その他は実施例1と同様にしてコーヒー飲料を調製
した。実施例1と比較例5とのコーヒー飲料について、
色調を評価した。その結果、抽出温度を下げると、コー
ヒー特有の色調が得られなかった。
【0026】(実施例5) 焙煎し、粉砕したモカ豆(L値28)1kgを、カラム
式抽出機に充填した。牛乳10重量%及び蔗糖脂肪酸エ
ステルP−1570500ppmを加えたミルク水
(乳固形分1.2重量%,乳脂肪分0.35重量%)
を、チューブラヒーターにて97℃まで加温し、豆を上
部よりシャワーリングした。下部より得られた抽出液
は、香り豊かであった。また、抽出中のチューブラヒー
ターへのミルク蛋白質の付着はほとんどみられなかっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23F 5/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焙煎し、粉砕したコーヒー豆から、ミルク
    水を用いて、コーヒー液を抽出するに際し、開放系で抽
    出及びコーヒー豆の分離を行うと共に、80〜100℃
    の、乳固形分を0,2〜4重量%含有するミルク水を用
    いることを特徴とするコーヒー飲料の製法。
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