JP3250675B2 - アミン製造用担持触媒組成物 - Google Patents

アミン製造用担持触媒組成物

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JP3250675B2 JP14852892A JP14852892A JP3250675B2 JP 3250675 B2 JP3250675 B2 JP 3250675B2 JP 14852892 A JP14852892 A JP 14852892A JP 14852892 A JP14852892 A JP 14852892A JP 3250675 B2 JP3250675 B2 JP 3250675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルコール、アルデヒ
ド、またはケトンを対応するアミンに高収率で変換する
ためのアミン製造用担持触媒組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】アルコー
ル、アルデヒド、またはケトン(これらを以後、被アミ
ノ化原料と呼ぶ場合がある)を水素および原料アミンの
存在下にアミノ化して対応するアミンに変換するにあた
り、従来より周期律表第8族元素である銅、ニッケル、
パラジウム、白金等の水素化・脱水素化触媒が使用され
ている。これらの触媒の使用温度は、銅、ニッケル系触
媒で160〜220℃、パラジウム、白金系触媒で10
0〜150℃と高温であるため、被アミノ化原料が特に
熱的に不安定である場合には副反応が併発しやすく必ず
しも満足のいくものが得られないのが現状である。
【0003】また、従来より一般に使用されている水素
化・脱水素化触媒である銅、ニッケル、コバルト等の単
一成分触媒、もしくは銅/ニッケル等の2成分触媒は、
触媒担体のいかんにかかわらず、被アミノ化原料の極性
が大で水溶性である場合、もしくは被アミノ化原料を水
中でアミノ化する場合にはその触媒活性は極めて低いも
のである。さらに、これらの元素のラネー型触媒につい
ても触媒活性は低いものである。
【0004】例えば、本発明者等は先に特開昭54−1
25603号公報、特開昭55−111446号公報お
よび特開昭56−43248号公報において、脂肪族長
鎖アルコールを銅および/またはニッケル系水素化・脱
水素化触媒の存在下、水素および原料アミン(アンモニ
ア、ジメチルアミン、もしくはモノメチルアミン等)を
用いてアミノ化反応を行い、対応する3級アミンである
N,N−ジメチル長鎖アルキルアミン、N,N−長鎖ジ
アルキルメチルアミンを製造する技術を開示したが、こ
れらの銅および/またはニッケル系水素化・脱水素化触
媒では水中でのアミノ化反応を実施することは出来な
い。また、還元アミノ化反応に一般に使用されているパ
ラジウム、白金等の単一金属から成る貴金属触媒も、ア
ミノ化反応を水中で実施する場合には同様に十分な触媒
活性は発現出来ないものと従来考えられてきた。
【0005】さらに、被アミノ化原料が1級および/ま
たは2級水酸基を複数固有する多水酸基化合物(例え
ば、糖類等)、あるいは被アミノ化原料が種々の置換基
(1級水酸基、2級水酸基、アルデヒド基、カルボニル
基)を有する特殊構造である場合には、従来の水素化・
脱水素化触媒では十分にアミノ化反応を進行せしめるこ
とが出来ないのが現状である。従って、低温での触媒活
性が大で副反応が少なく、且つ水溶性被アミノ化原料、
あるいは多水酸基化合物や種々の置換基を有する特殊構
造の被アミノ化原料を用いる場合にも適用出来、さらに
これらを水中でアミノ化することも可能な高活性なアミ
ン製造用担持触媒組成物の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決し得る高活性なアミン製造用担持触媒組成物を開発
する目的で、特定の触媒成分を担持させることに着目
し、周期律表第8族元素のアミノ化反応(または還元ア
ミノ化反応)における基本触媒活性を詳細に比較検討す
ると共に、前記元素を組み合わせることによる相乗効果
発現について鋭意探索した。即ち、本発明者は、貴金属
触媒における基本触媒活性を詳細に比較検討した結果、
周期律表第8族元素であるパラジウム(Pd)、白金
(Pt)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)およ
びイリジウム(Ir)等の元素を二種以上併用し、反応
温度、反応圧力等の反応条件を最適化することにより、
被アミノ化原料のアミノ化反応を水中においても効率よ
く実施し得る触媒活性を有することを見い出し、本発明
を完成するに到った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、パラジウム、白
金、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群
から選ばれる二種以上の成分を触媒成分として単一の担
体に担持させてなる触媒、あるいはパラジウム担持触
媒、白金担持触媒、ロジウム担持触媒、ルテニウム担持
触媒およびイリジウム担持触媒よりなる群から選ばれる
二種以上の担持触媒を混合してなる混合触媒、であるこ
とを特徴とするアルコール、アルデヒドまたはケトンを
対応するアミンに変換するためのアミン製造用担持触媒
組成物に関する。
【0008】本発明のアミン製造用担持触媒組成物にお
いて用いる触媒は、Pd、Pt、Rh、RuおよびIr
よりなる群から選ばれる二種以上の触媒元素を併用する
ことにより、触媒活性を向上させることができる。2成
分触媒の組合せとしては、Rh・Pt、Rh・Pd、R
h・Ru、Rh・Ir、Pt・Pd、Pt・Ru、Pt
・Ir、Pd・Ru、Pd・Ir、Ru・Ir等が好ま
しい組合せとして挙げられる。また、なかでもRh・P
d、Rh・Pt、Pt・Ir、Rh・Ru、Ru・Pd
の組み合わせが、著しい触媒活性の向上を示すものとし
て挙げられ、特にRh・Pd、Rh・PtおよびRu・
Pdが有効である。本発明においては、この2成分触媒
を基本触媒としてPd、Pt、Rh、RuおよびIrの
なかで2成分触媒として用いた元素以外のものを、第3
成分として併用することによって触媒活性をさらに向上
させ得る場合がある。このような3種の触媒元素を併用
する場合(3成分触媒)としては、Rh・Pt・Pd、
Rh・Pt・RuおよびPd・Pt・Ruの組み合わせ
が特に有効である。さらに、3成分触媒として用いた元
素以外のものを第4成分等として用いたり、第3成分や
第4成分等として前記のような触媒元素以外のコバル
ト、ニッケル、銅、銀、金等を適宜用いて3種以上の多
成分触媒としてもよい。また、白金含有触媒を硫黄で被
毒して使用することも有効である。
【0009】なお、本発明における触媒は担持触媒とし
て使用する。触媒担体としては活性炭、アルミナ、シリ
カおよびゼオライトよりなる群から選ばれる一種以上の
担体が使用され、好ましくは高表面積を有する活性炭が
使用される。また、その他にもモレキュラーシーブ等、
通常の触媒担体が使用される。
【0010】活性炭の物性としてはBET比表面積、細
孔容積、灰分含量等が重要であり、これらの物性が特定
の範囲にあるものを使用するのが好ましい。BET比表
面積は触媒成分の高分散性に多大な影響を与えるため、
300m2 /g以上であることが必要であり、好ましく
は600m2 /g以上、更に好ましくは1000m2
g以上、とりわけ1200m2 /g以上であることが最
も好ましい。BET比表面積が300m2 /g未満であ
る場合は、アミノ化反応を効率よく進めることができな
い。活性炭の細孔容積は0.3cc/g〜1.5cc/
g程度のものが好ましく、この範囲外では触媒活性が低
下する場合がある。灰分含量は出来るだけ少ないものが
好ましい。具体的には15重量%以下であることが望ま
しく、これより多い場合には触媒活性が低下することが
ある。好ましくは5重量%以下、更に好ましくは2重量
%以下であることが望ましい。
【0011】触媒担体としての活性炭は、ヤシ殻、石炭
系、ピート炭系もしくは石油ピッチ系等のいずれの原料
に由来するものでもよいが、強熱残分もしくは灰分含量
の低いヤシ殻系や石油ピッチ系が特に有効である。ま
た、活性炭は水蒸気賦活もしくは薬品賦活のいずれの方
法で賦活したものでもよいが、賦活効果の高い薬品賦活
の方が担体として有効な場合がある。
【0012】本発明で使用する触媒担体としての活性炭
は、市販のものをそのまま使用することも出来るが、適
当な前処理、例えば酸処理等により細孔分布を調整した
り灰分を低減した後に使用しても構わない。本発明で使
用する市販の粒状および粉末活性炭としては例えば、武
田薬品工業(株)の粒状白鷺シリーズ(WH、Sx、K
L)およびカルボラフィンを代表とする粉末活性炭、日
本ノリット(株)製の粒状活性炭(ROX、RAX、D
ARCO、C、ELORIT等)および粉末品の(AZ
O、PN、ZN等)、呉羽化学工業(株)のビーズ状成
形活性炭(BAC)、大阪ガス社製の超高表面積を有す
るスーパー活性炭が挙げられる。アルミナはγアルミナ
が有効である。その他、シリカ、ゼオライト、モレキュ
ラーシーブ等は通常のものを使用することができる。
【0013】本発明のアミン製造用担持触媒組成物を調
製するにあたり、その触媒原料としては一般の金属塩を
使用することが可能であり、具体的には、触媒成分Rh
の原料として塩化ロジウム、酢酸ロジウム、ロジウムア
セチルアセトン、硝酸ロジウムが挙げられる。触媒成分
Ptの原料として塩化白金酸が挙げられる。触媒成分P
dの原料として塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸
パラジウム、パラジウムアセチルアセトンが挙げられ
る。触媒成分Ruの原料として塩化ルテニウム、ルテニ
ウムアセチルアセトンが挙げられる。触媒成分Irの原
料として塩化イリジウム、硝酸イリジウム、イリジウム
アセチルアセトンが挙げられる。また、本発明において
はさらにコバルト、ニッケル、銅、銀、金等を併用する
ことができるが、これらの原料としては塩化コバルト、
酢酸コバルト、硝酸コバルト、コバルトアセチルアセト
ン、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニッ
ケルアセチルアセトン、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅、銅ア
セチルアセトン、硝酸銀、塩化銀、酢酸銀、塩化金等が
挙げられる。
【0014】本発明のアミン製造用担持触媒組成物は、
前記のような二種以上の触媒成分を単一の担体に担持さ
せて得られるもの、あるいは各触媒元素の担持触媒を二
種以上混合してなる混合触媒とする二種の態様がある。
本発明のアミン製造用担持触媒組成物として、二種以上
の触媒成分を単一の担体に担持させるには、通常の含浸
法、共含浸法、共沈法、イオン交換体等の公知の方法に
よって容易に調製することが出来る。例えば、活性炭を
担体とするRh・Pd2成分触媒を共沈法によって調製
するには、塩化パラジウムと塩化ロジウムの均一な塩酸
酸性水溶液を作り、これを室温にて活性炭に担持させ
る。担持処理終了後、水溶液を除去することなく、苛性
アルカリ水溶液を添加して塩基性にし触媒成分を水酸化
物の沈澱にし担体上に固定させる。その後、ホルマリ
ン、ソジウムボロハイドライド、ヒドラジン等の還元剤
で触媒成分の還元処理を行い、水洗後濾過して使用す
る。得られた触媒は、含水品のまま使用してもよく、乾
燥品にして使用してもよい。あるいは、触媒成分の担持
処理後、過剰の水溶液を蒸発乾固させて乾燥させ、水素
還元を行って触媒の活性化を行ってもよい。なお、上記
の担持方法において、二種以上の担体を同時に用いて担
持させ、各々の単一担体に二種以上の触媒成分を担持さ
せてもよい。また、本発明のアミン製造用担持触媒組成
物として、各触媒元素の担持触媒を二種以上混合して混
合触媒とするには、パラジウム担持触媒、白金担持触
媒、ロジウム担持触媒、ルテニウム担持触媒およびイリ
ジウム担持触媒より適宜所望の担持触媒を二種以上を物
理的に混合し、所定の組成比となるよう調製することに
より容易に得ることができる。また、二種以上の所望の
担持触媒を、別々に反応系に仕込んで用いてもよい。
【0015】触媒成分を複数個併用する場合の触媒元素
間の組成比は、元素の組合せによって異なるが、Rh・
Pd2成分触媒の場合、Rh/Pdは重量比で、好まし
くは10〜0.0001、特に好ましくは1〜0.00
01である。Pdに対するRhの比率が小である程触媒
活性も大となるが、比率が小さくなり過ぎてRh/Pd
が重量比で0.0001未満になるとPd単独の場合と
触媒活性が変わらず、複合化による相乗効果が認められ
ない。一方、Pdに対するRhの比率が大きくなりRh
/Pdが重量比で10を越すと、生成物の分解を併発し
やすくなりコスト的にも不利になる。またRu・Pd2
成分触媒の場合も同様の範囲が好ましい。
【0016】一方、Rh・Pt2成分触媒の場合、Rh
/Pt重量比で、好ましくは10〜0.001、特に好
ましくは1〜0.001である。Ptに対するRhの比
率が小である程触媒活性も大となるが、比率が小さくな
り過ぎてRh/Ptが重量比で0.001未満になると
Pt単独の場合と触媒活性がかわらず、併用による相乗
効果が認められない。一方、Ptに対するRhの比率が
大きくなりRh/Ptが重量比で10を越すと、生成物
の分解を併発しやすくなりコスト的にも不利になる。
【0017】さらに、2成分触媒であるRh・Pd、R
h・PtもしくはRu・Pdを基本触媒としてそれに該
2成分触媒以外の成分(Pt,Pd,Ir,Rh,R
u)、あるいはコバルト、ニッケル、銅、銀、金等の成
分を1種以上併用する場合も、Rh/Pd、Rh/Pt
およびRu/Pdの重量比は上記の範囲内にあるのが望
ましい。
【0018】本発明のアミン製造用担持触媒組成物であ
るRh・Pd、Rh・Pt、Rh・Ir、Ru・Pd、
Ru・Pt、Ru・Ir等の2成分触媒、Rh・Pt・
Pd、Ru・Pt・Pd、Rh・Ru・Pt、Rh・R
u・Pd等の3成分触媒においてPdはその著しい水素
吸蔵性を発現してアミノ化反応中の脱水素工程を促進さ
せる。一方、Rh、Ruは水素スピルオーバー効果を発
現してアミノ化反応の水素化分解工程を顕著に促進させ
る。そして、かかる2つの機能が複合化することにより
特に著しい触媒活性の向上が達成される。本発明のアミ
ン製造用担持触媒組成物においてRh、Ru由来のスピ
ルオーバー効果及び/またはPd由来の水素吸蔵性を発
現させるには、これら触媒元素から成る単一成分担持触
媒を物理的に混合して使用することにより容易に達成さ
れる。あるいはこれらの触媒元素を単一の担体に担持さ
せる調製の段階でRh、Ru、Pdを均一溶液として混
合使用してもかかる効果を発現させることが出来る。か
かる、水素吸蔵性及び/またはスピルオーバー効果は4
成分以上から成る触媒組成物においても同様に発現させ
ることができる。
【0019】担持触媒中の触媒成分担持量は、30〜
0.1重量%、好ましくは10〜0.5重量%である。
担持量が30重量%を越すと触媒活性が逆に低下する。
また担持量が0.1重量%未満では触媒活性は十分に発
現できない。
【0020】本発明においては被アミノ化原料としての
アルコール、アルデヒド、もしくはケトンを原料アミン
とし、水素の存在下、本発明のアミン製造用担持触媒組
成物を用いてアミノ化させる。本発明のアミン製造用担
持触媒組成物は、被アミノ化原料が一般のアルコール
類、アルデヒド類、ケトン類に適用可能であるが、さら
に、この被アミノ化原料が、カルボキシル基、アミノ基
等の置換基を1種以上有する化合物にも適用できる。ま
た、水中で還元アミノ化もしくはアミノ化反応を実施す
る場合、本発明のアミン製造用担持触媒組成物は顕著な
効果を発現する。
【0021】本発明のアミン製造用担持触媒組成物を適
用する被アミノ化原料としては、グリセリン酸、乳酸、
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、ブタノール、オクタ
ノール、ラウリルアルコール、ベンジルアルコール、ソ
ルビトール等のアルコール;グリセルアルデヒド、グル
コース、アセトアルデヒド等のアルデヒド;ジヒドロキ
シアセトン、ヒドロキシピルビン酸、ソルボース、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトンが挙げられる。さ
らにこれらの化合物が種々の置換基を有するものでもよ
い。
【0022】一方、原料アミンとしては、特に限定され
るものではなく例えばアンモニア、メチルアミン、ジメ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ブチルア
ミン、ジメチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミ
ン、ラウリルアミン等を使用することができる。
【0023】本発明のアミン製造用担持触媒組成物の存
在下に行われるアミノ化反応は、被アミノ化原料がアル
コール、アルデヒド、およびケトンの場合、それぞれ以
下の反応式(1)〜(3)に示される通りである。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】なお、本発明のアミン製造用担持触媒組成
物の存在下に行われるアミノ化反応において、水素化分
解工程で水素が必要となるので、この過程でバルクに水
素の供給をしておく必要がある。しかしながら、被アミ
ノ化原料がアルコールの場合は脱水素工程で水素が生成
し、この水素が触媒金属に吸着もしくは金属水素化物を
形成し、水素化分解工程でバルクに供給される水素より
優先的に使用される。従って、被アミノ化原料がアルコ
ールの場合、反応条件によってはバルクに水素の供給を
しなくてもアミノ化反応が進行する場合がある。被アミ
ノ化原料に対する水素のモル比〔水素/被アミノ化原
料〕は、適宜調節されるが、通常0.1〜400の範囲
で行なわれる。
【0028】本発明のアミン製造用担持触媒組成物を使
用して還元アミノ化反応、もしくはアミノ化反応を実施
するにあたり、被アミノ化原料を無溶媒系で使用しても
よいし、還元アミノ化反応、もしくはアミノ化反応を受
けない適当な溶媒で希釈して使用してもよい。溶媒を使
用する場合、溶媒としては水が特に有効である。本発明
のアミノ化反応においては、まず反応器に被アミノ化原
料と触媒を添加し、原料アミンが気体の場合は例えば、
ガス導入管を通して原料アミンを反応器内にバブリング
導入し、原料アミンが液体の場合は、反応器内に滴下す
ればよい。被アミノ化原料に対する原料アミンの使用量
は、被アミノ化原料によって異なり、適宜調整される
が、〔アンモニア/被アミノ化原料〕のモル比で通常
0.1〜50の範囲であればよい。
【0029】本発明のアミン製造用担持触媒組成物を使
用してアミノ化反応を実施するにあたり、反応は水素加
圧下に行うのが好ましく、その際被アミノ化原料の構造
に応じて、圧力を調整するのがよい。即ち、被アミノ化
原料がアルデヒド、またはケトンである場合には反応式
(2)および(3)からも明らかなようにアミノ化反応
中に水素の共存が必要であるため、反応圧力(水素圧)
は通常、200気圧〜0.1気圧、好ましくは120気
圧〜0.3気圧、特に好ましくは50気圧〜0.5気圧
の範囲に設定するのがよい。反応圧力が200気圧を越
すと分解反応が顕著となり収率が低下する。また、反応
圧力が0.1気圧以下になると反応速度が小さくなり実
用的ではなくなる。一方、被アミノ化原料がアルコール
の場合には、反応式(1)からも、明らかなように反応
に脱水素工程があるため、前記のように水素の供給をし
なくてもよい場合があるが、反応速度を向上させるには
水素加圧下で行うのが好ましい。この場合、反応圧力は
150気圧〜0.1気圧が好ましく、さらに好ましくは
100気圧〜0.3気圧、特に好ましくは30気圧〜
0.5気圧である。反応圧力が150気圧を越すと、ア
ルコールの脱水素工程が大きく影響を受け、その結果反
応速度が低下する。また、反応圧力が0.1気圧より低
いと水素化分解工程が大きく低下し、全体としての反応
速度が低下し実用的ではなくなる。
【0030】反応温度は被アミノ化原料の融点とのかね
合いがあるが、通常、0〜200℃の範囲であればよ
く、好ましくは0〜100℃程度、さらに好ましくは2
0〜80℃程度が望ましい。反応温度が200℃を越す
と、副反応が顕著となり収率が低下する。また、反応温
度が0℃より低くなると、反応速度が低過ぎるため実用
的ではなくなる。反応時間は反応温度によっても異なる
が、通常1〜20時間であり、適宜調節される。
【0031】本発明のアミン製造用担持触媒組成物を用
いたアミノ化反応は、触媒担体が粉末の場合は回分反応
器もしくは流動床反応器、インジェクター反応器等に使
用することができ、成形品もしくは破砕品等の粒状担体
の場合は固定床反応器に使用することができる。本発明
のアミン製造用担持触媒組成物を用いたアミノ化反応の
触媒は、回分式反応器でも連続式反応器でも使用するこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 0.5リットルのオートクレーブに10%グリセリン酸
水溶液を300g、5%ロジウム担持活性炭触媒を乾燥
品換算で0.40g、5%パラジウム担持活性炭触媒を
乾燥品換算で7.5gおよび28%アンモニア水を18
g仕込んだ。担体として用いた活性炭は、BET比表面
積1250m2 /g、細孔容積0.36cc/g、灰分
含量0.5重量%の性状のものである。なお、実施例2
〜7においてもこの活性炭を担体として用いた。攪拌速
度1000rpmで、60℃、6kg/cm2 (ゲージ
圧)の水素圧下、6時間、アミノ化反応を行なった。反
応終了後、反応混合物より触媒を分離して得られる生成
物を高速液体クロトグラフィー(HPLC)とアミノ酸
アナライザーで分析した。その結果、対応するアミンで
あるセリンの収率(モル%)は68.9%であった。
【0033】なお、HPLCの分析条件は以下の通りで
あり、以下の実施例においてはすべて同様の分析条件で
行なった。 機器:日立製、高速液体クロマトグラフィー(L−60
00型) 充填剤:ポリスルホン酸系 C−610S カラム:7.8mmφ×300mmL 溶離液:水0.5ml/min 圧力:15kgf/cm2 カラム温度:60℃ 検出器:屈折率検出器(L−3300型)
【0034】実施例2 実施例1と同一の反応条件で、Rh・Pd2成分触媒と
して5%ロジウム担持活性炭触媒を乾燥品換算で0.4
0gに5%パラジウム担持活性炭触媒を乾燥品換算で
7.5g添加しアミノ化反応を行なった。反応終了後、
反応混合物より触媒を分離して得られる生成物を高速液
体クロトグラフィー(HPLC)とアミノ酸アナライザ
−で分析した。その結果、セリンの収率(モル%)は8
0.1%であった。
【0035】実施例3 塩化パラジウム0.31gおよび塩化ロジウム0.38
gを1規定塩酸100ccに均一溶解させ、これに10
0torr、120℃で5時間乾燥した活性炭7.1g
を添加し、室温で5時間担持処理を行った。その後、1
規定水酸化ナトリウムでpH11以上にして35%ホル
マリン水溶液2mlを添加して、80℃で30分還元処
理を行った。還元触媒はイオン交換水でpH7になるま
で水洗して活性炭に担持させたPd・Rh2成分触媒を
得た。得られた還元触媒を濾過し、かかる触媒を全量添
加して実施例1と同一の反応条件で同様に反応を行った
ところ、セリンの収率は82.5%であった。また担持
処理終了後、過剰の水溶液を分離除去し乾燥後、水素気
流下に300℃で、1時間還元処理を行った。この触媒
を使用して同様にアミノ化反応を実施したところ、セリ
ンの収率は73.8%であった。
【0036】実施例4 0.5リットルのオートクレーブに10%プロピオンア
ルデヒド水溶液を300g、Rh・Pd2成分触媒とし
て5%ロジウム担持活性炭触媒を乾燥品換算で0.4g
および5%パラジウム担持活性炭触媒を乾燥品換算で
7.5g、および28%アンモニア水を18g仕込み、
攪拌速度1000rpmで、60℃、6kg/cm2
水素圧下、6時間、アミノ化反応を行った。反応終了
後、反応混合物より触媒を分離して得られる生成物を高
速液体クロトグラフィー(HPLC)とアミノ酸アナラ
イザーで分析した。その結果、プロピルアミンの収率
(モル%)は73%であった。
【0037】実施例5 0.5リットルのオートクレーブに10%アセトン水溶
液を300g、Ru・Pd2成分触媒として5%ルテニ
ウム担持活性炭触媒を乾燥品換算で0.4gおよび5%
パラジウム担持活性炭触媒を乾燥品換算で7.5g、お
よび28%アンモニア水を18g仕込み、攪拌速度10
00rpmで、60℃、6kg/cm2の水素圧下、6
時間、アミノ化反応を行った。反応終了後、反応混合物
より触媒を分離して得られる生成物を高速液体クロトグ
ラフィー(HPLC)とアミノ酸アナライザーで分析し
た。その結果、2−プロピルアミンの収率(モル%)は
60%であった。
【0038】実施例6 0.5リットルのオートクレーブに10%ジヒドロキシ
アセトン水溶液を300g、Rh・Pt2成分触媒とし
て5%ロジウム担持活性炭触媒を乾燥品換算で0.4g
および5%白金担持活性炭触媒を乾燥品換算で7.5
g、および28%アンモニア水を18g仕込み、攪拌速
度1000rpmで、60℃、6kg/cm2 の水素圧
下、6時間、アミノ化反応を行なった。反応終了後、反
応混合物より触媒を分離して得られる生成物を高速液体
クロトグラフィー(HPLC)とアミノ酸アナライザー
で分析した。その結果、セリノールの収率(モル%)は
98.9%であった。
【0039】実施例7 実施例1と同一の反応条件で、Rh・Pd・Pt3成分
触媒として5%ロジウム担持活性炭触媒を乾燥品換算で
0.40g、5%パラジウム担持活性炭触媒を乾燥品換
算で3.75g、および5%白金担持活性炭触媒を乾燥
品換算で3.75g添加しアミノ化反応を行った。反応
終了後、反応混合物より触媒を分離して得られる生成物
を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とアミノ酸
アナライザーで分析した。その結果、セリンの収率(モ
ル%)は92.3であった。
【0040】実施例8 実施例1において5%ロジウム担持活性炭触媒のかわり
にアルミナとしてγ−アルミナを用いた5%ロジウム担
持アルミナ触媒を0.40g仕込み、5%パラジウム担
持活性炭触媒の量およびその他の条件は全て実施例1と
同一条件でアミノ化反応を行った。その結果、対応する
アミンであるセリンの収率(モル%)は62.0%であ
った。
【0041】
【発明の効果】本発明により、低温かつ水中という条件
下でも反応を十分に行うことが可能であり、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類等の被アミノ化原料のアミ
ノ化反応に適用出来る高活性なアミン製造用担持触媒組
成物を提供することが可能となった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウ
    ムおよびイリジウムよりなる群から選ばれる二種以上の
    成分を触媒成分として単一の担体に担持させてなる触
    媒、あるいはパラジウム担持触媒、白金担持触媒、ロジ
    ウム担持触媒、ルテニウム担持触媒およびイリジウム担
    持触媒よりなる群から選ばれる二種以上の担持触媒を混
    合してなる混合触媒、であることを特徴とするアルコー
    ル、アルデヒドまたはケトンを対応するアミンに変換す
    るためのアミン製造用担持触媒組成物。
  2. 【請求項2】 担体が活性炭、アルミナ、シリカおよび
    ゼオライトよりなる群から選ばれる一種以上の担体であ
    る請求項1記載のアミン製造用担持触媒組成物。
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