JPH05201940A - セリン又はその誘導体の製造方法 - Google Patents

セリン又はその誘導体の製造方法

Info

Publication number
JPH05201940A
JPH05201940A JP4162156A JP16215692A JPH05201940A JP H05201940 A JPH05201940 A JP H05201940A JP 4162156 A JP4162156 A JP 4162156A JP 16215692 A JP16215692 A JP 16215692A JP H05201940 A JPH05201940 A JP H05201940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
supported
reaction
serine
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4162156A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kimura
洋 木村
Koichi Yamada
光一 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP4162156A priority Critical patent/JPH05201940A/ja
Publication of JPH05201940A publication Critical patent/JPH05201940A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウムおよ
びイリジウムよりなる群から選ばれる一種以上の成分を
触媒成分として含有する担持触媒組成物の存在下、グリ
セリン酸をアミノ化することを特徴とするセリン又はそ
の誘導体の製造方法。 【効果】本発明の製造方法により、低温および水中とい
った条件でもグリセリン酸を原料とするアミノ化反応を
効率よく行って、対応するアミンであるセリン又はその
誘導体を高収率で得ることが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリセリン酸をアミノ化
して対応するアミンであるセリン又はその誘導体に高収
率に変換するためのセリン又はその誘導体の製造方法に
関するものであり、生成されるセリン又はその誘導体は
医薬品、アミノ酸の中間原料、保湿剤、界面活性剤とし
て極めて重要である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】アミ
ノ酸の製造方法には化学合成法と生化学的方法(微生
物、酵素利用)があり、前者は高生産性、後者は高選択
性(L体のみの選択的生産)にその特徴がある。しか
し、近年、高生産性、経済性等を達成すべく化学合成法
によるアミノ酸の製造研究が精力的に進められている。
例えば、グリシンを初めとして、DL−アラニン、DL
−メチオニン、DL−トリプトファン、DL−セリン等
が化学合成法によって製造されている。その中でも特に
セリンは生化学的手法による生産は困難であり、純度の
点でも問題があるため化学合成法による積極的な製造研
究が進められている。セリンはそれ単独では、アミノ酸
製剤としての医薬品、湿潤効果を目的とした化粧品用添
加剤、さらに食品及び飼料用原料としての用途がある
が、セリンの最も重要な用途はそれが他のアミノ酸製造
時の出発原料として使用されることである。例えば、ト
リプトファン、シスチン、システイン、チロシン及びド
ーパー等はいずれもセリンを原料として生化学的方法に
よって製造することが出来る。
【0003】アミノ酸の製造においては、目的とするア
ミノ酸の中間原料までは高生産性の化学合成法を、中間
原料から目的のアミノ酸までは高選択性の生化学的方法
を採用するという、両者のメリットを最大限に生かした
複合手法をとるのが合理的である。セリンの化学的製造
法は公開公報に数多く見られるが、いずれもその出発原
料は特殊で高価なものが多く出発原料としては一般的で
ないのが現状である。例えば特開昭56−83454号
公報と特開昭57−192346号公報には、アジリジ
ン−2−カルボン酸を原料にして、これを強酸性カチオ
ン交換樹脂に通すことからなるDL−セリンの製造方法
が記載されているが、アジリジンは出発原料としては特
殊で高価な原料である。また、特開昭56−83458
号公報、特開昭60−34936号公報には、α−ハロ
ゲノ−β−アミノプロピオニトリルを原料にして、これ
を強酸性カチオン交換樹脂に通すことからなるDL−セ
リンの製造方法が記載されているが、この場合も特殊で
高価な出発原料を使用しており一般的ではない。また、
特開昭60−34937号公報にはβ−ハロゲノアラニ
ンを原料とするセリンの製造方法が記載されているが、
この場合も出発原料が特殊で高価であり一般的ではな
い。
【0004】以上のことから明らかなように、従来の化
学合成法によるセリンの製造方法はいずれも特殊な原
料、もしくは高価な出発原料を使用しており、さらに排
水処理の点でも多大な付加がかかるため必ずしも経済的
な製造方法ではない。従って、当業界では容易に入手出
来る安価な原料からのセリンの製造方法の開発が望まれ
ている。
【0005】また、グリセリン酸をアミノ化して対応す
るアミンであるセリン又はその誘導体に変換する方法を
採用する場合、従来の銅・ニッケル系の水素化・脱水素
化触媒を使用しても効率よく反応を進行させることが出
来ないという大きな問題があった。また、アミノ化反応
を水中で実施する場合にも従来の銅・ニッケル系触媒で
は反応を進行させることは困難である。さらに、従来の
銅・ニッケル系触媒は160〜220℃で好ましい触媒
活性を示すが、充分な触媒活性を得るためにさらに反応
温度を上げて触媒を使用することは、熱的に不安定なセ
リン又はその誘導体を製造する場合には異性化や分解を
伴うため、事実上効率的に反応を進行させることが困難
であるのが実情である。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、低
温での触媒活性に優れ副反応が少なく、かつ水中でもア
ミノ化反応が効率よく進行し得る触媒について鋭意検討
した結果、特定の触媒を使用することにより極めて高収
率に、グリセリン酸を対応するアミンであるセリン又は
その誘導体に変換出来ることを見い出した。即ち、本発
明者らは前述の問題点を解決するために本発明に用いら
れる触媒の開発を進めるにあたり、まず周期律表第8族
の貴金属元素であるパラジウム(Pd)、白金(P
t)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)およびイ
リジウム(Ir)の基本触媒活性について検討した。さ
らにこれらの元素を複数個併用することによる相乗効果
について検討した。その結果、温和な条件でグリセリン
酸をアミノ化剤の存在下に本発明に用いる担持触媒組成
物を適用してアミノ化反応を実施すると、対応するアミ
ンであるセリン又はその誘導体を高収率に与えることを
見い出した。しかも、この条件においては、従来困難で
あった水中におけるアミノ化反応を効率よく進行させる
ことができることを見い出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0007】即ち、本発明は、パラジウム、白金、ロジ
ウム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群から選ば
れる一種以上の成分を触媒成分として含有する担持触媒
組成物の存在下、グリセリン酸をアミノ化することを特
徴とするセリン又はその誘導体の製造方法に関する。
【0008】本発明における担持触媒組成物とは、触媒
成分と触媒担体から構成される組成物であるが、該触媒
組成物において、触媒成分としては、Pd、Pt、R
h、RuおよびIrよりなる群から選ばれる一種以上の
触媒元素を指す。本発明における担持触媒組成物におい
て、一種の触媒元素よりなる場合(1成分触媒)、前記
の各種の触媒元素のいずれであってもよい。しかし、本
発明においては、これらの触媒元素の中から二種以上の
触媒元素を併用することにより、さらに触媒活性を向上
させることができる。
【0009】2成分触媒の組合せとしては、Rh・P
t、Rh・Pd、Rh・Ru、Rh・Ir、Pt・P
d、Pt・Ru、Pt・Ir、Pd・Ru、Pd・I
r、Ru・Ir等が挙げられ、特に限定されるものでは
ないが、なかでも本発明においては、Pdを主成分とし
てRh、Pt、RuまたはIr等の触媒と併用すること
により、これら単一成分を触媒として用いる場合に比べ
さらに触媒活性が向上する。また、Ptを主成分として
Rh、Pd、RuまたはIrと併用しても、Pdに他の
触媒を併用した場合と同様に、触媒活性を大幅に向上さ
せることができる。具体的には、Pd・Rh、Pd・R
u、Pd・Ir、Pt・Rh、Pt・Ru、Pt・Ir
が好適なものとして挙げられる。また、さらに好ましく
は特にPd・Rh、Pd・Ru、Pt・Rh、Pt・R
uの組合せが極めて高い触媒活性を示すものとして挙げ
られる。この場合、経済的観点からPdを微量のRhも
しくはRuと併用した触媒組成物あるいはPtを微量の
RhもしくはRuと併用した触媒組成物が特に有効であ
る。
【0010】本発明においては、この2成分触媒を基本
触媒としてPd、Pt、Rh、RuおよびIrのなかで
2成分触媒として用いた元素以外のものを、第3成分と
して併用することによって触媒活性をさらに向上させ得
る場合がある。このような3種の触媒元素を併用する場
合(3成分触媒)としては、例えば、Pd・Pt・R
h、Pd・Pt・Ru、Rh・Pt・RuおよびRh・
Pd・Ru等が有効である。また、第3成分としてこれ
らの他に希土類元素、銅、ニッケル、コバルト、銀、金
等を一種以上併用することにより触媒活性と触媒耐久性
が向上することがある。さらに適宜3成分以上の多成分
触媒としてもよい。これらの3成分ないし多成分触媒は
グリセリン酸のアミノ化反応を特に水中で実施する場合
において、従来の触媒のもつ活性機能を圧倒的に上回る
ことができる。
【0011】本発明で用いられる担持触媒組成物中の触
媒担体としては通常使用される、例えば活性炭、アルミ
ナ、シリカおよびゼオライトからなる群から選ばれる一
種以上が用いられる。また、その他にもモレキュラーシ
ーブ等を挙げることが出来る。中でも活性炭は、特に高
分散触媒を調製できる点で有効である。なお、活性炭を
用いる場合、高表面積を有するものが好ましくその物性
として、BET比表面積、細孔容積、灰分含量等が特定
の範囲にあるものを使用するのが好ましい。BET比表
面積は触媒成分の高分散性に多大な影響を与えるため、
300m2 /g以上であれば良く、好ましくは600m
2 /g以上、更に好ましくは1000m2 /g以上が良
く、特に好ましくは1200m2 /g以上である。BE
T比表面積が300m2 /g未満の場合は、本発明の反
応を効率よく進めることができない。また、活性炭の細
孔容積は0.3cc/g〜1.5cc/g程度のものが
好ましく、この範囲以外では触媒活性が低下する場合が
ある。灰分含量は出来るだけ少ないものが望ましく、1
5重量%以下であればよい。好ましくは5重量%以下、
更に好ましくは2重量%以下であり、15重量%を超え
る場合には触媒活性が低下することがある。
【0012】触媒担体として活性炭を用いる場合、ヤシ
殻、石炭系、ピート炭系、もしくは石油ピッチ系等のい
ずれの原料に由来するものでも構わないが、とりわけ強
熱残分もしくは灰分含量の低いヤシ殻系や石油ピッチ系
が有効である。また、活性炭は水蒸気賦活もしくは薬品
賦活のいずれの方法で賦活したものでもよいが、賦活効
果の高い薬品賦活の方が担体として有効な場合がある。
本発明で使用する触媒担体としての活性炭は、市販のも
のをそのまま使用することも出来るが、適当な前処理、
例えば酸処理等により細孔分布を調整したり灰分を低減
した後に使用してもよい。本発明で使用する市販の粒状
および粉末活性炭としては、例えば武田薬品工業(株)
の粒状白鷺シリーズ(WH,Sx,KL)およびカルボ
ラフィンを代表とする粉末活性炭、日本ノリット(株)
製の粒状活性炭(ROX,RAX,DARCO,C,E
LORIT等)および粉末品の(AZO,PN,ZN
等)、呉羽化学工業(株)のビーズ状成形活性炭(BA
C)、大阪ガス社製の超高表面積を有するスーパー活性
炭が挙げられる。アルミナはγアルミナが有効である。
その他、シリカ、ゼオライト、モレキュラーシーブ等を
触媒担体として使用する場合は、通常のものを使用する
ことが出来る。
【0013】本発明における担持触媒組成物を調製する
にあたり、触媒成分Rhの原料としては、塩化ロジウ
ム、酢酸ロジウム、ロジウムアセチルアセトン、硝酸ロ
ジウム及びロジウムのアンモニア錯体等が挙げられる。
触媒成分Ptの原料としては、塩化白金酸および白金の
アンモニア錯体等が挙げられる。触媒成分Pdの原料と
しては、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジ
ウム、パラジウムアセチルアセトン及びパラジウムのア
ンモニア錯体等が挙げられる。触媒成分Ruの原料とし
ては、塩化ルテニウム、ルテニウムアセチルアセトン及
びルテニウムのアンモニア錯体等が挙げられる。触媒成
分Irの原料としては、塩化イリジウム、硝酸イリジウ
ム、イリジウムアセチルアセトン等が挙げられる。本発
明における触媒にさらにコバルト、ニッケル、銅、銀、
金等を併用することにより触媒活性が向上することがあ
るが、この場合、触媒成分コバルトの原料としては、酢
酸コバルト、硝酸コバルト、コバルトアセチルアセトン
等を挙げることができる。触媒成分ニッケルの原料とし
ては、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、ニ
ッケルアセチルアセトン等を挙げることができる。触媒
成分銅の原料としては、塩化銅、硝酸銅、酢酸銅、銅ア
セチルアセトン等を挙げることができる。触媒成分銀の
原料としては、硝酸銀、塩化銀、酢酸銀等を挙げること
ができる。触媒成分金の原料としては、塩化金、臭化金
等を挙げることができる。
【0014】本発明における担持触媒組成物は、前記の
ような一種以上の触媒成分を単一の担体に担持させて得
られるもの、あるいは各触媒元素の担持触媒を二種以上
混合してなる混合触媒とする二種の態様がある。本発明
における担持触媒組成物として、一種以上の触媒成分を
単一の担体に担持させるには、通常の含浸法、共含浸
法、共沈法、イオン交換体等の公知の方法によって容易
に調製することが出来る。例えば、活性炭を担体とする
Rh・Pd2成分触媒を共沈法によって調製するには、
塩化パラジウムと塩化ロジウムの均一な塩酸酸性水溶液
を作り、これを室温にて活性炭に担持させる。担持処理
終了後、水溶液を除去することなく、苛性アルカリ水溶
液を添加して塩基性にし触媒成分を水酸化物の沈澱にし
担体上に固定させる。その後、ホルマリン、ソジウムボ
ロハイドライド、ヒドラジン等の還元剤で触媒成分の還
元処理を行い、水洗後濾過して使用する。得られた触媒
は、含水品のまま使用してもよく、乾燥品にして使用し
てもよい。あるいは、触媒成分の担持処理後、過剰の水
溶液を蒸発乾固させて乾燥させ、水素還元を行って触媒
の活性化を行ってもよい。なお、上記の担持方法におい
て、二種以上の担体を同時に用いて担持させ、各々の単
一担体に二種以上の触媒成分を担持させてもよい。
【0015】また、本発明における担持触媒組成物とし
て、各触媒元素の担持触媒を二種以上混合して混合触媒
とするには、パラジウム担持触媒、白金担持触媒、ロジ
ウム担持触媒、ルテニウム担持触媒およびイリジウム担
持触媒より適宜所望の担持触媒を二種以上を物理的に混
合し、所定の組成比となるよう調製することにより容易
に得ることができる。また、二種以上の所望の担持触媒
を、別々に反応系に仕込んで用いてもよい。
【0016】触媒成分を複数個併用する場合の触媒元素
間の組成比は、元素の組合せによって異なるが、Rh・
Pd2成分触媒の場合、Rh/Pdは重量比で、好まし
くは10〜0.0001、特に好ましくは1〜0.00
01である。Pdに対するRhの比率が小である程触媒
活性も大となるが、比率が小さくなり過ぎてRh/Pd
が重量比で0.0001未満になるとPd単独の場合と
触媒活性が変わらず、複合化による相乗効果が認められ
ない。一方、Pdに対するRhの比率が大きくなりRh
/Pdが重量比で10を越すと、生成物の分解を併発し
やすくなりコスト的にも不利になる。またRu・Pd2
成分触媒の場合も同様の範囲が好ましい。一方、Rh・
Pt2成分触媒の場合、Rh/Pt重量比で、好ましく
は10〜0.0001、特に好ましくは1〜0.000
1である。Ptに対するRhの比率が小である程触媒活
性も大となるが、比率が小さくなり過ぎてRh/Ptが
重量比で0.0001未満になるとPt単独の場合と触
媒活性がかわらず、併用による相乗効果が認められな
い。一方、Ptに対するRhの比率が大きくなりRh/
Ptが重量比で10を越すと、生成物の分解を併発しや
すくなりコスト的にも不利になる。またRu・Pt2成
分触媒の場合も同様の範囲が好ましい。
【0017】さらに、2成分触媒であるRh・Pd、R
h・Pt、Ru・PdもしくはRu・Ptを基本触媒と
してそれに該2成分触媒以外の成分(Pt,Pd,I
r,Rh,Ru)、あるいはコバルト、ニッケル、銅、
銀、金等の成分を1種以上併用する場合も、Rh/P
d、Rh/Pt、Ru/PdおよびRu/Ptの重量比
は上記の範囲内にあるのが望ましい。
【0018】本発明における担持触媒組成物であるRh
・Pd、Rh・Pt、Rh・Ir、Ru・Pd、Ru・
Pt、Ru・Ir等の2成分触媒、Rh・Pt・Pd、
Ru・Pt・Pd、Rh・Ru・Pt、Rh・Ru・P
d等の3成分触媒においてPdはその著しい水素吸蔵性
を発現してアミノ化反応中の脱水素工程を促進させる。
一方、Rh、Ruは水素スピルオーバー効果を発現して
アミノ化反応の水素化分解工程を顕著に促進させる。そ
して、かかる2つの機能が複合化することにより特に著
しい触媒活性の向上が達成される。本発明における担持
触媒組成物においてRh、Ru由来のスピルオーバー効
果及び/またはPd由来の水素吸蔵性を発現させるに
は、これら触媒元素から成る単一成分担持触媒を物理的
に混合して使用することにより容易に達成される。ある
いはこれらの触媒元素を単一の担体に担持させる調製の
段階でRh、Ru、Pdを均一溶液として混合使用して
もかかる効果を発現させることが出来る。かかる、水素
吸蔵性及び/またはスピルオーバー効果は4成分以上か
ら成る触媒組成物においても同様に発現させることがで
きる。
【0019】担持触媒組成物における触媒担持量は30
〜0.1重量%、好ましくは10〜0.5重量%であ
る。担持量が30重量%より大ではコスト的にも不利で
あり、触媒活性上特にメリットがない。また、0.1重
量%未満では効率よく反応を進行せしめることができな
い。
【0020】本発明で使用する担持触媒組成物はその形
態によって種々の反応器において使用することができ
る。即ち、担持触媒組成物が粉末状の場合は回分式反応
器、流動床式反応器、インジェクター方式の反応器等に
使用することができ、一方、成形した粒状担体もしくは
破砕担体を使用した場合には固定床反応器等に使用する
ことができる。アミノ化反応自体は回分式でも連続式で
あっても構わない。
【0021】本発明におけるグリセリン酸からセリンへ
の反応経路は次式(1)のように考えられる。この例で
は、アミノ化剤としてアンモニアを使用しているが、ア
ンモニアに代えて1級アミンまたは2級アミンを使用し
た場合にも同様に反応が進行し、対応するセリン誘導体
に変換される。
【0022】
【化1】
【0023】本反応は最初グリセリン酸の2級水酸基が
脱水素してヒドロキシピルビン酸を生成し、これにアン
モニアが付加して不安定中間体としての2−アミノグリ
セリン酸を生成する。次に2−アミノグリセリン酸が水
素化分解されてセリンを生成する。従って、水素化・脱
水素化触媒の存在下では本発明におけるアミノ化反応は
理論的には水素不在下でも可能であるが、一般的には水
素共存下で実施するのが好ましい。即ち、この反応の
際、グリセリン酸のカルボキシル基のα位の炭素原子と
それに結合した水酸基から2個の水素原子が脱水素反応
によって遊離するが、この水素原子は触媒上に吸着もし
くは金属水素化物形成によって保存され、アンモニア付
加後の水素化分解過程において有効に利用される。この
場合、外部供給水素は必ずしも必要ではないが、活性化
水素の再結合による水素分子としての反応系からの消失
を補うものとして、水素共存下にアミノ化反応を実施す
ることが好ましい。なお、上記反応経路からも明らかな
ように、ヒドロキシピルビン酸からもセリンに誘導でき
ることが判るがこの場合には水素の共存は必須である。
【0024】本反応に用いられるグリセリン酸は、市販
のもの、あるいはグリセリンの酸化等により製造したも
ののいずれであっても使用することができる。グリセリ
ンの酸化等により製造する場合、原料のグリセリンは油
脂の加水分解またはエステル交換反応によって製造する
ことができる。さらに、グリセリン酸は別途の方法、例
えばグリセリンの電解酸化、微生物による酸化、酵素酸
化等により得られたグリセルアルデヒドの酸化によって
誘導されたものを使用してもよい。
【0025】アミノ化反応に用いるアミノ化剤として
は、アンモニアや種々の1級アミンまたは2級アミンが
使用出来る。1級アミンまたは2級アミンとしては、脂
肪族系、脂環式系又は芳香族系でもよく、これらに置換
基を有していてもよい。これらの1級アミンまたは2級
アミンとして、例えば、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、
ジプロピルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、
デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、
ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、シクロヘキ
シルアミン、ベンジルアミン等が挙げられる。これらの
アミンはその分子量によって使用形態が異なるが、ガス
状のアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチ
ルアミン等の場合はガス状で使用するか、もしくは適当
な溶媒で希釈、例えば水溶液として使用してもよい。ま
た、長鎖アルキル基を有する液体もしくは固体アミンの
場合は、液状として、もしくは溶媒で希釈して使用する
ことが出来る。
【0026】本発明において、グリセリン酸に対するア
ミノ化剤のモル比〔アミノ化剤/グリセリン酸〕は0.
1〜50の範囲であればよく、好ましくは0.3〜1
0、さらに好ましくは0.5〜3である。アミノ化剤の
モル比が0.1未満では反応速度が遅く実用的ではな
い。一方、アミノ化剤のモル比が50を超える場合には
副反応が併発しやすく実用的ではない。
【0027】本発明における担持触媒組成物を使用して
グリセリン酸のアミノ化反応を実施するにあたり、グリ
セリン酸を無溶媒系で使用してもよいが、反応速度の向
上の点から、アミノ化反応を受けない適当な溶媒で希釈
して使用してもよい。溶媒としては水が特に有効であ
る。その理由は、グリセリン酸がその出発原料であるグ
リセリンの水中での接触酸化によって製造されるからで
ある。この場合、水溶液として供給されたグリセリン酸
をそのままアミノ化反応に使用できることはプロセス上
大きなメリットとなる。グリセリン酸の水溶液の濃度は
99.9〜0.1重量%程度の範囲であれば良く、好ま
しくは70〜1重量%、さらに好ましくは50〜2重量
%が良い。0.1重量%未満に希釈すると実用的ではな
くなる。溶媒としてその他にも通常の極性溶媒、例えば
メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド等が使用出来る。
【0028】本発明におけるアミノ化反応において、水
素圧力は通常200気圧以下の範囲であれば良く、好ま
しくは60気圧以下が良い。常圧でも反応条件を設定す
ることにより十分に反応を進行せしめることができる。
200気圧よりも水素圧が大になると、生成物の分解反
応が促進され生成物の収率が大幅に低下する。また水素
圧力が常圧以下では反応速度が低下し必ずしも効果的で
はない。本発明におけるアミノ化反応は前記のように水
素不在下でも進行するが、アミノ化収率の向上の点から
好ましくは水素共存下で実施するのが良い。また、この
場合、水素の代わりに水素発生剤としての水素化ホウ素
ナトリウムやヒドラジン等の化合物を使用してもよい。
【0029】グリセリン酸をアミノ化剤および水素の存
在下、本発明における担持触媒組成物を用いてアミノ化
するにあたり、グリセリン酸に対する水素のモル比〔水
素/グリセリン酸〕は0.1〜400の範囲であればよ
く、好ましくは0.5〜100、さらに好ましくは1〜
50である。水素モル比が0.1未満では反応速度が極
めて遅く、また400を超えると分解反応を併発しやす
い。
【0030】本発明のアミノ化反応において、反応温度
は通常0〜200℃の範囲であればよく、好ましくは0
〜120℃程度、更に好ましくは0〜60℃程度がよ
い。反応温度が200℃を越えると、生成物の分解反応
が促進され生成物の収率が大幅に低下する。また反応温
度が0℃未満になると反応速度が著しく低下し実用的で
はない。従って、本発明の製造方法に用いる担持触媒組
成物は、熱的に不安定なセリン及びその誘導体の合成に
最適な触媒系である。反応時間は反応温度によっても異
なるが、通常1〜20時間、好ましくは1〜10時間で
ある。本反応においてセリンを製造する場合は目的とす
るセリンの他に、グリシンが少量副生する。反応終了
後、これらのアミノ酸混合物から、目的とするセリンを
分離するには、クロマト分離法、晶析分離法、イオン交
換法等の方法を適宜用いることにより容易に行うことが
できる。
【0031】このように本発明における担持触媒組成物
を使用して、アンモニアおよび水素の存在下、グリセリ
ン酸をアミノ化する場合、前述のような反応器にグリセ
リン酸の例えば10重量%水溶液と触媒を添加し、アン
モニアを水素ガスとともにガス導入管を通して反応器内
にバブリング導入すればよい。あるいはアンモニアをア
ンモニア水として使用する場合には反応器内に滴下して
もよい。反応温度を0〜200℃に設定し、水素圧力を
200気圧以下にする。反応時間は1〜20時間になる
ように反応条件を設定するのがよく、好ましくは10時
間以内にアミノ化反応を終了せしめるのがよい。反応時
間が過度に長くなると生成物が分解する場合がある。以
上の条件でアミノ化反応を行った結果、生成するアミン
としてセリンが高収率で生成する。固定床連続式で実施
する場合は、反応塔内に粒状触媒を充填し、グリセリン
酸とアンモニアおよび水素を下向き併流、もしくは上向
き併流で、もしくは向流で供給することにより反応を進
行させることができる。
【0032】このように、本発明の製造方法によりグリ
セリン酸のアミノ化反応を行うことにより、グリセリン
酸のカルボキシル基のα位の炭素原子が選択的にアミノ
化され、対応するアミンであるセリン又はその誘導体を
選択的に生成することができる。この事実は、従来の触
媒をもってしては予想だにつかないものである。さらに
特筆すべきは、水中においてグリセリン酸のアミノ化反
応を効率よく進行させ得ることである。この点はグリセ
リン酸がグリセリンの水中での酸化によって製造される
ため、プロセス的に多大のメリットをもたらすものであ
る。即ち、グリセリンの水中酸化により得られたグリセ
リン酸水溶液をそのままアミノ化反応の原料として使用
することができるため、グリセリン酸を特に単離するこ
となく、そのまま本発明の製造方法によるアミノ化反応
に供することができる。従ってそのメリットは非常に大
きい。これらの効果は、従来の触媒ではとうてい達成で
きなかったものであり、本発明において使用される担持
触媒組成物がいかに優れたものであるかを示すものであ
る。
【0033】このように本発明の製造方法は、触媒成分
として特定の触媒を単独もしくは複数成分を併用するこ
とにより、グリセリン酸のアミノ化反応における触媒活
性を大幅に向上させることを可能にしたこと、さらには
従来困難であった水中でのアミノ化反応を効率よく進行
させることを可能にしたことに特徴を有するものであ
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 グリセリン酸の10%水溶液200g、5%アンモニア
水64g、担持量が5%の白金担持活性炭触媒10g
(乾燥品基準)を500ccのオートクレーブに仕込ん
だ。水素置換後、種々の水素圧に設定し、60℃に昇温
し4時間反応させることによりセリンを合成した。反応
終了後、反応混合物より触媒分離して得られる生成物に
ついて、アミノ酸アナライザーでアミノ酸分析を行い、
仕込みグリセリン酸に対するセリンの収率(モル%)を
求めた(表1)。担体として用いた活性炭は、BET比
表面積1250m2 /g、細孔容積0.36cc/g、
灰分含量0.5重量%の性状のものである。なお、他の
実施例(実施例3〜13)においても、この活性炭を担
体として用いた。またアミノ酸アナライザーの測定条件
は以下の通りである。 アナライザー: 日立高速アミノ酸分析計L−8500
型 カラム: 4.6mmI.D×60mmL アンモニアトラップカラム: 4.6mmI.D×40
mmL 溶離液: L8500 PF−KIT, 0.35mL
/min 検出器: UV吸収、570nm
【0035】
【表1】
【0036】実施例2 グリセリン酸の10%水溶液を200g、5%アンモニ
ア水64gおよび種々の担体に担持させた5%白金触媒
10g(乾燥品基準)を500ccのオートクレーブに仕
込み、触媒活性を比較した。アミノ化反応は60℃、5
kg/cm2 Gの水素加圧下で4時間行った。反応終了
後、反応混合物より触媒分離して得られる生成物につい
て、アミノ酸アナライザーでアミノ酸分析を行った結
果、仕込みグリセリン酸に対するセリンの収率(モル
%)は表1に示すとおりであった。
【0037】実施例3 40−100メッシュの粒状活性炭を触媒担体とする5
%白金担持活性炭触媒を内径20mmのパイレックス製
の反応塔に60cmの高さに充填し、反応塔を80℃に
設定し反応塔上部より10%グリセリン酸水溶液と5%
アンモニア水溶液の混合水溶液を3kg/cm2 Gの水
素加圧下に毎時50mlの流速で連続的に導入した。反
応塔下部より流出する反応混合物をアミノ酸アナライザ
ーで分析した結果、仕込みグリセリン酸に対するセリン
の収率(モル%)は58%であった。
【0038】実施例4 グリセリン酸の20%水溶液250g、ドデシルアミン
87g、10%白金担持活性炭触媒20g(乾燥品基
準)を500ccのオートクレーブに仕込み、5kg/c
2 Gの水素加圧下、80℃で5時間アミノ化反応を行
った。反応終了後、反応混合物より触媒分離して得られ
る生成物について、アミノ酸アナライザーでアミノ酸分
析を行った結果、仕込みグリセリン酸に対して収率(モ
ル%)37%でN−ドデシルセリンが得られた。
【0039】実施例5 グリセリン酸の10%水溶液300g、本発明における
種々の触媒金属を5%担持させた活性炭触媒7.5g
(乾燥品基準)および28%アンモニア水18gを50
0ccのオートクレーブに仕込み、攪拌速度1000r
pmで、60℃、6kg/cm2 Gの水素加圧下、6時
間、アミノ化反応を行った。反応終了後、反応混合物よ
り触媒分離して得られる生成物についてアミノ酸アナラ
イザーでアミノ酸分析を行った。表1に種々の触媒で反
応させた時のセリンの収率(モル%)を示した。表1に
示されるように、ロジウムおよび白金を触媒とした場合
に特に収率が良かったことから、前記2触媒が高い活性
を示したものと考えられる。
【0040】実施例6 実施例5と同一の反応条件で、触媒第一成分としての5
%パラジウム担持活性炭触媒7.5g(乾燥品基準)に
種々の触媒第二成分(5%ロジウム担持活性炭触媒、5
%ルテニウム担持活性炭触媒、または5%イリジウム担
持活性炭触媒)0.40g(乾燥品基準)を添加しその
効果を見た。表1にセリンの収率(モル%)をまとめ
た。表1より、触媒第一成分であるパラジウム活性炭触
媒に触媒第二成分を添加したものは実施例5と比較して
明らかにセリンの収率が高くなったことから、さらに触
媒活性が向上していることがわかる。
【0041】実施例7 実施例5と同一の反応条件で、触媒第一成分としての5
%白金担持活性炭触媒7.5g(乾燥品基準)に種々の
触媒第二成分(5%ロジウム担持活性炭触媒、5%ルテ
ニウム担持活性炭触媒、または5%イリジウム担持活性
炭触媒)0.40g(乾燥品基準)を添加しその効果を
見た。表1にセリンの収率(モル%)をまとめた。表1
より、触媒第一成分である白金担持活性炭触媒に触媒第
二成分としてのロジウムを添加することにより、触媒活
性が向上することがわかる。
【0042】実施例8 実施例5と同一の反応条件で、5%パラジウム担持活性
炭触媒を触媒第一成分とし、これに触媒第二成分として
の種々の添加量の5%ロジウム担持活性炭触媒を添加し
触媒第二成分の添加量の変化による効果を見た。生成し
たセリンの収率(モル%)を表2にまとめた。表2よ
り、触媒第一成分であるパラジウム担持活性炭触媒に対
する触媒第二成分としてのロジウムの重量比(Rh/P
d)が1/200および1/500の場合、生成物であ
るセリンの収率が著しく高く、ロジウムの添加量を変え
ることによりさらに触媒活性が向上することがわかる。
【0043】
【表2】
【0044】実施例9 実施例5と同一の反応条件で、触媒第一成分として5%
パラジウム担持活性炭触媒7.5g(乾燥品基準)、触
媒第二成分として5%ロジウム担持活性炭触媒0.40
g(乾燥品基準)を添加し、反応温度の変化による効果
を見た。表2に示される結果により、反応温度が低くな
るに従い、セリンの収率(モル%)が高くなることがわ
かる。
【0045】実施例10 実施例5と同一の反応条件で、触媒第一成分として5%
パラジウム担持活性炭触媒7.5g(乾燥品基準)、触
媒第二成分として5%ロジウム担持活性炭触媒0.40
g(乾燥品基準)を添加し、水素圧の変化による効果を
見た。表2に示される結果により、水素圧60kg/c
2 G以下である場合にセリンの収率(モル%)が高い
ことがわかる。
【0046】実施例11 触媒第一成分の原料としての塩化パラジウム0.63g
と触媒第二成分の原料としての塩化ロジウム0.004
gを1規定塩酸100mリットルに均一に溶解させ、活
性炭7.1gを添加し、室温で5時間担持処理を行っ
た。その後、1規定水酸化ナトリウムでpH11以上に
して35%ホルマリン水溶液2mlを添加して、80℃
で30分還元処理を行った。得られた触媒は乾燥品基準
で約7.5gであった。この触媒を実施例5と同一の反
応条件でアミノ化反応を行った。その結果、セリンの収
率(モル%)は、40%であった。
【0047】実施例12 グリセリン酸の10%水溶液300g、5%ルテニウム
担持活性炭触媒0.40g(乾燥品基準)、5%パラジ
ウム担持活性炭触媒7.5g(乾燥品基準)および28
%アンモニア水18gを500ccのオートクレーブに
仕込み、攪拌速度1000rpmで、60℃、6kg/
cm2 Gの水素加圧下、6時間、アミノ化反応を行っ
た。反応終了後、反応混合物より触媒分離して得られる
生成物についてアミノ酸アナライザーでアミノ酸分析を
行った。その結果、対応するアミンであるセリンの収率
(モル%)は73.5%であった。
【0048】実施例13 実施例5と同一の反応条件で、Rh・Pd・Pt3成分
触媒として5%ロジウム担持活性炭触媒0.40g(乾
燥品基準)、5%パラジウム担持活性炭触媒3.75g
(乾燥品基準)、および5%白金担持活性炭触媒3.7
5g(乾燥品基準)を添加しアミノ化反応を行った。反
応終了後、反応混合物より触媒分離して得られる生成物
についてアミノ酸アナライザーでアミノ酸分析を行っ
た。その結果、セリンの収率(モル%)は89.6%で
あった。
【0049】
【発明の効果】本発明の製造方法が提供されることによ
り、低温および水中といった条件でもグリセリン酸を原
料とするアミノ化反応を効率よく行って、対応するアミ
ンであるセリン又はその誘導体を高収率で得ることが可
能となった。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】 本発明で使用する担持触媒組成物はその
形態によって種々の反応器において使用することができ
る。即ち、担持触媒組成物が粉末状の場合は攪拌槽式反
応器、流動床式反応器、インジェクター方式の反応器等
に使用することができ、一方、成形した粒状担体もしく
は破砕担体を使用した場合には固定床反応器等に使用す
ることができる。アミノ化反応自体は回分式でも連続式
であっても構わない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】
【表1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】実施例3 40−100メッシュの粒状活性炭を触媒担体とする5
%白金担持活性炭触媒を内径20mmのパイレックス製
の反応塔に60cmの高さに充填し、反応塔を80℃に
設定し反応塔上部より10%グリセリン酸水溶液と5%
アンモニア水溶液の混合水溶液(混合比は重量基準で
1:1)を3kg/cmGの水素加圧下に毎時50m
lの流速で連続的に導入した。反応塔下部より流出する
反応混合物をアミノ酸アナライザーで分析した結果、仕
込みグリセリン酸に対するセリンの収率(モル%)は5
8%であった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウ
    ムおよびイリジウムよりなる群から選ばれる一種以上の
    成分を触媒成分として含有する担持触媒組成物の存在
    下、グリセリン酸をアミノ化することを特徴とするセリ
    ン又はその誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 担持触媒組成物が、パラジウム、白金、
    ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムよりなる群から
    選ばれる一種以上の成分を単一の担体に担持させてなる
    触媒、あるいはパラジウム担持触媒、白金担持触媒、ロ
    ジウム担持触媒、ルテニウム担持触媒およびイリジウム
    担持触媒よりなる群から選ばれる二種以上の担持触媒を
    混合してなる混合触媒を含有するものである請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 担体が活性炭、アルミナ、シリカおよび
    ゼオライトよりなる群から選ばれる一種以上の担体であ
    る請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 アミノ化反応を水中で行うことを特徴と
    する請求項1〜3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 担持触媒組成物の触媒成分が、パラジウ
    ムおよびロジウムである請求項1〜3記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 担持触媒組成物の触媒成分が、白金およ
    びロジウムである請求項1〜3記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 担持触媒組成物の触媒成分が、パラジウ
    ムおよびルテニウムである請求項1〜3記載の製造方
    法。
JP4162156A 1991-11-25 1992-05-27 セリン又はその誘導体の製造方法 Pending JPH05201940A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4162156A JPH05201940A (ja) 1991-11-25 1992-05-27 セリン又はその誘導体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33626691 1991-11-25
JP3-336266 1991-11-25
JP4162156A JPH05201940A (ja) 1991-11-25 1992-05-27 セリン又はその誘導体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05201940A true JPH05201940A (ja) 1993-08-10

Family

ID=26488049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4162156A Pending JPH05201940A (ja) 1991-11-25 1992-05-27 セリン又はその誘導体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05201940A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002040442A1 (fr) * 2000-11-17 2002-05-23 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Procede d'introduction un groupe amino et procede de synthese d'acide amine
WO2002048091A1 (fr) * 2000-12-11 2002-06-20 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Methode permettant d'introduire un groupe amine et procede permettant de synthetiser un compose d'acide amine
JP2017530186A (ja) * 2014-07-18 2017-10-12 レイニッシュ−ヴェストフェリッシェ テヒニッシェ ホッホシューレ(エルヴェーテーハー)アーヘンRheinisch−Westfalische Technische Hochschlule(RWTH)Aachen 第一級イソヘキシドアミン類を合成するための方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002040442A1 (fr) * 2000-11-17 2002-05-23 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Procede d'introduction un groupe amino et procede de synthese d'acide amine
WO2002048091A1 (fr) * 2000-12-11 2002-06-20 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Methode permettant d'introduire un groupe amine et procede permettant de synthetiser un compose d'acide amine
US7071350B2 (en) 2000-12-11 2006-07-04 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Method of introducing amino group and method of synthesizing amino acid compound
JP2017530186A (ja) * 2014-07-18 2017-10-12 レイニッシュ−ヴェストフェリッシェ テヒニッシェ ホッホシューレ(エルヴェーテーハー)アーヘンRheinisch−Westfalische Technische Hochschlule(RWTH)Aachen 第一級イソヘキシドアミン類を合成するための方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100922998B1 (ko) 모노카르복실산 또는 그의 유도체로부터 일가 알콜의 제조방법
JP2009527523A (ja) 炭化水素の直接アミノ化法
CN1582199A (zh) 用于氢化硝基芳族化合物的负载催化剂
JP2017025012A (ja) メチルアミノ基を有する芳香族化合物又はフラン誘導体の製造法
CN112898163B (zh) 一种环己亚胺氨化制备1,6-己二胺的方法
CN104549254B (zh) 己二酸直接还原制1,6‑己二醇的催化剂
JPS63255253A (ja) アミン類の製造方法
CN110256198B (zh) 一种1,4-戊二醇的生产方法
CN112479990A (zh) 一种高效2,3-二氯吡啶的合成方法
JPH05201940A (ja) セリン又はその誘導体の製造方法
KR101336975B1 (ko) 알코올의 환원성 아민화에 의한 알킬아민 제조용 촉매
CN114933535B (zh) 一种膜反应器的制备方法及一种硝基苯联产苯胺和4-氨基二苯胺的方法
JP3347185B2 (ja) セリン又はその誘導体の製造方法
JPH069512A (ja) セリノール又はその誘導体の製造方法
JPH0418042A (ja) メタノールによるアルコール類の増炭方法
CN114805259A (zh) 一种耐失活镍基催化剂上糠醇选择性胺化制备糠胺的方法
JPH05995A (ja) 酢酸製造方法
JP3250675B2 (ja) アミン製造用担持触媒組成物
KR101988374B1 (ko) Ni/Al2O3 촉매상에서 에탄올의 환원성 아민화 반응에 의한 에틸아민 또는 아세토니트릴의 제조방법
JP3285655B2 (ja) タルトロン酸塩の製造方法
JPH06271518A (ja) グリシンの製造方法
CN114436865B (zh) 一种4-氨基环己醇的制备方法
CN101676283A (zh) 一种那拉曲坦的制备方法
Yu et al. Synthesis of 1, 2-propanediamine via reductive amination of isopropanolamine over Raney Ni under the promotion of K 2 CO 3
JPS62142152A (ja) インド−ルまたはインド−ル誘導体の製造方法