JP3247515B2 - 非磁性1成分現像用トナーおよび電子写真記録装置 - Google Patents

非磁性1成分現像用トナーおよび電子写真記録装置

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JP3247515B2
JP3247515B2 JP24703393A JP24703393A JP3247515B2 JP 3247515 B2 JP3247515 B2 JP 3247515B2 JP 24703393 A JP24703393 A JP 24703393A JP 24703393 A JP24703393 A JP 24703393A JP 3247515 B2 JP3247515 B2 JP 3247515B2
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弘 橋爪
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將幸 丸田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非磁性1成分方式の電
子写真プロセスによって画像の記録を行う電子写真記録
装置およびこの電子写真記録装置で使用するための非磁
性1成分現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真記録装置は、静電荷像担持体
(一般的には感光体)の表面(感光面)を、帯電装置に
よって所定電位(例えば−600V)に帯電したのち、
感光体の感光面を露光装置によって記録すべき画像に応
じて露光することによって感光体の感光面に静電潜像を
形成する。そして現像装置により、静電潜像に応じて感
光体の感光面にトナーを付着させることにより現像を行
い、感光体の表面に静電潜像に対応するトナー像を形成
する。そしてこのトナー像を、転写装置によって記録紙
に転写する。
【0003】転写装置には、種々の方式のものがある
が、そのうちの1つに接触転写方式がある。この接触転
写方式の転写装置は、感光体に当接した転写ローラを有
し、感光体と転写ローラとの間に挿通された記録紙の背
面にトナーの帯電電荷とは逆極性の電荷を供給すること
により、感光体に付着したトナーを記録紙に転写するも
のである。この接触転写方式は、他の代表的な方式であ
るコロナ転写方式に比べて、広範な環境下で安定的に転
写を行うことができること、あるいはレスオゾン化を実
現できることなどの利点を有している。
【0004】しかしながら接触転写方式の転写装置で
は、感光体の表面に付着したトナーを記録紙を介して感
光体側に押し付ける機械的な力が大きく作用するため、
図6に示すような画像欠陥(いわゆる中抜け)がコロナ
転写方式に比べて生じやすいという不具合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来は、
中抜けが生じて記録画像の画質が劣化するという不具合
があった。この不具合は、転写装置に接触転写方式を用
いている場合に特に顕著である。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、その目的とするところは、中抜けを低減
することができ、これにより高画質な画像を形成するこ
とを可能とすることができる非磁性1成分現像用トナー
および中抜けを低減して高画質な画像を形成することが
できる電子写真記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに本発明の非磁性1成分現像用トナーは、例えばポリ
エステル樹脂などの結着樹脂中に着色剤および離型剤
(ワックス)が含有された樹脂粒子と、流動性を確保す
るためのものであり前記樹脂粒子よりも小径な例えばシ
リカなどの外添剤とからなり、12tで10秒間加圧す
ることで板状に成形してなるペレットの表面に蒸留水ま
たはイオン交換水を置いた際のぬれ角の余弦が−0.3
5以下となるようにぬれ性を調整した。
【0008】また本発明の電子写真記録装置は、例えば
感光ドラムなどの静電荷像担持体と、この静電荷像担持
体に記録すべき画像に応じた静電荷像を形成する、例え
ば帯電装置および露光装置からなる静電荷像形成手段
と、前記静電荷像形成手段により前記静電荷像担持体に
形成された静電荷像に対応するトナー像を前記静電荷像
担持体に形成する例えば現像装置などの現像手段と、前
記前記静電荷像担持体に接触して配置された例えば記録
紙などの記録媒体に対して、前記現像手段によって前記
静電荷像担持体に形成されたトナー像を転写する例えば
転写装置などの転写手段とを具備したものにおいて、例
えばポリエステル樹脂などの結着樹脂中に着色剤および
離型剤(ワックス)が含有された樹脂粒子と、流動性を
確保するためのものであり前記樹脂粒子よりも小径な例
えばシリカなどの外添剤とからなり、12tで10秒間
加圧することで板状に成形してなるペレットの表面に蒸
留水またはイオン交換水を置いた際のぬれ角の余弦が−
0.35以下となるようにぬれ性を調整した非磁性1成
分現像用トナーを用いるようにした。
【0009】
【作用】これらの手段を講じたことにより、非磁性1成
分現像用トナーの静電荷像担持体に対する付着力が低減
され、静電的なトナーの移動を妨げる力が弱くなる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例に係
る非磁性1成分現像用トナーおよび電子写真記録装置に
つき説明する。図1は本実施例に係る電子写真記録装置
の要部構成を一部破断して示す図である。
【0011】この電子写真記録装置は、感光ドラム1、
帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5およ
びクリーニング装置6を有している。感光ドラム1は、
例えばアルミニウムなどの導電体により形成され、外周
面に感光導電材料を塗布して感光層を形成したものであ
る。感光ドラム1は、図示しない駆動伝達機構により図
示矢印方向に回転される。この感光ドラム1の周辺に、
感光ドラム1の外周面に沿って帯電装置2、露光装置
3、現像装置4、転写装置5およびクリーニング装置6
がそれぞれ配置されている。
【0012】帯電装置2は、例えば周知のスコロトロン
帯電器などよりなり、感光ドラム1の表面を所定電位
(例えば−600V)に均一帯電する。露光装置3はL
EDヘッドを含んでなり、感光ドラム1の感光面の露光
を行って感光ドラム1の感光面に静電潜像を形成するも
のである。
【0013】現像装置4は、トナーホッパ41、トナー
パック42、供給ローラ43、現像ローラ44、現像ブ
レード45、支持棒46、板ばね47、支持体48およ
びアジテータ49からなる。
【0014】トナーホッパ41は、側面の一部および上
面を開口した中空の容器であり、内部空間に非磁性1成
分現像用トナー(以下、トナーと称する)Tを貯留す
る。このトナーホッパ41の上部の開口部41aには、
トナーパック42が装着されている。トナーパック42
は一面を開口した容器であり、その内部にトナーTが充
填されるとともに、開口がシールシート(図示せず)に
よって封止されている。そしてトナーパック42は、図
示の如くトナーホッパ41に装着した状態でシールシー
トを除去することにより、内部に充填されたトナーTを
トナーホッパ41へと供給するものとなっている。
【0015】供給ローラ43は導電性スポンジからなる
もので、その一部がトナーホッパ41の内部に位置する
状態で、トナーホッパ41の側面の開口部に設置されて
いる。供給ローラ43は、現像ローラ44に当接してい
る。現像ローラ44は、感光ドラム1と供給ローラ43
との間に配置されている。現像ローラ44は、感光ドラ
ム1および供給ローラ43におのおの当接している。供
給ローラ43および現像ローラ44は、図示しない回転
駆動機構によってそれぞれ図示矢印方向に回転される。
供給ローラ43は、トナーホッパ41に貯留されている
トナーTを担持して現像ローラ44に供給する。現像ロ
ーラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナー
Tを担持して感光ドラム1の表面に接触させる。
【0016】現像ブレード45は、シリコンゴムやウレ
タンなどにより形成されている。この現像ブレード45
は、現像ローラ44に平行に配置された円柱状の支持棒
46に支持されており、現像ローラ44に当接してい
る。支持棒46は、支持体48に固定された板ばね47
によって現像ローラ44側に所定の力(50g/cm2
〜100g/cm2 程度)で押圧されている。このため
現像ブレード45は、所定の力で現像ローラ44に押圧
されている。支持体48は、トナーホッパ41の側壁に
固定されている。
【0017】アジテータ49は、図示しない回転駆動機
構によってそれぞれ図示矢印方向に回転されており、ト
ナーTを攪拌するとともに、トナーTを供給ローラ43
側に搬送する。
【0018】転写装置5は、感光ドラム1に対して平行
に配置された転写ローラ51を有してなる。この転写ロ
ーラ51には、図示しない転写電源からトナーTの帯電
電位とは逆極性で所定電圧値(例えば+1350V)の
転写電圧が印加される。そしてこの転写装置5は、感光
ドラム1と転写ローラ51との間に挿通された記録紙P
に対して、感光ドラム1に形成されたトナー像を転写す
るものである。
【0019】一方クリーニング装置6は、クリーニング
ブレード61、廃トナー収容部62および廃トナーロー
ラ63よりなる。クリーニングブレード61は、感光ド
ラム1に当接して配置され、感光ドラム1に付着してい
るトナーTを掻き落とす。廃トナー収容部62は、クリ
ーニングブレード61によって掻き落とされたトナーT
(廃トナー)を回収する。廃トナーローラ63は、クリ
ーニングブレード61によって掻き落とされたトナーT
を、廃トナー収容部62側へと搬送する。
【0020】以上のように構成された電子写真記録装置
では、次のようにして画像の記録が行われる。すなわ
ち、まず感光ドラム1の表面(感光面)は、帯電装置2
によって所定電位(例えば−600V)に帯電される。
続いて、帯電されたのちの感光ドラム1の感光面を、記
録すべき画像に応じて露光装置3によって露光し、感光
面に静電潜像を形成する。そして、この感光ドラム1の
感光面に形成された静電潜像の現像を現像装置4で行
う。
【0021】現像装置4は、トナーホッパ41から主と
して供給ローラ43により供給されるトナーTを現像ロ
ーラ44に担持し、搬送して感光ドラム1の表面に接触
させる。現像ローラ44に担持されたトナーTは搬送さ
れる際、現像ブレード45によって薄層化されるととも
に、所定の極性(ここでは感光ドラム1の帯電電位と同
極性であり、負極性)に摩擦帯電される。
【0022】現像ローラ44には、図示しない現像バイ
アス電源から感光ドラム1の帯電電位と同極性かつ低電
圧(例えば−200V)な現像バイアスを印加してあ
り、静電潜像、現像バイアスおよびトナーTの電荷の間
の電界の作用により、感光ドラム1に選択的にトナーT
を付着させる。すなわち、感光ドラム1上の未露光部分
には、感光ドラム1側が高電位であるためにトナーTが
付着せず、また露光され除電された部分には、感光ドラ
ム1側が低電位であるためにトナーTが付着する。この
ようにして感光ドラム1の表面に静電潜像に対応するト
ナー像が形成される。そしてこのトナー像は、転写装置
5によって記録紙Pに転写される。
【0023】転写装置5は、画像の記録時においては、
転写ローラ51に正極性の転写電圧(例えば+1350
V)が印加されている。感光ドラム1と転写ローラ51
との間には記録紙Pが挿通されており、転写ローラ51
からは記録紙Pの背面に電荷の注入が行われる。ここで
記録紙Pの背面に注入される電荷は正極性であるので、
負極性に帯電しているトナーTは記録紙P側に引き付け
られ、これにより感光ドラム1の表面に形成されたトナ
ー像が記録紙Pに転写される。
【0024】この後、感光ドラム1の感光面は、記録紙
Pが剥離された後、転写されずに残留しているトナーT
がクリーニング装置6で除去される。ところでトナーT
は、樹脂粒子にシリカを外添してなる非磁性トナーであ
る。
【0025】樹脂粒子は、ポリエステル樹脂(以下、結
着樹脂ポリエステルと称する)を主成分とし、離型剤
(以下、ワックスと称する)、カーボンブラックおよび
帯電制御剤を上記ポリエステル樹脂に練り込み、平均粒
径約7〜15μmに粉砕・分級したものである。
【0026】ここで結着樹脂ポリエステルは、アルコー
ルとカルボン酸、もしくはカルボン酸エステル、カルボ
ン酸無水物等を原料モノマーとする縮重合によって得ら
れる。
【0027】2価のアルコール成分としては、ポリオキ
シプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,
3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレ
ン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオ
キシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレング
リコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が
挙げられる。
【0028】3価以上のアルコール成分としては、ソル
ビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,
4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、
グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メ
チル−1,2,4−ブタントリオール、トイメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒ
ドロキシメチルペンゼン等が挙げられる。
【0029】また酸成分としては、カルボン酸成分で2
価の単量体として、マレイン酸、フマール酸、シトラコ
ン酸、イタコン酸、グリタコン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク
酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、
イソドデジルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−
オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオク
チルコハク酸および、これらの酸無水物、低級アルキル
エステル等が挙げられる。
【0030】3価以上のカルボン酸としては、1,2,
4−ペンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレン
トリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジ
カルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプ
ロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、
テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,
8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エン
ポール三量体酸および、これらの酸無水物、低級アルキ
ルエステル等が挙げられる。
【0031】また、結着樹脂ポリエステルの分子量とし
ては、テトラヒドロフラン可溶分のゲル・パーミーテー
ション・クロマトグラフィー(GPC)による分子量分
布において、重量平均分子量Mwが10000から10
00000であって少なくともピークを有し、重量平均
分子量Mwと数平均分子量Mnとの比率Mw/Mnが1
0以上であることが望ましい。またこのとき、溶媒不溶
分であるゲルを含んでいても構わない。
【0032】なお、GPCは分子量測定であり、40℃
のヒートチャンバーに組み込まれたカラムに、THFを
流速1ml/minで流し、30mg/mlの濃度で一
昼夜放置したのち、0.4μmのテフロンフィルタで瀘
過した溶液(THF可溶分)を100μl注入し、以下
の条件で分子量分布を測定するものである。 GPC測定装置 :HLC−8020,東ソー社製 検出器 :RI 標準ポリスチレン:2.8×103 ,1.01×10
4 ,9.89×104,4.27×105 ,1.30×
106 カラム :極性TSKgelGMH,直列2個 一方、ワックスは、合成品のものとしては、脂肪酸アミ
ド類、メチロールステアロイドアミド、メチレンビスス
テアロアミド、メチレンビスオエオアミド、ステアリル
アルコール、セチルアルコール、ジステアリルエポキシ
ヘキサヒドロフタレート、a−オレフィンオキサイド、
低級ポリオレフィン、n−パラフィン、ポリワックス
(スチレンをブロック共重合せしめたもの)および、a
−メチレン脂肪酸モノカルボン酸エステルモノマーにブ
ロックまたはグラフト共重合せしめたポリオレフィン、
あるいはそれらのマレイン酸変性、アルキル変性を施し
たもの等が挙げられる。また天然品のものとして、カル
ナウバワックス、鯨ロウ、イボタロウ、モンタン酸エス
テルワックス、密ロウ等が挙げられる。
【0033】なおワックスの融点は、80℃乃至160
℃のものが最適である。シリカは、樹脂粒子よりも小径
であり、樹脂粒子の流動性や帯電量などを調整する機能
を有する。このシリカの添加量は、被覆率が10〜50
%となる量とすることが望ましい。なぜならば、被覆率
が50%より高いと、図2(a)に示すシリカの粒径お
よび被覆率と画像かぶりとの関係から分かるように、画
像かぶりが発生して画質が劣化し、逆に被覆率が10%
より低いと、図2(b)に示すシリカの粒径および被覆
率とフィルミングとの関係から分かるように、現像ロー
ラ44にトナーフィルミングが生じ、画像濃度が低下し
てしまうからである。
【0034】なお被覆率fは、 f=31/2 /2π×(D・pt)/(d・ps)×C なる一般式で算出される。ここで、dはシリカの粒径、
Dは樹脂粒子の粒径、pt,psは樹脂粒子およびシリ
カのそれぞれの真比重、Cは樹脂粒子とシリカとの重量
比をそれぞれ示す。ただしシリカを樹脂粒子に添加した
場合、シリカは一部凝集状態で樹脂粒子の表面に付着す
る。このため、実際の被覆率は上記式で求まる値よりも
低くなるが、本実施例では上記式で求まる被覆率で示し
ている。
【0035】またシリカの平均粒径は、0.01〜0.
1μmであることが望ましい。なぜならば、平均粒径が
0.01μmよりも小さいと、流動性が不十分となるた
めに現像ローラ44にトナーフィルミングが生じ、画像
濃度が低下してしまい、逆に平均粒径が0.1μmより
も大きいと、感光ドラム1の表面の摩耗を異常に加速
し、感光ドラム1の寿命を著しく短くしてしまうからで
ある。
【0036】さらに、シリカの表面処理剤としてはシリ
コーンオイルが最適である。ところで以上のようなトナ
ーは、板状に成形した際におけるぬれ角θの余弦(co
sθ)が−0.35以下となるように、ワックスの添加
量が調整されている。
【0037】以下、ワックスの添加量とぬれ角の余弦と
の関係を説明する。図3はそれぞれワックスの添加量を
異ならせた4種類のトナーのそれぞれにつきぬれ角を測
定した結果を示す図である。
【0038】ここで4種類のトナーA,B,C,Dは、
100重量部の結着樹脂ポリエステルに対して、それぞ
れ0重量部、1重量部、2重量部、3重量部のワックス
を添加してなるものである。そしてトナーA,B,C,
Dをそれぞれφ59mmのセルに入れて12tで10秒
間加圧することにより板状に成形し、ぬれ角測定装置
(エルマ社製)によりぬれ角を測定している。なお液体
としては蒸留水あるいはイオン交換水を用いている。
【0039】一方、図4は上記4種類のトナーA,B,
C,Dを用いて前述した構成の電子写真記録装置により
記録した画像の中抜け割合の測定結果を示す図である。
なお記録紙Pとしては、中抜けが発生し易い普通紙(メ
ートル坪量換算約80g/m2 )を使用している。
【0040】ここで中抜け割合とは、記録されるべき黒
画像の面積に対する中抜けが発生した面積の面積率と定
義した。そして、記録されるべき黒画像の面積をS、中
抜けが発生した面積をSnとし、[Sn/S×100]
%なる式で求めた。また中抜けが発生した面積Snは、
次の条件で測定した。すなわち、一定の面積の細長い縦
線チャートを記録させる。この記録画像の縦線の濃度分
布を画像評価装置(東京光電子社製)によって測定す
る。そしてこの濃度分布を閾値=1で2値化して黒領域
と白領域とを分別し、これに基づいて中抜けが発生した
面積Snを測定する。
【0041】図5は以上のぬれ角の測定結果および中抜
け割合の測定結果から求めた、ぬれ角θの余弦と中抜け
割合との関係を示す図である。ここで一般には、中抜け
割合が10%以下であれば、発生している中抜けは視覚
上問題のないレベルとなる。図5から分かるように、中
抜け割合が10%以下となるのは、ぬれ角θの余弦(c
osθ)が−0.35以下であるときである。
【0042】かくして、トナーのぬれ性を制御すること
によって中抜けの割合を低減することができるのであ
り、本実施例のトナーは前述したように、板状に成形し
た際におけるぬれ角θの余弦(cosθ)が上記の−
0.35以下となるようにワックスの添加量を調整して
あることにより、転写装置5が接触転写方式であるにも
拘らずに、中抜け割合を視覚上問題のない、10%以下
確実に抑えることができるものとなっている。
【0043】なお本発明は上記実施例に限定されない。
例えば上記実施例では、ワックスの添加量によりトナー
のぬれ性を調整するものとしているが、例えばポリエス
テル樹脂の材質やワックスの材質など、ワックスの添加
量以外でぬれ性の調整を行うようにしても良い。
【0044】また、感光ドラム1の表面自由エネルギー
を下げることによっても、前記実施例と同様な効果を得
ることができる。なお感光ドラム1の表面自由エネルギ
ーは、製造時におけるディッピング後の乾燥温度により
制御できる。
【0045】また上記実施例では接触転写方式の現像装
置5を有した電子写真記録装置を例示しているが、コロ
ナ転写方式などの他の転写方式の転写装置を有したもの
であっても、本発明の適用が可能である。ただし、接触
転写方式の場合が中抜けの影響が顕著であるので、本発
明は接触転写方式のものに適用して最も効果がある。こ
のほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実
施が可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明の非磁性1成分現像用トナーは、
例えばポリエステル樹脂などの結着樹脂中に着色剤およ
び離型剤(ワックス)が含有された樹脂粒子と、流動性
を確保するためのものであり前記樹脂粒子よりも小径な
例えばシリカなどの外添剤とからなり、12tで10秒
間加圧することで板状に成形してなるペレットの表面に
蒸留水またはイオン交換水を置いた際のぬれ角の余弦が
−0.35以下となるようにぬれ性を調整したので、電
子写真記録装置において中抜けを低減することができ、
これにより高画質な画像を形成することを可能とするこ
とができる非磁性1成分現像用トナーとなる。
【0047】また本発明の電子写真記録装置は、例えば
感光ドラムなどの静電荷像担持体と、この静電荷像担持
体に記録すべき画像に応じた静電荷像を形成する、例え
ば帯電装置および露光装置からなる静電荷像形成手段
と、前記静電荷像形成手段により前記静電荷像担持体に
形成された静電荷像に対応するトナー像を前記静電荷像
担持体に形成する例えば現像装置などの現像手段と、前
記前記静電荷像担持体に接触して配置された例えば記録
紙などの記録媒体に対して、前記現像手段によって前記
静電荷像担持体に形成されたトナー像を転写する例えば
転写装置などの転写手段とを具備したものにおいて、例
えばポリエステル樹脂などの結着樹脂中に着色剤および
離型剤(ワックス)が含有された樹脂粒子と、流動性を
確保するためのものであり前記樹脂粒子よりも小径な例
えばシリカなどの外添剤とからなり、12tで10秒間
加圧することで板状に成形してなるペレットの表面に蒸
留水またはイオン交換水を置いた際のぬれ角の余弦が−
0.35以下となるようにぬれ性を調整した非磁性1成
分現像用トナーを用いるようにしたので、中抜けを低減
して高画質な画像を形成することができる電子写真記録
装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電子写真記録装置の要
部構成を一部破断して示す図。
【図2】シリカの粒径および被覆率と画像かぶりおよび
フィルミングとの関係を示す図。
【図3】ワックスの添加量を異ならせた4種類のトナー
のそれぞれにつきぬれ角を測定した結果を示す図。
【図4】ワックスの添加量を異ならせた4種類のトナー
のそれぞれを用いて図1に示す構成の電子写真記録装置
により記録した画像の中抜け割合の測定結果を示す図。
【図5】ぬれ角の測定結果および中抜け割合の測定結果
から求めた、ぬれ角θの余弦と中抜け割合との関係を示
す図。
【図6】中抜けを説明する図。
【符号の説明】
1…感光ドラム 2…帯電装置 3…露光装置 4…現像装置 5…転写装置 T…非磁性1成分現像用トナー(トナー) P…記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 鐵也 東京都日野市旭が丘3丁目1番地の1 株式会社東芝日野工場内 (72)発明者 丸田 將幸 大阪府阪南市舞4丁目34−22 (72)発明者 佐多 晋一 和歌山県和歌山市西浜1130 (72)発明者 日高 安啓 和歌山県海南市大野中889−3 (56)参考文献 特開 平4−212170(JP,A) 特開 平3−50562(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂中に着色剤および離型剤が含有
    された樹脂粒子と、流動性を確保するためのものであり
    前記樹脂粒子よりも小径な外添剤とからなり、12tで
    10秒間加圧することで板状に成形してなるペレットの
    表面に蒸留水またはイオン交換水を置いた際のぬれ角の
    余弦が−0.35以下であることを特徴とする非磁性1
    成分現像用トナー。
  2. 【請求項2】 静電荷像担持体と、 この静電荷像担持体に記録すべき画像に応じた静電荷像
    を形成する静電荷像形成手段と、 結着樹脂中に着色剤および離型剤が含有された樹脂粒子
    および流動性を確保するためのものであり前記樹脂粒子
    よりも小径な外添剤とからなり、12tで10秒間加圧
    することで板状に成形してなるペレットの表面に蒸留水
    またはイオン交換水を置いた際のぬれ角の余弦が−0.
    35以下である非磁性1成分現像用トナーを用いて、前
    記静電荷像形成手段により前記静電荷像担持体に形成さ
    れた静電荷像に対応するトナー像を前記静電荷像担持体
    に形成する現像手段と、 前記前記静電荷像担持体に接触して配置された記録媒体
    に対して、前記現像手段によって前記静電荷像担持体に
    形成されたトナー像を転写する転写手段とを具備したこ
    とを特徴とする電子写真記録装置。
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