JP3247035B2 - 幼児暖房装置用ヒーターアセンブリ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、幼児のための支持体又
はベッドを提供するだけでなく、幼児を暖めるため、熱
を幼児に差し向ける頭上の加熱ユニットを含む種類の幼
児看護センターに関する。

【０００２】

【従来技術】斯かる幼児看護センターにおいて、用いら
れるヒーターの普通の種類の一つは、一般的に、幼児の
上方に配置される一以上のカロッド（Ｃａｌｒｏｄ）ヒ
ーターを有する放射型のものである。典型的には、カロ
ッドヒーターは、比較的長い、高抵抗材料であり、カロ
ッド抵抗ユニット自体は、直径が１／２インチ程度であ
るガラスの保護管に収容されているのが一般的である。
斯かる幼児看護センターは、また、熱を幼児に差し向け
ることが必要であり、カロッドヒーターは、その端にお
いてのみならず、その円筒状の長さの周りの全３６０度
に赤外線を放射するので、反射要素を必要とする。典型
的な反射要素は、カロッドユニットの上面を包囲し、赤
外線を幼児に向けて下方に差し向けるよう放物面形状に
形成された金属反射要素である。斯かる反射要素は、場
所をとり、幼児の上方で揺るぎない姿勢を保持するのに
かなりの支持を必要とする。カロッド抵抗ヒーターを包
囲するガラスの保護管もまた、破損を防止するための保
護が必要である。明らかに、ガラスの破損は、患者又は
周りの職員に危害を及ぼすことがあるからである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、在来のカ
ロッド型幼児用ヒーターは、比較的邪魔で大きく、幼児
の世話をする職員の視界を直接遮る焦点位置に配置され
たり、又は斯かる職員の物理的な障害となったりする傾
向がある。そのため、斯かるヒーターユニットは、一般
に周りで作業しにくく、時として、職員が幼児の世話を
する時、例えば、幼児のＸ線撮影をする時等は、どかさ
なくてはならない。概して、カロッドヒーターは、幼児
の世話をする職員にとってかなりの不便をもたらす。加
えて、斯かるカロッドヒーターは、熱量（ｔｈｅｒｍａ
ｌ ｍａｓｓ）がかなり高いため、応答時間が比較的遅
く、そのため、斯かるユニットは、使用者によってなさ
れる加熱の変更に対しての応答が遅いので、斯かるカロ
ッドヒーターに関する他の種々の問題がある。この高い
熱量の一部は、カロッド加熱ユニットをその所定の位置
に保持するフレーム及びその他の構造部材によるもので
ある。熱の全体の分布が一様で、良好な効率で幼児用支
持体に適当な波及範囲を形成するようカロッドユニット
を配置するのに更に問題がある。カロッドヒーターの端
部で放射された赤外線は、支持体を熱するが、幼児にあ
たえる熱の面では殆ど益をもたらさないので、特に制御
が困難である。

【０００４】したがって、難事として、ヒーターは、幼
児に熱を与えるのには必要であるが、世話をする職員の
邪魔になるのが一般的であり、斯かる職員は、ヒーター
によって不便をこうむる。特に、幼児のＸ線撮影をする
場合にはそうであり、従来のカロッド型ヒーターは、Ｘ
線機械を適当に位置決めするため、わきに物理的に移動
させなければならない。加えて、カロッドヒーターの制
御は、カロッドヒーターの付随する反射要素、フレー
ム、保護シールド及び支持構造体によるカロッドヒータ
ーの高い熱量に起因して、困難である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の幼児看護センタ
ーは、以上の問題を克服するヒーターアセンブリを有
し、このヒーターアセンブリは、本発明の用途のため、
即ち、幼児を暖めるための独特な赤外線放射要素を用い
ている。この赤外線放射要素は、赤外スペクトルの波長
を有する輻射線のみを放射する。斯かる放射要素は、家
庭用トースター等の加熱用途に従来から用いられてお
り、セラミックス製のプレートに取り付けた又は付着さ
せた放射フォイルを備えている。それらの、供給業者の
一つには、郵便番号０１９７０−２９７６、マサチュー
セッツ州 セーラム、ジェファーソンアヴェニュー４の
サーマルサーキッツ社（Ｔｈｅｒｍａｌ Ｃｉｒｃｕｉ
ｔｓ，Ｉｎｃ．，４ ＪｅｆｆｅｒｓｏｎＡｖｅｎｕ
ｅ，Ｓａｌｅｍ，ＭＡ０１９７０−２９７６）がある。
そのようなものとして、赤外線放射要素は、斯かる用途
に要するユニットを比較的小さく、即ち、６ｘ８インチ
とすることができ、そのため、付随する放物面状の反射
要素、取り付け構造体等を有する従来のカロッドヒータ
ーよりも、かなり小さなスペースを幼児の上方で占める
だけであるため、幼児看護センターにおいて幼児を暖め
るのに独特に適している。そのため、世話をする職員
は、幼児に関して作業する時に放射要素をわきへ移動さ
せる必要がなく、放射要素は、職員が世話をしている時
間を通じて、幼児のＸ線撮影をする間でさえも、赤外線
を与え続けることができる。

【０００６】このような赤外線放射要素は、オン−オフ
制御が瞬間的であるため、迅速に応答するのみならず、
制御に対する応答時間が瞬間的なので、比例制御等の何
等かの自動制御とともに利用する時にも非常に好都合で
ある。現在のカロッドヒーターにおいては、例えば、ユ
ニットは、何等かの制御要素に応答して温度を上昇及び
／又は変化させるのに３分程度かかることがある。斯か
る赤外線放射要素は、非常に少ない熱量を有しているの
で、使用者が所望する加熱の変化に速やかに応答し、ユ
ニットは、速やかに応答する。赤外線放射要素は、セラ
ミックスなので、ガラス又は他の包囲体を必要とせず、
従来のレンズと共に用いて任意の所望する波及範囲で幼
児用プラットフォームを通じて熱の一様な分布をもたら
すことができる。そのため、赤外線放射要素の全ての赤
外線が、好適に差し向けられた波及範囲で幼児用プラッ
トフォームに向けて下方に差し向けられるので、幼児を
暖める効率が高められ、斯くして、何れの赤外線も上方
に差し向けられないので、反射要素さえも必要ではな
い。カロッドヒーターの熱と同等の熱を与えるのに斯か
る赤外線放射要素の大きさが比較的小さいので、世話を
する職員が幼児のＸ線撮影をする又は幼児と何等かの通
常の接触をするために、赤外線放射要素を移動させる必
要がなく、したがって、制御が良くでき、使用者の利便
が向上する。

【０００７】

【本発明の実施の形態】図１を参照すると、従来のヒー
ター機構を有する幼児看護センターの斜視図が示されて
いる。図示のように、看護センターは、幼児看護センタ
ー用の自立（ｆｒｅｅ ｓｔａｎｄｉｎｇ）ユニットを
提供するフレーム１０を含んでいる。フレーム１０は、
キャビネット１２上に支持されており、このキャビネッ
ト１２は、ホイール１６を有するベース１４上に設けら
れているので、看護センターを、容易に動かすことがで
きる。キャビネット１２は、更に、幼児の世話をするた
めの用品を収納するための１以上の引出し１８を含んで
いるのがよい。キャビネット１２の上には、幼児支持台
座２０が設けられており、この台座上には、載せた幼児
の下側に敷延する幼児用ベッド２２が配置されている。
支持台座２０は、幼児用ベッド２０の主な支持体であ
る。幼児用ベッド２２は、幼児を心地好くするための適
当なクッション材料を備えたほぼ平面状の上面２４を有
しており、更に、通常、透明なプラスチック材料ででき
ている防護要素２６によって囲まれているのがよく、幼
児用ベッド２２は、幼児を上面２４上に収容する。一般
に、防護要素２６は、幼児に完全に近づけるよう、取り
外し可能及び／又は解除可能である。

【０００８】フレーム１０は、一対の垂直な支柱３２を
接合する上部及び下部横材２８及び３０を含んでおり、
この垂直な支柱３２は、棚３４等の他の構造部品のため
の支持手段を提供することができる。上部横材２８に
は、看護センターを操作するための種々の電気的制御要
素を収容するための制御モジュール３５を設けることが
できる。加えて、上部横材２８には、ヒーター３６が取
り付けられる。留意されるであろうように、ヒーター３
６の位置は、幼児用ベッド２２の上方にあるようにすべ
きである。ヒーターは、幼児に差し向けられる熱の量を
最適にするように、幼児及びその周囲に波及範囲を提供
するよう合焦される。いろいろな種類の合焦可能なヒー
ターが、斯かる用途に利用でき、それらの例には、約50
0 〜600 ワットのカロッド合焦ヒーター、又は波形フォ
イルヒーターがある。後者は、幼児用ベッド２２におけ
る熱の波及範囲がほぼ長方形であるような直線状の長さ
のものであるのが好ましい。ヒーター３６は、横材２８
から片持ち梁の態様で、外側に延びる長さが約１８〜２
４インチであり、ガラス管に包囲されたカロッド抵抗ヒ
ーターを含んでいるのが典型的である。ヒーター３６内
には、更に、カロッド抵抗ヒーターからあらゆる方向に
発散する赤外線を、幼児用ベッド２２に向けて下方に再
方向付けする方物面金属反射要素がある。方物面反射要
素及びカロッドヒーターは、図示していないが、斯かる
現在入手可能な幼児看護センターにおける、従来のもの
である。

【０００９】今、図２を参照すると、図１の従来のカロ
ッドヒーターが、本発明による赤外線放射アセンブリ３
８に置き換えられた幼児看護センターの斜視図が示され
ている。赤外線放射アセンブリ３８は、内部に赤外線放
射要素４２（図６参照）が設けられたフレーム４０を備
えており、放射された赤外線を、幼児用ベッド２２の上
部の平面状の面２４の所望の波及範囲に合焦してベッド
に載せた幼児に熱を与えるよう、レンズ４４が備えられ
ている。放射アセンブリ３８の典型的な寸法は、先行技
術のカロッド式ヒーターに基本的に匹敵する充分な熱を
幼児に与えるよう、約６ｘ８インチである。赤外線の放
射の制御は、従来式であり、オン−オフ手動制御又は種
々の自動制御プログラム、例えば比例制御等であっても
よい。図２を見れば分るように、赤外線放射アセンブリ
３８は、図１に示すような従来のカロッド式ヒーター３
６よりもかなり小さく、出っ張りが少ない。更に、略述
すると、赤外線放射アセンブリ３８は、頑丈な構成のも
のであり、破損しにくい。制御は、ほぼ瞬間的であり、
したがって、赤外線を正確に制御することができ、比較
的簡単なレンズの使用により、全ての赤外線を、幼児に
差し向けることができ、よって、使用することができ
る。赤外線は、赤外線を幼児に向けて再方向付けして戻
す反射要素が必要となるよう、赤外線放射アセンブリ３
８の端部又は側部から放射されることはなく、又は、上
方に向けられることもない。

【００１０】赤外線放射アセンブリ３８の大きさの利便
性が、図３及び図４に示されており、何れの図も側面概
略図で、図３は、カロッドヒーター等の高抵抗ヒーター
を用いた従来技術のヒーターの図であり、図４は、本発
明の赤外線放射アセンブリ３８を示す。図３では、ヒー
ター３８が、幼児用ベッド２２上方のスペースの殆どを
占めており、したがって、上述したように、かなりうっ
とうしく、周りで作業をするのが困難である。一方、図
４に示す同じ寸法の同じ幼児用ベッド２２を備えた幼児
看護センターは、幼児用ベッド２２上方で非常に小さな
スペースを占める赤外線放射アセンブリ３８を有してい
るため、世話をする職員にとって便利であり、斯かる職
員の作業領域を減らしたり防げたりすることがない。し
かしながら、何れの場合にも、幼児用ベッド２２に送ら
れる赤外線の波及範囲は、同様である。しかし、赤外線
放射アセンブリから放射された赤外線は、幼児用ベッド
２２に、より好適に画定され、合焦される。次いで、図
５を考慮すると、本発明に従って構成された赤外線放射
アセンブリ３８の概略図が示されている。図５では、赤
外線放射要素４２は、赤外線放射要素４２を包囲して保
護するフレーム４０内に包含されて示されている。しか
しながら、カロッド式のヒーターとは対照的に、フレー
ム４０は、赤外線放射要素４２自体が数オンスの範囲に
あるので、かなりの重量に耐えるよう重い必要は何等な
く、したがって、フレームは、極めて軽量にすることが
できる。加えて、赤外線放射要素４２の赤外線は、幼児
に向けて下方にのみ送られるので、フレーム４０は、熱
に晒されることがなく、もしもそれがなければ幼児から
離れて送られるであろうあらゆる赤外線を再方向付けす
るための反射要素を必要とすることもない。

【００１１】レンズ４４が、赤外線放射要素４２から放
射された赤外線を合焦し整形する。レンズ４４は、全く
従来のものでよく、赤外領域の波長のスペクトルを有す
る放射線が材料を容易に通過することのできる石英又は
ガラスで構成されているのがよい。ガスケット４６が、
防塵シールを形成して赤外線放射アセンブリ３８に塵又
は他の汚染物が入り込まないように維持するため、レン
ズ４４をフレーム４０内に封止するよう、備わってい
る。次いで、図６を参照すると、本発明に用いるための
赤外線放射要素４２が示されている。述べたように、斯
かる放射要素は、種々の供給業者から商業的に入手する
ことができ、それらの業者のうちの一つが、郵便番号０
１９７０−２９７６、マサチューセッツ州 セーラム、
ジェファーソンアヴェニュー４のサーマルサーキッツ社
である。一般的に、赤外線放射要素４２は、セラミック
ス製本体４８を備え、この本体には、所望のパターンに
なった銅等の材料からなるエッチングしたフォイル５０
が配置されている。エッチングしたフォイル５０を覆っ
ているのは、エッチングしたフォイル５０を保護し、赤
外線が放射される表面を封止する断熱体５２である。

【００１２】電気エネルギー源に接続して赤外線放射要
素４２に通電するため、電線５４が備わっている。ご覧
のように、即ち、図６において、幼児看護センター内の
幼児を暖めるのに適当な赤外線放射要素４２の典型的な
寸法は、厚さが約１／４インチ、全体の寸法が６ｘ８イ
ンチである。典型的には、幼児看護センターに適した大
きさ及び寸法の赤外線放射要素は、家庭用又は業務用ト
ースター等の用途に商業的に生産されている。図７及び
図８の更に別の実施形態においては、それぞれ、本発明
の特定の実施形態の部分切欠側面図及び底面図が示され
ている。この実施形態では、赤外線放射要素４２は、赤
外線を所望のパターンにして幼児に向けて送るよう、弧
状、好ましくは放射線状の形状になっている。赤外線放
射要素４２には、ハニカム５６が取り付けられており、
ハニカムは、赤外線を幼児に向けて下方に再方向付けす
る。ハニカム５６は、長さが約１〜２インチの多数の六
角形の通路を備え、約１／４インチ隔たった六角形の平
行な平坦面を有するステンレス鋼のフォイルであるのが
好ましい。ハニカム５６は、赤外線放射要素４２からの
赤外線を、ほぼ直線状のパターンにして幼児に向けて再
方向付けする。

【００１３】この用途に適した典型的なハニカム材料
は、広範な種類の大きさ及び厚さで、インディアナ州、
ニューアルバニーのケンタッキーメタルス社（Ｋｅｎｔ
ｕｃｋｙ Ｍｅｔａｌｓ，Ｉｎｃ ｏｆ Ｎｅｗ Ａｌ
ｂａｎｙ，Ｉｎｄｉａｎａ）を通じて市販されている。
本発明を特定の実施形態に関して述べてきたが、本明細
書で開示した幼児看護センターは、当業者によって、他
の形態に変更又は改変できることが理解されよう。した
がって、本発明は、広く解釈さるべきであり、特許請求
の範囲の範囲及び精神によってのみ限定さるべきであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のヒーターを有する幼児看護センターの斜
視図である。

【図２】本発明による赤外線放射要素を有する幼児看護
センターの斜視図である。

【図３】幼児看護センターにおける従来のヒーターを示
す側面概略図である。

【図４】本発明による幼児看護センターに用いる赤外線
放射要素を示す側面概略図である。

【図５】本発明に用いる赤外線放射アセンブリの概略図
である。

【図６】本発明に用いる赤外線放射要素の部分的に切り
欠いた斜視図である。

【図７】本発明の特定の実施形態の部分的に切り欠いた
側面図である。

【図８】図６の実施形態の底面図である。

【符号の説明】

１０…フレーム ２２…幼児用ベッド ３８…赤外線放射アセンブリ ４２…赤外線放射要素 ４４…レンズ ４８…セラミックス製ベース ５０…放射フォイル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−42641（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−294424（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−128035（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−56489（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−56391（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−116464（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24C 15/24 A61F 7/00 A61N 5/06 F24C 15/30 A61G 11/00

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直立フレーム部材と、 前記直立フレーム部材に取り付けられ、幼児の下側に敷
   延するようになっているほぼ平面状の幼児用ベッドと、 前記幼児用ベッド上方に、前記直立フレーム部材に取り
   付けられた赤外線放射要素であって、セラミックス製ベ
   ースを備え、ベースに取り付けられた放射フォイルを有
   し、赤外電磁波を放射するようになっている赤外線放射
   要素と、 前記赤外線放射要素と前記幼児用ベッドとの中間に位置
   するレンズ系であって、前記放射要素から放射された赤
   外線を受け、前記幼児用ベッドに載せられた幼児を暖め
   るため、前記レンズ系を通過する赤外線を、前記幼児用
   ベッド上の所定の波及範囲に合焦するレンズ系とを備え
   る幼児看護センター。
2. 【請求項２】 前記直立フレーム部材に取り付けられた
   放射要素フレームを更に含み、前記赤外線放射要素は、
   前記放射要素フレーム内に包囲され、前記レンズ系は、
   前記放射要素を、前記放射要素フレーム内に、防塵雰囲
   気内に包囲するため、前記フレームに取り付けたレンズ
   を備えている、ことを特徴とする請求項１記載の幼児看
   護センター。
3. 【請求項３】 前記放射要素フレームは、外周縁を有す
   る下方に向いた開口部を有しており、前記レンズアセン
   ブリは、前記レンズを前記放射要素フレームに封止する
   ため、前記レンズと前記放射要素フレームの外周縁との
   間に介在させたＯ−リングを、更に含んでいる、ことを
   特徴とする請求項２記載の幼児看護センター。